JP2001224256A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

Info

Publication number
JP2001224256A
JP2001224256A JP2000036095A JP2000036095A JP2001224256A JP 2001224256 A JP2001224256 A JP 2001224256A JP 2000036095 A JP2000036095 A JP 2000036095A JP 2000036095 A JP2000036095 A JP 2000036095A JP 2001224256 A JP2001224256 A JP 2001224256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
weight
parts
film
chloride resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000036095A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Fujiwara
克宏 藤原
Mitsuo Yasui
光雄 安井
Takeshi Tashiro
健 田代
Kazuyoshi Murakami
主義 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical MKV Co filed Critical Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority to JP2000036095A priority Critical patent/JP2001224256A/ja
Publication of JP2001224256A publication Critical patent/JP2001224256A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温下における機械強度・耐衝撃性に優れる
農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】 エチレン含有量が0.1〜10重量%で
あるエチレンー塩化ビニル共重合体(A)5〜100重
量部と他の塩化ビニル系樹脂(B)95〜0重量部から
なる塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、塩素化ポ
リエチレン(C)0.5〜20重量部、可塑剤30〜6
0重量部含有させてなることを特徴とする農業用塩化ビ
ニル系樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムに関する。更に詳しくは、加工性良好であ
り、展張後の外力(かぜ、雪、雹、アラレ等)による破
れ等の好ましくない現象に対して、低温下における機械
強度・耐衝撃に優れる。さらには、屋外暴露後の防塵
性、防曇性の低下が少ない、農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有用植物を効率よく栽培するため
に、ハウス内又は、トンネル内で促進栽培することが盛
んに行われている。このハウス又は、トンネルを被覆す
る資材として耐候性、透明性及び、保温性等が優れてい
る理由で塩化ビニル系樹脂フィルムが多用されている。
【0003】しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂フィ
ルムは、樹脂軟化剤として、可塑剤が配合されており、
この可塑剤は、感温性が大きく、特に寒冷地区での展張
使用される際の伸びが悪く破れ易い。また、展張後も
風、雪、雹、アラレ等の外力がフィルムに加わった際に
破れ易いという問題点があった。このため、寒冷地区に
おける伸び、耐衝撃性等の物性を改善する方法として、
下記のような農業用塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑
剤の量を増加、あるいは、耐寒性可塑剤の配合等、可塑
剤配合に関する方法が提案されている。
【0004】しかし、塩化ビニル系樹脂フィルム中の可
塑剤量を増加させる方法は、低温強度に対して、向上効
果があることが知られているが、この方法では、夏場等
の高温時にフィルムが、べたついたり、たるむことが知
られている。そこで、可塑剤の量をあまり増量すること
なく、低温時の物性を向上させるために耐寒性の可塑剤
を配合する方法が提案されている(特開昭58−497
42号公報等)。しかしながら、この方法では、一般に
塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪く、ブリードしたり耐
熱性に劣る欠点がある。又、耐候性が劣る(褐変等)欠
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、加工性が良好であり、展張後の外力(か
ぜ、雪、雹、アラレ等)による破れ等が起こらず、低温
下における機械強度・耐衝撃性に優れる農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを提供することを目的とした。又、屋
外暴露後の防塵性、防曇性の低下が少ない農業用塩化ビ
ニル系樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、エチレン含有量が0.1〜10重量%
であるエチレンー塩化ビニル共重合体(A)5〜100
重量部と他の塩化ビニル系樹脂(B)95〜0重量部か
らなる塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、塩素化
ポリエチレン(C)0.5〜20重量部、可塑剤30〜
60重量部含有させてなることを特徴とする農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 1.エチレンー塩化ビニル共重合体(A) 本発明に用いるエチレンー塩化ビニル共重合体は、エチ
レン含有量が0.1〜10重量%のものを用い、好まし
くは0.5〜7.0重量%である。エチレン含有量が少
なすぎると、強度の向上効果が少なく、エチレン含有量
が多すぎると低温時の物性が低下する傾向にある。その
平均重合度は1400以上2000以下、好ましくは1
600〜1800のものが良い。
【0008】エチレンー塩化ビニル共重合体(A)は単
独で用いても良いし、下記の他の塩化ビニル系樹脂
(B)と混合して用いてもよい。 2.塩化ビニル系樹脂(B) 本発明における他の塩化ビニル系樹脂(B)とは、ポリ
塩化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合
体をいう。
【0009】塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物と
しては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アク
リロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、
メタクリル酸、酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化
ビニル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合
法、塊状重合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの
方法によって製造されたものであってもよい。
【0010】又、本発明においては、上記塩化ビニル樹
脂として、平均重合度が1000以上2500以下、好
ましくは1100以上2000以下のものを用いるが、
異なる平均重合度のものを用いて2種混合してもよい。
この混合方法としては、フィルム製膜加工時に2種類の
樹脂を混合する方法が一般的であるが、塩化ビニル樹脂
の重合時に重合条件コントロールによって、見掛け上2
種類の平均重合度の異なる樹脂が混合されたことになる
方法であってもよい。
【0011】上記の、エチレンー塩化ビニル共重合体
(A)と、他の塩化ビニル系樹脂(B)とは、その混合
比が(A)が5〜100重量部に対し(B)が95〜0
重量部になるよう配合される。特に好ましくは、(A)
が30〜100重量部に対し、(B)が70〜0重量
部、更に好ましくは(A)が35〜90重量部、(B)
が65〜10重量部である。
【0012】3.可塑剤 上記基体となる塩化ビニル系樹脂フィルムには、柔軟性
を付与するために、可塑剤が、この樹脂100重量部に
対して、30〜60重量部、好ましくは、40〜55重
量部配合される。30重量部未満では、低温時での柔軟
性に乏しいため、充分な低温物性が得られない。また、
60重量部を越えると、常温下での取り扱い性(べたつ
き性等)が悪化したり、製膜加工時の作業性が低下する
ので好ましくない。
【0013】使用しうる可塑剤としては、例えば、ジ−
n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイソ
フタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチ
ルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチルマ
レート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチルシトレ
ート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等の
イタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘
導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘
導体;その他、エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂系可塑
剤等が挙げられる。
【0014】また、樹脂フィルムに柔軟性を付与するた
めに、上述の可塑剤に限られるものでなく、例えば熱可
塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等を使用するこ
ともできる。 4.塩素化ポリエチレン 本発明においては、塩素化ポリエチレン(C)を、
(A)と(B)を合計した塩化ビニル系樹脂100重量
部に対し、0.5〜20重量部を配合する。
【0015】塩素化ポリエチレン(C)において原料と
なるポリエチレンは、エチレンの単独重合、もしくは、
エチレンと30重量%以下(好ましくは、20重量%以
下)の炭素数が12個以下(好ましくは、3〜9個)の
α−オレフィンを共重合することによって得られるもの
が好ましい。α−オレフィンの具体例としては、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン等が挙げられる。原料となるポリオレフィンとし
ては、特にエチレンを単独重合したものが好ましい。
【0016】本発明に使用される塩素化ポリエチレン
は、ポリエチレンの粉末または粒子を水性懸濁液中で塩
素化するか、あるいは有機溶剤中に溶解したポリエチレ
ンを塩素化する方法が採用される。上記塩素化ポリエチ
レンの塩化ビニル系樹脂への配合量は、0.5〜20重
量部、好ましくは0.5〜10重量部がよい。0.5よ
り少ないと初期物性及び耐候後物性が向上されにくく、
多すぎると、フィルムが白濁し、好ましくない。上記範
囲内でも特に1.0〜7重量部が好適である。
【0017】この塩素化ポリエチレンの塩素含有量は、
15〜50重量%の範囲がよい。少なすぎると塩化ビニ
ル系樹脂との相溶性に劣りやすく、フィルムが白濁し好
ましくなく、多すぎる範囲では、低温での物性が向上す
ることがないために好ましくない。上記範囲内でも特に
30〜45重量%が好適である。塩素化ポリエチレンの
メルトインデックスは、0.5〜150g/10分の範
囲がよい。小さすぎると塩化ビニル系樹脂との相溶性が
劣りフィルムが白濁し、大きすぎる範囲では、物性が添
加量に比例して向上することがなく、好ましくない。上
記範囲内でも特に1.0〜130g/10分が好適であ
る。
【0018】塩素化ポリエチレンの結晶化度は、0〜3
0%がよい。高すぎる範囲では、塩化ビニル系樹脂との
相溶性が悪く、フィルム表面にブリードするために好ま
しくない。上記範囲内でも特に20%以下、又は0.0
1%以上が好ましく、特に1〜20%が好適である。 5.アクリル系共重合体 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムには、加工性
の観点から、アクリル系共重合体を配合してもよい。ア
クリル系共重合体としては、メチルメタクリレートモノ
マーを主単量体とし、メチルメタクリレートモノマーと
共重合可能なビニルモノマー単量体とを共重合して得ら
れるものが好ましい。
【0019】共重合される割合は、(A)メチルメタク
リレート60〜100重量%、(B)メチルメタクリレ
ートモノマーと共重合可能なビニルモノマー単量体0〜
40重量部であることが好ましい。 メチルメタクリレ
ートモノマーが60重量%より少ない範囲では、アクリ
ル系共重合体と塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪くフィ
ルム外観が劣るために好ましくない。
【0020】メチルメタクリレートと共重合可能なビニ
ルモノマー単量体としては、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、デシルアクリレート等のようなアクリル酸のC1
〜C16のアルキルエステル類:エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート等の
ようなメタクリル酸のC1〜C16のアルキルエステル
類:スチレン、アクリルニトリル、メタクリロニトリル
などを挙げることができる。これらメチルメタクリレー
トと共重合可能なビニルモノマー単量体は、1種類もし
くは数種類を組み合わせて共重合させても良い。
【0021】上記アクリル系共重合体の塩化ビニル系樹
脂への配合量は、0.1〜10重量部の範囲が好まし
い。少なすぎると加工性が改良されず、多すぎる範囲で
は、加工性・物性共に比例して向上することがないため
に好ましくない。上記範囲内でも特に0.5〜5重量部
が好適である。アクリル系共重合体は、上記単量体の2
種以上を所定量組み合わせて有機溶剤ないし水とともに
重合缶に仕込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節
剤を加えて撹拌しつつ加熱重合して得られる。重合は、
公知の方法、例えば懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合
法などが採用される。
【0022】6.他 勿論、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可塑剤、塩素化
ポリエチレン、アクリル系共重合体の他に、必要に応じ
て、成形用の合成樹脂に通常配合される公知の樹脂添加
剤、例えば、防曇剤、防霧剤、滑剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、有機リン酸金属塩、無機物、抗酸化
剤、安定化助剤、帯電防止剤、防黴剤、防藻剤及び着色
剤等の各種添加剤を配合することができる。
【0023】防曇剤としては、非イオン系界面活性剤が
好適であり、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンエーテル等のエーテル型のも
の、多価アルコールとの脂肪酸の部分エステル化物のエ
ステル型のもの、グリセリンエステルのポリオキシエチ
レンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシルエチ
レンエーテル等のエーテルエステル型のものがあげられ
る。
【0024】以下に、好適な非イオン系界面活性剤を例
示する。 (イ)ソルビタン、ソルビトール、マンニタン、マンニ
トール、グリセリン、ジグリセリン等の多価アルコール
と、炭素数12〜22個の脂肪酸との部分エステル (ロ)アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド又は
プロピレンオキサイドで、その付加モル数が1〜20モ
ル、多価アルコールがソルビタン、ソルビトール、マン
ニタン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリンで、
脂肪酸の炭素数が12〜22個であるポリオキシリアル
キレン多価アルコールの脂肪酸エステル(ハ)(イ)と
(ロ)の混合物。
【0025】これらの混合物は、多価アルコールのモノ
エステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得
られる。一般的には、ジエステル成分の含有割合の高い
組成のエステル混合物が好適である。非イオン系界面活
性剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、0.5〜5重量部の範囲内から選ぶものとする。特
に、1.0〜3.0重量部が適当である。
【0026】防霧剤としては、フッ素系界面活性剤があ
げられる。具体的には、通常の界面活性剤の疎水基のC
に結合したHのかわりにその一部または全部をFで置換
した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基または
パーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤であ
る。フッ素系界面活性剤の配合量は、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり0.01重量部以上、0.5重量部以
下で充分であり、配合量の好適範囲は、0.02〜0.
2重量部である。
【0027】滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に農
業用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワックス、流
動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキレータ
ー、フェノール類、β−ジケトン化合物等があげられ
る。β−ジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタ
ン、メトキシベンゾイル・ベンゾイルメタン、クロルベ
ンゾイル・ベンゾイルメタン、パルミチルベンゾイルメ
タン等が好適である。
【0028】これら、滑剤、熱安定剤の配合量は、0.
01〜2.0重量部の範囲、特に、0.04〜1.0重
量部が好ましい。紫外線吸収剤としては、農業用塩化ビ
ニルフィルムに通常配合されるものであればよく、ベン
ゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エス
テル系、ハイドロキノン系、シアノアクリレート系等各
種の紫外線吸収剤があげられる。例えば、特公昭62−
38143号公報第7欄第27行〜第9欄第34行目、
特公昭62−53543号公報第7欄第13〜36行目
に記載された紫外線吸収剤であり、特にベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が
好ましい。具体的には、以下のようなものがあげられ
る。
【0029】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であ
る、2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
チルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−アミノフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メト
キシベンゾトリアゾール、2−(2′−メチル−4′−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ステアリルオキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)
−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエ
チルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メチル
−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,
5′−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリ
アゾールブチルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホン
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリ
アゾール、2−(2′−アセトキシ−5′−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等。
【0030】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤である、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n
−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2,2′−
ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベ
ンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−
ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロ
ルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロ
キシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等。
【0031】紫外線吸収剤は、単独又は、2種以上を組
み合わせて使用することができる。その配合量は、塩化
ビニル樹脂100重量部当たり、0.01〜3.0重量
部の範囲、特に、0.02〜2.0重量部が好ましい。
光安定剤としては、農業用フィルムに通常配合される種
々の化合物を使用することができ、例えば、ヒンダード
アミン系化合物があげられ、具体的には、特開平6−1
55680号公報第5〜19頁等に記載の化合物であ
る。これら光安定剤は一種類、または二種類以上組み合
わせて使用してもよい。その配合量は、塩化ビニル樹脂
100重量部当たり、0.05〜5.0重量部の範囲、
特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0032】有機リン酸金属塩としては、亜鉛、カルシ
ウム、バリウム、マグネシウム、コバルト又はストロン
チウムと各種有機リン酸との塩を使用する。具体的に
は、特開平2−30529号公報第9頁第9行〜第11
頁最終行目に記載のある有機リン酸金属塩があげられ
る。これら有機リン酸金属塩は一種類、または二種類以
上組み合わせて使用してもよい。その配合量は、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、0.05〜5.0重量部
の範囲、特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0033】本発明において、赤外域に吸収のある無機
物を保温性向上の目的で配合することができる。具体的
には次のようなものがあげられる。炭酸マグネシウム、
マグネシウム珪酸塩(タルク)、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水
酸化カルシウム、リン酸金属塩、ハイドロタルサイト類
(含水−又は無水−アルミニウム/マグネシウム塩基性
炭酸塩);アルミニウム/亜鉛塩基性炭酸塩炭酸リチウ
ム−水酸化アルミニウム包接化合物等があげられ、これ
らのうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
酸化珪素、炭酸マグネシウム、及びハイドロタルサイト
類がフィルムの透明性を低下させることが少なく特に好
ましい。
【0034】これらの無機物は1種でも2種以上添加す
ることができ、その配合量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部当たり0.5〜10重量部の範囲、特に、2〜1
0重量部の範囲が好ましい。抗酸化剤として使用可能な
化合物としては、フェノール系及び硫黄系抗酸化剤が使
用でき、具体的には、2,6−ジ−ブチル−4−メチル
フェノール−2,2′−メチレンビス(6−tert−
ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプ
ロピオネート等をあげることができる。これらの酸化防
止剤は、単独又は、2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0035】安定化助剤として使用可能な化合物として
は、トリフェニルホスファイト、ジオクチルフェニルフ
ォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、ジフェニルインデシルフォスファイト、トリラウリ
ルトリチオフォスファイト、ジフェニルアシッドフォス
ファイト等をあげることができる。これらの安定化助剤
は、単独又は二種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0036】帯電防止剤としては、例えばポリオキシエ
チレンアルキルアミン、ポリグリコールエーテル、p−
スチレンスルホン酸ナトリウム等があげられる。防黴
剤、防藻剤としては、一般的に農業用塩化ビニルフィル
ムに配合される種々の化合物を使用することができる。
例えば、有機窒素系化合物があげられ、具体的には、イ
ミダゾール誘導体、アニリド誘導体、尿素誘導体、アン
モニウム誘導体、トリアジン誘導体、フタルイミド誘導
体等がある。
【0037】着色剤として使用可能なものとしては、例
えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛
華、パーマネントレッド、キナクリドン、カーボンブラ
ック等をあげることができる。これらの着色剤も、単独
又は2種以上を組み合わせて使用することができる。以
上の各種樹脂添加物はフィルムの性質を悪化させない範
囲、通常は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、5
重量部以下の範囲で選ぶことができる。
【0038】塩化ビニル系樹脂に樹脂添加物を配合する
には、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリ
ーミキサー、スーパーミキサーその他の従来から知られ
ている配合機、混合機を使用すればよい。このようにし
て得られた樹脂組成物をフィルム化するには、それ自体
公知の方法、例えば、溶融押出成形法(T−ダイ法、イ
ンフレーション法を含む)、カレンダー成形法、溶液流
延法等の従来から知られている方法によればよい。
【0039】フィルムの厚さは、0.03〜0.3mm
の範囲、好ましくは、0.05〜0.2mmの範囲とす
るのが好ましい。0.03mmより薄いと、フィルムの
強度が不足し破れが発生しやすく、0.3mmよりも厚
いと、切断、接着等の作業に悪影響を与える。本発明の
農業用樹脂フィルムは、基体フィルム表面の少なくとも
片面に格子状、縞状、微細な凹凸模様(シボ模様)をつ
けてもよい。
【0040】7.防塵性被膜 更に耐久性および、防塵性を向上させるために、本発明
に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの片面上に、ア
クリル系樹脂被膜を形成することが好ましい。使用する
アクリル系樹脂としては、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート5〜40重量%、分子内に1個もしくは2
個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン
酸0〜20重量%及びこれらと共重合可能な他のビニル
系単量体とを共重合して得られる重合体が好ましい。
【0041】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシ
メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペン
チルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。
【0042】分子内に1個もしくは2個以上のカルボキ
シル基を含むα,β−不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸等があげられる。これら化合物を、前記ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートと併用すると、アク
リル樹脂と基体フィルムとの密着性及び耐久性が向上す
る。これらの使用量は、0.5〜20重量%が好まし
い。これ以上であると、フィルムが水分で潤れていると
きにフィルム同志が付着し合う性質(湿潤時のブロッキ
ング性)が強化されるので、好ましくない。
【0043】前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート及びα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他の
ビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル又は、これとアルケニルベンゼンとの混合物が
あげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エ
チルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、ア
クリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチ
ルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステ
ル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエ
ステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−
n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエス
テル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル
酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシル
エステル等があげられ、一般には、アルキル基の炭素数
が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又は
アルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸のアル
キルエステルが使用される。
【0044】本発明で用いられるアルケニルベンゼンと
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等があげられる。かかるアクリル系樹脂を、基
体塩化ビニル系樹脂フィルムに表面処理するときに、フ
ィルムとの密着性等を改善する目的で、アクリル系樹脂
と相溶性のある他樹脂を混合することが可能である。他
樹脂としては、フッ化ビニリデン系樹脂、パーフルオロ
アルキル基を側鎖にもつアクリル樹脂、セルロースアセ
テートブチレート樹脂、シリコン樹脂等がとくに効果的
である。
【0045】塩化ビニル系樹脂フィルム表面上に、前記
アクリル系樹脂の被膜を形成するには、アクリル系樹脂
を有機溶媒に溶解し、スプレイコート法、ロールコート
法、グラビアコート法、リバースコート法、ディップコ
ート法等のほか、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等
のそれ自体公知の各種塗布方法によって塗布し、乾燥す
るのがよい。
【0046】基体フィルムの表面に形成するアクリル系
樹脂被膜の厚さは、基体フィルムの厚さにもよるが、
0.5〜10μmの範囲から選ぶ。被膜の厚さは、上記
範囲内で、基体フィルムの厚さに比例させるのがよい。
本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを、実際
に使用するにあたっては、被膜が片面のみに形成されて
いるときは、この被膜の設けられた側をハウス又はトン
ネルの外側となるようにして展張するのがよい。
【0047】8.防曇性被膜 本願発明の基体フィルムの片面又は両面、好ましくは片
面のみには、シリカゾル及び/又はアルミナゾルと熱可
塑性樹脂を含有する防曇剤組成物に由来する被膜が形成
されていると好ましい。シリカゾルやアルミナゾルと
は、コロイダルシリカやコロイダルアルミナが液体に分
散した分散系をいい、コロイダルシリカ及び/又はコロ
イダルアルミナは平均粒子径が5〜100mμ範囲のも
のが好ましい。これらは、それぞれ単独で使用してもよ
いし、両者を組み合わせて使用してもよい。また、単独
又は両者を組み合わせて使用する際に平均粒子径の異な
る2種以上のものを組み合わせて用いてもよい。両者を
組み合わせるときは、重量比でシリカゾル/アルミナゾ
ルが95〜5/5〜95(全体として100とする)の
割合にするのが好ましい。
【0048】防曇剤組成物に配合されるバインダー成分
としては、アルミナゾルあるいはシリカゾルの分散液で
ある水ないしはアルコールのような親水性媒体との親和
性のよいものを選ぶ必要がある。具体的には、このよう
な親水性を有する界面活性剤あるいは、熱可塑性樹脂な
どが使用される。バインダー成分として使用する熱可塑
性樹脂としては、上記のように媒体(通常は水)との親
和性のよいアクリル系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル系
樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビ
ニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽
和ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、特にアクリル
系樹脂が好適である。
【0049】防曇剤組成物の主成分であるシリカゾル及
び/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分重量比で
バインダー成分に対し0.5〜40倍の範囲にあるのが
好ましい。防曇剤組成物には、バインダー成分同士を架
橋させる架橋剤を併用してもよい。こうすることにより
防曇被膜の耐水性を向上させることができる。架橋性化
合物としては、前述の防曇用の被膜組成物に使用される
同じものが防曇剤組成物においても使用することができ
る。架橋性化合物の使用量は、バインダー成分の固形分
に対し、1〜30重量%の範囲、特に0.5〜10重量
%の範囲が好ましい。
【0050】また、防曇剤組成物には、必要に応じ、消
泡剤、滑剤、帯電防止剤、その他各種の添加剤を混合す
ることができる。しかして、防曇剤組成物は、通常液状
で使用される。液状分散媒としては、水を含む親和性な
いし水混合性溶媒が含まれ、水;メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類;ベンジルアルコ
ール類の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;
ケトン類等が挙げられる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に
限定されるものではない。 I.基体フィルムの調整 実施例1〜3、比較例1〜2 塩化ビニル樹脂(平均重合度1500)(第5表に示す重量部) エチレンー塩化ビニル共重合体(第1表に示す組成、第5表に示す重量部) ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 45重量部 塩素化ポリエチレン(第2表に示す組成、第5表に示す重量部) トリキシレニルホスフェート 5重量部 エポキシ樹脂 3重量部 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンラウレート 1.5重量部 2、4―ジヒドロキシベンゾフェノン 0.06重量部 よりなる樹脂組成物を、準備し、配合した。
【0052】各配合物を、スーパーミキサーで10分間
撹拌混合したのち、180℃に加温したミルロール上で
混練し、厚さ0.10mmの基体フィルムを調整した。 II.アクリル系樹脂の調整 温度計、攪拌機、環流冷却器および原材料添加要ノズル
を備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、ト
ルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び
第2表に示した各単量体の混合物100重量部を仕込
み、窒素ガス気流下で攪拌しつつ、70℃で3時間更に
過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反応を3時
間、同温度で継続してアクリル系重合体を得た。
【0053】II―2. 被膜の形成 第3表に示した種類及び量のアクリル系重合体を配合
し、これに固形分が20重量%になるようにメチルエチ
ルケトンを加え、被膜組成物を得た。前記の方法で調整
した基体フィルムの片面に、上記被覆組成物を、#5バ
ーコーターを用いて、各々塗布した。
【0054】塗布したフィルムを130℃のオーブン中
にて1分間保持して、水を揮散させた。得られた各フィ
ルムの被膜の量は、約3g/m2 であった。 III.防曇剤組成物の被膜の形成 第4表に示した主成分(コロイダルシリカ及び/又はア
ルミナゾル)とバインダー成分と架橋剤及び液状分散媒
とを配合して防曇剤組成物を得た。
【0055】アクリル系樹脂を形成した基体フィルムの
もう一方の面に、上記防曇剤組成物をロールコート法に
より連続的に塗布し、乾燥炉中80℃で1分間保持して
液状分散媒を揮散させ、各フィルムを巻き取った。得ら
れた各フィルムの被膜の量は、約1g/m2 であった。 IV.フィルムの評価 以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果
を第6表に示す。 初期外観 実施例、比較例で作成したフィルムの外観を、肉眼での
観察及び日立製作所(株)製EPS−2U型により直進
光線透過率(波長555nm)を測定した。
【0056】この評価基準は、次のとおりである。 I)目視外観 ◎…表面光沢にむらがなく、かつ荒れ、しわのないも
の。 △…表面光沢にむらがあり、又は荒れ、しわのないも
の。 ×…表面光沢にむらがあり、かつ荒れ、しわのあるも
の。
【0057】II)直進光線透過率 ◎…透過率が、85%以上のもの。 ○…透過率が、65%〜84%のもの。 △…透過率が、45%〜64%のもの。 ×…透過率が、45%未満のもの。 低温物性 衝撃強度:実施例、比較例で得られたフィルムを10c
m×10cmのサンプルを9枚用意し、JIS B−7
503に規定されたダイヤルゲージでサンプルの中心部
の厚みを測定する。上記サンプルを−15℃の室内にお
いて、東洋精機(株)製パンクチャーにより測定した。
【0058】 衝撃強度=測定値(衝撃値)/測定厚み×公称厚み 屋外展張試験 各種のフィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置した
屋根型ハウス(開口3m、奥行き5m、棟高1.5m、
屋根勾配30度)に、アクリル防塵被膜を設けた面をハ
ウスの外側にして被覆し、平成10年3月〜平成11年
2月までの1年間展張試験を行った。 展張したフィル
ムについて、以下の方法により、フィルムの耐候後の伸
び残率、フィルムの低温時における衝撃強度、脆性破壊
率を評価した。
【0059】I)外観 で実施した内容と同様の方法で、試験及び評価を実施
した。 II)低温物性 で実施した内容と同様の方法で、試験及び評価を実施
した。 III)防塵性 次式により算出した値を以下の評価基準により判断し
た。
【0060】(展張後、経時的に回収したフィルムの光
線透過率*)/(展張前の光線透過率*)×100 *波長555nmにおける直進光線透過率(日立製作所
製、EPS−2U型使用) ◎…展張後の光線透過率が展張前の90%以上のもの。
【0061】○…展張後の光線透過率が展張前の70〜
89%の範囲のもの。 △…展張後の光線透過率が展張前の50〜69%の範囲
のもの。 ×…展張後の光線透過率が展張前の50%未満のもの。 IV)防曇性 展張したフィルムにつき、日中フィルムサイド部を巻き
上げ、夕方フィルムを密閉した後、展張中の天井部と巻
き上げ部各々の内面に、付着する水滴の状況を経時的に
肉眼で観察した。評価基準は次の通りである。
【0062】◎…フィルム表面(ハウス内面に面した
方、以下同じ)に付着した水滴同士が合体して薄膜状に
広がり、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3
未満、1/2以上のもの。展張後の光線透過率が90%
以上のもの。 ○…フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
るが、薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2未満の
もの。
【0063】△…フィルム表面に付着した水滴同士の合
体は認められるが、薄膜状部分の形状が認められないも
の。 ×…フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
ないもの。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【発明の効果】以上、実施例からも明らかなように本発
明は、次のような効果を奏し、その農業上の利用価値
は、極めて大である。 (1)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、経時後の低温時における物性低下が少なく、使用末
期においても、低温における物性に優れている。
【0071】(2)本発明に係わる農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムは、低温下における物性に優れており、展
張時による破れ、展張後の外力(風、雪、雹、アラレ
等)による破れに対する抵抗性に優れている。 (3)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、屋外に展張されても防塵性の低下度合いが少ない。
【0072】(4)本発明に関わる農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムは、フィルムの一方面に防曇剤組成物に由
来する被膜が形成されており、該フィルムを防曇剤組成
物の被膜がハウスの内側になるように展張した時、水滴
の付着を抑制する機能を果たし、防曇効果は、長期間に
わたって持続する。尚、本発明に係わる農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルムにおいて、ある特定の塩素化ポリエチ
レン、エチレンー塩化ビニル共重合体を混合することに
よる内部応力緩和効果・分子の絡まりの増大によって、
低温時の物性向上を引き出し、さらには、耐候後の物性
の低下を抑える効果を引き出す。
【0073】以上より本発明の農業用塩化ビニル系樹脂
フィルムは、低温時物性・耐候後の物性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 27/06 C08L 27/06 4J002 (72)発明者 田代 健 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 (72)発明者 村上 主義 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 Fターム(参考) 2B024 DB01 EA01 2B029 EC02 EC04 EC09 EC16 EC19 EC20 4D075 CA39 DA04 DB31 4F071 AA15 AA15X AA24 AA24X AA78 AA88 AA89 AE04 AF14 AF23 AH01 BA01 BB02 BB04 BB06 BC01 4F100 AA19D AA19E AA20D AA20E AH02H AH08H AK01D AK01E AK04A AK04J AK04K AK10A AK10K AK15A AK15J AK25B AK25C AL01A AL05A AS00D AS00E BA03 BA05 BA06 BA10B BA10C BA10E BA13 CA04A CA10D CA10E GB01 JA06A JA11A JB16D JB16E JK01 JK09 JL01 JL06 JM01D JM01E JN30 YY00A 4J002 BB04W BB243 BD03X BD06W EH016 EH086 EH146 FD026 GA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含有量が0.1〜10重量%であ
    るエチレンー塩化ビニル共重合体(A)5〜100重量
    部と他の塩化ビニル系樹脂(B)95〜0重量部からな
    る塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、塩素化ポリ
    エチレン(C)0.5〜20重量部、可塑剤30〜60
    重量部含有させてなることを特徴とする農業用塩化ビニ
    ル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】該塩素化ポリエチレンが塩素含有量15〜
    50重量%、メルトインデックス0.5〜150g/1
    0分、結晶化度0〜30%であることを特徴とする請求
    項1記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】該塩化ビニル系フィルムの片面又は両面
    に、アクリル樹脂被膜が形成されてなる請求項1または
    請求項2記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】該塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両
    面に、シリカゾル及び/又はアルミナゾルと熱可塑性樹
    脂を含有する防曇剤組成物に由来する被膜が形成されて
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれ
    かの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
JP2000036095A 2000-02-15 2000-02-15 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム Pending JP2001224256A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000036095A JP2001224256A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000036095A JP2001224256A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001224256A true JP2001224256A (ja) 2001-08-21

Family

ID=18560181

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000036095A Pending JP2001224256A (ja) 2000-02-15 2000-02-15 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001224256A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001226550A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001224258A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001224256A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001224255A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3175659B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001016996A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001224257A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001224259A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3675277B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001220480A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001016999A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001226551A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3671736B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3240933B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2004057103A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP3414232B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2003299416A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001239628A (ja) 農業用合成樹脂フィルム
JPS60141747A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
JP2003327764A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001061356A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH11254606A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2003327766A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001211762A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001016998A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム