JP3175659B2 - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP3175659B2
JP3175659B2 JP25028897A JP25028897A JP3175659B2 JP 3175659 B2 JP3175659 B2 JP 3175659B2 JP 25028897 A JP25028897 A JP 25028897A JP 25028897 A JP25028897 A JP 25028897A JP 3175659 B2 JP3175659 B2 JP 3175659B2
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克宏 藤原
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムに関する。更に詳しくは、屋外での展張
によって引き起こされる変色、脆化、防塵性の低下など
の好ましくない劣化現象に対して、耐久性が改良され、
更に、防曇性およびその持続性にも優れた農業用塩化ビ
ニル系樹脂フィルムに係わるものである。
【0002】
【従来技術】近年、有用植物を栽培している農家では、
収益性向上を目的として、有用植物をハウス(温室)、
またはトンネル内で促進栽培や抑制栽培する方法が、広
く採用されるようになった。このハウス(温室)または
トンネルの被覆資材としては、ポリエチレンフィルム、
エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエステル
フィルム、ポリカーボネートフィルム、硬質および軟質
塩化ビニル系樹脂フィルム、ガラス等が使用されてい
る。なかでも軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、他の合
成樹脂フィルムに比較して、光線透過性、保温性、機械
的強度、耐久性、作業性を総合して最も優れているの
で、広く使用されている。
【0003】しかしながら、ハウスまたはトンネルの被
覆資材として使用される合成樹脂フィルムは、塩化ビニ
ル系樹脂をも含めて、被覆材としての使用を開始して1
年も経過すると、太陽光線、特に紫外線などにより影響
をうけて外観の劣化や、フィルムの柔軟性の低下などの
経時変化をおこす。更に、最近の改良された農業技術、
特に経済性、省力化を指向した農業技術は、被覆資材
に、従来にもました苛酷な条件にも耐える性質を、要求
するようになってきている。従って、耐候性を向上させ
る目的で基材の塩化ビニル系樹脂に、有機リン酸エステ
ル又は、有機リン酸金属塩を添加配合し、フィルム化す
る技術が広く採用されている。
【0004】一方、農業用に使用される塩化ビニル系樹
脂フィルムに要求される性質としては、 長期間にわたって外側表面が汚れず防塵性に優れ、良
好な光線透過率を維持し、栽培作物の生育を促進するこ
と。 被覆資材の内側表面に付着した凝縮水を、栽培作物に
落下させることなく、フィルム内面に沿って流下させる
という「防曇性」に優れ、ハウス又はトンネル内を適度
な湿度に維持し、病気の発生を抑制すること。等があ
る。
【0005】このため、防塵性を改善する方法として、
下記のような農業用の塩化ビニル系樹脂成形品の表面
を、特定の樹脂や塗料で被覆する方法が提案されてい
る。 (I)アクリル系樹脂を塗布する方法(特公昭46-29639
号公報、特公昭50-28117号公報等) (II)接着層を介してフッ素樹脂を塗布する方法(特開
昭56-86748号公報、特開昭46-65161号公報、特公昭57-1
2646号公報等) (III) フッ素樹脂とアクリル系樹脂の混合物を塗布する
方法(特開昭63-21143号公報、特開昭46-65161号公報、
特公昭63-236号公報等)
【0006】しかしながら、(I)では、基材の可塑剤
等の成形品表面へのブリード・アウトを防止するのに十
分でなく、(II)では、可塑剤等が接着層に移行する影
響で、接着層を介してもフッ素樹脂と基材の固着一体化
は、実用的に十分なものではなかった。これらの改良と
して(III) が提案されたが、アクリル系樹脂とフッ素樹
脂とが溶解しにくいために被膜が不透明であり、また、
基材とフッ素樹脂混合物との界面接着が不十分である欠
点があった。
【0007】また、防曇性を改善する方法として、グリ
セリンの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル
等いわゆる防曇剤を基材樹脂に練り込む方法や、フィル
ム化した後に、その表面に親水性物質もしくは水溶性高
分子を塗布する方法が行われている。特に、ハウスの換
気のため一般的にフィルムの巻き上げ作業を行ってお
り、巻き上げ部の防曇性を向上させることも望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、ハウス展張前の外観、屋外での展張によ
って引き起こされる被膜と塩化ビニル系樹脂との密着性
が低下せず、更に防曇性も低下しない、耐久性を向上さ
せた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを
目的として、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至
ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、有機リン酸エステルまたは有機リン酸
金属塩を含有する塩化ビニル系樹脂フィルムの片面に、
前記一般式(I)で示されるアルキル(メタ)アクリレ
ートモノマー1〜30重量%、メチルメタクリレート5
0〜95重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートモノマー4〜30重量%、分子内に1個もしくは2
個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン
酸0〜20重量%、および残部がこれら化合物と共重合
可能な他のビニル系モノマーからなるアクリル系重合体
[A]とフッ化ビニリデン系樹脂[B]の2成分を主成
分とする組成物の被膜を設け、フィルムの他の片面に、
シリカゾル及び/又はアルミナゾルと熱可塑性樹脂を含
有する防曇剤組成物に由来する被膜を設けてなる農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムに存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 1.塩化ビニル系樹脂 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル
のほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化
ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル等があげられる。これら塩化ビニル系樹
脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合
法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって
製造されたものであってもよい。
【0011】上記基体となる塩化ビニル系樹脂には、柔
軟性を付与するために、この樹脂100重量部に対し
て、20〜60重量部の可塑剤が配合される。可塑剤の
配合量を上記範囲にすることにより、目的の農業用塩化
ビニル系樹脂フィルムに、優れた柔軟性と機械的性質を
付与させることができる。可塑剤としては、例えば、ジ
ーn−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフ
タレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレ
ート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイ
ソフタル酸誘導体;ジーn−ブチルアジペート、ジオク
チルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチル
マレート等のマレイン酸誘導体;トリーnーブチルシト
レート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等
のイタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸
誘導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸
誘導体;その他、エポキシ化大油、エポキシ樹脂系可塑
剤等があげられる。
【0012】また、樹脂フィルムに柔軟性を付与するた
めに、上述の可塑剤に限られるものでなく、例えば熱可
塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等を使用するこ
ともできる。本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
には、上記塩化ビニル系樹脂に、有機リン酸エステル又
は有機リン酸金属塩が配合されている。
【0013】有機リン酸エステルとしては、トリイソプ
ロピルフェニルホスフェート、イソデシルジフェニルホ
スフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェ
ート、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホ
スフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフ
ェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート等が
あるが中でもトリクレジルホスフェート、およびトリキ
シレニルホスフェートが特に好ましい。
【0014】上記の有機リン酸エステルは、単独さらに
複合物にしても使用できる。例えば、有機リン酸エステ
ルと有機亜リン酸エステルの複合物があげられ、有機リ
ン酸エステルには、ジフェニルホスフェートのようなホ
スホネート系化合物も含まれる。有機リン酸金属塩とし
ては、一般式(II)又は(III )で示されるものがあげ
れる。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、Mは、亜鉛、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウム、コバルト又は、ストロンチウムを意
味する。また、R2 〜R6 は各々、アルキル、アリー
ル、アリールアルキル、アルキルアリール又はエーテル
結合を有するアルキル基を意味する。) R2 〜R6 で表されるアルキル基の例としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、第2ブチル、第3ブチル、アミン、ネオペンチ
ル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、
オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、デシ
ル、イソデシル、ラウリル、トリデシル、C12〜C1
3混合アルキル、ステアリル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、4−メチ
ルシクロヘキシル基等をあげることができる。
【0017】アリール基の例としては、フェニル、ナフ
チル基等をあげることができる。アリールアルキル基の
例としては、ベンジル、β−フェニルエチル、α−フェ
ニルプロピル、β−フェニルプロピル基等をあげること
ができる。アリールアルキル基の例としては、ベンジ
ル、β−フェニルエチル、α−フェニルプロピル、β−
フェニルプロピル基等をあげることができる。アルキル
アリール基の例としては、トリル、キシリル、エチルフ
ェニル、ブチルフェニル、第3ブチルフェニル、オクチ
ルフェニル、イソオクチルフェニル、第3オクチルフェ
ニル、ノニルフェニル、2,4−ジ−第3ブチルフェニ
ル基等があげられる。
【0018】エーテル結合を有するアルキル基として
は、フルフリル、テトラヒドロフルフリル、5−メチル
フルフリルおよびα−メチルフルフリル基、又は、メチ
ル−、エチル−、イソプロピル−、ブチル−、イソブチ
ル−、ヘキシル−、シクロヘキシル−、フェニルセロソ
ルブ残基;メチル−、エチル−、イソプロピル−、ブチ
ル−、イソブチルカルビトール残基;トリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、−モノエチルエーテル、−
モノブチルエーテル残基;グリセリン1、2−ジメチル
エーテル、−モノエチルエーテル、−モノブチルエーテ
ル残基;グリセリン1、2−ジメチルエーテル、−1,
3−ジエチルエーテル、−1−エチル−2−プロピルエ
ーテル残基;ノニルフェノキシポリエトキシエチル、ラ
ウロキシポリエトキシエチル残基等があげられる。
【0019】又、Mで表される金属は、亜鉛、カルシウ
ムおよびバリウムが特に好ましい。これら有機リン酸エ
ステル又は有機リン酸金属塩は、1種又は2種以上配合
することができる。本発明の農業用フィルムは、有機リ
ン酸エステルおよび有機リン酸金属塩を併用するのが被
膜の形成性、屋外展張性の点からも好ましい。
【0020】有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩
の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
0.1〜15重量部の範囲内、好ましくは、0.2〜1
0重量部の範囲内で選ばれ、更に0.2〜8重量部が好
ましい。配合量が0.1重量部未満の場合は、塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの耐候性および防塵性は向上せず、配
合量が15重量部より多い場合は、フィルムの透明性が
極度に劣り、好ましくない。
【0021】本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
には、被膜の形成性、屋外展張性の点から紫外線吸収
剤、光安定剤を併用することが好ましい。紫外線吸収剤
としては、農業用塩化ビニルフィルムに通常配合される
ものであれば何れでもよく、例えばベンゾトリアゾール
系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル系、ハイド
ロキノン系、シアノアクリレート系等各種の紫外線吸収
剤があげられる。
【0022】特にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。具体的に
は、以下のようなものがあげられる。ベンゾフェノン系
紫外線吸収剤;2−ヒドロキシー4ーメトキシベンゾフ
ェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホンベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テ
トラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキ
シ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−5−クロルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキ
シ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタ
ン。
【0023】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−
(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチル
フェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)−5,6−ジクロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−エ
チルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒド
ロキシ−5’−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メトキシベン
ゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−ヒドロキ
シフェニル)ベンゾトリ アゾール、2−(2’−ステ
アリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−
メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエ
ステル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t
−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル−5’−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキ
シ−4’,5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸
ベンゾトリアゾール、ブチルエステル、2−(2’−ヒ
ドロキシ−4’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジメ
チルフェニル)−5−エチルスルホベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−4’オクトキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリアゾール、2
−(2’−アセトキシ−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール。
【0024】上記紫外線吸収剤の基体フィルムへの配合
量は、基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
0.02〜8重量部の範囲が好ましい。0.02重量部
未満では、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの耐候性が
十分でなく、他方、8重量部より多いと、フィルム使用
時に他の添加剤とともにフィルム表面に噴き出したりす
るという問題が起こり、好ましくない。上記範囲のう
ち、0.1〜3重量部の範囲が特に好ましい。光安定剤
としては、一般式(IV)で表される構造単位を一分子中
に1個以上含有するヒンダードアミン系化合物が適当で
ある。
【0025】
【化3】
【0026】(式中、R7 〜R10は炭素数1〜4のアル
キル基、R11は水素または炭素数1〜4のアルキル基を
示す。) 具体的には例えば一般式(V)で表されるヒンダードア
ミン系化合物が代表的なものである。
【0027】
【化4】
【0028】(式中、Rはリン又は、1〜4価のカルボ
ン酸から誘導されるモノ〜テトラアシル基、mは1〜4
の整数を各々示す。) 上記一般式(V)に含まれるものとしては具体的には例
えば特公昭63−51458号公報に例示されている、
4−シクロヘキシノイルオキシ−2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾ
イルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン等があげられる。
【0029】ヒンダードアミン系化合物の好ましい配合
量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.2
〜1.0重量部の範囲である。配合量が、余り少ないと
フィルムの耐候性が十分に優れたものとならないので好
ましくなく、余り多くしてもフィルムの耐候性は添加量
に比例して向上することがなく、フィルム表面の噴き出
しが起こり好ましくない。
【0030】前記塩化ビニル系樹脂には、上記可塑剤、
紫外線吸収剤、光安定剤、有機リン酸エステル又は有機
リン酸金属塩の他に、必要に応じて、成形用の合成樹脂
に通常配合される公知の樹脂添加物、例えば、滑剤、熱
安定剤、酸化防止剤、安定化助剤、帯電防止剤、防曇
剤、無機フィラー、着色剤、防カビ剤、防藻剤等を配合
することができる。
【0031】滑剤としては、例えば高級脂肪酸またはそ
の金属塩類、各種パラフィン、高級アルコール類、天然
ワックス類、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステルお
よび脂肪酸アミド等があげられる。熱安定剤としては、
例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、二塩基性ステアリン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基
性亜リン酸鉛、ジブチルスズジラウレート、ジブチルス
ズマレート、ジブチルスズメルカプタイド、βージケト
ン化合物あるいは、ジオクチルスズマレート系安定剤、
ジオクチルスズラウレート系安定剤、ジオクチルスズメ
ルカプタイド系安定剤等があげられる。
【0032】酸化防止剤としては、例えばフェノール
系、チオジプロピオン酸エステル、脂肪族サルフャイド
およびジサルファイド系の酸化防止剤があげられ、具体
的には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブ
チル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロ
ピオネート等をあげることができる。
【0033】帯電防止剤としては、例えばポリオキシエ
チレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルア
ミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等があげ
られる。防曇剤としては、非イオン系界面活性剤があげ
られ、具体的には、ソルビタン系、グリセリン系、ポリ
エチレングリコール系等の界面活性剤およびアルキルフ
ェノールのアルキレンオキシド付加物等があげられる。
【0034】無機フィラーとしては、例えばカルシウ
ム、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物、水酸化
物、炭酸塩、ケイ酸塩等およびその複合物があげられ
る。顔料あるいは染料としては、例えば酸化チタン、亜
鉛華、鉛白、石膏、沈降性シリカ、カーボンブラック、
ベンガラ、モリブデン赤、カドミウム黄、黄鉛、チタン
黄、酸化クロム緑、群青等の無機顔料;パーマネント・
レッド4R、ハンザ・イエロー10G、ベンジジンイエ
ローGR、パーマネント・カーミンFB、フタロシアニ
ン・ブルーB、フタロシアニン・グリーン等の有機顔料
があげられる。
【0035】以上の各種樹脂添加物は、各々1種又は数
種を組み合わせて使用することができる。上記各種樹脂
添加物の添加量は、フィルムの性質を悪化させない範
囲、通常は基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、10重量部以下の範囲で選ぶことができる。フィル
ムの基体となる塩化ビニル系樹脂に、前記可塑剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、有機リン酸エステル又は有機リン
酸金属塩、更に他の樹脂添加物を配合するには、各々必
要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、
スーパーミキサーその他従来から知られている配合機、
混合機を使用すればよい。このようにして得られた樹脂
組成物をフィルム化するには、それ自体公知の方法例え
ば溶融押出成形法(T−ダイ法、インフレーション法を
含む)、カレンダー成形法、溶液流延法等によればよ
い。
【0036】2.防塵性被膜 2−1.アクリル系重合体[A] 本発明のアクリル系重合体[A]は、アルキル(メタ)
アクリレートモノマー1〜30重量%、メチルメタクリ
レート50〜95重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートモノマー4〜30重量%、分子内に1個も
しくは2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和
カルボン酸0〜20重量%、および残部がこれら化合物
と共重合可能な他のビニル系モノマーを共重合して得ら
れる共重合体である。
【0037】前記一般式(I)で示されるアルキル(メ
タ)アクリレートモノマー(アクリル酸あるいはメタク
リル酸のアルキルエステル(以下同様))としては、2
−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、
ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、パル
ミチルアクリレート等のアルキル基の炭素数が6〜20
のアルキルアクリレートあるいは、2−エチルヘキシル
メタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメ
タクリレート等のアルキル基の炭素数が6〜20のアル
キルメタクリレートがあげられる。これらは各々単独で
用いても、2種以上の併用であってもよい。
【0038】このアルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーが30重量%より多い場合には、防塵性が低下するの
で好ましくない。メチルメタクリレートが50重量%よ
り少ない場合には、フッ化ビニリデン系樹脂との相溶性
が低下するために好ましくない。ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒドロキシメ
チルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、
2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒドロキシエ
チルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピルアクリレ
ート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレート、3ーヒ
ドロキシプロピルアクリレート、3ーヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、2ーヒドロキシブチルアクリレー
ト、2ーヒドロキシブチルメタクリレート、4ーヒドロ
キシブチルアクリレート、4ーヒドロキシブチルメタク
リレート、2ーヒドロキシペンチルアクリレート、2ー
ヒドロキシペンチルメタクリレート、6ーヒドロキシヘ
キシルアクリレート、6ーヒドロキシヘキシルメタクリ
レート等があげられる。
【0039】このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートのアクリル系樹脂中で占める割合が、4重量%より
少ない場合は、有機溶媒との溶解性等を充分に発揮し得
ず、他方、30重量%より多い場合にはコスト上昇に比
べて得られる効果は大きくないので好ましくない。分子
内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα,
β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アコ
ニット酸、フマル酸、クロトン酸等があげられる。
【0040】上述の一般式(I)で示されるアルキル
(メタ)アクリレートモノマー、メチルメタクリレー
ト、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー
およびα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他のビ
ニル系単量体としては、例えばメチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート等のアルキル基の測鎖が1〜5のア
ルキルアクリレート;エチルメタクリレート、n−プロ
ピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等の
アルキル基の測鎖が1〜5のアルキルメタクリレート;
エチレンスルホン酸のようなα,β−エチレン性不飽和
ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキ
シエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリ
ル類;アクリルアマイド類;(メタ)アクリル酸のグリ
シジルエステル類等がある。これら単量体は単独で用い
ても、又は2種以上の併用でもよい。
【0041】2−2.アクリル系重合体[A]の重合 単量体を所定量配合して、有機溶剤とともに重合缶に仕
込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加え
て、撹拌しつつ加熱し、重合する。重合は、通常公知の
方法、例えば懸濁重合法、溶液重合法などが採用され
る。この際、使用しうる重合開始剤としては、α,αー
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等のラジカル生成触
媒があげられ、分子量調節剤としては、ブチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメル
カプタン、β−メルカプトエタノール等があげられる。
【0042】重合に用いる有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec −ブタノール、tert−ブタノ
ール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、
tert−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シ
クロヘキサノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸
ブチル等の酢酸エステル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチル−n−プロピルケトン、2−ヘキサノン、
3−ヘキサノン、ジーn−プロピルケトン、ジーn−ア
ミルケトンシクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒド
ロフラン等があり、これらは、1種もしくは2種以上混
合して使用することができる。
【0043】2−3.フッ化ビニリデン系樹脂[B] フッ化ビニリデン系樹脂[B]とは、フッ化ビニリデン
の単独重合体、もしくはフッ化ビニリデンと他のフッ素
系不飽和単量体および/もしくはフッ素を含有しない共
重合可能な単量体との共重合体、更にこれら重合体の一
部を改質もしくは変成した重合体も包含される。これら
フッ化ビニリデン系樹脂は1種もしくは2種以上で用い
ることができ、又、他のフッ素を含有した樹脂、例えば
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、フルオロエチレン等と混合して用いても構わない。
【0044】2−4.防塵性被膜組成物 アクリル系重合体[A]とフッ化ビニリデン系樹脂
[B]の配合量は、[A]5〜50重量部、[B]50
〜95重量部であることが好ましい。樹脂[B]に対す
る重合体[A]の割合が少なすぎると、形成被膜の基材
表面への密着性が劣り、被膜が容易に剥がれて好ましく
ない。他方、樹脂[B]に対する重合体[A]の割合が
多すぎると、形成被膜の防塵性および耐久性の効果が十
分でなく好ましくない。
【0045】上記被膜組成物には、これら成分の他に、
補助的な成分、例えば酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、発泡剤、滑剤
等配合することができる。有機溶剤に分散および/又は
溶解して用いることができる。有機溶剤としては、例え
ば脂肪族炭化水素としてヘプタン、シクロヘキサン等;
芳香族炭化水素としてベンゼン、トルエン、キシレン
等;アルコール類としてメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ポリオキシエチレングリコール
等:ハロゲン化炭化水素としてクロロホルム、四塩化炭
化水素、クロロベンゼン等;エステル類としてメチルア
セテート、アリルアセテート、エチルステアレート等;
アミン類としてトリメチルアミン、ジフェニルアミン、
ヘキサメチレンジアミン等;その他ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジオキサン、ジエチルエー
テル、ジエチレンジチオグリコール、ジアセトンアルコ
ール、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキサイド等があ
り、これは単独もしくは2種以上の併用で使うことがで
きる。
【0046】3.防曇性被膜 基体フィルムの他の片面には、シリカゾル及び/又はア
ルミナゾルと熱可塑性樹脂を含有する防曇剤組成物に由
来する被膜が形成されている。コロイダルシリカ及び/
又はアルミナゾルは平均粒子径が5〜100mμの範囲
のものが好ましい。平均粒子径が100mμを越えると
被膜が白く失透し易く、また、5mμに満たないときは
防曇剤組成物の安定性に欠けるので好ましくない。
【0047】これらは、それぞれ単独で使用しても、両
者を組み合わせて使用してもよい。また、両者を組合わ
せて使用する際に平均粒子径の異なる2種以上のものを
組合わせて用いてもよい。両者を組合わせるときは、重
量比でコロイダルシリカ/アルミナゾルが95〜5/5
〜95(全体として100とする)の割合にするのが好
ましい。アルミナゾルは、通常市販されている製品その
もの、または通常市販されているアルミナ粉末を水に分
散させて水性ゾルとしたもの、いずれであってもよい。
アルミナゾルは、高濃度で水に分散させようとすると、
分散液の粘度が急激に高まるといういわゆるチキソトロ
ピー性を示し、均一な分散液が得られにくいが、コロイ
ドミルの様な媒質せん断内部撹拌機を用いると、均質な
分散液を得ることができる。また、分散液にコロイダル
シリカを混合すると、分散液の粘度を降下させることが
できる。
【0048】他方のコロイダルシリカは、多くの場合粒
子表面は陰電荷に帯電しているが、アルミナゾルと組み
合わせて用いるのは好ましくない。これは、コロイダル
シリカとアルミナゾルとを混合すると、混合分散液は急
激に凝集し、ゲル化し、分散不良を生起する。従って、
コロイダルシリカは、粒子表面に陽電荷に帯電したもの
とするのがよい。
【0049】バインダー成分として使用する熱可塑性樹
脂としては、媒体(通常は水)との親和性のよいアクリ
ル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレ
ン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチロ
ール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル系
樹脂等があげられ、特にアクリル系樹脂が好適である。
【0050】アクリル系樹脂の中では、ガラス転移温度
35〜80℃の範囲にある疎水性アクリル系樹脂である
ことが特に好ましい。ガラス転移温度が35〜80℃の
範囲にる疎水性アクリル系樹脂としては、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル類または(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との混合物を
少なくとも60重量%、およびこれらと共重合可能な
α,β−エチレン性不飽和単量体0〜40重量%を重合
して得られた単独重合体または共重合体を用いればよ
い。
【0051】防曇剤組成物の主成分であるコロイダルシ
リカ及び/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分重
量比で、熱可塑性樹脂の0.5〜40倍の範囲にあるの
が好ましい。40倍を越える場合は、防曇効果が配合量
に比例して向上しないばかりでなく、塗布後に形成され
る被膜が白濁化し光線透過率を低下させる現象が現れ、
更に被膜が粗雑で脆弱になり易くなる傾向であり、一
方、0.5に満たない場合は、充分な防曇効果を発揮し
難くなり、好ましくない。
【0052】防曇剤組成物には、バインダー成分同士を
架橋させる架橋剤を併用してもよい。併用することによ
り防曇性被膜の耐水性を向上させることができる。架橋
剤としては、フェノール樹脂類、アミノ樹脂類、アミン
化合物類、アジリジン化合物類、アゾ化合物類、イソシ
アネート化合物類、エポキシ化合物類、シラン化合物類
等があげられるが、特にアミン化合物類、アジリジン化
合物類、エポキシ化合物類が好適である。架橋性化合物
の使用量は、熱可塑性樹脂の固形分に対し、1〜30重
量%の範囲、特に0.5〜10重量%の範囲が好まし
い。
【0053】また、防曇剤組成物には、必要に応じ消泡
剤、滑剤、帯電防止剤、その他各種の添加剤を混合する
ことができる。しかして、防曇剤組成物は、通常液状で
使用される。液状分散媒としては、水を含む親和性ない
し水混合性溶媒が含まれ、水;メチルアルコール、エチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコ
ール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、
グリセリン等の多価アルコール類;ベンジルアルコール
類の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;ケト
ン類等があげられる。これらは単独で用いても併用して
もよいが、本発明で用いられる防曇剤組成物の分散分散
安定性、フィルム表面に塗布した後の濡れ性、液状分散
媒の除去の難易、経済性を勘案して決めるのが好まし
い。また、基体フィルムの表面に形成される防曇剤組成
物の被膜は、固形分の付着量として、一般に0.01〜
10g/m2 、特に0.1〜5g/m2 の範囲であるこ
とが好ましい。
【0054】4.被膜の形成 基体フィルムの表面に防塵性被膜及び防曇性被膜を形成
するには、各組成物の溶液または分散液をドクターブレ
ードコート法、グラビアロールコート法、エヤナイフコ
ート法、リバースロールコート法、デイプコート法、カ
ーテンロールコート法、スプレイコート法、ロッドコー
ト法等の塗布方法が用いられる。また、溶液状態とせず
上記被膜組成物を単独の被膜として形成する場合は、共
押出し法、押出しコーティング法、押出しラミネート
法、ラミネート法が用いられる。被膜形成法としては、
塗布方式を用いた場合の溶剤の乾燥方法としては、例え
ば自然乾燥法、熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾
燥法等があるが、乾燥速度、安全性を勘案すれば熱風乾
燥法が有利である。この場合の温度条件は、50℃〜2
00℃の範囲とし、時間は、10秒〜15分の間で選ぶ
のがよい。
【0055】本発明において、基体フィルムの表面に形
成させる被膜の厚さは、基体フィルムの1/10以下で
あるのが好ましい。被膜の厚さが基体フィルムの1/1
0より大であると、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に
差があるため、被膜が基体フィルムから剥離する等の現
象が起こりやすく、また、被膜に亀裂が生じて基体フィ
ルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましく
ない。
【0056】なお、上記被膜組成物を塗布する前に、塩
化ビニル系樹脂フィルムの表面を予め、アルコールまた
は水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あるいはコロナ
放電処理したり、他の塗料あるいはプライマーを下塗り
する等の前処理を施してもよい。防塵性被覆組成物およ
び防曇性被膜の基体への形成順序は、加熱条件等を考慮
して適宜決定すればよい。本発明に係わる農業用塩化ビ
ニル系樹脂フィルムを実際に農業用に使用するにあたっ
ては、防曇性被膜が設けられた側をハウスまたはトンネ
ルの内側となるようにして展張するのがよい。
【0057】
【発明の効果】本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂
フィルムは、基体フィルムと、その表面に形成された特
定のアクリル系樹脂被膜組成物に由来する被膜および防
曇剤組成物に由来する被膜により、防塵性、耐久性が飛
躍的に向上し、更に防曇性およびその持続性にも優れる
ので、農業用被覆資材としての利用価値は極めて大き
い。
【0058】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜5
【0059】 I.基体フィルムの調整 ポリ塩化ビニル(平均重合度=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 エポキシ化大豆油 3重量部 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンラウレート 1.5重量部 よりなる樹脂組成物を準備し、第2表に示した種類及び
量の有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩、必要に
応じ紫外線吸収剤および光安定剤を配合した。各配合物
を、スーパーミキサーで10分間撹拌混合した後、18
0℃に加温したミルロール上で混練し、厚さ0.15m
mの基体フィルムを調整した。
【0060】II.アクリル系重合体[A]の調整 温度計、撹拌機、環流冷却器および原材料添加用ノズル
を備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、ト
ルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部およ
び第1表に示した各単量体の混合物100重量物を仕込
み、窒素ガス気流下で撹拌しつつ、70℃で3時間更に
過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反応を約3時
間、同温度で継続してアクリル系重合体を得た。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】III .防塵性被膜の形成 第3表に示した種類および量のアクリル系重合体[A]
と市販されているフッ化ビニリデン系樹脂[B]を配合
し(配合比は固形分重量比)、これに固形分が20重量
%になるようにメチルエチルケトンを加え、被膜組成物
を得た。前記の方法で調整した基体フィルムの片面に、
上記被覆組成物を、#5バーコーターを用いて、各々塗
布した。塗布したフィルムを130℃のオーブン中にて
1分間保持して、溶剤を揮散させた。得られた各フィル
ムの被膜の量は、約3g/m2 であった。
【0064】
【表3】
【0065】樹脂[B]の(ア)および(イ)は、各々
以下のものを示す。 (ア):カイナー7201;米国ペンウォルト社製フッ
化ビニリデン/4フッ化エチレン共重合体 (イ):ネフロンVP−850;ダイキン工業(株)製
フッ化ビニリデン樹脂
【0066】IV.防曇性被膜の形成 第4表に示した種類および量のコロイダルシリカ及び/
又はアルミナゾル、熱可塑性樹脂、架橋剤および液状分
散媒とを配合して防曇剤組成物を得た。防塵性被膜を形
成した基体フィルムの他の面上に、上記防曇剤組成物を
ロールコート法により連続的に塗布し、乾燥炉中80℃
で1分間保持して液状分散媒を揮散させ、各々フィルム
を巻き取った。得られた各フィルムの被膜の量は、約1
g/m2 であった。
【0067】
【表4】
【0068】第4表中の注は以下のことを各々示す。 *1、*4(登録商標):触媒化成工業(株)製 水分散型コロイダルシリカ *2(登録商標):触媒化成工業(株)製 溶液分散型コロイダルシリカ *3 :日産化学工業(株)製 水分散型アルミナゾル *5(登録商標):日本化薬工業(株)製 アクリルエマルジョン *6(登録商標):三菱レイヨン(株)製 熱可塑性アクリルレジン *7 :信越化学工業(株)製 水溶性セルロースエーテル *8 :相互薬工(株)製 アジリジン系化合物 *9(登録商標):大日本インキ化学工業(株) ビスフェノールAタイプエポ キシ化合物
【0069】V.フィルムの評価以下の方法においてフ
ィルムの性能を評価し、その結果を第5表に示した。 初期外観 フィルムの外観を肉眼で観察した。この評価基準は、次
のとおりである。 ◎・・・無色で透明性に優れるもの。 ○・・・やや白色を呈するが、透明性を有するもの。 △・・・白色を呈し、半透明であるもの。 ×・・・白濁し、失透しているもの。
【0070】密着性評価(促進試験) 500ccビーカーに300ccの水(50℃)を入
れ、被膜の形成された面がビーカーの内側になるように
検体にてビーカーを被覆した後、恒温水槽(50℃)に
ビーカーを地表面から10度傾斜させて底部から2/3
の部分まで水浸させ、25℃恒温室に5時間放置する。
得られたフィルムを用い、被膜を形成した面にセロハン
テープを接着し、このセロハンテープを剥がした時に、
被膜の剥離状況を肉眼で観察した。この評価基準は、次
のとおりである。 ◎・・・被膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○・・・被膜の一部(1/3未満)が剥離したもの。 △・・・被膜の1/3以上2/3未満が剥離したもの。 ×・・・被膜の2/3が剥離したもの。
【0071】屋外展張試験 9種のフィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置した
屋根型ハウス(間口3m、奥行き5m、棟高1.5m、
屋根勾配30度)に、被膜を設けた面をハウスの側にし
て被覆し、平成7年3月〜平成9年2月までの2年間展
張試験を行った。展張したフィルムについて、屋外展張
試験後の各性能を評価した。
【0072】i)フィルムの外観 外観を肉眼で観察した。評価基準は、次のとおりであ
る。 ◎・・・変色等の外観変化が認められないもの。 ○・・・わずかな変色等の外観変化が一部認められるも
の。 △・・・変色等の外観変化がかなり認められるもの。 ×・・・全面に変色が認められるもの。 ii)フィルムの伸度保持率・・・次式より算出した値を
意味する。 屋外展張後のフィルムの伸度÷屋外展張前のフィルムの
伸度×100
【0073】iii )密着性試験(促進試験) で実施した内容と同様の方法で試験および評価した。 iv)防塵性・・・次式より算出した値を意味する。 (屋外展張後、経時的に回収したフィルムの光線透過
率)÷(屋外展張前のフィルムの光線透過率* ) ×10
0 *波長555mμにおける直光線透過率(日立製作所
製、EPS−2U型使用)測定結果の表示は、次のとお
りにした。 ◎・・・展張後の光線透過率が展張前の90%以上のも
の。 ○・・・展張後の光線透過率が展張前の70〜89%の
範囲のもの。 △・・・展張後の光線透過率が展張前の50〜69%の
範囲のもの。 ×・・・展張後の光線透過率が展張前の50%未満のも
の。
【0074】v)防曇性 で展張したフィルムにつき、日中フィルムサイド部を
巻き上げ、夕方フィルムを密閉した後、展張中の天井部
と巻き上げ部各々の内面に、付着する水滴の状況を経時
的に肉眼で観察した。評価基準は次の通りである。 ◎・・・フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同
じ)に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、こ
の薄膜状部分の面積がフィルム表面の2/3未満、1/
2以上のもの。 ○・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2未
満のもの。 △・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認め
られるが、薄膜状部分の形状が認められないもの。 ×・・・フィルム表面に付着した水滴同士の合体が認め
られないもの。
【0075】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 27/30 101 B32B 27/30 101 (56)参考文献 特開 平10−119200(JP,A) 特開 平5−24160(JP,A) 特開 平3−51121(JP,A) 特開 平2−113939(JP,A) 特開 昭62−283135(JP,A) 特開 昭61−270156(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 9/14 A01G 13/02 B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機リン酸エステルまたは有機リン酸金
    属塩を含有する塩化ビニル系樹脂フィルムの片面に、
    般式(I)で示されるアルキル(メタ)アクリレートモ
    ノマー1〜30重量%、メチルメタクリレート50〜9
    5重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモ
    ノマー4〜30重量%、分子内に1個もしくは2個以上
    のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン酸0〜
    20重量%、および残部がこれら化合物と共重合可能な
    他のビニル系モノマーからなるアクリル系重合体[A]
    とフッ化ビニリデン系樹脂[B]の2成分を主成分とす
    る組成物の被膜を設け、フィルムの他の片面に、シリカ
    ゾル及び/又はアルミナゾルと熱可塑性樹脂を含有する
    防曇剤組成物に由来する被膜を設けてなる農業用塩化ビ
    ニル系樹脂フィルム。 【化1】 CH2 =CR1 ・・・(I) | COOCn2n+1 (式中のR1は水素又はメチル基を、nは6〜20の整
    数を各々意味する。)
  2. 【請求項2】 成分[A]が5〜50重量部、成分
    [B]が50〜95重量部である請求項1記載の農業用
    塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂フィルムが、紫外線吸
    収剤を含有してなる、請求項1または請求項2記載の農
    業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂フィルムが、光安定剤
    を含有してなる請求項1ないし請求項3のいずれかの項
    に記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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