JPH0327020B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0327020B2
JPH0327020B2 JP60298888A JP29888885A JPH0327020B2 JP H0327020 B2 JPH0327020 B2 JP H0327020B2 JP 60298888 A JP60298888 A JP 60298888A JP 29888885 A JP29888885 A JP 29888885A JP H0327020 B2 JPH0327020 B2 JP H0327020B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
chloride resin
weight
film
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60298888A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS62156951A (ja
Inventor
Atsushi Oohayashi
Hiromi Arai
Motoyuki Myoshi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Vinyl Co filed Critical Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Priority to JP29888885A priority Critical patent/JPS62156951A/ja
Publication of JPS62156951A publication Critical patent/JPS62156951A/ja
Publication of JPH0327020B2 publication Critical patent/JPH0327020B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は塩化ビニル系樹脂成形品に表面処理を
施してなる塩化ビニル系樹脂積層品に関するもの
である。更に詳くは耐汚染性、耐久性に優れた塩
化ビニル系樹脂積層品に関する。 「従来の技術」 塩化ビニル系樹脂成形品は、原料塩化ビニル系
樹脂に可塑剤、安定剤、滑剤、紫外線吸収剤、防
曇剤、帯電防止剤、着色剤、顔料、改質合成樹脂
等各種添加剤を適宜配合し、成形することによつ
て得られる。その性質は、透明である、各種の硬
さをもたせることが出来る。着色が容易である、
高周波加熱による融着が出来る、熱可塑性で成形
加工が容易である等があげられる。その結果、塩
化ビニル系樹脂成形品は、用用雑貨はもとより、
玩具、文具、医療器具、食品包装材、電線被覆
材、建築・建設・土木用資材、農業用被覆材等に
広く使用されている。 これら塩化ビニル系樹脂成形品はそれに添加さ
れた可塑剤、安定剤等の各種添加剤が、時間の経
過とともに成形品表面に移行しにじみ出し、ある
いは成形品表面が他の物体と密着した場合に、成
形品内部の物質が他の物体に移行する、あるいは
他の物体内部の物質が成形品に移行する現象が発
生し、特に汚れ等の外観の変化、変質、衛生上の
問題、耐久性の低下等の不都合をひきおこすこと
がある。 これら塩化ビニル系樹脂成形品のもつ欠点を改
良する方法の一つとして従来、フツ素系樹脂を積
層する技術がある。 フツ素系樹脂は他のプラスチツクと比較して耐
汚染性や非粘着性、耐候性等が非常に優れている
ことから、塩化ビニル系樹脂成形品表面にフツ素
系樹脂を積層する試みがなされてきた。 しかしながら、フツ素系樹脂は本来非粘着性の
ために、他基材との接着が困難である。このた
め、フツ素系樹脂と他の基材との接着性を改良す
るため従来から種々の方法が検討されている。例
えば、フツ素系樹脂と他基材とを接着性樹脂で接
着する方法が提案されている。例えば特定のエチ
レン−エチルアクリレート共重合体やエチレン−
酢酸ビニル共重合体またはそれらの変性物(特開
昭56−86748号公報、特開昭57−12645号公報参
照)、エポキシ基含有ポリオレフイン(特開昭57
−8155号公報、特開昭57−212055号公報参照)、
フツ化ビニリデンをグラフトした共重合体とメチ
ルメタクリレート系重合体との樹脂組成物(特開
昭57−12646号公報参照)等の接着性樹脂が知ら
れている。さらに、部分的に改質したエチレン重
合体及びアルキルアクリレート重合体からなる重
合体を用いることにより、フツ素系樹脂と他基材
との接着性を改善する方法が開示されている。し
かしながら、塩化ビニル系樹脂成形品において
は、一般に可塑剤等の添加剤による成形品表面へ
の移行、噴き出しの影響で、これら接着性樹脂を
介してフツ素系樹脂との固着一体化は実用的に充
分なものではなかつた。 他方、塩化ビニル系樹脂層に熱可塑性アクリル
樹脂をフエノール樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニ
ル−塩化ビニル共重合体樹脂及びウレタン樹脂の
一種以上で変性又は混合した合成樹脂プライマー
を塗装した後、フツ素系樹脂塗料を塗布する方法
が提案されている(特開昭57−167251号公報参
照)。 「発明が解決しようとする問題点」 かかる状況にあつて、本発明者らは、アクリル
系樹脂とフツ素系樹脂を用いて塩化ビニル系樹脂
成形品表面からの添加剤の浸出、移行、汚れを、
成形品の組成、断面形状、あるいは大きさに起因
する制約によつて影響を受けることなく、効果的
に阻止する方法を検討した。 「問題点を解決するための手段」 本発明者らは塩化ビニル系樹脂成形品表面に特
定の組成からなるアクリル系樹脂被膜層を形成
し、しかるのちフツ素系樹脂被膜層を形成すると
塩化ビニル系樹脂成形品とフツ素系樹脂との接着
性及び適応もよく基体成形品表面からの添加剤の
浸出が効果的に阻止され、耐汚染性が飛躍的に向
上することを知り、本発明を完成した。 すなわち本発明の要旨は、塩化ビニル系樹脂成
形品表面に、5〜40重量%がヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートモノマー、0〜20重量%が
分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基
を含むα,β−不飽和カルボン酸及び残部がこれ
ら化合物と共重合可能な他のビニル系化合物から
なるモノマー成分を共重合して得られたアクリル
系銃樹脂層が、更にその上にフツ素系樹脂層が形
成されている事を特徴とする塩化ビニル系樹脂積
層品にある。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩
化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共
重合体を含む。塩化ビニルと共重合しうる単量体
化合物としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタ
コン酸、アクリル酸、メタアクリル酸、酢酸ビニ
ル等があげられる。これら塩化ビニル系樹脂は、
乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合
法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法に
よつて製造されたものであつてもよい。 上記塩化ビニル系樹脂には、樹脂100重量部に
対して1〜60重量部の可塑剤を配合する。可塑剤
の配合量を上の範囲とすると、成形品は機械的性
質、柔軟性等の優れたものとなり好ましい。 使用しうる可塑剤としては、ジオクチルフタレ
ート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタ
レート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフ
タレート、ジドデシルフタレート、ジウンデシル
フタレート等のフタル酸エステル類:アジピン酸
ジオクチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、セバシ
ン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル類:ペ
ンタエリスリトールエステル、ジエチレングリコ
ールベンゾエート等のグリコールエステル類:ア
セチルリシノール酸メチル等の脂肪酸エステル
類:トリクレジルホスフエート、トリフエニルホ
スフエート等のりん酸エステル類:エポキシ化大
豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化油:ア
セチルトリブチルシトレート、アセチルトリオク
チルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート等
のクエン酸エステル類:トリアルキルトリメリテ
ート、テトラ−n−オクチルピロメリテート、ポ
リプロピレンアジペート、その他ポリエステル系
等の種々の構造の可塑剤があげられる。 塩化ビニル系樹脂には、可塑剤のほか、必要に
応じて、通常の各種樹脂添加物、例えば熱安定
剤、滑剤、帯電防止剤、防曇剤、紫外線吸収剤、
光安定剤、染料、顔料等を配合することができ
る。 使用しうる熱安定剤としては、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カドミウ
ム、リシノール酸バリウム等の金属石けん類:三
塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ジブチルす
ずラウレート、ジブチルすずジマレート、ジ−n
−オクチルすずメルカプタイド、ジメチルすずメ
ルカプタイドのような有機すず化合物等が挙げら
れる。 使用しうる滑剤としては、ステアリン酸、パル
ミチン酸、ミスチリン酸等の脂肪酸系滑剤:ステ
アリン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレン
ビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミ
ド等の脂肪酸アミド系滑剤:ブチルステアレー
ト、ブチルパルミテート等のエステル系滑剤、あ
るいはポリエチレンワツクス、流動パラフイン等
があげられる。 使用しうる帯電防止剤ないし防曇剤としては、
ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタンモノベンゾエート等のソ
ルビタン系界面活性剤:グリセリンモノラウレー
ト、ジグリセリンモノパルミテート、グリセリン
モノステアレートなどのグリセリン系界面活性
剤:ポリエチレングリコールモノステアレート、
ポリエチレングリコールモノパルミテートなどの
ポリエチレングリコール系界面活性剤:アルキル
フエノールのアルキレンオキサイド付加物:ソル
ビタン/グリセリンの縮合物と有機物とのエステ
ル等があげられる。 使用しうる紫外線吸収剤としては、ベンゾエー
ト系紫外線吸収剤、ベンゾフエノン系紫外線吸収
剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノ
アクリレート系紫外線吸収剤、フエニルサリシレ
ート系紫外線吸収剤等に分類されるものがあげら
れる。 使用しうる光安定剤としては、4−(フエニル
アセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジン、4−(フエニルアセトキシ)−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、トリス−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ト
リスアジン−2,4,6−トリカルボキシレート
等のヒンダードアミン系化合物があげられる。 これら各種樹脂添加物は、通常の配合量、例え
ば基体塩化ビニル系樹脂100重量部当り、5重量
部以下の範囲で選ぶことができる。 基体塩化ビニル系樹脂に可塑剤、各種樹脂添加
物を配合するには、通常の混合・配合技術、例え
ばリボンブレンダー、バンバリーミキサー、スー
パーミキサー、ヘンシエルミキサーその他従来か
ら知られている配合機、混合機を使用すればよ
い。 このようにして得られた樹脂組成物を成形加工
するには、それ自体公知の方法、例えば溶融押出
成形法(T−ダイ法、インフレーシヨン法、吹込
成形法を含む)、溶液流延法、カレンダー成形法、
射出成形法を採用すればよい。 本発明においてアクリル系樹脂とは、ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート5〜40重量部
%、分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシ
ル基を含む、α,β−不飽和カルボン酸化合物0
〜20重量%及びこれら化合物と共重合可能な他の
ビニル系化合物とを共重合して得られる重合体を
いう。 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類と
しては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロ
キシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチル
アクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シペンチルアクリレート、2−ヒドロキシペンチ
ルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシヘキシルメタクリレー
ト等があげられる。 このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類のアクリル系樹脂中で占める割合が5重量%よ
り少ない場合は、有機溶媒との溶解性、基体成形
品との密着性及び可塑剤移行抑制効果を充分に発
揮し得ないので好ましくない。他方、40重量%よ
り多い場合にはコスト高となりコスト上昇に較べ
て得られる効果は大きくないので好ましくない。 分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル
基を含むα,β−不飽和カルボン酸化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、プロピレン1,2,3−トリカルボン
酸アコニツト酸、クロトン酸、α−メチレンクル
タロ酸等があげられる。これら化合物を前記ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート類と併用す
ると、アクリル樹脂と塩化ビニル系樹脂成形品と
の密着性が向上し、成形品同士が付着し合う(ブ
ロツキングする)性質を抑制する効果を発揮す
る。これら化合物の使用量は、20重量%までであ
る。これ以上であると、成形品が水分で濡れてい
るときに成形品同士が付着し合う性質(湿潤時の
ブロツキング性)が強化されるので、好ましくな
い。 残部を構成する前記化合物と共重合可能な他の
ビニル系化合物としては、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、n−プロピルアクリレー
ト、1−プロピルアクリレート、n−ブチルアク
リレート、1−ブチルアクリレート、シクロヘキ
シルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレー
ト、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリ
レート等のようなアクリル酸のC1〜C22のアルキ
ルエステル類:メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、n−プロピルメタクリレート、1
−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリ
レート、1−ブチルメタクリレート、シクロヘキ
シルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタ
クリレート、トリデシルメタクリレート、ステア
リルメタクリレート等のようなメタクリル酸に
C1〜C22のアルキルエステル類:スチレン、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタ
クリルアミド、n−ブトキシアクリルアミド、n
−ブトキシメタクリロアミドなどをあげることが
できる。 塩化ビニル系樹脂成形品の表面に被膜を形成す
るためのアクリル系樹脂は、上記単量体の1種も
しくは2種以上を所定量組み合せて有機溶媒とと
もに重合缶に仕込み、重合開始剤、必要に応じて
分子量調節剤を加えて、撹拌しつつ加熱し、重合
する。この際、使用しうる重合開始剤としては、
α,α−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイ
ルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド等のラジカル生成触媒があげられ、分子量調節
剤としてはブチルメルカプタン、n−ドデシルメ
ルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、β−
メルカプトエタノール等があげられる。 塩化ビニル系樹脂成形品表面に形成するアクリ
ル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を有機溶媒に
溶解して塗布するのがよい。 アクリル系樹脂を溶解するための有機溶媒とし
ては、アクリル系樹脂の製造の際に使用する溶媒
と同じであつてよい。具体的には、アルコール類
では、例えばメタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、
sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミ
ルアルコール、イソシアミルアルコール、tert−
アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シ
クロヘキサノール等があげられる。上記アルコー
ル類のほか、酢酸エチル、メチルエチルケトン、
テトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエン、キシ
レン、クロロホルム等があり、これらは1種もし
くは2種以上混合して使用することができる。 上記のアクリル系樹脂を塗布し塩化ビニル系樹
脂成形品表面に被膜を形成するには、成形品の形
状に応じて公知の各種方法が適用される。例え
ば、溶液状態で被膜を形成する場合は、バーコー
ト法、ドクタープレートコート法、グラビアロー
ルコート法、エヤナイフコート法、リバースロー
ルコート法、デイプコート法、カーテンロールコ
ート法、スプレイコート法、ロツドコート法等の
塗布方法が用いられる。また、溶液状態とせずア
クリル系樹脂単独の被膜を形成する場合は、押出
し法、押出しコーテイング法、押出しラミネート
法、ラミネート法が用いられる。 被膜形成法として、塗布方式を用いた場合の溶
剤の乾燥方法としては、例えば自然乾燥法、熱風
乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等がある
が、これらの乾燥法を用いて50〜150℃に30秒か
ら5分間保持すればよい。 アクリル系樹脂を塩化ビニル系樹脂成形品の表
面に塗布して被膜とする場合、塗布前に塩化ビニ
ル系樹脂成形品の表面にアンダーコートを施して
もよい。アクリル系樹脂の塗布量は、アンダーコ
ートを施す場合、そのコート分を別にして、塗布
方式で、乾燥固化後の量として、0.1g/m2
10g/m2の範囲とするのが好ましい。10g/m2
り多い場合には、コスト高となりコスト上昇に較
べて得られる効果は大きくないので好ましくな
い。 本発明で用いることのできるフツ素系樹脂とし
ては、例えばフツ化ビニル、フツ化ビニリデン、
三フツ化塩化エチレン、四フツ化エチレン等の単
独重合体:4フツ化エチレン−エチレン、三フツ
化塩化エチレン−エチレン、4フツ化エチレン−
6フツ化プロピレン、4フツ化エチレン−パーク
ロロアルキルビニルエーテル等の共重合体:フツ
化アルキルアクリレートランダム共重合体:フツ
化アルキルアクリレートアルキル(メタ)アクリ
レートブロツク共重合体:フルオロオレフイン−
炭化水素系ビニルエーテルモノマー交互共重合
体:上記フツ素系単量体の中から選ばれる2種以
上の単量体からなる共重合体:上記フツ素系単量
体の中から選ばれる1種以上の単量体とフツ素を
含有しない共重合可能な単量体からなる共重合
体:上記フツ素系重合体の一部を改質もしくは変
性した重合体:その他、上記フツ素系重合体の混
合物、さらに他の熱可塑性樹脂との混合物等があ
る。 これらフツ素系樹脂には、もちろん通常配合さ
れる各種添加剤や顔料を配合することも可能であ
る。 塩化ビニル系樹脂成形品表面にすでに形成され
たアクリル系樹脂面に更に形成するフツ素系樹脂
の被膜は、フツ素系樹脂を有機溶媒に分散およ
び/または溶解して塗布するのがよい。 有機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素では
ヘプタン、シクロヘキサン等:芳香族炭化水素で
はベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン
等:アルコール類ではメタノール、エタノール、
プロパノール、t−ブチルアルコール、ポリオキ
シエチレングリコール、ジエチレングリコール
等:ハロゲン化炭化水素ではクロロホルム、四塩
化炭素、四臭化炭素、ブロムトリクロルメタン、
クロルベンゼン、クロルトルエン、ジクロルベン
ゼン等:ケトン類ではアセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン等:エステル類で
はメチルアセテート、エチルアセテート、アリル
アセテート、エチルステアレート等:アミン類で
はトリメチルアミン、ジフエニルアミン、ヘキサ
メチレンジアミン等:その他ジメチルホルムアミ
ド、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジエチレン
ジチオグリコール、ジアセトンアルコール、ベン
ゾニトリル、ジメチルスルホキサイド等があり、
これらは単独もしくは2種以上の併用で使うこと
ができる。上記フツ素系樹脂を塗布しアクリル系
樹脂面に被膜を形成するには、成形品の形状に応
じてアクリル系樹脂を塗布した時と同様の公知の
各種方法が適用される。 被膜形成法として塗布方式を用いた場合の溶剤
の乾燥方法もアクリル系樹脂の溶剤を乾燥した時
と同様の方法が適用される。 「作 用」 本発明に係る塩化ビニル系樹脂成形品は、表面
にアクリル系樹脂の被膜層が形成されており、続
いてその上にフツ素系樹脂の被膜層が形成されて
いるので、基体樹脂中に配合されている可塑剤、
界面活性剤、液状安定剤といつた添加剤の成形品
表面への移行滲出を抑制することができる。さら
に、最外表面がフツ素系樹脂被膜層で構成されて
いるので耐候性及び耐汚染性に非常に優れてい
る。 「実施例」 以下に実施例を用いて更に詳しく説明する。 軟質塩化ビニル樹脂フイルムの調製 重量部 ポリ塩化ビニル樹脂(=1300) 100 ジオクチルフタレート 45 トリクレジルホスフエート 5 エポキシ系可塑剤(商品名エピコート828) 2 Ba/Zn系液状複合安定剤 1.5 Ba/Zn系粉末複合安定剤 0.6 紫外線吸収剤(2−ヒドロキシベンゾフエノ
ン) 0.6 光安定剤(4−(フエニルアセトキシ)−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン) 0.4 ソルビタンモノステアレート 2.0 上記組成物をヘンシエルミキサーにて混合し、
175℃に保つた6インチミルロール上で混練り後、
180℃に保つたインチカレンダーにストツクを供
給して厚み0.15m/mのフイルムを調製した。こ
れをフイルム1とする。 上記組成からトリクレジルホスフエートを除い
た組成物について、同様の手順により厚み
0.15m/mのフイルムを調製した。これをフイル
ム2とする。 アクリル系樹脂の調製 A 温度計、撹拌機、還流冷却器および仕込用ノ
ズルを備えた反応器に、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート15重量部、アクリル酸5重量
部、メチルメタアクリレート45重量部、n−ブ
チルアクリレート35重量部、ベンゾイルパーオ
キサイド1重量部、イソプロピルアルコール
200重量部を仕込み、窒素ガス気流中で撹拌し
つつ、80℃で7時間反応させ、アクリル系樹脂
溶液を得た。これをアクリル系樹脂(A)とする。 B A項に記載した例で使用したのと同じ反応器
に、2−ヒドロキシプロピルアクリレート10重
量部、メタアクリル酸3重量部、メチルメタア
クリレート60重量部、ブチルメタアクリレート
27重量部、ベンゾイルパーオキサイド1重量
部、トルエン50重量部、イソプロピルアルコー
ル150重量部を仕込み、A項に記載したのと同
様の手順で反応させ、アクリル系樹脂溶液を得
た。これをアクリル系樹脂(B)とする。 C A項に記載した例で使用したのと同じ反応器
に、メチルメタクリレート55重量部、ブチルメ
タクリレート40重量部、ブチルアクリレート5
重量部、ベンゾイルパーオキサイド1重量部、
イソプロピルアルコール200重量部を仕込み、
A項に記載したのと同様の手順で反応させ、ア
クリル系樹脂溶液を得た。これをアクリル系樹
脂(C)とする。 フイルム表面へのアクリル系樹脂被膜の形成 前記、アクリル系樹脂(A)、(B)、(C)に、それぞ
れ、イソプロピルアルコールを加えて、溶液中の
アクリル系樹脂の濃度を15%に調製したものを、
前記フイルム1に#5バーコーターを用いて、
各々塗布し、塗布したフイルムを120℃で1分間
保持して、溶剤を飛散させた。得られた各フイル
ムの被膜の量は約1.5g/m2であつた。得られたフ
イルムをそれぞれフイルム3及びフイルム4及び
フイルム7とする。 同様の手順により、フイルム2にアクリル系樹
脂溶液(A)の塗布液を塗布し、被膜を形成させた。
この時得られたフイルムをフイルム5とする。 フイルム表面へのエポキシ系樹脂被膜の形成 比較例として大日本インキ化学(株)製エポキシ系
樹脂塗料エピクロン860−90Xに、キシロールを
加えて、溶液中のエポキシ系樹脂の濃度を15%に
調製し、フイルム1に#5バーコーターを用いて
塗布し、塗布してフイルムを120℃で1分間保持
して、溶剤を飛散させた。得られたフイルムの被
膜の量は約1.5g/m2であつた。この時得られたフ
イルムをフイルム6とする。 フツ素系樹脂被膜の形成 前記フイルム1、及び3〜7の各樹脂被膜形成
面に、フツ素系樹脂塗料を、製膜後の樹脂被膜の
量が約1g/m2になるようにバーコーダーで塗布
した。そして、塗布したフイルムを100℃で1分
間保持し、フツ素系樹脂塗膜を形成した。 フツ素系樹脂塗料として次の4種類のものを用
いた。 ●カイナー202(ペンウオルト社製) ●ユピマーFRS−1(三菱油化フアイン(株)製) ●ルミフロンLE−200(旭硝子(株)製) ●ユニフロンK(日本ペイント(株)製) 以上のようにして得たフイルムそれぞれについ
て性能を以下のような評価法によつて評価しその
結果を第1表まとめた。 性能評価法 密着性 成形品の被膜を形成した面にセロハンテープを
接着し、このセロハンテープを剥した時に、被膜
の剥離状況を肉眼で観察した。 結果を第1表に示す。この評価基準は、次のと
おりである。 ◎…被膜が全く剥離せず、完全に残つたもの。 〇…被膜の2/3以上が剥離せずに残つたも
の。 △…被膜の2/3以上が剥離したもの。 ×…被膜が完全に剥離したもの。 透明性とクラツク 名古屋市内で、南に面した45゜の傾斜をもつ暴
露試験台上へ2年間(昭和58年9月〜昭和60年9
月)展張したのち、フイルムを回収し、波長
555nmにおける光線透過率Tx(%)を、分光光度
計を用いて測定した。透明性の低下は、主にフイ
ルム表面に蓄積する媒塵によるものであつた。表
示は次の区分によつた。 ◎…T≧80 〇…80>T≧70 △…70>T また、試験フイルム上に発生した塗膜のクラツ
クの状況を次の区分で示した。 ◎…クラツクの発生が認められないもの。 〇… 〃 わずかに認められるもの。 △… 〃 かなり認められるもの。 耐汚染性 試験フイルムの被膜面に、各汚染物質を付着さ
せ、24時間室温に放置したのち、汚染物質を脱脂
綿でふき取つて、痕跡を観察した。 表記は、次の区分による。 痕跡の認められないもの ◎ わずかに認められるもの 〇 明瞭に認められるもの △ 可塑剤移行性 試験フイルムの被膜面と、ポリスチレンシート
を接触させ、アルミ箔に包んで2Kg/100cm2の荷
重下、50℃で3日間放置した。放置前後のポリス
チレンシートの重量増加分(Wmg/100cm2)を可
塑剤移行量とし、次の区分によつて表記した。 2>W ◎ 10>W≧2 〇 W≧10 △
【表】 「効 果」 実施例からもあきらかなように、本発明による
塩化ビニル系樹脂積層品は耐汚染性及び耐候性に
非常に優れている。 したがつて、基体として塩化ビニル系樹脂を使
つた例えば床材、壁材、デスクマツト、電線用被
膜材等の成形品の表面の汚染、粉塵、塵芥の付着
を防止することができ、美麗な外観を長期間維持
することができる。 又、塩化ビニル系樹脂成形品が、屋外に展張さ
れる太陽光線透過性の要求される濃業用の被覆材
の場合には、防塵性が持続されるので、透明性が
いつまでも失われることがなく植物の生育に好影
響をもたらす。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塩化ビニル系樹脂成形品表面に、5〜40重量
    %がヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモ
    ノマー、0〜20重量%が分子内に1個もしくは2
    個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カ
    ルボン酸及び残部がこれら化合物と共重合可能な
    他のビニル系化合物からなるモノマー成分を共重
    合して得られたアクリル系樹脂層が、更にその上
    にフツ素系樹脂層が形成されている事を特徴とす
    る塩化ビニル系樹脂積層品。 2 塩化ビニル系樹脂成形品が可塑剤、安定剤、
    滑剤及び紫外線吸収剤その他添加剤を含む事を特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の塩化ビニル
    系樹脂積層品。 3 塩化ビニル系樹脂成形品がリン酸エステルを
    含有する事を特徴とする特許請求の範囲第1項又
    は第2項記載の塩化ビニル系樹脂積層品。
JP29888885A 1985-12-28 1985-12-28 塩化ビニル系樹脂積層品 Granted JPS62156951A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29888885A JPS62156951A (ja) 1985-12-28 1985-12-28 塩化ビニル系樹脂積層品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29888885A JPS62156951A (ja) 1985-12-28 1985-12-28 塩化ビニル系樹脂積層品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS62156951A JPS62156951A (ja) 1987-07-11
JPH0327020B2 true JPH0327020B2 (ja) 1991-04-12

Family

ID=17865461

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29888885A Granted JPS62156951A (ja) 1985-12-28 1985-12-28 塩化ビニル系樹脂積層品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS62156951A (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2583119B2 (ja) * 1989-01-23 1997-02-19 三宝樹脂工業 株式会社 化粧シートの製造方法
JPH0624812B2 (ja) * 1989-07-20 1994-04-06 三菱化成ビニル株式会社 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
TWI437009B (zh) 2007-04-24 2014-05-11 Solvay Solexis Spa 1,1-二氟乙烯共聚物類
WO2016072321A1 (ja) * 2014-11-04 2016-05-12 三菱レイヨン株式会社 積層フィルム及びその製造方法、並びにメラミン化粧板

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59140053A (ja) * 1983-01-31 1984-08-11 カンボウプラス株式会社 防汚性の優れた積層布

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59140053A (ja) * 1983-01-31 1984-08-11 カンボウプラス株式会社 防汚性の優れた積層布

Also Published As

Publication number Publication date
JPS62156951A (ja) 1987-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4210567A (en) Plastisol of an acrylate polymer and a plasticizer
US4496628A (en) Laminate for the protection of motor vehicle bodies
US3340222A (en) Hydrofluorocarbon polymer filmforming composition
CA1050683A (en) Acrylic polymer plastisols
JP2001171055A (ja) 耐衝撃性保護用多層フィルム
JPH0327020B2 (ja)
JP3175659B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH0646901B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH0230528A (ja) フツ素樹脂系多層フイルム
JP2500957B2 (ja) 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH0623263B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂成形品
JPH0455391B2 (ja)
JPH10146928A (ja) 塩化ビニル系樹脂成形品
JP3175658B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂成形品
JPH10119200A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH0681715B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂成形品
JPH05185570A (ja) 車両用成形部品
JPH0575008B2 (ja)
JP2630186B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2001061356A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPS60141747A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
JP2001016999A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH04250037A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPS63188045A (ja) 塩化ビニル系樹脂成形品
JP3175657B2 (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term