JPH0681715B2 - 塩化ビニル系樹脂成形品 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂成形品

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JPH0681715B2
JPH0681715B2 JP2123856A JP12385690A JPH0681715B2 JP H0681715 B2 JPH0681715 B2 JP H0681715B2 JP 2123856 A JP2123856 A JP 2123856A JP 12385690 A JP12385690 A JP 12385690A JP H0681715 B2 JPH0681715 B2 JP H0681715B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、塩化ビニル系樹脂成形品に関する。さらに詳
しくは、可塑剤などの表面移行を防止し、成形品表面の
汚染を防止し、かつ、耐水性に優れた塩化ビニル系樹脂
成形品に係わるものである。
「従来技術」 塩化ビニル系樹脂は、比較的安価で、化学的変化をおこ
しにくく、可塑剤をその量を変えて配合することによ
り、硬質から軟質まで広範囲に性質を変えることができ
る。そして例えば硬質のパイプ、床材、シート、フィル
ム、軟質のビニルクロス、繊維、壁材、シート、フィル
ム、日用品雑貨等、硬軟ともに多くの用途がある。
しかし、可塑剤を配合した塩化ビニル系樹脂成形品は、
長時間経過すると、可塑剤が成形品表面にブリード・ア
ウトし、他の物質に移行したり、水や溶剤などに抽出さ
れるなどして、好ましくない現象を呈するという欠点が
ある。
例えば、ABS樹脂、耐衝撃性ポリスチレン又は一般用ポ
リスチレン等のスチレン系樹脂よりなるテレビジョン、
ビデオデッキ、パーソナルコンピューター等の電気製品
のハウジングに軟質塩化ビニル系樹脂成形品が接触する
と、ハウジングに可塑剤が移行する。この移行により、
ハウジングには汚染斑が生じたり、亀裂が生じたりして
美観を損ね、商品価値を著しく低下させ、場合によって
は機能を低下させることもある。
また、塩化ビニル系樹脂よりなる成形品が、床材、壁材
などの内装材料、テントなどの屋外で使用されるもので
ある場合は、成形品表面にブリード・アウトした可塑剤
に、塵埃が付着して汚染されるという欠点がある。成形
品が包装用に使用されるフィルムである場合には、ブリ
ード・アウトした可塑剤がフィルムへの印刷性を低下さ
せたり、ヒートシール法によって接着した部分の強度を
低下させる。
更に、成形品が防水帆布テント、簡易水槽、止水板、遮
水シートなどの耐水性が要求される用途に使用された場
合には、雨水の影響によって可塑剤が流亡され、成形品
が白化したり、もろくなって破損するなどの問題が生起
する。
これらの問題を解決する方法として塩化ビニル系樹脂成
形品の表面を、特定の樹脂や塗料で被覆する下記のよう
な手法が提案されている。
(i)アクリル系樹脂を塗布する方法(特公昭46−2963
9号公報、特公昭50−28117号公報等) (ii)接着層を介してフッ素樹脂を塗布する方法(特開
昭56−86748号公報、特開昭57−8155号公報、特開昭57
−12646号公報等) (iii)フッ素樹脂とアクリル系樹脂の混合物を塗布す
る方法(特開昭63−21143号公報、特開昭64−65161号公
報、特公昭63−236号公報等) しかし、(i)では、基材の可塑剤等の成形品表面への
ブリード・アウトを防止するのに充分でなく、(ii)で
は、可塑剤等が接着層に移行する影響で、接着層を介し
てもフッ素樹脂と基材の固着一体化は、実用的に充分な
ものではなかった。
これらの改良として(iii)が提案されたが、基材とフ
ッ素樹脂混合物との界面接着が不充分である上、アクリ
ル系樹脂とフッ素樹脂とが溶解しにくいため、塗膜が不
透明になるという欠点があった。
「発明が解決しようとする課題」 本発明者らは、かかる状況にあって、塩化ビニル系樹脂
成形品に配合される諸添加剤、特に可塑剤の表面移行を
防止し、成形品表面の汚染を防止し、耐水生に優れ、か
つ良好な透明性を有する塩化ビニル系樹脂成形品を提供
することを目的として、鋭意検討した結果、本発明を完
成するに至ったものである。
「課題を解決するための手段」 しかして、本発明の要旨とするところは、塩化ビニル系
樹脂成形品表面に、アクリル系単量体とパーフルオロア
ルキル基含有アクリル系単量体との共重合体からなる含
フッ素アクリル系重合体〔A〕とフッ素を実質的に含ま
ないアクリル系重合体〔B〕とフッ化ビニリデン系樹脂
〔C〕の3成分を主成分とする組成物の被膜が形成され
てなる塩化ビニル系樹脂成形品に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
1.塩化ビニル系樹脂 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル
のほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化
ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタアクリ
ル酸、酢酸ビニル等があげられる。これら塩化ビニル系
樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重
合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によっ
て製造されたものであってもよい。
上記基体となる塩化ビニル系樹脂には、柔軟性を付与す
るために、この樹脂100重量部に対して、1重量部以
上、好ましくは20〜60重量部の可塑剤が配合される。可
塑剤の配合量を上記範囲とすることにより、目的の塩化
ビニル成形品に、すぐれた柔軟性と機械的性質を付与さ
せることができる。
可塑剤としては、例えば、ジ−n−オクチルフタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジベンジルフ
タレート、ジイソデシルフタレート、ジドデシルフタレ
ート、ジウンデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジ
オクチルフタレート等のイソフタル酸誘導体;ジ−n−
ブチルアジペート、ジオクチルアジペート等のアジピン
酸誘導体;ジ−n−ブチルマレート等のマレイン酸誘導
体;トリ−n−ブチルシトレート等のクエン酸誘導体;
モノブチルイタコネート等のイタコン酸誘導体;ブチル
オレエート等のオレイン酸誘導体;グリセリンモノリシ
ノレート等のリシノール酸誘導体;その他、エポキシ化
大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげられる。
上記塩化ビニル系樹脂には、前記可塑剤のほかに、必要
に応じて、成形用の合成樹脂に通常配合される公知の樹
脂添加物、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、滑剤、界面
活性剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料等を配合
することができる。しかして、可塑剤を含め、その他公
知の樹脂添加剤を配合し、成形用の塩化ビニル系樹脂配
合組成物とするには、通常の配合、混合技術、例えばリ
ボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサ
ーその他の配合機、混合機を使用する方法を採用するこ
とができる。
塩化ビニル系樹脂配合組成物を成形して、本発明の塩化
ビニル系樹脂成形品にする場合の形状については特に制
限はない。しかし、被膜を形成する工程の容易さからシ
ート状、フィルム状、板状、あるいは管状の形態のもの
が適している。これらの成形法としては、通常、行われ
る、例えばカレンダー成形法、押出成形法、インフレー
ション成形法、射出成形法等のなかから適宜採用され
る。
2.含フッ素アクリル系重合体〔A〕 2−1.アクリル系単量体 アクリル系単量体とは、アクリル酸あるいはメタクリル
酸のアルキルエステル類をいう。
アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキルエステル類
としては、具体的にはメチルアクリレート、エチルアク
リレート、n−プロピルアクリレート、iso−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート、iso−ブチル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシ
ルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリル
アクリレート等のようなアクリル酸のC1〜C22のアルキ
ルエステル類:メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブ
チルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレ
ート、ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレ
ート、ステアリルメタクリレート等のようなメタクリル
酸のC1〜C22のアルキルエステル類等があげられる。上
記のアクリル系単量体は、各々単独で、もしくは混合物
として使用することができる。また、これらアクリル系
単量体は、共重合可能な他の単量体と共に使用してもよ
い。このような他の単量体としては、例えば、分子内に
1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα、β−
不飽和カルボン酸化合物があり、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、アコニット酸、クロト
ン酸等があげられる。
又、例えばスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルア
ミド、メタクリルアミド、n−ブトキシアクリルアミ
ド、n−ブトキシメタクリルアミド等も使用することが
できる。
2−2.パーフルオロアルキル基含有アクリル系単量体 パーフルオロアルキル基含有アクリル系単量体とは、パ
ーフルオロアルキル基を有するアクリル酸あるいはメタ
クリル酸のエステル類であって、具体的には、2,2,2-ト
リフルオロエチルアクリレート、2,2,2-トリフルオロエ
チルメタクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル
アクリレート、2,2,3,3-テトラフルオロプロピルメタク
リレート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルアクリレ
ート、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルメタクリレー
ト、1−トリフルオロメチル−2,2,2-トリフルオロエチ
ルアクリレート、1−トリフルオロメチル2,2,2-トリフ
ルオロエチルメタクリレート、2,2,3,4,4,5,5-オクタフ
ルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタ
フルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4-へキサ
フルオロブチルアクリレート、2,2,3,3,4,4-ヘキサフル
オロブチルメタクリレート、2−パーフルオロオクチル
エチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルメタク
リレート、2−パーフルオロノニルエチルアクリレー
ト、2−パーフルオロノニルエチルメタクリレート等が
挙げられる。中でも特にパーフルオロ基のフッ素の数が
5以上のものが好ましい。これらは、各々単独で用いて
も2種以上の併用であってもよい。
2−3.配合 アクリル系単量体とパーフルオロアルキル基含有アクリ
ル系単量体との共重合割合は、通常前者が20〜99重量%
の範囲であることが好ましい。アクリル系単量体がこの
範囲より少ないと、形成被膜の基材との密着性が充分で
なく、又この範囲より多いと、含フッ素アクリル系重合
体としての機能を発揮しない。
アクリル系単量体とパーフルオロアルキル基含有アクリ
ル系単量体を所定量配合して、有機溶媒とともに重合缶
に仕込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加
えて、撹拌しつつ加熱し、重合する。重合は、通常公知
の方法、例えば懸濁重合法、溶液重合法などが採用され
る。この際、使用しうる重合開始剤としては、α、α−
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等のラジカル生成触
媒があげられ、分子量調節剤としてはブチルメルカプタ
ン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカ
プタン、β−メルカプトエタノール等があげられる。
重合に用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミ
ルアルコール、イソアミルアルコール、tert−アミルア
ルコール、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキサノー
ル等のアルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸
エステル類:アセトン、メチルエチルケトン、メチル−
n−プロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチ
ルケトン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、ジ−n−
プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、ジ−n−アミ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒド
ロフラン等があり、これらは1種もしくは2種以上混合
して使用することができる。
3.アクリル系重合体〔B〕 フッ素を実質的に含まないアクリル系重合体〔B〕と
は、2−1記載のアクリル酸あるいはメタクリル酸のア
ルキルエステル類を主体とした重合体であって、同様の
重合方法によって得られる。
4.フッ化ビニリデン系樹脂〔C〕 フッ化ビニリデン系樹脂〔C〕とは、フッ化ビニリデン
の単独重合体、もしくはフッ化ビニリデンと他のフッ素
系不飽和単量体及び/もしくはフッ素を含有しない共重
合可能な単量体との共重合体、さらにこれら重合体の一
部を改質もしくは変性した重合体も包含される。
これらフッ化ビニリデン系樹脂は1種もしくは2種以上
で用いることができる。
又他のフッ素を含有した樹脂例えば、4フッ化エチレ
ン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロエチレン等
と混合して用いても構わない。
5.被膜 含フッ素アクリル系重合体〔A〕とフッ素を実質的に含
まないアクリル系重合体〔B〕とフッ化ビニリデン系樹
脂〔C〕の配合量は、〔A〕3〜50重量部、〔B〕2〜
40重量部、〔C〕10〜95重量部である。樹脂〔C〕に対
する重合体〔A〕の割合が少なすぎると、形成被膜の透
明性が充分でない。又、樹脂〔C〕に対する重合体
〔B〕の割合が少なすぎると、形成被膜の基材表面への
密着性が劣り、被膜が容易に剥れて好ましくない。他
方、樹脂〔C〕に対する重合体〔A〕ないし、重合体
〔B〕の割合が多すぎると、形成被膜の可塑剤等の移行
防止性、耐汚染性、耐水性への効果が充分でなく好まし
くない。
上記被膜組成物には、これら成分の他に、補助的な成
分、例えば酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、顔料、染料、発泡剤、滑剤等配合する
ことができ、有機溶媒に分散及び/又は溶解して用いる
ことができる。
有機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素としてヘプタ
ン、シクロヘキサン等;芳香族炭化水素としてベンゼ
ン、トルエン、キシレン等;アルコール類としてメタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール、ポリオキ
シエチレングリコール等;ハロゲン化炭化水素としてク
ロロホルム、四塩化炭化水素、クロルベンゼン等;ケト
ン類としてアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン等;エステル類としてメチルアセテート、
アリルアセテート、エチルステアレート等;アミン類と
してトリメチルアミン、ジフェニルアミン、ヘキサメチ
レンジアミン等;その他ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジエ
チレンジチオグリコール、ジアセトンアルコール、ベン
ゾニトリル、ジメチルスルホキサイド等があり、これは
単独もしくは2種以上の併用で使うことができる。
上記の被膜組成物を塗布し塩化ビニル系樹脂成形品表面
に被膜を形成するには、成形品の形状に応じて公知の各
種方法が適用される。例えば、溶液状態で被膜を形成す
る場合は、ドクターブレードコート法、グラビアロール
コート法、エヤナイフコート法、リバースロールコート
法、デイプコート法、カーテンロールコート法、スプレ
イコート法、ロッドコート法等の塗布方法が用いられ
る。
また、溶液状態とせず上記被膜組成物を単独の被膜とし
て形成する場合は、共押出し法、押出しコーテイング
法、押出しラミネート法、ラミネート法が用いられる。
被膜形成法として、塗布方式を用いた場合の溶剤の乾燥
方法としては、例えば自然乾燥法、熱風乾燥法、赤外線
乾燥法、遠赤外線乾燥法等があるが、乾燥速度、安全性
を勘案すれば熱風乾燥法が有利である。この場合の温度
条件は50〜150℃の範囲とし、時間は10秒〜15分の間で
選ぶのがよい。
上記被膜組成物を塩化ビニル系樹脂成形品の表面に塗布
して被膜とする場合の塗布量は、アンダーコートを施す
場合、そのコート分を別にして、塗布方式で、乾燥固化
後の量として、0.1g/m2〜10g/m2の範囲とするのが好ま
しい。0.1g/m2より少ないと、塩化ビニル系樹脂成形品
中の可塑剤の表面移行を防止する効果が不充分である。
また、10g/m2以上であると、被覆量が多過ぎて、経済的
に不利となり、特に被覆される塩化ビニル系樹脂成形品
がフィルム状の構造物である場合は、その機械的強度が
低下することがある。したがって、通常は、0.5g/m2〜5
g/m2の範囲が最も好ましい。なお、上記被膜組成物を被
覆する前に、塩化ビニル系樹脂成形品の表面を予め、ア
ルコールまたは水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あ
るいはコロナ放電処理したり、他の塗料、あるいはプラ
イマー後下塗りする等の前処理を施しておいてもよい。
「実施例」 以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定され
るものではない。
実施例1〜5、比較例1〜3 I.基体フィルムの調製 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 エポキシ化大豆油 3 〃 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 よりなる樹脂組成物を準備し、これをスーパーミキサー
で10分間混合したのち、180℃に加温したミルロール上
で混練し、厚さ0.3mmの塩化ビニル樹脂フィルムを調製
した。
II.含フッ素アクリル系重合体〔A〕の調製 温度計、撹拌機、還流冷却器および原材料添加用ノズル
を備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、トル
エン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び第1表
に示した各単量体の混合物100重量部を仕込み、窒素ガ
ス気流中で撹拌しつつ、80℃で3時間更に過酸化ベンゾ
イルを0.5重量部添加して反応を約3時間、同温度で継
続して含フッ素アクリル系重合体である樹脂a、bを得
た。
III.アクリル系重合体〔B〕の調製 IIと同様の反応器に、メチルエチルケトン70重量部、ト
ルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び第1
表に示した各単量体の混合物100重量部を仕込み、窒素
ガス気流中で撹拌しつつ、70℃で3時間更に過酸化ベン
ゾイルを0.5重量部添加して反応を約3時間、同温度で
継続してアクリル系重合体である樹脂c、dを得た。
IV.被膜の形成 第2表に示した種類及び量の含フッ素アクリル系重合体
〔A〕とアクリル系重合体〔B〕と市販されているフッ
化ビニリデン系樹脂〔C〕を配合し、これに固形分が20
重量%となるようにメチルエチルケトンを加え、被膜組
成物を得た。
前記の方法で調製した基体フィルムの片面に、上記被膜
組成物を、#5バーコーターを用いて、各々塗布した。
塗布したフィルムを130℃のオーブン中にて1分間保持
して、溶剤を揮散させた。得られた各フィルムの被膜の
量は約3g/m2であった。
V.フィルムの評価 以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果
を第2表に示す。
外観 フィルム外観を肉眼で観察した。この評価基準は、次の
とおりである。
◎・・無色で、透明性に優れるもの。
○・・やや白色を呈するが、透明性を有するもの。
△・・白色を呈し、半透明であるもの。
×・・白濁し、失透しているもの。
密着性 フィルムの被膜面にセロハンテープを接着し、このセロ
ハンテープを剥した時に、被膜の剥離状況を肉眼で観察
した。この評価基準は、次のとおりである。
◎・・被膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。
○・・被膜の2/3以上が剥離せず残ったもの。
△・・被膜の2/3以上が剥離したもの。
×・・被膜が完全に剥離したもの。
耐汚染性 フィルムの被膜面に、各汚染物質を付着させ、24時間室
温に放置したのち、汚染物質を脱脂綿でふき取って、痕
跡を観察した。この評価基準は、次のとおりである。
◎・・痕跡が全く認められないもの。
○・・被膜の2/3以上に、痕跡が認められないもの。
△・・被膜の2/3以上に、痕跡が認められるもの。
×・・被膜全面に、痕跡が認められるもの。
可塑剤移行試験 8種類のフィルムを、各々10cm×10cm角に切断し、被膜
面に、厚さ0.5mmのポリスチレンシートを密着させた。
この状態で、2kgの荷重をかけ、60℃に保持した恒温水
槽内に、48時間放置した。
ついで恒温水槽から取り出し、荷重をとり、ポリスチレ
ンシートを剥離したのち、8種類のフィルム各々の減量
を測定した。
この減量は、数値が小さいほど、フィルム表面からの可
塑剤の移行が少ないことを示す。
耐水性試験 8種類のフィルムから、4cm×5cmの大きさの試験片を多
数枚準備し、50℃に保持した恒温水槽中に浸漬し、12時
間後および24時間後にそれぞれの種類のフィルムにつ
き、数枚のフィルムを取り出し、乾燥したのち、被膜の
外観を肉眼で観察した。
この試験での評価基準は、次のとおりである。
◎・・被膜に外観変化が全く認められないもの。
○・・被膜の一部に白化が認められるもの。
△・・被膜の全面に白化が認められるもの。
×・・被膜の全面に白化が認められ、部分的に被膜剥離
が認められるもの、もしくは、被膜が完全に剥離してい
るもの。
「発明の効果」 以上、実施例からも明らかなように、本発明に係わる塩
化ビニル系樹脂成形品は、基体樹脂中に配合されている
可塑剤、液状安定剤等の添加剤の成形品表面への移行滲
出を抑制することができる。したがって基体として塩化
ビニル系樹脂を使った例えば、床材、壁材、デスクマッ
ト、電線用被覆材等の成形品の表面に汚染、粉塵、塵芥
の付着を防止することができ、美麗な外観を長時間維持
することができる。又、耐水性にも優れており、成形品
は白化したり、もろくなって破損するなどの問題が発生
しない。
又、本発明に係わる塩化ビニル系樹脂成形品は、基材と
その表面に形成された特定の被膜との密着性に富むの
で、被膜は剥離しにくく、長期間性能を高水準に維持す
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂成形品表面に、 アクリル系単量体とパーフルオロアルキル基含有アクリ
    ル系単量体との共重合体からなる含フッ素アクリル系重
    合体〔A〕と フッ素を実質的に含まないアクリル系重合体〔B〕と フッ化ビニリデン系樹脂〔C〕 の3成分を主成分とする組成物の被膜が形成されてなる
    塩化ビニル系樹脂成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62169641A (ja) * 1986-01-22 1987-07-25 三菱化成ビニル株式会社 塩化ビニル系樹脂成形品
JPH0789793B2 (ja) * 1986-06-18 1995-10-04 応用地質株式会社 植物への水分補給方法

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