JP2001026080A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP2001026080A
JP2001026080A JP11198599A JP19859999A JP2001026080A JP 2001026080 A JP2001026080 A JP 2001026080A JP 11198599 A JP11198599 A JP 11198599A JP 19859999 A JP19859999 A JP 19859999A JP 2001026080 A JP2001026080 A JP 2001026080A
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vinyl chloride
chloride resin
film
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JP11198599A
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Katsuhiro Fujiwara
克宏 藤原
Mitsuo Yasui
光雄 安井
Kazuyoshi Murakami
主義 村上
Hisama Hara
寿磨 原
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時の物性(強度)を向上し、さらには、
屋外暴露(経時後)の物性低下(強度、防塵性、密着性
など)が著しく少ない農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂[A]100重量部に
対して、塩素化ポリエチレン[B]0.5〜20重量
部、可塑剤[C]30〜60重量部を混合した塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの片面又は両面に、アクリル系樹脂
[D]と、フッ化ビニリデン系樹脂[E]とを主成分と
する組成物の被膜が形成されてなることを特徴とする農
業用塩化ビニル系樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムに関する。更に詳しくは、屋外での展張
によって引き起こされる変色、脆化、防塵性の低下など
の好ましくない劣化現象に対して、耐久性に優れた、更
には低温下における機械強度・耐衝撃に優れた農業用塩
化ビニル系樹脂フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有用植物を栽培している農家で
は、収益性向上を目的として、有用植物をハウス(温
室)、またはトンネル内で促進栽培や抑制栽培する方法
が、広く採用される様になった。このハウス(温室)ま
たはトンネルの被覆資材としては、ポリエチレンフィル
ム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリエス
テルフィルム、ポリカーボネートフィルム、硬質及び軟
質塩化ビニル系樹脂フィルム、ガラス等が使用されてい
る。なかでも軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、他の合
成樹脂フィルムに対して、光線透過率、保温性、機械的
強度、耐久性、作業性を総合して最も優れているので、
広く使用されている。
【0003】しかしながら、ハウスまたはトンネルの被
覆資材として使用される合成樹脂フィルムは、塩化ビニ
ル系樹脂をも含めて被覆材としての使用を開始して一年
も経過すると、太陽光線、特に紫外線などに影響を受け
て外観の劣化や、フィルムの柔軟性の低下などの経時変
化をおこす。更に、最近の改良された農業技術、特に経
済性、省力化を指向した農業技術は、被覆資材にも、従
来にもました過酷な条件に耐える性質を、要求するよう
になってきている。従って、耐候性を向上させる目的で
基材の塩化ビニル系樹脂に、有機リン酸エステル又は有
機リン酸金属塩を添加配合し、フィルム化する技術が広
く採用されている。しかしながら、軟質塩化ビニル系樹
脂フィルムは、樹脂軟化剤として、可塑剤が配合されて
おり、この可塑剤は、感温性が大きく、特に寒冷地区で
の展張使用される際の伸びが悪く破れ易い。また、展張
後も風、雪、雹、アラレ等の外力がフィルムに加わった
際に破れ易いという問題点があった。又、基材の可塑剤
等の成型品表面へのブリード・アウトによる防塵性の低
下が著しい。このため、寒冷地区における伸び、耐衝撃
性等の物性を改善する方法が必要とされている。
【0004】尚、一般の成型品用途に用いる塩化ビニル
系樹脂組成物としては、衝撃改良剤として、メチルメタ
クリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹
脂)(特開平6−322209)、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、スチレ
ン−ブタジエンゴム(SBR)等を添加することが提案
されているが、これら衝撃改良剤は、耐衝撃強度は、向
上するものの、その分子中に含まれる2重結合が、光・
紫外線または熱に対して活性であるために、それらを配
合してなる樹脂から得られる塩化ビニル系樹脂フィルム
は、耐候性(褐変)が劣る欠点があり、これに対し、紫
外線吸収剤・酸化防止剤・光安定剤等を添加することが
提案されているが、満足する十分な諸物性が得られてい
ない。また、農業用に使用される塩化ビニル系樹脂フィ
ルムは、展張使用される地域、場所等による影響によっ
て、使用を開始してから2年も経過すると、ハウスまた
はトンネルの外側の面の防塵性が著しく低下し、使用に
耐えられなくなる欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、屋外での展張によって引き起こされる変
色脆化、防塵性低下などの好ましくない劣化現象が大幅
に改善され、低温下における耐衝撃性を向上させた農業
用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的とし
て、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、塩化ビニル系樹脂[A]100重量部
に対して、塩素化ポリエチレン[B]0.5〜20重量
部、可塑剤[C]30〜60重量部を混合した塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの片面又は両面に、アクリル系樹脂
[D]と、フッ化ビニリデン系樹脂[E]を主成分とす
る組成物の被膜が形成されてなることを特徴とする農業
用塩化ビニル系樹脂フィルムに存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 1.塩化ビニル系樹脂[A] 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル
のほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化
ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化ビニル系樹
脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合
法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって
製造されたものであってもよい。
【0008】本発明においては、上記塩化ビニル樹脂と
して、好ましくは平均重合度が1000以上2500以
下、更に好ましくは1100以上2000以下のものを
用いるのがよい。また、異なる平均重合度のものを2種
混合してもよい。この混合方法としては、フィルム製膜
加工時に2種類の樹脂を混合する方法が一般的である
が、塩化ビニル樹脂の重合時に重合条件コントロールに
よって、見掛け上2種類の平均重合度の異なる樹脂が混
合されたことになる方法であってもよい。
【0009】上記基体となる塩化ビニル系樹脂フィルム
には、柔軟性を付与するために、この樹脂100重量部
に対して、可塑剤が30〜60重量部、好ましくは、4
0〜55重量部配合される。30重量部未満では、低温
時での柔軟性に乏しいため、充分な低温物性が得られな
い。また、60重量部を越えると、常温下での取り扱い
性(べたつき性等)が悪化したり、製膜加工時の作業性
が低下するので好ましくない。
【0010】使用しうる可塑剤[C]としては、例え
ば、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシル
フタレート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート
等のイソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、
ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−
ブチルマレート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチ
ルシトレート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネ
ート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレ
イン酸誘導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノ
ール酸誘導体;その他、エポキシ化大油、エポキシ樹脂
系可塑剤等が挙げられる。また、樹脂フィルムに柔軟性
を付与するために、上述の可塑剤に限られるものでな
く、例えば熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル
等を使用することもできる。
【0011】2.塩素化ポリエチレン[B] 本発明の塩素化ポリエチレンとは、原料となるポリエチ
レンは、エチレンの単独重合、もしくは、エチレンと3
0重量%以下(好ましくは、20重量%以下)の炭素数
が12個以下(好ましくは、3〜9個)のα−オレフィ
ンを共重合することによって得られるものが好ましい。
【0012】α−オレフィンの具体例としては、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン等が挙げられる。原料となるポリオレフィンとし
ては、特にエチレンを単独重合したものが好ましい。本
発明に使用される塩素化ポリエチレンは、ポリエチレン
の粉末または粒子を水性懸濁液中で塩素化するか、ある
いは有機溶剤中に溶解したポリエチレンを塩素化する方
法が採用される。
【0013】上記塩素化ポリエチレンの塩化ビニル系樹
脂への配合量は、0.5〜20重量部、好ましくは0.
5〜10重量部がよい。0.5より少ないと初期物性及
び耐候後物性が向上されることなく、多すぎると、フィ
ルムが白濁し、好ましくない。上記範囲内でも特に1.
0〜7重量部が好適である。この塩素化ポリエチレンの
塩素含有量は、15〜50重量%の範囲がよい。少なす
ぎると塩化ビニル系樹脂との相溶性に劣り、フィルムが
白濁し好ましくなく、多すぎる範囲では、低温での物性
が向上することがないために好ましくない。上記範囲内
でも30〜50重量%が好ましく、特に35〜45重量
%が好適である。
【0014】塩素化ポリエチレンのメルトインデックス
は、0.5〜150g/10分の範囲がよい。小さすぎ
ると塩化ビニル系樹脂との相溶性が劣りフィルムが白濁
し、大きすぎる範囲では、物性が添加量に比例して向上
することがなく、好ましくない。上記範囲内でも特に
1.0〜130g/10分が好適である。塩素化ポリエ
チレンの結晶化度は、0〜30%がよい。0%とは非結
晶の状態も含む意味である。高すぎる範囲では、塩化ビ
ニル系樹脂との相溶性が悪く、フィルム表面にブリード
するために好ましくない。上記範囲内でも20%以下、
又は0.01%以上が好ましく、特に1〜20%が好適
である。
【0015】3.アクリル系共重合体 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムには、加工性
の観点から、アクリル系共重合体を配合することが好ま
しい。アクリル系共重合体としては、メチルメタクリレ
ートモノマーを主単量体とし、メチルメタクリレートモ
ノマーと共重合可能なビニルモノマー単量体とを共重合
して得られるものが好ましい。
【0016】共重合される割合は、(A)メチルメタク
リレート60〜100重量%、(B)メチルメタクリレ
ートモノマーと共重合可能なビニルモノマー単量体0〜
40重量部であることが好ましい。メチルメタクリレー
トモノマーが60重量%より少ない範囲では、アクリル
系共重合体と塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪くフィル
ム外観が劣るために好ましくない。
【0017】メチルメタクリレートと共重合可能なビニ
ルモノマー単量体としては、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、デシルアクリレート等のようなアクリル酸のC1
〜C16のアルキルエステル類:エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート等の
ようなメタクリル酸のC1〜C16のアルキルエステル
類:スチレン、アクリルニトリル、メタクリロニトリル
などを挙げることができる。これらメチルメタクリレー
トと共重合可能なビニルモノマー単量体は、1種類もし
くは数種類を組み合わせて共重合させても良い。
【0018】上記アクリル系共重合体の塩化ビニル系樹
脂への配合量は、0.1〜10重量部の範囲が好まし
い。0.1重量部より少ないと加工性が改良されず、1
0重量部より多い範囲では、加工性・物性共に比例して
向上することがないために好ましくない。上記範囲内で
も特に0.5〜5重量部が好適である。アクリル系共重
合体は、上記単量体の2種以上を所定量組み合わせて有
機溶剤ないし水とともに重合缶に仕込み、重合開始剤、
必要に応じて分子量調節剤を加えて撹拌しつつ加熱重合
して得られる。重合は、公知の方法、例えば懸濁重合
法、溶液重合法、乳化重合法などが採用される。
【0019】4.光安定剤 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムには、被膜の
形成性、屋外展張性の点から光安定剤を配合することが
好ましい。光安定剤としては、農業用塩化ビニルフィル
ムに通常配合されるものであればよく、ヒンダードアミ
ン系、金属錯塩系等が挙げられる。特にヒンダードアミ
ン系光安定剤が好ましい。具体的には、以下の様なもの
が挙げられる。ヒンダードアミン系光安定剤としては、
次の一般式[II]又は[III ]で表される構造単位を一
分子中に1個以上含有する化合物が適当である。
【0020】
【化2】
【0021】([II]式においてR1〜R4は炭素数1
〜4のアルキル基、R5は水素又は炭素数1〜4のアル
キル基を示す。)
【0022】
【化3】
【0023】([III ]式においてR1〜R4は炭素数
1〜4のアルキル基、R5は水素又は炭素数1〜4のア
ルキル基を示す。) 例えば一般式[IV]で表されるヒンダードアミン系化合
物が代表的なものである。
【0024】
【化4】
【0025】(式中、Rはリン又は、1〜4価のカルボ
ン酸から誘導されるモノ〜テトラアシル基、nは1〜4
の整数をそれぞれ示す。) 上記一般式[IV]に含まれるものとしては具体的には例
えば特公昭63−51458号公報に例示されている、
4−シクロヘキシノイルオキシ−2,6,6−テトラメ
チルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,
6−テトラメチルピペリジン、4−(o−クロロベンゾ
イルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン等が挙げられる。
【0026】金属錯塩系光安定剤としては、金属が、ニ
ッケルとコバルトが好ましい。具体的には、以下の様な
ものが挙げられる。ニッケル金属錯体:ニッケル〔2,
2′チオビス(4−ターシャリオクチル)フェノレー
ト〕ノルマルブチルアミン、ニッケルジブチルジチオカ
ーバメイト、ニッケルビス〔oエチル3,5(ジターシ
ャリブチル4−ヒドロキシベンジル)〕ホスフェート、
ニッケルビス(オクチルフェニルサルファイド)等が挙
げられる。コバルト金属錯体:コバルトジシクロヘキシ
ルジチオホスフェート、〔1−フェニル,3−メチル,
4−デカノイル,ピラゾレート(5)2〕ニッケル等が
挙げられる。
【0027】光安定剤の塩化ビニル系樹脂フィルムへの
配合量は、余り少ないとフィルムの耐候性が十分に優れ
たものとならないので好ましくなく、余り多くしてもフ
ィルムの耐候性は添加量に比例して向上することがな
く、フィルム表面の噴き出しがおこる。好ましい配合量
は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜
1.0重量部の範囲である。
【0028】5.紫外線吸収剤 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムには、被膜の
形成性、屋外展張性の点から紫外線吸収剤を併用するこ
とが好ましい。紫外線吸収剤としては、農業用塩化ビニ
ルフィルムに通常配合されるものであればよく、ベンゾ
トリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステ
ル系、ハイドロキノン系、シアノアクリレート系等各種
の紫外線吸収剤が挙げられる。特にベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ま
しい。具体的には、以下のようなものが挙げられる。
【0029】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−ヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
−2′−カルボキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒド
ロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2,
2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベンゾフェ
ノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロルベンゾ
フェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5
−ベンゾイルフェニル)メタン。
【0030】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;2−
(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチル
フェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾトリ
アゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェ
ニル)−5,6−ジクロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−エ
チルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾ
トリアゾール、2−(2′−メチル−4′−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ステアリ
ルオキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メチ
ルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5−
カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエステ
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−t−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−
ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−シクロヘキシル
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−4′,5′−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5−メ
チルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−
ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−エ
チルスルホベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)−
5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−メチルフェニル)−5−カルボン酸エステル
ベンゾトリアゾール、2−(2′−アセトキシ−メチル
フェニル)ベンゾトリアゾール。
【0031】上記紫外線吸収剤の基体フィルムへの配合
量は、基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
0.02〜8重量部の範囲が好ましい。0.02重量部
より少ない時は、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの耐
候性が、十分に優れたものとならないので好ましくな
い。他方、8重量部より多い時は、フィルム使用時に他
の添加剤とともにフィルム表面に噴き出したりするとい
う問題がおこり、好ましくない。上記範囲のうち、0.
1〜3重量部の範囲が好ましい。
【0032】本発明の農業用フィルムは、有機リン酸エ
ステル及び有機リン酸金属塩を併用するのが被膜の形成
性、屋外展張性の点からも好ましい。
【0033】有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩
の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して
0.1〜15重量部の範囲内、好ましくは、0.2〜1
0重量部の範囲内で選ばれる。配合量が0.1重量部未
満では軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの耐候性及び防塵
性は向上しない。配合量が15重量部より多いとフィル
ムの透明性が極度に劣ってしまうので好ましくない。前
記範囲内では、0.2〜8重量部の範囲であるのが特に
好ましい。
【0034】勿論、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可
塑剤、アクリル系共重合体、着色防止剤、光安定剤、有
機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩、紫外線吸収剤
の他に、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常配合さ
れる公知の樹脂添加物、例えば、滑剤、熱安定剤、酸化
防止剤、安定化助剤、帯電防止剤、防曇剤、防カビ剤、
防藻剤、無機フェラー、着色剤等を配合することができ
る。
【0035】本発明に係わるフィルムに配合しうる滑剤
としては、ポリエチレンワックス、ビスアマイド系化合
物、流動パラフィン等が挙げられ、酸化防止剤として
は、有機フォスファイト化合物等が挙げられる。また、
熱安定剤としては、β−ジケトン化合物等が挙げられ
る。以上の各種樹脂添加物は、それぞれ1種又は数種を
組み合わせて使用することができる。上記各種樹脂添加
物の添加量は、フィルムの性質を悪化させない範囲、通
常は基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、1
0重量部以下の範囲で選ぶことができる。
【0036】フィルムの基体となる塩化ビニル系樹脂
に、前記可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、有機リン酸
エステル又は有機リン酸金属塩、更に他の樹脂添加物を
配合するには、各々必要量秤量し、リボンブレンダー、
バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他従来から
知られている配合機、混合機を使用すればよい。このよ
うにして得られた樹脂組成物をフィルム化するには、そ
れ自体公知の方法例えば溶融押出成形法(T−ダイ法、
インフレーション法を含む)、カレンダー成形法、溶液
流延法等によればよい。
【0037】7.被膜成分 7−1 アクリル系樹脂[D] 本発明に使用されるアクリル系樹脂として、好ましい態
様としては、下記一般式(I)で示されるアルキル(メ
タ)アクリレートモノマー1〜30重量%、メチルメタ
クリレート50〜95重量%、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート化合物4〜30重量%、分子内に1個
もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα、β−不飽
和カルボン酸0〜20重量%、及びこれらと共重合可能
な他のビニル系単量体とを含むモノマー混合物を共重合
して得られる共重合体が挙げられる。
【0038】
【化5】
【0039】(式中のR1は水素又はメチル基を、nは
6〜20の整数を各々意味する。) 前記一般式(I)で示されるアルキル(メタ)アクリレ
ートモノマー(アクリル酸或いはメタクリル酸のアルキ
ルエステル(以下同様))としては、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、ミリスチルアクリレート、パルミチルアクリレ
ート等のアルキル基の炭素数が6〜20のアルキルアク
リレートあるいは、2−エチルヘキシルアクリレート、
デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチ
ルアクリレート、パルミチルアクリレート等のアルキル
基の炭素数が6〜20のアルキルメタクリレートが挙げ
られる。これらは各々単独で用いても、2種類以上の併
用であってもよい。このアルキル(メタ)アクリレート
モノマーが多すぎる場合には、防塵性が低下するので好
ましくない。メチルメタクリレートが多すぎる場合に
は、十分な低温時の物性が維持できず、他方、少なすぎ
る場合には、フッ化ビニリデン系樹脂との相溶性が低下
するために好ましくない。
【0040】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
モノマーとしては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒ
ドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアク
リレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2
−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチ
ルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレー
ト、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシペンチルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメ
タクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、
6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等が挙げられ
る。
【0041】このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートのアクリル系樹脂中で占める割合が、少なすぎる場
合は、有機溶媒との溶解性等を充分に発揮し得ず、他
方、多すぎる場合にはコスト上昇に比べて得られる効果
は大きくないので好ましくない。分子内に1個もしくは
2個以上のカルボキシル基を含むα、β−不飽和カルボ
ン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アコニット酸、フマ
ル酸、クロトン酸等が挙げられる。
【0042】上述の一般式(I)で示されるアルキル
(メタ)アクリレートモノマー、メチルメタクリレート
モノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモ
ノマー及びα、β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他
のビニル系単量体としては、例えばメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート等のアルキル基の側鎖が1〜8のアルキルアクリ
レート;エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリ
レート、イソプロピルメタクリレート、2−エチルヘキ
シルメタクリレート等のアルキル基の側鎖が2〜8のア
ルキルメタクリレート;エチレンスルホン酸のような
α、β−エチレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又
はメタクリル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニ
ル単量体;アクリロニトリル類;アクリルアマイド類;
(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル類等がある。
これら単量体は単独で用いても、又は2種以上の併用で
もよい。
【0043】7−2 アクリル系重合体[D]の重合 単量帯を所定量配合して、有機溶剤とともに重合缶に仕
込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加え
て、撹拌しつつ加熱し、重合する。重合は、通常公知の
方法、例えば懸濁重合法、溶液重合法などが採用され
る。この際、使用しうる重合開始剤としては、α、β−
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等のラジカル生成触
媒が挙げられ、分子量調節剤としては、ブチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシル
メルカプタン、β−メルカプトエタノール等が挙げられ
る。
【0044】重合に用いる有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−
ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール、tert−アミルアルコール、n−ヘキシルアル
コール、シクロヘキサノール等のアルコール類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、2−ヘ
キサノン、3−ヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、
ジ−n−アミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン
類;テトラヒドロフラン等があり、これらは、1種もし
くは2種以上混合して使用することができる。
【0045】7−3 フッ化ビニリデン系樹脂[E] 本発明のフッ化ビニリデン系樹脂[E]とは、フッ化ビ
ニリデンの単独重合体、もしくはフッ化ビニリデンと他
のフッ素系不飽和単量体及び/もしくはフッ素を含有し
ない共重合可能な単量体との共重合体、さらにこれら重
合体の一部を改質もしくは変成した重合体も包含され
る。これらフッ化ビニリデン系樹脂は1種もしくは2種
以上で用いることができ、又、他のフッ素を含有した樹
脂、例えばテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオ
ロエチレン、フルオロエチレン等と混合して用いても構
わない。
【0046】8.被膜 アクリル系重合体[D]とフッ化ビニリデン系樹脂
[E]の配合量は、[D]5〜50重量部、[E]50
〜95重量部である。樹脂[E]に対する重合体[D]
の割合が少なすぎると、形成被膜の基材表面への密着性
が劣り、被膜が容易に剥がれて好ましくない。他方、樹
脂[E]に対する重合体[D]の割合が多すぎると、形
成被膜の可塑剤等の移行防止性、耐汚染性、耐水性の効
果が十分でなく好ましくない。
【0047】上記被膜組成物には、これら成分の他に、
補助的な成分、例えば酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、発泡剤、滑剤
等配合することができる。有機溶剤に分散及び/又は溶
解して用いることができる。有機溶剤としては、例えば
脂肪族炭化水素としてヘプタン、シクロヘキサン等;芳
香族炭化水素としてベンゼン、トルエン、キシレン等;
アルコール類としてメタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、ポリオキシエチレングリコール等;ハ
ロゲン化炭化水素としてクロロホルム、四塩化炭化水
素、クロロベンゼン等;エステル類としてメチルアセテ
ート、アリルアセテート、エチルステアレート等;アミ
ン類としてトリメチルアミン、ジフェニルアミン、ヘキ
サメチレンジアミン等;その他ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ジオキサン、ジエチルエーテ
ル、ジエチレンジチオグリコール、ジアセトンアルコー
ル、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキサイド等があ
り、これは単独もしくは2種以上の併用で使うことがで
きる。
【0048】上記被膜組成物を塗布し塩化ビニル系樹脂
フィルム表面に被膜を形成するには、成型品の形状に応
じて公知の各種方法が適用される。たとえば、溶液状態
で被膜を形成するにはドクターブレードコート法、グラ
ビアロールコート法、エヤナイフコート法、リバースロ
ールコート法、デイプコート法、カーテンロールコート
法、スプレイコート法、ロッドコート法等の塗布方法が
用いられる。また、溶液状態とせず上記被膜組成物を単
独の被膜として形成する場合は、共押出し法、押出しコ
ーティング法、押出しラミネート法、ラミネート法が用
いられる。被膜形成法としては、塗布方式を用いた場合
の溶剤の乾燥方法としては、例えば自然乾燥法、熱風乾
燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等があるが、乾燥
速度、安全性を勘案すれば熱風乾燥法が有利である。こ
の場合の温度条件は50℃〜200℃の範囲とし、時間
は、10秒〜15分の間で選ぶのがよい。
【0049】本発明において、基体フィルムの表面に形
成させる被膜の厚さは、基体フィルムの1/10以下で
あるのが好ましい。被膜の厚さが基体フィルムの1/1
0より大であると、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に
差があるため、被膜が基体フィルムから剥離する等の現
象がおこりやすく、また、被膜に亀裂が生じて基体フィ
ルムの強度を低下させるという現象が生起し、好ましく
ない。
【0050】なお、上記被膜組成物を塗布する前に、軟
質塩化ビニル系樹脂フィルムの表面を予め、アルコール
または水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あるいはコ
ロナ放電処理したり、他の塗料あるいはプライマーを下
塗りする等の前処理を施してもよい。本発明に係わる農
業用塩化ビニル系樹脂フィルムを実際に農業用に使用す
るにあたっては、被膜が片面のみに形成されているとき
は、この被膜の設けられた側をハウスまたはトンネルの
外側となるようにして使用する。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に
限定されるものではない。 I.基体フィルムの調整 実施例1〜4、比較例1〜4 塩化ビニル樹脂(平均重合度1500) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 45重量部 塩素化ポリエチレン(第1表に示す組成、第4表に示す重量部) エポキシ樹脂 3重量部 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンラウレート 1.5重量部 アクリル系共重合体(三菱レイヨン(株)製メタブレンP−570A) 2.0重量部 よりなる樹脂組成物を準備し、第4表に示した種類及び
量の有機リン酸エステル又は有機リン酸金属塩、光安定
剤および紫外線吸収剤を配合した。各配合物を、スーパ
ーミキサーで10分間撹拌混合したのち、180℃に加
温したミルロール上で混練し、厚さ0.15mmの基体
フィルムを調整した。
【0052】 比較例5 塩化ビニル樹脂(平均重合度1500) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 20重量部 塩素化ポリエチレン(第1表に示す組成、第4表に示す重量部) エポキシ樹脂 3重量部 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンラウレート 1.5重量部 アクリル系共重合体(三菱レイヨン(株)製メタブレンP−570A) 2.0重量部 よりなる樹脂組成物を準備し、実施例1〜4と同様の添
加剤、同様の加工方法において、厚さ0.15mmの基
体フィルムを調整した。
【0053】II.アクリル系重合体[D]の調整 温度計、攪拌機、環流冷却器及び原材料添加用ノズルを
備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、トル
エン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び第
2表に示した各単量体の混合物100重量部を仕込み、
窒素ガス気流下で撹拌しつつ、70℃で3時間更に過酸
化ベンゾイル0.5重量部添加して反応を約3時間、同
温度で継続してアクリル系重合体を得た。
【0054】III .被膜の形成 第2表に示した種類及び量のアクリル系重合体[D]と
市販されているフッ化ビニリデン系樹脂[E]を配合
し、これに固形分が20重量%になるようにメチルエチ
ルケトンを加え、被膜組成物を得た。前記の方法で調整
した基体フィルムの片面に、上記被覆組成物を、#5バ
ーコーターを用いて、各々塗布した。塗布したフィルム
を130℃のオーブン中にて1分間保持して、溶剤を揮
散させた。得られた各フィルムの被膜の量は、約3g/
2 であった。
【0055】IV.フィルムの評価 以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果
を第5表に示す。 初期外観 実施例、比較例で作成したフィルムの外観を、肉眼での
観察及び日立製作所(株)製EPS−2U型により直進
光線透過率(波長555nm)を測定した。この評価基
準は、次のとおりである。 I)目視外観 ◎…表面光沢にむらがなく、かつ荒れ、しわのないも
の。 △…表面光沢にむらがあり、又は荒れ、しわのないも
の。 ×…表面光沢にむらがあり、かつ荒れ、しわのあるも
の。 II)直進光線透過率 ◎…透過率が、85%以上のもの。 ○…透過率が、65%〜84%のもの。 △…透過率が、45%〜64%のもの。 ×…透過率が、45%未満のもの。
【0056】密着性評価(促進試験) 500ccビーカーに300ccの水(50℃)を入
れ、被膜の形成された面がビーカーの内側になるように
検体にてビーカーを被覆した後、恒温水槽(50℃)に
ビーカーを地表面から10度傾斜させて底部から2/3
の部分まで水浸させ、25℃恒温室に7時間放置する。
得られたフィルムを用い、被膜を形成した面にセロハン
テープを接着し、このセロハンテープを剥がした時に、
被膜の剥離状況を肉眼で観察した。この評価基準は、次
のとおりである。 ◎…被膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○…被膜の一部(1/3未満)が剥離したもの。 △…被膜の1/3以上2/3未満が剥離したもの。 ×…被膜の2/3が剥離したもの。
【0057】低温物性 衝撃強度:実施例、比較例で得られたフィルムを10c
m×10cmのサンプルを9枚用意し、JIS B−7
503に規定されたダイヤルゲージでサンプルの中心部
の厚みを測定する。上記サンプルを−15℃の室内にお
いて、東洋精機(株)製パンクチャーにより測定した。
【0058】 衝撃強度=測定値(衝撃値)/測定厚み×公称厚み
【0059】屋外展張試験 各種のフィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置した
屋根型ハウス(開口3m、奥行き5m、棟高1.5m、
屋根勾配30度)に、被膜を設けた面をハウスの側にし
て被覆し、平成9年3月〜平成11年2月までの2年間
展張試験を行った。展張したフィルムについて、以下の
方法により、フィルムの耐候後の伸び残率、フィルムの
低温時における衝撃強度を評価した。 I)低温物性 で実施した内容と同様の方法で、試験及び評価を実施
した。 II) 防塵性 次式により算出した値を以下の評価基準により判断し
た。
【0060】(展張後、経時的に回収したフィルムの光
線透過率*)/(展張前の光線透過率*)×100
【0061】*波長555nmにおける直進光線透過率
(日立製作所製、EPS−2U型使用) ◎…展張後の光線透過率が展張前の90%以上のもの。 ○…展張後の光線透過率が展張前の70〜89%の範囲
のもの。 △…展張後の光線透過率が展張前の50〜69%の範囲
のもの。 ×…展張後の光線透過率が展張前の50%未満のもの。 III )密着性試験 屋外展張後に回収したフィルムを用い、被膜を形成した
面にセロハンテープを接着し、このセロハンテープを剥
がした時に、被膜の剥離状況を肉眼で観察した。この評
価基準は、次のとおりである。 ◎…被膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○…被膜の一部(1/3未満)が剥離したもの。 △…被膜の1/3以上2/3未満が剥離したもの。 ×…被膜の2/3が剥離したもの。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
【表4】
【0066】
【表5】
【0067】
【発明の効果】以上、実施例からも明らかなように本発
明は、次のような効果を奏し、その農業上の利用価値
は、極めて大である。 (1)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、加工性に優れている。 (2)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、屋外に長期間展張されても、変色、機械物性の低
下、防塵性の低下の度合いが少なく、長期間の使用に耐
える。 (3)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、低温下における物性に優れている。 (4)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、屋外に展張によって引き起こされる被膜と塩化ビニ
ル系樹脂との密着性の低下が少なく長期間の使用に耐え
る。
【0068】尚、本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムにおいて、塩素化ポリエチレンを混合するこ
とによる内部応力緩和効果・分子の絡まりの増大によっ
て、低温時の物性向上を引き出し、基体フィルムからの
可塑剤等のブリードを抑制することにより防塵性の低下
を抑える。さらには、ある特定の防塵被膜を有すること
により、耐候後の物性の低下および防塵性低下を抑える
効果を引き出す。以上より本発明の農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムは、低温時物性・耐候後の物性に優れ、防
塵性にも優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 220/18 C08F 220/18 4J002 C08J 7/04 CEV C08J 7/04 CEVL 4J100 C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 33/04 C08L 33/04 // C08J 5/18 CEV C08J 5/18 CEV C08L 27/06 C08L 27/06 (C08L 27/06 23:28) (72)発明者 村上 主義 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 (72)発明者 原 寿磨 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 Fターム(参考) 2B024 DA05 DB01 2B029 EB03 EC04 EC09 EC14 EC19 EC20 4F006 AA17 AB19 AB24 BA03 BA11 CA06 DA04 4F071 AA14 AA23 AC10 AC12 AE05 AF04 AH01 BB09 BC01 4F100 AK04A AK15A AK19B AK19C AK21B AK21C AK21J AK24B AK24C AK24J AK25A AK25B AK25C AK25J AK53 AL01A AL01B AL01C AL05A AL05B AL05C AL06A BA02 BA03 BA06 BA07 BA10B BA10C CA04 CA07 EH46 EH462 GB01 JA06A JA07A JA11A JK10 JL10 YY00A 4J002 BB242 BD041 BD051 BG053 EE038 EH096 EH146 EU077 EU087 EU178 EZ007 FD026 FD047 FD058 GA01 4J100 AL02Q AL03P AL04Q AL05Q AL09R CA05 JA64

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂[A]100重量部に
    対して、塩素化ポリエチレン[B]0.5〜20重量
    部、可塑剤[C]30〜60重量部を混合した塩化ビニ
    ル系樹脂フィルムの片面又は両面に、アクリル系樹脂
    [D]と、フッ化ビニリデン系樹脂[E]を主成分とす
    る組成物の被膜が形成されてなることを特徴とする農業
    用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 該塩素化ポリエチレン[B]が、塩素含
    有量15〜50重量%、メルトインデックス0.5〜1
    50g/10分、結晶化度0〜30%であることを特徴
    とする請求項1記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィル
    ム。
  3. 【請求項3】 該アクリル系樹脂[D]が、一般式
    [I]で示されるアルキル(メタ)アクリレートモノマ
    ー1〜30重量%、メチルメタクリレート50〜95重
    量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート4〜3
    0重量%、分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシ
    ル基を含むα、β−不飽和カルボン酸0〜20重量%、
    および残部がこれら化合物と共重合可能な他のビニル系
    化合物からなるモノマー成分を共重合して得られた樹脂
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の農
    業用塩化ビニル系樹脂フィルム。 【化1】 (式中のR1は水素又はメチル基を、nは6〜20の整
    数を各々意味する。)
  4. 【請求項4】 成分[D]が5〜50重量部、成分
    [E]が50〜95重量部であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかの項記載の農業用塩化ビ
    ニル系樹脂フィルム。
  5. 【請求項5】 該塩化ビニル系樹脂が、平均重合度10
    00以上2500以下の塩化ビニル樹脂であることを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかの項記載の
    農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 塩化ビニル系樹脂フィルムがアクリル系
    共重合体を含有してなる請求項1ないし請求項5のいず
    れかの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  7. 【請求項7】 塩化ビニル系樹脂フィルムが光安定剤及
    び/又は紫外線吸収剤を含有してなる請求項1記載ない
    し請求項6のいずれかの項記載の農業用塩化ビニル系樹
    脂フィルム。
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