JP2001224255A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP2001224255A
JP2001224255A JP2000034525A JP2000034525A JP2001224255A JP 2001224255 A JP2001224255 A JP 2001224255A JP 2000034525 A JP2000034525 A JP 2000034525A JP 2000034525 A JP2000034525 A JP 2000034525A JP 2001224255 A JP2001224255 A JP 2001224255A
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chloride resin
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JP2000034525A
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Katsuhiro Fujiwara
克宏 藤原
Mitsuo Yasui
光雄 安井
Kazuya Kinoshita
一也 木下
Kanako Oyama
加奈子 大山
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Mitsubishi Chemical MKV Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温下における機械強度・耐衝撃性に優れる農
業用塩化ビニル系樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】ラジカル重合性モノマーと多官能性モノマ
ーとから構成される混合モノマーを共重合させて得られ
る共重合体ラテックス1〜30重量%に対して、塩化ビ
ニルを主成分とするビニルモノマー70〜99重量%を
グラフト共重合した塩化ビニル系グラフト共重合体
(A)5〜100重量部と他の塩化ビニル系樹脂95〜
0重量部(B)からなる塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、可塑剤30〜60重量部含有させてなること
を特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムに関する。更に詳しくは、加工性良好であ
り、展張後の外力(かぜ、雪、雹、アラレ等)による破
れ等の好ましくない現象に対して、低温下における機械
強度・耐衝撃に優れる。さらには、屋外暴露後の防塵
性、防曇性の低下が少ない、農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有用植物を効率よく栽培するため
に、ハウス内又は、トンネル内で促進栽培することが盛
んに行われている。このハウス又は、トンネルを被覆す
る資材として耐候性、透明性及び、保温性等が優れてい
る理由で塩化ビニル系樹脂フィルムが多用されている。
【0003】しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂フィ
ルムは、樹脂軟化剤として、可塑剤が配合されており、
この可塑剤は、感温性が大きく、特に寒冷地区での展張
使用される際の伸びが悪く破れ易い。また、展張後も
風、雪、雹、アラレ等の外力がフィルムに加わった際に
破れ易いという問題点があった。このため、寒冷地区に
おける伸び、耐衝撃性等の物性を改善する方法として、
下記のような農業用塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑
剤の量を増加、あるいは、耐寒性可塑剤の配合等、可塑
剤配合に関する方法が提案されている。
【0004】しかし、塩化ビニル系樹脂フィルム中の可
塑剤量を増加させる方法は、低温強度に対して、向上効
果があることが知られているが、この方法では、夏場等
の高温時にフィルムが、べたついたり、たるむことが知
られている。そこで、可塑剤の量をあまり増量すること
なく、低温時の物性を向上させるために耐寒性の可塑剤
を配合する方法が提案されている(特開昭58−497
42号公報等)。しかしながら、この方法では、一般に
塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪く、ブリードしたり耐
熱性に劣る欠点がある。又、耐候性が劣る(褐変等)欠
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、加工性が良好であり、展張後の外力(か
ぜ、雪、雹、アラレ等)による破れ等が起こらず、低温
下における機械強度・耐衝撃性に優れる農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルムを提供することを目的とした。又、屋
外暴露後の防塵性、防曇性の低下が少ない農業用塩化ビ
ニル系樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、ラジカル重合性モノマーと多官能性モ
ノマーとから構成される混合モノマーを共重合させて得
られる共重合体ラテックス1〜30重量%に対して、塩
化ビニルを主成分とするビニルモノマー70〜99重量
%をグラフト共重合した塩化ビニル系グラフト共重合体
(A)5〜100重量部と他の塩化ビニル系樹脂95〜
0重量部(B)からなる塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、可塑剤30〜60重量部含有させてなること
を特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに存す
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 1.塩化ビニル系グラフト共重合体(A) 本発明に用いる塩化ビニル系グラフト共重合体(A)
は、(イ)ラジカル重合性モノマーと(ロ)多官能性モ
ノマーとから構成される混合モノマーを共重合させて得
られる共重合体ラテックス1〜30重量%に対して、塩
化ビニルを主成分とするビニルモノマー70〜99重量
%をグラフト共重合して得られる。 (イ)ラジカル重合性モノマーとしては、特に(メタ)
アクリレートを50重量%以上用いることが好ましい。
【0008】(メタ)アクリレートとしては、たとえば
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレー
ト、イソーブチル(メタ)アクリレート、sec―ブチ
ル(メタ)アクリレート、t―ブチル(メタ)アクリレ
ート、n―ヘキシル(メタ)アクリレート、n―ヘプチ
ル(メタ)アクリレート、n―オクチル(メタ)アクリ
レート、2―メチルヘプチル(メタ)アクリレート、2
―エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル
(メタ)アクリレート、n―ノニル(メタ)アクリレー
ト、2―メチルオクチル(メタ)アクリレート、2―エ
チルヘプチル(メタ)アクリレート、n―デシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シ
クロヘキシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メ
タ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリ
レート、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げら
れ、これらの少なくとも1種が使用できる。
【0009】その他のラジカル重合性モノマーとして
は、(メタ)アクリレートと共重合可能な1官能性のビ
ニルモノマーが挙げられ、例えば、フッ化ビニル、2―
アクリロイルオキシエチルフタル酸等の極性基含有ビニ
ルモノマー;スチレン、α―メチルスチレン、p―メチ
ルスチレン、p―クロルスチレン、ビニルトルエン等の
芳香族ビニルモノマー;アクリロニトリル、メタアクリ
ロニトリルなど不飽和ニトリル;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル等が挙げられ、これらの
少なくとも1種が使用できる。
【0010】(ロ)多官能性モノマーは、共重合体ラテ
ックスを架橋して粒子の合着を起こり難くし、更に、こ
れを用いて得られるフィルムの耐衝撃性を向上させる目
的で添加される。多官能性モノマー(ロ)としては、例
えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチ
レントリグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6―
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイ
ド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペン
タエリストールヘキサ(メタ)アクリレート、ジアリル
フタレート、ジアリルマレート、ジアリルサクシネー
ト、トリアリルイソシアヌレート、ジビニルベンゼンな
どが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。
【0011】アクリル系共重合体ラテックスを構成する
混合モノマーの(イ)、(ロ)の割合は、ラジカル重合
性モノマー(イ)100重量部に対し、多官能性モノマ
ー(ロ)0.1〜30重量部で構成されていることが好
ましく、更に好ましくは、0.5〜8重量部である。多
官能性モノマー(ロ)の混合量が少なすぎると、混合モ
ノマーの共重合で得られるアクリル系共重合体ラテック
スの弾性が不十分となり、又、多すぎるとアクリル系共
重合体の架橋密度が上がり過ぎて、弾力性が減少しがち
となる。
【0012】アクリル系共重合体ラテックスの製造方法
としては、特に限定されるものではなく、いかなる公知
の方法が取られても構わないが、例えば、上述の
(イ)、(ロ)の混合モノマーを乳化重合又は懸濁重合
することにより好適に得られる。ラテックス粒子径を微
細にでき、且つ、粒子径の制御が容易な点から、乳化重
合法が更に好適である。乳化重合法には、モノマーの添
加方法の相違から、一括重合法、モノマー滴下法、エマ
ルジョン滴下法の3つの方法があるが、これらのいずれ
の方法を適用しても構わない。
【0013】アクリル系共重合体ラテックスの重合反応
後に得られるラテックスの樹脂固形分は、特に、限定さ
れるものではないが、ラテックスの生産性、重合反応の
安定性を考慮すると、10〜60重量%が好ましい。
又、アクリル系共重合体ラテックスの機械的安定性を向
上させる目的で、重合反応後に、保護コロイド剤が必要
に応じて、添加されてもなんら問題はない。アクリル系
共重合体ラテックス微粒子の平均粒子径は、1μm未満
が適当であり、1〜0.03μmが好ましい。
【0014】前記アクリル系共重合体ラテックスとして
は、特に耐衝撃性とその他物性のバランスを向上させる
ため、ラジカル重合性モノマーとして、ガラス転移温度
が異なる2種以上のモノマー混合物を用いる多成分混合
系重合体や、ガラス転移温度が異なる2種以上のラジカ
ル重合性モノマーを用いて多段的に重合反応を行うこと
により、コアシェルの多層構造重合体とすることも好ま
しい。多成分混合系としては、例えば、ラジカル重合性
モノマーとして、ホモポリマーのガラス転移温度がー2
0度未満のアルキル(メタ)アクリレートモノマーと、
ホモポリマーのガラス転移温度がー20度以上のアルキ
ル(メタ)アクリレートを混合して用いることが出来
る。
【0015】また、多層構造重合体としては、ガラス転
移温度が30℃〜180℃と高いラジカル重合性モノマ
ーと多官能性モノマーの重合反応によりコアを形成した
後、ガラス転移温度がー140℃〜30℃と低いラジカ
ル重合性モノマーと多官能性モノマーの重合反応により
シェルを形成する方法などが挙げられる。上述の如く調
整されたアクリル系共重合体ラテックスに、塩化ビニル
を主成分とするビニルモノマーをグラフト共重合して得
られる塩化ビニル系グラフト共重合体Aにおいて、アク
リル系共重合体(ラテックスの固形分)の共重合体Aに
占める割合は、特に限定されるものではないが、1〜3
0重量%が好ましく、更に好ましくは4〜20重量%で
ある。1重量%未満では、十分な耐衝撃性が得られず、
30重量%を超えると、曲げ強度、引張強度などの機械
的強度が低下する。
【0016】塩化ビニルを主成分とするビニルモノマー
とは、塩化ビニル単独又は塩化ビニルを50重量%以上
とこれと共重合が可能な1官能性のビニルモノマーとの
混合物を意味する。共重合が可能な1官能性のビニルモ
ノマーとは、通常公知のビニルモノマーであって、例え
ば、酢酸ビニル、アルキル(メタ)アクリレート、アル
キルビニルエーテル、エチレン、フッ化ビニル、マレイ
ミドなどが挙げられ、これらの少なくとも1種が使用さ
れる。アクリル系共重合体ラテックスに、塩化ビニルを
主成分とするビニルモノマーをグラフト共重合する方法
としては、特に限定されるものではなく、公知の方法で
グラフト共重合ができるが、アクリル系共重合体ラテッ
クスの存在下で、塩化ビニルを主成分とするビニルモノ
マーを乳化重合又は懸濁重合する方法が好ましい。塩化
ビニルを主成分とするビニルをアクリル系共重合体ラテ
ックスにグラフト共重合する場合の懸濁重合法には、分
散剤及び油溶性重合開始剤が使用される。上記塩化ビニ
ル系樹脂中の塩化ビニル系樹脂の重合度は、特に限定さ
れるものではないが、300〜2000が好ましく、更
に好ましくは、400〜1600である。
【0017】2.塩化ビニル系樹脂(B) 本発明における他の塩化ビニル系樹脂(B)とは、ポリ
塩化ビニルのほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合
体をいう。塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物とし
ては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリ
ロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メ
タクリル酸、酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化ビ
ニル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、
塊状重合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法
によって製造されたものであってもよい。だ又、本発明
においては、上記塩化ビニル樹脂として、平均重合度が
1000以上2500以下、好ましくは1100以上2
000以下のものを用いるが、異なる平均重合度のもの
を用いて2種混合してもよい。この混合方法としては、
フィルム製膜加工時に2種類の樹脂を混合する方法が一
般的であるが、塩化ビニル樹脂の重合時に重合条件コン
トロールによって、見掛け上2種類の平均重合度の異な
る樹脂が混合されたことになる方法であってもよい。上
記の、塩化ビニル系グラフト共重合体(A)と、他の塩
化ビニル系樹脂(b)とは、その混合比が(A)が5〜
100重量部に対し(B)が95〜0重量部になるよう
配合される。特に好ましくは、(A)が10〜55重量
部に対し、(B)が90〜45重量部である。
【0018】3.可塑剤 上記基体となる塩化ビニル系樹脂フィルムには、柔軟性
を付与するために、可塑剤が、この樹脂100重量部に
対して、30〜60重量部、好ましくは、40〜55重
量部配合される。30重量部未満では、低温時での柔軟
性に乏しいため、充分な低温物性が得られない。また、
60重量部を越えると、常温下での取り扱い性(べたつ
き性等)が悪化したり、製膜加工時の作業性が低下する
ので好ましくない。使用しうる可塑剤としては、例え
ば、ジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキ
シルフタレート、ジベンジルフタレート、ジイソデシル
フタレート等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート
等のイソフタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、
ジオクチルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−
ブチルマレート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチ
ルシトレート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネ
ート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレ
イン酸誘導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノ
ール酸誘導体;その他、エポキシ化大豆油、エポキシ樹
脂系可塑剤等が挙げられる。また、樹脂フィルムに柔軟
性を付与するために、上述の可塑剤に限られるものでな
く、例えば熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル
等を使用することもできる。
【0019】4.塩素化ポリエチレン 本発明の更に好ましい態様として、塩素化ポリエチレン
(C)を、前記塩化ビニル系グラフト共重合体(A)と
他の塩化ビニル系樹脂(B)の混合塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、0.5〜20重量部を配合すること
が挙げられる。塩素化ポリエチレン(C)において原料
となるポリエチレンは、エチレンの単独重合、もしく
は、エチレンと30重量%以下(好ましくは、20重量
%以下)の炭素数が12個以下(好ましくは、3〜9
個)のα−オレフィンを共重合することによって得られ
るものが好ましい。α−オレフィンの具体例としては、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン等が挙げられる。原料となるポリオレフィ
ンとしては、特にエチレンを単独重合したものが好まし
い。
【0020】本発明に使用される塩素化ポリエチレン
は、ポリエチレンの粉末または粒子を水性懸濁液中で塩
素化するか、あるいは有機溶剤中に溶解したポリエチレ
ンを塩素化する方法が採用される。上記塩素化ポリエチ
レンの塩化ビニル系樹脂への配合量は、0.5〜20重
量部、好ましくは0.5〜10重量部がよい。0.5よ
り少ないと初期物性及び耐候後物性が向上されにくく、
多すぎると、フィルムが白濁し、好ましくない。上記範
囲内でも特に1.0〜7重量部が好適である。
【0021】この塩素化ポリエチレンの塩素含有量は、
15〜50重量%の範囲がよい。少なすぎると塩化ビニ
ル系樹脂との相溶性に劣りやすく、フィルムが白濁し好
ましくなく、多すぎる範囲では、低温での物性が向上す
ることがないために好ましくない。上記範囲内でも特に
30〜45重量%が好適である。塩素化ポリエチレンの
メルトインデックスは、0.5〜150g/10分の範
囲がよい。小さすぎると塩化ビニル系樹脂との相溶性が
劣りフィルムが白濁し、大きすぎる範囲では、物性が添
加量に比例して向上することがなく、好ましくない。上
記範囲内でも特に1.0〜130g/10分が好適であ
る。塩素化ポリエチレンの結晶化度は、0〜30%がよ
い。高すぎる範囲では、塩化ビニル系樹脂との相溶性が
悪く、フィルム表面にブリードするために好ましくな
い。上記範囲内でも特に20%以下、又は0.01%以
上が好ましく、特に1〜20%が好適である。
【0022】5.アクリル系共重合体 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムには、加工性
の観点から、アクリル系共重合体を配合してもよい。ア
クリル系共重合体としては、メチルメタクリレートモノ
マーを主単量体とし、メチルメタクリレートモノマーと
共重合可能なビニルモノマー単量体とを共重合して得ら
れるものが好ましい。共重合される割合は、(A)メチ
ルメタクリレート60〜100重量%、(B)メチルメ
タクリレートモノマーと共重合可能なビニルモノマー単
量体0〜40重量部であることが好ましい。 メチルメ
タクリレートモノマーが60重量%より少ない範囲で
は、アクリル系共重合体と塩化ビニル系樹脂との相溶性
が悪くフィルム外観が劣るために好ましくない。
【0023】メチルメタクリレートと共重合可能なビニ
ルモノマー単量体としては、エチルアクリレート、n−
プロピルアクリレート、i−プロピルアクリレート、n
−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、シク
ロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、デシルアクリレート等のようなアクリル酸のC1
〜C16のアルキルエステル類:エチルメタクリレー
ト、n−プロピルメタクリレート、i−プロピルメタク
リレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタ
クリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート等の
ようなメタクリル酸のC1〜C16のアルキルエステル
類:スチレン、アクリルニトリル、メタクリロニトリル
などを挙げることができる。これらメチルメタクリレー
トと共重合可能なビニルモノマー単量体は、1種類もし
くは数種類を組み合わせて共重合させても良い。
【0024】上記アクリル系共重合体の塩化ビニル系樹
脂への配合量は、0.1〜10重量部の範囲が好まし
い。少なすぎると加工性が改良されず、多すぎる範囲で
は、加工性・物性共に比例して向上することがないため
に好ましくない。上記範囲内でも特に0.5〜5重量部
が好適である。アクリル系共重合体は、上記単量体の2
種以上を所定量組み合わせて有機溶剤ないし水とともに
重合缶に仕込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節
剤を加えて撹拌しつつ加熱重合して得られる。重合は、
公知の方法、例えば懸濁重合法、溶液重合法、乳化重合
法などが採用される。
【0025】5.他 勿論、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可塑剤、塩素化
ポリエチレン、アクリル系共重合体の他に、必要に応じ
て、成形用の合成樹脂に通常配合される公知の樹脂添加
剤、例えば、防曇剤、防霧剤、滑剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、光安定剤、有機リン酸金属塩、無機物、抗酸化
剤、安定化助剤、帯電防止剤、防黴剤、防藻剤及び着色
剤等の各種添加剤を配合することができる。防曇剤とし
ては、非イオン系界面活性剤が好適であり、ポリオキシ
エチレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
エーテル等のエーテル型のもの、多価アルコールとの脂
肪酸の部分エステル化物のエステル型のもの、グリセリ
ンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタン
エステルのポリオキシルエチレンエーテル等のエーテル
エステル型のものがあげられる。以下に、好適な非イオ
ン系界面活性剤を例示する。
【0026】(イ)ソルビタン、ソルビトール、マンニ
タン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリン等の多
価アルコールと、炭素数12〜22個の脂肪酸との部分
エステル (ロ)アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド又は
プロピレンオキサイドで、その付加モル数が1〜20モ
ル、多価アルコールがソルビタン、ソルビトール、マン
ニタン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリンで、
脂肪酸の炭素数が12〜22個であるポリオキシリアル
キレン多価アルコールの脂肪酸エステル(ハ)(イ)と
(ロ)の混合物。
【0027】これらの混合物は、多価アルコールのモノ
エステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得
られる。一般的には、ジエステル成分の含有割合の高い
組成のエステル混合物が好適である。非イオン系界面活
性剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、0.5〜5重量部の範囲内から選ぶものとする。特
に、1.0〜3.0重量部が適当である。
【0028】防霧剤としては、フッ素系界面活性剤があ
げられる。具体的には、通常の界面活性剤の疎水基のC
に結合したHのかわりにその一部または全部をFで置換
した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基または
パーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤であ
る。フッ素系界面活性剤の配合量は、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり0.01重量部以上、0.5重量部以
下で充分であり、配合量の好適範囲は、0.02〜0.
2重量部である。
【0029】滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に農
業用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワックス、流
動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキレータ
ー、フェノール類、β−ジケトン化合物等があげられ
る。β−ジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタ
ン、メトキシベンゾイル・ベンゾイルメタン、クロルベ
ンゾイル・ベンゾイルメタン、パルミチルベンゾイルメ
タン等が好適である。これら、滑剤、熱安定剤の配合量
は、0.01〜2.0重量部の範囲、特に、0.04〜
1.0重量部が好ましい。
【0030】紫外線吸収剤としては、農業用塩化ビニル
フィルムに通常配合されるものであればよく、ベンゾト
リアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル
系、ハイドロキノン系、シアノアクリレート系等各種の
紫外線吸収剤があげられる。例えば、特公昭62−38
143号公報第7欄第27行〜第9欄第34行目、特公
昭62−53543号公報第7欄第13〜36行目に記
載された紫外線吸収剤であり、特にベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ま
しい。具体的には、以下のようなものがあげられる。
【0031】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であ
る、2−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
チルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)
−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−アミノフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メト
キシベンゾトリアゾール、2−(2′−メチル−4′−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ステアリルオキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)
−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエ
チルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メチル
−5′−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,
5′−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリ
アゾールブチルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホン
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メトキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリ
アゾール、2−(2′−アセトキシ−5′−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等。
【0032】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤である、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n
−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2,2′−
ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベ
ンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−
ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロ
ルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロ
キシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等。
【0033】紫外線吸収剤は、単独又は、2種以上を組
み合わせて使用することができる。その配合量は、塩化
ビニル樹脂100重量部当たり、0.01〜3.0重量
部の範囲、特に、0.02〜2.0重量部が好ましい。
【0034】光安定剤としては、農業用フィルムに通常
配合される種々の化合物を使用することができ、例え
ば、ヒンダードアミン系化合物があげられ、具体的に
は、特開平6−155680号公報第5〜19頁等に記
載の化合物である。これら光安定剤は一種類、または二
種類以上組み合わせて使用してもよい。その配合量は、
塩化ビニル樹脂100重量部当たり、0.05〜5.0
重量部の範囲、特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0035】有機リン酸金属塩としては、亜鉛、カルシ
ウム、バリウム、マグネシウム、コバルト又はストロン
チウムと各種有機リン酸との塩を使用する。具体的に
は、特開平2−30529号公報第9頁第9行〜第11
頁最終行目に記載のある有機リン酸金属塩があげられ
る。これら有機リン酸金属塩は一種類、または二種類以
上組み合わせて使用してもよい。その配合量は、塩化ビ
ニル樹脂100重量部当たり、0.05〜5.0重量部
の範囲、特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0036】本発明において、赤外域に吸収のある無機
物を保温性向上の目的で配合することができる。具体的
には次のようなものがあげられる。炭酸マグネシウム、
マグネシウム珪酸塩(タルク)、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水
酸化カルシウム、リン酸金属塩、ハイドロタルサイト類
(含水−又は無水−アルミニウム/マグネシウム塩基性
炭酸塩);アルミニウム/亜鉛塩基性炭酸塩炭酸リチウ
ム−水酸化アルミニウム包接化合物等があげられ、これ
らのうち、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、
酸化珪素、炭酸マグネシウム、及びハイドロタルサイト
類がフィルムの透明性を低下させることが少なく特に好
ましい。これらの無機物は1種でも2種以上添加するこ
とができ、その配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量
部当たり0.5〜10重量部の範囲、特に、2〜10重
量部の範囲が好ましい。
【0037】抗酸化剤として使用可能な化合物として
は、フェノール系及び硫黄系抗酸化剤が使用でき、具体
的には、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール−
2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−
エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート
等をあげることができる。これらの酸化防止剤は、単独
又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
安定化助剤として使用可能な化合物としては、トリフェ
ニルホスファイト、ジオクチルフェニルフォスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジフェ
ニルインデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオ
フォスファイト、ジフェニルアシッドフォスファイト等
をあげることができる。これらの安定化助剤は、単独又
は二種以上を組み合わせて使用することができる。帯電
防止剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルア
ミン、ポリグリコールエーテル、p−スチレンスルホン
酸ナトリウム等があげられる。防黴剤、防藻剤として
は、一般的に農業用塩化ビニルフィルムに配合される種
々の化合物を使用することができる。例えば、有機窒素
系化合物があげられ、具体的には、イミダゾール誘導
体、アニリド誘導体、尿素誘導体、アンモニウム誘導
体、トリアジン誘導体、フタルイミド誘導体等がある。
着色剤として使用可能なものとしては、例えばフタロシ
アニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエロ
ー、アリザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、パーマネ
ントレッド、キナクリドン、カーボンブラック等をあげ
ることができる。これらの着色剤も、単独又は2種以上
を組み合わせて使用することができる。
【0038】以上の各種樹脂添加物はフィルムの性質を
悪化させない範囲、通常は塩化ビニル系樹脂100重量
部に対して、5重量部以下の範囲で選ぶことができる。
塩化ビニル系樹脂に樹脂添加物を配合するには、各々必
要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、
スーパーミキサーその他の従来から知られている配合
機、混合機を使用すればよい。
【0039】このようにして得られた樹脂組成物をフィ
ルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押
出成形法(T−ダイ法、インフレーション法を含む)、
カレンダー成形法、溶液流延法等の従来から知られてい
る方法によればよい。フィルムの厚さは、0.03〜
0.3mmの範囲、好ましくは、0.05〜0.2mm
の範囲とするのが好ましい。0.03mmより薄いと、
フィルムの強度が不足し破れが発生しやすく、0.3m
mよりも厚いと、切断、接着等の作業に悪影響を与え
る。本発明の農業用樹脂フィルムは、基体フィルム表面
の少なくとも片面に格子状、縞状、微細な凹凸模様(シ
ボ模様)をつけてもよい。
【0040】6.防塵性被膜 更に耐久性および、防塵性を向上させるために、本発明
に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの片面上に、ア
クリル系樹脂被膜を形成することが好ましい。使用する
アクリル系樹脂としては、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレート5〜40重量%、分子内に1個もしくは2
個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン
酸0〜20重量%及びこれらと共重合可能な他のビニル
系単量体とを共重合して得られる重合体が好ましい。
【0041】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシ
メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペン
チルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。
【0042】これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート化合物は、得られるアクリル系樹脂が有機溶媒に
溶け易く、アクリル系樹脂と基体塩化ビニル系樹脂フィ
ルムとの密着性を向上し、更には、フィルム表面にしみ
出してくる可塑剤の移行性を抑制する作用に大きく寄与
する成分である。このヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートのアクリル系樹脂中で占める割合が、5重量%
より少ない場合は、有機溶媒との溶解性、基体フィルム
との密着性及び耐久性向上効果を充分に発揮し得ず、他
方、40重量%より多い場合には、コスト高となりコス
ト上昇に較べて得られる効果は大きくないので好ましく
ない。
【0043】分子内に1個もしくは2個以上のカルボキ
シル基を含むα,β−不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸等があげられる。これら化合物を、前記ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートと併用すると、アク
リル樹脂と基体フィルムとの密着性及び耐久性が向上す
る。これらの使用量は、0.5〜20重量%が好まし
い。これ以上であると、フィルムが水分で潤れていると
きにフィルム同志が付着し合う性質(湿潤時のブロッキ
ング性)が強化されるので、好ましくない。
【0044】前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート及びα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他の
ビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル又は、これとアルケニルベンゼンとの混合物が
あげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エ
チルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、ア
クリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチ
ルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステ
ル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエ
ステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−
n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエス
テル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル
酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシル
エステル等があげられ、一般には、アルキル基の炭素数
が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又は
アルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸のアル
キルエステルが使用される。
【0045】本発明で用いられるアルケニルベンゼンと
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等があげられる。このようなアルケニルベンゼ
ンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの混合物
からなる単量体を用いる場合には、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸の使用量によっても異なるが、通常
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用割合を10
重量%以上とするのがよい。特に、本発明のアクリル系
樹脂は上記のような(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル、これとアルケニルベンゼンの混合物からなる単量体
を、40〜60重量%含有するものが好ましい。
【0046】かかるアクリル系樹脂を、基体塩化ビニル
系樹脂フィルムに表面処理するときに、フィルムとの密
着性等を改善する目的で、アクリル系樹脂と相溶性のあ
る他樹脂を混合することが可能である。他樹脂として
は、フッ化ビニリデン系樹脂、パーフルオロアルキル基
を側鎖にもつアクリル樹脂、セルロースアセテートブチ
レート樹脂、シリコン樹脂等がとくに効果的である。ア
クリル系樹脂を重合するには、各単量体を所定量組合せ
て有機溶媒とともに重合缶に仕込み、重合開始剤、必要
に応じて分子量調節剤を加えて、撹拌しつつ加熱すれば
よい。塩化ビニル系樹脂フィルムの片面に形成するアク
リル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を前述の有機溶媒
に溶解して塗布するのがよい。
【0047】塩化ビニル系樹脂フィルム表面上に、前記
アクリル系樹脂の被膜を形成するには、アクリル系樹脂
を有機溶媒に溶解し、スプレイコート法、ロールコート
法、グラビアコート法、リバースコート法、ディップコ
ート法等のほか、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等
のそれ自体公知の各種塗布方法によって塗布し、乾燥す
るのがよい。利用できる乾燥方法は、例えば熱風乾燥
法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法などである。乾燥温
度は、前記有機溶媒を飛散させる温度、すなわち、アク
リル系樹脂を溶解している有機溶媒の沸点以上とするの
がよい。乾燥時間は、短い方がよい。従って、有機溶媒
の沸点以上の温度で、できるだけ短時間に乾燥するのが
よい。
【0048】基体フィルムの表面に形成するアクリル系
樹脂被膜の厚さは、基体フィルムの厚さにもよるが、
0.5〜10μmの範囲から選ぶ。10μmより厚いと
きは、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差があるため
に、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象がおこり
易く、また、被膜に亀裂が入って基体フィルムの強度を
低下させるという現象がおこり、好ましくない。0.5
μmより薄いときは、基体フィルムの耐久性および、防
塵性を向上させる効果を発揮しないので、好ましくな
い。被膜の厚さは、上記範囲内で、基体フィルムの厚さ
に比例させるのがよい。本発明に係る農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムを、実際に使用するにあたっては、被膜
が片面のみに形成されているときは、この被膜の設けら
れた側をハウス又はトンネルの外側となるようにして展
張するのがよい。
【0049】7.防曇性被膜 本願発明の基体フィルムの片面又は両面、好ましくは片
面のみには、シリカゾル及び/又はアルミナゾルと熱可
塑性樹脂を含有する防曇剤組成物に由来する被膜が形成
されていると好ましい。シリカゾルやアルミナゾルと
は、コロイダルシリカやコロイダルアルミナが液体に分
散した分散系をいい、コロイダルシリカ及び/又はコロ
イダルアルミナは平均粒子径が5〜100mμ範囲のも
のが好ましい。平均粒子径が100mμを越えると塗膜
が白く失透し易く、また、5mμに満たないときは防曇
組成物の安定性に欠けるので好ましくない。これらは、
それぞれ単独で使用してもよいし、両者を組み合わせて
使用してもよい。また、単独又は両者を組み合わせて使
用する際に平均粒子径の異なる2種以上のものを組み合
わせて用いてもよい。両者を組み合わせるときは、重量
比でシリカゾル/アルミナゾルが95〜5/5〜95
(全体として100とする)の割合にするのが好まし
い。
【0050】防曇剤組成物に配合されるバインダー成分
としては、アルミナゾルあるいはシリカゾルの分散液で
ある水ないしはアルコールのような親水性媒体との親和
性のよいものを選ぶ必要がある。具体的には、このよう
な親水性を有する界面活性剤あるいは、熱可塑性樹脂な
どが使用される。界面活性剤は、シリカゾルまたはアル
ミナゾルによって、その使用種類を変える必要がある。
例えば、一般に、陰電荷に帯電するシリカゾルと陽イオ
ン系界面活性剤、陽電荷に帯電するシリカゾルと陰イオ
ン系界面活性剤との組み合わせは避けるべきである。こ
れらの組み合わせは、ゾルのゲル化や防曇剤組成物の凝
集・分離を起こしやすく、塗布を困難にする。
【0051】バインダー成分として使用する熱可塑性樹
脂としては、上記のように媒体(通常は水)との親和性
のよいアクリル系樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル系樹
脂、ポリエチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート
系樹脂、スチロール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、不飽和
ポリエステル系樹脂等が挙げられるが、特にアクリル系
樹脂が好適である。防曇剤組成物の主成分であるシリカ
ゾル及び/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分重
量比でバインダー成分に対し0.5〜40倍の範囲にあ
るのが好ましい。高すぎると、防曇効果が配合量に比例
して向上しないばかりでなく、塗布後に形成される塗膜
が白濁し光線透過率を低下させる現象があらわれる。ま
た、塗膜が粗雑で脆弱になり易くなる傾向がある。一
方、低すぎると十分な防曇効果を発揮しがたくなる。
【0052】防曇剤組成物には、バインダー成分同士を
架橋させる架橋剤を併用してもよい。こうすることによ
り防曇被膜の耐水性を向上させることができる。架橋性
化合物としては、前述の防曇用の被膜組成物に使用され
る同じものが防曇剤組成物においても使用することがで
きる。架橋性化合物の使用量は、バインダー成分の固形
分に対し、1〜30重量%の範囲、特に0.5〜10重
量%の範囲が好ましい。また、防曇剤組成物には、必要
に応じ、消泡剤、滑剤、帯電防止剤、その他各種の添加
剤を混合することができる。しかして、防曇剤組成物
は、通常液状で使用される。液状分散媒としては、水を
含む親和性ないし水混合性溶媒が含まれ、水;メチルア
ルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール
等の一価アルコール類;エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;ベン
ジルアルコール類の環式アルコール類;セロソルブアセ
テート類;ケトン類等が挙げられる。これらは単独で用
いても併用してもよいが、本発明で用いられる防曇剤組
成物の分散安定性、フィルム表面に塗布した後の濡れ
性、液状分散媒の除去の難易、経済性を勘案して決める
のが好ましい。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとずいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。
【0054】 I.基体フィルムの調整 実施例1〜3、比較例1〜2 塩化ビニル樹脂(平均重合度 1500)(第6表に示す重量部) 塩化ビニル系グラフト共重合体 (第1表、第2表に示す組成、第6表に示す重量部) ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP) 45重量部 塩素化ポリエチレン(第3表に示す組成、第6表に示す重量部) トリキシレニルホスフェート 5重量部 エポキシ樹脂 3重量部 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンラウレート 1.5重量部 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン 0.06重量部 よりなる樹脂組成物を準備し、配合した。各配合物を、
スーパーミキサーで10分間攪拌混合したのち、180
℃に加温したミルロール上で混練し、厚さ0.10mm
の基体フィルムを調整した。
【0055】II.塩化ビニル系グラフト重合体[A] II−1.共重合体ラテックスの作製 攪拌機、環流冷却器、温度調整器を備えた反応容器に、
所定量の純水を入れ、反応容器内の空気を窒素ガスで置
換して、攪拌しながら45℃に調節した。次に、純水、
乳化剤(第一工業製薬社製、商品名「ハイテノールN−
08」)および第1表に示した各モノマーの混合物を混
合、攪拌し、乳化モノマーを調整した。先ず、調整した
乳化モノマーの10重量%を、上記の45℃に調節した
反応容器に一括して添加し、過硫酸アンモニウム(以
下、APSとする)と亜硫酸アンモニウム(以下、SH
Sとする)とを加えて乳化重合を行い、シードポリマー
を作製した。しかる後に、残りの乳化モノマーを5時間
かけて一定の速度で滴下して重合を行い、更に、重合を
確実にするために、1時間、加熱・攪拌を続けて、重合
を完結させ、固形分の濃度が30重量%の共重合体ラテ
ックス(以下、ラテックスと呼ぶ)を得た。
【0056】II−2.塩化ビニル系グラフト重合体の作
製 攪拌機、温度調節器を備えた反応容器に、純水、上記で
得られたラテックス、部分鹸化酢酸ビニル樹脂(クラレ
社製、クラレポバールL−8)の3%水溶液、t−ブチ
ルパーオキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシ
ネオデカノエートを一括して投入し、反応容器の空気を
真空ポンプで排出した後、攪拌しながら、塩化ビニルモ
ノマーを添加した。しかる後に、反応容器を50℃に昇
温し、重合を開始させた。反応容器の圧力が5kgf/
cm2に低下したことで、重合の終了を確認し、未反応
の塩化ビニルモノマーを排出し、更に、塩化ビニル樹脂
を脱水乾燥し、塩化ビニル樹脂中の塩化ビニル樹脂の重
合度が約1400の塩化ビニル樹脂を得た。
【0057】III.アクリル系樹脂 III−1.アクリル系樹脂の調整 温度計、攪拌機、環流冷却器および原材料添加用ノズル
を備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、ト
ルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び
第4表に示した各単量体の混合物100重量物を仕込
み、窒素ガス気流下で攪拌しつつ、70℃で3時間更に
過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反応を約3時
間、同温度で継続してアクリル系重合体を得た。
【0058】III−2.被膜の形成 第4表に示した種類及び量のアクリル系重合体を配合
し、これに固形分が20重量%になるようにメチルエチ
ルケトンを加え、被膜組成物を得た。前記の方法で調整
した基体フィルムの片面に、上記被覆組成物を、#5バ
ーコーターを用いて、各々塗布した。塗布したフィルム
を130℃のオーブン中にて1分間保持して、溶剤を揮
散させた。得られた各フィルムの被膜の量は、約3g/
2であった。
【0059】IV.防曇剤組成物の被膜の形成 第5表に示した主成分(コロイダルシリカ及び/又はア
ルミナゾル)とバインダー成分と架橋剤及び液状分散媒
とを配合して防曇剤組成物を得た。アクリル系樹脂を形
成した基体フィルムのもう一方の面に、上記防曇剤組成
物をロールコート法により連続的に塗布し、乾燥路中8
0℃で1分間保持して液状分散媒を揮散させ、各フィル
ムを巻き取った。得られた各フィルムの被膜の量は、約
1g/m2であった。
【0060】V.フィルムの評価 以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果
を第7表に示す。 初期外観 実施例、比較例で作製したフィルムの外観を、肉眼での
観察および日立製作所(株)製EPS−2U型により直
進光線透過率(波長555nm)を測定した。この評価
基準は、次のとおりである。 I)目視外観 ◎…表面光沢にむらがなく、かつ荒れ、しわのないも
の。 △…表面光沢にむらがあり、または荒れ、しわのないも
の。 ×…表面光沢にむらがあり、かつ荒れ、しわのあるも
の。
【0061】II)直進光線透過率 ◎…透過率が、85%以上のもの。 ○…透過率が、65%〜84%のもの。 △…透過率が、45%〜64%のもの。 ×…透過率が、45%未満のもの。
【0062】常温物性 引張り特性:実施例、比較例で得られたフィルムをJI
S K6732に準拠し、23℃の室温において破断強
度を測定した。
【0063】低温物性 衝撃強度:実施例、比較例で得られたフィルムを10c
m×10cmのサンプルを9枚用意し、JIS B−7
503に規定されたダイヤルゲージでサンプルの中心部
の厚みを測定する。上記サンプルを−15℃の室内にお
いて、東洋精機(株)製パンクチャーにより測定した。 衝撃強度=測定値(衝撃値)/測定厚み×公称厚み
【0064】屋外展張試験 各種のフィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置した
屋根型ハウス(間口3m、奥行き5m、棟高1.5m、
屋根勾配30度)に、被膜を設けた面をハウスの側にし
て被覆し、平成10年3月〜平成11年2月までの1年
間展張試験を行った。展張したフィルムについて、以下
の方法により、フィルムの耐候後の伸び残率、フィルム
の低温時における衝撃強度、脆性破壊率を評価した。
【0065】I)防塵性 次式により算出した値を以下の評価基準により判断し
た。 (展張後、経時的に回収したフィルムの光線透過率*)
/(展開前の光線透過率*)×100 *波長555nmにおける直進光線透過率(日立製作所
製、EPS−2U型使用) ◎…展張後の光線透過率が展張前の90%以上のもの。 ○…展張後の光線透過率が展張前の70〜89%の範囲
のもの。 △…展張後の光線透過率が展張前の50〜69%の範囲
のもの。 ×…展張後の光線透過率が展張前の50%未満のもの。
【0066】II)防曇性展張したフィルムにつき、日中
フィルムサイド部を巻き上げ、夕方フィルムを密閉した
後、展張中の天井部と巻き上げ部各々の内面に、付着す
る水滴の状況を経時的に肉眼で観察した。評価基準は次
の通りである。 ◎…フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同じ)
に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、この薄
膜状部分の面積がフィルム表面の2/3未満、1/2以
上のもの。展張後の光線透過率が90%以上のもの。 ○…フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
るが、薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2未満の
もの。 △…フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
るが、薄膜状部分の形状が認められないもの。 ×…フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
ないもの。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
【表7】
【0074】
【発明の効果】以上、実施例からも明らかなように本発
明は、次のような効果を奏し、その農業上の利用価値
は、極めて大である。 (1)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、経時後の低温時における物性低下が少なく、使用末
期においても、低温における物性に優れている。 (2)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、低温下における物性に優れており、展張時による破
れ、展張後の外力(かぜ、雪、雹、アラレ等)による破
れに対する抵抗性に優れている。 (3)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、屋外に展開されても防塵性の低下度合いが少ない。 (4)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、フィルムの一方面に防曇剤組成物に由来する被膜が
形成されており、該フィルムを防曇剤組成物の被膜がハ
ウス内側になるように展張した時、水滴の付着を抑制す
る機能を果たし、防曇効果は、長期間にわたって持続す
る。尚、本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィル
ムにおいて、ある特定の塩化ビニル系グラフト共重合体
を混合することによる内部応力緩和効果・分子の絡まり
の増大によって、低温時の物性向上を引き出し、さらに
は、耐候後の物性の低下を抑える効果を引き出す。以上
より本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、低温
時物性・耐候後の物性に優れている。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/00 C08K 5/00 4J026 C08L 27/06 C08L 27/06 51/00 51/00 // C08F 265/06 C08F 265/06 (C08L 27/06 (C08L 27/06 23:28) 23:28) (72)発明者 木下 一也 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 (72)発明者 大山 加奈子 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 Fターム(参考) 2B024 DB01 EA01 2B029 EC02 EC04 EC09 EC14 EC16 EC19 EC20 4F071 AA24 AA24X AA33X AA77 AA79 AA88 AF14 AF23 AH01 BA01 BB06 BC01 4F100 AA19B AA19C AA20B AA20C AK01B AK01C AK15A AK25A AK25B AK25C AL01A AL04A AL05A AL09A BA02 BA03 BA06 BA10B BA10C CA04A CA23B CA23C GB01 JB16B JB16C JK17 JL07 JL07B JL07C JM01B JM01C 4J002 BB24Y BD03X BN08W CD00Z CD16Z EH106 EH146 FD02Z FD026 GA01 4J026 AA17 AA18 AA26 AA37 AA38 AA40 AA45 AA46 AA48 AA49 AA61 AA76 BA02 BA10 BA11 BA15 BA20 BA27 BA38 DB04

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ラジカル重合性モノマーと多官能性モノマ
    ーとから構成される混合モノマーを共重合させて得られ
    る共重合体ラテックス1〜30重量%に対して、塩化ビ
    ニルを主成分とするビニルモノマー70〜99重量%を
    グラフト共重合した塩化ビニル系グラフト共重合体
    (A)5〜100重量部と他の塩化ビニル系樹脂95〜
    0重量部(B)からなる塩化ビニル系樹脂100重量部
    に対して、可塑剤30〜60重量部含有させてなること
    を特徴とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】該ラジカル重合性モノマーがアルキル(メ
    タ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載
    の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】該共重合体ラテックスが、多層構造重合体
    であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】該塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、更に塩素化ポリエチレン(C)を0.5〜20重量
    部含有させてなることを特徴とする請求項1ないし請求
    項3のいずれかの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】該塩素化ポリエチレンが塩素含有量15〜
    50重量%、メルトインデックス0.5〜150g/1
    0分、結晶化度0〜30%であることを特徴とする請求
    項4記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】該塩化ビニル系フィルムの片面又は両面
    に、アクリル樹脂被膜が形成されてなる請求項1ないし
    請求項5のいずれかの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂
    フィルム。
  7. 【請求項7】該塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両
    面に、シリカゾル及び/又はアルミナゾルと熱可塑性樹
    脂を含有する防曇剤組成物に由来する被膜が形成されて
    なることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれ
    かの項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016023228A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 積水化学工業株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物及び成形体
JP2016113601A (ja) * 2014-12-12 2016-06-23 積水化学工業株式会社 ポリ塩化ビニル系樹脂組成物、ポリ塩化ビニル系樹脂成形体及びポリ塩化ビニル系樹脂シート
KR102637274B1 (ko) * 2023-06-27 2024-02-16 주식회사 라우바이오텍 농업용 액상 멀칭비닐 조성물 및 그 제조방법

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