JP2001226551A - 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フィルム

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JP2001226551A
JP2001226551A JP2000039032A JP2000039032A JP2001226551A JP 2001226551 A JP2001226551 A JP 2001226551A JP 2000039032 A JP2000039032 A JP 2000039032A JP 2000039032 A JP2000039032 A JP 2000039032A JP 2001226551 A JP2001226551 A JP 2001226551A
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chloride resin
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Mitsuo Yasui
光雄 安井
Katsuhiro Fujiwara
克宏 藤原
Takeshi Tashiro
健 田代
Takashi Takazawa
孝 高澤
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】有機リン酸化合物を配合することにより低温下
における物性および、耐候性に優れた農業用フィルムを
提供する。 【解決手段】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
塩素化ポリエチレン0.5〜20重量部、可塑剤30〜
60重量部、一般式(I)で示される有機リン酸化合物
を0.1〜5重量部を配合してなることを特徴とする農
業用塩化ビニル系樹脂フィルム。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用塩化ビニル
系樹脂フィルムに関するものである。更に詳しくは、低
温下における強度・耐衝撃性に優れ、且つ、耐候性に優
れた農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、有用植物を効率よく栽培するため
に、ハウス内又は、トンネル内で促進栽培することが盛
んに行われている。このハウス又は、トンネルを被覆す
る資材として耐候性、透明性及び、保温性等が優れてい
る理由で塩化ビニル系樹脂フィルムが多用されている。
【0003】しかしながら、軟質塩化ビニル系樹脂フィ
ルムは、樹脂軟化剤として、可塑剤が配合されており、
この可塑剤は、感温性が大きく、特に寒冷地区での展張
使用される際の伸びが悪く破れ易い。また、展張後も
風、雪、雹、アラレ等の外力がフィルムに加わった際に
破れ易いという問題点があった。このため、寒冷地区に
おける伸び、耐衝撃性等の物性を改善する方法として、
下記のような農業用の塩化ビニル系樹脂フィルム中の可
塑剤の量を増加、あるいは、耐寒性可塑剤の配合等、可
塑剤配合に関する方法が提案されている。
【0004】塩化ビニル系樹脂フィルム中の可塑剤量を
増加させる方法は、低温強度に対して、向上効果がある
ことが知られているが、この方法では、夏場等の高温時
にフィルムが、べたついたり、たるむことが知られてい
る。そこで、可塑剤の量をあまり増量することなく、低
温時の物性を向上させるために耐寒性の可塑剤を配合す
る方法が提案されている(特開昭58−49742号公
報等)。しかしながら、この方法では、一般に塩化ビニ
ル系樹脂との相溶性が悪く、ブリードしたり耐熱性に劣
る欠点がある。又、耐候性が劣る(褐変等)欠点があ
る。
【0005】又、従来より、耐候性を改善するために、
塩化ビニル系樹脂フィルムに有機リン酸化合物を添加す
る方法が知られている。しかしながら、従来知られてい
る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに有機リン酸化合物
を添加すると、強度等の物性が低下するという問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、耐候性に優れると共に、低温時の物性
(伸び、強度、耐衝撃性)の低下の著しく少ない農業用
塩化ビニル系樹脂フィルムを提供することを目的とし
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、塩素化ポリエチレン0.5〜20重量部、可塑剤3
0〜60重量部が配合されてなる塩化ビニル系樹脂組成
物に、一般式(I)で示される有機リン酸化合物を塩化
ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部
を配合されてなる農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに存
する。
【0008】
【化4】
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 1.塩化ビニル系樹脂 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル
のほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化
ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル等が挙げられる。これら塩化ビニル系樹
脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合
法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって
製造されたものであってもよい。
【0010】又、本発明においては、上記塩化ビニル樹
脂として、平均重合度が1000以上2500以下、好
ましくは1100以上2000以下のものを用いるが、
異なる平均重合度のものを用いて2種混合してもよい。
この混合方法としては、フィルム製膜加工時に2種類の
樹脂を混合する方法が一般的であるが、塩化ビニル樹脂
の重合時に重合条件コントロールによって、見掛け上2
種類の平均重合度の異なる樹脂が混合されたことになる
方法であってもよい。
【0011】上記基体となる塩化ビニル系樹脂フィルム
には、柔軟性を付与するために、この樹脂100重量部
に対して、30〜60重量部、好ましくは、40〜55
重量部配合される。30重量部未満では、低温時での柔
軟性に乏しいため、充分な低温物性が得られない。ま
た、60重量部を越えると、常温下での取り扱い性(べ
たつき性等)が悪化したり、製膜加工時の作業性が低下
するので好ましくない。
【0012】使用しうる可塑剤としては、例えば、ジ−
n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタ
レート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイソ
フタル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチ
ルアジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチルマ
レート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチルシトレ
ート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等の
イタコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘
導体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘
導体;その他、エポキシ化大油、エポキシ樹脂系可塑剤
等が挙げられる。また、樹脂フィルムに柔軟性を付与す
るために、上述の可塑剤に限られるものでなく、例えば
熱可塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等を使用す
ることもできる。
【0013】2.塩素化ポリエチレン 本発明の塩素化ポリエチレンとは、原料となるポリエチ
レンは、エチレンの単独重合、もしくは、エチレンと3
0重量%以下(好ましくは、20重量%以下)の炭素数
が12個以下(好ましくは、3〜9個)のα−オレフィ
ンを共重合することによって得られるものが好ましい。
【0014】α−オレフィンの具体例としては、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン等が挙げられる。原料となるポリオレフィンとし
ては、特にエチレンを単独重合したものが好ましい。本
発明に使用される塩素化ポリエチレンは、ポリエチレン
の粉末または粒子を水性懸濁液中で塩素化するか、ある
いは有機溶剤中に溶解したポリエチレンを塩素化する方
法が採用される。
【0015】上記塩素化ポリエチレンの塩化ビニル系樹
脂への配合量は、0.5〜20重量部、好ましくは0.
5〜10重量部がよい。0.5より少ないと初期物性及
び耐候後物性が向上されることなく、多すぎると、フィ
ルムが白濁し、好ましくない。上記範囲内でも特に1.
0〜7重量部が好適である。この塩素化ポリエチレンの
塩素含有量は、15〜50重量%の範囲でなければなら
ない。15重量%より少ないと塩化ビニル系樹脂との相
溶性に劣り、フィルムが白濁し好ましくなく、50重量
%より多い範囲では、低温での物性が向上することがな
いために好ましくない。上記範囲内でも特に30〜45
重量%が好適である。
【0016】塩素化ポリエチレンのメルトインデックス
は、0.5〜150g/10分の範囲でなければならな
い。0.5g/10分より小さいと塩化ビニル系樹脂と
の相溶性が劣りフィルムが白濁し、150g/10分よ
り大きい範囲では、物性が添加量に比例して向上するこ
とがなく、好ましくない。上記範囲内でも特に1.0〜
130g/10分が好適である。塩素化ポリエチレンの
結晶化度は、0〜30%でなければならない。30%よ
り高い範囲では、塩化ビニル系樹脂との相溶性が悪く、
フィルム表面にブリードするために好ましくない。上記
範囲内でも特に20%以下が好適である。
【0017】3.有機リン酸化合物 本発明の有機リン酸化合物としては、一般式(I)で示
される有機リン酸化合物を構成する炭素数6〜18のア
ルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、炭素数
7〜18のアラルキル基または、炭素数6〜18のアリ
ール基としては以下のようなものがあげられる。アルキ
ル基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、n−オクチル
基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニ
ル基、イソノニル基、デシル基、ラウリル基、トリデシ
ル基、1−オクタデシル基等が、また、ベンジル基、2
−メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロ
ピル基、フェニルイソプロピル基、フェニルブチル基、
フェニルイソブチル基、フェニル−t−ブチル基、フェ
ニルシクロヘキシル基等のフェニルアルキル基等もが例
示できる。
【0018】シクロアルキル基としては、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、4−メチ
ルシクロヘキシル基等、また、アラルキル基としては、
ベンジル基、p−フェネチル基、α−フェニルプロピル
基等が例示できる。アリール基としては、フェニル基、
ナフチル基等、また、クレジル基、キシリル基、エチル
フェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニ
ル基、ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、t−
ブチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフ
ェニル基、シクロヘキシルフェニル基等のアルキルフェ
ニル基等も例示できる。
【0019】以上のような各種の置換基を有する有機リ
ン酸化合物は、一種又は、二種以上を組み合わせて配合
してもよい。配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部
に対して、0.1〜5重量部であり、0.1重量部より
少ないと、フイルムの耐候性に顕著な向上が認められ
ず、好ましくない。また、5重量部より多いと加工時ロ
ールにプレートアウトが発生し好ましくない。好もしく
は、0.3〜4重量部の範囲である。更に、好ましく
は、0.5〜3重量部の範囲である。
【0020】勿論、前記塩化ビニル系樹脂には、上記の
他に、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常配合され
る公知の樹脂添加剤、例えば、防曇剤、防霧剤、滑剤、
熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、有機リン酸金属
塩、無機物、抗酸化剤、安定化助剤、帯電防止剤、防黴
剤、防藻剤及び着色剤等の各種添加剤を配合することが
できる。
【0021】その他に、エポキシ系可塑剤、有機リン酸
エステル等があげられる。エポキシ系可塑剤としては、
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等の植物油のエ
ポキシ化されたものとエポキシ樹脂がある。これらエポ
キシ系可塑剤の添加量は、樹脂100重量部に対し0.
01〜10重量部、好ましくは、0.1〜5重量部であ
る。また、有機リン酸エステル系の可塑剤として、の配
合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、1〜1
0重量部の範囲内、特に、2〜8重量部が適当である。
【0022】有機リン酸エステル系可塑剤としては、ト
リイソプロピルフェニルホスフェート、イソデシルジフ
ェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)
ホスフェート、トリブチルホスフェート、トリエチルホ
スフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシ
エチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オク
チルジフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェ
ート等があるが中でもトリクレジルホスフェート、及び
トリキシレニルホスフェートが特に好ましい。これらの
可塑剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、1〜10重量部の範囲内、特に、2〜8重量部が適
当である。
【0023】防曇剤としては、非イオン系界面活性剤が
好適であり、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンエーテル等のエーテル型のも
の、多価アルコールとの脂肪酸の部分エステル化物のエ
ステル型のもの、グリセリンエステルのポリオキシエチ
レンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシルエチ
レンエーテル等のエーテルエステル型のものがあげられ
る。以下に、好適な非イオン系界面活性剤を例示する。
【0024】(イ)ソルビタン、ソルビトール、マンニ
タン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリン等の多
価アルコールと、炭素数12〜22個の脂肪酸との部分
エステル (ロ)アルキレンオキサイドがエチレンオキサイド又は
プロピレンオキサイドで、その付加モル数が1〜20モ
ル、多価アルコールがソルビタン、ソルビトール、マン
ニタン、マンニトール、グリセリン、ジグリセリンで、
脂肪酸の炭素数が12〜22個であるポリオキシリアル
キレン多価アルコールの脂肪酸エステル (ハ)(イ)と(ロ)の混合物。
【0025】これらの混合物は、多価アルコールのモノ
エステル、ジエステル、トリエステルの混合物として得
られる。一般的には、ジエステル成分の含有割合の高い
組成のエステル混合物が好適である。非イオン系界面活
性剤の配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、0.5〜5重量部の範囲内から選ぶものとする。特
に、1.0〜3.0重量部が適当である。
【0026】防霧剤としては、フッ素系界面活性剤があ
げられる。具体的には、通常の界面活性剤の疎水基のC
に結合したHのかわりにその一部または全部をFで置換
した界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基または
パーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤であ
る。フッ素系界面活性剤の配合量は、塩化ビニル樹脂1
00重量部当たり0.01重量部以上、0.5重量部以
下で充分であり、配合量の好適範囲は、0.02〜0.
2重量部である。
【0027】本発明に係わる塩化ビニル系樹脂フイルム
組成物には、特定の粘着防止剤を配合すると好まし
い。。粘着防止剤としては、例えば融点140〜146
℃のメチレンビスステアロアミドと、融点156〜16
0℃のエチレンビスラウリルアミド、融点116〜12
0℃のN,N’−ジオレイルアジプアミド、融点143
〜144℃のN,N’−ジステアリルアジプアミド等が
挙げられるが、特にメチレンビスステアロアミドと、他
の3種から選ばれる1種以上との混合物を配合するのが
好ましい。配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に
対して、メチレンビスステアロアミドと特定の粘着防止
剤の合計量を0.05〜2重量部の範囲とすることが好
ましい。合計量がこの範囲より少ないときは、巻き上
げ、巻き下げ作業性が充分に優れたものとならず、ま
た、多いときは、フイルム化した後に添加された物が噴
き出したり、防曇性を阻害するという問題がおこり、好
ましくない。上記範囲のうち0.05〜1.0重量部の
範囲が特に好ましい。更に、好ましくは、0.1〜1.
0重量部の範囲である。
【0028】滑剤ないし熱安定剤としては、一般的に農
業用フィルムに使用される、脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミ
ド系滑剤、エステル系滑剤、ポリエチレンワックス、流
動パラフィン、有機ホスファイト化合物の如きキレータ
ー、フェノール類、β−ジケトン化合物等があげられ
る。βジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタン、
メトキシベンゾイル・ベンゾイルメタン、クロルベンゾ
イル・ベンゾイルメタン、パルミチルベンゾイルメタン
等が好適である。これら、滑剤、熱安定剤の配合量は、
0.01〜2.0重量部の範囲、特に、0.04〜1.
0重量部が好ましい。
【0029】紫外線吸収剤としては、農業用塩化ビニル
フィルムに通常配合されるものであればよく、ベンゾト
リアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸エステル
系、ハイドロキノン系、シアノアクリレート系等各種の
紫外線吸収剤があげられる。例えば、特公昭62−38
143号公報第7欄第27行〜第9欄第34行目、特公
昭62−53543号公報第7欄第13〜36行目に記
載された紫外線吸収剤であり、特にベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ま
しい。具体的には、以下のようなものがあげられる。
【0030】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であ
る、2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
−5−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)−5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’
−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−アミノフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)−5−メト
キシベンゾトリアゾール、2−(2’−メチル−4’−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ステアリルオキシ−3’,5’−ジメチルフェニル)
−5−メチルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−5−カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエ
チルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−メチル
−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒ
ドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブ
チルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−シクロヘキシルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’,
5’−ジメチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリ
アゾールブチルエステル、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−4’,5’−ジクロルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジメチルフェニル)−5−エチルスルホン
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリ
アゾール、2−(2’−アセトキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール等。
【0031】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤である、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n
−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2,2’−
ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノ
ン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベ
ンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−
ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロ
ルベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロ
キシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等。
【0032】紫外線吸収剤は、単独又は、2種以上を組
み合わせて使用することができる。その配合量は、塩化
ビニル樹脂100重量部当たり、0.01〜3.0重量
部の範囲、特に、0.02〜2.0重量部が好ましい。
【0033】光安定剤としては、農業用フイルムに通常
配合される種々の化合物を使用することができ、例え
ば、ヒンダードアミン系化合物があげられ、具体的に
は、特開平6−155680号公報第5〜19頁等に記
載の化合物である。これら光安定剤は一種類、または二
種類以上組み合わせて使用してもよい。その配合量は、
塩化ビニル樹脂100重量部当たり、0.05〜5.0
重量部の範囲、特に、0.1〜2重量部が好ましい。
【0034】本発明で用いる有機リン酸エステル金属塩
としては、下記一般式(II)又は(III)で示されるも
のが好ましい。
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】(式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウ
ム、マグネシウム又はストロンチウムを、R5,R6及
びR7は各々、炭素数1〜22のアルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルキルアリール基又はエーテル結
合を含む炭化水素基をそれぞれ意味する。) 一般式(II)又は(III)中の炭素数1〜22のアルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルキルアリール基
又はエーテル結合を含む炭化水素基の例としては以下の
ようなものがあげられる。
【0038】アルキル基としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、n−アミル基、ネオペンチル基、イソアミル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル
基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、イソノニル
基、デシル基、ラウリル基、トリデシル基、1−オクタ
デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロオクチル基、4−メチルシクロヘキシル基等が例示で
きる。
【0039】アリール基としてはフェニル基、ナフチル
基などが例示でき、アラルキル基としては、ベンジル
基、p−フェネチル基、α−フェニルプロピル基等が例
示できる。アルキルアリール基の例としては、トリル
基、キシリル基、エチルフェニル基、ブチルフェニル
基、tert−ブチルフェニル基、オクチルフェニル
基、ノニルフェニル基、2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル基等をあげることができる。
【0040】エーテル結合を含む炭化水素基の例として
は、フルフリル基、テトラヒドロフルフリル基、5−メ
チルフルフリル基、α−メチルフルフリル基、メチルセ
ロソルブ残基(前記セロソルブから水酸基を除いたエー
テル結合を含む炭化水素基をいう、以下同じ)、エチル
セロソルブ残基、イソプロピルセロソルブ残基、ブチル
セロソルブ残基、イソブチルセロソルブ残基、ヘキシル
セロソルブ残基、シクロヘキシルセロソルブ残基、フェ
ニルセロソルブ残基、メチルカルビトール残基(前記カ
ルビトールから水酸基を除いたエーテル結合を含む炭化
水素をいう、以下同じ)、エチルカルビトール残基、イ
ソプロピルカルビトール残基、ブチルカルビトール残
基、イソブチルカルビトール残基、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル残基(前記エーテルから水酸基
を除いたエーテル結合を含む炭化水素基をいう、以下同
じ)、トリエチレングリコールモノエチルエーテル残
基、トリエチレングリコールモノブチルエーテル残基、
2,3−ジメトキシ−n−プロピル基、2,2′−ジエ
トキシイソプロピル基、3−エトキシ−2−プロポキシ
−n−プロピル基、ノニルフェノキシポリ(1〜30)
エトキシエチル基、ラウロキシポリ(1〜30)エトキ
シエチル基等があげられる。
【0041】また前記一般式(II)で表される化合物の
少なくとも一種および、一般式(III)で表される化合
物の少なくとも一種がモル比(前者/後者)1/9〜7
/3で混融されてなる有機リン酸エステル金属塩が好ま
しい。金属の種類の中では、亜鉛、カルシウム及びバリ
ウムが好ましく、特に亜鉛が好ましい。以上のような各
種の置換基を有する有機リン酸エステル金属塩は、1種
又は2種以上を組合せて配合することができる。これら
有機リン酸金属塩の配合量は、塩化ビニル樹脂100重
量部当たり、0.02〜5.0重量部の範囲、特に、
0.1〜2重量部が好ましい。
【0042】本発明において、赤外域に吸収のある無機
物を保温性向上の目的で配合することができる。具体的
には次のようなものがあげられる。炭酸マグネシウム、
マグネシウム珪酸塩(タルク)、酸化珪素、酸化アルミ
ニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水
酸化カルシウム、リン酸金属塩、下記式に示すようなハ
イドロタルサイト類(含水−又は無水−アルミニウム/
マグネシウム塩基性炭酸塩);アルミニウム/亜鉛塩基
性炭酸塩炭酸リチウム−水酸化アルミニウム包接化合物
等があげられ、これらのうち、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、酸化珪素、炭酸マグネシウム、及び
ハイドロタルサイト類がフィルムの透明性を低下させる
ことが少なく特に好ましい。 (I):M2+ (1-X)Al3+ X(OH-2・(A1 n-x/n
mH2O (式中、M2+は2価の金属イオン、An-はn価の陰イオ
ンをそれぞれあらわし、x、mおよびnは、0<x<
0.5、0≦m≦2、1≦n≦3なる条件をそれぞれ満
たす。) (II):Li+(Al3+2(OH-6・(A2 n-1/n
mH2O (式中、An-はn価の陰イオンをそれぞれあらわし、m
およびnは、0≦m≦3、1≦n≦3なる条件をそれぞ
れ満たす。) (III):[(Li+ (1-X)2+ X)(Al3+2(OH-
62(Siy(2y+1) 2-(1+x)・mH2O (式中、M2+は2価の金属イオンをあらわし、m、xお
よびyは、0≦m<5、0≦x<1、2≦y≦4なる条
件をそれぞれ満たす。) (IV):[(Li+ (1-X)2+ X)(Al3+2(O
-62(A3 n-2(1+x)/n・mH2O (式中、M2+は2価の金属イオン、An-はn価の陰イオ
ンをそれぞれあらわし、m、xおよびnは、、0≦m<
5、0.01≦x<1、1≦n≦3なる条件をそれぞれ
満たす。) (V):mAl23・(n/p)M2/pO・X・kH2O (式中、Xは炭酸根、Mはアルカリ金属またはアルカリ
土類金属をそれぞれあらわし、pは金属Mの価数であ
り、m、nおよびkは、0.3≦m≦1、0.3≦n≦
2、0.5≦k≦4なる条件をそれぞれ満たす。) これらの無機物は1種でも2種以上添加することがで
き、その配合量は、塩化ビニル系樹脂100重量部当た
り0.5〜10重量部の範囲、特に、2〜10重量部の
範囲が好ましい。
【0043】抗酸化剤として使用可能な化合物として
は、フェノール系及び硫黄系抗酸化剤が使用でき、具体
的には、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール−
2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−
エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート
等をあげることができる。これらの酸化防止剤は、単独
又は、2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】安定化助剤として使用可能な化合物として
は、トリフェニルホスファイト、ジオクチルフェニルフ
ォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、ジフェニルインデシルフォスファイト、トリラウリ
ルトリチオフォスファイト、ジフェニルアシッドフォス
ファイト等をあげることができる。これらの安定化助剤
は、単独又は二種以上を組み合わせて使用することがで
きる。
【0045】帯電防止剤としては、例えばポリオキシエ
チレンアルキルアミン、ポリグリコールエーテル、p−
スチレンスルホン酸ナトリウム等があげられる。防黴
剤、防藻剤としては、一般的に農業用塩化ビニルフィル
ムに配合される種々の化合物を使用することができる。
例えば、有機窒素系化合物があげられ、具体的には、イ
ミダゾール誘導体、アニリド誘導体、尿素誘導体、アン
モニウム誘導体、トリアジン誘導体、フタルイミド誘導
体等がある。着色剤として使用可能なものとしては、例
えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、
ハンザイエロー、アリザリンレーキ、パーマネントレッ
ド、キナクリドン等をあげることができる。これらの着
色剤も、単独又は2種以上を組み合わせて使用すること
ができる。
【0046】以上の各種樹脂添加物はフィルムの性質を
悪化させない範囲、通常は塩化ビニル系樹脂100重量
部に対して、5重量部以下の範囲で選ぶことができる。
塩化ビニル系樹脂に樹脂添加物を配合するには、各々必
要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、
スーパーミキサーその他の従来から知られている配合
機、混合機を使用すればよい。
【0047】このようにして得られた樹脂組成物をフィ
ルム化するには、それ自体公知の方法、例えば、溶融押
出成形法(T−ダイ法、インフレーション法を含む)、
カレンダー成形法、溶液流延法等の従来から知られてい
る方法によればよい。フィルムの厚さは、0.03〜
0.3mmの範囲、好ましくは、0.05〜0.2mm
の範囲とするのが好ましい。0.03mmより薄いと、
フイルムの強度が不足し破れが発生しやすく、0.3m
mよりも厚いと、切断、接着等の作業に悪影響を与え
る。本発明の農業用樹脂フイルムは、基体フイルム表面
の少なくとも片面に格子状、縞状、微細な凹凸模様(シ
ボ模様)をつけてもよい。
【0048】更に耐久性および、防塵性を向上させるた
めに、本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの
片面上に、アクリル系樹脂被膜を形成することが好まし
い。使用するアクリル系樹脂としては、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート5〜40重量%、分子内に1
個もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不
飽和カルボン酸0〜20重量%及びこれらと共重合可能
な他のビニル系単量体とを共重合して得られる重合体が
好ましい。
【0049】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシ
メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペン
チルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。
【0050】これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート化合物は、得られるアクリル系樹脂が有機溶媒に
溶け易く、アクリル系樹脂と基体塩化ビニル系樹脂フイ
ルムとの密着性を向上し、更には、フイルム表面にしみ
出してくる可塑剤の移行性を抑制する作用に大きく寄与
する成分である。このヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレートのアクリル系樹脂中で占める割合が、5重量%
より少ない場合は、有機溶媒との溶解性、基体フイルム
との密着性及び耐久性向上効果を充分に発揮し得ず、他
方、40重量%より多い場合には、コスト高となりコス
ト上昇に較べて得られる効果は大きくないので好ましく
ない。
【0051】分子内に1個もしくは2個以上のカルボキ
シル基を含むα,β−不飽和カルボン酸としては、アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水
マレイン酸、アコニット酸、フマル酸、クロトン酸、イ
タコン酸等があげられる。これら化合物を、前記ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートと併用すると、アク
リル樹脂と基体フイルムとの密着性及び耐久性が向上す
る。これらの使用量は、0.5〜20重量%が好まし
い。これ以上であると、フィルムが水分で潤れていると
きにフイルム同志が付着し合う性質(湿潤時のブロッキ
ング性)が強化されるので、好ましくない。
【0052】前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート及びα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他の
ビニル系単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル又は、これとアルケニルベンゼンとの混合物が
あげられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとし
ては、例えばアクリル酸メチルエステル、アクリル酸エ
チルエステル、アクリル酸−n−プロピルエステル、ア
クリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−n−ブチ
ルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシルエステ
ル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メチルエ
ステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸−
n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピルエス
テル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタクリル
酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸デシル
エステル等があげられ、一般には、アルキル基の炭素数
が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び/又は
アルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸のアル
キルエステルが使用される。
【0053】本発明で用いられるアルケニルベンゼンと
しては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニル
トルエン等があげられる。このようなアルケニルベンゼ
ンと、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとの混合物
からなる単量体を用いる場合には、α,β−エチレン性
不飽和カルボン酸の使用量によっても異なるが、通常
(メタ)アクリル酸アルキルエステルの使用割合を10
重量%以上とするのがよい。
【0054】特に、本発明のアクリル系樹脂は上記のよ
うな(メタ)アクリル酸アルキルエステル、これとアル
ケニルベンゼンの混合物からなる単量体を、40〜60
重量%含有するものが好ましい。かかるアクリル系樹脂
を、基体塩化ビニル系樹脂フイルムに表面処理するとき
に、フイルムとの密着性等を改善する目的で、アクリル
系樹脂と相溶性のある他樹脂を混合することが可能であ
る。他樹脂としては、フッ化ビニリデン系樹脂、パーフ
ルオロアルキル基を側鎖にもつアクリル樹脂、セルロー
スアセテートブチレート樹脂、シリコン樹脂等がとくに
効果的である。
【0055】アクリル系樹脂を重合するには、各単量体
を所定量組合せて有機溶媒とともに重合缶に仕込み、重
合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加えて、攪拌し
つつ加熱すればよい。
【0056】塩化ビニル系樹脂フィルムの片面に形成す
るアクリル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を前述の有
機溶媒に溶解して塗布するのがよい。塩化ビニル系樹脂
フィルム表面上に、前記アクリル系樹脂の被膜を形成す
るには、アクリル系樹脂を有機溶媒に溶解し、スプレイ
コート法、ロールコート法、グラビアコート法、リバー
スコート法、ディップコート法等のほか、スクリーン印
刷法、フレキソ印刷法等のそれ自体公知の各種塗布方法
によって塗布し、乾燥するのがよい。利用できる乾燥方
法は、例えば熱風乾燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥
法などである。乾燥温度は、前記有機溶媒を飛散させる
温度、すなわち、アクリル系樹脂を溶解している有機溶
媒の沸点以上とするのがよい。乾燥時間は、短い方がよ
い。従って、有機溶媒の沸点以上の温度で、できるだけ
短時間に乾燥するのがよい。
【0057】基体フィルムの表面に形成するアクリル系
樹脂被膜の厚さは、基体フィルムの厚さにもよるが、
0.5〜10μmの範囲から選ぶ。10μmより厚いと
きは、基体フィルムと被膜とでは屈曲性に差があるため
に、被膜が基体フィルムから剥離する等の現象がおこり
易く、また、被膜に亀裂が入って基体フィルムの強度を
低下させるという現象がおこり、好ましくない。0.5
μmより薄いときは、基体フィルムの耐久性および、防
塵性を向上させる効果を発揮しないので、好ましくな
い。被膜の厚さは、上記範囲内で、基体フィルムの厚さ
に比例させるのがよい。
【0058】本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィ
ルムを、実際に使用するにあたっては、被膜が片面のみ
に形成されているときは、この被膜の設けられた側をハ
ウス又はトンネルの外側となるようにして展張するのが
よい。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例に限定
されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜3 (1)塩化ビニル系樹脂フィルムの製造 ポリ塩化ビニル(重合度=1300) 100重量部 ジ−2−エチルヘキシルフタレート 48重量部 エポキシ樹脂(商品名「EP−828」) 1.5重量部 Ba−Zn系液状安定剤 1重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 ソルビタンモノパルミテート 1.5重量部 βジケトン化合物(ジベンゾイルメタン) 0.1重量部 メチレンビスステアリン酸アマイド 0.4重量部 2’4−ジヒドロキシベンゾフェノン 0.03重量部 ヒンダードアミン系光安定剤 0.1重量部 (旭電化工業社製:商品名「LA−52」) フッ素系界面活性剤(商品名「ユニダインDS−401」) 0.2重量部 以上あげた樹脂原料、樹脂添加物を秤量し、更にこれ
に、第1表に示す組成、第2表に示す重量部の塩素化ポ
リエチレンおよび、有機リン酸化合物、又、第2表に示
した種類および量の有機リン酸エステル金属塩、有機リ
ン酸エステル系可塑剤を配合した。これらをスーパーミ
キサーで10分間撹拌混合したのち、165℃に加温し
たロール上で混練し、L型カレンダー装置によって、厚
さ0.075mmの塩化ビニル系樹脂フィルムを製造し
た。
【0060】(2)被膜の形成 重合缶に、イソプロピルアルコール150重量部と、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量部、アクリ
ル酸10重量部、メチルメタクリレート40重量部及び
エチルメタクリレート30重量部を加え、ベンゾイルパ
ーオキサイド0.5重量部加えて、窒素ガス気流下、8
0℃で10時間重合反応を行なった。得られた共重合体
溶液に、イソプロピルアルコールを加えて、固形分を2
0重量%に調節して、被覆用樹脂とした。上記(1)で
製造した基体フィルムの片面に、上記被覆用樹脂をグラ
ビアコート法によって塗布したのち、150℃に温度調
節した温風乾燥炉内に10秒間滞留させ、溶媒を飛散さ
せ、厚さ約2μmの被膜を形成した。
【0061】フィルムの評価 以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果
を第3表に示す。 (3)常温物性 引張り特性:実施例、比較例で得られたフィルムをJI
S K6732に準拠し、23℃の室内において、破断
伸びを測定した。
【0062】(4)低温物性 衝撃強度:フィルムを10cm×10cmのサンプルを
9枚用意し、JISB−7503に規定されたダイヤル
ゲージでサンプルの中心部の厚みを測定する。上記サン
プルを−15℃の室内において、東洋精機(株)製パン
クチャーにより測定した。尚、衝撃度は、下記の式によ
って表す。 衝撃強度=測定値(衝撃値)/測定厚み×公称厚み (5)耐候性、屋外曝露後の衝撃強度 フイルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置したパイプ
ハウス(間口3m奥行き10m、棟高1.5m)に被覆
し、平成10年7月〜平成11年7月までの1年間展張
試験を行った。展張したフイルムについて、以下の方法
により、展張後のフイルム外観を定期的に観察した。
又、展張1年後のフイルムを0℃の室内において、衝撃
強度を評価した。 (5−1)フイルム外観 ◎・・・変化が認められない。 ○・・・僅かに褐変点が認められる。 ○×・・褐変点が認められる。 △・・・褐変点が多く認められる。 ×・・・褐変点が全面に認められる。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【化7】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】(1)本発明の農業用塩化ビニル系樹脂
フィルムは、有機リン酸化合物を添加していても低温下
における物性に優れており、展張時による破れ、展張後
の外力(風、雪、雹、アラレ等)による破れに対する抵
抗性に優れている。 (2)本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、更
に、耐候性に優れることから、ハウス(温室)用、トン
ネル用等の被覆用のほか、ハウスのサイド、天窓、戸
口、妻部等の部分にも使用することができ、農業用被覆
材としての利用価値は極めて大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/5313 C08K 5/5313 //(C08L 27/06 (C08L 27/06 23:28) 23:28) (72)発明者 田代 健 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 (72)発明者 高澤 孝 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 Fターム(参考) 2B024 DB01 EA01 2B029 EB02 EC03 EC04 EC09 EC14 EC16 EC17 EC19 EC20 4F006 AA17 AA56 AB24 BA01 BA02 BA03 BA11 BA12 CA06 DA03 DA04 4F071 AA24 AA42 AA79 AC10 AC15 AE04 AH01 BB04 BC01 4J002 BB24X BD041 BD051 BD061 BD071 BD081 BD091 BD101 CD16Y EH036 EH096 EH106 EH136 EW046 EW047 EW048 FD026 FD050 FD060 FD087 FD170 FD200 GA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、塩素化ポリエチレン0.5〜20重量部、可塑剤3
    0〜60重量部が配合されてなる塩化ビニル系樹脂組成
    物に、一般式(I)で示される有機リン酸化合物を塩化
    ビニル系樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部
    を配合してなることを特徴とする農業用塩化ビニル系樹
    脂フィルム。 【化1】 (式中、R1,R2,R3及びR4は各々炭素数6〜1
    8のアルキル基、炭素数5〜18のシクロアルキル基、
    炭素数7〜18のアラルキル基または、炭素数6〜18
    のアリール基を表し、それぞれ同一であっても異なって
    もよい。)
  2. 【請求項2】 該塩素化ポリエチレンが塩素含有量15
    〜50重量%、メルトインデックス0.5〜150g/
    10分、結晶化度0〜30%であることを特徴とする請
    求項1項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、一般式(II)および/または一般式(III)で示さ
    れる有機リン酸エステル金属塩を0.05〜5重量部配
    合されてなる請求項1ないし請求項2項記載の農業用塩
    化ビニル系樹脂フィルム。 【化2】 【化3】 (式中、Mは亜鉛、カルシウム、バリウム、マグネシウ
    ム又はストロンチウムを、R5,R6及びR7は各々、
    炭素数1〜22のアルキル基、アリール基、アラルキル
    基、アルキルアリール基又はエーテル結合を含む炭化水
    素基をそれぞれ意味する。)
  4. 【請求項4】 塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両
    面に、アクリル系樹脂被膜が形成されてなる請求項1な
    いし請求項3のいずれかの項記載の農業用塩化ビニル系
    樹脂フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106967258A (zh) * 2017-02-24 2017-07-21 佛山市宏尔塑胶制品有限公司 一种环保pvc膜及其制备方法
CN108610531A (zh) * 2016-12-09 2018-10-02 中国石油天然气股份有限公司 聚乙烯管材复合助剂包及其制备方法

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