JP3503190B2 - 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた農業用塩化ビニルフィルム - Google Patents
塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた農業用塩化ビニルフィルムInfo
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- Y02A40/10—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
- Y02A40/25—Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
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Description
防曇性に優れた塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用
いた農業用塩化ビニルフィルム。
芸に用いられる被覆資材として、ポリエチレンフィル
ム、エチレン−酢酸ビニルフィルム等が使用されている
が、中でも軟質塩化ビニルフィルムは、光線透過性、保
温性、耐候性等に優れるため、農業用被覆資材の主流を
占めている。
ルムに柔軟性を持たせるために多量の可塑剤やフィルム
に安定性を持たせるために少量の安定剤を配合してお
り、このような各種の配合剤が経時的に滲み出したり、
その他の原因により、フィルム同士が強固に密着し、フ
ィルムとフィルムを容易に剥がすことができなくなって
しまうというブロッキング現象が起こり易い。特に、こ
のようなフィルムを被覆資材として、農業用のハウスや
トンネルに使用すると、出入り口や換気口のようなフィ
ルム開閉部でのフィルム同士が重なっている場所がブロ
ッキング現象を起こし、フィルム同士が強固に接着する
ため、作業者がその開閉部を開けようとする時に、不必
要な労力を要したり、フィルムを傷めたりしていた。ま
た、自動開閉機器を用いて、フィルムの開閉を行うと、
上手く開閉できなかったり、モーターに負荷がかかり過
ぎて、機械が壊れてしまうという問題を抱えていた。
法として、60℃以上の滑剤・防曇剤を添加するという
方法が特公昭54−3692号公報、特公昭54−30
698号公報などに開示されている。しかし、このよう
な方法では、ブロッキング防止性の改良には、効果的で
あるが防曇性(特に低温時の防曇性)を悪化させるとい
う問題を抱えていた。また、防曇性を悪化させないブロ
ッキング防止剤として、脂肪酸アミドを用いる方法が特
公平5−35182号公報、特公平1−34782号公
報、特開平5−148393号公報などに開示されてい
る。しかし、このような方法では、ブロッキング防止性
改善に十分な効果が得られてないのが現状であった。
した従来技術の欠点を解消し、得られるフィルムの透明
性や防曇性を損なうことなくブロッキング防止性に優れ
た塩化ビニル系組成物を提供することであり、該組成物
を用いて、作業性に優れた農業用塩化ビニルフィルムを
提供することである。
防曇性を損なうことなくブロッキング防止性に優れた塩
化ビニル系樹脂組成物およびそれに用いる農業用塩化ビ
ニルフィルムを鋭意検討した結果、このような組成物お
よびフィルムは、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、特定の脂肪酸アミド化合物、不活性固体粒子、特定
の非イオン系界面活性剤を特定量配合することにより得
られることを見出し、本発明を完成した。
記一般式で表される脂肪酸アミド化合物0.01〜3重
量部、(b)平均粒子径10μ以下の不活性固体粒子
0.1〜3.0重量部、(c1)融点60℃以上の非イ
オン系界面活性剤であるソルビタントリベヘネート及び
/またはソルビタンジベヘネートと、(c2)融点40
〜60℃の非イオン系界面活性剤とからなる非イオン系
界面活性剤混合物1.0〜5.0重量部(但し、c1/
c2=0.05〜1.5)配合することを特徴とする塩
化ビニル系樹脂組成物。
石、雲母、シリカ、ケイ酸カルシウム、タルクのすくな
くても1種類で構成されている前記第i項記載の塩化ビ
ニル系樹脂組成物。 iii)前記第i項もしくは第ii項記載の塩化ビニル系樹脂
組成物を用いる農業用塩化ビニルフィルム。
ビニル単独重合体および塩化ビニル共重合体であり、塩
化ビニル共重合体とは、塩化ビニルを主体としこれと他
のコモノマー、例えばエチレン、プロピレン、酢酸ビニ
ル、アルキルビニルエーテル、メタクリル酸エステル等
とを共重合させたものであるが、本発明の目的を阻害し
ない範囲であれば、前記重合体に制限されるものではな
い。
剤が使用されるが、該可塑剤には、炭素原子数4〜13
(C4-13)のアルキル基を有するジアルキルフタレー
ト、ジアルキルアジペ−トおよびポリエステル系可塑剤
が好ましい。具体的には、フタル酸ジ−n−ブチル、フ
タル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキ
シル(DOP)、フタル酸ジイソオクチル、イソフタル
酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)等が挙げられる。
また、該可塑剤は、塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、30〜70重量部の範囲で使用するのが好ましい。
配合量が30重量部未満であると充分な柔軟性が得られ
にくく、70重量部を越えるとブロッキング防止効果が
低下したりする。
ルシウム、長石、雲母、シリカ、ケイ酸カルシウム、タ
ルク等を挙げることができる。該不活性固体粒子として
は、平均粒子径の10μ以下のものを使用するため、透
明性に優れたフィルムを得るのに効果的である。
一般式で表されるものであり、特にR1、R2が炭素数1
5〜21のアルキル基もしくはアルケニル基であること
が好ましい。具体的にはN−オレイルステアリン酸アミ
ド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリル
ステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド
等を例示できる。また、該脂肪酸アミド化合物は、塩化
ビニル系樹脂100重量部に対し、0.01〜3重量部
の範囲で配合されなくてはならない。配合量が、0.0
1重量部未満では、得られるフィルムのブロッキング性
を充分に改良することができず、一方3.0重量部を超
えるとブリードアウトにより、フィルム面が白化してし
まう。
は、(c1)融点60℃以上の非イオン系界面活性剤で
あるソルビタントリベヘネート及び/またはソルビタン
ジベヘネートと(c2)融点40〜60℃の非イオン系
界面活性剤とから成るものである。
面活性剤には、炭素数12〜22個の脂肪酸とソルビタ
ン、ソルビトール、グリセリン、ジグリセリンとのエス
テルもしくはそれらエステル1モルに対し、0.5〜5
モルのエチレンオキサイドもしくは他のアルキレンオキ
サイドを付加したポリオキシアルキレン多価アルコール
の脂肪酸エステルが挙げられる。
イオン系界面活性剤であるソルビタントリベヘネート及
び/またはソルビタンジベヘネートと(c2)融点40
〜60℃の非イオン系界面活性剤との混合物を、塩化ビ
ニル系樹脂100重量部に対し、1.0〜5.0重量部
配合していなくてはならない。該配合量が1.0重量部
未満では、防曇性に劣り、5.0重量部を超えると得ら
れるフィルムからのブリードアウトが激しくなり、透明
性を低下させてしまう。
剤混合物は、(c1)融点60℃以上の非イオン系界面
活性剤であるソルビタントリベヘネート及び/またはソ
ルビタンジベヘネートと(c2)融点40〜60℃の非
イオン系界面活性剤との組成比が、c1/c2=0.0
5〜1.5の範囲のものでなければならない。該組成比
が0.05より小さくなるとフィルムのブロッキング性
の改善効果が不十分であり、1.5より大きくなると低
温時の防曇性が劣るので好ましくない。
て、安定剤、滑剤、充填剤、エポキシ化合物、光安定
剤、紫外線吸収剤、着色剤、加工助剤等を本発明の効果
を著しく阻害しない範囲で用いることができる。
具体的に説明するが、本発明はこれによって限定される
ものではない。なお、実施例および比較例で実施した評
価方法は次の方法に準じた。
5×10cmに切断し、この切断片に水を付着させて2
枚重ね合わせ、その上に40g/cm2 の荷重を加え、
70℃の恒温槽に2時間放置した後、23℃の恒温室で
2時間冷却させたフィルムを引張試験機で剥離し、それ
に要した荷重を測定した。この数値が小さい程、耐ブロ
ッキング性に優れていることを表わす。
20×30cmに切断し、該フィルムを熊本県水俣市の
試験圃場の農業用ハウスの1部に展張し、冬場(1月)
にフィルムのハウス内表面に付着する水滴の状況を肉眼
で観察した。観察結果の評価基準は次のとおりとした。 ◎−−フィルム表面に付着した水滴が滴状から薄膜状に
広がり、その薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2
以上のもの。防曇性に優れていることを表わす。 ○−−フィルム表面に付着した水滴が滴状から薄膜状に
広がり、その薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2
未満のもの。 △−−フィルム表面に付着した水滴が滴状ではあるが水
滴同士の合体が認められるもの。 ×−−フィルム表面に付着した水滴同士の合体が認めら
れないもの。防曇性に劣っていることを表わす。
ヘイズメーター(スガ試験機製)を使用し、フィルムの
濁度(ヘイズ)を測定した。この数値の小さい程、透明
性に優れていることを表わす。
ー:商品名)に、平均重合度1300の塩化ビニル単独
重合体100重量部、ジオクチルフタレート45重量
部、カルシウム/亜鉛複合安定剤2.0重量部、トリク
レジルフォスフェート5.0重量部、エポキシ樹脂2.
0重量部、脂肪酸アミド化合物としてN−オレイルステ
アリン酸アミド0.3重量部、非イオン系界面活性剤と
して(c1)ソルビタントリベヘネート0.5重量部と
(c2)ソルビタンモノパルミテート1.5重量部、不
活性固体粒子として、平均粒子径5μmのタルクである
日本タルク社製のタルクシムゴン(商品名)0.8重量
部を投入し、10分間攪拌混合して塩化ビニル系樹脂組
成物を得た。得られた該組成物を、180℃に設定した
8インチロールによって10分間溶融混練し、厚さ0.
075mmのフィルムを製作し、上記評価試験に使用し
た。その結果を表1に示す。
物として用いているN−オレイルステアリン酸アミドの
代わりにN−ステアリルステアリン酸アミドを用いた以
外は、実施例1に準じて、塩化ビニル樹脂組成物を得、
該組成物を用いてフィルムを作製し、上記評価試験に使
用した。その結果を表1に示す。
性剤(C1)として用いているソルビタントリベヘネー
トの代わりにグリセリンモノベヘネートを用いた以外
は、実施例1に準じて、塩化ビニル樹脂組成物を得、該
組成物を用いてフィルムを作製し、上記評価試験に使用
した。その結果を表1に示す。
性剤(c2)として用いているソルビタンモノパルミテ
ートの代わりにソルビタンモノステアレートを用いた以
外は、実施例1に準じて、塩化ビニル樹脂組成物を得、
該組成物を用いてフィルムを作製し、上記評価試験に使
用した。その結果を表1に示す。
して用いているタルクシムゴンの代わりに平均粒子径
3.5μmのシリカ(富士デビソン株社製)を用いた以
外は、実施例1に準じて、塩化ビニル樹脂組成物を得、
該組成物を用いてフィルムを作製し、上記評価試験に使
用した。その結果を表1に示す。
て用いているN−オレイルステアリン酸アミドを配合し
なかった以外は、実施例1に準じて、塩化ビニル樹脂組
成物を得、該組成物を用いてフィルムを作製し、上記評
価試験に使用した。その結果を表2に示す。
して用いているタルクシムゴンを配合しなかった以外
は、実施例1に準じて、塩化ビニル樹脂組成物および試
験フィルムを作製し、各評価を実施した。その結果を表
2に示す。
性剤(c1)として用いているソルビタントリベヘネー
トを配合しなかった以外は、実施例1に準じて、塩化ビ
ニル樹脂組成物および試験フィルムを作製し、各評価を
実施した。その結果を表2に示す。
性剤(c2)として用いているソルビタンモノパルミテ
ートを配合しなかった以外は、実施例1に準じて、塩化
ビニル樹脂組成物および試験フィルムを作製し、各評価
を実施した。その結果を表2に示す。
して用いているタルクシムゴンの添加量を0.8重量部
から4.0重量部に代えた以外は、実施例1に準じて、
塩化ビニル樹脂組成物および試験フィルムを作製し、各
評価を実施した。その結果を表2に示す。
明の塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた農業用
塩化ビニルフィルムは、ブロッキング防止性に優れてお
り、防曇性、透明性にも優れている。
Claims (3)
- 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
(a)下記一般式で表される脂肪酸アミド化合物0.0
1〜3重量部、(b)平均粒子径10μ以下の不活性固
体粒子0.1〜3.0重量部、(c1)融点60℃以上
の非イオン系界面活性剤であるソルビタントリベヘネー
ト及び/またはソルビタンジベヘネートと、(c2)融
点40〜60℃の非イオン系界面活性剤とからなる非イ
オン系界面活性剤混合物1.0〜5.0重量部(但し、
c1/c2=0.05〜1.5)配合することを特徴と
する塩化ビニル系樹脂組成物。 【化1】 - 【請求項2】不活性固体粒子が炭酸カルシウム、長石、
雲母、シリカ、ケイ酸カルシウム、タルクのすくなくて
も1種類で構成されていることを特徴とする請求項1記
載の塩化ビニル系樹脂組成物。 - 【請求項3】請求項1もしくは請求項2に記載の塩化ビ
ニル系樹脂組成物を用いることを特徴とする農業用塩化
ビニルフィルム。
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JP13118994A JP3503190B2 (ja) | 1994-05-20 | 1994-05-20 | 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた農業用塩化ビニルフィルム |
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