JP2001334612A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JP2001334612A
JP2001334612A JP2000156879A JP2000156879A JP2001334612A JP 2001334612 A JP2001334612 A JP 2001334612A JP 2000156879 A JP2000156879 A JP 2000156879A JP 2000156879 A JP2000156879 A JP 2000156879A JP 2001334612 A JP2001334612 A JP 2001334612A
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olefin copolymer
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JP2000156879A
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Tomoki Kojima
伴樹 児島
Kiminari Nanbu
仁成 南部
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Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防曇性および防曇性持続性に優れ、かつ、強度
にも優れ、農園芸用施設の被覆フィルムとして好適に用
いることができる樹脂フィルムを提供する。 【解決手段】下記第一層、第三層および第一層と第三層
との間にある第二層からなり、少なくとも第三層に1種
類以上の界面活性剤を含有してなることを特徴とする多
層フィルム。 第一層: エチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン
共重合体を主成分とする層 第二層: エチレン/酢酸ビニル共重合体および該エチ
レン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり25〜1
00重量部のエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィ
ン共重合体からなる樹脂組成物からなる層 第三層: エチレン/酢酸ビニル共重合体および該エチ
レン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり0〜50
重量部のエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン共
重合体からなる樹脂組成物からなる層

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農園芸用施設の被
覆フィルムとして好適に用いることができる樹脂フィル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農園芸用施設(例えば、農業用ハ
ウスや農業用トンネル)などの被覆フィルムなどとし
て、ポリ塩化ビニルフィルムとポリオレフィン系樹脂フ
ィルムとが主に用いられている。近年では、特に廃棄処
理の際の環境負荷が小さいことから後者が主流となりつ
つある。ポリオレフィン系樹脂フィルムは、従来、高圧
法低密度ポリエチレン、エチレン/α−オレフィン共重
合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの樹脂を適宜
用いて製造されている。農園芸用施設の被覆フィルムと
して、従来、界面活性剤を配合した、エチレン/酢酸ビ
ニル共重合体からなる多層フィルムが知られている。し
かしながら、このフィルムは、防曇性には優れるもの
の、強度が十分ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、防曇性
および防曇性持続性に優れ、かつ、強度にも優れ、農園
芸用施設の被覆フィルムとして好適に用いることができ
る樹脂フィルムを開発すべく鋭意検討を行ない、本発明
を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
第一層、第三層および第一層と第三層との間にある第二
層からなり、少なくとも第三層に1種類以上の界面活性
剤を含有してなることを特徴とする多層フィルムを提供
するものである。 第一層: エチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン
共重合体を主成分とする層 第二層: エチレン/酢酸ビニル共重合体および該エチ
レン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり25〜1
00重量部のエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィ
ン共重合体からなる樹脂組成物からなる層 第三層: エチレン/酢酸ビニル共重合体および該エチ
レン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり0〜50
重量部のエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン共
重合体からなる樹脂組成物からなる層 上記構成の多層フィルムは、強度に優れるとともに、第
三層が含有する界面活性剤が効率的に第三層の表面に向
って移行し、優れた防曇性と防曇性持続性を発揮するこ
とができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の多層フィルムの第一層、第二層および第三層に
用いるエチレン/α−オレフィン共重合体において、α
−オレフィンは、4〜12個の炭素原子を有する。かか
るα−オレフィンの例としては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペ
ンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1
−シクロヘキセン、シクロヘキシルエチレンが挙げられ
る。エチレン/α−オレフィン共重合体は、エチレンと
一種類のα−オレフィンとの共重合体であってもよい
し、エチレンと二種類以上のα−オレフィンとの共重合
体でもよい。エチレン/α−オレフィン共重合体中のα
−オレフィンモノマー単位の含有量(二種類以上のα−
オレフィンを併用した場合にはその合計量)は、約0.
5モル%〜約25モル%の範囲が好ましく、約0.5モ
ル%〜約10モル%がより好ましく、約1モル%〜約7
モル%が更に好ましい。
【0006】本発明の多層フィルムの第一層、第二層お
よび第三層に用いるエチレン/α−オレフィン共重合体
のメルトフローレート(以下、MFRと記すことがあ
る)は、0.1〜10g/10分の範囲が好ましく、
0.1〜4g/10分がより好ましい。メルトフローレ
ートが上記範囲にあるエチレン/α−オレフィン共重合
体を選択することにより、多層フィルムは透明性と強度
に特に優れたものとなる。また、エチレン/α−オレフ
ィン共重合体のJIS K7112の規定により測定し
た密度(以下、同様)は、0.93g/cm3以下が好
ましく、多層フィルムの取り扱い性を考慮すると、0.
88〜0.93g/cm3の範囲がより好ましい。各層
が含有するエチレン/α−オレフィン共重合体は同一で
あっても異なってもよい。また、各層は、一種類のエチ
レン/α−オレフィン共重合体を含有しても、二種類以
上のエチレン/α−オレフィン共重合体を含有してもよ
い。
【0007】第三層がエチレン/α−オレフィン共重合
体を含有する場合には、d2で表わされる第二層のエチ
レン/α−オレフィンの密度とd3で表わされる第三層
のエチレン/α−オレフィン共重合体の密度とが、式:
2≧d3を満たすことが好ましい。この式が満たされる
と、本発明の多層フィルムは防曇性および防曇性持続性
をよりよく発揮することができる。
【0008】第二層が界面活性剤を含有する場合には、
1で表わされる第一層のエチレン/α−オレフィン共
重合体の密度と、第二層のエチレン/α−オレフィンの
密度d2とが、式:d1≧d2を満たすことが好ましい。
この式が満たされると、本発明の多層フィルムは防曇性
および防曇性持続性をよりよく発揮することができる。
また、第二層が界面活性剤を含有し、かつ第三層がエチ
レン/α−オレフィン共重合体を含有する場合には、第
一層のエチレン/α−オレフィンの密度d1、第二層の
エチレン/α−オレフィンの密度d2および第三層のエ
チレン/α−オレフィンの密度d3が、式:d1≧d2
よび式:d2≧d3を満たすことが好ましい。この条件が
満たされると、本発明の多層フィルムは防曇性および防
曇性持続性をよりよく発揮することができる。
【0009】上記エチレン/α−オレフィン共重合体
は、例えば、エチレンと炭素原子数が4〜12のα−オ
レフィンとを、パラジウムやニッケルなどの遷移金属の
錯体触媒やメタロセン系触媒などのいわゆるシングルサ
イト触媒を使用して、溶媒の存在下または不存在下に、
気相/固相、液相/固相または均一液相で重合する方法
によって製造することができる。重合温度は、通常は約
30℃〜約300℃であり、重合圧力は、通常はほぼ大
気圧〜約3000kg/cm2である。例えば、特開平
6−9724号公報、特開平6−136195号公報、
特開平6−136196号公報、特開平6−20705
7号公報等に記載されているメタロセン触媒成分を含む
いわゆるメタロセン系オレフィン重合用触媒の存在下
に、エチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンと
を共重合させることによってエチレン/α−オレフィン
共重合体を製造することができる。
【0010】本発明の多層フィルムの第二層および第三
層に用いられるエチレン/酢酸ビニル共重合体は、柔軟
性に優れ、展帳時に皺が発生し難い多層フィルムとする
ために、酢酸ビニル単位の含有量が30重量%以下のエ
チレン/酢酸ビニル共重合体が好ましい。第二層および
第三層に用いるエチレン/酢酸ビニル共重合体のメルト
フローレートは、0.1〜10g/10分の範囲にある
ことが好ましく、0.1〜2g/10分がより好まし
い。このようなエチレン/酢酸ビニル共重合体を選択す
ることにより、多層フィルムは透明性と強度に特に優れ
たものとなる。また、エチレン/酢酸ビニル共重合体の
密度は、0.92〜0.94g/cm3の範囲が好まし
く、0.92〜0.93g/cm3がより好ましい。
【0011】本発明の多層フィルムの第一層は前記エチ
レン/α−オレフィン共重合体を主成分とする層であ
り、前記エチレン/α−オレフィン共重合体を第一層中
の全樹脂成分の50重量%以上含有し、より好ましくは
60重量%以上含有する。第一層は、前記エチレン/α
−オレフィン共重合体のみからなることができ、また、
本発明の効果が著しく損われない限り、前記エチレン/
α−オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂を含有する
こともできる。例えば、第二層や第三層に用いられる前
記のエチレン/酢酸ビニル共重合体や、低密度ポリエチ
レンなどを含有することができる。第一層に用いる低密
度ポリエチレンとしては、メルトフローレートが0.1
〜10g/10分のものが好ましく、0.1〜2g/1
0分のもがより好ましい。メルトフローレートが過小で
あるとフィルム製造時の加工性に劣ることがあり、過大
な場合にはフィルムの強度が劣ることがある。また、フ
ィルムのブロッキング性の観点から、低密度ポリエチレ
ンの密度は、0.92〜0.94g/cm3が好まし
く、0.92〜0.93g/cm3がより好ましい。本
発明の多層フィルムは、第一層が前記エチレン/α−オ
レフィン共重合体を主成分とするために強度に優れたも
のとなっている。
【0012】本発明の多層フィルムの第二層を構成する
樹脂組成物は、前記エチレン/酢酸ビニル共重合体10
0重量部あたり25〜100重量部、好ましくは40〜
70重量部の前記エチレン/α−オレフィン共重合体を
含有する。かかる比率で両樹脂を含有することにより、
本発明の多層フィルムは強度に優れ、かつ防曇性および
防曇性持続性に優れたものとなる。また、本発明の多層
フィルムは製造時の加工性に優れ、透明性にも優れたも
のとなる。
【0013】本発明の多層フィルムの第三層は、樹脂成
分として前記エチレン/酢酸ビニル共重合体のみを含有
してもよいが、更に前記エチレン/α−オレフィン共重
合体を含有することにより、多層フィルムはより強度に
優れたものとなる。本発明においては、多層フィルムの
強度、防曇性、防曇性持続性の観点から、第三層は前記
エチレン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり70
〜0重量部、好ましくは50〜0重量部の前記エチレン
/α−オレフィン共重合体を含有する。第二層中のエチ
レン/α−オレフィン共重合体の量が25〜50重量部
である場合、第三層中のエチレン/α−オレフィン共重
合体の量は70〜20重量部が好ましい。
【0014】本発明の多層フィルムは、少なくとも第三
層が界面活性剤を含有し、これにより優れた防曇性を発
揮することができる。また、より優れた防曇性持続性を
達成するために、本発明の多層フィルムは更に第二層が
界面活性剤を含有することができる。本発明の多層フィ
ルムは、更に第一層が界面活性剤を含有することもでき
る。
【0015】本発明で使用する界面活性剤としては、一
般に防曇剤として用いられる界面活性剤が挙げられる。
このような界面活性剤の配合量は、それを含有する層の
重量の0.1〜4%が好ましく、0.5〜3%がより好
ましく、1.5〜3%が更に好ましい。本発明で好まし
く用いることができる界面活性剤には、常温(23℃)
で固体状のものと液体状のものとがあり、常温で固体状
の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、例え
ば、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンモノ
モンタネートなどのソルビタン脂肪酸エステル系界面活
性剤、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパル
ミテート、グリセリンモノステアレート、ジグリセリン
ジステアレート、トリグリセリンモノステアレート、テ
トラグリセリンモノモンタネートなどのグリセリン脂肪
酸エステル系界面活性剤、ポリエチレングリコールモノ
パルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレー
トなどのポリエチレングリコール系界面活性剤、アルキ
ルフェノールのアルキレンオキシド付加物、ソルビタン
/グリセリン縮合物と有機酸とのエステル;ポリオキシ
エチレン(2モル)ステアリルアミン、ポリオキシエチ
レン(2モル)ラウリルアミン、ポリオキシエチレン
(4モル)ステアリルアミン等のポリオキシエチレンア
ルキルアミン化合物、ポリオキシエチレン(2モル)ス
テアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン
(2モル)ステアリルアミンジステアレート、ポリオキ
シエチレン(4モル)ステアリルアミンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルアミンジ
ステアレート、ポリオキシエチレン(8モル)ステアリ
ルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン(2モ
ル)ステアリルアミンモノベヘネート、ポリオキシエチ
レン(2モル)ラウリルアミンステアレート等のポリオ
キシエチレンアルキルアミン化合物の脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン(2モル)ステアリン酸アミド等の
ポリオキシエチレンアルキルアミン化合物の脂肪酸アミ
ド等のアミン系界面活性剤などが挙げられる。更に、常
温で液体状の界面活性剤を配合すると保管時および展張
時の光線透過性の劣化を回避することができることか
ら、少なくとも1種類の常温で液体状の界面活性剤を配
合することは有効である。
【0016】常温で液状の界面活性剤としては、例え
ば、グリセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレ
エート、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセ
リンモノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエー
ト、テトラグリセリントリオレエート、ヘキサグリセリ
ンペンタオレエート、テトラグリセリンモノラウレー
ト、ヘキサグリセリンモノラウレート等のグリセリン系
脂肪酸エステルが、また、ソルビタンモノオレエート、
ソルビタンジオレエート、ソルビタンモノラウレートな
どのソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。常温で液
状の界面活性剤を配合する場合、その配合量は、それが
含まれる層の重量の0.2〜3%が好ましく、0.5〜
2%がより好ましい。
【0017】また、本発明の多層フィルムは、一般に防
霧剤として用いられている界面活性剤を用いることもで
きる。かかる界面活性剤を含有する本発明の多層フィル
ムは、強度に優れるとともに、優れた防霧性および防霧
性持続性を有する。このような界面活性剤を使用する場
合、その配合量は、それを含有する層の重量の約0.0
1〜約3%が好ましく、約0.02〜約1%がより好ま
しい。上記効果を達成するために本発明に好ましく使用
できる界面活性剤としては、パーフルオロアルキル基、
ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッ素系界面
活性剤、アルキルシロキサン基を有するシリコン系界面
活性剤等が挙げられる。
【0018】本発明の多層フィルムにおいて、前記第二
層および第三層は、本発明の効果が損われない限り、低
密度ポリエチレンなど、上記以外の樹脂成分を含有する
ことができる。
【0019】本発明の多層フィルムの第一層および第三
層には、フィルムのアンチブロッキング性、防塵性、耐
摩擦性、および第三層の皺の発生防止などの観点から、
脂肪酸アミド化合物、有機微粒子、および/または無機
微粒子を含有することが好ましい。
【0020】脂肪酸アミド化合物としては、例えば、融
点が約50〜約200℃の飽和脂肪酸アミド、不飽和脂
肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドなどが例示できる。具体
例としては、ベヘニン酸アミド、ステアリン酸アミド、
パルミチン酸アミド、ラウリル酸アミド、エルカ酸アミ
ド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビスベヘニン酸アミド、メチレンビスオレ
イン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチ
レンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスオレイン酸ア
ミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサ
メチレンビスベヘニン酸アミド、ヘキサメチレンビスオ
レイン酸アミド、オクタメチレンビスエルカ酸アミドな
どが挙げられる。かかる脂肪酸アミドを配合する場合、
各層中へのその配合量は、各層中の樹脂成分(前述のエ
チレン/α−オレフィン共重合体やエチレン/酢酸ビニ
ル共重合体など)の合計100重量部に対して約0.0
1重量部以上が好ましく、約0.03重量部以上がより
好ましい。また、経済性の観点から、約1重量部以下が
好ましく、約0.5重量部以下がより好ましい。
【0021】多層フィルムの第一層および第三層が含有
しうる有機微粒子としては、粒径が約0.5μm〜約2
0μmの架橋高分子が例示でき、屈折率が各層に含まれ
る樹脂成分の屈折率に近いものが好ましい。例えば、ポ
リエチレンやポリメチルメタクリレートなどの架橋ビー
ズが好ましく用いられる。かかる有機微粒子を配合する
場合、各層中へのその配合量は、各層中の樹脂成分の合
計100重量部に対して約0.1重量部以上が好まし
く、約0.3重量部以上がより好ましい。また、経済性
の観点から、約20重量部以下が好ましく、約10重量
部以下がより好ましく、約5重量部以下が特に好まし
い。
【0022】多層フィルムの第一層および第三層が含有
しうる無機微粒子としては、後述する無機赤外線吸収剤
が例示でき、各層へのその配合量は、各層中の樹脂成分
の合計100重量部に対して約0.1重量部以上が好ま
しく、約0.3重量部以上がより好ましい。また、約2
0重量部以下が好ましく、約10重量部以下がより好ま
しく、約5重量部以下が特に好ましい。
【0023】本発明の多層フィルムは一種類以上の赤外
線吸収剤を含有することができる。赤外線吸収剤とは、
各層の樹脂材料よりも赤外線吸収能に優れているもので
あれば特に制限はない。無機赤外線吸収剤としては、リ
チウムアルミニウム複合水酸化物、ハイドロタルサイト
類化合物などの複合水酸化物、酸化マグネシウム、酸化
カルシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チタン
などの金属の酸化物、水酸化リチウム、水酸化マグネシ
ウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水
酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、塩基性炭
酸アルミニウム(例えば特開平9−279131号公報
に記載の塩基性炭酸アルミニウム複塩)などの炭酸塩
類、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムなどの硫酸塩類、燐酸
リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、燐酸カルシ
ウム、燐酸ジルコニウム(例えば特開平8−67774
号公報記載のH型燐酸ジルコニウム)などの燐酸塩類、
珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウ
ム、珪酸チタンなどの珪酸塩類、アルミン酸ナトリウ
ム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどの
アルミン酸塩類、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪
酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウムなどのアルミノ珪
酸塩類、カオリン、クレー、タルクなどの粘土鉱物、複
合酸化物などが挙げられる。有機赤外線吸収剤として
は、ポリアセタール、ポリビニルアルコールおよびその
誘導体、エチレン/ビニルアルコール共重合体などが挙
げられる。これらの赤外線吸収剤の中でも、多層フィル
ムのリサイクル効率の観点から、密度が約3g/cm3
以下、特に約2.4g/cm3以下のものが好ましく、
また赤外線吸収能の観点から無機系赤外線吸収剤がより
好ましい。
【0024】赤外線吸収剤が無機系赤外線吸収剤である
場合には、光線透過性の観点から、その屈折率は、使用
する樹脂材料の屈折率により近いこと、また、保温性の
観点から、幅広い波長域に吸収性能をもつことが好まし
い。これらの観点から、ハイドロタルサイト類化合物、
リチウムアルミニウム複合水酸化物、アルミノ珪酸塩
類、塩基性炭酸アルミニウム複塩などが好ましい。
【0025】ハイドロタルサイト類化合物とは、下記式
(I): M2+ 1-xAl3+ x(OH-2(A1 n-x/n・mH2O (I) (式中、M2+は2価金属イオンであり、A1 n-はn価の
アニオンであり、x、mおよびnは、0<x<0.5、
0≦m≦2、1≦nという条件を満たす。)で示される
化合物である。M2+としては、Mg2+、Ca2+、Zn2+
などが例示される。n価の陰イオンは特に限定されず、
例えば、Cl-、Br-、I-、NO3 -、ClO4 -、S
4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 3-、HBO4 3-
PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-、CH3
OO-、C64(OH)COO-、(COO)2 2-、テレ
フタル酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオンなどの陰
イオンや、特開平8−217912に記載されたポリ珪
酸イオンやポリ燐酸イオンが挙げられる。具体的には、
例えば、天然ハイドロタルサイトやアルカマイザー D
HT−4A(商品名、協和化学工業製)のような合成ハ
イドロタルサイトを用いることができる。
【0026】また、水酸化カルシウム、または一般式:
CaAlx(OH)2+3xで表わされるカルシウム・アル
ミニウム複合水酸化物をハイドロタルサイト類化合物と
併用してもよい。
【0027】リチウムアルミニウム複合水酸化物として
は、例えば、特開平5−179052号公報に開示され
た下記式(II): Li+(Al3+2(OH-6・(A2 n-1/n・mH2O (II) (式中、A2 n-はn価の陰イオンであり、mおよびn
は、0≦m≦3、1≦nという条件を満たす)で示され
る化合物が挙げられる。n価の陰イオンは、特に限定さ
れず、例えば、式(I)の化合物におけるA1 n-と同様
の陰イオンが挙げられる。
【0028】上記2種類以外の複合水酸化物としては、
例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSi
からなる群の中から選ばれた少なくとも一種の元素と、
LiおよびAlを含有し、かつ水酸基を有する複合水酸
化物が例示される。アルカリ土類金属の中では、マグネ
シウム、カルシウムが好ましい。また、遷移金属の中で
は、2価または3価の鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ンが好ましく、中でも鉄が特に好ましい。AlとLiの
モル比(Al/Li)は、通常1.5/1〜2.5/1
であり、好ましくは1.8/1〜2.5/1である。
【0029】また、アルカリ土類金属、遷移金属、Zn
およびSiからなる群の中から選ばれた元素のLi元素
1モルに対するモル比(a)は、通常0<a<1.5で
あり、好ましくは0.1≦a≦1.4、更に好ましくは
0.2≦a≦1.2である。かかる複合水酸化物の水酸
基以外のアニオン部分は、例えば、ピロケイ酸イオン、
シクロケイ酸イオン、イソケイ酸イオン、フィロケイ酸
イオン、テクトケイ酸イオン等のポリケイ酸イオン、炭
酸イオン、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、亜硫酸イ
オン、硝酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リ
ン酸イオン、次亜リン酸イオン、ポリリン酸イオン、ア
ルミン酸イオン、ケイ酸イオン、過塩素酸イオン、ホウ
酸イオン等の無機酸イオン、Fe(CN)6 3-、Fe
(CN)6 4-等のアニオン性遷移金属錯体、酢酸イオ
ン、安息香酸イオン、ギ酸イオン、テレフタル酸イオ
ン、アルキルスルホン酸イオン等の有機酸イオンなどが
挙げられる。これらの中でも、炭酸イオン、ハロゲン化
物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、ポリリン酸イオ
ン、ケイ酸イオン、ポリケイ酸イオン、過塩素酸イオン
が好ましく、炭酸イオン、ポリリン酸イオン、ケイ酸イ
オン、ポリケイ酸イオンが特に好ましい。このような複
合水酸化物の具体例としては、Al、Li、Mgを含有
し、かつAl/Li/Mg=約2.3/1/0.28
(モル比)である複合水酸化物(商品名LMA、富士化
学工業製)や、Al、Li、Siを含有し、かつAl/
Li/Si=約2/1/1.2(モル比)である複合水
酸化物(商品名フジレインLS、富士化学工業製)が挙
げられる。
【0030】WO97/00828に開示された下記式
(III): [(Li+ (1-x)2+ x)(Al3+)2(OH-)6]2(Siy(2y+1) 2-)(1+x)・mH2O (III) (式中、M2+は2価の金属イオンであり、m、xおよび
yは、0≦m<5、0≦x<1、2≦y≦4という条件
を満たす)で表わされる化合物、および特開平8−21
7912号公報に開示された下記式(IV): [(Li+ (1-x)2+ x)(Al3+2(OH-62(An-2(1+x)/n・mH2O (IV) (式中、M2+は2価の金属イオンであり、An-はn価の
陰イオンであり、m、xおよびnは、0≦m<5、0.
01≦x<1、1≦nという条件を満たす)で表わされ
る化合物は、上記複合水酸化物の好ましい例である。式
(III)および(IV)におけるM2+としては、Mg2+
Ca2+、Zn2+などが例示される。
【0031】更に、下記式(V): mAl23・(n/p)M2/pO・X・kH2
(V) (式中、Xは炭酸根であり、Mはアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属、pは金属Mの価数に等しく、m、nお
よびkは、0.3≦m≦1、0.3≦n≦2、0.5≦
k≦4の条件を満たす)で示される塩基性炭酸アルミニ
ウム複塩も、好ましい赤外線吸収剤の一つである。上記
式(V)におけるXとして硫黄のオキシ酸(硫酸、亜硫
酸)、窒素のオキシ酸(硝酸、亜硝酸)、塩化水素酸、
塩素のオキシ酸(例えば、過塩素酸)、リンのオキシ酸
(リン酸、亜リン酸、メタリン酸)などに由来する無機
アニオンや、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸、安息香
酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸、p−オキシ安息香酸、サリチル酸、ピクリン
酸、トルエンスルホン酸などに由来する有機アニオンを
含む複塩を、上記塩基性炭酸アルミニウム複塩と併用し
てもよい。これらの複塩は、特開平9−279131号
公報に開示された方法で製造することができる。
【0032】上記複合水酸化物または塩基性炭酸アルミ
ニウム複塩を赤外線吸収剤として使用する場合、その平
均粒子径は、約5μm以下が好ましく、約0.05〜約
3μmがより好ましく、約0.1〜約1μmが更に好ま
しい。また、BET法により測定した比表面積は1〜3
0m2/gが好ましく、約2〜約20m2/gがより好ま
しい。
【0033】本発明の多層フィルムを、高度に透明性が
要求される用途に使用する場合は、赤外線吸収剤の屈折
率は、それを含有する層の樹脂材料の屈折率に近いこと
が好ましく、JIS K0062記載の方法で測定した
屈折率が1.47〜1.55であることが好ましく、
1.48〜1.54がより好ましく、1.49〜1.5
3が特に好ましい。
【0034】多層フィルム中での赤外線吸収剤の分散性
を向上させるために、高級脂肪酸や高級脂肪酸のアルカ
リ金属塩等により赤外線吸収剤に表面処理を施してもよ
い。本発明の多層フィルム中の上記赤外線吸収剤の量
は、23℃におけるフィルムの所望の輻射線透過指数、
使用する赤外線吸収剤の種類やフィルムの層構成などを
考慮して適宜設定される。例えば、赤外線吸収剤として
上記の複合水酸化物を使用する場合、その配合量は、多
層フィルムの全重量に対して、約6重量%〜約13重量
%が好ましい。
【0035】多層フィルムの23℃における輻射線透過
指数は、該フィルムを農業用ハウスなどの被覆材として
用いた場合の保温性の尺度であり、作物生育性に影響を
与えるものであって、後述する測定方法によって求めら
れる。輻射線透過指数の値が小さいほどフィルムの保温
性が優れている。本発明の多層フィルムの23℃におけ
る輻射線透過指数は25以下であることが好ましい。多
層フィルムが25以下の輻射線透過指数を有すると、従
来のポリ塩化ビニルフィルムに比較して保温性が同等若
しくは優れ、また、加温ハウスに用いると、暖房費を節
減することができ経済効率の向上に寄与する。輻射線透
過指数はゼロに近いほど好ましく、20以下がより好ま
しく、15以下が更に好ましい。
【0036】多層フィルムの23℃における輻射線透過
指数は、以下の方法により測定される。赤外分光光度計
(パーキンエルマー社製 1640型FT−IR)を用
いて、波数4000〜400cm-1の範囲で多層フィル
ムの赤外線吸収スペクトル(透過法)を温度23℃にて測
定し、波数νでの透過率T(ν)%の値を得る。一方、プ
ランクの法則から得られる式(1)に従い、23℃にお
ける波数νでの黒体輻射スペクトル強度e(ν)を計算す
る。ここで黒体輻射スペクトル強度e(ν)に透過率T
(ν)をかけたものが輻射線透過強度f(ν)となる(式
(2))。輻射線透過強度f(ν)を波数4000〜40
0cm-1の範囲で積分したものを輻射線透過エネルギー
F、黒体輻射スペクトル強度e(ν)を波数4000〜4
00cm-1の範囲で積分したものを黒体輻射エネルギー
Eとして、輻射線透過指数G=100×F/Eと定義す
る。実際の積分においては、波数間隔2cm-1ごとの区
間に区切り、台形近似にて各区間について計算し積算す
る。 e(ν)=(A/λ5)/{exp(B/(λ×T))-1} (1) A=2πhC2=3.74×10-16(W・m2) B=hC/k=0.01439(m・K) T(K)は絶対温度。λ(cm)は波長。(波数νは波長の逆数) (hはプランク定数、Cは光速、kはボルツマン定数。) f(ν)= e(ν)×T(ν)/100 (2)
【0037】本発明の多層フィルムは、少なくとも一種
類の光安定剤を含有することができる。光安定剤として
はニッケル錯体系光安定剤も使用できるが、ヒンダード
アミン系化合物が好ましく、特に、分子量が約1500
以上のヒンダードアミン系化合物が好ましい。ヒンダー
ドアミン系化合物としては、特開平8−73667号公
報に記載された構造式を有するものが挙げられ、具体例
としては、商品名チヌビン622−LD、キマソーブ9
44−LD、チヌビン123(以上チバスペシャリティ
ケミカルズ社製)、ホスタビンN30、VP Sand
uvor PR−31(以上クラリアント社製)、サイ
ヤソーブUV3529(サイテック社製)がある。ヒン
ダードアミン系化合物含有安定化剤としては、特開昭6
3−286448号に記載された組成物(商品名 チヌ
ビン 492、チヌビン 494、チバガイギー社製)
が例示される。光安定剤を使用する場合、その量は、耐
候性改良効果と光安定剤のブルーミングの抑制のバラン
スの観点から、多層フィルムの全重量に対して約0.0
2〜約5重量%の範囲が好ましく、約0.1〜約2重量
%がより好ましく、約0.5〜約2重量%が更に好まし
い。耐候性改良効果の観点から、光安定剤は下記の紫外
線吸収剤と併用することがより好ましい。
【0038】本発明の多層フィルムは少なくとも一種類
の紫外線吸収剤を含有することができる。紫外線吸収剤
は、有機化合物であっても無機化合物であってもよい。
使用できる有機系紫外線吸収剤の例は、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、
ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫
外線吸収剤等などである。無機系紫外線吸収剤は、酸化
セリウムや酸化チタンなどの金属酸化物を含有するもの
でよく、例えば、日本無機化学工業製で商品名:セリガ
ードとして市販されている紫外線吸収剤を使用すること
ができる。紫外線吸収剤を使用する場合、その量は、耐
候性改良効果と紫外線吸収剤のブルーミング抑制のバラ
ンスの観点から、多層フィルムの全重量に対して、約
0.01〜約3重量%の範囲が好ましく、約0.05〜
約1重量%がより好ましい。
【0039】本発明の多層フィルムは、必要に応じて、
一般に使用されている安定剤(例えば酸化防止剤、熱安
定剤)、アンチブロッキング剤、滑剤、帯電防止剤、顔
料等の添加剤を含有することができる。
【0040】本発明の積層フィルムは、近赤外線遮断剤
を含有することができる。近赤外線遮断剤を含有する多
層フィルムをグリーンハウスの被覆材として用いると、
暑い時期の日中のハウス内部の温度低下を抑制すること
ができる。近赤外線遮断剤としては、例えば、特開平1
0−193522号公報に開示されている有機化合物
(例えば、ニトロソ化合物およびその金属錯塩、シアニ
ン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケ
ル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリル
メタン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系
化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合
物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物)および無機
化合物(例えば、カーボンブラック、酸化アンチモン、
酸化インジウムがドープされた酸化錫、周期律表の4
A、5Aまたは6A族に属する金属の酸化物もしくは炭
化物、ホウ素化合物)が挙げられる。本発明の多層フィ
ルムの表面に近赤外線遮断剤を含む被膜を形成させても
よい。該被膜の形成方法としては、例えば、近赤外線遮
断剤と水溶性樹脂バインダーを含む塗工液を多層フィル
ムに塗布し乾燥する方法が挙げられる。
【0041】本発明の多層フィルムは、第三層の表面に
防曇性被膜を有することができる。防曇性被膜を有する
多層フィルムは、防曇性被膜が農園芸用ハウスの内側に
向くように展張することにより、長期間に亘って優れた
防曇性を発揮することができる。防曇性被膜は、第一層
の表面に更に形成することもできる。
【0042】防曇性被膜としては、例えば、コロイダル
シリカやコロイダルアルミナに代表される無機酸化ゾル
のコーティング膜、界面活性剤を主成分とする液のコー
ティング膜、親水性樹脂を主成分とする液のコーティン
グ膜等のコーティング膜や親水性樹脂を主成分とするキ
ャスト膜等が例示できる。親水性樹脂としては、ポリビ
ニルアルコール、多糖類、ポリアクリル酸などが挙げら
れる。防曇性被膜の形成方法は、被膜を形成させる表面
に防曇剤含有コーティング液を塗布してこれを乾燥させ
るコーティング法であってもよいし、キャスト法等によ
り予め防曇性薄膜を作成し、これを被膜を形成させる面
上に積層する方法でもよい。
【0043】本発明の多層フィルムの厚さは、フィルム
強度とフィルムの中継ぎ加工性や被覆作業性の観点か
ら、約0.02mm〜約0.3mmの範囲が好ましく、約
0.05mm〜約0.25mmがより好ましい。また、各層
の層厚みとしては、第一層については全体の層厚みの1
0〜30%、第二層については全体の層厚みの40〜8
0%、第三層については全体の層厚みの10〜30%が
好ましい。
【0044】本発明の多層フィルムの製造方法は、特に
限定されない。本発明の多層フィルムは、以下に示す方
法によって製造することができる。各層用の樹脂材料
に、必要に応じて選択された添加剤を加え、リボンブレ
ンダー、スーパーミキサー、バンバリーミキサー、1軸
あるいは2軸押出機などの混合機によってこれらを混合
して樹脂組成物を得る。こうして得られた各層用の樹脂
組成物を用いて、多層Tダイフィルム成形法や多層イン
フレーションフィルム成形法などによって多層フィルム
を製造することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、防曇性および防曇性持
続性に優れ、かつ、強度にも優れる多層フィルムが提供
される。この多層フィルムは、防曇性、防曇性持続性お
よび強度に優れるので、農園芸用施設の被覆フィルムと
して好適に用いることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものでない。なお、実施例および比較例
中の試験方法は以下のとおりである。
【0047】(1)防曇性試験 フィルムを縦34×横5cmのアクリル製の枠に両面テ
ープで貼り付け、試験面を下にして、温度一定の環境試
験室内に置いた恒温水槽の上に水平面に対して15度の
傾斜をつけて設置する。このときの温度条件(環境試験
室/恒温水槽)は、低温試験:3℃/20℃、高温試
験:20℃/40℃とした。そして、フィルム面の水滴
の様子を観察して、以下の基準で判定する。 ○:フィルム面が均一に濡れている。 △:部分的に水滴が付着しているところがある。 ×:全体に水滴が付着し、白く曇っている。
【0048】(2)防曇性持続性試験 パイプのスパン間隔50cmの農業用パイプハウス(間
口5.7m/高さ3.3m/奥行25m)にサンプルフ
ィルムを取り付け(7月初旬)、緑肥(作物:クロラタ
リア)の栽培下、約1ヶ月後の8月初旬の早朝(天候:
晴れ)に、結露後の流れ開始性を目視にて評価し、以下
の基準で判定する。 ○:結露流れが5本(スパン幅50cm当たり)以上あ
り、ハウス内が見える。 △:結露流れが5本(スパン幅50cm当たり)未満で
あり、ハウス内が少し見える。 ×:結露流れが全くみられず、全体に水滴が付着し、白
く曇ってハウス内が見えない。
【0049】(3)強靭性 JIS1号ダンベルで打抜いた試験片を、オートグラフ
DSS100(島津製作所製)を用いて、引張り試験を
行い、引張破断強度(MPa)を測定した。MD方向、
TD方向の平均値を示す。
【0050】実施例1〜6および比較例1、2 下記の要領で、第一層、第三層および第一層と第三層に
挟まれた第二層からなる三層チューブ(基材)を得るこ
とができる。第一層はチューブの内層、第二層はチュー
ブの中間層、第三層はチューブの外層である。各層の組
成は表1または2に記載された通りであった。成分を示
す記号の後の括弧内の数値は、その成分が含まれる層の
全成分の合計量に対するその成分の量の百分率である。
まず、各層に含まれる成分をバンバリーミキサーを用い
て150℃で5分間混練した後、造粒機により造粒し
て、各層を構成する樹脂組成物をペレットの形で得た。
各層用の樹脂組成物ペレットまたは樹脂ペレットを用い
て各層が表に記載された厚みになるように三層インフレ
ーションフィルム成形機によって三層チューブを成形し
た。
【0051】このようにして得られたフィルムの評価結
果を表1または2に示した。実施例1の多層フィルム
は、防曇性、防曇持続性、および強靭性に優れていた。
また、実施例のフィルムは、保温性、透明性、防塵性お
よびアンチブロッキング性にも優れていた。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】なお、表1および表2に記載した略号は以
下のとおりである。 A1:エチレン/ヘキセン共重合体(商品名:スミカセ
ンE FV404;MFR:4.0g/10分;密度
0.927g/cm3;住友化学工業製) A2:エチレン/酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテ
ートH2031;酢酸ビニル含有量:19重量%;MF
R:1.5g/10分;密度:0.940g/cm3
住友化学工業製) A3:エチレン/ヘキセン共重合体(商品名:スミカセ
ンE FV402;MFR:4.0g/10分;密度
0.915g/cm3;住友化学工業製) A4:エチレン/酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテ
ートD2011;酢酸ビニル含有量:5重量%;MF
R:1.8g/10分;密度:0.922g/cm3
住友化学工業製) A5:エチレン/ヘキセン共重合体(商品名:スミカセ
ンE FV401;MFR:4.1g/10分;密度:
0.904g/cm3;住友化学工業製) A6:エチレン/ヘキセン共重合体(商品名:スミカセ
ンE FV201;MFR:1.7g/10分;密度
0.915g/cm3;住友化学工業製) A7:低密度ポリエチレン(商品名:スミカセンF20
8−1;MFR:1.4g/10分;密度:0.923
g/cm3;住友化学工業製) E1:商品名:スミライザーBP76 住友化学工業製 F1:ヒンダードアミン系化合物(商品名:キマソーブ
944LD チバガイギー製) G1:商品名:スミソーブ130 住友化学工業製 H1: モノグリセリンモノステアレート/ジグリセリ
ンセスキステアレートの重量比=3/7なる混合物 H2:ソルビタンセスキステアレート H3:ソルビタンモノステアレートプロピレンオキシド
1モル付加物 I1:フッ素系界面活性剤(商品名:ユニダインDS4
03 ダイキン工業製) J1: リチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:ミス゛カラック 水
沢化学工業製) K1:脂肪酸アミド化合物 エチレンビスオレイン酸ア
ミド K2:脂肪酸アミド化合物 エルカ酸アミド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南部 仁成 大阪府高槻市塚原2丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 Fターム(参考) 2B024 DB01 DB07 2B029 EB03 EC02 EC09 EC20 4F100 AK06 AK63A AK63B AK63C AK68B AK68C AL05B AL05C BA03 BA10A BA10C BA16 BA26 BA27 CA07 CA18B CA19 GB01 JA13B JA13C JK01 JL07 YY00B YY00C

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記第一層、第三層および第一層と第三層
    との間にある第二層からなり、少なくとも第三層に1種
    類以上の界面活性剤を含有してなることを特徴とする多
    層フィルム。 第一層: エチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン
    共重合体を主成分とする層 第二層: エチレン/酢酸ビニル共重合体および該エチ
    レン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり25〜1
    00重量部のエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィ
    ン共重合体からなる樹脂組成物からなる層 第三層: エチレン/酢酸ビニル共重合体および該エチ
    レン/酢酸ビニル共重合体100重量部あたり0〜50
    重量部のエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン共
    重合体からなる樹脂組成物からなる層
  2. 【請求項2】第三層の樹脂組成物がエチレン/炭素数4
    〜12のα−オレフィン共重合体を含有し、第二層の樹
    脂組成物が含有するエチレン/炭素数4〜12のα−オ
    レフィン共重合体の密度d2と第三層の樹脂組成物が含
    有するエチレン/炭素数4〜12のα−オレフィン共重
    合体の密度d3とが、式:d2≧d3を満たすことを特徴
    とする請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 【請求項3】第二層が界面活性剤を含有し、第一層のエ
    チレン/炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体の密
    度d1と第二層の樹脂組成物が含有するエチレン/炭素
    数4〜12のα−オレフィン共重合体の密度d2とが、
    式:d1≧d2を満たすことを特徴とする請求項1または
    2に記載の多層フィルム。
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