JP2001106834A - オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品 - Google Patents

オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品

Info

Publication number
JP2001106834A
JP2001106834A JP2000228533A JP2000228533A JP2001106834A JP 2001106834 A JP2001106834 A JP 2001106834A JP 2000228533 A JP2000228533 A JP 2000228533A JP 2000228533 A JP2000228533 A JP 2000228533A JP 2001106834 A JP2001106834 A JP 2001106834A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
resin composition
olefin resin
inorganic compound
olefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000228533A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoki Kojima
伴樹 児島
Taiichi Sakatani
泰一 阪谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumika Plastech Co Ltd, Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumika Plastech Co Ltd
Priority to JP2000228533A priority Critical patent/JP2001106834A/ja
Publication of JP2001106834A publication Critical patent/JP2001106834A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/24Structural elements or technologies for improving thermal insulation
    • Y02A30/254Roof garden systems; Roof coverings with high solar reflectance
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/32Roof garden systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/14Measures for saving energy, e.g. in green houses

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】農業用フィルムをはじめとする透明性に優れた
種々の成形品の素材として好適なオレフィン系樹脂組成
物、およびそれを用いた成形品を提供する。 【解決手段】オレフィン系樹脂と無機化合物粒子とから
なるオレフィン系樹脂組成物において、前記オレフィン
系樹脂としてエチレンおよび/またはα−オレフィンと
アルケニル芳香族炭化水素との共重合体を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた透明性を要
求される樹脂製品の素材として好適なオレフィン系樹脂
組成物、およびそれを用いた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オレフィン系樹脂と種々の無機化
合物粒子とからなる樹脂組成物は多く知られており、例
えば輻射線遮断性などの固有の機能を有する無機化合物
粒子を含有するオレフィン系樹脂組成物は、農業用ハウ
スなどの被覆フィルムにも適用されている(特開昭52
−105953号公報など)。例えば農業用ハウスにお
いては、その外部から内部を観察することができるよう
に被覆フィルムが透明であることが望まれるが、輻射線
遮断剤等として機能する無機化合物粒子を含有する従来
のオレフィン系樹脂組成物からなるフィルムは、透明性
が必ずしも十分ではなかった。このような状況の下、無
機化合物粒子を含有し、かつ透明性に優れたオレフィン
系樹脂組成物が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オレ
フィン系樹脂と無機化合物粒子とからなり、農業用フィ
ルムなどの透明性に優れた樹脂製品の素材として好適な
オレフィン系樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するべく鋭意検討した結果、オレフィン系樹脂と
無機化合物粒子とからなるオレフィン系樹脂組成物にお
いて、オレフィン系樹脂としてエチレンおよび/または
α−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合
体を用いることにより上記目的を達成し得ることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、オレフィン系樹脂と無
機化合物粒子とからなるオレフィン系樹脂組成物であっ
て、前記オレフィン系樹脂がエチレンおよび/またはα
−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合体
である組成物を提供する。この樹脂組成物は透明性に優
れ、従来のオレフィン系樹脂組成物に比べて透明性によ
り優れた樹脂製品を与えることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン系樹脂組成物
は、オレフィン系樹脂と無機化合物粒子とからなる組成
物であって、前記オレフィン系樹脂がエチレンおよび/
またはα−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素との
共重合体であることを特徴とする。
【0007】本発明のオレフィン系樹脂組成物は、オレ
フィン系樹脂としてエチレンおよび/またはα−オレフ
ィンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合体(以下、
共重合体(A)と記すことがある)を含有することに特
徴があり、該組成物は、かかる共重合体を含むことによ
り他のオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物に比べて透
明性に優れる。なお、前記「エチレンおよび/またはα
−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合
体」は、エチレン/α−オレフィン/アルケニル芳香族
炭化水素共重合体、エチレン/アルケニル芳香族炭化水
素共重合体、およびα−オレフィン/アルケニル芳香族
炭化水素共重合体からなる群から選ばれる少なくとも一
つの共重合体を意味する。
【0008】共重合体(A)中に含まれるアルケニル芳
香族炭化水素由来の繰り返し単位の量は、併せて用いら
れる無機化合物粒子の種類、本発明の組成物の用途に応
じて適宜選択されるが、例えば高度の透明性に加えて保
温性および柔軟性にも優れた農業用フィルム用の組成物
においては、アルケニル芳香族炭化水素由来の繰り返し
単位の量は、5〜40モル%程度が好ましく、10〜4
0モル%程度がより好ましい。
【0009】共重合体(A)におけるα−オレフィンと
しては、炭素原子数3〜20のα−オレフィンが好まし
く、その具体例としては、プロピレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−
1、ノネン−1、デセン−1等の直鎖状α−オレフィ
ン、3−メチルブテン−1、3−メチルペンテン−1、
4−メチルペンテン−1、5−メチル−ヘキセン−1等
の分岐α−オレフィン、ビニルシクロヘキサン等が挙げ
られる。特に好ましいα−オレフィンは、プロピレン、
ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−
1、オクテン−1、4−メチルペンテン−1およびビニ
ルシクロヘキサンであり、中でもプロピレンが特に好ま
しい。
【0010】共重合体(A)におけるアルケニル芳香族
炭化水素としては、炭素原子数6〜25の芳香族炭化水
素基を有するアルケニル芳香族炭化水素が好ましく、か
かる芳香族炭化水素基の具体例としては、フェニル基、
トリル基、キシリル基、tert−ブチルフェニル基、
ビニルフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ア
ントラセニル基等を挙げることができる。フェニル基、
トリル基、キシリル基、tert−ブチルフェニル基、
ビニルフェニル基およびナフチル基が特に好ましい。前
記アルケニル芳香族炭化水素の具体例としては、スチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メ
チルスチレン、 p−エチルスチレン、m−エチルスチ
レン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチ
レン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エ
チルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−s
ec−ブチルスチレンなどのアルキルスチレン;2−フ
ェニルプロピレン、2−フェニルブテン等のアルケニル
ベンゼン;1−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン
等を挙げることができる。中でもスチレン、p−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、2−フェニルプロピレ
ンおよび1−ビニルナフタレンが好ましく、特にスチレ
ンが好ましい。
【0011】共重合体(A)のうちの少なくとも一種類
の共重合体が、アルケニル芳香族炭化水素由来の繰り返
し単位が実質的に立体規則性を有しない共重合体である
ことにより、本発明の組成物は透明性および柔軟性に優
れたものとなる。従って、共重合体(A)のうちの少な
くとも一種類の共重合体が、アルケニル芳香族炭化水素
由来の繰り返し単位が実質的に立体規則性を有しない共
重合体であることが好ましい。共重合体中のアルケニル
芳香族炭化水素由来の繰り返し単位が実質的に立体規則
性を有しないことは、その共重合体の13C−NMRスペ
クトルにおいて、メチレン基(Sαβ、Sββ)に相当
するシグナルがマルチプレットとして観測されることに
より確認することができる。
【0012】共重合体(A)のうちの少なくとも一種類
の共重合体が実質的に結晶性を有しないことにより、本
発明の組成物は透明性により優れたものとなる。従っ
て、共重合体(A)のうちの少なくとも一種類の共重合
体が実質的に結晶性を有しない共重合体であることが好
ましい。ここで、実質的に結晶性を有しない共重合体と
は、そのDSCチャートにおいてピークを実質的に示さ
ない共重合体を意味する。
【0013】共重合体(A)のうちの少なくとも一種類
の共重合体は、13C−NMRスペクトルにおいて36.
0〜38.0ppmに現れるピークの面積に対する3
4.0〜36.0ppmに現れるピークの面積の比が
0.01〜0.25であるエチレン/アルケニル芳香族
炭化水素共重合体であることが好ましい。かかる共重合
体を含有する組成物は高度な透明性を有する。
【0014】また、共重合体(A)のうちの少なくとも
一種類の共重合体の損失正接(tanδ)の極大値xと
アルケニル芳香族炭化水素由来の繰り返し単位分率S
(モル%)とが下記式(1)を満足することにより、本
発明の組成物は柔軟性に優れたものとなる。従って、共
重合体(A)のうちの少なくとも一種類の共重合体が、
下記式(1)を満たす共重合体であることが好ましく、
更に、下記式(2)を満たすものが特に好ましい。 x>−0.0005×S2+0.06×S+0.04 (1) x>−0.0005×S2+0.06×S+0.17 (2)
【0015】式(1)および(2)において、tanδ
とは、固体の動的粘弾性を20mm×3.0mm×0.
3mmのプレスシートについて周波数5Hz、昇温速度
2℃/分、変位振幅10μmの条件で測定して得られた
貯蔵弾性率(E’)に対する損失弾性率(E’’)の比
(E’’/E’)である。
【0016】本発明におけるエチレンおよび/またはα
−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素との共重合体
の製造方法に特に制限はなく、例えばバッチ式または連
続式の気相重合法、塊状重合法、溶媒を使用した溶液重
合法あるいはスラリー重合法など、種々の方法を適用す
ることができる。重合触媒としては、例えばチーグラー
触媒や、特開平3−250007号公報、特開平7−7
0223号公報、WO98/09999、特開平9−3
09925号公報、特開平9−87313号公報、特開
平9−183809号公報などに記載されるようなメタ
ロセン系触媒を用いることができるが、これらには限定
されない。重合においては、重合体の分子量を調節する
ために水素などの連鎖移動剤を使用することもできる。
【0017】本発明の組成物における共重合体(A)
は、例えば下記(B)と、(C)および/または(D)
とを用いてなる触媒を用いて製造することができる。 (B):下記一般式[I]、[II]または[III]で表
される遷移金属錯体 (上記一般式[I]〜[III]においてそれぞれ、M1
元素の周期律表の第4族の遷移金属原子を示し、Aは元
素の周期律表の第16族の原子を示し、Jは元素の周期
律表の第14族の原子を示す。Cp1はシクロペンタジ
エン形アニオン骨格を有する基を示す。X1、X2
1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ独立に、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、ア
リール基、置換シリル基、アルコキシ基、アラルキルオ
キシ基、アリールオキシ基又は2置換アミノ基を示す。
3は元素の周期律表の第16族の原子を示す。R1、R
2、R3、R4、R5及びR6は任意に結合して環を形成し
てもよい。一般式[II]または[III]における二つの
1、A、J、Cp1、X1、X2、X3、R1、R2、R3
4、R5およびR6はそれぞれ同じであっても異なって
いてもよい。) (C):下記(C1)〜(C3)から選ばれる1種以上
のアルミニウム化合物 (C1)一般式 E1 aAlZ3-aで示される有機アルミ
ニウム化合物 (C2)一般式 {−Al(E2)−O−}bで示される
構造を有する環状のアルミノキサン (C3)一般式 E3{−Al(E3)−O−}cAlE3
2で示される構造を有する線状のアルミノキサン (但し、E1、E2およびE3は、それぞれ炭化水素基で
あり、全てのE1、全てのE2および全てのE3は同じで
あっても異なっていても良い。Zは水素原子またはハロ
ゲン原子を表し、全てのZは同じであっても異なってい
ても良い。aは0<a≦3を満足する数を、bは2以上
の整数を、cは1以上の整数を表す。) (D):下記(D1)〜(D3)のいずれかのホウ素化
合物 (D1)一般式 BQ123で表されるホウ素化合
物、 (D2)一般式 G+(BQ1234-で表されるホ
ウ素化合物、 (D3)一般式 (L−H)+(BQ1234-で表
されるホウ素化合物 (但し、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q
1〜Q4はハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水
素基、置換シリル基、アルコキシ基または2置換アミノ
基であり、それらは同じであっても異なっていても良
い。G+は無機または有機のカチオンであり、Lは中性
ルイス塩基であり、(L−H)+はブレンステッド酸で
ある。)
【0018】(B)遷移金属錯体 上記一般式[I]で表される遷移金属錯体は、たとえば
WO97/03992号公開明細書に記載の方法で製造
できる。また上記一般式[II]または[III]で表され
る遷移金属錯体は、上記一般式[I]で表される遷移金
属錯体を、それぞれ0.5モル倍量または1モル倍量の
水と反応させることにより製造することができる。その
際、上記一般式[I]で表される遷移金属錯体と必要量
の水を直接反応させる方法、必要量の水を含んだ炭化水
素等の溶媒中に上記一般式[I]で表される遷移金属錯
体を投入する方法、乾燥させた炭化水素等の溶媒に上記
一般式[I]で表される遷移金属錯体を投入し、さらに
必要量の水を含んだ不活性ガス等を流通させる方法等を
採用することができる。
【0019】(C)アルミニウム化合物 アルミニウム化合物(C)としては、例えば、トリエチ
ルアルミニウム、またはトリイソブチルアルミニウム、
メチルアルミキサン、その他のアルキルアルモキサンを
挙げることができる。
【0020】(D)ホウ素化合物 ホウ素化合物(D)としては、例えば、トリフェニルメ
チルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニ
ウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを
挙げることができる。
【0021】エチレンおよび/またはα−オレフィンと
アルケニル芳香族炭化水素との共重合体は、上記の遷移
金属錯体(B)と、上記(C)および/または上記
(D)とを用いてなるオレフィン重合用触媒を用いて、
エチレンとアルケニル芳香族炭化水素とを共重合するこ
とにより得ることができる。(B)、(C)2成分より
なるオレフィン重合用触媒を用いる際は、(C)として
は、前記の環状のアルミノキサン(C2)および/また
は線状のアルミノキサン(C3)が好ましい。また他に
好ましいオレフィン重合用触媒の態様としては、上記
(B)、(C)および(D)を用いてなるオレフィン重
合用触媒が挙げられ、その際の該(C)としては前記の
(C1)が使用しやすい。
【0022】各成分の使用量は通常、(C)/(B)の
モル比が0.1〜10000で、好ましくは5〜200
0、(D)/(B)のモル比が0.01〜100で、好
ましくは0.5〜10の範囲にあるように、各成分を用
いることが望ましい。
【0023】本発明の組成物は、前記共重合体(A)の
使用による効果が著しく損なわれない範囲で上記以外の
オレフィン系樹脂を含有することができる。
【0024】本発明のオレフィン系樹脂組成物は、無機
化合物粒子を含有する。この無機化合物粒子は、共重合
体(A)に配合されて固有の機能を奏する、いわゆる機
能性無機化合物粒子である。その機能は任意であり、組
成物の用途に応じて選択されるが、例えば輻射線遮断機
能、紫外線遮断機能、補強機能、増量機能、抗ブロッキ
ング機能、滑性付与機能、ガスバリア機能、易引裂き性
付与機能などが挙げられる。従って、本発明の組成物
は、かかる無機化合物粒子により奏される機能を有し、
透明性に優れた組成物である。前記無機化合物粒子は体
積基準平均粒子径が10μm以下であることが好まし
い。体積基準平均粒子径が10μmを越えると、たとえ
オレフィン系樹脂として前記エチレンおよび/またはα
−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素の共重合体を
使用しても組成物の透明性の低下が明らかとなってく
る。本発明において、無機化合物粒子の体積基準平均粒
子径は、より好ましくは0.05〜5μm、更に好まし
くは0.1〜3μm、特に好ましくは0.2〜1μmで
ある。本明細書における無機化合物粒子の体積基準平均
粒子径は、体積基準の粒度分布に基づく無機化合物の粒
子径であって、散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製
型式:LA−910)を用いて、バッチセル中に試料
の1%水分散液を入れ、3分間超音波処理した後の測定
値である。また、無機化合物粒子のBET法による比表
面積は、好ましくは1〜30m2/gであり、より好ま
しくは2〜20m2/gである。なお、無機化合物粒子
は、組成物中での分散性改良のために高級脂肪酸、高級
脂肪酸のアルカリ金属塩等により表面処理が施されてい
てもよい。
【0025】該無機化合物粒子と前記共重合体(A)と
の屈折率の差(△n)は−0.1<△n<0.1である
ことが好ましく、−0.05<△n<0.05であるこ
とがより、−0.02<△n<0.02であることが更
に好ましく、−0.01<△n<0.01であることが
特に好ましい。△nの値がゼロに近づくほど組成物の透
明性は向上する。前記共重合体(A)の屈折率は、モノ
マー組成を変化させることにより調節することができ、
一般にエチレンおよび/またはα−オレフィンの比率を
増加すると屈折率は小さくなり、アルケニル芳香族炭化
水素の比率を増加すると屈折率は大きくなる。共重合体
(A)のモノマー組成を変化させることにより前記無機
化合物粒子との屈折率差(△n)を変化させることがで
き、△nをゼロに近づけることも可能である。
【0026】本発明の組成物中の無機化合物粒子につい
て、その種類は組成物の用途や組成物に求められる機能
に応じて適宜選択することができる。例えば、農業用ハ
ウス等の被覆フィルム用の組成物においては、Si、A
l、Mg、Ca、Zn、Ti、CeおよびZrから選ば
れた少なくとも一つの原子を含有する無機化合物が好ま
しく選択され、これらの原子を含有する酸化物、水酸化
物、および下記一般式[I]〜[V]で表わされる複合
化合物などが用いられる。
【0027】前記無機化合物の具体例としては、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化
珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、
酸化亜鉛などの酸化物;水酸化リチウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの
水酸化物;リチウムアルミニウム複合水酸化物、ハイド
ロタルサイト類化合物などの複合水酸化物;炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウムなどの炭酸塩;硫酸カリウム、
硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸ア
ルミニウムなどの硫酸塩;燐酸リチウム、燐酸ナトリウ
ム、燐酸カリウム、燐酸カルシウムなどの燐酸塩;珪酸
マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪
酸チタンなどの珪酸塩;アルミン酸ナトリウム、アルミ
ン酸カリウム、アルミン酸カルシウムなどのアルミン酸
塩;アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、
アルミノ珪酸カルシウムなどのアルミノ珪酸塩;カオリ
ン、クレー、タルク、マイカ、モンモリロナイトなどの
粘土鉱物;複合酸化物などが挙げられ、これらは単独で
用いることも2種類以上を併用することもできる。
【0028】特に、保温性に優れる被覆フィルム用の組
成物においては、Si、Al、MgおよびCaから選ば
れた少なくとも一つの原子を含有する無機化合物が好ま
しく用いられる。中でも、幅広い波長域に吸収性能を持
つ、例えばハイドロタルサイト類化合物、リチウムアル
ミニウム複合水酸化物などの複合水酸化物、アルミノ珪
酸塩等が好ましい。
【0029】上記ハイドロタルサイト類化合物とは、下
記式(I): M2+ (1-x)Al3+ x(OH-2(A1n-x/n・mH2O (I) (式中、M2+は2価金属イオンであり、A1n-はn価の
アニオンであり、x、mおよびnは、0<x<0.5、
0≦m≦2、1≦nという条件を満たす。)で示される
化合物である。M2+としては、Mg2+、Ca2+、Zn2+
などが例示される。n価の陰イオンは特に限定されず、
例えばCl-、Br-、I-、NO3 -、ClO4 -、SO4 2-
CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 3-、HBO4 3-、P
4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-、CH3CO
-、C64(OH)COO-、(COO)2 2-、テレフ
タル酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン等の陰イオ
ンや、特開平8−217912に記載のポリ珪酸イオン
やポリ燐酸イオンが挙げられる。
【0030】具体的には、例えば天然ハイドロタルサイ
トやDHT−4A(商品名、協和化学工業製)のような
合成ハイドロタルサイトが挙げられる。また、カルシウ
ム・アルミニウム複合水酸化物:CaAlx(OH)
(2+3x)または水酸化カルシウムをハイドロタルサイト類
化合物と併用してもよい。
【0031】リチウムアルミニウム複合水酸化物として
は、例えば、特開平5−179052号公報に開示され
た下記式(II): Li+(Al3+2(OH-6・(A2 n-1/n・mH2O (II) (式中、A2 n-はn価の陰イオンであり、mおよびn
は、0≦m≦3、1≦nという条件を満たす)で示され
る化合物が挙げられる。n価の陰イオンは、特に限定さ
れないが、例えば、式(I)の化合物におけるA1 n-
同様の陰イオンが挙げられる。
【0032】上記2種類以外の複合水酸化物としては、
例えば、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSi
からなる群の中から選ばれた少なくとも一種の元素と、
LiおよびAlを含有し、かつ水酸基を有する複合水酸
化物が例示される。アルカリ土類金属の中では、マグネ
シウム、カルシウムが好ましい。また、遷移金属の中で
は、2価または3価の鉄、コバルト、ニッケル、マンガ
ンが好ましく、中でも鉄が特に好ましい。AlとLiの
モル比(Al/Li)は、通常1.5/1〜2.5/1
であり、好ましくは1.8/1〜2.5/1である。ま
た、アルカリ土類金属、遷移金属、ZnおよびSiから
なる群の中から選ばれた各元素のモル比(a)は、Li
元素1モルに対して、通常0<a<1.5であり、好ま
しくは0.1≦a≦1.4、更に好ましくは0.2≦a
≦1.2である。
【0033】かかる複合水酸化物の水酸基以外のアニオ
ン部分は、例えば、ピロケイ酸イオン、シクロケイ酸イ
オン、イソケイ酸イオン、フィロケイ酸イオン、テクト
ケイ酸イオン等のポリケイ酸イオン、炭酸イオン、ハロ
ゲン化物イオン、硫酸イオン、亜硫酸イオン、硝酸イオ
ン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、次
亜リン酸イオン、アルミン酸イオン、ケイ酸イオン、過
塩素酸イオン、ホウ酸イオン等の無機酸イオン、Fe
(CN)6 3-、Fe(CN)6 4-等のアニオン性遷移金属
錯体、酢酸イオン、安息香酸イオン、ギ酸イオン、テレ
フタル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン等の有機酸
イオンなどが挙げられる。これらの中でも、炭酸イオ
ン、ハロゲン化物イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、
ポリリン酸イオン、ケイ酸イオン、ポリケイ酸イオン、
過塩素酸イオンが好ましく、炭酸イオン、ポリリン酸イ
オン、ケイ酸イオン、ポリケイ酸イオンが特に好まし
い。
【0034】このような複合水酸化物の具体例として
は、Al、Li、Mgを含有し、かつAl/Li/Mg
=約2.3/1/0.28(モル比)である複合水酸化
物(商品名:LMA、富士化学工業製)や、Al、L
i、Siを含有し、かつAl/Li/Si= 約2/1
/1.2 (モル比)である複合水酸化物(商品名:フ
ジレインLS、富士化学工業製、体積基準平均粒子径=
0.9μm、BET法による比表面積=9m2/g)が
挙げられる。
【0035】WO97/00828に開示された下記式
(III): [(Li+ (1-x)2+ x)(Al3+)2(OH-)6]2(Siy(2y+1) 2-)(1+x)・mH2O (III) (式中、M2+は2価の金属イオンであり、m、xおよび
yは、0≦m<5、0≦x<1、2≦y≦4という条件
を満たす)で表わされる化合物、および特開平8−21
7912号公報に開示された下記式(IV): [(Li+ (1-x)2+ x)(Al3+)2(OH-)62(An-)2(1+x)/n・mH2O (IV) (式中、M2+は2価の金属イオンであり、An-はn価の
陰イオンであり、m、xおよびnは、0≦m<5、0.
01≦x<1、1≦nという条件を満たす)で表わされ
る化合物は、上記複合水酸化物の好ましい例である。式
(III)および(IV)におけるM2+としては、Mg2+
Ca2+、Zn2+などが例示される。
【0036】更に、特開平9−279131号公報に開
示された下記式(V): mAl23・(n/p)M2/pO・X・kH2O (V) (式中、Xは炭酸根であり、Mはアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属、pは金属Mの価数であり、m、nおよ
びkは、0.3≦m≦1、0.3≦n≦2、0.5≦k
≦4の条件を満たす)で示される塩基性炭酸アルミニウ
ム複塩も、本発明において無機化合物微粒子として好ま
しく用いられる。
【0037】上記式(V)におけるXとして硫黄のオキ
シ酸(硫酸、亜硫酸)、窒素のオキシ酸(硝酸、亜硝
酸)、塩化水素酸、塩素のオキシ酸(例えば、過塩素
酸)、リンのオキシ酸(リン酸、亜リン酸、メタリン
酸)などの無機アニオンや、酢酸、プロピオン酸、アジ
ピン酸、安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン
酸、フマル酸、コハク酸、p−オキシ安息香酸、サリチ
ル酸、ピクリン酸、トルエンスルホン酸などの有機アニ
オンを含む複塩を、上記塩基性炭酸アルミニウム複塩と
併用してもよい。
【0038】本発明のオレフィン系樹脂組成物は、樹脂
組成物の分野で通常使用される補助添加成分、例えば酸
化防止剤、熱安定剤、光安定剤、分散剤、滑剤、アンチ
ブロッキング剤、顔料、着色剤、防曇剤、帯電防止剤、
紫外線吸収剤、防霧剤などの添加剤を含有することがで
きる(「ポリマー添加剤の分離・分析技術、田中ら、19
87年、日本科学情報(株)」、「プラスチックおよびゴ
ム用添加剤実用便覧、後藤ら、1970年、(株)化学工業
社」参照)。また、各種添加剤は単独で用いてもよい
し、2種類以上を併用してもよい。
【0039】本発明のオレフィン系樹脂組成物における
前記無機化合物粒子の含有量に特段の制限はなく、組成
物の用途に応じた性能が確保される範囲で適宜設定する
ことができる。本発明の樹脂組成物は、それに含まれる
のと同じ種類、同じ量の無機化合物粒子を含有する従来
のオレフィン系樹脂組成物と比較してより優れた透明性
を有する。典型的には、例えば、本発明の樹脂組成物
は、共重合体(A)100重量部当たり1〜400重量
部の無機化合物粒子を含有することができる。特に、共
重合体(A)100重量部当たり10〜400重量部の
無機化合物粒子を含有しても優れた透明性を維持し得る
ことは、本発明のオレフィン系樹脂組成物の特筆すべき
特徴である。エチレン/酢酸ビニル共重合体などのオレ
フィン系樹脂と無機化合物とからなる従来公知の組成物
では、樹脂100重量部当たり10部に満たない無機化
合物を配合した場合であっても透明性は低い。これに対
して本発明のオレフィン系樹脂組成物は、エチレンおよ
び/またはα−オレフィンとアルケニル芳香族炭化水素
との共重合体(A)を含んでいることにより、該共重合
体(A)100重量部当たり10重量部以上、更には2
0重量部以上の無機化合物粒子を含んでも透明性に優れ
る。無機化合物粒子の量が400重量部を超えると、組
成物から得られる成形品の耐衝撃性が低下する傾向が明
らかになる。
【0040】本発明のオレフィン系樹脂組成物のうちで
も、無機化合物粒子として水酸基を有する無機化合物粒
子を含有する組成物は、当該組成物に含まれるのと同じ
種類、同じ量の無機化合物粒子を従来のオレフィン系樹
脂に配合してなる樹脂組成物と比較すると、同等以上の
高周波シール性を有すると共に透明性においてより優れ
る。また、本発明のオレフィン系樹脂組成物では、高周
波シール性を向上させるために水酸基を有する無機化合
物粒子の配合量を増しても、透明性の低下が著しく小さ
い。従って、無機化合物粒子として水酸基を有する無機
化合物粒子を含有する本発明のポリオレフィン系樹脂組
成物は、透明性に優れるとともに高周波シール性にも優
れることが望ましい農業用フィルムなどの製品の素材と
して好適に使用することができる。特に、下記式で定義
される値Zが3以上のときに樹脂組成物の高周波シール
性は特に優れ、Z値は4以上であることがより好まし
い。 Z=X×Y [式中、Xは無機化合物中の水酸基の量(mmol/g)で
あり、Yは樹脂組成物中の無機化合物の濃度(重量%)
である]。
【0041】本発明の樹脂組成物は、通常の樹脂組成物
の製造方法と同様の方法で、共重合体(A)に所定量の
無機化合物粒子を添加し、必要に応じて各種添加剤を更
に添加し、リボンブレンダー、スーパーミキサー、バン
バリーミキサー、1軸あるいは2軸押出機などの混合・
混練機によって混合・混練して調製することができる。
【0042】本発明の樹脂組成物はフィルムやシートを
始めとする種々の成形品に加工することができる。例え
ば本発明の樹脂組成物は、Tダイフィルム成形法、イン
フレーションフィルム成形法などによりフィルムに成形
することができる。このフィルムは、本発明の樹脂組成
物からなる単層フィルムであってもよいし、本発明の樹
脂組成物からなる層を、好ましくは主層として有する多
層フィルムであってもよい。このような多層フィルム
は、共押出Tダイフィルム成形法などによって製造する
ことができる。本発明の樹脂組成物は、フィルムの場合
と同様に単層シートおよび多層シートに適用することも
できる。
【0043】本発明の樹脂組成物を農業用のハウスやト
ンネルなどの被覆フィルムに用いる場合、フィルムの厚
みは、その強度、中継ぎ加工性、被覆作業性の観点か
ら、0.01〜1mm程度が好ましく、0.02〜0.
4mm程度がより好ましく、特に0.03〜0.2mm
程度が好ましい。
【0044】本発明の樹脂組成物を含む農業用被覆フィ
ルムには、耐候性を向上させる目的で光安定剤を配合し
てもよい。光安定剤の中ではヒンダードアミン系化合物
が好ましい。好ましいヒンダードアミン系化合物として
は、特開平8−73667号公報に記載された構造式を
有するものが挙げられ、具体例としては商品名チヌビン
622−LD、キマソーブ944−LD、ホスタビンN
30、VP Sanduvor PR−31、チヌビン
123がある。これらのヒンダードアミン系化合物は、
単独で用いても2種類以上を併用してもよい。ヒンダー
ドアミン系化合物含有安定化剤としては、特開昭63−
286448号に記載された組成物(チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ社製の商品名 チヌビン492、チヌ
ビン494等)が例示される。ヒンダードアミン系化合
物を配合する場合、耐候性改良効果とブルーミング抑制
の観点から、その配合量はフィルム重量に対して、通常
0.02〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%、よ
り好ましくは0.5〜2重量%の範囲である。光安定剤
を多層フィルムに配合する場合、多層フィルムのいずれ
の層に配合してもよく、2層以上に配合する場合、その
量は各層同じでも異なっていてもよい。また耐候性改良
効果の観点から、下記の紫外線吸収剤と併用することが
より好ましい。
【0045】農業用被覆フィルムには、上記光安定剤と
同様の目的で紫外線吸収剤を配合してもよい。かかる紫
外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾエ
ート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収
剤等の有機系紫外線吸収剤や、酸化セリウムや酸化チタ
ン、酸化亜鉛などの金属酸化物(商品名セリガード 日
本無機化学工業製)等の無機系紫外線吸収剤などが挙げ
られる。また、これらの紫外線吸収剤は単独で用いても
2種類以上を併用してもよい。紫外線吸収剤をフィルム
に配合する場合、その配合量は、耐候性改良効果とブル
ーミング抑制の観点から、フィルム重量に対して、通常
0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜1重量%の
範囲である。紫外線吸収剤を多層フィルムに配合する場
合、多層フィルムの場合いずれの層に配合してもよく、
2層以上に配合する場合、その配合量は各層同じでも異
なっていてもよい。
【0046】農業用被覆フィルムには、防曇性を付与す
る目的で防曇剤を配合してもよい。防曇剤を配合する場
合、その配合量はフィルム重量に対して、通常0.1〜
4重量%、好ましくは、0.5〜3重量%、更に好まし
くは、1.5〜3重量%、特に好ましくは2.2〜2.
8重量%である。多層フィルムの場合、防曇剤はいずれ
の層に配合してもよく、2層以上に配合する場合その配
合量は各層同じでも異なっていてもよい。
【0047】防曇剤としては、常温(23℃)で固体状
のものと液体状のものとがあり、固体状の防曇剤として
は、非イオン性界面活性剤、例えば、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタン
モノベヘネート、ソルビタンモノモンタネートなどのソ
ルビタン脂肪酸エステル系界面活性剤、グリセリンモノ
ラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリン
モノステアレート、ジグリセリンジステアレート、トリ
グリセリンモノステアレート、テトラグリセリンモノモ
ンタネートなどのグリセリン脂肪酸エステル系界面活性
剤、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエ
チレングリコールモノステアレートなどのポリエチレン
グリコール系界面活性剤、アルキルフェノールのアルキ
レンオキシド付加物、ソルビタン/グリセリン縮合物と
有機酸とのエステル;ポリオキシエチレン(2モル)ス
テアリルアミン、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリ
ルアミン、ポリオキシエチレン(4モル)ステアリルア
ミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン化合物、ポ
リオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモノステ
アレート、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルア
ミンジステアレート、ポリオキシエチレン(4モル)ス
テアリルアミンモノステアレート、ポリオキシエチレン
(4モル)ステアリルアミンジステアレート、ポリオキ
シエチレン(8モル)ステアリルアミンモノステアレー
ト、ポリオキシエチレン(2モル)ステアリルアミンモ
ノベヘネート、ポリオキシエチレン(2モル)ラウリル
アミンステアレート等のポリオキシエチレンアルキルア
ミン化合物の脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(2
モル)ステアリン酸アミド等のポリオキシエチレンアル
キルアミン化合物の脂肪酸アミド等のアミン系界面活性
剤などが挙げられる。更に、フィルムに常温で液体状の
防曇剤を配合すると保管時および展張時の光線透過性の
劣化を回避することができることから、少なくとも1種
類の常温で液体状の防曇剤を配合することは有効であ
る。
【0048】常温で液状の防曇剤としては、例えば、グ
リセリンモノオレエート、ジグリセリンモノオレエー
ト、ジグリセリンセスキオレエート、テトラグリセリン
モノオレエート、ヘキサグリセリンモノオレエート、テ
トラグリセリントリオレエート、ヘキサグリセリンペン
タオレエート、テトラグリセリンモノラウレート、ヘキ
サグリセリンモノラウレート等のグリセリン系脂肪酸エ
ステルが、また、ソルビタンモノオレエート、ソルビタ
ンジオレエート、ソルビタンモノラウレートなどのソル
ビタン脂肪酸エステルが挙げられる。液状の防曇剤をフ
ィルムに配合する場合、その配合量は、フィルム重量に
対して、通常0.2〜3重量%、好ましくは0.5〜2
重量%の範囲である。
【0049】またフィルムの透明性を長期間持続させる
ために、該フィルムの少なくとも内表面(ハウス等の内
側に向く面)に更に防曇性被膜を形成させてもよい。か
かる防曇性被膜とは、例えば、コロイダルシリカやコロ
イダルアルミナに代表される無機酸化ゾルのコーティン
グ膜、界面活性剤を主成分とする液のコーティング膜、
親水性樹脂を主成分とする液のコーティング膜等のコー
ティング膜や親水性樹脂を主成分とする膜等が例示でき
る。ここで親水性樹脂として、ポリビニルアルコール、
多糖類、ポリアクリル酸などが挙げられる。被膜形成の
方法は、コーティング法であってもよいし、親水性樹脂
を主成分とする膜を製膜後、フィルムに積層する方法で
もよい。
【0050】更にフィルムには、防霧性を付与する目的
で防霧剤を配合することができる。かかる防霧剤として
は、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアル
キル基等を有するフッ素化合物(特にフッ素系界面活性
剤)、アルキルシロキサン基を有するシリコン系化合物
(特にシリコン系界面活性剤)等が挙げられる。防霧剤
を配合する場合、その配合量はフィルム重量に対して、
通常0.01〜3重量%、好ましくは0.02〜1重量
%の範囲である。防霧剤を多層フィルムに配合する場
合、防霧剤は多層フィルムのいずれの層に配合してもよ
く、2層以上に含有させる場合その配合量は各層同じで
も異なっていてもよい。
【0051】農業用被覆フィルムには、必要に応じて上
記以外の各種安定剤(例えばニッケル系化合物の光安定
剤、酸化防止剤、熱安定剤)、アンチブロッキング剤、
滑剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤を添加することがで
きる。また農業用被覆フィルムには、暑い時期の日中の
ハウス内部の温度低下を目的として、近赤外線遮断剤を
配合することができる。かかる近赤外線遮断剤として
は、例えば、特開平10−193522号公報に開示さ
れている有機化合物(例えば、ニトロソ化合物およびそ
の金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合
物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系
化合物、トリアリルメタン系化合物、イモニウム系化合
物、ジイモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、ア
ントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系
化合物)および無機化合物(例えばカーボンブラック、
酸化アンチモン、酸化インジウムがドープされた酸化
錫、周期律表の4A、5Aまたは6A族に属する金属の
酸化物もしくは炭化物、ホウ素化合物)が挙げられる。
また、近赤外線遮断剤が無機化合物あるいは有機顔料で
ある場合には、樹脂との屈折率差を小さくすることでフ
ィルムの透明性を高めることができる。上記の各種添加
剤は単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよ
く、各種添加剤を配合する場合、多層フィルムの場合フ
ィルムのいずれの層に配合してもよく、2層以上に配合
する場合、その量は各層同じでも異なっていてもよい。
【0052】農業用被覆フィルムの表面には、近赤外線
遮断剤を含む被膜を形成させてもよい。該被膜の形成方
法としては、例えば、近赤外線遮断剤と水溶性樹脂バイ
ンダーを含む塗工液をフィルムに塗布し乾燥する方法が
挙げられる。
【0053】
【発明の効果】本発明のオレフィン系樹脂組成物は透明
性に優れており、種々の成形体の素材として有用であ
る。例えば、該組成物からなるフィルムは透明性に優れ
ており、農業用ハウス、トンネル、カーテン、マルチン
グ等の被覆材として有用である。また、本発明のオレフ
ィン系樹脂組成物は、看板、高速道路などの騒音防止に
用いられる透光板、窓ガラス、自動車用ガラス、サンル
ーフ、飲料または食品用ボトル、トレイ、包装用フィル
ムなどに用いることができる。
【0054】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。実施例および比較例にお
ける「部」および「%」は特に断らない限り重量基準で
ある。実施例及び比較例中の試験方法は次の通りであ
る。 (1)樹脂の密度 樹脂の密度は、JIS K6760に規定された方法に
従って測定した。 (2)樹脂のメルトフローレート 樹脂材料のメルトフローレートは、JIS K6760
に規定された方法に従って測定した。測定条件は、 荷
重2.16kg、温度は190℃であった。 (3)樹脂の結晶性 示差走査熱量測定装置(セイコー電子工業製、型式:D
SC−220)を用い、昇温速度:10℃/分で試料を
昇温してDSCチャートを記録し、ピークの有無を調べ
た。 (4)内部HAZE 透明性の尺度である内部HAZEをデジタルヘーズメー
ター(スガ試験機製)を用いて測定した。内部HAZE
は、石英セルにフタル酸ジメチル溶液を満たし、そこに
試料フィルムを浸漬し、セル全体のHAZEを測定する
ことにより算出した。 (5)保温性(輻射線遮断性) [輻射線透過指数]赤外分光光度計(パーキンエルマー
社製 1640型FTIR)を用いて、以下の方法によ
り輻射線透過指数を求めた。波数4000〜400cm
-1の範囲でフィルム(厚み100μm)の赤外線吸収ス
ペクトル(透過法)を温度23℃にて測定し、波数νでの
透過率T(ν)%の値を得た。一方、プランクの法則から
得られる下記式(4)に従い、23℃における波数νで
の黒体輻射スペクトル強度e(ν)を計算した。ここで黒
体輻射スペクトル強度e(ν)に透過率T(ν)をかけたも
のが輻射線透過強度f(ν)となる(式(5)参照)。輻
射線透過強度f(ν)を波数4000〜400cm-1の範
囲で積分したものを輻射線透過エネルギーF、黒体輻射
スペクトル強度e(ν)を波数4000〜400cm-1
範囲で積分したものを黒体輻射エネルギーEとして、輻
射線透過指数G=100×F/Eと定義する。実際の積
分は、波数間隔2cm-1ごとの区間に区切り、台形近似
にて各区間を計算し積算した。輻射線透過指数が小さい
ほどフィルムの保温性が優れていることを示す。
【数1】 e(ν)=(A/λ5)/{exp(B/(λ×T))-1) (4) ただし、A=2πhC2=3.74×10-16(W・
2) B=hC/k=0.01439(m・K) ここで、T(K)は絶対温度、λ(cm)は波長(波数
νは波長の逆数)、hはプランク定数、Cは光速、kは
ボルツマン定数、Aは第一放射定数、Bは第二放射定数
である。
【数2】 f(ν)= e(ν)×T(ν)/100 (5)
【0055】実施例1〜6 [共重合体(A)の製造]アルゴンで置換した5000
mlのオートクレーブ中に予めスチレン3500mlお
よび脱水ヘキサン1650mlを投入後、エチレンを
1.2MPa仕込んだ。トリイソブチルアルミニウムの
ヘプタン溶液[東ソー・アクゾ(株)製、1mol/リ
ットル]2.0ml、イソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−
フェノキシ)チタニウムジクロリド 4.6mgを脱水
トルエン6mlに溶解したものおよびN,N−ジメチル
アニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボ
レート22.4mgを脱水トルエン28mlに溶解した
ものを加え、反応液を60℃で1時間攪拌した。その
後、反応液を塩酸(12N)15mlとメタノール30
00mlの混合物中に投じ、沈殿した白色固体を濾取し
た。該固体をメタノールで洗浄後、減圧乾燥し、エチレ
ン/スチレン共重合体(以下、共重合体(A-1)と記
す。)100.4gを得た。この共重合体(A-1)の数
平均分子量は297,000、分子量分布(重量平均分
子量/数平均分子量)は2.21、ガラス転移点は−1
0℃、スチレン単位含有量は26モル%であった。13
−NMRスペクトルにおいて、36.0〜38.0pp
mに現れるピークの面積に対する34.0〜36.0p
pmに現れるピークの面積の比は、0.06であった。
DSCチャートにおいてピークは認められず、上記共重
合体(A-1)は実質的に結晶性を有しなかった。上記共
重合体(A-1)の損失正接(tanδ)の極大値は1.
40であった。
【0056】[樹脂組成物の調製と成形]上で得られた
エチレン/スチレン共重合体(A-1)に、熱安定剤とし
てイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製)0.1%と、光安定剤としてヒンダード
アミン系化合物であるチヌビン622(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)0.4%およびキマソーブ9
44(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2
%を添加し、更に、表1に示した量の無機化合物(リチ
ウムアルミニウム複合水酸化物;水澤化学工業製ミズカ
ラック;体積基準平均粒子径=0.4μm、BET法に
よる比表面積=20m2/g)を加え、ラボプラストミ
ルを用いて150℃で5分間混練した。得られた混練物
をプレス機で圧延し、厚さ100μmのフィルムを得
た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0057】比較例1 実施例1で用いた共重合体(A-1)の代わりにエチレン
/酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテートH203
1; 酢酸ビニル単位含有量:19%; 住友化学工業
製)を用いた以外は実施例1と同様にしてフィルムを作
成した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0058】比較例2 実施例4で用いた共重合体(A-1)の代わりにエチレン
/酢酸ビニル共重合体(商品名:エバテートH203
1)を用いた以外は実施例4と同様にしてフィルムを作
成した。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
【0059】
【表1】 無機化合物量*:共重合体100重量部当たりの重量部
である。
【0060】実施例7〜11 無機化合物としてリチウムアルミニウム複合水酸化物の
代わりに表2に示す化合物を使用する以外は実施例4と
同様にしてフィルムを作製することができる。
【0061】
【表2】 H1:ハイドロタルサイト類化合物(商品名:DHT−
4A、協和化学工業製;体積基準平均粒子径=0.3μ
m、BET法による比表面積=18m2/g、化学組成
Mg2+ 0.69Al3+ 0.31(OH-)2・(CO3 2-)0.155・0.54H2O) H2:酸化亜鉛系化合物(商品名:SZ60、日本無機
化学工業製;体積基準平均粒子径=6μm、BET法に
よる比表面積=12m2/g、化学組成 SiO2で被覆し
たZnO) H3:タルク(商品名:ミクロンホワイト5000S;
体積基準平均粒子径=5μm、BET法による比表面積
=15m2/g、化学組成 Mg3SiO10(OH)2) H4:アルミナシリカ(商品名:シルトンJC30、水
澤化学工業製;体積基準平均粒子径=3μm、BET法
による比表面積=18m2/g、化学組成 ナトリウム
カルシウムアルミノシリケート)
【0062】実施例12 下記の要領で、第一層、第三層および第一層と第三層に
挟まれた第二層からなる三層チューブ(基材)を得るこ
とができる。第一層はチューブの内層、第二層はチュー
ブの中間層、第三層はチューブの外層である。各層の組
成は表3に記載された通りである。成分を示す記号の後
の括弧内の数値は、その成分が含まれる層の全成分の合
計量に対するその成分の量の百分率である。まず、各層
に含まれる成分をバンバリーミキサーを用いて150℃
で5分間混練した後、造粒機により造粒して、各層を構
成する樹脂組成物をペレットの形で得る。各層用の樹脂
組成物ペレットまたは樹脂ペレットを用いて各層が表3
に記載された厚みになるように三層インフレーションフ
ィルム成形機によって三層チューブを成形する。該チュ
ーブを長手方向に切り開くことにより農業用フィルムと
して優れるフィルムが得られる。
【0063】実施例13 各層の組成を表3に記載のようにする以外は実施例12
と同様にして3層チューブを作製する。このチューブを
長手方向に切開してフィルム(基材)となし、その第三
層の表面をコロナ処理する。アルミナゾル(日産化学
製、商品名アルミナゾル520、固形分=20%)、コ
ロイダルシリカ(日産化学製、商品名スノーテックス2
0、固形分=20%)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(花王製、商品名ネオペレックスF25)、デ
カン酸ナトリウム(ナカライテスク製)を、それぞれの
固形分濃度が1.6%、0.4%、0.08%および
0.08%となるように水を加えて混合して、コーティ
ング液を作製する。予めコロナ処理を施した基材の第三
層の表面に、固形分厚みが約0.2g/m2となるよう
に上記コーティング液を塗布し、室温で乾燥させて第三
層の上に防曇層を形成させる。これにより農業用フィル
ムとして優れる多層フィルムが得られる。
【0064】
【表3】 A1:エチレン/アルケニル芳香族炭化水素共重合体
(数平均分子量297,000、分子量分布(重量平均
分子量/数平均分子量)2.21、ガラス転移点−10
℃、スチレン単位含有量26モル%) A2:住友化学工業(株)スミカセンE、FV403-0 A3:低密度ポリエチレン(商品名:スミカセンF20
0 密度0.923g/cm3 住友化学工業製) A4:エチレン/酢酸ビニル共重合体(品名:エバテー
トH2031 酢酸ビニル含有量19% 住友化学工業
製) E1:商品名:スミライザーBP76 住友化学工業製 E2:商品名:イルガフォスP168 チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ製 E3:商品名:スミライザーBHT 住友化学工業製 E4:商品名:イルガノックス1010 チバ・スペシ
ャルティ・ケミカルズ製 F1:ヒンダードアミン系化合物(商品名:キマソーブ
944LD チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) F2:ヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビン6
22LD チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) F3:ヒンダードアミン系化合物(商品名:チヌビン4
62 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製) G1:商品名:スミソーブ130 住友化学工業製 H1:ジグリセリンセスキオレエート H2:モノグリセリンモノステアレート/ジグリセリン
セスキステアレートの重量比=3/7なる混合物 I1:フッ素系界面活性剤(商品名:ユニダインDS4
03 ダイキン工業製) J1:リチウムアルミニウム複合水酸化物(商品名:ミ
ズカラック 水沢化学工業製、体積基準平均粒子径=
0.4μm、BET法による比表面積=20m2/g、
化学組成 Li+ 2Al3+ 4(OH-)12・(CO3 2-)・3H2O) K1:エチレンビスオレイン酸アミド
【0065】実施例14 [共重合体(A)の製造]100Lの反応器にエチレン
2.80kg/時間、スチレンを4.15kg/時間、
ヘキサンを85kg/時間、イソプロピリデン(シクロ
ペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル
−2−フェノキシ)チタニウムジクロリドのヘキサン溶
液(1mmol/L)を0.9L/時間、N,N−ジメ
チルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートのトルエン溶液(1mmol/L)を1.
35L/時間、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン
溶液(26.5mmol/L)を3.6L/時間でフィ
ードし、反応液をスチームストリッピングすることによ
り、2.03kg/時間でエチレン/スチレン共重合体
[以下、(A-2)と記す]を得た。該共重合体(A-2)の
スチレン含量は16mol%で、ガラス転移点は−20
℃、融点は44℃、[η]は2.31であった。13C−
NMRスペクトルにおいて、36.0〜38.0ppm
に現れるピークの面積に対する34.0〜36.0pp
mに現れるピークの面積の比は、0.019であった。
【0066】[樹脂組成物の調製と成形]上で得られた
エチレン/スチレン共重合体(A-2)に、熱安定剤とし
てイルガノックス1010(チバ・スペシャルティ・ケ
ミカルズ社製)0.1%と、光安定剤としてヒンダード
アミン系化合物であるチヌビン622(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ社製)0.4%およびキマソーブ9
44(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.2
%を添加し、更に、共重合体(A-2)100重量部当た
り66.7重量部の無機化合物[ハイドロタルサイト類
化合物(商品名:DHT−4A、協和化学工業製]を加
え、ラボプラストミルを用いて150℃で5分間混練し
た。得られた混練物をプレス機で圧延し、厚さ300μ
mのシートを得た。得られたシートについて、前述の方
法で内部HAZEを測定し、更に、後に述べる方法で高
周波シール性を試験した。結果を表4に示す。
【0067】比較例3 樹脂組成物の調製においてハイドロタルサイト類化合物
を使用しなかった以外は実施例14と同様にして厚さ3
00μmのシートを得た。得られたシートについて、前
述の方法で内部HAZEを測定し、更に、後に述べる方
法で高周波シール性を試験した。結果を表4に示す。
【0068】[高周波シール性]重ね合わせた2枚の3
00μmシート(試験片)の間に温度計及び温度計保護
のためのスペーサーを挟み、一方のシートの表面に、高
周波シーラー(山本ビニター社製、高周波ウェルダーYP
O−5)のシールバー(サイズ:5mm×300mm、
厚さ5mm)を接触させ、陽極電力0.25A(高圧切
換:中)、電流上昇速度0.08A/秒、同調位置4
0、加熱条件:エアー圧2kgf/cm2G、溶着時間
4秒の条件で発熱させ、シートの重ね合わせ中央部の温
度上昇を測定し、上昇温度の最高値と初期温度(22
℃)との差(温度上昇幅)を求めた。温度上昇幅が大き
いほど高周波シール性が優れる。
【0069】
【表4】 無機化合物量*:共重合体100重量部当たりの重量部
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/00 C08K 3/00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オレフィン系樹脂と無機化合物粒子とから
    なるオレフィン系樹脂組成物であって、前記オレフィン
    系樹脂がエチレンおよび/またはα−オレフィンとアル
    ケニル芳香族炭化水素との共重合体であることを特徴と
    する組成物。
  2. 【請求項2】前記共重合体のうちの少なくとも一種類の
    共重合体が、アルケニル芳香族炭化水素由来の繰り返し
    単位が実質的に立体規則性を有しない共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1のオレフィン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記共重合体のうちの少なくとも一種類の
    共重合体が実質的に結晶性を有しない共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】前記共重合体のうちの少なくとも一種類の
    共重合体が13C−NMRスペクトルにおいて36.0〜
    38.0ppmに現れるピークの面積に対する34.0
    〜36.0ppmに現れるピークの面積の比が0.01
    〜0.25であるエチレン/アルケニル芳香族炭化水素
    共重合体であることを特徴とする請求項1のオレフィン
    系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記無機化合物粒子の体積基準平均粒子径
    が10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載
    のオレフィン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記無機化合物がSi、Al、Mg、C
    a、Zn、Ti、CeおよびZrから選ばれる少なくと
    も一つの原子を含有する無機化合物であることを特徴と
    する請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記共重合体100重量部当たり10〜4
    00重量部の無機化合物粒子を含有することを特徴とす
    る請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物。
  8. 【請求項8】請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物
    からなる成形品。
  9. 【請求項9】請求項1に記載のオレフィン系樹脂組成物
    からなる少なくとも一層を有することを特徴とするフィ
    ルムまたはシート。
JP2000228533A 1999-07-30 2000-07-28 オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品 Pending JP2001106834A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000228533A JP2001106834A (ja) 1999-07-30 2000-07-28 オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-217587 1999-07-30
JP21758799 1999-07-30
JP2000228533A JP2001106834A (ja) 1999-07-30 2000-07-28 オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001106834A true JP2001106834A (ja) 2001-04-17

Family

ID=26522111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000228533A Pending JP2001106834A (ja) 1999-07-30 2000-07-28 オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001106834A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094578A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Sekisui Chem Co Ltd 農業用フィルム
JP2004133473A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Eastman Kodak Co ナノ粒子により誘発された屈折率勾配を有する導波路
JP2006104365A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Mitsui Chemicals Inc 被覆資材
JP2006314218A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Achilles Corp 農業用フィルム
JP2007222061A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Achilles Corp 農業用被覆材
JP2012025809A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂フィルム
JPWO2018012138A1 (ja) * 2016-07-15 2019-04-25 ウィンテックポリマー株式会社 レーザー溶着用樹脂組成物及び成形品、複合成形品及びその製造方法、並びにレーザー光透過性向上方法
JP2020188734A (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社 農業用樹脂フィルム
WO2024080283A1 (ja) * 2022-10-11 2024-04-18 扶桑化学工業株式会社 樹脂フィルムおよびこれを用いた農業用被覆資材

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094578A (ja) * 2001-09-21 2003-04-03 Sekisui Chem Co Ltd 農業用フィルム
JP2004133473A (ja) * 2002-10-11 2004-04-30 Eastman Kodak Co ナノ粒子により誘発された屈折率勾配を有する導波路
JP2006104365A (ja) * 2004-10-07 2006-04-20 Mitsui Chemicals Inc 被覆資材
JP2006314218A (ja) * 2005-05-11 2006-11-24 Achilles Corp 農業用フィルム
JP2007222061A (ja) * 2006-02-23 2007-09-06 Achilles Corp 農業用被覆材
JP2012025809A (ja) * 2010-07-21 2012-02-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 樹脂フィルム
JPWO2018012138A1 (ja) * 2016-07-15 2019-04-25 ウィンテックポリマー株式会社 レーザー溶着用樹脂組成物及び成形品、複合成形品及びその製造方法、並びにレーザー光透過性向上方法
JP2020188734A (ja) * 2019-05-23 2020-11-26 三菱ケミカルアグリドリーム株式会社 農業用樹脂フィルム
WO2024080283A1 (ja) * 2022-10-11 2024-04-18 扶桑化学工業株式会社 樹脂フィルムおよびこれを用いた農業用被覆資材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
BR112016015865B1 (pt) Filme de camada intermediária para vidro laminado e vidro laminado
JPH04142369A (ja) 透明性に優れた赤外線吸収フィルム
JPH11508842A (ja) 熱可塑性中間膜フィルム
TW201900579A (zh) 層合玻璃用中間膜及層合玻璃
US20220324208A1 (en) Laminated film and method for producing the same
JP2001106834A (ja) オレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた成形品
EP2794237A1 (en) High frequency weldable polyolefin compositions containing zeolites
KR20010049854A (ko) 올레핀계 수지 조성물 및 그것을 포함하는 성형품
JP3736978B2 (ja) 樹脂フィルム
JP2001334612A (ja) 多層フィルム
KR101487878B1 (ko) 신규 레토르트 식품 포장용 나노처리 내열성 폴리올레핀 조성물 및 이로부터 제조되는 식품포장용 필름
JP2001103849A (ja) 農業用フィルム
EP1072400B1 (en) Thin layer body composed of olefin-based resin
KR20170047267A (ko) 폴리올레핀계 수지 조성물, 성형체 및 폴리올레핀계 수지 필름
JP3681553B2 (ja) オレフィン系樹脂積層フィルム
JP2011026558A (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物及び成形体
JP2019099785A (ja) 食品包装用フィルム、食品用ストレッチフィルム、食品用小巻ラップフィルム及び食品包装用フィルムの製造方法
JP2001334613A (ja) 多層フィルム
JP2002088202A (ja) 樹脂組成物およびそれを用いてなるフィルム
JP2001334619A (ja) 樹脂フィルム
JP4207415B2 (ja) ポリオレフィン樹脂組成物及びそのフィルム
JP2001200069A (ja) ポリオレフィン系樹脂フィルム
KR20010107694A (ko) 다중층 폴리올레핀 기재 수지 필름
JP2001334618A (ja) 多層ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2000272068A (ja) 多層フィルム