JPH0917329A - 冷陰極放電ランプおよびランプの点灯装置ならびに照明装置 - Google Patents

冷陰極放電ランプおよびランプの点灯装置ならびに照明装置

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JPH0917329A JP16527995A JP16527995A JPH0917329A JP H0917329 A JPH0917329 A JP H0917329A JP 16527995 A JP16527995 A JP 16527995A JP 16527995 A JP16527995 A JP 16527995A JP H0917329 A JPH0917329 A JP H0917329A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低圧放電ランプの端部に金属など導電性の口
金が備えられたランプにおいて、比較的低い始動電圧に
よって始動が可能な放電ランプおよびこのランプの点灯
装置ならびに照明装置を提供することを目的とする。 【構成】 ガラス管バルブ1と、このバルブ1内に封装
された冷陰極電極3および希ガスと、上記電極3に電気
的に接続しているとともに上記バルブ1の外端部に固定
されその先端の開口部端縁51が上記バルブ1内の電極
3より突出しない位置にある口金5とを備えた低圧放電
ランプLおよびこのランプLの点灯装置Cならびに上記
ランプLが装着された照明装置Dである。 【効果】 ランプの始動電圧を低下させることができる
とともに、このランプを用いる点灯装置および照明装置
の小形軽量化ができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶テレビや液晶表示装
置あるいはファクシミリや複写機などのOA機器におい
て使用される冷陰極放電ランプおよびこのランプの点灯
装置ならびにこれらランプと点灯装置を装着したバック
ライト装置や原稿読取装置などの照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】テレビや液晶表示装置などの表示機器や
ファクシミリなどのOA機器は薄型化や小形軽量化の要
望が強く、これに伴いこれら機器に装着される放電ラン
プや点灯装置なども小形化がすすめられている。たとえ
ば液晶表示装置のバックライトなどに装着されるランプ
はガラス管バルブの外径が5mm以下で、全長が200
〜250mmの細長いものが使用されている。そして、
最近では機器の、さらに一層の小形軽量化が望まれてい
る。
【0003】そして、上記各種の機器に装着される低圧
放電ランプは、機器への機械的な支持と電気的な接続が
必要なため、管状のバルブの両端部に金属製や合成樹脂
製の筒状体からなる口金やキャップが設けられている。
そして、上記バルブ内部の放電電極と接続しバルブ端部
の封着部から導出された外部導入線は、ろう付や溶接な
どの手段で直接に金属製の口金に接続している。
【0004】また、口金を用いずにバルブの端部に樹脂
製の筒状キャップを取着したものは、封着部から導出さ
れた外部導入線にリード線を接続し、この封着部および
接続部をキャップで覆った状態の、通常、リード線タイ
プと呼ばれる形態をなしていて、容易に装置に取付けで
きる作用効果を有している。
【0005】また、上記低圧放電ランプにおいて電極は
熱陰極形あるいは冷陰極形のものがあるが、フィラメン
トコイルを使用する熱陰極形のものは、電極のスペース
が大きくなってランプのバルブ細径化が困難となり小形
化にも限度があり、板状や筒状の電極を使用する冷陰極
形のものが注目されつつある。
【0006】そこで、低圧放電ランプLには図6に示す
ような冷陰極形の電極が設けられるとともにバルブの外
端部に口金を付けたものが多く採用されている。たとえ
ばこの図6において、1はガラス管バルブ、2はこのバ
ルブ1の端部を気密に閉塞した封着部で、この封着部2
には先端部にニッケルなどの金属板から形成した冷陰極
からなる電極3を支持したリード線4が気密に封着され
ている。また、上記バルブ1内面には蛍光体膜11が形
成され、内部には放電媒体としてキセノンやネオンなど
の希ガスが所定圧封入されている。また、封着部2には
この封着部2を覆うように黄銅製などの金属板からなる
導電性有底筒状の口金5が接着剤6を介して接合されて
おり、上記電極3はこの口金5の筒状部内に位置した状
態にある。
【0007】このような構成の放電ランプLを高周波電
力発生装置としてのインバータに接続して点灯させる
と、外部から電気エネルギーを受けることにより発生し
た初期プラズマのイオンによって電極3から二次電子が
放出され、バルブ1内の電極3、3間で放電が開始され
る。そして、電子エネルギーによって励起された希ガス
の共鳴遷移により可視光を発して冷陰極放電ランプの機
能を果たす。しかし、冷陰極を用いた低圧放電ランプは
ランプ電流が5〜25mA程度の低電流であり、従来か
ら始動電圧を高くしないと点灯しないという問題があっ
た。
【0008】本発明者の考察によると、これは口金5の
開口部先端の端縁51部分が電極3より突出し電極3の
全部を覆う形態であると、口金5が陽光柱側に位置して
プラズマ中の正イオンが口金5先端方向に生じる電界の
影響を受けることによると考えられる。しかも、口金5
先端の開口部端縁51と電極2の先端部の間隔が大きく
なるにつれて始動電圧が高くなるので、始動用のトラン
スを大きくする必要がありインバーターが大きくなる欠
点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにテレビ
や液晶表示装置などの表示機器やファクシミリなどのO
A機器などの市場動向は薄型化や小形軽量化の要望が強
く、放電ランプとともに点灯装置に使用されるインバー
ターの改良が進められ、その手段として始動用トランス
の小形化が最善策とされている。この始動用トランスの
小形化は、放電ランプLの始動電圧を下げることによっ
て達せられるものである。しかし、金属など導電性の口
金5を備え冷陰極を用いた低圧放電ランプLにおいて
は、上述したように口金5方向の電界の影響によると考
えられる始動電圧上昇の傾向があった。
【0010】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
低圧放電ランプの端部に金属など導電性の口金が備えら
れたランプにおいて、比較的低い始動電圧によって始動
が可能な放電ランプおよびこのランプの点灯装置ならび
に照明装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の冷陰極放電ランプは、ガラス管バルブと、このバルブ
内に封装された冷陰極電極および希ガスと、上記電極に
電気的に接続しているとともに上記バルブの外端部に固
定されその先端の開口部端縁が上記バルブ内の電極より
突出しない位置にある口金とを具備していることを特徴
としている。
【0012】本発明の請求項2に記載の冷陰極放電ラン
プは、口金が導電性部材からなることを特徴としてい
る。
【0013】本発明の請求項3に記載の冷陰極放電ラン
プは、口金先端の開口部端縁より冷陰極電極が0,5m
m以上バルブの中央部方向に突出していることを特徴と
している。
【0014】本発明の請求項4に記載の点灯装置は、点
灯回路と、この点灯回路の出力側に接続された請求項1
ないし請求項3に記載の冷陰極放電ランプとを具備して
いることを特徴としている。
【0015】本発明の請求項5に記載の照明装置は、請
求項1ないし請求項3に記載の冷陰極放電ランプと、こ
の放電ランプの口金部が装着されるソケット部と、上記
請求項4に記載の点灯装置とを具備していることを特徴
としている。
【0016】
【作用】本発明の請求項1の発明によれば、冷陰極電極
が口金先端の開口部先端より突出していれば、口金方向
へ生じる電界が減少して電極方向に生じる電界より小さ
くなるので、電極近傍におけるプラズマイオンは容易に
電極に衝突して二次電子放出を行い、始動電圧を低下さ
せることができる。
【0017】また、請求項2の発明によれば、導電性部
材によって全体が覆われていないので、導電性部材方向
へ生じる電界が減少して電極方向に生じる電界より小さ
くなるので、電極近傍における初期プラズマのイオンは
容易に電極に衝突して二次電子放出を行い、始動電圧を
低下させることができる。
【0018】また、請求項3の発明によれば、0,5m
m以上突出していれば、初期プラズマイオンは電極近傍
において、口金方向に生じる電界によって管壁に移動す
ることなく電極に衝突して二次電子を放出し放電を開始
するので、始動電圧を口金を有していないランプの電圧
レベルにまで引き下げることができる。
【0019】また、請求項4の発明によれば、始動電圧
を低くするこができるので、点灯回路のインバータ装置
の始動用トランスなどの容量を小さくでき点灯装置を小
形軽量化できる。
【0020】また、請求項5の発明によれば、請求項4
の点灯装置を組込んだ照明装置も小形軽量化できる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は冷陰極形の低圧放電ランプおよび点灯装置
の説明図、図2は図1のランプの端部を拡大して示す断
面正面図、図4は図1の冷陰極形放電ランプが装着され
た照明装置を分解して示す斜視図である。
【0022】この冷陰極形放電ランプLは、たとえば消
費電力が約2W、外径が約4.8mm、長さが約220
mmのソーダライムガラスあるいは鉛ガラスなどの軟質
ガラスからなる直管形の管状バルブ1の両端に封止部2
が形成してある。そして、両端の封止部2、2には、そ
れぞれ先端にニッケル(Ni)あるいはその合金などで
形成した円筒形状や板状の冷陰極形の電極3、3を接続
した外径が約0.4mmの銅メッキした鉄線や鉄合金線
などからなるリード線4、4が気密に封着されている。
【0023】このバルブ1内には放電媒体としてキセノ
ン(Xe)やネオン(Ne)などの希ガスが数十〜20
0トール、たとえば100トール封入されている。ま
た、バルブ1の内面には所定の発光領域を有する蛍光体
膜11が形成されている。
【0024】そして、上記バルブ1の封着部2を含む外
端部には黄銅やアルミニウムなどの金属板で有底円筒状
に形成した口金5が被せられ、シリコン樹脂などを主成
分とする電気絶縁性の接着剤6を介して接合されてい
る。このとき、上記バルブ1内にある電極3とバルブ1
外の口金5との関係は、口金5の開口部端縁51から電
極3側がバルブ1の中央部方向に約3mm突出(Am
m)していて、すなわち、口金5は電極3全体を覆って
いない状態にある。
【0025】また、電極3と接続してバルブ1に延在し
たリード線4は口金5の頂部に半田付7や溶接により導
電的に接続してある。
【0026】なお、図1において8はバルブ1の外面に
形成された近接導体である。また、CはランプLの点灯
装置でEは電源、Sはスイッチ、HFは高周波電力発生
装置としてのインバータ、B1〜B3は配線をそれぞれ
示し、B1およびB2は電極3、3と、B3の配線は一
方(右方)の電極3(B2)と分岐して近接導体8に接
続されている。
【0027】このような構成の放電ランプLは図1に示
す点灯装置Cでもって点灯される。すなわち、スイッチ
Sの投入によって電源Eに通じるとインバーターHFか
ら配線B1、B2、B3を通じてソケット(図示しな
い。)に装着されたランプL両端の口金5、5および近
接導体8に数十kHzの高周波電圧が印加され、まず、
近接している配線B1側の電極3(左方)と配線B3の
近接導体8間にグロー放電が生起し、この放電が配線B
1側の電極3(左方)と配線B2側の電極3(右方)間
へと移行して、初期プラズマのイオンによって電極3か
ら二次電子が放出され、電極3、3(右左)間で放電が
開始される。そして、バルブ1内の希ガスを励起して紫
外線が発生し、この紫外線がバルブ1の内面に形成した
蛍光体膜11で変換され可視光となってバルブ1の外表
面から放射される。
【0028】そして、このように電極3を口金5の開口
部端縁51から突出することによって、口金方向に生じ
る電界が減少して電極方向に生じる電界より小さくなる
ので、電極近傍における初期プラズマのイオンは容易に
電極に衝突して二次電子放出を行い始動電圧を低下させ
ることができ、放電ランプLの点灯が容易に行えるとと
もに始動用トランスを小形軽量化して点灯装置の小形化
とコストダウンを図ることができる。
【0029】また、口金5の開口部端縁51から電極3
が突出していることは陽光柱の起点でもある電極3から
の発光を有効に活用でき、有効発光長を長くできる。
【0030】なお、本発明者の実験によると上記放電ラ
ンプLを用い電極3に対して口金5の開口部端縁51を
移動(±Amm)させて、その始動電圧(ここでは実効
電圧値で示す)(Vrms)を調べたところ図3に示す
ような結果を得た。なお、図3において横軸は電極3先
端から口金5の開口部端縁51までの距離Ammを示
し、−Ammは電極3先端が口金5の開口部端縁51か
ら突出している場合、+Ammは電極3先端が口金5の
開口部端縁51内に没している場合(電極3が口金5で
覆われる)を表す。また、縦軸は始動電圧(実効電圧
値)(Vrms)を示す。
【0031】図3から明らかなように、電極3先端が口
金5の開口部端縁51から0.5mm以上突出していれ
ば、始動電圧(実効電圧値)(Vrms)は1000V
以下の口金5なし時の電界の影響のない状態となり、始
動電圧の低下が図れたことが分かった。
【0032】そして、上記構成の低圧放電ランプLおよ
び点灯装置Cは、照明装置に組込まれ使用される。図4
は照明装置Dの一例を示し、この図4においてD1は基
体、D2はこの基体D1に設けられた反射鏡で放電ラン
プLが装着されている。また、基体D1の背面には点灯
装置Cが、反射鏡D2の開口部には光拡散板D3が取付
けられている。そして、この照明装置Dは、パソコンや
テレビなどの液晶表示装置のバックライトとして、ある
いはディスプレイの表示板のバックライトや通常の照明
用の器具として使用され、点灯装置Cが小形化されると
ころから、これら装置も小形軽量化が可能となる。
【0033】なお、本発明は上記実施例に限定されな
い。たとえば、低圧放電ランプは希ガス封入の蛍光ラン
プに限らず、他の種類の放電ランプ装置や紫外線放射ラ
ンプなど他の種の低圧放電ランプにも適用ができ、ま
た、放電媒体として水銀などの発光物質を封入した放電
ランプなどでもよい。
【0034】また、口金は実施例形状のものに限らず、
バルブ外端部への接合と機器のソケットへの係合を備え
たものであれば他の形状でもよく、バルブへはメカニカ
ル的な接合であっても差支えない。
【0035】また、ガラスバルブ1の外端部に接合され
る口金5は図5に示すように、シリコーン樹脂などから
なる誘電体の絶縁性材料9および接着剤6を介してなさ
れていてもよい。この実施例の場合は口金5内の絶縁性
材料9が、電極グローの移動などで生じる電極付近の不
安定な発光を遮蔽して、安定した陽光柱の発光のみを供
給できる効果がある。
【0036】また、点灯装置は実施例記載のものに限ら
ず、他の回路方式の点灯であっても、もちろん適用して
小形軽量化が図れるものである。
【0037】さらに、本発明の照明装置は実施例記載の
ものに限らず、必ずしも基体、反射鏡および光拡散板の
三者が揃つていなくてもよく、また、点灯装置が一体化
されていなくてもよい。さらにまた、照明装置は液晶表
示装置、液晶テレビや装飾装置などのバックライト用の
ほか、ファクシミリなどの読取り装置、複写機の露光用
などのOA機器用あるいは通常の照明用の器具や灯具な
どに装着して、照明装置としてひろく使用できることは
いうまでもない。
【0038】
【発明の効果】本発明の請求項1ないし請求項3の発明
によれば、ランプの始動電圧を低下させることができる
とともに、口金全長をも短くして有効発光長を長くでき
る。
【0039】また、請求項4の発明によれば、点灯回路
のインバータ装置のトランスなどの容量を小さくして点
灯装置の小形軽量化ができる。
【0040】また、請求項5の発明によれば、バックラ
イトなどの照明装置を小形軽量化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極形低圧放電ランプおよび点灯装
置の説明図である。
【図2】図1のランプの端部を拡大して示す断面正面図
である。
【図3】図は電極先端から口金の開口部端縁までの距離
Ammと、始動電圧(Vrms)との関係を対比して示
すグラフである。
【図4】図1の冷陰極形放電ランプが装着された照明装
置を分解して示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例に係わる放電ランプの端部
を拡大して示す断面正面図である。
【図6】従来の冷陰極形の低圧放電ランプの端部を拡大
して示す断面正面図である。
【符号の説明】
L:低圧放電ランプ 1:ガラスバルブ 2:封着部 3:冷陰極(電極) 4:リード線 5:口金 51:開口部端縁 6:接着剤 9:絶縁性材料 C:点灯装置 D:照明装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス管バルブと、このバルブ内に封装
    された冷陰極電極および希ガスと、上記電極に電気的に
    接続しているとともに上記バルブの外端部に固定されそ
    の先端の開口部端縁が上記バルブ内の電極より突出しな
    い位置にある口金とを具備していることを特徴とする冷
    陰極放電ランプ。
  2. 【請求項2】 口金が導電性部材からなることを特徴と
    する請求項1に記載の冷陰極放電ランプ。
  3. 【請求項3】 口金先端の開口部端縁より冷陰極電極が
    0,5mm以上バルブの中央部方向に突出していること
    を特徴とする請求項2に記載の冷陰極放電ランプ。
  4. 【請求項4】 点灯回路と、この点灯回路の出力側に接
    続された請求項1ないし請求項3に記載の冷陰極放電ラ
    ンプとを具備していることを特徴とする点灯装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3に記載の冷陰極
    放電ランプと、この放電ランプの口金部が装着されるソ
    ケット部と、上記請求項4に記載の点灯装置とを具備し
    ていることを特徴とする照明装置。
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