JPH06314561A

JPH06314561A - 放電ランプ

Info

Publication number: JPH06314561A
Application number: JP10550293A
Authority: JP
Inventors: Junichiro Hoshizaki; 潤一郎星崎; Takeo Nishikatsu; 健夫西勝; Takehiko Sakurai; 毅彦櫻井; Sadayuki Matsumoto; 貞行松本
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 1993-05-06
Filing date: 1993-05-06
Publication date: 1994-11-08

Abstract

(57)【要約】【目的】この発明は対をなす外部電極を薄膜状絶縁物
により覆い、絶縁性を向上させ、電極間距離の存在によ
る弊害を排除し、高輝度、高効率、低電圧で安定に点灯
し得る放電ランプを得ることを目的とする。【構成】内面に蛍光体層３が形成され、内部にＸｅを
主体とする希ガスを数十〜数百Ｔｏｒｒ封入したガラス
バルブ２の外側表面に所定の電圧を印加される一対以上
の外部電極５ａ及び５ｂ、５ｃ及び５ｄ、５ｅ及び５ｆ
が互いに近接して設けられ、外部電極を覆う薄膜状絶縁
物８とを設けた。そして、この対をなす外部電極５ａ及
び５ｂ、５ｃ及び５ｄ、５ｅ及び５ｆ間の距離を持たな
いように配設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、ファクシミリ、複写
機、イメージリーダなどの原稿照明や、電光掲示板、大
型ディスプレイ装置などの各種ディスプレイに利用され
る放電ランプに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、ファクシミリ、複写機、イメージ
リーダなどの情報機器の原稿照明用光源として蛍光ラン
プが用いられている。これらの用途ではランプに対して
より小型、高輝度で、かつ長寿命で信頼性が高いことが
求められている。しかし従来の蛍光ランプは管内部に電
極を有しているため、電極による構造上の制約が大き
く、これらの問題を解決するために様々な試みが為され
ている。

【０００３】図８は例えば特開平３−２２５７４５号公
報に示された従来の放電ランプを示す構成図であり、図
において、１は従来の放電ランプ、２は内部に希ガスを
封入した円筒形の石英あるいはガラスなどで形成された
細長い棒状をなしたバルブ、３はバルブ２の内面に形成
された蛍光体層、４はランプ内で発生した光をランプ外
に照射する光出力部、５ａ及び５ｂはガラスバルブ２の
外側表面の軸方向に並設された外部面状電極、８は外部
放電を防止するための絶縁性被膜、１０はランプの電極
間に高周波電圧を供給するための高周波点灯回路であ
る。

【０００４】外部電極５ａ及び５ｂの間に交流電源７と
高周波点灯回路１０より発生した高周波電圧を印加する
と、電極５ａ、５ｂ間の静電容量により電流が流れ放電
する。この放電によってガラスバルブ２内に紫外線が発
生し、この紫外線はガラスバルブ２内面に形成した蛍光
体層３を励起して可視光を発生する。

【０００５】また、本出願人は、特願平４−２３６５３
号に示すように、従来の外部電極型放電ランプの外部電
極５ａ、５ｂ間の距離を狭くすることにより、放電開始
電圧を低減し得る放電ランプを案出している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような外部電極
５ａ、５ｂ間の距離を狭くした放電ランプでは、ランプ
の外側で電極間を直接放電してしまう恐れがあるため、
電極間距離の短縮にも限界があり、放電開始電圧の低減
にも限界があった。

【０００７】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、電極間距離の存在による弊害を
排除し、高輝度、高効率、低電圧で安定に点灯し得る放
電ランプを得ることを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明に係
わる放電ランプは、内部に希ガスを封入した容器の外壁
に設けられた電極間に絶縁部材を設けるようにしたもの
である。請求項２記載の発明に係わる放電ランプは、内
部に希ガスを封入した容器の外壁に設けられた電極と上
記電極を覆って設けられた絶縁部材と上記絶縁部材上に
設けられたもう一方の電極とを備えるものである。

【０００９】請求項３記載の発明に係わる放電ランプ
は、内部に希ガスを封入した容器の外壁に設けられた電
極と絶縁を保つように絶縁部材で覆って設けられたもう
一方の電極とを備えるものである。

【００１０】請求項４記載の発明に係わる放電ランプ
は、対をなす外部電極において、向かい合う両端部が距
離を持たないように配設するものである。

【００１１】請求項５記載の発明に係わる放電ランプ
は、対をなす外部電極において、向かい合う両端面を重
ね合わせるものである。

【００１２】請求項６記載の発明に係わる放電ランプ
は、対をなす上記電極において、向かい合う両端部が櫛
状であり、その凸部の先端が重なるように設けられるよ
うにしたものである。

【００１３】

【作用】請求項１〜３記載の発明による放電ランプは、
互いに対をなす電極間の絶縁性を向上させる。

【００１４】また、請求項４及び５記載の発明による放
電ランプは、対をなす外部電極間のガラス内部での電界
が局所に大きくなる。

【００１５】また、請求項６記載の発明による放電ラン
プは、その凸部の先端の少なくとも１部分が重なるよう
に設けられているため、外部電極側の静電容量を低下す
る。

【００１６】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図を用いて説明
する。実施例１．図１は、請求項１及び２記載の発明に係る放
電ランプを示す斜視図であり、図２は、図１の断面図、
図３は図１の側面図である。放電ランプ１は図１〜３に
示すように、内部にＸｅを主体とする希ガスを数十〜数
百Ｔｏｒｒ封入した円筒形の放電容器としてのガラスバ
ルブ２を有しており、ガラスバルブ２の内壁には、蛍光
体層３が形成されている。また、ガラスバルブ２の全長
にわたり蛍光体層３が形成されていない部分があり、ラ
ンプ内で発生した光をランプ外に照射する光出力部４と
なっている。ガラスバルブ２の外側表面の軸方向には、
複数対の外部電極５ａ及び５ｂと、５ｃ及び５ｄと、５
ｅ及び５ｆとが配設されており、これらの外部電極５
ａ、５ｃ、５ｅは薄膜状絶縁物８で覆われている。そし
てこれらの薄膜状絶縁物８の上に外部電極５ｂ、５ｄ、
５ｆが配設されている。

【００１７】また、それぞれの外部面状電極５ａ、５
ｂ、５ｃ、５ｄ、５ｅ、５ｆには、保持体９により保持
されるリード線６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６ｅ、６ｆが
接続されており、リード線６ａ、６ｂ、６ｃ、６ｄ、６
ｅ、６ｆは電圧を供給する高周波点灯回路１０、及び電
源７に接続されている。

【００１８】次に、本実施例の作用について説明する。
電源７から高周波点灯回路１０を介して外部電極５ａ及
び５ｂと、５ｃ及び５ｄと、５ｅ及び５ｆとの間に高周
波電圧を印加すると、ランプ内のキセノンに誘電体であ
るガラスを介して高周波電圧が供給され放電が発生す
る。発生した紫外線は蛍光体層３を励起し、蛍光体によ
って決定される可視光に変換される。この可視光は光出
力部４から照射される。

【００１９】以下、発光の原理について詳しく説明す
る。誘電体であるガラスを介して放電が行われるため誘
電体により電流が制限され、グローからアークといった
形態へ発展しない。また特定の場所に放電が集中せず、
外部面状電極に面したガラス内面全体から放電が発生す
る。ガラスの厚み等が一定で誘電体としての特性が一様
であれば、外部面状電極のあるガラス内面での電流密度
は一様であり、発生する紫外線の密度もほぼ一様にな
り、可視光の発生もほぼ一様になる。このためランプ表
面の輝度分布は外部電極のあるガラス内面上でほぼ均一
になる。また電流は印加した電圧の極性が反転した直後
にのみ流れ、ガラスバルブ内面に電荷が蓄積されること
により、電流が停止する。このためランプにはパルス状
の電流が流れる。なお内部の放電状態を詳細に観測する
と外部電極に面した内面の表面が全体にほぼ一様な光に
覆われている。このような放電により、まず希ガス原子
が電子との衝突により共鳴準位へ励起される。この共鳴
準位の励起原子は、希ガスの圧力が高いために他の基底
準位の希ガス原子と衝突を起こして２原子分子のエキシ
マを形成する。このエキシマは紫外線を放射して２個の
基底準位の希ガス原子に戻る。エキシマの放射した紫外
線は、原子の共鳴紫外線のように自己吸収を起こさない
ためにそのほとんどが管の内壁に達して蛍光体によって
可視光に変換される。また、希ガスとしてキセノンを用
いた場合、内部に電極を設けたグロー放電型のランプで
は１４７ｎｍのキセノンの共鳴紫外線が多いのに対し、
この放電ランプでは約１７２ｎｍのエキシマの放射する
紫外線が主体である。紫外線の波長が長いことは蛍光体
の発光効率や劣化の点でも有利である。

【００２０】また、放電ランプ１の内部に電極が無いの
で、内部電極が消耗することによる不点寿命がなく、情
報機器や大型ディスプレイ装置で大きな問題点とされて
きた、突然ランプが切れて使用不可能になるということ
がなくなる。

【００２１】ところで、従来の外部電極型放電ランプの
絶縁方法では、電極間距離の短縮に限界があり、また、
絶縁被膜層中に空気層の発生も考えられ、完全な絶縁効
果は得られず、放電開始電圧の低減にそれほどの効果は
望めなかった。しかし、本電極構造では、外部面状電極
５ａ、５ｃ、５ｅは薄膜状絶縁物で覆われていて、それ
ぞれ対をなす外部面状電極５ｂ、５ｄ、５ｆは薄膜状絶
縁物の上に配設され、電極間の絶縁が保たれているた
め、完全に電極対間を遮蔽することができる。ここで、
図３に示したように面状電極５ｂが薄膜状絶縁物８上に
設けていても、本放電機構では放電空間と電極は静電容
量を介して放電を行っているため、放電が可能になるの
である。

【００２２】実施例２．図４は、請求項１及び３記載の
発明に係る放電ランプを示す側面の断面図である。ガラ
スバルブ２の外側表面の軸方向に、外部電極５ａ及び５
ｂが配設されており、外部面状電極５ｂは対をなす５ａ
との絶縁を保つように薄膜絶縁物８で覆われている。動
作は実施例１と同様である。

【００２３】実施例３．図５は、請求項４記載の発明に
係る放電ランプを示す斜視図及び側面の断面図である。
ガラスバルブ２の外側表面の軸方向に、外部面状電極５
ａ及び５ｂが配設されており、これらの外部面状電極を
実施例１及び２記載のように対をなすどちらか一方の電
極を薄膜絶縁物８で覆い、外部面状電極５ａ及び５ｂと
のそれぞれの電極間距離が０となるように対をなして配
設している。

【００２４】次に、本実施例の動作について説明する。
対をなす外部面状電極間の距離が存在しないため、ガラ
ス内面に発生する電界が局部的に大きくなるために放電
開始電圧が低下し、より低い電圧で放電を生じることが
できる。また発光は主に電極表面上で行われ、電極間は
暗部となる。したがって、電極間距離が０であると暗部
が発生せず、高輝度で輝度むらの少ない安定な放電発光
が得られる。

【００２５】実施例４．図６は、請求項５記載の発明に
係る放電ランプを示す側面の断面図である。ガラスバル
ブ２の外側表面の軸方向に、外部面状電極５ａ及び５ｂ
が配設されており、これらの外部面状電極を実施例１及
び２記載のように対をなすどちらか一方の電極を薄膜絶
縁物８で覆い、外部面状電極５ａ及び５ｂの電極間が重
ね合わせて配設してある。動作は実施例３と同様であ
る。

【００２６】実施例５．図７は、請求項６記載の発明に
係る放電ランプを示す斜視図及び平面図である。図７
（ａ）、（ｂ）ではガラスバルブ２の外側表面の軸方向
に、外部面状電極５ａ及び５ｂが並設されており、これ
らの外部面状電極を実施例３及び４記載のように対をな
す一方の電極を薄膜絶縁物８で覆い、もう一方の電極を
櫛形とし、その凸部の先端が重なるように配設してい
る。図７（ｃ）は両方の電極が櫛形形状をなしている例
を示したものである。

【００２７】次に、本実施例の作用について説明する。
対をなす外部面状電極において、向かい合う両端部の少
なくとも一方が櫛形状であり、その凸部の先端の少なく
とも１部分が重なるように設けられているため、外部電
極側の静電容量を低下させ、実施例３及び４記載の発明
による放電ランプに比べ、高効率でより安定な放電発光
を得ることができる。

【００２８】なお、以上の実施例に記載した電極の形状
は一例であり、その形状はこれらに限定されるものでは
ない。

【００２９】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。

【００３０】請求項１〜３記載の発明によれば、放電容
器の外面に設けられた電極間に絶縁部材を設けたため、
絶縁性を向上させることができる。

【００３１】請求項４及び５記載の発明によれば、互い
に対をなす外部電極間の距離が存在しないため、ガラス
内面に発生する電界が局部的に大きくなるために放電開
始電圧が低下し、より低い電圧で放電を生じることがで
き、また放電発光時の電極間に発生する暗部が発生せ
ず、高輝度で輝度むらの少ないより安定な放電発光が得
ることができる。

【００３２】請求項６記載の発明によれば、互いに対を
なす外部電極において、向かい合う端部の少なくとも一
方が櫛状であり、その凸部の先端の少なくとも１部分が
重なるように設けられているため、外部電極側の静電容
量を低下させ、高効率な放電発光を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例１を示す斜視図である。

【図２】この発明の実施例１を示す断面図である。

【図３】この発明の実施例１を示す側面の断面図であ
る。

【図４】この発明の実施例２を示す側面の断面図であ
る。

【図５】この発明の実施例３を示す斜視図及び側面の断
面図である。

【図６】この発明の実施例４を示す側面の断面図であ
る。

【図７】この発明の実施例５を示す斜視図及び平面図で
ある。

【図８】従来の放電ランプを示す斜視図及び断面図であ
る。

【符号の説明】

１蛍光ランプ２ガラスバルブ３蛍光体層４光出力部５外部電極６リード線７電源８薄膜状絶縁膜９保持体１０高周波点灯回路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者松本貞行鎌倉市大船二丁目14番40号三菱電機株式会社生活システム研究所内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】内部に希ガスを封入した容器と該容器の
外壁に設けられた互いに対をなす電極間に高周波電圧を
印加して、上記容器内部で放電発光させる放電ランプに
おいて、上記電極間の放電を抑制する絶縁部材を上記電
極間に設けたことを特徴とする放電ランプ。
【請求項２】上記絶縁部材は上記電極を覆い、その上
にもう一方の電極を設けたものであることを特徴とする
請求項１記載の放電ランプ。
【請求項３】上記絶縁部材は上記電極を完全に覆うも
のであることを特徴とする請求項１記載の放電ランプ。
【請求項４】上記面状電極は上記絶縁部材を介して、
電極間距離が零であることを特徴とする請求項１乃至３
記載の放電ランプ。
【請求項５】上記面状電極は上記絶縁部材を介して、
互いに重なり合うことを特徴とする請求項１乃至３記載
の放電ランプ。
【請求項６】上記面状電極は互いに向き合う部分が櫛
形をなすことを特徴とする請求項４または５記載の放電
ランプ。