JPH09171030A - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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JPH09171030A
JPH09171030A JP33213395A JP33213395A JPH09171030A JP H09171030 A JPH09171030 A JP H09171030A JP 33213395 A JP33213395 A JP 33213395A JP 33213395 A JP33213395 A JP 33213395A JP H09171030 A JPH09171030 A JP H09171030A
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cover
ring
sensor
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JP33213395A
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Hideo Ouchi
英男 大内
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Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 点検、修理の為に外輪8にカバー18bを着
脱する作業を、このカバー18bを傷める事なく可能に
し、メンテナンス費用の低廉化を図る。 【構成】 カバー18bは合成樹脂製の主体34と金属
板製のスリーブ35とから成る。スリーブ35の円筒部
38を外輪8に内嵌する事により、上記カバー18bを
外輪8に結合固定する。スリーブ35に形成した鍔部3
9の外径D39を、引き抜き治具係止用の凹溝41の底部
の直径D41よりも大きくする。カバー18bを取り外す
際、主体34を構成する合成樹脂には圧縮応力が加わる
のみである為、この主体34の損傷防止を図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明に係る回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に回
転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出す
る為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム
(ABS)、或はトラクションコントロールシステム
(TCS)を制御すべく、この車輪の回転速度を検出す
る為の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとして、
従来から種々の構造のものが知られている。この様な回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットに組み込まれる回
転速度検出装置は何れも、車輪と共に回転する、被検出
素子であるトーンホイールと、このトーンホイールの回
転速度に比例した周波数で変化する出力信号を出すセン
サとを備える。例えば発明協会公開技報94−1605
1には、図4〜5に示す様な回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットが記載されている。
【0003】内輪相当部材であるハブ1の外端部(外と
は車両への組み付け状態で車両の幅方向外となる側を言
い、各図の左)外周面には、車輪を固定する為のフラン
ジ部2を形成し、中間部外周面には内輪軌道3aと段部
4とを形成している。又、このハブ1の外周面には、そ
の外周面に内輪軌道3bを形成し、上記ハブ1と共に内
輪相当部材を構成する内輪5を、その外端面を上記段部
4に突き当てた状態で外嵌支持している。尚、上記内輪
軌道3aは、ハブ1の外周面に直接形成する代りに、ハ
ブ1とは別体の内輪(図示せず)に形成し、この内輪と
上記内輪5とを、ハブ1に外嵌固定する場合もある。
【0004】又、ハブ1の内端寄り部分(内とは、車両
への組み付け状態で車両の幅方向中央寄りとなる側を言
い、各図の右)には雄ねじ部6を形成している。そし
て、この雄ねじ部6に螺合し更に緊締したナット7によ
り、上記内輪5をハブ1の外周面の所定部分に固定し
て、上記内輪相当部材を構成している。ハブ1の周囲に
配置された、外輪相当部材である外輪8の中間部外周面
には、この外輪8を懸架装置に固定する為の取付部9を
設けている。又、この外輪8の内周面には、それぞれが
上記各内輪軌道3a、3bに対向する外輪軌道10a、
10bを形成している。そして、これら各内輪軌道3
a、3bと外輪軌道10a、10bとの間に、それぞれ
複数ずつの転動体11、11を設けて、上記外輪8の内
側でのハブ1の回転を自在としている。尚、図示の例で
は、転動体11、11として玉を使用しているが、重量
の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動
体としてテーパころを使用する場合もある。又、上記外
輪8の外端部内周面と、ハブ1の外周面との間には、シ
ールリング12を装着して、外輪8の内周面と上記ハブ
1の外周面との間に存在し、上記複数の転動体11、1
1を設けた空間の外端開口部を塞いでいる。
【0005】上記内輪5の内端部で上記内輪軌道3bか
ら外れた部分には、トーンホイール13の基端部(図4
〜5の左端部)を外嵌固定している。このトーンホイー
ル13は、鋼板等の磁性金属板により全体を円環状(短
円筒状)に形成されたもので、互いに同心に形成された
小径部14と大径部15とを、段部16により連続させ
て成る。この様なトーンホイール13は、上記大径部1
5を内輪5の端部外周面に外嵌し、上記段部16をこの
内輪5の端縁部に当接させた状態で、この内輪5に支持
固定している。従って上記小径部14は、上記内輪5と
同心に支持される。そして、この小径部14に複数の透
孔17を、円周方向に亙り等間隔に形成して、円周方向
に亙る磁気特性を交互に且つ等間隔に変化させている。
各透孔17は同形状で、軸方向(図4〜5の左右方向)
に長い矩形としている。
【0006】外輪8の内端開口部は、ステンレス鋼板、
アルミニウム合金板等の金属板を絞り加工する等により
有底円筒状に造られた、カバー18で塞いでいる。この
カバー18を構成する円筒部19の内周側に、円環状の
センサ20を包埋した、やはり円環状の合成樹脂21を
保持固定している。このセンサ20は、永久磁石22
と、鋼板等の磁性材により造られたステータ23と、コ
イル24とを備えており、これら各部材22、23、2
4を上記合成樹脂21中に包埋する事で、全体を円環状
に構成している。
【0007】上記センサ20の構成各部材のうちの永久
磁石22は、全体を円環状(円輪状)に形成されて、直
径方向に亙り着磁されている。そして、この永久磁石2
2の内周面を、上記トーンホイール13を構成する小径
部14の基端部で、上記透孔17を形成していない部分
の外周面に、微小隙間25を介して対向させている。
又、上記ステータ23は、断面が略J字形で全体を円環
状に造られている。そして、このステータ23を構成す
る外径側円筒部26の端部内周面と上記永久磁石22の
外周面とを、近接若しくは当接させている。又、上記ス
テータ23を構成する内径側円筒部27の内周面を、上
記トーンホイール13の一部で、上記複数の透孔17を
形成した部分に対向させている。更に、上記内径側円筒
部27には複数の切り欠き28を、この内径側円筒部2
7の円周方向に亙って、前記透孔17と等ピッチ(中心
角ピッチ)で形成している。従って、上記内径側円筒部
27部分は、櫛歯状に形成されている。
【0008】更に、上記コイル24は、非磁性材製のボ
ビン29に導線を巻回する事により円環状に形成され、
上記ステータ23を構成する外径側円筒部26の内周側
部分に配置されている。このコイル24に惹起される起
電力は、カバー18の外面に突設した、信号取り出し手
段であるコネクタ30から取り出す。
【0009】上述の様に構成される回転速度検出装置付
転がり軸受ユニットの使用時、ハブ1と共にトーンホイ
ール13が回転すると、このトーンホイール13と対向
するステータ23内の磁束密度が変化し、上記コイル2
4に惹起される電圧が、上記ハブ1の回転速度に比例し
た周波数で変化する。ステータ23を流れる磁束の密度
変化に対応して上記コイル24に惹起される電圧が変化
する原理は、従来から広く知られた回転速度検出用セン
サの場合と同じである。又、トーンホイール13の回転
に応じてステータ23に流れる磁束の密度が変化する理
由は、次の通りである。
【0010】上記トーンホイール13に設けた複数の透
孔17と、ステータ23に設けた切り欠き28とは、互
いのピッチが等しい為、トーンホイール13の回転に伴
って全周に亙り同時に対向する瞬間がある。そして、こ
れら各透孔17と各切り欠き28とが互いに対向した瞬
間には、隣り合う透孔17同士の間に存在する磁性体で
ある柱部と、やはり隣り合う切り欠き28同士の間に存
在する磁性体である舌片とが、前記微小隙間25を介し
て互いに対向する。この様にそれぞれが磁性体である柱
部と舌片とが互いに対向した状態では、上記トーンホイ
ール13とステータ23との間に、高密度の磁束が流れ
る。
【0011】これに対して、上記透孔17と切り欠き2
8との位相が半分だけずれると、上記トーンホイール1
3とステータ23との間で流れる磁束の密度が低くな
る。即ち、この状態では、トーンホイール13に設けた
透孔17が上記舌片に対向すると同時に、ステータ23
に設けた切り欠き28が上記柱部に対向する。この様に
柱部が切り欠き28に、舌片が透孔17に、それぞれ対
向した状態では、上記トーンホイール13とステータ2
3との間に比較的大きな空隙が、全周に亙って存在す
る。そして、この状態では、これら両部材13、23の
間に流れる磁束の密度が低くなる。この結果、前記コイ
ル24に惹起される電圧が、前記ハブ1の回転速度に比
例して変化する。前記センサ20は上述の様に作用する
事により、コイル24に惹起される出力電圧を、ハブ1
の回転速度に比例した周波数で変化させる。
【0012】更に、欧州特許公開EP 0 557 9
31 A1には、図6に示す様に、外輪8の内端開口部
を塞ぐカバー18aを合成樹脂製とし、このカバー18
aを構成する合成樹脂内にセンサ20aを包埋した構造
が記載されている。上記カバー18aの開口端部外周面
には、鋼板等、十分な剛性を有する金属板により、断面
L字形で全体を円環状に造られたスリーブ31を固定し
ている。このスリーブ31は、上記カバー18aを射出
成形する際にキャビティ内にセットしておく事により、
上記合成樹脂中にモールドする。
【0013】上述の様なカバー18aは、上記スリーブ
31を、外輪相当部材である外輪8の内端開口部に内嵌
する事により、この外輪8に固定される。この様な合成
樹脂製のカバー18aを組み込んだ構造の場合には、前
述の図4〜5に示した構造に比べ構成部材の点数を少な
くできて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットのコ
スト低減を図れる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した様
な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、
次に述べる様な解決すべき点がある。先ず、図4〜5に
示した従来の第1例の構造の場合には、センサ20を包
埋した合成樹脂21とコネクタ30を構成する合成樹脂
とが金属板製のカバー18を挟んで配置されている為、
製造作業が面倒でコストが嵩む。即ち、図4〜5に示し
た様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを造る場
合には、先ず合成樹脂21中にセンサ20を包埋した
後、この合成樹脂21をカバー18に内嵌し、次いでこ
のカバー18を成形型内にセットした状態で、上記コネ
クタ30を射出成形する。この為、射出成型工程が2回
必要になり(或は別々に射出成形された合成樹脂21と
コネクタ30とを接着する工程が必要になり)、製作費
が嵩む。
【0015】又、図6に示した従来の第2例の構造の場
合には、専用のプレス機がないと組み立てる事が難し
い。この為、専用のプレス機を備えていない整備工場
で、カバー18aに装着されたセンサ20aの交換を行
なえず、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを設置
した部分の点検、修理に要するコストが嵩む。又、外輪
8から上記カバー18aを抜き取る際に、スリーブ31
の外周面と外輪8の端部内周面との間に作用する大きな
摩擦力に基づいてこのスリーブ31の先端縁(図6の左
端縁)が、上記カバー18aを構成する合成樹脂の先端
外周寄り部分32を強く押す。この結果、この部分32
の基部に剪断方向の力が加わって、この部分32が破損
する可能性が高くなる。この部分32が破損したカバー
18a及びこのカバー18aに包埋されたセンサ20a
は再使用できなくなる為、やはり点検、修理に要するコ
ストが嵩む原因になる。
【0016】外輪8から上記カバー18aを抜き取る際
に、上記先端外周寄り部分32に上述の様な剪断応力が
加わるのを防止する為には、上記スリーブ31の基端部
(図6の右端部)に形成した鍔部33の外径を大きくす
る事が考えられる。この鍔部33の外径を大きくし、こ
の鍔部33の外周寄り部分を上記カバー18aの外周面
よりも直径方向外方に突出させて、この突出部分に工具
を引っ掛ければ、上記破損に結び付く剪断応力の発生を
防止できる。ところが、単に上記鍔部33の外径を大き
くした場合には、降雨時、或は洗車時に鍔部33の外側
面に吹き付けられた水が、上記スリーブ31と外輪8と
の接触面間を伝ってこの外輪8の内側に入り込み易くな
る為、採用できない。本発明の回転速度検出装置付転が
り軸受ユニットは、これらの不都合を何れも解消すべく
発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットと同様に、内周面に外輪軌
道を有し、回転しない外輪相当部材と、外周面に内輪軌
道を有し、回転する内輪相当部材と、上記外輪軌道と内
輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、
上記内輪相当部材の一部にこの内輪相当部材と同心に固
定された、円周方向に亙る特性を交互に且つ等間隔に変
化させた被検出素子と、上記外輪相当部材の開口端部に
嵌合固定されたカバーと、このカバーの一部に保持され
て上記被検出素子と対向し、この被検出素子の回転速度
を検出するセンサと、このセンサの検出信号を取り出す
信号取り出し手段とを備える。
【0018】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記カバーは、上記センサを
包埋し、上記外輪相当部材の開口端部を覆える大きさ及
び形状を有する合成樹脂製の主体と、金属板により断面
L字形で全体を円環状に形成され、上記主体の外周寄り
部分に包埋されたスリーブとから成る。このスリーブ
は、上記外輪相当部材の開口端部に内嵌固定自在な外径
を有する円筒部とこの円筒部の端縁から直径方向外方に
折れ曲がった鍔部とから成り、この鍔部の全体と上記円
筒部の鍔部寄りの基端寄り部分とを上記主体の外周寄り
部分に包埋した状態で、この主体と組み合わされてい
る。
【0019】又、上記円筒部の先端寄り部分を上記外輪
相当部材の開口端部に内嵌すると共に上記主体の片面を
上記外輪相当部材の端面に突き合わせた状態で、上記主
体の片面と上記外輪相当部材の端面との間に工具を係止
自在な凹溝若しくは複数の凹部が形成される。又、上記
鍔部の外周縁部はこの凹溝若しくは複数の凹部の底面よ
りも直径方向外方に位置している。更に、上記主体の片
面と上記外輪相当部材の端面との突き合わせ部分には弾
性材製のシールリングを装着して、この突き合わせ部分
を密封している。
【0020】
【作用】上述の様に構成される本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットが、車輪を懸架装置に回転自在
に支持したり、或はこの車輪の回転速度を検出する際の
作用自体は、前述した従来構造の場合と同様である。特
に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの
場合には、カバーを構成する合成樹脂製の主体を傷める
事なく、このカバーを外輪相当部材に着脱できるだけで
なく、この外輪相当部材の内部に水が入り込む事を確実
に防止できる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の第1
例を示している。尚、本発明の回転速度検出装置付転が
り軸受ユニットの特徴は、回転速度検出装置を構成する
センサ20bを支持するカバー18bを、転がり軸受ユ
ニットを構成する外輪8に結合固定する部分の構造にあ
る。転がり軸受ユニット部分の構造に就いては、前述の
図4に示した従来構造の第1例と同様である。この為、
転がり軸受ユニット部分に就いては、重複する説明を省
略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に
説明する。
【0022】外輪8の開口端部(図1〜2の右端部)に
は合成樹脂製の主体34と金属板製のスリーブ35とか
ら成るカバー18bを被着する事により、この外輪8の
内端開口部を塞いでいる。上記主体34は、合成樹脂に
より一体に形成された円板部36を備える。上記センサ
20bは、この円板部36の外側面側に包埋支持してい
る。円環状に形成された、このセンサ20bは、上記円
板部36の外側面から外方に突出している。又、この円
板部36の内側面には、上記センサ20bの検出信号を
取り出す為のコネクタ30を、上記主体34と一体に形
成している。この様な主体34を構成する円板部36の
外側面でこの円板部36の外周縁よりも直径方向内方に
寄った部分には、外方に突出する凸部37を、全周に亙
り形成している。上記センサ20bは、この凸部37に
包埋している。
【0023】一方、上記スリーブ35は、鋼板、ステン
レス鋼板等、十分な剛性を有する金属板に、プレス機に
よりバーリング加工を施す事により、断面L字形で全体
を円環状に形成されている。即ち、このスリーブ35
は、外輪8の開口端部に十分な締まり嵌めで内嵌固定自
在な外径を有する円筒部38と、この円筒部38の内端
縁から直径方向外方に折れ曲がった鍔部39とから成
る。尚、この様なスリーブ35を、加工コストの低廉な
バーリング加工により製造可能とすべく、このスリーブ
35を安価な鋼板により造る場合には、このスリーブ3
5の長さL35を、上記円筒部38の直径D38の0.2倍
以内(L35≦0.2・D38)に規制する。長さL35と直
径D38とをこの様に規制すれば上記スリーブ35を、加
工コストの嵩む深絞り加工によらずに製造可能となる。
勿論、多少コストが嵩んでも構わなければ、本発明の実
施がこの寸法関係に規制されるものではない。
【0024】何れにしてもこの様なスリーブ35は、上
記主体34をコネクタ30と共に射出成形する際に、上
記円筒部38の先端寄り部分(図1の左端寄り部分)を
除いて、この主体34の外周寄り部分に包埋する。尚、
このスリーブ35を上記センサ20bと共に主体34内
に包埋する際には、これら両部材35、20bを成形型
内に互いに同心にセットする。この状態で上記主体34
を射出成形すれば上記スリーブ35は、上記鍔部39の
全体と上記円筒部38の基端寄り部分(鍔部39寄り部
分で、図1の右寄り部分)とが、上記主体34の外周寄
り部分に包埋される。
【0025】又、上記主体34の外側面外周寄り部分に
は段部40を、全周に亙り形成している。この段部40
の存在に基づいて、上記円筒部38の先端寄り部分で上
記主体34の外側面から露出した部分を前記外輪8の内
端開口部に内嵌すると共に、上記主体34の外側面外周
寄り部分を上記外輪8の内端面に突き合わせた状態で、
上記主体34の外側面外周寄り部分と上記外輪8の内端
面との間に工具を係止自在な凹溝41が、全周に亙って
形成される。この凹溝41の底部の直径D41は、上記段
部40の大きさを規制する事により、上記鍔部39の外
径D39よりも小さく(D41<D39)している。言い換え
れば、この鍔部39の外周縁部はその全周に亙って、こ
の凹溝41の底面よりも直径方向外方に位置している。
又、上記凹溝41の幅W41は、カバー18bを外輪8か
ら取り外す際に使用する工具の端部をこの凹溝41内に
確実に挿入自在とすべく規制する。
【0026】更に、上記主体34の外側面外周寄り部分
と上記外輪8の内端面との突き合わせ部分には、ゴム、
エラストマー等の弾性材により造られたシールリング
(Oリング)42を装着している。即ち、上記主体34
の外側面外周寄り部分で、上記段部40よりも少し直径
方向内側に寄った部分に係止溝43を形成し、この係止
溝43に上記シールリング42を装着している。上述し
た様に、円筒部38の先端寄り部分を外輪8の内端開口
部に内嵌すると共に主体34の外側面外周寄り部分を上
記外輪8の内端面に突き合わせた状態で、このシールリ
ング42は上記係止溝43内で弾性的に圧縮され、この
シールリング42を囲む面に対し、全周に亙って弾性的
に接触する。この状態で上記シールリング42は、上記
主体34の外側面外周寄り部分と上記外輪8の内端面と
の突き合わせ部分を密封する。
【0027】尚、合成樹脂製の主体34の射出成形時に
スリーブ35を包埋した場合でも、スリーブ35を構成
する金属板と主体34を構成する合成樹脂との境目に微
小隙間が存在する事が避けられない。この微小隙間を通
じて泥水等が侵入する可能性が考えられるが、本発明の
構造の場合には、上記スリーブ35を構成する鍔部39
は合成樹脂に埋もれている為、上記金属板と合成樹脂と
の境目が泥水等が存在する外部空間に露出しない。又、
この境目の開口端は上記シールリング42よりも直径方
向内側に存在して、上記外部空間とはこのシールリング
42により隔てられている。従って、この境目を通じて
上記泥水等が上記外輪8の内側に入り込む事はない。
【0028】上述した様な主体34とスリーブ35とか
ら成るカバー18bを備えた本発明の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットを構成する場合、上記スリーブ3
5の円筒部38を外輪8の内端開口部に、締まり嵌めに
より内嵌固定する。上記シールリング42は、予め上記
係止溝43に装着しておく。上記主体34の外側面外周
寄り部分と上記外輪8の内端面とが突き当たるまで上記
円筒部38を外輪8内に押し込み、上記シールリング4
2を上記係止溝43内で弾性的に圧縮した状態で、外輪
8への組み付け作業が完了する。この状態でセンサ20
bを包埋したカバー18bが上記外輪8に対して、がた
つきなく確実に固定される。
【0029】この様にカバー18bを外輪8の内端開口
部に固定する際、上記主体34の内側面外周寄り部分に
押し込み治具の先端面を突き当てる。従って押し込み作
業時には、上記主体34を構成する合成樹脂の一部で、
前記鍔部39の内側面よりも内方に存在する部分に圧縮
方向の応力が加わる。この主体34を構成する合成樹脂
は、引っ張り応力によっては(特に低温時に)亀裂等の
損傷を受け易いが、圧縮応力によってはこの様な損傷を
受けにくい。従って、カバー18bを外輪8の内端開口
部に固定する為の押し込み作業に伴って上記主体34が
損傷を受ける事はない。
【0030】又、点検、修理等の為に上記カバー18b
を外輪8の内端開口部から取り外す際には、前記凹溝4
1に引き抜き治具の先端部を係合させて、この引き抜き
治具を内方に引っ張る。この際、引き抜き治具の作用点
を、上記鍔部39の外周縁よりも直径方向内方に位置さ
せるべく、この引き抜き治具の先端部を上記凹溝41の
奥にまで挿入する。この状態で上記引き抜き治具を内方
に引っ張れば、上記主体34を構成する合成樹脂の一部
で、上記鍔部39の外側面よりも外方に存在する部分に
圧縮方向の応力を加えつつ、上記円筒部38が外輪8の
内端開口部から引き抜かれる。従って、取り外し作業の
際にも、主体34を含めて、カバー18bを傷める事が
ない。
【0031】更に、図示の例の場合には、センサ20b
とトーンホイール13aとの対向面同士の相対速度を大
きくすると共に、これら両部材20b、13a同士の間
の磁気抵抗を2個所で同時に変化させる事により、この
センサ20bの出力変化を大きくしている。このセンサ
20bは、軸方向(図1の左右方向)に着磁した円環状
の永久磁石22aを含んで構成される。この永久磁石2
2aの軸方向外端面(図1の左端面)には第一のステー
タ44の基端部を当接させ、この第一のステータ44の
先端部外周面を、上記トーンホイール13aを構成する
大径部15aの中間部内周面に、微小隙間25を介して
対向させている。又、上記永久磁石22aの軸方向内端
面(図1の右端面)に、第二のステータ45の基端部を
当接させ、この第二のステータ45の先端部外周面を上
記大径部15aの軸方向内端部内周面に、やはり微小隙
間25を介して対向させている。
【0032】上記トーンホイール13aを構成する大径
部15aの内半部には切り欠き46、46を形成する事
により、上記第一のステータ44及び第二のステータ4
5の先端部にはそれぞれ切り欠き28、28を形成する
事により、それぞれの部分を櫛歯状に形成している。勿
論、これら各切り欠き46、28のピッチは互いに等し
い。又、第一、第二のステータ44、45に形成した切
り欠き28、28の位相は互いに一致している。又、上
記永久磁石22aと第一のステータ44と第二のステー
タ45とにより囲まれる部分にはコイル24aを設けて
いる。そして、これら各部材22a、44、45を流れ
る磁束の密度変化により、上記トーンホイール13aの
回転速度に比例した周波数で変化する電圧を上記コイル
24aに惹起させる様にしている。
【0033】上述の様に構成される為、上記トーンホイ
ール13aの回転に伴って磁束の流れに対する抵抗が、
第一のステータ44の先端部と大径部15aとの対向部
分だけでなく、第二のステータ45の先端部と大径部1
5aとの対向部分でも同時に変化する。従って、上記ト
ーンホイール13aの回転に伴う磁束密度の変化が大き
くなり、センサ20bの出力を大きくできる。更に、図
示の例では、センサ20bをトーンホイール13aを構
成する大径部15aの内径側に配置し、この大径部15
aの内周面とセンサ20bの外周面とを対向させている
為、これら両周面同士の相対速度が、前述した従来構造
の場合に比べて速くなる。この様に、上記両周面同士の
相対速度が速くなる事によっても、上記センサ20bの
出力が大きくなる。
【0034】尚、上述の様な回転速度検出装置部分の構
造に就いては、本発明の要旨ではない。本発明を実施す
る場合に、回転速度検出装置の構造自体は、図4〜6に
示した従来構造を含み、種々の構造を採用できる。例え
ば、図示の例の様に回転速度を磁気的に検出する構造の
他、光学的に検出する構造を採用する事もできる。光学
的に検出する構造を採用する場合には、被検出素子とし
て、円周方向に多数のスリットを等間隔に形成した板片
を使用し、センサとして発光素子と受光素子とを備えた
ものを使用する。又、磁気的に検出する構造の場合で
も、永久磁石製のトーンホイールと、MR素子、或はホ
ール素子を組み込んだアクティブ型のセンサとを組み合
わせる事もできる。更に、引き抜き治具の先端部を係合
させる為の係合部も、必ずしも全周に亙る凹溝である必
要はなく、円周方向複数個所(好ましくは3か所以上)
に形成した凹部であっても良い。
【0035】次に、図2は本発明の実施の形態の第2例
を示している。本例の場合には、引き抜き治具の先端部
を係合させる為の凹溝41を構成する為の段部40を、
主体34の外側面外周寄り部分に代えて、外輪8の内端
面外周側半部に形成している。その他の構成及び作用
は、上述した第1例の場合と同様である。
【0036】次に、図3は本発明の実施の形態の第3例
を示している。本例の場合には、シールリング42を装
着する為の係止溝43(図1〜2)を省略している。そ
の代わりにこのシールリング42を、外輪8の内端部内
周縁に形成した面取り部47と、スリーブ35を構成す
る円筒部38の中間部外周面と、主体34の外側面外周
寄り部分との間で弾性的に抑え付けている。その他の構
成及び作用は、上述した第1例の場合と同様である。
【0037】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、面倒な製造作業を要する事なく安価に構成
でき、しかも特別な装置を使用しなくても、点検、修理
の為の分解、組立作業を、構成部品を傷める事なく行な
える。従って、メンテナンスに要する費用が安く済む回
転速度検出装置付転がり軸受ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図5と同
様の断面図。
【図2】同第2例を示す、図5と同様の断面図。
【図3】同第3例を示す、図5と同様の断面図。
【図4】従来構造の第1例を示す断面図。
【図5】図4の右部拡大図。
【図6】従来構造の第2例を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 ハブ 2 フランジ部 3a、3b 内輪軌道 4 段部 5 内輪 6 雄ねじ部 7 ナット 8 外輪 9 取付部 10a、10b 外輪軌道 11 転動体 12 シールリング 13、13a トーンホイール 14 小径部 15、15a 大径部 16 段部 17 透孔 18、18a、18b カバー 19 円筒部 20、20a、20b センサ 21 合成樹脂 22、22a 永久磁石 23 ステータ 24、24a コイル 25 微小隙間 26 外径側円筒部 27 内径側円筒部 28 切り欠き 29 ボビン 30 コネクタ 31 スリーブ 32 先端外周寄り部分 33 鍔部 34 主体 35 スリーブ 36 円板部 37 凸部 38 円筒部 39 鍔部 40 段部 41 凹溝 42 シールリング 43 係止溝 44 第一のステータ 45 第二のステータ 46 切り欠き 47 面取り部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に外輪軌道を有し、回転しない外
    輪相当部材と、外周面に内輪軌道を有し、回転する内輪
    相当部材と、上記外輪軌道と内輪軌道との間に転動自在
    に設けられた複数の転動体と、上記内輪相当部材の一部
    にこの内輪相当部材と同心に固定された、円周方向に亙
    る特性を交互に且つ等間隔に変化させた被検出素子と、
    上記外輪相当部材の開口端部に嵌合固定されたカバー
    と、このカバーの一部に保持されて上記被検出素子と対
    向し、この被検出素子の回転速度を検出するセンサと、
    このセンサの検出信号を取り出す信号取り出し手段とを
    備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於い
    て、上記カバーは、上記センサを包埋し、上記外輪相当
    部材の開口端部を覆える大きさ及び形状を有する合成樹
    脂製の主体と、金属板により断面L字形で全体を円環状
    に形成され、上記主体の外周寄り部分に包埋されたスリ
    ーブとから成り、このスリーブは、上記外輪相当部材の
    開口端部に内嵌固定自在な外径を有する円筒部とこの円
    筒部の端縁から直径方向外方に折れ曲がった鍔部とから
    成り、この鍔部の全体と上記円筒部の鍔部寄りの基端寄
    り部分とを上記主体の外周寄り部分に包埋した状態で、
    この主体と組み合わされており、上記円筒部の先端寄り
    部分を上記外輪相当部材の開口端部に内嵌すると共に上
    記主体の片面を上記外輪相当部材の端面に突き合わせた
    状態で、上記主体の片面と上記外輪相当部材の端面との
    間に工具を係止自在な凹溝若しくは複数の凹部が形成さ
    れると共に、上記鍔部の外周縁部はこの凹溝若しくは複
    数の凹部の底面よりも直径方向外方に位置しており、更
    に、上記主体の片面と上記外輪相当部材の端面との突き
    合わせ部分には弾性材製のシールリングを装着して、こ
    の突き合わせ部分を密封している事を特徴とする回転速
    度検出装置付転がり軸受ユニット。
JP33213395A 1995-08-22 1995-12-20 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット Pending JPH09171030A (ja)

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US08/697,347 US5814984A (en) 1995-08-22 1996-08-22 Roller bearing unit having an improved structure for retaining and sealing a cover thereon
US09/161,491 US6218827B1 (en) 1995-08-22 1998-09-28 Rolling bearing unit having an improved structure for preventing foreign material from entering the unit

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005180697A (ja) * 2003-12-22 2005-07-07 Skf:Ab 車輪用ハブユニットの封止装置
JP2006283976A (ja) * 2005-04-04 2006-10-19 Robert Bosch Gmbh ホイールベアリングの回転運動を測定するための装置

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JP4511916B2 (ja) * 2003-12-22 2010-07-28 アクテボラゲット エスケーエフ 車輪用ハブユニットの封止装置
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