JP2008175382A - 回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2008175382A
JP2008175382A JP2007053873A JP2007053873A JP2008175382A JP 2008175382 A JP2008175382 A JP 2008175382A JP 2007053873 A JP2007053873 A JP 2007053873A JP 2007053873 A JP2007053873 A JP 2007053873A JP 2008175382 A JP2008175382 A JP 2008175382A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
wheel
outer ring
axial
rolling bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007053873A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideshi Shibuya
英志 渋谷
Yoshio Kaneko
吉男 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2007053873A priority Critical patent/JP2008175382A/ja
Publication of JP2008175382A publication Critical patent/JP2008175382A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C41/00Other accessories, e.g. devices integrated in the bearing not relating to the bearing function as such
    • F16C41/007Encoders, e.g. parts with a plurality of alternating magnetic poles
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C19/00Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
    • F16C19/02Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows
    • F16C19/14Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load
    • F16C19/18Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls
    • F16C19/181Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact
    • F16C19/183Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles
    • F16C19/184Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement
    • F16C19/186Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing balls essentially of the same size in one or more circular rows for both radial and axial load with two or more rows of balls with angular contact with two rows at opposite angles in O-arrangement with three raceways provided integrally on parts other than race rings, e.g. third generation hubs
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2326/00Articles relating to transporting
    • F16C2326/01Parts of vehicles in general
    • F16C2326/02Wheel hubs or castors
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/58Raceways; Race rings
    • F16C33/583Details of specific parts of races
    • F16C33/586Details of specific parts of races outside the space between the races, e.g. end faces or bore of inner ring

Abstract

【課題】複列に配置された転動体同士の間隔に影響されず、且つ、外輪1bの強度を低下させる事なくセンサ5bを設置でき、しかも、このセンサ5bが故障した場合にこのセンサ5bの交換を容易に行なえる構造を実現する。
【解決手段】エンコーダ4bとして、軸方向内側面を被検出面としたものを使用し、このエンコーダ4bをハブの軸方向内端部に支持固定する。又、上記センサ5bを、検出部を上記被検出面に軸方向内方から対向させた状態で、上記外輪1bの外周面に設けた静止側フランジ8aに支持固定する。
【選択図】図3

Description

この発明は、自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を測定する為の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットの改良に関する。具体的には、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する外輪の強度を低下させる事なく、しかも、回転速度検出装置を構成するセンサが故障した場合に、このセンサの交換に要するコストを低く抑えられる構造の実現を意図したものである。
自動車の車輪は懸架装置に対して、車輪支持用転がり軸受ユニットにより回転自在に支持している。又、自動車の走行安定性確保の為の装置であるアンチロックブレーキ装置(ABS)やトラクションコントロール装置(TCS)の制御用信号として利用する、上記車輪の回転速度を表す信号を得る為に、上記車輪支持用転がり軸受ユニットに、この車輪と共に回転するハブの回転速度を検出する為の回転速度検出装置を組み込む事も、従来から広く行なわれている。又、上記懸架装置を構成するナックルの一部に切り欠きを形成する事により、このナックルと、上記回転速度検出装置を構成するセンサとの干渉を防止する構造も、例えば特許文献1、2に記載される等により従来から知られている。
図22〜24は、これら引用文献1、2に記載された、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを示している。先ず、上記特許文献1に記載された従来構造の第1例に就いて、図22〜23により説明する。この従来構造の第1例を含めて、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットは、外輪1と、ハブ2と、複数個の転動体3、3と、エンコーダ4と、センサ5とを備える。このうちの外輪1は、内周面に複列の外輪軌道6、6を、外周面に懸架装置を構成するナックル7に結合固定する為の静止側フランジ8を、それぞれ有し、使用状態でこのナックル7に、複数本のボルト9により結合固定されて回転しない。又、上記ハブ2は、外周面の軸方向外端寄り部分(軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で幅方向外側となる側を言う。反対に、幅方向中央となる側を、軸方向に関して内と言う。本明細書及び特許請求の範囲全体で同じ。)で上記外輪1の軸方向外端開口から突出した部分に、車輪を支持固定する為の回転側フランジ10を、同じく中間部乃至内端寄り部分に複列の内輪軌道11、11を、それぞれ有し、使用時に上記車輪と共に回転する。又、上記各転動体3、3は、これら両列の内輪軌道11、11と上記両列の外輪軌道6、6との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられている。以上の構成により、上記ナックル7に対し上記車輪を回転自在に支持する為の、車輪支持用転がり軸受ユニットを構成している。
一方、上記車輪の回転速度を検出する為の回転速度検出装置を構成する為に、上記ハブ2の軸方向中間部で上記複列の内輪軌道11、11同士の間部分に、上記エンコーダ4を外嵌固定している。このエンコーダ4は、磁性金属、永久磁石等により造られたもので、被検出面である外周面の磁気特性を、円周方向に関して、交互に且つ等間隔で変化させている。更に、上記回転速度検出装置を構成する為に、上記外輪1の軸方向中間部で複列の外輪軌道6、6同士の間部分に、前記センサ5を装着している。この為に、上記外輪1の軸方向中間部に取付孔12を、この外輪1の内外両周面同士を貫通する状態で形成している。上記センサ5はこの取付孔12に、この外輪1の径方向外方から内方に挿通し、その先端面に設けた検出部を、上記エンコーダ4の外周面に近接対向させている。この状態で上記センサ5の基半部は、上記外輪1の外周面から径方向外方に突出している。この外輪1を上記ナックル7に結合固定した状態で上記センサ5の基半部は、このナックル7の軸方向外端面に形成した切り欠き13内に進入する為、これらセンサ5の基半部とナックル7とが干渉する事はない。
上述の様な従来構造の第1例で、上記ハブ2が上記回転側フランジ10に結合固定した車輪と共に回転すると、上記センサ5の出力信号が、この車輪の回転速度に比例した周波数で変化する。この為、この出力信号を図示しない制御器に送れば、前記ABSやTCSを適切に制御できる。尚、図示の例は、駆動輪(FF車の前輪、FR車及びMR車の後輪、4WD車の全車輪)用の車輪支持用転がり軸受ユニットである為、上記ハブ2の中心部にスプライン孔14を設けると共に、このスプライン孔14に等速ジョイント15に付属のスプライン軸16を係合させた状態で、この等速ジョイント15と上記ハブ2とを結合固定している。従動輪(FF車の後輪、FR車及びMR車の前輪)用の車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、中実のハブを使用するが、基本的な構成及び機能は、駆動輪用の、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットと同じである。
次に、特許文献2に記載された従来構造の第2例は、図24に示す様に、外輪1aの内周面とハブ2aの外周面との間の軸受空間17の軸方向内端開口部を塞ぐ組み合わせシールリング18に、エンコーダ4aとセンサ5aとを組み込んでいる。そして、このセンサ5aの出力信号を取り出す為のコネクタ19を、上記外輪1aの外周面よりも径方向外方に突出する状態で設けている。懸架装置への取付状態では、上記コネクタ19を、ナックル7aに形成した切り欠き13a内に進入させて、これらコネクタ19とナックル7aとの干渉を防止する。
上述した従来から知られている回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットのうち、図22〜23に示した第1例の構造の場合には、複列に配置された転動体3、3同士の間に存在する空間が或る程度広くなければ、前記エンコーダ4及び前記センサ5を設置する事ができない。この為、この空間が狭い構造では実施できない。又、このセンサ5を設置する為に、前記外輪1の軸方向中間部に前記取付孔12を形成する分、この外輪1の強度が低下する。この為、この外輪1の肉厚を大きくする等により強度確保を図る必要があり、この外輪1を含む回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットの軽量化を図る面からは不利になる。更に、図24に示した第2例の構造の場合には、前記センサ5aが故障した場合にこれを交換する為には、前記組み合わせシールリング18ごと交換する必要がある。但し、この組み合わせシールリング18の構成各部材は、上記外輪1aの内周面或いは上記ハブ2aの外周面に、大きな締り嵌めで嵌合固定している。この為、上記センサ5aの交換作業が面倒になり、現実的には回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット全体を交換しなければならなくなり、修理コストを抑える面からも、省資源化の面からも好ましくない。
特開2001−253206号公報 特開2004−263718号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、複列に配置された転動体同士の間隔に影響されず、且つ、外輪の強度を低下させる事なくセンサを設置でき、しかも、センサが故障した場合にこのセンサの交換を容易に行なえる回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを実現すべく発明したものである。
本発明の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットは、前述した従来から知られている回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットと同様に、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、エンコーダと、センサとを備える。
このうちの外輪は、内周面に複列の外輪軌道を、外周面に懸架装置に結合固定する為の静止側フランジを、それぞれ有する。そして、使用状態では、この懸架装置に結合固定されて回転しない。
又、上記ハブは、外周面の軸方向外端寄り部分でこの外輪の軸方向外端開口から突出した部分に車輪を支持固定する為の回転側フランジを、同じく中間部乃至内端寄り部分に複列の内輪軌道を、それぞれ有し、使用時に上記車輪と共に回転する。
又、上記各転動体は、上記両列の外輪軌道と上記両列の内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられている。
又、上記エンコーダは、上記ハブの一部にこのハブと同心に支持固定され、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させている。
更に、上記センサは、検出部をこのエンコーダの被検出面に対向させた状態で、上記外輪の一部に支持固定されている。
特に、本発明の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットに於いては、上記エンコーダは、軸方向内側面を被検出面としたもので、上記ハブの軸方向内端部に支持固定されている。
又、上記センサは、検出部を上記被検出面に軸方向内方から対向させた状態で、上記静止側フランジに支持固定されている。
上述の様な本発明の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを実施する場合に、例えば請求項2、4に記載した様に、上記センサを、検出部に設置した検出素子をホルダにより保持して成るものとする。
そして、請求項2に記載した様に、上記ホルダの軸方向外側面を静止側フランジの軸方向内側面に突き当てた状態で、上記ホルダと静止側フランジとのうちの一方に設けた取付孔を挿通した取付ねじを、これらホルダと静止側フランジとのうちの他方に設けたねじ孔に螺合する事により、上記センサをこの静止側フランジに対し支持固定する。
この様な請求項2に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを実施する場合に好ましくは、請求項3に記載した様に、前記エンコーダの被検出面の軸方向位置を、静止側フランジの軸方向内側面を基準として規制する。
或いは、請求項4に記載した様に、上記ホルダの軸方向外側面に設けた取付板部を静止側フランジの外周面に突き当てた状態で、この取付板部に設けた取付孔を挿通した取付ねじを、上記静止側フランジの外周面に開口する状態でこの静止側フランジに形成したねじ孔に螺合する事により、上記センサをこの静止側フランジに対し支持固定する。
この様な請求項4に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットに記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項5、7に記載した様に、上記取付板部に設けた取付孔を、少なくとも外輪の軸方向に関する内寸が取付ねじの外径よりも大きくする。そして、上記ホルダの軸方向外側面と前記外輪の軸方向内端面(請求項5)又は静止側フランジの軸方向内側面(請求項7)とを当接させた状態で、上記ねじ孔に螺合した上記取付ねじを緊締する。
この様な請求項5、7に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを実施する場合に好ましくは、例えば請求項6に記載した様に、前記エンコーダの被検出面の軸方向位置を、上記外輪の軸方向内端面を基準として規制する。或いは、請求項8に記載した様に、上記エンコーダの被検出面の軸方向位置を、上記静止側フランジの軸方向内側面を基準として規制する。
上述の様な本発明の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを実施する場合に好ましくは、エンコーダ及びセンサを設置した空間と外部空間とを遮断する。この理由は、これらエンコーダやセンサに、泥水、磁性粉等の異物が付着して、これらエンコーダ及びセンサを利用して行なう、回転速度検出の信頼性及び精度が悪化するのを防止する為である。この場合に、車輪支持用転がり軸受ユニットが従動輪用であれば、外輪の軸方向内端開口を、有底の保護カバーにより覆えば良い。これに対して、車輪支持用転がり軸受ユニットが駆動輪用である場合には、外輪の軸方向内端開口部の中心部に等速ジョイントが配置される為、上記異物付着防止の為の構造を工夫する必要がある。
そこで、この様な場合、即ち、請求項9に記載した発明の様に、回転側フランジに支持固定する車輪が駆動輪であって、ハブの中心部に等速ジョイントの駆動軸をスプライン係合させる為のスプライン孔が設けられている場合には、外輪の軸方向内端部に、この外輪の内周面と上記等速ジョイントの外周面との間を塞いでエンコーダ及びセンサを設置した空間と外部空間とを遮断する、環状の保護カバーを設ける。このカバーの内周縁と上記等速ジョイントの外周面との間は、接触式の弾性シールリップにより塞いでも、或いは非接触式のラビリンスシールにより塞いでも良い。
上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、複列に配置された転動体同士の間隔に影響されず、且つ、外輪の強度を低下させる事なく、センサを設置できる。しかも、このセンサが故障した場合にこのセンサの交換を容易に行なえる。
又、請求項3、6、8に記載した発明の構造によれば、エンコーダの被検出面とセンサの検出部との軸方向に関する相対的位置関係を厳密に規制して、これら被検出面と検出部との擦れ合いを防止しつつ、これら被検出面と検出部との距離を十分に小さく抑えて、上記センサの出力信号を十分に大きくできる。
更に、請求項9に記載した発明の構造によれば、エンコーダやセンサに、泥水、磁性粉等の異物が付着するのを防止して、これらエンコーダ及びセンサを利用して行なう、駆動輪の回転速度検出の信頼性及び精度を確保できる。
[実施の形態の第1例]
図1〜5は、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例の構造を含めて、本発明の特徴は、外輪1bに対してセンサ5bを装着する部分の構造にある。車輪支持用転がり軸受ユニットの構造に就いては、前述の図22に示した従来構造を含め、従来から広く知られている車輪支持用転がり軸受ユニットと同様である。又、センサ5bとエンコーダ4bとによりハブ2(図22参照)の回転速度を求める原理に関しても、従来から広く知られている回転速度検出装置と同様である。就いては、重複する、或は従来から広く知られている構造及び機能に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
本例の構造では、上記外輪1bの外周面に設けた静止側フランジ8aの軸方向内側面の一部で、この静止側フランジ8aをナックル7bに装着する為のボルト9(図22参照)の先端部を螺合する為のねじ孔20、20の間部分に、上記センサ5bを支持固定している。このセンサ5bは、合成樹脂製のホルダ21に、ホール素子等の磁気検出素子を包埋支持して成る。本例の場合、このホルダ21の基半部22を厚肉にし、先半部23を薄肉にすると共に、この先半部23をこの基半部22に対し、軸方向内側に偏らせて配置している(オフセットしている)。上記センサ5bの検出部となる、上記磁気検出素子は、上記先半部23の先端寄り部分に、この先半部23の軸方向外側面に露出する状態で包埋支持している。
又、上記基半部22の軸方向外側面には、図4に示す様に、それぞれが金属製のナット片24と係止ピン25とを保持固定している。このうちのナット片24は、上記基半部22の軸方向外側面中央部に、この軸方向外側面から突出しない状態で(面一に)、且つ、中心部のねじ孔がこの軸方向外側面部分に露出する状態で保持固定している。これに対して上記係止ピン25は、上記基半部22の軸方向外側面のうちで上記ナット片24よりも上記先半部23寄り部分に、この軸方向外側面部分から突出する状態で、保持固定している。尚、上記ホルダ21を構成する合成樹脂の一部を突出させて、上記係止ピン25に代える(合成樹脂の射出成形時に、係止ピンの役目を果たす突部をホルダと一体に形成する)事もできる。何れにしても、上記ホルダ21を構成する、上記基半部22と上記先半部23との軸方向外側面同士の間の段差Hは、上記外輪1bの軸方向内端部で上記静止側フランジ8aよりの軸方向内方に突出した部分の軸方向長さL以上(H≧L)としている。この様な寸法規制により、上記先半部23の軸方向外側面と上記外輪1bの軸方向内端面とを干渉させずに、上記基半部22の軸方向外側面と上記静止側フランジ8aの軸方向内側面に突き当てられる様にしている。
一方、この静止側フランジ8aの一部で前記ねじ孔20、20の間部分に、図5に示す様に、上記ナット片24と螺合する取付ねじ55(図15参照)を挿通する為の通孔26と、上記係止ピン25を挿入する為の係止孔27とを形成している。この係止孔27は、貫通孔でも有底孔でも良いが、有底孔とする場合にはその深さを、上記係止ピン25の突出量以上とする。この様な係止孔27と上記通孔26とのピッチは、上記ナット片24と上記係止ピン25とのピッチと等しくしている。
上述の様な通孔26及び係止孔27を設けた上記静止側フランジ8aに、前述の様なホルダ21を備えたセンサ5bを装着する作業は、次の様にして行なう。先ず、このセンサ5bを上記静止側フランジ8aの軸方向内側に配置した状態からこの静止側フランジ8aに近づけ、上記係止ピン25を上記係止孔27内に挿入する。次いで、上記通孔26と上記ナット片24のねじ孔とを整合させて、この通孔26を軸方向外側から挿通した上記取付ねじをこのナット片24のねじ孔に螺合し更に締め付ける。上記静止側フランジ部8aの軸方向内側面は前記ナックル7bに突き当てる面であって、旋削等の機械加工により精度の良い平坦面とされている為、上記取付ねじ55の締め付けの結果、上記センサ5bが前記外輪1bに対し、所定の位置関係で支持固定される。又、この状態では、上記係止ピン25と上記係止孔27とが係合している為、上記センサ5bが上記取付ねじを中心に回動する事はない。
何れにしても、上記センサ5bの基半部22を上記静止側フランジ8aの軸方向内側面に結合固定した状態で、このセンサ5bの先半部23の先端部で前記磁気検出素子を包埋支持した部分は、上記外輪1bの軸方向内端部内周面よりも径方向内方に突出する。そして、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを組み立てた状態では、上記外輪1bの内径側に設置したハブ2、2a(図22、24参照)の軸方向内端部に外嵌固定したエンコーダ4bの被検出面に上記磁気検出素子が、微小隙間を介して対向する。このエンコーダ4bは、ゴム磁石等の永久磁石製で全体を円輪状としており、軸方向に着磁している。又、着磁方向は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。従って、被検出面である、上記エンコーダ4bの軸方向内側面には、S極とN極とが、交互に且つ等間隔で配置されている。
この様なエンコーダ4bは、上記外輪1bの内周面と上記ハブ2、2aの外周面との間の軸受空間17(図24参照)の軸方向内端開口部を塞ぐ組み合わせシールリング18aを構成するスリンガ28(後述する実施の形態の第3例を示す図11参照)の軸方向内側面に、接着、焼き付け、自身の磁気吸着力等により、上記ハブ2、2aと同心に、全周に亙って支持固定している。このハブ2、2aに上記組み合わせシールリング18aを組み付ける作業は、このハブ2、2aを上記外輪1bの内径側に組み付けた後に行なう。そして、この場合に、上記スリンガ28の軸方向位置を、上記静止側フランジ8aの軸方向内側面を基準として規制する。従って、上記微小隙間の厚さ(上記センサ5bの検出部と上記エンコーダ4bの被検出面との軸方向距離)を適切に規制できる。尚、本例の場合には、上記センサ5bとしてアクティブ型のものを使用しているので、上記微小隙間の厚さが多少ずれても、このセンサ5bの出力を十分に確保できる。従って、この微小隙間の厚さをあまり厳密に規制する必要はないが、安定した性能を確保する為に、コスト上昇に結び付かない程度の精度で規制する事が好ましい。
上述の様にして、上記ハブ2、2aに上記エンコーダ4bを、上記外輪1bに上記センサ5bを、それぞれ支持固定した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットは、図1〜2に示す様にして、前記ナックル7bに結合固定する。即ち、上記静止側フランジ8aの軸方向内側面をこのナックル7bの軸方向外側面に突き当てると共に、このナックル7bに形成した複数の挿通孔29、29(図22〜23参照)と上記静止側フランジ8aに形成した前記各ねじ孔20、20とを整合させる。上記ナックル7bの軸方向外端部で上記センサ5bと対向する部分には、このセンサ5bよりも大きな切り欠き13bが設けられているので、上記静止側フランジ8aの軸方向内側面と上記ナックル7bの軸方向外側面とを、がたつきなく突き当てる事ができる。そして、上記各挿通孔29を軸方向内方から挿通したボルト9(図22参照)の先端の雄ねじ部を上記各ねじ孔20、20に螺合し更に締め付ける。この結果、上記回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットが上記ナックル7bに支持され、このナックル7bに車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出自在となる。
上記センサ5bは、上記外輪1bの軸方向内端部に、上記静止側フランジ8aにねじ止めした状態で支持固定される為、上記センサ5bを設置する構造が、複列に配置された転動体3、3同士の間隔(図22参照)に影響される事はない。又、上記外輪1bの軸方向中間部に取付孔12(図22参照)を形成する事がない為、この外輪1bの強度を低下させる事がなく、この外輪1bの薄肉化により回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットの軽量化を図る面から有利である。しかも、上記センサ5bが故障した場合に、前記ナット片24に螺合した前記取付ねじ55を緩めるのみで、このセンサ5bの交換を容易に行なえる。更に、このセンサ5bの検出部と被検出面である前記エンコーダ4bの内側面との軸方向位置を、何れも前記静止側フランジ8aの軸方向内側面を基準として規制している為、上記検出部と上記内側面との相対的位置関係を、コストを抑えつつ、厳密に規制できる。そして、これら被検出面と検出部との擦れ合いを防止しつつ、これら被検出面と検出部との距離を十分に小さくして、上記センサ5bの出力信号を十分に大きくできる。
[実施の形態の第2例]
図6も、請求項1〜3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、センサ5cを構成するホルダ21aの基半部22aの円周方向両側面の軸方向外半部に、取付フランジ31を設け、この取付フランジ31の両端部に、それぞれナット片24、24を包埋支持している。上記センサ5cを、この静止側フランジ8aの軸方向内側面に支持固定するには、外輪1bの外周面に設けた静止側フランジ8aの一部で、円周方向に隣り合うねじ孔20、20同士の間部分に形成した1対の通孔を軸方向外側から内側に挿通した取付ねじを、上記両ナット片24、24のねじ孔に螺合し更に締め付ける。
この様な本例の構造の場合、上記取付ねじを1対設ける分、上記静止側フランジ8aに対する上記センサ5cの支持強度を大きくできる代わりに、上記外輪1bの周方向に関する、このセンサ5cの幅寸法が大きくなる。この為、このセンサ5cとの干渉を防止する為に、ナックルの軸方向外側面に形成する切り欠きの幅寸法を大きくしなければならず、この面からは、上述した実施の形態の第1例の場合に比べて不利である。尚、本例の場合には、上記取付フランジ31に、上記ナット片24、24に代えて単なる円筒状のスリーブを包埋支持すると共に、上記静止側フランジ8aに、上記通孔に代えてねじ孔を設ける事もできる。この場合には、取付ねじを、上記スリーブの軸方向内側から外側に挿通する。その他の部分の構成及び作用は、この第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
尚、センサを静止側フランジ8aに支持固定した状態で、この静止側フランジ8aに対し回転するのを阻止する為の構造としては、前述した実施の形態の第1例や上述した実施の形態の第2例の構造の他、図7に示した様な構造を採用する事もできる。この図7に示した構造は、センサ5dを構成する磁気検出素子を包埋支持するホルダ21の基半部22と先半部23との間の段差部32の形状を、外輪1bの軸方向内端部で静止側フランジ8aよりも軸方向に突出した部分(図3参照)の外周面に見合う、凹円弧状としている。上記センサ5dを上記静止側フランジ8aの軸方向内側面に装着した状態では、上記段差部32と上記外輪1bの軸方向内端部外周面との係合により、上記センサ5dが取付ねじを中心として回転する事を阻止する。
[実施の形態の第3例]
図8〜11は、請求項1、4〜6に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、センサ5eを構成するホルダ21bの軸方向外側面のうちで、外輪1bの径方向に関して外端部に、庇状の取付板部33を、軸方向内方に突出する状態で形成している。そして、この取付板部33の先端部に、金属製で円筒状のスリーブ34を包埋支持している。一方、外輪1bの外周面に形成した静止側フランジ8aの円周方向の一部で、円周方向に隣り合うねじ孔20、20同士の間に位置し、これらねじ孔20、20を形成した部分よりも外径が小さくなった部分の外周面に、図11に示す様に、ねじ孔35を形成している。このねじ孔35の内径(及びこのねじ孔35に螺合する取付ねじの外径)は、上記スリーブ34の内径よりも十分に小さい。従ってこの取付ねじは、このスリーブ34を緩く挿通自在である。又、上記静止側フランジ8aの円周方向の一部外周面で、上記ねじ孔35の開口部周囲に位置し、上記取付板部33を突き当てる部分は、機械加工により精度の良い(この取付板部33をがたつきなく突き当てられる)平坦面としている。
本例の構造を組み立てるには、上記取付板部33を上記静止側フランジ8aの円周方向の一部外周面で上記ねじ孔35の開口部周囲に突き当て、上記スリーブ34と上記ねじ孔35とを整合させる。そして、このスリーブ34を、上記外輪1bの径方向外方から内方に挿通した取付ねじを、上記ねじ孔35に螺合し更に締め付ける。又、この締め付けに先立って、上記ホルダ21bの軸方向外側面先端寄り部分を、上記外輪1bの軸方向内端面に突き当てる。上記スリーブ34の内径は上記取付ねじの外径よりも十分に大きいので、上記先端寄り部分を上記軸方向内端面に突き当てる事は確実に行なえる。この結果、前記センサ5eの軸方向位置が、この外輪1bの軸方向内端面を基準として規制される。このセンサ5eの検出部を対向させる、エンコーダ4bの軸方向内側面の軸方向位置に関しても、上記外輪1bの軸方向内端面を基準として規制しているので、上記センサ5eの検出部と上記エンコーダ4bの軸方向内側面との位置関係が適正になる。
尚、上記取付板部33の先端部に包埋支持するスリーブを、上記外輪1bの軸方向に長い長円形とする事もできる。この様な長円形のスリーブを使用すれば、上記静止側フランジ8aの軸方向内側面よりも軸方向内方に突出している部分の軸方向寸法が或る程度異なる外輪1bに対して、同種のセンサ5eを組み付ける事が可能になる。
何れにしても、本例の構造は、このセンサ5eの着脱の為に行なう取付ねじの螺合作業を、上記外輪1bの径方向外側から行なえるので、修理、交換の為の上記センサ5eの着脱作業を容易に行なえる。但し、図11から分かる様に、上記取付ねじを螺合する為のねじ孔35の奥端部と、上記外輪1bの内周面の軸方向内端寄り部分に設けた外輪軌道6とが近くなる場合があり、この様な場合には、この外輪軌道6の耐久性確保の面からは不利になる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例の場合と同様であるから、重複する説明は省略する。
[シール構造に関して]
上述の様な本発明の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを実施する場合、図1、2に示す様に、切り欠き13bを設けたナックル7bを使用する。この為、この切り欠き13bを通じて、このナックル7bの内径側に泥水等の異物が入り込む。この様な異物が外輪の内径側に迄入り込み、センサやエンコーダに付着する事を防止する為に、図12に示す様な保護カバー36を外輪の軸方向内端部に外嵌固定する事もできる。この保護カバー36は、円筒部37と底板部38とを備えた有底円筒状で、このうちの円筒部37の一部に、上記センサの外寸に見合う内寸を有する切り欠き39を形成している。この様な保護カバー36は、この切り欠き39に上記センサを内嵌した状態で、上記円筒部37を上記外輪の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌する。駆動輪用の回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットに使用する保護カバーの場合には、図12に鎖線で示す様に、上記底板部38に、等速ジョイント15に付属のスプライン軸16(図22参照)を挿通する為の通孔40を形成する。
又、エンコーダに磁性粉等の異物が付着して、このエンコーダの被検出面の磁気特性の変化状況が不良になる事を防止する為に、図13に示す様な構造で、エンコーダ4cを外部空間から遮断する事もできる。この構造は、アルミニウム系合金、銅系合金、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性金属板製で断面L字形且つ全体が円環状の芯金41の軸方向外側面に、永久磁石製のエンコーダ4cを添設している。又、この芯金41の外周縁に装着した弾性材製のシールリップ42の外周縁を外輪1の内周面に摺接させて、上記エンコーダ4cと上記外部空間とを遮断している。更に、このエンコーダ4cの軸方向外側面に、軟鋼板等の磁性金属板製のバックヨーク43を添設して、被検出面であるこのエンコーダ4cの軸方向内側面から出てセンサ5fの検出部に達する磁束の強度を確保できる様にしている。尚、図示の例では、上記バックヨーク43よりも更に軸方向外側部分にシールリング44を設けているが、このシールリング44は省略しても良い。設ける場合でも、回転抵抗の増大に結び付かない、非接触型のものを使用する事が好ましい。
[実施の形態の第4例]
図14〜16は、請求項1、4〜9に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例は、駆動輪の回転速度を検出する事を目的としている為、ハブ2として、中心部にスプライン孔14を設けたものを使用している。使用時にはこのスプライン孔14に、等速ジョイント15に付属のスプライン軸16(等速ジョイント15の全体形状に関しては、図22参照)を挿通する。又、使用状態では、上記ハブ2を構成する内輪45の軸方向内端面に、上記等速ジョイント15を構成するハウジング46の軸方向外端面を突き当てる。本例は、この様な等速ジョイント15の存在に拘らず、エンコーダ4b及びセンサ5eの検出部に、泥水や磁性粉等の異物が付着するのを防止する為の保護カバー36aを設置したものである。
この保護カバー36aは、ステンレス鋼板、亜鉛メッキ鋼板等の耐食性を有する金属板に、プレス等による打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、断面クランク形で全体を円環状としている。即ち、上記保護カバー36aは、円輪部47と、この円輪部47の外周縁から軸方向外方に折れ曲がった外径側円筒部48と、この円輪部47の内周縁から軸方向内方に折れ曲がった内径側円筒部49と、この内径側円筒部49の先端縁(軸方向内端縁)に基端部を結合した、弾性材製のシールリップ50とを備える。この様な保護カバー36aは、上記外径側円筒部48の軸方向外半部を外輪1の軸方向内端部に、締り嵌めで外嵌固定すると共に、上記シールリップ50の先端縁を上記等速ジョイント15のハウジング46の外周面に、全周に亙り摺接させている。そして、上記外輪1の内周面と、このハウジング46の外周面との間を塞いで、上記エンコーダ4b及びセンサ5eを設置した空間51と外部空間とを遮断している。尚、図示の例では、上記外径側円筒部48の一部で設置状態で下端部に位置する部分に水抜き孔52を設け、洗車時等に上記空間51内に入り込んだ水を排出可能としている。但し、次述する様な、上記外径側円筒部48を上記センサ5eが貫通している部分のシール性を十分に確保できる等により、上記空間51内に水が入り込む可能性がなければ、上記水抜き孔52は省略する。
上記外径側円筒部48のうち、この水抜き孔52から外れた部分には、上記センサ5eを挿通する為の取付孔53を形成している。このセンサ5eを構成するホルダ21cは、上端部にフランジ状の取付板部33aを、下端部に断面積が小さくなった挿入部54を、それぞれ設けている。ホール素子等の磁気検出素子は、この挿入部54の先端部に包埋支持している。この様なセンサ5eは、この挿入部54を上記取付孔53を通じて上記保護カバー36a内に挿入すると共に、上記取付板部33aの先端部に包埋支持したスリーブ34aを挿通した取付ねじ55により、上記外輪1に対し結合固定する。この取付ねじ55を螺合させる為のねじ孔35は、この外輪1の外周面に設けた静止側フランジ8aに、この静止側フランジ8aの外周面に開口する状態で設けている。又、上記スリーブ34aの中心孔は、図16に示す様に、上記外輪1の軸方向(図14〜16の左右方向)に長い長円形として、この外輪1に対する上記センサ5eの、軸方向に関する取付位置を調節可能としている。
本例の場合には、上記スリーブ34aの中心孔が上記外輪1の軸方向に長い事を利用して、上記取付ねじ55を締め付ける以前に、上記センサ5eを上記外輪1の軸方向に変位させる。そして、このセンサ5eの本体部分の軸方向外側面が上記静止側フランジ8aの軸方向内側面に当接するか、或いは上記挿入部54の軸方向外側面が上記外輪1の軸方向内端面に当接した状態で、上記取付ねじ55を締め付ける。即ち、上記センサ5eの検出部である、上記挿入部54の先端部に包埋支持した磁気検出素子の位置を、上記静止側フランジ8aの軸方向内側面か、上記外輪1の軸方向内端面とのうちの何れかの面を基準として規制する。これに合わせて、エンコーダ4bの被検出面である軸方向内側面の軸方向位置を規制する。即ち、このエンコーダ4bの被検出面の軸方向位置と上記センサ5eの検出部の軸方向位置とを、同じ面を基準として規制する。何れの面を基準として、このセンサ5eの検出部の軸方向位置を規制するかを予め決めておく事は、勿論である。
[実施の形態の第5例]
図17〜18も、請求項1、4〜9に対応する、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の場合には、保護カバー36bとして、シールリップ50(図14〜15参照)を備えないものを使用している。この保護カバー36bは、金属板にプレス等による打ち抜き加工及び曲げ加工を施す事により、円輪部47と外径側円筒部48とを備える断面L字形で、全体を円環状としている。この様な保護カバー36bは、この外径側円筒部48を外輪1の軸方向内端部に締り嵌めで外嵌する事により、この外輪1に対し支持固定している。又、等速ジョイント15との組み合わせ状態で、上記円輪部47の内周縁を、この等速ジョイント15のハウジング46の外周面に、全周に亙り近接対向させる事で、当該部分にラビリンスシールを構成する。上記外輪1に対する上記保護カバー36bの、軸方向に関する位置決め(圧入量)は、車輪支持用転がり軸受ユニットの構成部材(外輪1又はハブ2)の軸方向内端面を基準として行なう。本例の場合には、エンコーダ4b及びセンサ5eを設置した空間51内への水分の進入を確実に防止する事はできないので、上記外径側円筒部48の下端部に水抜き孔52を設ける事が好ましい。その他の構成及び作用は、上述した実施の形態の第4例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第6例]
図19〜20は、請求項1〜3、9に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示している。本例の場合には、センサ5gを構成するホルダ21dの側面に形成した取付フランジ31aを挿通した取付ねじ55を、外輪1の外周面に設けた静止側フランジ8aの内側面に開口したねじ孔35に螺合し、更に締め付けて、上記センサ5gを上記外輪1に対し支持固定している。従って本例の場合には、この外輪1の軸方向に関する、上記センサ5gの検出部、及び、エンコーダ4bの位置を、上記静止側フランジ8aの軸方向内側面を基準として規制している。その他の部分の構成及び作用は、上述した実施の形態の第5例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
[実施の形態の第7例]
図21は、請求項1、4〜9に対応する、本発明の実施の形態の第7例を示している。上述した実施の形態の各例が、センサ5b〜5gの検出信号を取り出す為のハーネス56(図1、3〜4、6〜11、14〜15、17〜20参照)を、これらセンサ5b〜5gを構成するホルダから直接取り出していたのに対して、本例の場合には、センサ5hのホルダ21eに、コネクタ57を設けている。このコネクタ57には、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを懸架装置に組み付けた後、上記センサ5hと別体のハーネスの端部に設けたプラグを接続する。この様な本例の構造は、上記懸架装置への組み付け時に、長尺なハーネスが邪魔にならずに済む為、この組み付け作業が容易になる。又、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットの製造工場から自動車の組立工場への搬送の効率化も図れる。その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第5例の場合と同様であるから、同等部分には同一符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施の形態の第1例を示す、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを構成するセンサ及び外輪とナックルとを組み合わせた状態を軸方向外側寄りから見た斜視図。 同じく軸方向内側寄りから見た部分斜視図。 同じく、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを構成するセンサ及び外輪とエンコーダとを組み合わせた状態を軸方向内側寄りから見た部分斜視図。 同じく、センサを軸方向外側から見た斜視図。 同じく、外輪及びエンコーダを軸方向内側から見た部分斜視図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同様の図。 センサ回り止めの為の別例を示す、センサを軸方向外側から見た略図。 本発明の実施の形態の第3例を示す、回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットを構成するセンサ及び外輪とエンコーダとを組み合わせた状態を軸方向内側寄りから見た部分斜視図。 同じく、図3と同様の図。 同じく軸方向内方から見た図。 図10のA−A断面図。 エンコーダに異物が付着するのを防止する為の構造の第1例に使用する保護カバーの略斜視図。 同第2例を示す部分断面図。 本発明の実施の形態の第4例を示す断面図。 図14の上半部拡大断面図。 センサを取り出して図14の上方から見た図。 本発明の実施の形態の第5例を示す断面図。 等速ジョイントを除いて図17の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第6例を示す断面図。 等速ジョイントを除いて図19の右方から見た図。 本発明の実施の形態の第7例を示す半部断面図。 従来構造の第1例を示す断面図。 この第1例に組み合わせるナックルの斜視図。 従来構造の第2例を示す部分断面図。
符号の説明
1、1a、1b 外輪
2、2a ハブ
3 転動体
4、4a、4b、4c エンコーダ
5、5a〜5h センサ
6 外輪軌道
7、7a、7b ナックル
8、8a 静止側フランジ
9 ボルト
10 回転側フランジ
11 内輪軌道
12 取付孔
13、13a、13b 切り欠き
14 スプライン孔
15 等速ジョイント
16 スプライン軸
17 軸受空間
18、18a 組み合わせシールリング
19 コネクタ
20 ねじ孔
21〜21e ホルダ
22、22a 基半部
23 先半部
24 ナット片
25 係止ピン
26 通孔
27 係止孔
28 スリンガ
29 挿通孔
31、31a 取付フランジ
32 段差部
33、33a 取付板部
34、34a スリーブ
35 ねじ孔
36、36a、36b 保護カバー
37 円筒部
38 底板部
39 切り欠き
40 通孔
41 芯金
42 シールリップ
43 バックヨーク
44 シールリング
45 内輪
46 ハウジング
47 円輪部
48 外径側円筒部
49 内径側円筒部
50 シールリップ
51 空間
52 水抜き孔
53 取付孔
54 挿入部
55 取付ねじ
56 ハーネス
57 コネクタ

Claims (9)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を、外周面に懸架装置に結合固定する為の静止側フランジを、それぞれ有し、使用状態でこの懸架装置に結合固定されて回転しない外輪と、外周面の軸方向外端寄り部分でこの外輪の軸方向外端開口から突出した部分に車輪を支持固定する為の回転側フランジを、同じく中間部乃至内端寄り部分に複列の内輪軌道を、それぞれ有し、使用時に上記車輪と共に回転するハブと、これら両列の内輪軌道と上記両列の外輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体と、上記ハブの一部にこのハブと同心に支持固定され、被検出面の特性を円周方向に関して交互に変化させたエンコーダと、検出部をこのエンコーダの被検出面に対向させた状態で上記外輪の一部に支持固定されたセンサとを備えた回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニットに於いて、上記エンコーダは、軸方向内側面を被検出面としたもので、上記ハブの軸方向内端部に支持固定されており、上記センサは、検出部を上記被検出面に軸方向内方から対向させた状態で、上記静止側フランジに支持固定されている事を特徴とする回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  2. センサが、検出部に設置した検出素子をホルダにより保持して成るものであり、このホルダの軸方向外側面を静止側フランジの軸方向内側面に突き当てた状態で、これらホルダと静止側フランジとのうちの一方に設けた取付孔を挿通した取付ねじを、これらホルダと静止側フランジとのうちの他方に設けたねじ孔に螺合する事により、上記センサをこの静止側フランジに対し支持固定している、請求項1に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  3. エンコーダの被検出面の軸方向位置を、静止側フランジの軸方向内側面を基準として規制している、請求項2に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  4. センサが、検出部に設置した検出素子をホルダにより保持して成るものであり、このホルダの軸方向外側面に設けた取付板部を静止側フランジの外周面に突き当てた状態で、この取付板部に設けた取付孔を挿通した取付ねじを、この静止側フランジの外周面に開口する状態でこの静止側フランジに形成したねじ孔に螺合する事により、上記センサをこの静止側フランジに対し支持固定している、請求項1に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  5. 取付板部に設けた取付孔が、少なくとも外輪の軸方向に関する内寸が取付ねじの外径よりも大きく、ホルダの軸方向外側面と外輪の軸方向内端面とを当接させた状態で、ねじ孔に螺合した上記取付ねじを緊締している、請求項4に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  6. エンコーダの被検出面の軸方向位置を、外輪の軸方向内端面を基準として規制している、請求項5に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  7. 取付板部に設けた取付孔が、少なくとも外輪の軸方向に関する内寸が取付ねじの外径よりも大きく、ホルダの軸方向外側面と静止側フランジの軸方向内側面とを当接させた状態で、ねじ孔に螺合した上記取付ねじを緊締している、請求項4に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  8. エンコーダの被検出面の軸方向位置を、静止側フランジの軸方向内側面を基準として規制している、請求項7に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
  9. 回転側フランジに支持固定する車輪が駆動輪であって、ハブの中心部に等速ジョイントの駆動軸をスプライン係合させる為のスプライン孔が設けられており、外輪の軸方向内端部に、この外輪の内周面と上記等速ジョイントの外周面との間を塞いでエンコーダ及びセンサを設置した空間と外部空間とを遮断する、環状の保護カバーを設けた、請求項1〜8のうちの何れか1項に記載した回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット。
JP2007053873A 2006-12-18 2007-03-05 回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット Pending JP2008175382A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007053873A JP2008175382A (ja) 2006-12-18 2007-03-05 回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006339733 2006-12-18
JP2007053873A JP2008175382A (ja) 2006-12-18 2007-03-05 回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008175382A true JP2008175382A (ja) 2008-07-31

Family

ID=39702538

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007053873A Pending JP2008175382A (ja) 2006-12-18 2007-03-05 回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008175382A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010078018A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Nsk Ltd 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
JP2015218795A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 日本精工株式会社 センサ付転がり軸受ユニット
US9796212B2 (en) 2009-10-06 2017-10-24 Nsk Ltd. Hub unit bearing
CN109080373A (zh) * 2015-06-04 2018-12-25 漳州龙文区信创友工业设计有限公司 一种汽车防滑辅助装置
JP2019086471A (ja) * 2017-11-09 2019-06-06 株式会社シマノ 回転検出装置およびこれを備える制動装置
CN113700641A (zh) * 2021-09-24 2021-11-26 无锡市利钧轴承有限公司 一种压缩机用轴承转速波动检测装置及方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010078018A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Nsk Ltd 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
US9796212B2 (en) 2009-10-06 2017-10-24 Nsk Ltd. Hub unit bearing
US9815328B2 (en) 2009-10-06 2017-11-14 Nsk Ltd. Hub unit bearing
JP2015218795A (ja) * 2014-05-15 2015-12-07 日本精工株式会社 センサ付転がり軸受ユニット
CN109080373A (zh) * 2015-06-04 2018-12-25 漳州龙文区信创友工业设计有限公司 一种汽车防滑辅助装置
CN109080373B (zh) * 2015-06-04 2020-12-15 嘉兴市新荣成纺织股份有限公司 一种汽车防滑辅助装置
JP2019086471A (ja) * 2017-11-09 2019-06-06 株式会社シマノ 回転検出装置およびこれを備える制動装置
JP7202776B2 (ja) 2017-11-09 2023-01-12 株式会社シマノ 回転検出装置およびこれを備える制動装置
CN113700641A (zh) * 2021-09-24 2021-11-26 无锡市利钧轴承有限公司 一种压缩机用轴承转速波动检测装置及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6186667B1 (en) Rolling bearing unit encoder
EP0869365B1 (en) Rolling bearing unit with rotational speed sensor
JP5120695B2 (ja) 転がり軸受装置
JP2008175382A (ja) 回転速度検出装置付車輪支持用転がり軸受ユニット
JP2007198486A (ja) 転がり軸受装置
JP2006342860A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP4221944B2 (ja) 密封装置
JP2004345370A (ja) 車輪駆動用転がり軸受ユニット
JP2007162831A (ja) 従動輪用ハブユニット
JP2006275200A (ja) 転がり軸受装置のカバー及びこれを用いた転がり軸受装置
JP2008286267A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP4984251B2 (ja) センサ付き転がり軸受装置
JP2002206547A (ja) シールリング及びシールリング付車輪用軸受ユニット
JP4239669B2 (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
JP4952035B2 (ja) エンコーダ付シールリングの製造方法とエンコーダ付転がり軸受ユニット
JP4218275B2 (ja) 車軸用転がり軸受の製造方法
JP2003130069A (ja) エンコーダ付駆動輪用転がり軸受ユニット
JP2009002385A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置
JP2008267423A (ja) ベアリングシール
JP2009257474A (ja) センサ付き転がり軸受装置
JP4656917B2 (ja) 回転速度検出装置付車輪用軸受装置
JP2008002885A (ja) 車輪速度検出装置付き車輪軸受装置
JP2003172369A (ja) トーンホイール付車輪駆動用転がり軸受ユニット
JP4498064B2 (ja) 車輪用軸受装置
JP5012392B2 (ja) センサ付き転がり軸受装置