JP4424340B2 - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット Download PDF

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Description

この発明に係る回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為に利用する。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持するのに、転がり軸受ユニットを使用する。又、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、上記車輪の回転速度を検出する必要がある。この為、上記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行なわれる様になっている。
図9〜10は、この様な目的で使用される回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの従来構造の1例として、特許文献1に記載されたものを示している。この回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、使用時にも回転しない静止輪である外輪1の内径側に、使用時に回転する回転輪であるハブ2を回転自在に支持している。そして、このハブ2の一部に固定したエンコーダ3の回転速度を、上記外輪1に支持したセンサ4により検出自在としている。即ち、上記外輪1の内周面には、複列の外輪軌道5、5を設けている。又、上記ハブ2の外周面、及びこのハブ2に外嵌したナット6によりこのハブ2に対し結合固定した状態で上記ハブ2と共に上記回転輪を構成する内輪7の外周面には、内輪軌道8、8を設けている。そして、これら各内輪軌道8、8と上記各外輪軌道5、5との間にそれぞれ複数個ずつの転動体9、9を、それぞれ保持器10、10により保持した状態で転動自在に設け、上記外輪1の内側に上記ハブ2及び内輪7を、回転自在に支持している。
又、上記ハブ2の外端部(自動車への組み付け状態で幅方向外側となる端部を言い、図9の右端部)で上記外輪1の外端部から軸方向外方に突出した部分には、車輪を取り付ける為のフランジ11を設けている。又、上記外輪1の内端部(自動車への組み付け状態で幅方向中央側となる端部を言い、図9の左端部)には、この外輪1を懸架装置に取り付ける為の取付部12を設けている。又、上記外輪1の外端開口部と上記ハブ2の中間部外周面との間の隙間は、シールリング13により塞いでいる。尚、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、上記複数個の転動体9、9として、図示の様な玉に代えて、テーパころを使用する場合もある。
上述の様な転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み込むべく、上記内輪7の内端部で上記内輪軌道8から外れた部分の外周面には、前記エンコーダ3を外嵌固定している。このエンコーダ3は、軟鋼板等の磁性金属板に塑性加工を施す事により、断面L字形で全体を円環状に形成したもので、円筒部15と円輪部16とを備え、このうちの円筒部15を上記内輪7の内端部に締まり嵌めで外嵌する事により、この内輪7の内端部に固定している。又、上記円輪部16には、それぞれがこの円輪部16の直径方向に長いスリット状の透孔17、17を多数、放射状に、円周方向に亙って等間隔に形成する事により、上記円輪部16の磁気特性を、円周方向に亙って交互に且つ等間隔で変化させている。
更に、上記外輪1の内端開口部にはカバー18を、上記エンコーダ3の円輪部16の内側面に対向する状態で嵌合固定して、このカバー18により上記外輪1の内端開口部を塞いでいる。金属板を塑性加工して成る、このカバー18は、上記外輪1の内端開口部に内嵌固定自在な嵌合筒部19と、この内端開口部を塞ぐ塞ぎ板部20とを有する。この塞ぎ板部20の中央部には、有底円筒状の膨出部21を形成して、この塞ぎ板部20と前記ナット6との干渉を防止している。又、この塞ぎ板部20の外周寄り部分でこの膨出部21よりも直径方向外側部分には通孔22を形成し、この通孔22を通じて前記センサ4の検知部24を、上記カバー18の内側に挿入している。又、上記センサ4の中間部外周面には取付フランジ25を固設しており、この取付フランジ25を上記カバー18の塞ぎ板部20に、止めねじ26、26で固定する事により、上記センサ4を上記カバー18に、所定の位置関係で結合固定している。この様にセンサ4をカバー18に結合固定した状態で、上記検知部24の先端面は、上記エンコーダ3を構成する円輪部16の内側面に、微小隙間を介して対向する。
上述の様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの使用時には、上記外輪1の外周面に固設した取付部12を懸架装置に対して、図示しないボルトにより結合固定すると共に、前記ハブ2の外周面に固設したフランジ11に車輪を、このフランジ11に設けたスタッド27、27により固定する事で、上記懸架装置に対して上記車輪を回転自在に支持する。この状態で車輪が回転すると、上記センサ4の検知部24の端面近傍を、上記円輪部16に形成した透孔17、17と、円周方向に隣り合う透孔17、17同士の間に存在する柱部とが交互に通過する。この結果、上記センサ4内を流れる磁束の密度が変化し、このセンサ4の出力が変化する。この様にしてセンサ4の出力が変化する周波数は、上記車輪の回転数に比例する。従って、上記センサ4の出力を図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制御できる。
図9〜10に示した従来構造の場合には、センサの修理、交換の手間を軽減すべく、止めねじ26、26により、センサ4をカバー18に対し結合固定している。即ち、上記センサ4に固設した取付フランジ25及び上記カバー18にそれぞれ設けた通孔54、56に、ボルト28、28を挿通し、これら各ボルト28、28とナット29、29とを螺合し更に緊締する事により、上記センサ4を上記カバー18に結合固定している。修理等の為、上記センサ4を上記カバー18から取り外す場合は、上記ナット29、29を緩めて、上記センサ4を上記カバー18から取り外す。
図9〜10に示した従来構造の様に、金属製のカバー18にボルト28、28とナット29、29とによりセンサ4を支持する場合、これらボルト28、28とナット29、29との螺合部の強度を確保し易い。これに対して、カバーのセンサを支持する部分を合成樹脂製とする構造が従来から知られているが、この様な構造で、センサを支持すべく、ボルトをカバーの合成樹脂部分の一部に螺合する場合、この螺合する部分の強度を確保しにくい。
実開平7−31539号公報
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、上述の様な事情に鑑みて、カバーのうちでセンサを支持する部分を合成樹脂製とした場合でも、ボルトを螺合する部分の強度を確保できる構造を実現すべく発明したものである。
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転輪と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪の一部にこの回転輪と同心に固定された、特性を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で変化させたエンコーダと、このエンコーダに対向する状態で上記静止輪の一部に固定され、円筒壁部と底板部とを有するカバーと、このカバーの一部で上記エンコーダと対向する部分に設けられた挿入孔と、この挿入孔を挿通した状態で上記カバーの一部に支持固定され、上記エンコーダの回転に伴って出力を変化させるセンサとを備える。
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記センサはホルダに支持されており、このホルダは、上記センサを支持した状態で上記挿入孔に挿入する挿入部と、この挿入部の端部にその基端部を結合した取付フランジ部と、この取付フランジ部の先端部に設けた通孔とを備えている。又、上記カバーは、上記挿入孔に挿入部を挿入した状態でこの通孔と対向する部分に有底の凹部を備える。この凹部には、内周面に雌ねじを形成した、鋼製の部材を係止しており、この凹部と上記挿入孔とを形成した部分は、合成樹脂製の上記底板部である。又、この底板部の軸方向内側面の一部で上記凹部が開口した部分及び上記挿入孔が開口した部分は、同一平面上に存在し、且つ、上記底板部の軸方向内側面の残部よりも、自動車の組み付け状態で幅方向中央側となる、軸方向内側に突出して、軸方向の厚さが厚くなっている。又、上記ホルダは、上記通孔を挿通すると共に、上記底板部の一部で上記残部よりも軸方向の厚さが厚くなっている部分の軸方向中間部まで挿入したボルトと上記凹部に係止した部材の雌ねじとの螺合に基づいて、上記カバーに結合固定している。
上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが、自動車の懸架装置に対して車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する際の作用は、前述した従来構造の場合と同様である。
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、合成樹脂製の底板部に形成した凹部に、鋼製の部材を係止し、この部材の内周面に形成された雌ねじとボルトとを螺合する構造としている為、上記凹部の一部に過大な応力が加わる事を防止でき、この部分の強度を確保できる。
本発明に関する参考例の第1例]
図1〜3は、本発明に関する参考例の第1例を示している。尚、本参考例の特徴は、転がり軸受ユニットを構成する静止輪の一部に固定したカバーに対し、センサをホルダ中に支持して成るセンサユニットを結合する部分の構造にある。静止輪に対して回転輪を回転自在に支持して成る、転がり軸受ユニットの構造及び作用は、基本的には前述の図9〜10に示した従来構造と同様であるので、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本参考例の特徴部分並びに前述した従来構造と異なる部分を中心に説明する。尚、本発明に関する参考例及び本発明の実施の形態を表す図は、前述の従来構造を表した図9とは、車両の幅方向に関する内外方向が左右逆になっている。又、本参考例の場合、前述した従来構造の場合と異なり、内輪7をハブ2aに固定する為にナット6(図9参照)は用いない。その代わりに、ハブ2aの先端部(図1の右端部)を円筒部31とし、この円筒部31の先端部で上記内輪7の内端面から突出した部分を直径方向外方にかしめ広げる事により、上記内輪7を上記ハブ2aに対し結合固定している。この様な構造を採用する事により、ナット6が不要となる事によるコスト低減を図れるだけでなく、このナット6を省略した分、空間の有効活用も図れる。
使用時にも回転しない静止輪である外輪1の内端(図1の右端)開口部には、カバー18aを被着して、この外輪1の内端開口部を塞いでいる。このカバー18aは、ステンレス鋼板等の耐食性を有する金属板を塑性変形して成るもので、有底円筒状の主部32と、この主部32の開口周縁部から直径方向外方へ突出する状態で設けた、断面L字形のフランジ部33とから成る。又、このフランジ部33は、外輪1の内端開口部に突き当て自在な形状を有する突き当て部34と、上記外輪1の開口部に外嵌自在な形状を有する嵌合部35とから成る。
上述の様に構成するカバー18aは、上記嵌合部35を上記外輪1の内端部に、締まり嵌めで外嵌固定する事により、この外輪1の内端開口部を塞いでいる。又、この状態で上記フランジ部33の開口部端面、即ち、このフランジ部33の突き当て部34の外側面は、上記外輪1の内端面に当接させる。
一方、ハブ2aと共に回転輪を構成する内輪7の内端部(図1の右端部)には、エンコーダ3aを外嵌固定している。このエンコーダ3aは、支持環36と永久磁石37とから成る。このうちの支持環36は、SPCC等の磁性金属板を折り曲げる事により、断面略T字形で全体を円環状に形成し、上記内輪7の内端部に締まり嵌めで外嵌固定している。又、上記永久磁石37は、例えばフェライト粉末を混入したゴムを上記支持環36を構成する円輪部の内側面に、焼き付け等により添着して成る。この永久磁石37は、軸方向(図1の左右方向)に亙って着磁すると共に、着磁方向を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で変化させている。従って、上記エンコーダ3aの内側面には、S極とN極とが円周方向に亙り交互に且つ等間隔で配置されている。尚、上記エンコーダ3aを、上述した様に断面略T字形としたのは、このエンコーダ3aの支持環36を構成する円輪部に添着した永久磁石37の内径を、上記内輪7の肩部の外径より小さくして、上記永久磁石37の各磁極(N極或はS極)の着磁面積を大きくする為である。そして、この様に永久磁石37の各磁極の着磁面積を大きくする事により、このエンコーダ3aを被検知部とするセンサの検知能力を向上させる事ができる。
又、上記カバー18aを構成する主部32の中央部分を構成する底板部38の外面(このカバー18aにより塞ぐべき、転動体9、9を設置した空間30と反対側の側面で、図1〜2の右側面)の一部で直径方向外方(図1の上方)に片寄った部分には、軸方向に突出する突部39を設けている。又、この突部39の外周壁部の一部は、上記底板部38の外周面よりも直径方向外方に突出させて、上記フランジ部33を構成する嵌合部35の外周面と連続する膨出部58としている。従って、この部分で上記フランジ部33の突き当て部34は不連続となっている。又、上記突部39の底板部38の直径方向外方寄り部分で、前記エンコーダ3aを構成する永久磁石37の内側面と対向する部分には、軸方向に貫通する挿入孔40を設けている。この挿入孔40は、バーリング加工により形成すると共に、このバーリング加工に伴って形成される短円筒部41を、上記エンコーダ3aと対向する側に突出させている。この為、上記挿入孔40を設ける為のバーリング加工は、図示しないダイスを上記突部39の外側面(図1の左側面)で、上記挿入孔40を設けるべき部分の周囲に突き当てて行なう。この様にして上記短円筒部41を形成する事により、後述するセンサユニット42の挿入部43を上記短円筒部41内に挿入して、上記カバー18aに対し上記センサユニット42を仮固定する作業を行ない易くできる。
そして、上記挿入孔40内に、センサをホルダ中に支持して成る上記センサユニット42の先端(図1、3の左端)寄り部分に設けた挿入部43を、がたつきなく挿入している。センサの検知部は、この挿入部43の先端面部分に存在する。このセンサユニット42は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子並びにこの磁気検出素子の出力波形を整える為の波形整形回路を組み込んだICと、上記永久磁石37から出る(或は上記永久磁石37に流れ込む)磁束を上記磁気検出素子に導く為の、磁性材製のポールピース等とから成るセンサを、合成樹脂製のホルダに包埋して成る。又、上記ICから整形された波形として出る出力信号を図示しない制御器に送る為のハーネス44の端部を、(コネクタ等を介する事なく)直接上記センサユニット42に接続している。従って、コネクタを省略して、その分、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットのコスト低減を図れる。
又、上記挿入部43の中間部外周面には係止溝46を形成すると共に、この係止溝46にOリング47を係止している。上記挿入部43を上記挿入孔40及び短円筒部41の内側に挿通した状態では、上記Oリング47がこの短円筒部41の内周面と上記係止溝46の底面との間で弾性的に圧縮されて、上記挿入部43の外周面と上記挿入孔40の内周面との間をシールする。即ち、上記Oリング47は、泥水等の異物がこの挿入孔40を通じて上記カバー18a及び上記外輪1の内側に進入するのを防止する。そして、転がり軸受ユニット自体の耐久性を確保すると共に、磁性粉等の異物が前記エンコーダ3aを構成する永久磁石37の側面に付着する事を防止し、回転速度検出の精度が悪化する事を防止する。尚、上記カバー18aに対する上記センサユニット42の挿入部43をシールする為のシールリングとして、上述の様なOリング47に代えて、断面形状がX字形であるXリング等、他のシールリングを使用すれば、上記センサユニット42の挿入部43を上記挿入孔40に挿入する為に要する力を低減して、このセンサユニット42の装着作業の容易化を図る事もできる。
又、上記センサユニット42の基端寄り(図1、3の右端寄り)部分には、このセンサユニット42を構成する挿入部43の端部にその基端部を結合した取付フランジ部45を設けている。この取付フランジ部45は、外側面を前記カバー18aに設けた突部39の端面に当接自在な形状とし、これら両部45、39の互いに当接する面を平滑面としている。
更に、上記カバー18aに設けた突部39の端面の直径方向中心寄り付近で、前記ハブ2aに設けた円筒部31の内側に存在する凹部48と対向する部分には、軸方向に貫通しない、有底の段付凹部49を設けている。この段付凹部49は、開口側の大径部50と奥側の小径部51とから成り、このうちの大径部50内にナット52を、溶接又は接着により固定している。例えば溶接により固定する場合には、この大径部50に上記ナット52を内嵌した状態で、このナット52と上記カバー18aとに溶接用の1対の電極を突き当てる。これにより、上記ナット52の外面と上記大径部50の内面との接触部が溶接される。この状態で上記ナット52は、上記段付凹部49内で回転したり、軸方向にずれ動いたりする事はない。又、上記大径部50は、上記ナット52を溶接又は接着により固定した状態で、このナット52が上記突部39の端面から突出しない深さにする。又、上記小径部51は、上記大径部50内に溶接固定したナット52と螺合する、後述するボルト53のねじ部の先端が出入り自在な大きさとする。
一方、上記センサユニット42に設けた取付フランジ部45の先端部(図1、3の下端部)で、上記挿入部43を前記挿入孔40に挿入した状態で、上記カバー18aに設けた段付凹部49と対向する部分には、軸方向に貫通する通孔59を設けている。そして、この通孔59の内側に、円筒状の芯金55をインサートしている。尚、この芯金55は、上記取付フランジ部45の射出成形時に、上記通孔59の内側にモールドする。又、この芯金55には、上記段付凹部49内に溶接又は接着により固定したナット52と螺合自在な、ボルト53のねじ部を挿通自在である。更に、この芯金55の全長は、上記取付フランジ部45の厚さとほぼ同等にして、この取付フランジ部45を介して上記ボルト53とナット52とを螺合緊締した際に、上記ボルト53の頭部とナット52とにより、合成樹脂製の取付フランジ部45が押し潰されない様にしている。
それぞれが上述の様に構成される各部材を組み合わせて、本参考例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを構成すべく、上記センサユニット42を上記カバー18aに装着する作業は、次の様にして行なう。先ず、センサユニット42の挿入部43を、カバー18aに設けた挿入孔40及び短円筒部41内に挿入すると共に、上記センサユニット42に設けた通孔59と、上記カバー18aに設けた段付凹部49内に固定したナット52とを整合させた状態で、上記取付フランジ部45の外側面を上記突部39の片面に当接させる。この状態で、上記挿入部43の先端面に設けた検知部と、前記エンコーダ3aを構成する永久磁石37の内側面との間に、所望の厚さ寸法(例えば0.5mm程度)の微小隙間が存在する様に、各部の寸法を規制している。
次いで、上記ボルト53のねじ部を、上記取付フランジ部45の通孔59内にインサートした芯金55の内側に挿通する。そして、上記ねじ部を上記段付凹部49内に溶接又は接着により固定したナット52に螺合し、緊締する。これにより、上記センサユニット42を上記ボルト53の頭部とナット52との間で挟持し、上記カバー18aに対して上記センサユニット42を結合固定する。尚、上述した様に、上記芯金55の全長を、上記取付フランジ部45の厚さとほぼ同等にして、この取付フランジ部45を介して上記ボルト53とナット52とを螺合緊締した際に、上記芯金55がこれらボルト53の頭部とナット52との間で突っ張る様にしている。従って、上記ボルト53の締め付けに基づく圧縮荷重により、上記取付フランジ部45にへたりを生ずる事がない。
上述した様に本参考例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットによれば、センサをカバー18aに対しねじ止め結合固定する構造を採用している為、センサの修理、交換の手間を軽減できる。しかも、ねじ止め結合部分での密封性の確保を安価に実現できると共に、カバー18aに対するセンサの組み付け作業性を向上できる。即ち、このセンサを上記カバー18aにねじ止め結合する為に、このカバー18aに設けた突部39には、前記挿入孔40を除いて、前述した従来構造の様にカバーの両面を貫通する通孔を設けていない。従って、ねじ止め結合部分を通じて、外部から転動体9、9の存在する空間30内に泥水等の異物が進入する事がなくなる。この結果、センサをカバー18aに対してねじ止め結合する部分に、これらセンサとカバー18aとの間の密封性を確保する為に、シール部材を設ける必要がなくなり、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化を図れる。
尚、前述した様に、上記カバー18aを構成する前記突部39の外周面部分と前記フランジ部33の外周面とを、膨出部58により連続させたのは、上記突部39を軸方向に貫通する挿入孔40を、できる限り直径方向外方に位置させる為である。この様な構成により、前記エンコーダ3aの円輪部に添着した永久磁石37を大径化して、この永久磁石37の各磁極(N極或はS極)の着磁幅を大きくし、センサの検知能力を向上する事ができる。
本発明に関する参考例の第2例]
次に、図4〜5は、本発明に関する参考例の第2例を示している。本参考例の場合、カバー18bは、外輪1の内端部に外嵌自在な嵌合部35aと、この嵌合部35aから連続した底板部38aとから成る。そして、この底板部38aの内側面(図4の右側面、図5の手前側面)で外周寄り部分に短円筒部41aを、中心寄り部分に突部39aを、それぞれ軸方向に突出する状態で設けている。又、上記底板部38aの外側面の外周寄り部分には、上記外輪1の内端縁を突き当て自在としている。又、上記短円筒部41aは、内側を挿入孔40とし、この挿入孔40内にセンサユニット42を構成する挿入部43を挿入自在としている。
特に、本参考例の場合には、前述した第1例の場合と異なり、上記短円筒部41aを、上記底板部38aに関して、エンコーダ3aと反対側に向け形成している。そして、上記短円筒部41aと突部39aとは、軸方向に亙る高さ(底板部38aの内側面からの突出量)を互いに同じとして、これら短円筒部41aの先端縁と突部39aの先端面とを同一平面上に位置させている。そして、これら短円筒部41aの開口端縁と突部39aの片面(図4の右側面、図5の手前側面)とに、センサユニット42を構成する取付フランジ部45の外側面(図4の左側面)の一部を当接自在としている。
又、上記突部39aの端面の直径方向中心寄り付近で、ハブ2aに設けた円筒部31の内側に存在する凹部48と対向する部分には、軸方向に貫通しない凹部57を設けている。この凹部57は、前述した第1例の場合の段付凹部49と異なり、段付でない単なる有底円筒状に形成している。そして、この凹部57内に、ボルト53の頭部をスポット溶接により溶接固定、若しくは接着剤により接着固定している。
それぞれが上述の様に構成される各部材を組み合わせて、本参考例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを構成すべく、センサユニット42をカバー18bに装着する作業は、次の様にして行なう。先ず、上記センサユニット42を構成する挿入部43を、上記カバー18bに設けた短円筒部41aの内側に挿入する。これと共に、上記カバー18bの突部39aに設けた凹部57内に固定したボルト53のねじ部を、上記センサユニット42を構成する取付フランジ部45に設けた通孔59に挿通する。そして、上記取付フランジ部45の外側面を上記突部39aの片面(図4の右側面、図5の手前側面)に当接させる。次いで、上記ボルト53のねじ部にナット52を螺合し、更に緊締する事により、上記センサユニット42を上記カバー18bに結合固定する。本参考例の場合も、センサをカバー18bにねじ止め結合する為に、このカバー18bに貫通した通孔を設けない為、ねじ止め結合部分を通じて外部から転動体9、9の存在する空間30内に泥水等の異物が進入する事がなくなる。この結果、センサをカバー18bに対してねじ止め結合する構造を採用して、しかも、このねじ止め結合部分の密封性を確保する為に、シール部材を設ける必要がなくなり、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化を図れる。
又、本参考例の場合、上述の様に上記短円筒部41aを、上記底板部38aに関して上記エンコーダ3aと反対側に向け形成している為、このエンコーダ3aの外径を前述した第1例の場合よりも小さくする事なく、上記外輪1の内端縁を突き当て自在な部分を全周に亙り途切れずに設ける事ができる。即ち、上記短円筒部41aをこの様に形成した事により、上記カバー18bに上記挿入孔40をバーリング加工により形成する際にダイスを突き当てる部分が、上記底板部38aの内側面(図4の右側面)で上記挿入孔40を設けるべき部分の周囲になる。そして、上記外輪1を突き当てる部分の一部が、上記周囲の一部ともなる。従って、前述した第1例の場合に比べて、軸中心と上記挿入孔40の中心との間の距離を短縮する事なく、即ち、上記エンコーダ3aの外径を小さくする事なく、上記外輪1の内端縁を突き当て自在な部分を全周に亙り連続して設ける事ができる。この結果、前述した第1例の場合に比べて、センサの検知能力を同じと仮定した場合にも、外輪1とカバー18bとの間の密封性を向上できる。
その他の構成及び作用に就いては、前述した第1例と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明並びに図示を省略する。
尚、前述した第1例に於いて、カバー18aを構成する突部39に設けた段付凹部49(図1〜2)を、本参考例の場合と同様の単なる凹部として、この凹部内にボルト53の頭部を固定する構造としても良く、反対に、本参考例に於いて上記凹部57を、前述した第1例の場合と同様の段付凹部として、この段付凹部内にナット52を固定する構造としても良い。又、凹部又は段付凹部の形状を、六角形等、ボルト53の頭部又はナット52を回転不能に内嵌自在な形状とし、これらボルト53の頭部又はナット52の溶接部又は接着部に過大な応力が負荷されない様にする事もできる。
本発明に関する参考例の第3例]
次に、図6は、本発明に関する参考例の第3例を示している。本参考例の場合、カバー18cに設けた突部39aの端面の一部で、センサユニット42に設けた挿入部43をカバー18cに設けた挿入孔40に挿入した状態で、センサユニット42に設けた通孔59と整合する部分に、上述した第2例の場合と同様に、有底の凹部60を設けている。特に、本参考例の場合には、上述した第2例の場合と異なり、上記凹部60内にボルト53の頭部やナット52(図4参照)を固定せず、その代わりに、この凹部60の内周面に雌ねじ部74を形成している。そして、ボルト53のねじ部を、上記センサユニット42に設けた通孔59を挿通してから、上記雌ねじ部74に螺合し、更に緊締する事により、上記センサユニット42を上記カバー18cに結合固定している。上記雌ねじ部74は、上記凹部60を塑性変形により形成した後に、タップを立てる等により形成する。
この様に構成する本参考例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合にも、前述した第2例と同様に、センサをカバー18cにねじ止め結合する為に、このカバー18cの板部に相当する突部39aに、貫通した通孔を設けない。この為、ねじ止め結合部分を通じて、外部から転動体9、9の存在する空間30内に泥水等の異物が進入する事がなくなる。この結果、センサをカバー18cに対してねじ止め結合する構造を採用して、しかも、このねじ止め結合部分の密封性を確保する為にシール部材を設ける必要がなくなり、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化を図れる。特に、本参考例の場合は、前述した第1〜2例の場合と異なり、カバー18cに設けた凹部60の内周面に雌ねじ部を、直接形成している為、ナット52を省略した分、部品点数を削減して、より一層のコスト低減を図れる。その他の構成及び作用に就いては、上述した第2例と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明並びに図示を省略する。
[実施の形態の1例
次に、図7〜8は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例の場合は、前述した参考例の第1〜2例及び上述した第3例の場合と異なり、外輪1の内端開口部に被着してこの外輪1の内端開口部を塞ぐカバー18dの一部を、合成樹脂により造っている。即ち、このカバー18dは、合成樹脂を射出成形して成る有底円筒状の本体61と、この本体61の開口部に結合した嵌合筒62とから成る。この嵌合筒62は、ステンレス鋼板等の耐食性を有する金属板を塑性変形させて成るもので、断面L字形で全体を円環状とし、嵌合筒部63と、この嵌合筒部63の基端縁(図7の右端縁)から直径方向内方に向け折れ曲がった内向鍔部64とを備える。この様な嵌合筒62は、この内向鍔部64を上記本体61の開口端部に、この本体61の射出成形時にモールドする事により、この本体61の開口部に結合している。尚、上記内向鍔部64には、多数の透孔65、65を円周方向に亙って間欠的に形成している。これら各透孔65、65の内側には上記本体61を構成する合成樹脂が、この本体61の射出成形時に流入して、この本体61と上記嵌合筒62との結合強度を高める。
この様に構成するカバー18dは、上記嵌合筒62の嵌合筒部63を上記外輪1の内端部に締まり嵌めで外嵌する事により、この外輪1の内端開口部を塞いでいる。又、この状態で上記本体61の開口部端面、即ち、この本体61の外周縁部に形成した円筒壁部66の先端面は、上記外輪1の内端面に当接させる。この円筒壁部66の先端面には全周に亙って係止溝67を形成すると共に、この係止溝67内にOリング68を係止している。上記円筒壁部66の先端面と上記外輪1の内端面とを当接させた状態では、上記Oリング68がこの内端面と上記係止溝67の底面との間で弾性的に圧縮されて、上記カバー18dと外輪1との結合部を密封し、泥水等の異物が上記カバー18d内に進入するのを防止する。
又、このカバー18dを構成する本体61の底板部69の内側面(図7の右側面)の一部で、直径方向外方一部(図7の上部)に片寄った部分には、軸方向に突出する突部70を設けている。又、上記底板部69の外側面(図7の左側面)で、内輪7の内端部に固定したエンコーダ3aの内側面と対向する部分には、上記突部70を軸方向に貫通する状態で挿入孔72を設け、この挿入孔72内に、センサユニット42に設けた挿入部43を挿入自在としている。又、上記突部70の外周壁部の一部と、上記円筒壁部66の円周方向の一部とを連続させる事により、上記挿入孔72の位置を極力直径方向外方に位置させている。この様な構成により、エンコーダ3aの円輪部に添着した永久磁石37を大径化して、この永久磁石37の各磁極(N極或はS極)の着磁幅を大きくし、センサの検知能力を向上させている。尚、本例の場合には、内輪7の内端部外周面に小径段部71を形成している。この様な小径段部71を形成している為、ハブ2aの円筒部31を直径方向外方にかしめ広げる事で上記内輪7の内端部に加わる、直径方向外方の力に拘らず、この内輪7の外周面に設けた内輪軌道8が歪む事を防止できる。又、エンコーダ3aを構成する支持環36を、前述した各参考例の様に内周縁側ではなく、外周縁側で180度折り返している。尚、上記小径段部71の形状の歪みが少なければ、上記支持環36をこの小径段部71に外嵌する事もできる。
又、上記センサユニット42に設けた挿入部43を、上記カバー18dに設けた挿入孔72に挿入した状態で、上記センサユニット42に設けた通孔59と整合する上記カバー18dの突部70の端面の一部に有底の凹部60aを設けている。そして、この凹部60aの内周面に、雌ねじ部74を形成している。そして、この雌ねじ部74に、請求項に記載した、鋼製の部材である、両内外周面がねじ状であるヘリサートと称せられる鋼製のライナー73を係止している。この様な鋼製のライナー73は、合成樹脂製のカバー18dに形成した、上記雌ねじ部74の補強を図る為のものである。即ち、このライナー73により、合成樹脂部分に形成した雌ねじ部74に、鋼製のボルト53を直接に螺合し緊締する事に伴い、上記雌ねじ部74の一部に過大な応力が加わる事を防止する。
上述の様に構成する本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合、センサユニット42に設けた通孔59内に挿通したボルト53のねじ部と、上記雌ねじ部74にインサートしたライナー73とを螺合し、更に緊締する事により、上記センサユニット42を上記カバー18dに結合固定する。
又、本例の場合、上記カバー18dを構成する本体61を合成樹脂製にした事により回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体の軽量化を図る事ができる。
更に、本例の場合、上記カバー18dの合成樹脂部分に形成した雌ねじ部74の一部に過大な応力が加わる事を防止して、この部分の強度を確保できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した参考例の第3例と同様である為、同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略する。
尚、前述した各参考例及び上述した実施の形態の1例に於いて、センサとエンコーダとから成る回転速度検出装置自体の構造は、図示した磁気センサを使用したものに限らず、渦電流式、光電式のセンサを使用するものを採用する事もできる。尚、磁気センサを用いた場合も、被検知部であるエンコーダに永久磁石を設けず、このエンコーダを構成する円輪部に、円周方向に亙り等間隔に複数の透孔を設けたり、この円輪部を歯車状に形成したりする事もできる。
又、前述した各参考例及び上述した実施の形態の1例は、何れも非駆動輪(FF車の後輪、FR車の前輪)を支持する為の転がり軸受ユニットに本発明或は本発明に関する参考例の構造を適用した例を示したが、本発明或は本発明に関する参考例はこの様な非駆動輪を支持する構造に限らず、駆動輪(FF車の前輪、FR車の後輪、4WD車の全輪)を支持する構造にも適用可能である。
本発明に関する参考例の第1例を示す断面図。 カバーのみを取り出して示す斜視図。 ハーネスの端部及びセンサユニットのみを取り出して示す斜視図。 本発明に関する参考例の第2例を示す断面図。 同じく第2例に使用するカバーのみを取り出して示す斜視図。 本発明に関する参考例の第3例を示す断面図。 本発明の実施の形態の1例を示す断面図。 同じく実施の形態の1例に使用するカバーのみを取り出して示す斜視図。 従来構造の1例を示す、図10のA−O−B断面図。 図9の左方から見た図。
符号の説明
1 外輪
2、2a ハブ
3、3a エンコーダ
4 センサ
5 外輪軌道
6 ナット
7 内輪
8 内輪軌道
9 転動体
10 保持器
11 フランジ
12 取付部
13 シールリング
15 円筒部
16 円輪部
17 透孔
18、18a、18b、18c、18d カバー
19 嵌合筒部
20 塞ぎ板部
21 膨出部
22 透孔
24 検知部
25 取付フランジ
26 止めねじ
27 スタッド
28 ボルト
29 ナット
30 空間
31 円筒部
32 主部
33 フランジ部
34 突き当て部
35、35a 嵌合部
36 支持環
37 永久磁石
38、38a 底板部
39、39a 突部
40 挿入孔
41、41a 短円筒部
42 センサユニット
43 挿入部
44 ハーネス
45 取付フランジ部
46 係止溝
47 Oリング
48 凹部
49 段付凹部
50 大径部
51 小径部
52 ナット
53 ボルト
54 通孔
55 芯金
56 通孔
57 凹部
58 膨出部
59 通孔
60、60a 凹部
61 本体
62 嵌合筒
63 嵌合筒部
64 内向鍔部
65 透孔
66 円筒壁部
67 係止溝
68 Oリング
69 底板部
70 突部
71 小径段部
72 挿入孔
73 ライナー
74 雌ねじ部

Claims (2)

  1. 静止側周面に静止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転輪と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪の一部にこの回転輪と同心に固定された、特性を円周方向に亙り交互に且つ等間隔で変化させたエンコーダと、このエンコーダに対向する状態で上記静止輪の一部に固定され、円筒壁部と底板部とを有するカバーと、このカバーの一部で上記エンコーダと対向する部分に設けられた挿入孔と、この挿入孔を挿通した状態で上記カバーの一部に支持固定され、上記エンコーダの回転に伴って出力を変化させるセンサとを備えた回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記センサはホルダに支持されており、このホルダは、上記センサを支持した状態で上記挿入孔に挿入する挿入部と、この挿入部の端部にその基端部を結合した取付フランジ部と、この取付フランジ部の先端部に設けた通孔とを備えており、上記カバーは、上記挿入孔に挿入部を挿入した状態でこの通孔と対向する部分に有底の凹部を備え、この凹部には、内周面に雌ねじを形成した、鋼製の部材を係止しており、この凹部と上記挿入孔とを形成した部分は、合成樹脂製の上記底板部であり、この底板部の軸方向内側面の一部で上記凹部が開口した部分及び上記挿入孔が開口した部分は、同一平面上に存在し、且つ、上記底板部の軸方向内側面の残部よりも、自動車の組み付け状態で幅方向中央側となる、軸方向内側に突出して、軸方向の厚さが厚くなっており、上記ホルダは、上記通孔を挿通すると共に、上記底板部の一部で上記残部よりも軸方向の厚さが厚くなっている部分の軸方向中間部まで挿入したボルトと上記凹部に係止した部材の雌ねじとの螺合に基づいて、上記カバーに結合固定されている事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
  2. 静止輪が外輪であり、回転輪がこの外輪の内径側で回転するハブであり、カバーが、合成樹脂を射出成形して成る、円筒壁部及び底板部を有する有底円筒状の本体と、金属板を塑性変形する事により造られた嵌合筒とから成るものであり、この嵌合筒は、断面L字形で全体を円環状とされたもので、嵌合筒部及びこの嵌合筒部の基端縁から直径方向内方に向け折れ曲がった内向鍔部を備え、この内向鍔部を上記本体の開口端部に、この本体の射出成形時にモールドする事によりこの本体の開口部に結合したものである、請求項1に記載した回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
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