JP2011047447A - 回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 - Google Patents

回転速度検出装置付き車輪用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】カバーの剛性を高めると共に、センサユニットの挿入性を向上させ、装着部の密封性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供する。
【解決手段】カバー20が鋼鈑からプレス加工にて形成され、外方部材4の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部20aと、この嵌合部20aから径方向外方に延び、外方部材4の端面4cに密着する重合部20bと、この重合部20bから軸方向に延びる円筒部20cと、外方部材4の開口部を閉塞する底部20dとを備え、この底部20dの径方向外方部で、パルサリング17と対向する部分に、軸方向に貫通する挿入孔21が形成され、この挿入孔21に突出して円筒状の装着部22が形成されると共に、この装着部22に嵌挿されるセンサユニット23の案内すきまが1.0mm以下に規制され、かつ、装着部22の案内部の幅寸法が1.0mm以上に設定されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、自動車等の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承する車輪用軸受装置、特に、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵され、センサユニットの装着部の密封性を高め、検出精度と軸受の耐久性を向上させた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置に関するものである。
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支承すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)を制御し、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置が内蔵された回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が一般的に知られている。従来、このような車輪用軸受装置は、転動体を介して転接する内方部材および外方部材の間にシール装置が設けられ、円周方向に磁極を交互に並べてなる磁気エンコーダを前記シール装置に一体化させると共に、磁気エンコーダと、この磁気エンコーダに対面配置され、車輪の回転に伴う磁気エンコーダの磁極変化を検出する回転速度センサとで回転速度検出装置が構成されている。
前記回転速度センサは、懸架装置を構成するナックルに車輪用軸受装置が装着された後、当該ナックルに装着されているものが一般的である。しかし、この回転速度センサと磁気エンコーダとのエアギャップの調整作業の煩雑さを解消すると共に、よりコンパクト化を狙って、最近では回転速度センサをも軸受に内蔵した回転速度検出装置付き車輪用軸受装置が提案されている。
このような回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一例として図10に示すような構造が知られている。この回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、図示しないナックルに支持固定され、固定部材となる外方部材51と、この外方部材51に複列のボール53、53を介して内挿された内方部材52とを有している。内方部材52は、ハブ輪55と、このハブ輪55に外嵌された内輪56とからなる。
外方部材51は、外周に車体取付フランジ51bを一体に有し、内周には複列の外側転走面51a、51aが形成されている。一方、内方部材52は、前記した外方部材51の外側転走面51a、51aに対向する複列の内側転走面55a、56aが形成されている。これら複列の内側転走面55a、56aのうち一方の内側転走面55aはハブ輪55の外周に一体形成され、他方の内側転走面56aは内輪56の外周に形成されている。この内輪56は、ハブ輪55の内側転走面55aから軸方向に延びる軸状の小径段部55bに圧入されている。そして、複列のボール53、53がこれら両転走面間にそれぞれ収容され、保持器57、57によって転動自在に保持されている。
ハブ輪55は、外周に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ54を一体に有し、小径段部55bの端部を径方向外方に塑性変形して加締部58が形成され、この加締部58によって内輪56が軸方向に固定されている。そして、外方部材51の端部にはシール59およびカバー63が装着され、軸受内部に封入された潤滑グリースの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダスト等が侵入するのを防止している。
内輪56の外周には磁気エンコーダ60が圧入されている。この磁気エンコーダ60は、磁性金属板により断面が略T字状の円環状に形成された支持環61と、この支持環61の側面に添着されたエンコーダ本体62とで構成されている。このエンコーダ本体62は、フェライトの粉末を混入させたゴム等の永久磁石からなり、円周方向にS極とN極とが交互に等間隔に着磁されている。
カバー63は外方部材51の開口端部に外嵌固定され、外方部材51の開口部を閉塞している。このカバー63は、有底円筒状の主部64と、この主部64の開口周縁部から径方向外方へ突出する状態で設けられた、断面L字状のフランジ部65とからなる。また、このフランジ部65は、外方部材51の内端開口部に突き当て自在な形状を有する突き当て部66と、外方部材51の開口部に外嵌自在な形状を有する嵌合部67とからなる。
主部64の中央部分を構成する底板部68の径方向外方に片寄った部分には、軸方向に突出する突部69が設けられている。また、この突部69の外周壁部の一部は、底板部68の外周面よりも径方向外方に突出させて、フランジ部65を構成する嵌合部67の外周面と連続する膨出部70とされている。したがって、この部分でフランジ部65の突き当て部66は不連続となっている。
また、突部69の底板部68の径方向外方寄り部分で、エンコーダ本体62と対向する部分には、軸方向に貫通する挿入孔71が形成されている。この挿入孔71はバーリング加工によって形成されると共に、このバーリング加工に伴って形成される短円筒部72にセンサユニット73の挿入部74が挿入されている。このセンサユニット73は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子からなるセンサおよびこの磁気検出素子の出力波形を整える波形整形回路が組み込まれたIC等からなり、車輪の回転速度を検出してその回転数を制御する自動車のABSを構成している。
挿入部74の中間部外周面には係止溝75が形成され、この係止溝75にOリング76が装着されている。このOリング76によって泥水等の異物が挿入孔71を通じてカバー63および外方部材51の内側に侵入するのを防止している。そして、磁性粉等の異物がエンコーダ本体62の側面に付着するのを防止し、回転速度検出の精度が悪化するのを防止している。
また、カバー63における突部69の端面の径方向中央寄り付近で、ハブ輪55の小径段部55bに存在する凹部77と対向する部分には、軸方向に貫通しない有底の段付凹部78が設けられている。この段付凹部78は、開口側の大径部79と奥側の小径部80とからなり、大径部79にはナット81が溶接により固定されている。
取付フランジ部82に設けられた通孔83の内側に、円筒状の芯金84がインサートされている。この芯金84の全長は、取付フランジ部82の厚さとほぼ同等に設定されている。そして、取付フランジ部82を介してボルト85とナット81とを螺合緊締した際に、ボルト85の頭部とナット81によって合成樹脂製の取付フランジ部82が押し潰されないようにされている。
前述のように構成する従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置によれば、センサユニット73をカバー63に対し、ねじ止め結合固定する構造を採用しているため、センサユニット73の修理、交換の手間を軽減することができ、ねじ止め結合部分での密封性の確保を安価に実現できると共に、カバー63に対するセンサユニット73の組み付け作業性を向上できる(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−337381号公報
このような従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、カバー63における突部69の端面に有底の段付凹部78が設けられ、この段付凹部78の大径部79にナット81が溶接により固定されると共に、取付フランジ部82に設けられた通孔83の内側に円筒状の芯金84が一体にモールドされている。この場合、挿入孔71とセンサの挿入部74の隙間が大きいと、ナット81と芯金84の芯ズレが大きくなりやすく、センサユニット73の組み付け作業が難しくなる。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、カバーの剛性を高めると共に、センサユニットの挿入性を向上させ、装着部の密封性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
係る目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪とからなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記内輪に外嵌され、円周方向に特性を交互に、かつ等間隔に変化させたパルサリングと、前記外方部材に嵌着されたカバーに装着されて前記パルサリングに所定のエアギャップを介して対峙する棒状のセンサユニットとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記カバーが鋼鈑からプレス加工にて形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する重合部と、この重合部から軸方向に延びる円筒部と、前記外方部材の開口部を閉塞する底部とを備え、この底部の径方向外方部で、前記パルサリングと対向する部分に、軸方向に貫通する挿入孔が形成され、この挿入孔に突出して円筒状の装着部が形成されると共に、この装着部に嵌挿される前記センサユニットの案内すきまが所定値以下に規制され、かつ、前記装着部の案内部の幅寸法が所定値以上に設定されている。
このように、内輪に外嵌され、円周方向に特性を交互に、かつ等間隔に変化させたパルサリングと、外方部材に嵌着されたカバーに装着されてパルサリングに所定のエアギャップを介して対峙する棒状のセンサユニットとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、カバーが鋼鈑からプレス加工にて形成され、外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延び、外方部材のインナー側の端面に密着する重合部と、この重合部から軸方向に延びる円筒部と、外方部材の開口部を閉塞する底部とを備え、この底部の径方向外方部で、パルサリングと対向する部分に、軸方向に貫通する挿入孔され、この挿入孔に突出して円筒状の装着部が形成されると共に、この装着部に嵌挿されるセンサユニットの案内すきまが所定値以下に規制され、かつ、装着部の案内部の幅寸法が所定値以上に設定されているので、外方部材に対するカバーの位置決め精度が高くなり、かつ、装着部の剛性が向上し、センサユニットを安定して支持することができると共に、センサユニットの挿入性が向上し、装着部の密封性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
また、請求項2に記載の発明のように、前記挿入孔の近傍に軸方向に貫通して通孔が形成され、この通孔の内側にナットが接合されると共に、前記センサユニットにボルト孔を有する取付フランジ部が一体に形成され、この取付フランジ部のボルト孔を介して前記ナットに固定ボルトが螺着されて前記センサユニットが固定されていれば、センサユニットを安定して支持することができる。
また、請求項3に記載の発明のように、前記装着部の案内すきまが1.0mm以下に規制され、かつ、装着部の案内部の幅寸法が1.0mm以上に設定されていれば、センサユニットの挿入性を向上させ、装着部の密封性を高めることができると共に、取付フランジ部のボルト孔とカバーの通孔との芯合せが容易となる。
また、請求項4に記載の発明のように、前記装着部の根元部の曲率半径が1.0〜3.0mmからなる大きな円弧面に形成されていれば、装着部の密封性を保ちつつ、挿入孔の入口径が実質的に大きくなり、センサユニットの挿入性を一層向上させることができる。
また、請求項5に記載の発明のように、前記装着部が、大径円筒部と小径円筒部からなり、この小径円筒部の案内すきまが1.0mm以下に規制され、かつ、この小径円筒部の幅寸法が1.0mm以上に設定されると共に、前記センサユニットの挿入部に環状溝が形成され、この環状溝にOリングが装着され、前記装着部の大径円筒部に弾性接触していれば、センサユニットの挿入性を保ちつつ、装着部の密封性が向上し、外部から泥水等の異物の侵入を確実に防止することができる。
また、請求項6に記載の発明のように、前記装着部の根元部が円弧状の段付き形状に形成され、この根元部にOリングが弾性接触されていても良いし、また、請求項7に記載の発明のように、前記装着部の根元部が円筒状の段付き形状に形成され、この根元部にOリングが弾性接触されていても良い。これにより、挿入孔の入口径が実質的に大きくなり、センサユニットの挿入性を向上させると共に、センサユニットの挿入部に環状溝を形成してOリングを装着することなく装着部の密封性を向上させることができ、低コスト化を図ることができる。
また、請求項8に記載の発明のように、前記挿入孔に縁曲げ加工によって円筒状の装着部が突出して形成され、この装着部が、周方向に均等配置された複数のスリットを備えていれば、装着部の案内すきまをマイナスにすることも可能でセンサをより安定して支持できる。
また、請求項9に記載の発明のように、前記カバーの底部に直線状の凹部が形成され、この凹部が前記挿入孔を通る十字状に形成されていても良いし、また、請求項10に記載の発明のように、前記カバーの底部に直線状のリブを残して凹部が形成され、前記リブが前記挿入孔を通る十字状に形成されていても良い。また、請求項11に記載の発明のように、前記カバーの底部に帯状の凸部が形成され、この凸部が前記挿入孔を通る直線状に形成されていても良いし、また、請求項12に記載の発明のように、前記カバーの底部に十字状の凸部が形成されていても良い。これにより、挿入孔部分だけでなくカバーの剛性を高めることができると共に、素材となる鋼鈑の板厚を薄くでき、軽量化と共に加工性を向上させることができる。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪とからなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記内輪に外嵌され、円周方向に特性を交互に、かつ等間隔に変化させたパルサリングと、前記外方部材に嵌着されたカバーに装着されて前記パルサリングに所定のエアギャップを介して対峙する棒状のセンサユニットとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記カバーが鋼鈑からプレス加工にて形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する重合部と、この重合部から軸方向に延びる円筒部と、前記外方部材の開口部を閉塞する底部とを備え、この底部の径方向外方部で、前記パルサリングと対向する部分に、軸方向に貫通する挿入孔が形成され、この挿入孔に突出して円筒状の装着部が形成されると共に、この装着部に嵌挿される前記センサユニットの案内すきまが所定値以下に規制され、かつ、前記装着部の案内部の幅寸法が所定値以上に設定されているので、外方部材に対するカバーの位置決め精度が高くなり、かつ、装着部の剛性が向上し、センサユニットを安定して支持することができると共に、センサユニットの挿入性が向上し、装着部の密封性を高めた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を提供することができる。
(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)のインナー側のシールを示す要部拡大図である。 (a)は、図1のセンサ装着部を示す要部拡大図、(b)は、(a)のA部拡大図である。 (a)は、図2の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)のB部拡大図、(c)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。 (a)は、図3(c)の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。 (a)は、カバーのセンサ装着部の変形例を示す側面図、(b)は、(a)の断面図、(c)は、縁曲げ前の状態を示す側面図である。 カバーの変形例を示す側面図である。 カバーの他の変形例を示す側面図である。 (a)は、カバーの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)の側面図である。 (a)は、カバーの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)の側面図である。 従来の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置を示す縦断面図である。
外周に懸架装置を構成するナックルに固定するための車体取付フランジを一体に有し、内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に前記複列の外側転走面に対向する一方の内側転走面と、この内側転走面から軸方向に延びる軸状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入され、外周に前記複列の外側転走面に対向する他方の内側転走面が形成された内輪とからなる内方部材と、前記外方部材と内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記内輪に外嵌され、円周方向に特性を交互に、かつ等間隔に変化させたパルサリングと、前記外方部材に装着され、前記パルサリングに所定のエアギャップを介して対峙する棒状のセンサユニットとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、前記カバーが鋼鈑からプレス加工にて形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する重合部と、この重合部から軸方向に延びる円筒部と、前記外方部材の開口部を閉塞する底部とを備え、この底部の径方向外方部で、前記パルサリングと対向する部分に、軸方向に貫通する挿入孔と、この挿入孔に突出して円筒状の装着部が形成され、この装着部に嵌挿される前記センサユニットの案内すきまが1.0mm以下に規制され、かつ、前記装着部の案内部の幅寸法が1.0mm以上に設定されると共に、前記挿入孔の近傍に軸方向に貫通して通孔が形成され、この通孔の内側にナットが接合されると共に、前記センサユニットにボルト孔を有する取付フランジ部が一体に形成され、この取付フランジ部のボルト孔を介して前記ナットに固定ボルトが螺着されて前記センサユニットが固定されている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置の一実施形態を示す縦断面図、(b)は、(a)のインナー側のシールを示す要部拡大図、図2(a)は、図1のセンサ装着部を示す要部拡大図、(b)は、(a)のA部拡大図、図3(a)は、図2の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)のB部拡大図、(c)は、(a)の変形例を示す要部拡大図、図4(a)は、図3(c)の変形例を示す要部拡大図、(b)は、(a)の変形例を示す断面図、図5(a)は、カバーのセンサ装着部の変形例を示す側面図、(b)は、(a)の断面図、(c)は、縁曲げ前の状態を示す側面図、図6は、カバーの変形例を示す側面図、図7は、カバーの他の変形例を示す側面図、図8(a)は、カバーの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)の側面図、図9(a)は、カバーの他の変形例を示す正面図、(b)は、(a)の側面図である。なお、以下の説明では、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側)、中央寄り側をインナー側(図1の右側)という。
図1(a)に示す回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は従動輪側の第3世代と呼称され、ハブ輪1と複列の転がり軸受2とをユニット化して構成されている。複列の転がり軸受2は、内方部材3と外方部材4、および両部材3、4間に転動自在に収容された複列の転動体(ボール)5、5とを備えている。内方部材3は、ハブ輪1と、このハブ輪1に圧入固定された内輪7とを指す。
ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ6を一体に有し、この車輪取付フランジ6の円周等配位置には車輪を締結するハブボルト6aが植設されている。また、外周に一方(アウター側)の内側転走面1aと、この内側転走面1aから軸方向に延びる軸状の小径段部1bが形成され、この小径段部1bに内輪7が所定のシメシロを介して圧入されている。そして、小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて加締部1cが形成され、この加締部1cによってハブ輪1に対して内輪7が所定の軸受予圧が付与された状態で軸方向に固定されている。なお、内輪7の外周には他方(インナー側)の内側転走面7aが形成されている。
一方、外方部材4は、外周に懸架装置を構成するナックル(図示せず)に固定されるための車体取付フランジ4bを一体に有し、内周に内方部材3の複列の内側転走面1a、7aに対向する複列の外側転走面4a、4aが一体に形成されている。複列の転がり軸受2は、これら両転走面4a、1aおよび4a、7a間に収容された複列の転動体5、5と、これら複列の転動体5、5を転動自在に保持する保持器8とを備えている。
外方部材4の両端部にはシール9、10が装着され、外方部材4と内方部材3間に形成される環状空間の開口部を密封している。そして、これらシール9、10により、軸受内部に封入された潤滑グリースの外部への漏洩と、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止している。
ハブ輪1はS53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、内側転走面1aをはじめ、シール9のシールランド部となる車輪取付フランジ6のインナー側の基部6bから小径段部1bに亙って高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。なお、加締部1cは、鍛造後の素材表面硬さ25HRC以下の未焼入れ部としている。
また、外方部材4は、ハブ輪1と同様、S53C等の炭素0.40〜0.80wt%を含む中高炭素鋼で形成され、少なくとも複列の外側転走面4a、4aが高周波焼入れによって表面硬さを58〜64HRCの範囲に硬化処理されている。また、内輪7および転動体5はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼からなり、ズブ焼入れにより芯部まで58〜64HRCの範囲で硬化処理されている。
なお、ここでは、複列の転がり軸受2として、転動体5をボールとした複列アンギュラ玉軸受で構成されたものを例示したが、これに限らず転動体5に円錐ころを使用した複列円錐ころ軸受であっても良い。また、第3世代の構造を例示したが、一対の内輪をハブ輪に圧入した、所謂第2世代の構造であっても良い。
アウター側のシール9は、外方部材4のアウター側端部の内周に所定のシメシロを介して圧入された芯金11と、この芯金11に接合されたシール部材12とからなる一体型のシールで構成されている。芯金11は、冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面略L字状に形成されている。
一方、シール部材12はニトリルゴム等の合成ゴムからなり、加硫接着によって芯金11に一体に接合されている。このシール部材12は、径方向外方に傾斜して形成され、車輪取付フランジ6のインナー側の側面に所定のシメシロをもって摺接するサイドリップ12aと、断面が円弧状に形成された基部6bに所定のシメシロをもって摺接するラジアルリップ12bと、軸受内方側に傾斜して形成されたグリースリップ12cとを有している。
インナー側のシール10は、図1(b)に拡大して示すように、断面略L字状に形成された環状のシール板13とスリンガ14とからなる、所謂パックシールを構成している。シール板13は、外方部材4のインナー側の端部内周に所定のシメシロを介して圧入された芯金15と、この芯金15に一体に加硫接着されたシール部材16とからなる。芯金15は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面が略L字状に形成されている。また、シール部材16は、径方向外方に傾斜して延びるサイドリップ16aと、二股状に形成されたグリースリップ16bと中間リップ16cとを備えている。
一方、スリンガ14は、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)やフェライト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)をプレス加工にて断面が略L字状に形成され、内輪7の外径に圧入される円筒状の嵌合部14aと、この嵌合部14aから径方向外方に延びる立板部14bとからなる。そして、シール部材16のサイドリップ16aが立板部14bに摺接されると共に、グリースリップ16bと中間リップ16cが嵌合部14aにそれぞれ摺接されている。
このシール10によって、外部から雨水やダスト等が軸受内部に侵入するのを防止すると共に、潤滑グリースが後述するカバー20内へ漏洩するのを防止している。すなわち、外方部材4のインナー側の端部にカバー20が装着されているため、インナー側の密封手段となるシール10は必ずしも強固なものでなくても良いが、このシール10により、軸受内部に封入された潤滑グリースがカバー20側に漏洩するのを効果的に防止することができる。したがって、潤滑グリースの漏洩を加味して予め余分に封入することなく、潤滑グリースの封入量を必要最小限に抑えて潤滑グリースの攪拌抵抗による温度上昇を抑制し、長期間に亙って安定した潤滑を図ることができる。
ここで、内輪7の外径にはパルサリング17が圧入されている。このパルサリング17は、強磁性体の鋼鈑、例えば、フェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)からプレス加工によってL字状に、全体として円環状に形成された支持環18と、この支持環18の側面に加硫接着等で一体に接合された磁気エンコーダ19とで構成されている。
支持環18は、内輪7の外径に圧入される円筒状の嵌合部18aと、この嵌合部18aから径方向内方に延びる立板部18bとを備えている。そして、この立板部18bに磁気エンコーダ19が一体に接合されている。この磁気エンコーダ19は、ゴム等のエラストマにフェライト等の磁性体粉が混入され、周方向に交互に磁極N、Sが着磁されて車輪の回転速度検出用のロータリエンコーダを構成している。
なお、ここでは、ゴム磁石からなる磁気エンコーダ19を有するパルサリング17を例示したが、これに限らず、円周方向に交互に、かつ等間隔に特性が変化する構成であれば良く、複数の透孔や凹凸が形成された鋼板製のパルサリングであっても良いし、焼結合金で形成されたものでも良い。また、プラスチック磁石が接合されたものでも良い。
本実施形態では、外方部材4のインナー側の端部にカバー20は内嵌され、外方部材4のインナー側の開口部を閉塞している。このカバー20は、耐食性を有する鋼鈑、例えば、フェライト系ステンレス鋼版(JIS SUS430等)や冷間圧延鋼板(JIS SPCC等)でも良いが、後述する回転速度センサの感知性能に悪影響を及ぼさないように、非磁性体の鋼鈑、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS304系等)で形成されるのが好ましい。
カバー20は、外方部材4の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部20aと、この嵌合部20aから径方向外方に延び、外方部材4のインナー側の端面4cに密着する重合部20bと、この重合部20bから軸方向に延びる円筒部20cと、後述するセンサユニット21が装着される底部20dとを備えている。本実施形態では、カバー20が外方部材4の端部に内嵌されているので、外嵌タイプに比べ、カバー20自体の剛性が高くなると共に、気密性が向上し、さらに、この重合部20bを外方部材4の端面4cに密着されることにより、外方部材4に対するカバー20の位置決め精度が高くなり、エアギャップ調整が容易になって速度検出精度を向上させることができる。
ここで、図2(a)に示すように、カバー20の底部20dの径方向外方部で、磁気エンコーダ19と対向する部分には、軸方向に貫通する挿入孔21が形成されている。この挿入孔21はバーリング加工によって形成されると共に、このバーリング加工に伴って軸方向に突出して形成される円筒状の装着部22にセンサユニット23の挿入部23aが挿入されている。このセンサユニット23はPA66等の射出成形可能な合成樹脂で形成され、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子24およびこの磁気検出素子24の出力波形を整える波形整形回路が組み込まれたIC(図示せず)等が包埋され、車輪の回転速度を検出してその回転数を制御する自動車のABSを構成している。
また、挿入孔21の近傍に軸方向に貫通する通孔25が穿設され、この通孔25の内側にナット26が溶接により固定、あるいはナット26がボブナットで圧入取り付けられている。一方、センサユニット23にはボルト孔27を有する取付フランジ部23bが一体に形成されている。そして、取付フランジ部23bのボルト孔27を介してナット26に固定ボルト28が螺着され、センサユニット23が固定されている。
また、本実施形態では、図2(b)に拡大して示すように、挿入孔21の装着部22の内径d1とセンサユニット23の挿入部23aの外径d2との径差(d1−d2)が0〜1.0mmの範囲になるように、装着部22の案内すきまが所定値以下に規制されると共に、この装着部22の案内部の幅寸法Lが1.0mm以上に設定されている。これにより、装着部22の剛性が向上し、センサユニット23を安定して支持することができると共に、センサユニット23の挿入性が向上し、取付フランジ部23bのボルト孔27とカバー20の通孔25との芯合せが容易となる。さらに、装着部22の案内すきまを所定値以下に規制することにより、センサユニット23の挿入性を保ちつつ、この案内すきまがラビリンスシールの役割をなし、外部から泥水等の異物の侵入を防止することができる。
図3(a)に図2の変形例を示す。ここでは、挿入孔21に突出して形成された円筒状の装着部29が、大径円筒部29aと小径円筒部29bからなり、(b)に拡大して示すように、この小径円筒部29bの内径d1とセンサユニット23の挿入部23aの外径d2との径差(d1−d2)が0〜1.0mmの範囲になるように、小径円筒部29bの案内すきまが規制されると共に、この小径円筒部29bの幅寸法Lが1.0mm以上に設定されている。
また、センサユニット23’の挿入部30に環状溝30aが形成され、この環状溝30aにOリング31が装着され、装着部29の大径円筒部29aに弾性接触している。これにより、センサユニット23’の挿入性を保ちつつ、装着部29の密封性が向上し、外部から泥水等の異物の侵入を確実に防止することができる。
また、(c)に(a)の変形例を示す。ここでは、挿入孔32に突出して円筒状の装着部33が形成され、この装着部33の内径d1とセンサユニット23の挿入部23aの外径d2との径差(d1−d2)が0〜1.0mmの範囲になるように案内すきまが所定値以下に規制されると共に、この装着部33の幅寸法Lが1.0mm以上に設定されている。さらに、この装着部33の根元部34の曲率半径Rが1.0〜3.0mmからなる大きな円弧面に形成されている。これにより、装着部33の密封性を保ちつつ、挿入孔32の入口径が実質的に大きくなり、センサユニット23の挿入性を一層向上させることができる。
図4(a)は、図3(c)の変形例を示す要部拡大図である。ここでは、挿入孔32に突出して円筒状の装着部33が形成されると共に、この装着部33の根元部35が円弧状の段付き形状に形成され、この根元部35にOリング31が弾性接触されている。これにより、挿入孔32の入口径が実質的に大きくなり、センサユニット23の挿入性を向上させると共に、センサユニット23の挿入部23aに環状溝を形成してOリングを装着することなく装着部33の密封性を向上させることができ、低コスト化を図ることができる。
図4(b)は、(a)の変形例を示す要部拡大図である。ここでは、挿入孔32に突出して円筒状の装着部33が形成されると共に、この装着部33の根元部36が円筒状の段付き形状に形成され、この根元部36にOリング31が弾性接触されている。これにより、前述した実施形態と同様、挿入孔32の入口径が実質的に大きくなり、センサユニット23の挿入性を向上させると共に、センサユニット23の挿入部23aに環状溝を形成してOリングを装着することなく装着部33の密封性を向上させることができ、低コスト化を図ることができる。
図5に、挿入孔の変形例を示す。ここでは、挿入孔37に縁曲げ加工によって円筒状の装着部38が突出して形成され、この装着部38は、周方向に均等配置された複数のスリットを備えている。そして、装着部38の案内すきまが1.0mm以下に規制されると共に、この装着部38の幅寸法Lが1.0mm以上に設定されている。これにより、装着部38の案内すきまをマイナスにすることも可能となり、センサユニットの挿入性を保ちつつ、よりセンサを安定して支持できる。
図6に、カバーの変形例を示す。このカバー39は、底部39aに直線状の凹部40、41(図中ハッチングにて示す)が形成されている。この凹部40、41は、挿入孔21を通る十字状に形成されている。これにより、挿入孔21部分だけでなくカバー39の剛性を高めることができると共に、素材となる鋼鈑の板厚を薄くでき、軽量化と共に加工性を向上させることができる。
図7に、カバーの他の変形例を示す。このカバー42は、底部42aに直線状のリブ43、44を残して凹部45(図中ハッチングにて示す)が形成されている。このリブ43、44は、挿入孔21を通る十字状に形成されている。これにより、挿入孔21部分だけでなくカバー42の剛性を高めることができると共に、素材となる鋼鈑の板厚を薄くでき、軽量化と共に加工性を向上させることができる。
図8に、カバーの他の変形例を示す。このカバー46は、底部46aに帯状の凸部47が形成されている。この凸部47は、挿入孔21と通孔27を通る直線状に形成されている。これにより、挿入孔21部分だけでなくカバー46の剛性を高めることができると共に、素材となる鋼鈑の板厚を薄くでき、軽量化と共に加工性を向上させることができる。
図9に、カバーの他の変形例を示す。このカバー48は、底部48aに十字状の凸部49が形成されている。これにより、挿入孔21部分だけでなくカバー48の剛性を高めることができると共に、素材となる鋼鈑の板厚を薄くでき、軽量化と共に加工性を向上させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
本発明に係る回転速度検出装置付き車輪用軸受装置は、外方部材の端部にカバーが嵌着され、このカバーにセンサユニットが装着された従動輪側の内輪回転タイプの車輪用軸受装置に適用することができる。
1 ハブ輪
1a、7a 内側転走面
1b 小径段部
1c 加締部
2 複列の転がり軸受
3 内方部材
4 外方部材
4a 外側転走面
4b 車体取付フランジ
4c 外方部材のインナー側の端面
5 転動体
6 車輪取付フランジ
6a ハブボルト
6b 基部
7 内輪
8 保持器
9 アウター側のシール
10 インナー側のシール
11、15 芯金
12、16 シール部材
12a、16a サイドリップ
12b、16b ラジアルリップ
12c、16c グリースリップ
13 シール板
14 スリンガ
14a、18a、20a 嵌合部
14b、18b 立板部
17 パルサリング
18 支持環
19 磁気エンコーダ
20、39、42、46、48 カバー
20b 重合部
20c 円筒部
20d、39a、42a、46a、48a 底部
21、32、37 挿入孔
22、29、33、38 装着部
23、23’ センサユニット
23a、30 挿入部
23b 取付フランジ部
24 磁気検出素子
25 通孔
26 ナット
27 ボルト孔
28 固定ボルト
29a 大径円筒部
29b 小径円筒部
31 Oリング
34、35、36 根元部
38a スリット
40、41、45 凹部
43、44 リブ
47、49 凸部
51 外方部材
51a 外側転走面
51b 車体取付フランジ
52 内方部材
53 ボール
54 車輪取付フランジ
55 ハブ輪
55a、56a 内側転走面
55b 小径段部
56 内輪
57 保持器
58 加締部
59 シール
60 磁気エンコーダ
61 支持環
62 エンコーダ本体
63 カバー
64 主部
65 フランジ部
66 突き当て部
67 嵌合部
68 底板部
69 突部
69a 挿入部
69b 取付フランジ
70 膨出部
71 挿入孔
72 短円筒部
73 センサユニット
74 挿入部
75 係止溝
76 Oリング
77 凹部
78 段付凹部
79 大径部
80 小径部
81 ナット
82 取付フランジ部
83 通孔
84 芯金
85 ボルト
d1 装着部(小径円筒部)の内径
d2 挿入部の外径
L 装着部の幅寸法
R 根元部の曲率半径

Claims (12)

  1. 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
    一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪とからなり、外周に前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
    前記外方部材と内方部材のそれぞれの転走面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記内輪に外嵌され、円周方向に特性を交互に、かつ等間隔に変化させたパルサリングと、
    前記外方部材に嵌着されたカバーに装着されて前記パルサリングに所定のエアギャップを介して対峙する棒状のセンサユニットとを備えた回転速度検出装置付き車輪用軸受装置において、
    前記カバーが鋼鈑からプレス加工にて形成され、前記外方部材の端部内周に圧入される円筒状の嵌合部と、この嵌合部から径方向外方に延び、前記外方部材のインナー側の端面に密着する重合部と、この重合部から軸方向に延びる円筒部と、前記外方部材の開口部を閉塞する底部とを備え、
    この底部の径方向外方部で、前記パルサリングと対向する部分に、軸方向に貫通する挿入孔が形成され、この挿入孔に突出して円筒状の装着部が形成されると共に、この装着部に嵌挿される前記センサユニットの案内すきまが所定値以下に規制され、かつ、前記装着部の案内部の幅寸法が所定値以上に設定されていることを特徴とする回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  2. 前記挿入孔の近傍に軸方向に貫通して通孔が形成され、この通孔の内側にナットが接合されると共に、前記センサユニットにボルト孔を有する取付フランジ部が一体に形成され、この取付フランジ部のボルト孔を介して前記ナットに固定ボルトが螺着されて前記センサユニットが固定されている請求項1に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  3. 前記装着部の案内すきまが1.0mm以下に規制され、かつ、装着部の案内部の幅寸法が1.0mm以上に設定されている請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  4. 前記装着部の根元部の曲率半径が1.0〜3.0mmからなる大きな円弧面に形成されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  5. 前記装着部が、大径円筒部と小径円筒部からなり、この小径円筒部の案内すきまが1.0mm以下に規制され、かつ、この小径円筒部の幅寸法が1.0mm以上に設定されると共に、前記センサユニットの挿入部に環状溝が形成され、この環状溝にOリングが装着され、前記装着部の大径円筒部に弾性接触している請求項1または2に記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  6. 前記装着部の根元部が円弧状の段付き形状に形成され、この根元部にOリングが弾性接触されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  7. 前記装着部の根元部が円筒状の段付き形状に形成され、この根元部にOリングが弾性接触されている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  8. 前記挿入孔に縁曲げ加工によって円筒状の装着部が突出して形成され、この装着部が、周方向に均等配置された複数のスリットを備えている請求項1乃至3いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  9. 前記カバーの底部に直線状の凹部が形成され、この凹部が前記挿入孔を通る十字状に形成されている請求項1乃至8いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  10. 前記カバーの底部に直線状のリブを残して凹部が形成され、前記リブが前記挿入孔を通る十字状に形成されている請求項1乃至8いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  11. 前記カバーの底部に帯状の凸部が形成され、この凸部が前記挿入孔を通る直線状に形成されている請求項1乃至8いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
  12. 前記カバーの底部に十字状の凸部が形成されている請求項1乃至8いずれかに記載の回転速度検出装置付き車輪用軸受装置。
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