JP3440800B2 - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット

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JP3440800B2
JP3440800B2 JP00154998A JP154998A JP3440800B2 JP 3440800 B2 JP3440800 B2 JP 3440800B2 JP 00154998 A JP00154998 A JP 00154998A JP 154998 A JP154998 A JP 154998A JP 3440800 B2 JP3440800 B2 JP 3440800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る回転速度検出
装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置
に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速
度を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持するのに、転がり軸受ユニットを使用する。
又、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラク
ションコントロールシステム(TCS)を制御する為に
は、上記車輪の回転速度を検出する必要がある。この
為、上記転がり軸受ユニットに回転速度検出装置を組み
込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、
上記車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共
に、この車輪の回転速度を検出する事が、近年広く行な
われる様になっている。
【0003】図9〜10は、この様な目的で使用される
回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの従来構造の1
例として、実開平7−31539号公報に記載されたも
のを示している。この回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットは、使用時にも回転しない静止輪である外輪1の
内径側に、使用時に回転する回転輪であるハブ2を回転
自在に支持している。そして、このハブ2の一部に固定
したエンコーダ3の回転速度を、上記外輪1に支持した
センサ4により検出自在としている。即ち、上記外輪1
の内周面には、複列の外輪軌道5、5を設けている。
又、上記ハブ2の外周面、及びこのハブ2に外嵌しナッ
ト6によりこのハブ2に対し結合固定した状態で上記ハ
ブ2と共に上記回転輪を構成する内輪7の外周面には、
内輪軌道8、8を設けている。そして、これら各内輪軌
道8、8と上記各外輪軌道5、5との間にそれぞれ複数
個ずつの転動体9、9を、それぞれ保持器10、10に
より保持した状態で転動自在に設け、上記外輪1の内側
に上記ハブ2及び内輪7を、回転自在に支持している。
【0004】又、上記ハブ2の外端部(自動車への組み
付け状態で幅方向外側となる端部を言い、図9の右端
部)で上記外輪1の外端部から軸方向外方に突出した部
分には、車輪を取り付ける為のフランジ11を設けてい
る。又、上記外輪1の内端部(自動車への組み付け状態
で幅方向中央側となる端部を言い、図9の左端部)に
は、この外輪1を懸架装置に取り付ける為の取付部12
を設けている。又、上記外輪1の外端開口部と上記ハブ
2の中間部外周面との間の隙間は、シールリング13に
より塞いでいる。尚、重量の嵩む自動車用の転がり軸受
ユニットの場合には、上記複数個の転動体9、9とし
て、図示の様な玉に代えて、テーパころを使用する場合
もある。
【0005】上述の様な転がり軸受ユニットに回転速度
検出装置を組み込むべく、上記内輪7の内端部で上記内
輪軌道8から外れた部分の外周面には、前記エンコーダ
3を外嵌固定している。このエンコーダ3は、軟鋼板等
の磁性金属板に塑性加工を施す事により、断面L字形で
全体を円環状に形成したもので、円筒部15と円輪部1
6とを備え、このうちの円筒部15を上記内輪7の内端
部に締まり嵌めで外嵌する事により、この内輪7の内端
部に固定している。又、上記円輪部16には、それぞれ
がこの円輪部16の直径方向に長いスリット状の透孔1
7、17を多数、放射状に、円周方向に亙って等間隔に
形成する事により、上記円輪部16の磁気特性を、円周
方向に亙って交互に且つ等間隔で変化させている。
【0006】更に、上記外輪1の内端開口部にはカバー
18を、上記エンコーダ3の円輪部16の内側面に対向
する状態で嵌合固定して、上記カバー18により上記外
輪1の内端開口部を塞いでいる。金属板を塑性加工して
成る、このカバー18は、上記外輪1の内端開口部に内
嵌固定自在な嵌合筒部19と、この内端開口部を塞ぐ塞
ぎ板部20とを有する。この塞ぎ板部20の中央部に
は、有底円筒状の膨出部21を形成して、この塞ぎ板部
20と前記ナット6との干渉を防止している。又、この
塞ぎ板部20の外周寄り部分でこの膨出部21よりも直
径方向外側部分には通孔22を形成し、この通孔22を
通じて前記センサ4の検知部24を、上記カバー18の
内側に挿入している。又、上記センサ4の中間部外周面
には取付フランジ25を固設しており、この取付フラン
ジ25を上記カバー18の塞ぎ板部20に、止めねじ2
6、26で固定する事により、上記センサ4を上記カバ
ー18に、所定の位置関係で結合固定している。この様
にセンサ4をカバー18に結合固定した状態で、上記検
知部24の先端面は、上記エンコーダ3を構成する円輪
部16の内側面に、微小隙間を介して対向する。
【0007】上述の様な回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットの使用時には、上記外輪1の外周面に固設した
取付部12を懸架装置に対して、図示しないボルトによ
り結合固定すると共に、前記ハブ2の外周面に固設した
フランジ11に車輪を、このフランジ11に設けたスタ
ッド27、27により固定する事で、上記懸架装置に対
して上記車輪を回転自在に支持する。この状態で車輪が
回転すると、上記センサ4の検知部24の端面近傍を、
上記円輪部16に形成した透孔17、17と、円周方向
に隣り合う透孔17、17同士の間に存在する柱部とが
交互に通過する。この結果、上記センサ4内を流れる磁
束の密度が変化し、このセンサ4の出力が変化する。こ
の様にしてセンサ4の出力が変化する周波数は、上記車
輪の回転数に比例する。従って、上記センサ4の出力を
図示しない制御器に送れば、ABSやTCSを適切に制
御できる。
【0008】図9〜10に示した従来構造の場合には、
センサの修理、交換の手間を軽減すべく、止めねじ2
6、26により、センサ4をカバー18に対し結合固定
している。即ち、上記センサ4に固設した取付フランジ
25及び上記カバー18にそれぞれ設けた通孔54、5
6に、ボルト28、28を挿通し、これら各ボルト2
8、28とナット29、29とを螺合し更に緊締する事
により、上記センサ4を上記カバー18に結合固定して
いる。修理等の為、上記センサ4を上記カバー18から
取り外す場合は、上記ナット29、29を緩めて、上記
センサ4を上記カバー18から取り外す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図9〜10に示した従
来構造の様に、ボルト28、28を挿通する為に通孔5
4、56を設けた構造では、これら各通孔54、56を
挿通したボルト28、28の周囲に存在する微小な隙間
を通じて、外部から転動体9、9の存在する空間30内
に、泥水等の異物が進入する可能性がある。この様に転
動体9、9の存在する空間30内に異物が進入した場
合、転動体9、9、内外輪軌道8、5の腐食・摩耗等を
生じる事により、転がり軸受自体の耐久性を悪化するだ
けでなく、磁性粉等の異物が上記センサ4又はエンコー
ダ16に付着する事により、回転速度検出の精度が悪化
する可能性がある。この為、センサ4をカバー18に対
してねじ止め結合固定する場合には、上記通孔54、5
6を通じて異物が進入しない様に、ボルト28、28の
頭部と相手面との間等にシール部材を設け、センサ4と
カバー18との間の密封性を確保する必要があった。但
し、この様にシール部材を設ける事は、回転速度検出装
置付転がり軸受ユニット全体の生産コストが嵩む原因と
なる為、好ましくない。
【0010】又、前述した従来構造の場合には、上記カ
バー18に対してセンサ4をねじ止め結合固定する作業
は、手間を要し面倒であった。即ち、センサ4をカバー
18にねじ止めにより結合固定する場合には、上記取付
フランジ25及び上記カバー18にそれぞれ設けた通孔
54、56に挿通したボルト28、28とナット29、
29とを螺合した後、上記カバー18の両側からスパナ
等の1対の工具を用いてこれらボルト28、28とナッ
ト29、29とを緊締する。特に、上記カバー18を外
輪1に結合した後に上記センサ4を組み付ける事は、カ
バー18内に存在するボルト28、28の頭部を抑えら
れない為、上記ボルト28、28とナット29、29と
の緊締作業は、上記カバー18を上記外輪1から取り外
した状態で行なう必要がある。この様なセンサ4の組み
付け作業は手間を要して面倒であり、回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットのコストが嵩む原因ともなる。本
発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、この
様な事情に鑑みて、センサの修理、交換の手間を軽減す
べく、このセンサをカバーに対しねじ止め結合する構造
を採用して、しかもねじ止め結合部を密封するシール部
材を省略し、コストの低廉化を図ると共に、センサの組
み付け作業性を向上すべく発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットは、前述した従来の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットと同様に、静止側周面に静
止側軌道を有し、使用時にも回転しない静止輪と、上記
静止側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、
使用時に回転する回転輪と、上記静止側軌道と上記回転
側軌道との間に転動自在に設けられた複数個の転動体
と、上記回転輪の一部にこの回転輪と同心に固定され
た、円周方向に亙り特性を交互に且つ等間隔で変化させ
たエンコーダと、このエンコーダに対向する状態で上記
静止輪の一部に固定されたカバーと、このカバーの一部
で上記エンコーダと対向する部分に設けられた挿入孔
と、この挿入孔を挿通した状態で上記カバーの一部に支
持固定され、上記エンコーダの回転に伴って出力を変化
させるセンサとを備える。
【0012】特に、本発明の回転速度検出装置付転がり
軸受ユニットに於いては、上記センサはホルダに支持さ
れており、このホルダは、上記センサを支持した状態で
上記挿入孔に挿入する挿入部と、この挿入部の端部にそ
の基端部を結合した取付フランジ部と、この取付フラン
ジ部の先端部に設けた通孔とを備えている。又、上記カ
バーは、合成樹脂を射出成形する事により造られた本体
を有し、この本体の一部で挿入孔に挿入部を挿入した状
態で上記ホルダに設けた通孔と整合する部分に上記カバ
ーを貫通しない状態で設けられた有底の凹部を備える。
そして、この凹部の内周面にライナーを係止する事によ
り、上記カバーを貫通しないナット相当部を一体的に設
けており、上記ホルダは、上記通孔を挿通したボルトと
上記ナット相当部との螺合に基づいて、上記カバーに結
合固定している。
【0013】
【作用】上述の様に構成する本発明の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットが、自動車の懸架装置に対して車
輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を
検出する際の作用は、前述した従来構造の場合と同様で
ある。特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットの場合には、センサの修理、交換の手間を軽減す
べく、このセンサをカバーに対しねじ止め結合する構造
を採用して、しかもねじ止め結合部分での密封性の確保
を安価に実現できると共に、カバーに対するセンサの組
み付け作業性を向上できる。即ち、このセンサを上記カ
バーに対しねじ止め結合固定する場合、先ず、上記セン
サを支持したホルダのうちこのホルダを構成する挿入部
を、上記カバーに設けた挿入孔に挿入すると共に、上記
カバーの一部に設けたナット相当部と、上記ホルダを構
成する取付フランジ部に設けた通孔とを整合させた状態
で、上記ホルダの片面と上記カバーの片面とを当接させ
る。次いで、上記通孔を挿通したボルトと上記ナット相
当部とを螺合し、更に緊締する事により、上記センサを
上記カバーに結合固定する。上記ナット相当部は、上記
カバーを貫通しない状態で設けている。従って、ねじ止
め結合部分を通じて、外部から転動体の存在する空間内
に泥水等の異物が進入する事がなくなる。この結果、セ
ンサをカバーに対してねじ止め結合する部分にシール部
材を設ける必要がなくなり、回転速度検出装置付転がり
軸受ユニット全体のコストの低廉化を図れる。
【0014】更に、上記センサの上記カバーに対する結
合固定作業は、上記ナット相当部に螺合緊締するボルト
のみを緊締すれば良い。この様なセンサの結合固定作業
は、上記カバーを静止輪に被着したまま行なう事がで
き、上記センサを上記カバーに組み付ける際に、このカ
バーを上記静止輪から取り外す手間を省ける。この様
に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに
よれば、カバーにセンサを結合固定する作業の手間を軽
減し、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの組み付
け作業性を向上できる。この組み付け作業性の向上によ
り、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコス
トの低廉化を更に図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜3は、本発明の技術的範囲
から外れる、参考例の第1例を示している。尚、本発明
及び各参考例の特徴は、転がり軸受ユニットを構成する
静止輪の一部に固定したカバーに対し、センサをホルダ
中に支持して成るセンサユニットを結合する部分の構造
にある。静止輪に対して回転輪を回転自在に支持して成
る、転がり軸受ユニットの構造及び作用は、基本的には
前述の図9〜10に示した従来構造と同様であるので、
同等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略若
しくは簡略にし、以下、本発明及び各参考例の特徴部分
並びに前述した従来構造と異なる部分を中心に説明す
る。尚、本発明及び各参考例を表す図は、前述の従来構
造を表した図9とは、車両の幅方向に関する内外方向が
左右逆になっている。又、本例の場合、前述した従来構
造の場合と異なり、内輪7をハブ2aに固定する為にナ
ット6(図9参照)は用いない。その代わりに、ハブ2
aの先端部(図1の右端部)を円筒部31とし、この円
筒部31の先端部で上記内輪7の内端面から突出した部
分を直径方向外方にかしめ広げる事により、上記内輪7
を上記ハブ2aに対し結合固定している。この様な構造
を採用する事により、ナット6が不要となる事によるコ
スト低減を図れるだけでなく、このナット6を省略した
分、空間の有効活用も図れる。
【0016】使用時にも回転しない静止輪である外輪1
の内端(図1の右端)開口部には、カバー18aを被着
して、このカバー18aの内端開口部を塞いでいる。こ
のカバー18aは、ステンレス鋼板等の耐食性を有する
金属板を塑性変形して成るもので、有底円筒状の主部3
2と、この主部32の開口周縁部から直径方向外方へ突
出する状態で設けた、断面L字形のフランジ部33とか
ら成る。又、このフランジ部33は、外輪1の内端開口
部に突き当て自在な形状を有する突き当て部34と、上
記外輪1の開口部に外嵌自在な形状を有する嵌合部35
とから成る。
【0017】上述の様に構成するカバー18aは、上記
嵌合部35を上記外輪1の内端部に、締まり嵌めで外嵌
固定する事により、この外輪1の内端開口部を塞いでい
る。又、この状態で上記フランジ部33の開口部端面、
即ち、このフランジ部33の突き当て部34の外側面
は、上記外輪1の内端面に当接させる。
【0018】一方、ハブ2aと共に回転輪を構成する内
輪7の内端部(図1の右端部)には、エンコーダ3aを
外嵌固定している。このエンコーダ3aは、支持環36
と永久磁石37とから成る。このうちの支持環36は、
SPCC等の磁性金属板を折り曲げる事により、断面略
T字形で全体を円環状に形成し、上記内輪7の内端部に
締まり嵌めで外嵌固定している。又、上記永久磁石37
は、例えばフェライト粉末を混入したゴムを上記支持環
36を構成する円輪部の内側面に、焼き付け等により添
着して成る。この永久磁石37は、軸方向(図1の左右
方向)に亙って着磁すると共に、着磁方向を円周方向に
亙り交互に且つ等間隔で変化させている。従って、上記
エンコーダ3aの内側面には、S極とN極とが円周方向
に亙り交互に且つ等間隔で配置されている。尚、上記エ
ンコーダ3aを、上述した様に断面略T字形としたの
は、このエンコーダ3aの支持環36を構成する円輪部
に添着した永久磁石37の内径を、上記内輪7の肩部の
外径より小さくして、上記永久磁石37の各磁極(N極
或はS極)の着磁面積を大きくする為である。そして、
この様に永久磁石37の各磁極の着磁面積を大きくする
事により、このエンコーダ3aを被検知部とするセンサ
の検知能力を向上させる事ができる。
【0019】又、上記カバー18aを構成する主部32
の中央部分を構成する底板部38の外面(このカバー1
8aにより塞ぐべき、転動体9、9を設置した空間30
と反対側の側面で、図1〜2の右側面)の一部で直径方
向外方(図1の上方)に片寄った部分には、軸方向に突
出する突部39を設けている。又、この突部39の外周
壁部の一部は、上記底板部38の外周面よりも直径方向
外方に突出させて、上記フランジ部33を構成する嵌合
部35の外周面と連続する膨出部58としている。従っ
て、この部分で上記フランジ部33の突き当て部34は
不連続となっている。又、上記突部39の底板部38の
直径方向外方寄り部分で、前記エンコーダ3aを構成す
る永久磁石37の内側面と対向する部分には、軸方向に
貫通する挿入孔40を設けている。この挿入孔40は、
バーリング加工により形成すると共に、このバーリング
加工に伴って形成される短円筒部41を、上記エンコー
ダ3aと対向する側に突出させている。この為、上記挿
入孔40を設ける為のバーリング加工は、図示しないダ
イスを上記突部39の外側面(図1の左側面)で、上記
挿入孔40を設けるべき部分の周囲に突き当てて行な
う。この様にして上記短円筒部41を形成する事によ
り、後述するセンサユニット42の挿入部43を上記短
円筒部41内に挿入して、上記カバー18aに対し上記
センサユニット42を仮固定する作業を行い易くでき
る。
【0020】そして、上記挿入孔40内に、センサをホ
ルダ中に支持して成る上記センサユニット42の先端
(図1、3の左端)寄り部分に設けた挿入部43を、が
たつきなく挿入している。センサの検知部は、この挿入
部43の先端面部分に存在する。このセンサユニット4
2は、ホール素子、磁気抵抗素子(MR素子)等、磁束
の流れ方向に応じて特性を変化させる磁気検出素子並び
にこの磁気検出素子の出力波形を整える為の波形整形回
路を組み込んだICと、上記永久磁石37から出る(或
は上記永久磁石37に流れ込む)磁束を上記磁気検出素
子に導く為の、磁性材製のポールピース等とから成るセ
ンサを、合成樹脂製のホルダに包埋して成る。又、上記
ICから整形された波形として出る出力信号を図示しな
い制御器に送る為のハーネス44の端部を、(コネクタ
等を介する事なく)直接上記センサユニット42に接続
している。従って、コネクタを省略して、その分、回転
速度検出装置付転がり軸受ユニットのコスト低減を図れ
る。
【0021】又、上記挿入部43の中間部外周面には係
止溝46を形成すると共に、この係止溝46にOリング
47を係止している。上記挿入部43を上記挿入孔40
及び短円筒部41の内側に挿通した状態では、上記Oリ
ング47がこの短円筒部41の内周面と上記係止溝46
の底面との間で弾性的に圧縮されて、上記挿入部43の
外周面と上記挿入孔40の内周面との間をシールする。
即ち、上記Oリング47は、泥水等の異物がこの挿入孔
40を通じて上記カバー18a及び上記外輪1の内側に
進入するのを防止する。そして、転がり軸受ユニット自
体の耐久性を確保すると共に、磁性粉等の異物が前記エ
ンコーダ3aを構成する永久磁石37の側面に付着する
事を防止し、回転速度検出の精度が悪化する事を防止す
る。尚、上記カバー18aに対する上記センサユニット
42の挿入部43をシールする為のシールリングとし
て、上述の様なOリング47に代えて、断面形状がX字
形であるXリング等、他のシールリングを使用すれば、
上記センサユニット42の挿入部43を上記挿入孔40
に挿入する為に要する力を低減して、このセンサユニッ
ト42の装着作業の容易化を図る事もできる。
【0022】又、上記センサユニット42の基端寄り
(図1、3の右端寄り)部分には、このセンサユニット
42を構成する挿入部43の端部にその基端部を結合し
た取付フランジ部45を設けている。この取付フランジ
部45は、外側面を前記カバー18aに設けた突部39
の端面に当接自在な形状とし、これら両部45、39の
互いに当接する面を平滑面としている。
【0023】更に、上記カバー18aに設けた突部39
の端面の直径方向中心寄り付近で、前記ハブ2aに設け
た円筒部31の内側に存在する凹部48と対向する部分
には、軸方向に貫通しない、有底の段付凹部49を設け
ている。この段付凹部49は、開口側の大径部50と奥
側の小径部51とから成り、このうちの大径部50内
ナット52を、溶接又は接着により固定している。例え
ば溶接により固定する場合には、この大径部50に上記
ナット52を内嵌した状態で、このナット52と上記カ
バー18aとに溶接用の1対の電極を突き当てる。これ
により、上記ナット52の外面と上記大径部50の内面
との接触部が溶接される。この状態で上記ナット52
は、上記段付凹部49内で回転したり、軸方向にずれ動
いたりする事はない。又、上記大径部50は、上記ナッ
ト52を溶接又は接着により固定した状態で、このナッ
ト52が上記突部39の端面から突出しない深さにす
る。又、上記小径部51は、上記大径部50内に溶接固
定したナット52と螺合する、後述するボルト53のね
じ部の先端が出入り自在な大きさとする。
【0024】一方、上記センサユニット42に設けた取
付フランジ部45の先端部(図1、3の下端部)で、上
記挿入部43を前記挿入孔40に挿入した状態で、上記
カバー18aに設けた段付凹部49と対向する部分に
は、軸方向に貫通する通孔59を設けている。そして、
この通孔59の内側に、円筒状の芯金55をインサート
している。尚、この芯金55は、上記取付フランジ部4
5の射出成形時に、上記通孔59の内側にモールドす
る。又、この芯金55には、上記段付凹部49内に溶接
又は接着により固定したナット52と螺合自在な、ボル
ト53のねじ部を挿通自在である。更に、この芯金55
の全長は、上記取付フランジ部45の厚さとほぼ同等に
して、この取付フランジ部45を介して上記ボルト53
とナット52とを螺合緊締した際に、上記ボルト53の
頭部とナット52とにより、合成樹脂製の取付フランジ
部45が押し潰されない様にしている。
【0025】それぞれが上述の様に構成される各部材を
組み合わせて、参考例の第1例の回転速度検出装置付転
がり軸受ユニットを構成すべく、上記センサユニット4
2を上記カバー18aに装着する作業は、次の様にして
行なう。先ず、センサユニット42の挿入部43を、カ
バー18aに設けた挿入孔40及び短円筒部41内に挿
入すると共に、上記センサユニット42に設けた通孔5
9と、上記カバー18aに設けた段付凹部49内に固定
したナット52とを整合させた状態で、上記取付フラン
ジ部45の外側面を上記突部39の片面に当接させる。
この状態で、上記挿入部43の先端面に設けた検知部
と、前記エンコーダ3aを構成する永久磁石37の内側
面との間に、所望の厚さ寸法(例えば0.5mm程度)の
微小隙間が存在する様に、各部の寸法を規制している。
【0026】次いで、上記ボルト53のねじ部を、上記
取付フランジ部45の通孔59内にインサートした芯金
55の内側に挿通する。そして、上記ねじ部を上記段付
凹部49内に溶接又は接着により固定したナット52に
螺合し、緊締する。これにより、上記センサユニット4
2を上記ボルト53の頭部とナット52との間で挟持
し、上記カバー18aに対して上記センサユニット45
を結合固定する。尚、上述した様に、上記芯金55の全
長を、上記取付フランジ部45の厚さとほぼ同等にし
て、この取付フランジ部45を介して上記ボルト53と
ナット52とを螺合緊締した際に、上記芯金55がこれ
らボルト53の頭部とナット52との間で突っ張る様に
している。従って、上記ボルト53の締め付けに基づく
圧縮荷重により、上記取付フランジ部45にへたりを生
ずる事がない。
【0027】上述した様に参考例の第1例の回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットによれば、センサをカバー
18aに対しねじ止め結合固定する構造を採用している
為、センサの修理、交換の手間を軽減できる。しかも、
ねじ止め結合部分での密封性の確保を安価に実現できる
と共に、カバー18aに対するセンサの組み付け作業性
を向上できる。即ち、このセンサを上記カバー18aに
ねじ止め結合する為に、このカバー18aに設けた突部
39には、前記挿入孔40を除いて、前述した従来構造
の様にカバーの両面を貫通する通孔を設けていない。従
って、ねじ止め結合部分を通じて、外部から転動体9、
9の存在する空間30内に泥水等の異物が進入する事が
なくなる。この結果、センサをカバー18aに対してね
じ止め結合する部分に、これらセンサとカバー18aと
の間の密封性を確保する為に、シール部材を設ける必要
がなくなり、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全
体のコストの低廉化を図れる。
【0028】更に、上記センサを上記カバー18aに対
して結合固定する作業は、前記段付凹部49に溶接又は
接着により固定したナット52にボルト53を螺合緊締
する事で行なうが、この際、ナット52を工具により抑
える必要がない。この様なセンサの結合固定作業は、上
記カバー18aを前記外輪1に被着したまま行なう事が
でき、上記センサを上記カバー18aに組み付ける際
に、このカバー18aを上記外輪1から取り外す手間を
省ける。この様に、参考例の第1例の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットによれば、カバー18aにセンサ
を結合固定する作業の手間を軽減し、回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットの組み付け作業性を向上できる。
この組み付け作業性の向上により、回転速度検出装置付
転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化を更に図れ
る。
【0029】尚、前述した様に、上記カバー18aを構
成する前記突部39の外周面部分と前記フランジ部33
の外周面とを、膨出部58により連続させたのは、上記
突部39を軸方向に貫通する挿入孔40を、できる限り
直径方向外方に位置させる為である。この様な構成によ
り、前記エンコーダ3aの円輪部に添着した永久磁石3
7を大径化して、この永久磁石37の各磁極(N極或は
S極)の着磁幅を大きくし、センサの検知能力を向上す
る事ができる。
【0030】次に、図4〜5は、やはり本発明の技術的
範囲から外れる、参考例の第2例を示している。本例の
場合、カバー18bは、外輪1の内端部に外嵌自在な嵌
合部35aと、この嵌合部35aから連続した底板部3
8aとから成る。そして、この底板部38aの内側面
(図4の右側面、図5の手前側面)で外周寄り部分に短
円筒部41aを、中心寄り部分に突部39aを、それぞ
れ軸方向に突出する状態で設けている。又、上記底板部
38aの外側面の外周寄り部分には、上記外輪1の内端
縁を突き当て自在としている。又、上記短円筒部41a
は、内側を挿入孔40とし、この挿入孔40内にセンサ
ユニット42を構成する挿入部43を挿入自在としてい
る。
【0031】特に、本例の場合には、前述した第1例の
場合と異なり、上記短円筒部41aを、上記底板部38
aに関して、エンコーダ3aと反対側に向け形成してい
る。そして、上記短円筒部41aと突部39aとは、軸
方向に亙る高さ(底板部38aの内側面からの突出量)
を互いに同じとして、これら短円筒部41aの先端縁と
突部39aの先端面とを同一平面上に位置させている。
そして、これら短円筒部41aの開口端縁と突部39a
の片面(図4の右側面、図5の手前側面)とに、センサ
ユニット42を構成する取付フランジ部45の外側面
(図4の左側面)の一部を当接自在としている。
【0032】又、上記突部39aの端面の直径方向中心
寄り付近で、ハブ2aに設けた円筒部31の内側に存在
する凹部48と対向する部分には、軸方向に貫通しない
凹部57を設けている。この凹部57は、前述した参考
例の第1例の場合の段付凹部49と異なり、段付でない
単なる有底円筒状に形成している。そして、この凹部5
7内に、ボルト53の頭部をスポット溶接により溶接固
定、若しくは接着剤により接着固定している。
【0033】それぞれが上述の様に構成される各部材を
組み合わせて、本例の回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットを構成すべく、センサユニット42をカバー18
bに装着する作業は、次の様にして行なう。先ず、上記
センサユニット42を構成する挿入部43を、上記カバ
ー18bに設けた短円筒部41aの内側に挿入する。こ
れと共に、上記カバー18bの突部39aに設けた凹部
57内に固定したボルト53のねじ部を、上記センサユ
ニット42を構成する取付フランジ部45に設けた通孔
59に挿通する。そして、上記取付フランジ部45の外
側面を上記突部39aの片面(図4の右側面、図5の手
前側面)に当接させる。次いで、上記ボルト53のねじ
部にナット52を螺合し、更に緊締する事により、上記
センサユニット42を上記カバー18bに結合固定す
る。本例の場合も、センサをカバー18bにねじ止め結
合する為に、このカバー18aに貫通した通孔を設けな
い為、ねじ止め結合部分を通じて外部から転動体9、9
の存在する空間30内に泥水等の異物が進入する事がな
くなる。この結果、センサをカバー18bに対してねじ
止め結合する構造を採用して、しかも、このねじ止め結
合部分の密封性を確保する為に、シール部材を設ける必
要がなくなり、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
全体のコストの低廉化を図れる。更に、カバー18bに
センサを結合固定する作業の手間を軽減し、回転速度検
出装置付転がり軸受ユニットの組み付け作業性を向上し
て、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコス
トの低廉化を更に図れる。
【0034】又、本例の場合、上述の様に上記短円筒部
41aを、上記底板部38aに関して上記エンコーダ3
aと反対側に向け形成している為、このエンコーダ3a
の外径を前述した第1例の場合よりも小さくする事な
く、上記外輪1の内端縁を突き当て自在な部分を全周に
亙り途切れずに設ける事ができる。即ち、上記短円筒部
41aをこの様に形成した事により、上記カバー18b
に上記挿入孔40をバーリング加工により形成する際に
ダイスを突き当てる部分が、上記底板部38aの内側面
(図4の右側面)で上記挿入孔40を設けるべき部分の
周囲になる。そして、上記外輪1を突き当てる部分の一
部が、上記周囲の一部ともなる。従って、前述した第1
例の場合に比べて、軸中心と上記挿入孔40の中心との
間の距離を短縮する事なく、即ち、上記エンコーダ3a
の外径を小さくする事なく、上記外輪1の内端縁を突き
当て自在な部分を全周に亙り連続して設ける事ができ
る。この結果、前述した第1例の場合に比べて、センサ
の検知能力を同じと仮定した場合にも、外輪1とカバー
18aとの間の密封性を向上できる。その他の構成及び
作用に就いては、前述した第1例と同様である為、同等
部分には同一符号を付して、重複する説明並びに図示を
省略する。
【0035】尚、前述した参考例の第1例に於いて、カ
バー18aを構成する突部39に設けた段付凹部49
(図1〜2)を、本例の場合と同様の単なる凹部とし
て、この凹部内にボルト53の頭部を固定する構造とし
ても良く、反対に、本例に於いて上記凹部57を、前述
した参考例の第1例の場合と同様の段付凹部として、こ
の段付凹部内にナット52を固定する構造としても良
い。又、凹部又は段付凹部の形状を、六角形等、ボルト
53の頭部又はナット52を回転不能に内嵌自在な形状
とし、これらボルト53の頭部又はナット52の溶接部
又は接着部に過大な応力が負荷されない様にする事もで
きる。
【0036】次に、図6は、やはり本発明の技術的範囲
から外れる、参考例の第3例を示している。本例の場
合、カバー18cに設けた突部39aの端面の一部で、
センサユニット42に設けた挿入部43をカバー18c
に設けた挿入孔40に挿入した状態で、センサユニット
42に設けた通孔59と整合する部分に、上述した第2
例の場合と同様に、有底の凹部60を設けている。特
に、本例の場合には、上述した参考例の第2例の場合と
異なり、上記凹部60内にボルト53の頭部やナット5
2(図4参照)を固定せず、その代わりに、この凹部6
0の内周面に雌ねじ部74を形成している。そして、ボ
ルト53のねじ部を、上記センサユニット42に設けた
通孔59を挿通してから、上記雌ねじ部74に螺合し、
更に緊締する事により、上記センサユニット42を上記
カバー18cに結合固定している。上記雌ねじ部74
は、上記凹部60を塑性変形により形成した後に、タッ
プを立てる等により形成する。
【0037】この様に構成する本例の回転速度検出装置
付転がり軸受ユニットの場合にも、前述した参考例の第
2例と同様に、センサをカバー18cにねじ止め結合す
る為に、このカバー18cの板部に相当する突部39a
に、貫通した通孔を設けない。この為、ねじ止め結合部
分を通じて、外部から転動体9、9の存在する空間30
内に泥水等の異物が進入する事がなくなる。この結果、
センサをカバー18cに対してねじ止め結合する構造を
採用して、しかも、このねじ止め結合部分の密封性を確
保する為にシール部材を設ける必要がなくなり、回転速
度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化
を図れる。更に、カバー18cにセンサを結合固定する
作業の手間を軽減し、回転速度検出装置付転がり軸受ユ
ニットの組み付け作業性を向上して、回転速度検出装置
付転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化を更に図れ
る。特に、本例の場合は、前述した参考例の第1〜2例
の場合と異なり、カバー18cに設けた凹部60の内周
面に雌ねじ部を、直接形成している為、ナット52を省
略した分、部品点数を削減して、より一層のコスト低減
を図れる。その他の構成及び作用に就いては、上述した
参考例の第2例と同様である為、同等部分には同一符号
を付して、重複する説明並びに図示を省略する。
【0038】次に、図7〜8は、本発明の実施の形態の
1例を示している。本例の場合は、前述した参考例の
1〜2例及び上述した参考例第3例の場合と異なり、外
輪1の内端開口部に被着してこの外輪1の内端開口部を
塞ぐカバー18dの一部を、合成樹脂により造ってい
る。即ち、このカバー18dは、合成樹脂を射出成形し
て成る有底円筒状の本体61と、この本体61の開口部
に結合した嵌合筒62とから成る。この嵌合筒62は、
ステンレス鋼板等の耐食性を有する金属板を塑性変形さ
せて成るもので、断面L字形で全体を円環状とし、嵌合
筒部63と、この嵌合筒部63の基端縁(図7の右端
縁)から直径方向内方に向け折れ曲がった内向鍔部64
とを備える。この様な嵌合筒62は、この内向鍔部64
を上記本体61の開口端部に、この本体61の射出成形
時にモールドする事により、この本体61の開口部に結
合している。尚、上記内向鍔部64には、多数の透孔6
5、65を円周方向に亙って間欠的に形成している。こ
れら各透孔65、65の内側には上記本体61を構成す
る合成樹脂が、この本体61の射出成形時に流入して、
この本体61と上記嵌合筒62との結合強度を高める。
【0039】この様に構成するカバー18dは、上記嵌
合筒62の嵌合筒部63を上記外輪1の内端部に締まり
嵌めで外嵌する事により、この外輪1の内端開口部を塞
いでいる。又、この状態で上記本体61の開口部端面、
即ち、この本体61の外周縁部に形成した円筒壁部66
の先端面は、上記外輪1の内端面に当接させる。この円
筒壁部66の先端面には全周に亙って係止溝67を形成
すると共に、この係止溝67内にOリング68を係止し
ている。上記円筒壁部66の先端面と上記外輪1の内端
面とを当接させた状態では、上記Oリング68がこの内
端面と上記係止溝67の底面との間で弾性的に圧縮され
て、上記カバー18dと外輪1との結合部を密封し、泥
水等の異物が上記カバー18d内に進入するのを防止す
る。
【0040】又、このカバー18dを構成する本体61
の底板部69の内側面(図7の右側面)の一部で、直径
方向外方一部(図7の上部)に片寄った部分には、軸方
向に突出する突部70を設けている。又、上記底板部6
9の外側面(図7の左側面)で、内輪7の内端部に固定
したエンコーダ3aの内側面と対向する部分には、上記
突部70を軸方向に貫通する状態で挿入孔72を設け、
この挿入孔72内に、センサユニット42に設けた挿入
部43を挿入自在としている。又、上記突部70の外周
壁部一部と、上記円筒壁部66の円周方向の一部とを連
続させる事により、上記挿入孔72の位置を極力直径方
向外方に位置させている。この様な構成により、エンコ
ーダ3aの円輪部に添着した永久磁石37を大径化し
て、この永久磁石37の各磁極(N極或はS極)の着磁
幅を大きくし、センサの検知能力を向上させている。
尚、本例の場合には、内輪7の内端部外周面に小径段部
71を形成している。この様な小径段部71を形成して
いる為、ハブ2aの円筒部31を直径方向外方にかしめ
広げる事で上記内輪7の内端部に加わる、直径方向外方
の力に拘らず、この内輪7の外周面に設けた内輪軌道8
が歪む事を防止できる。又、エンコーダ3aを構成する
支持環36を、前述した各例の様に内周縁側ではなく、
外周縁側で180度折り返している。尚、上記小径段部
71の形状の歪みが少なければ、上記支持環36をこの
小径段部71に外嵌する事もできる。
【0041】又、上記センサユニット42に設けた挿入
部43を、上記カバー18dに設けた挿入孔72に挿入
した状態で、上記センサユニット42に設けた通孔59
と整合する上記カバー18dの突部70の端面一部に、
有底の凹部60aを設けている。そして、この凹部60
aの内周面に、請求項1に記載したナット相当部に相当
する雌ねじ部74を形成している。そして、この雌ねじ
部74に、両内外周面がねじ状であるヘリサートと称せ
られる鋼製のライナー73を係止している。この様な鋼
製のライナー73は、合成樹脂製のカバー18dに形成
した、上記雌ねじ部74の補強を図る為のものである。
即ち、このライナー73により、合成樹脂部分に形成し
た雌ねじ部74に、鋼製のボルト53を直接に螺合し緊
締する事に伴い、上記雌ねじ部74の一部に過大な応力
が加わる事を防止する。
【0042】上述の様に構成する本例の回転速度検出装
置付転がり軸受ユニットの場合、センサユニット42に
設けた通孔59内に挿通したボルト53のねじ部と、上
記雌ねじ部74にインサートしたライナー73とを螺合
し、更に緊締する事により、上記センサユニット42を
上記カバー18dに結合固定する。又、本例の場合、上
記カバー18dを構成する本体部分61を合成樹脂製に
した事により回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全
体の軽量化を図る事ができる。その他の構成及び作用に
就いては、上述した参考例の第3例と同様である為、同
等部分には同一符号を付して、重複する説明を省略す
る。
【0043】尚、参考例の第3例及び本発明の実施の形
態の1例の構造の変形例として、カバー18c(又は1
8d)の一部で、センサユニット42に設けた挿入部4
3をカバー18dに設けた挿入孔40(又は72)に挿
入した状態でセンサユニット42に設けた通孔59と整
合する部分に、有底の凹部60a(図6、7)に代え
て、軸方向に突出する凸部を設け、この凸部の外周面
に、ボルト相当部に相当する雄ねじ部を形成する事もで
きる。この場合には、上記センサユニット42の挿入部
43を上記挿入孔40(又は72)に挿入した状態で、
上記通孔59を挿通した上記凸部の雄ねじ部と、ナット
とを螺合し、更に緊締する事により、センサユニット4
2をカバー18c(又は18d)に対し結合固定する。
【0044】尚、前述した各参考例及び実施の形態の1
に於いて、センサとエンコーダとから成る回転速度検
出装置自体の構造は、図示した磁気センサを使用したも
のに限らず、渦電流式、光電式のセンサを使用するもの
を採用する事もできる。尚、磁気センサを用いた場合
も、被検知部であるエンコーダに永久磁石を設けず、こ
のエンコーダを構成する円輪部に、円周方向に亙り等間
隔に複数の透孔を設けたり、この円輪部を歯車状に形成
したりする事もできる。
【0045】又、前述した実施の形態の1例は、非駆動
輪(FF車の後輪、FR車の前輪)を支持する為の転が
り軸受ユニットに本発明を適用した例を示したが、本発
明はこの様な非駆動輪を支持する構造に限らず、駆動輪
(FF車の前輪、FR車の後輪、4WD車の全輪)を支
持する構造にも適用可能である。但し、駆動輪を支持す
る構造に本発明を適用する場合、センサユニットをカバ
ーに対して直径方向に亙り挿入する構造とし、ナット相
当部材を、上記カバーの外周面に設ける。その場合、セ
ンサユニットを構成する挿入部の先端部側面に、エンコ
ーダと近接対向する検知部を設ける。
【0046】
【発明の効果】本発明の回転速度検出装置付転がり軸受
ユニットは、以上に述べた通り構成され作用する為、セ
ンサの修理、交換の手間を軽減すべく、カバーにセンサ
をねじ止め結合する構造を採用して、しかもねじ止め結
合部分を密封するシール部材を省略し、回転速度検出装
置付転がり軸受ユニット全体のコストの低廉化を図れ
る。更に、カバーにセンサを結合固定する作業の手間を
軽減し、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの組み
付け作業性を向上できる。この組み付け作業性の向上に
より、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体のコ
ストの低廉化を更に図れる。又、従来からカバーにねじ
止め結合固定するセンサとして使用していたものを、本
発明の構造に採用することができ、部品の共用化を図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する参考例の第1例を示す断面図。
【図2】カバーのみを取り出して示す斜視図。
【図3】ハーネスの端部及びセンサユニットのみを取り
出して示す斜視図。
【図4】本発明に関する参考例の第2例を示す断面図。
【図5】同じく第2例に使用するカバーのみを取り出し
て示す斜視図。
【図6】本発明に関する参考例の第3例を示す断面図。
【図7】本発明の実施の形態の1例を示す断面図。
【図8】この実施の形態の1例に使用するカバーのみを
取り出して示す斜視図。
【図9】従来構造の1例を示す、図10のA−O−B断
面図。
【図10】図9の左方から見た図。
【符号の説明】
1 外輪 2、2a ハブ 3、3a エンコーダ 4 センサ 5 外輪軌道 6 ナット 7 内輪 8 内輪軌道 9 転動体 10 保持器 11 フランジ 12 取付部 13 シールリング 15 円筒部 16 円輪部 17 透孔 18、18a、18b、18c、18d カバー 19 嵌合筒部 20 塞ぎ板部 21 膨出部 22 透孔 24 検知部 25 取付フランジ 26 止めねじ 27 スタッド 28 ボルト 29 ナット 30 空間 31 円筒部 32 主部 33 フランジ部 34 突き当て部 35、35a 嵌合部 36 支持環 37 永久磁石 38、38a 底板部 39、39a 突部 40 挿入孔 41、41a 短円筒部 42 センサユニット 43 挿入部 44 ハーネス 45 取付フランジ部 46 係止溝 47 Oリング 48 凹部 49 段付凹部 50 大径部 51 小径部 52 ナット 53 ボルト 54 通孔 55 芯金 56 通孔 57 凹部 58 膨出部 59 通孔 60、60a 凹部 61 本体 62 嵌合筒 63 嵌合筒部 64 内向鍔部 65 透孔 66 円筒壁部 67 係止溝 68 Oリング 69 底板部 70 突部 71 小径段部 72 挿入孔 73 ライナー 74 雌ねじ部
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平2−7566(JP,U) 実開 平1−121855(JP,U) 実開 平7−31539(JP,U) 米国特許5470157(US,A) 独国特許出願公開4410843(DE,A 1) 独国特許出願公開4410861(DE,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 3/44 - 3/488 F16C 19/00 - 19/52 F16C 41/00 G01D 5/245

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止側周面に静止側軌道を有し、使用時
    にも回転しない静止輪と、上記静止側周面と対向する回
    転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転輪
    と、上記静止側軌道と上記回転側軌道との間に転動自在
    に設けられた複数個の転動体と、上記回転輪の一部にこ
    の回転輪と同心に固定された、円周方向に亙り特性を交
    互に且つ等間隔で変化させたエンコーダと、このエンコ
    ーダに対向する状態で上記静止輪の一部に固定されたカ
    バーと、このカバーの一部で上記エンコーダと対向する
    部分に設けられた挿入孔と、この挿入孔を挿通した状態
    で上記カバーの一部に支持固定され、上記エンコーダの
    回転に伴って出力を変化させるセンサとを備えた回転速
    度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記センサ
    はホルダに支持されており、このホルダは、上記センサ
    を支持した状態で上記挿入孔に挿入する挿入部と、この
    挿入部の端部にその基端部を結合した取付フランジ部
    と、この取付フランジ部の先端部に設けた通孔とを備え
    ており、上記カバーは合成樹脂を射出成形する事により
    造られた本体を有し、この本体の一部で上記挿入孔に上
    記挿入部を挿入した状態で上記ホルダに設けた通孔と整
    合する部分に、上記カバーを貫通しない状態で設けられ
    た有底の凹部を備え、この凹部の内周面にライナーを係
    止する事により、上記カバーを貫通しないナット相当部
    を一体的に設けており、上記ホルダは、上記通孔を挿通
    したボルトと上記ナット相当部との螺合に基づいて、上
    記カバーに結合固定されている事を特徴とする回転速度
    検出装置付転がり軸受ユニット。
  2. 【請求項2】 カバーを構成する本体は有底円筒状であ
    り、この本体の一部でライナーを係止した凹部及び挿入
    孔を形成した部分の厚さが他の部分よりも厚くなってい
    る、請求項1に記載した回転速度検出装置付転がり軸受
    ユニット。
  3. 【請求項3】 カバーは、合成樹脂を射出成形して成る
    有底円筒状の本体の開口部に金属板製の嵌合筒を、この
    本体の射出成形時にモールドする事により結合して成る
    ものである、請求項1〜2の何れかに記載した回転速度
    検出装置付転がり軸受ユニット。
  4. 【請求項4】 ライナーを係止した凹部は、挿入孔より
    もカバーの直径方向中心寄り部分に配置されている、請
    求項1〜3の何れかに記載した回転速度検出装置付転が
    り軸受ユニット。
JP00154998A 1997-10-17 1998-01-07 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット Expired - Fee Related JP3440800B2 (ja)

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