JP6565508B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents
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- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
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Description
一方、ホルダ110は、薄肉の鋼板を用いてプレス成型することによって形成されている。ホルダ110は、円筒部114が外輪104の外周に締り嵌めの状態で嵌め合わされることによって、外輪104に固定されている。このとき、円筒部114と外輪104外周との間のしめしろの分だけ円筒部114が径方向外方に拡径するので、側端面116の外周には、図6に示すようなモーメント荷重Mが、全周にわたって作用する。このため、側端面116では、中央が軸方向に窪んで球面状に変形する場合がある。
外輪12は、略円筒形状で、内周に複列の外側軌道面13を有している。外周には、複数のフランジ25が形成されている。各フランジ25は、円周方向の複数個所から径方向外方に延在している。フランジ25には、軸方向に貫通するねじ孔が設けられており、ボルト28で締結することによって、ナックル90に固定されている。フランジ25よりナックル90の側では、外輪12の外周が、回転軸線mと同軸の円筒面であるホルダ保持面14となっている。ホルダ保持面14にはホルダ30が嵌め合わされている。
径方向に互いに対向する外側軌道面13と内側軌道面18との間に、それぞれ複数の転動体27が転動自在に組み込まれている。こうして、内輪17は、外輪12と同軸に回転自在に支持されている。
軸受装置10が車両に搭載されたときには、フランジ26が車両の外側に取り付けられる。以下の説明では、フランジ26の側(図1の左側)をアウター側といい、内輪部材20の側(図1の右側)をインナー側という。
エンコーダ52は、円環状で、断面が略L字形の芯金53と、磁性部材54とで形成されている。芯金53は、薄肉の炭素鋼板をプレス成型することによって形成されており、肩22に外篏される円筒部56を有している。円筒部56のインナー側の端部が径方向外方に直角に折り曲げられており、平板部57が形成されている。
磁性部材54は、ゴム材料に粉末状の磁性体を分散させて形成されており、加硫接着によって平板部57のインナー側の側面に貼り付けられている。磁性部材54では、表面が磁化されて、周方向に等間隔でS極とN極とが交互に形成されている。エンコーダ52は、円筒部56が肩22に締り嵌めの状態で嵌め合わされることによって、内輪17と一体となって回転する。
検出部挿入孔47は、円筒形状で、厚さ方向に貫通している。検出部挿入孔47の内径寸法は、センサ貫通孔40と同じ大きさである。ナット50は、センサ台座44を射出成型するときに、インサート成型によって組み込まれている。ナット50は、その軸線の向きがセンサ台座44の厚さ方向となる向きに組み込まれており、座面の位置は、センサ取付面46と同一面となっている。固定面45の側から、ナット50と同軸に、ボルト61の外径より大径の逃げ孔49が設けられている。
固定用突起48は、固定面45の側に、センサ台座44と同じ樹脂材料で一体に形成されている。固定用突起48は、円柱形状で、検出部挿入孔47とナット50との略中央において固定面45から垂直方向に突出している。固定用突起48が突出する方向と直交する向きの断面の直径寸法dは、センサ台座固定孔41よりわずかに小径である。また、直径寸法dは、センサ台座44の幅方向の寸法Wに対して20%〜30%の大きさである。
図3は、外輪12に組付けられたホルダ30の変形状態を説明する模式図である。図3は、軸方向断面におけるホルダ30の変形状態を示している。また、センサ台座44に搭載したセンサ60を破線で示している。
ホルダ30を外輪12に嵌め合わせたときには、ホルダ30の円筒部33の内径寸法が外輪12のホルダ保持面14の直径寸法より小径であるので、その嵌め合い部のしめしろに応じて円筒部33が径方向外方に拡径する。そのため、側端面34では径方向外方の全周にわたって、図3に示した向きのモーメント荷重Mが作用する。このモーメント荷重Mによって、側端面34は、中央が軸方向に窪んで、軸方向断面は湾曲した形状になっている。側端面34の窪みの大きさδhは、概ね10分の1〜3ミリメートル程度である。図3では、本実施形態の効果を説明するために、側端面34の変形状態を誇張して示している。なお、側端面34の窪みの大きさδhとは、側端面34の径方向外方と、窪みの中央との軸方向の距離である。
図3に示したように、側端面34が変形して中央が軸方向に窪んだときには、センサ台座44の径方向の両端(すなわち、一端は径方向外方の頂点P1及びP2で、他端は径方向内方の頂点Q1及びQ2である)が、側端面34と接触する。そして、径方向の中央では、センサ台座44と側端面34との間にすきまSが形成されることとなる。
なお、ホルダ30の形態は、仮想線nに対して対称である。このため、外輪12に組み付けられて変形したときの側端面34の形態も、仮想線nに対してほぼ対称となる。したがって、センサ台座44を側端面34に搭載するときに、仮想線nに沿って搭載したときには、センサ台座44と側端面34とは、P1とP2、及び、Q1とQ2の各点で接触する。
こうして、センサ台座44は、固定用突起48によってカバー32に係止されるとともに、固定用突起48を中心にして、略対称の位置にある4か所の点(P1,P2,Q1,Q2)で支持されている。このため、カバー32の側端面34が変形したときであっても、センサ台座44が、カバー32の側端面34に安定した状態で支持されている。
なお、固定用突起48に作用する力(すきまSの分だけ長手方向に引っ張るときに作用する力である)は、センサ台座44のP1,P2,Q1,Q2の各点に反力として作用している。しかし、センサ台座44の板厚及び幅方向の寸法が大きいので、センサ台座44はほとんど変形しない。すなわち、センサ台座44の曲げ方向のばね定数は、固定用突起48の長手方向のばね定数より大きい。こうして、センサ取付面46は平坦面の状態を維持することが出来る。
センサ60は、本体部が略直方体であり、平面状で略長方形のセンサ底面66を有している。センサ60をセンサ台座44に取り付けるときには、センサ底面66とセンサ取付面46とが向き合うように組み付けられる。
センサ60は、検出部62と、固定用ボルト孔64を有している。検出部62は、円筒形状で、センサ底面66から垂直に延在している。固定用ボルト孔64は、検出部62と同じ向きに、センサ60の本体を貫通して形成されている。検出部62の先端には、エンコーダ52の磁気特性を検出する素子68が埋め込まれている。素子68で検出された信号は、検出部62の反対側から取り出された信号線69から出力されている。
しかし、検出部挿入孔47の内周と検出部62の外周との間、及び、固定用ボルト孔64の内周とボルト61の外径との間には、それぞれすきまが設けられている。このため、センサ60の位置は、センサ台座44に対して、当該すきまの大きさだけずれて取り付けられる場合がある。
本実施形態では、センサ取付面46が平坦面であるため、センサ60とセンサ台座44とは常に密着している。このため、ナット50のねじ面の向きがセンサ60本体に対して常に直角方向に配置されるので、ボルト61を確実に締結できる。こうして、センサ60を確実に固定することが出来る。
ホルダ単体37は、側端面34の中心を通る径方向の仮想線kに対して左右対称に形成されている。図4(b)では、センサ60が仮想線kに沿って正しく取り付けられた場合の位置を破線で示している。また、センサ60が、側端面34の中心から径方向に離れた位置で、仮想線kに対して周方向に角度θだけ傾いて取り付けられた状態を実線で示している。以下、説明を簡単にするために、側端面34が球面となっており、センサ底面66が長方形の場合を仮定して説明する。
しかし、センサ60を固定するためのナット38が側端面34に固定されているので、ナット38のねじ面の方向は、センサ60の固定用ボルト孔64の方向と一致しない。すなわち、ナット38のねじ面の向きがセンサ60本体に対して直角方向に配置されないので、ボルト61では、センサ60本体を確実に固定することが出来ない。
こうして、比較例では、センサ60の固定状態が不安定になることによって、エンコーダ52の磁気特性を正確に検出できない場合がある。
この結果、エンコーダ52の磁気特性を正確に検出することが出来る。
Claims (2)
- 車体側部材に固定される外輪と、
前記外輪と同軸に配置されて車輪が固定される内輪と、
前記外輪と前記内輪との間にて周方向に配置される複数の転動体と、
前記内輪に固定されて磁気特性が周方向に交互に変化する環状の磁性部材と、
前記外輪に固定されるホルダと、を備えており、
前記磁気特性の変化を検出するセンサが、前記ホルダに取り付けられる車輪用軸受装置において、
前記ホルダは鋼板製のカバーと合成樹脂製のセンサ台座とで形成されており、
前記カバーは、前記外輪の外周に締り嵌めの状態で嵌め合わされる円筒部と、前記円筒部の軸方向一端に径方向に設けられた側端面とを一体に有しており、
前記センサ台座は前記側端面に取り付けられており、
前記センサ台座では、前記側端面と接する固定面から直交する向きに突出する固定用突起が一体に形成されており、前記固定面と反対の側に前記センサを取り付けるセンサ取付面が形成されており、
前記カバーと前記センサ台座とが、前記固定用突起を前記側端面に係止することによって結合されていることを特徴とする車輪用軸受装置。 - 前記固定用突起の先端部に熱かしめを施すことによって、前記固定用突起を前記側端面に係止することを特徴とする請求項1に記載する車輪用軸受装置。
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JP2015176441A JP6565508B2 (ja) | 2015-09-08 | 2015-09-08 | 車輪用軸受装置 |
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Family Applications (1)
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