JP7204481B2 - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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本発明は車輪用軸受装置に関する。
従来、自動車等の懸架装置において、ABS(Anti-LockBreaking System)等の制御に必要な車輪の回転速度を検出するための回転速度検出装置を備えた車輪用軸受装置が知られている。車輪用軸受装置の回転速度検出装置は、磁気エンコーダが設けられたエンコーダリングと磁気センサとから構成されている。エンコーダリングは、内輪に圧入嵌合されることで固定されている。磁気センサは、樹脂材料により形成された軸受キャップを介して外輪に設けられている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特開2017-203528号公報
特許文献1に記載の軸受キャップは、外輪の軸方向内端開口部に内嵌される金属製の嵌合環がモールドされている円筒部を有している。外輪は、圧入された軸受キャップの円筒部から加わる力によって径方向に膨張する。この際、外輪は、外周面に設けられている車体取り付けフランジの影響によって均一に膨張しない。これにより、車輪用軸受装置は、外輪の外径寸法が設定されている公差範囲から外れて、車両側のナックルとの干渉を招く場合があった。また、軸受キャップの円筒部は、外輪から加わる反力によって径方向に圧縮される。これにより、車輪用軸受装置は、樹脂キャップの底部が軸方向に膨張して磁気センサを適切な状態で設けられない場合があった。
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、センサホルダの圧入による外輪の径方向への膨張を均一にすることができる車輪用軸受装置を提供することを目的とする。
即ち、第一の発明は、車体に取り付けるためのボルトが挿通されるボルト孔を含む車体取り付けフランジを有し、内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪を有し、前記ハブ輪と前記内輪との外周面に、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面が形成された内方部材と、前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、磁性が周方向に等間隔で交互に変化する磁気エンコーダが設けられ、前記内方部材のインナー側の端部に圧入嵌合されたエンコーダリングと、前記外方部材に嵌合された有底円筒状のセンサホルダと、を有する車輪用軸受装置であって、前記車体取り付けフランジは、前記外方部材の中心軸を中心とするピッチ円上に前記中心軸に直交する基準線を挟んで隣り合う四つの前記ボルト孔を含み、前記基準線を挟んで隣り合う一方のボルト孔の中心と前記ピッチ円の中心とを通る直線と、他方のボルト孔の中心と前記ピッチ円の中心とを通る直線とが成す角度が鋭角になりように配置され、前記センサホルダには、軸方向視で前記基準線を挟んで隣り合うボルト孔の間に補強部が形成されている車輪用軸受装置である。
第二の発明は、前記補強部が、前記センサホルダの底部に前記基準線に沿って設けられているリブである車輪用軸受装置である。
第三の発明は、前記センサホルダの円筒部には円筒状の芯金が設けられ、前記補強部が、前記芯金の前記基準線と重複する位置に設けられている板材である車輪用軸受装置である。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、第一の発明は、車体取り付けフランジによって剛性が高くなっている部分に補強部によってセンサホルダの剛性が高くなっている部分が嵌合されているので、外輪の剛性が高くなっている部分の膨張量が増大し、センサホルダの剛性が高くなっている部分の圧縮量が減少する。これにより、センサホルダの圧入による外輪の径方向への膨張を均一にすることができる。
第二の発明は、センサホルダの底部において、外輪の剛性が高くなっている部分に対応する特定の径方向の剛性と軸方向の剛性が高くなる。これにより、センサホルダの圧入による外輪の径方向への膨張を均一にすることができる。
第三の発明は、センサホルダの円筒部において、外輪の剛性が高くなっている部分に基づく特定の径方向の剛性と軸方向の剛性が高くなる。これにより、センサホルダの圧入による外輪の径方向への膨張を均一にすることができる。
車輪用軸受装置の全体構成を示す断面図。 車輪用軸受装置の車体取り付けフランジを示す正面図。 図3は車輪用軸受装置の第一実施形態におけるセンサホルダを示す。(A)はリブが設けられたセンサホルダの斜視図を示し、(B)はリブが設けられたセンサホルダの正面図を示す。 車輪用軸受装置の第一実施形態において外輪とセンサホルダとの径方向の剛性割合を示す正面図。 図5は車輪用軸受装置の第二実施形態におけるセンサホルダを示す。(A)は板材が設けられたセンサホルダの斜視図を示し、(B)は板材が設けられたセンサホルダの正面図を示す。
図1から図3を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置の第一実施形態である車輪用軸受装置1について説明する。
図1に示すように、車輪用軸受装置1は、自動車等の車両の懸架装置において車輪を回転自在に支持するものである。車輪用軸受装置1は、外方部材である外輪2、内方部材であるハブ輪3、内輪4、転動列である二列のインナー側ボール列5、アウター側ボール列6、エンコーダリング9、センサホルダ12、シール部材であるアウター側シール部材14等を具備する。なお、以下において、「インナー側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車体側を表し、「アウター側」とは、車体に取り付けた際の車輪用軸受装置1の車輪側を表す。また、軸方向とは、車輪用軸受装置1の回転軸に沿った方向を表す。
外輪2のインナー側の開口部の内周面には、センサホルダ12が嵌合可能なインナー側嵌合部2aが形成されている。外輪2のアウター側の開口部には、アウター側シール部材14が嵌合可能なアウター側嵌合部2bが形成されている。外輪2の内周面には、環状に形成されているインナー側の外側軌道面2cと、アウター側の外側軌道面2dとが形成されている。外輪2の外周面には、図示しない車体側の部材(ナックル)に取り付けるための四つのボルト孔2j・2k・2m・2nを有する車体取り付けフランジ2eが一体に形成されている。
図2に示すように、車体取り付けフランジ2eの四つのボルト孔2j・2k・2m・2nには、車体のナックルに車輪用軸受装置1を固定するためのボルトが締結される。四つのボルト孔2j・2k・2m・2nは、外輪2の径方向外側に突出している四つの突出部2f・2g・2h・2iに形成されている。四つのボルト孔2gは、外輪2の中心軸Cを中心とするピッチ円P上に配置されている。また、四つのボルト孔2gは、外輪2の中心軸Cに直交し、ピッチ円Pの中心を通過する基準線Bを挟んで配置されている。さらに、四つのボルト孔2gは、基準線Bと中心軸Cに直交する直交線Sを挟んで配置されている。つまり、車体取り付けフランジ2eは、基準線BをX軸、直交線SをY軸とした場合、XY平面上の各象限に該当する位置に突出部2fがそれぞれ形成されるとともに、その突出部2fにボルト孔2gが形成されている。
第一象限Q1に配置されているボルト孔2jの中心とピッチ円Pの中心軸Cとを通過する直線が基準線Bと成す角度のうち鋭角側の角度を、第一象限Q1に配置されているボルト孔2jの位相角である第一位相角θ1とする。同様に、第二象限Q2に配置されているボルト孔2kの位相角を第二位相角θ2、第三象限Q3に配置されているボルト孔2mの位相角を第三位相角θ3、第四象限Q4に配置されているボルト孔2nの位相角を第四位相角θ4とする。
外方部材2において、四つの突出部2f・2g・2h・2i(のボルト孔2j・2k・2m・2n)は、周方向に不等配で配置されている。具体的には、第一象限Q1の突出部2fは、第二象限Q2の突出部2gよりも第四象限Q4の突出部2iと近接し、第二象限Q2の突出部2gは、第一象Q1の突出部2fよりも第三象限Q3の突出部2hと近接している。
四つのボルト孔2j・2k・2m・2nは、各位相角θ1からθ4が共に45°未満になるように配置されている。つまり、四つのボルト孔2j・2k・2m・2nは、基準線Bを挟んで隣り合う一方のボルト孔である第一象限Q1のボルト孔2jから他方のボルト孔である第四象限Q4のボルト孔2nまでの時計回りの位相角(第一位相角θ1と第四位相角θ4との合計)、および一方のボルト孔である第二象限Q2のボルト孔2kから他方のボルト孔である第三象限Q3のボルト孔2mまでの反時計回りの位相角(第二位相角θ2と第三位相角θ3との合計)が、鋭角になるように配置されている。すなわち、四つのボルト孔2j・2k・2m・2nは、直交線Bを挟んで隣り合う第一象限Q1のボルト孔2jから第二象限Q2のボルト孔2kまでの反時計回りの位相角、および第三象限Q3のボルト孔2mから第四象限Q4のボルト孔2nまでの反時計回りの位相角が、鈍角になるように配置されている。四つの突出部2fが周方向に不等配で配置していることによって、基準線BであるX軸方向の剛性(大きい黒塗矢印)がY軸方向の剛性(小さい黒塗矢印)よりも大きい。従って、外輪2は、X軸方向に弾性変形し難く、Y軸方向に弾性変形し易い。
図1に示すように、ハブ輪3のインナー側端部には、外周面にアウター側端部よりも縮径された小径段部3aが形成されている。ハブ輪3のアウター側端部には、車輪を取り付けるための車輪取り付けフランジ3bが一体的に形成されている。車輪取り付けフランジ3bには、円周等配位置に複数のハブボルト3eが設けられている。また、ハブ輪3には、外輪2のアウター側の外側軌道面2dに対向するようにアウター側の内側軌道面3cが設けられている。また、ハブ輪3には、車輪取り付けフランジ3bの基部側にアウター側シール部材14のリップ摺動面3dが形成されている。ハブ輪3の小径段部3aには、内輪4が設けられている。
内輪4は、転動列であって車載時に車体側に配置されるインナー側ボール列5と車載時に車輪側に配置されるアウター側ボール列6とに予圧を与えるものである。内輪4の外周面には、周方向に環状の内側軌道面4aが形成されている。内輪4は、圧入および加締加工によりハブ輪3の小径段部3aに固定されている。つまり、ハブ輪3のインナー側には、内輪4によって内側軌道面4aが構成されている。内輪4の内側軌道面4aは、外輪2のインナー側の外側軌道面2cに対向している。
転動列であるインナー側ボール列5とアウター側ボール列6とは、転動体である複数のボール8が保持器7によって環状に保持されている。インナー側ボール列5は、内輪4の内側軌道面4aと、外輪2のインナー側の外側軌道面2cとの間に転動自在に挟まれている。アウター側ボール列6は、ハブ輪3の内側軌道面3cと、外輪2のアウター側の外側軌道面2dとの間に転動自在に挟まれている。
車輪用軸受装置1は、外輪2と、ハブ輪3および内輪4と、インナー側ボール列5と、アウター側ボール列6とから複列アンギュラ玉軸受が構成されている。なお、本実施形態において、車輪用軸受装置1には、複列アンギュラ玉軸受に限らず、複列円錐ころ軸受で構成されていてもよい。
エンコーダリング9は、車輪の回転速度を検出する回転速度検出装置の一部である。エンコーダリング9は、支持環10と磁気エンコーダ11とから構成されている。
支持環10は、磁気エンコーダ11を内輪4に固定する支持部材である。支持環10は、円環状の鋼板の外縁部と内縁部とがプレス加工によって屈曲され、軸方向断面視で略L字状に形成されている。支持環10には、アウター側端から内輪4が圧入嵌合されている。
磁気エンコーダ11は、フェライト等の磁性紛体が混入された合成ゴムが環状に形成され、周方向に等ピッチで磁極Nと磁極Sとに着磁されている。磁気エンコーダ11は、支持環10のインナー側の側面に例えば加硫接着等によって固定されている。つまり、磁気エンコーダ11は、支持環10が圧入嵌合されている内輪4と一体に回転するように構成されている。
センサホルダ12は、磁気センサ15を保持しつつ外輪2のインナー側の開口部を密閉する樹脂製のキャップである。センサホルダ12は、有底円筒状に形成されている。センサホルダ12は、外輪2のインナー側嵌合部2aに固定されている。センサホルダ12は、センサホルダ嵌合部12a、底面12b、取り付け部12c、リブ12eおよび芯金12fを有している。
センサホルダ嵌合部12aは、外輪2のインナー側嵌合部2aに圧入嵌合可能な外径の円筒形状に形成されている。センサホルダ嵌合部12aには、弾性部材であるOリング13が設けられている。センサホルダ嵌合部12aは、Oリング13が外輪2のインナー側嵌合部2aとの間に挟まった状態で外輪2のインナー側嵌合部2aに圧入嵌合されている。これにより、センサホルダ12は、外輪2からの圧縮力によって抜け耐力が生じ、インナー側嵌合部2aに保持される。また、センサホルダ12は、シール部材として作用するOリングによって外輪2のインナー側の開口部を密閉し、潤滑グリースの漏れおよび外部からの雨水や粉塵等の入り込みを防止している。
図1と図3とに示すように、底面12bは、センサホルダ嵌合部12aのインナー側の開口部を塞ぐ部分である。底面12bのインナー側には、磁気センサ15が取り付けられる取り付け部12cが形成されている。取り付け部12cは、センサホルダ12の中心部から径方向外側に延びる領域が軸方向インナー側へ突出して一体に形成されている。取り付け部12cにおける磁気エンコーダ11と対向する部分には、取り付け部12cを軸方向に貫通する挿入孔12dが形成されている。挿入孔12dには、磁気センサ15が設けられている。センサホルダ12は、取り付け部12cが外輪2の車体取り付けフランジ2eにおけるY軸方向(以下、単に「Y軸方向」と記す)に向けられた状態でインナー側嵌合部2aに固定されている(図3(B)参照)。
底面12bのアウター側には、センサホルダ12を補強する補強部であるリブ12e(薄墨部分)が形成されている。リブ12eは、センサホルダ12の底面12bのアウター側面からアウター側に突出して形成されている。図3(B)に示すように、リブ12eは、外輪2の車体取り付けフランジ2eにおけるX軸方向(以下、単に「X軸方向」と記す)に延びるように形成されている。これにより、リブ12eは、センサホルダ嵌合部12aのX軸方向の剛性と底面12bの軸方向の剛性を向上させる。つまり、リブ12eは、センサホルダ嵌合部12aとのX軸方向の弾性変形を抑制するとともに、底面12bの軸方向への弾性変形を抑制する。従って、センサホルダ12は、X軸方向に弾性変形し難く、Y軸方向に弾性変形し易い。この際、リブ12eは、センサホルダ12のX軸方向の剛性(大きい白塗矢印)とY軸方向の剛性(小さい白塗矢印)の割合が外輪2のX軸方向の剛性(図2の大きい黒塗矢印)とY軸方向の剛性(図2の大きい黒塗矢印)の割合に略等しくなるように形成されている。
図1に示すように、芯金12fは、センサホルダ12を補強する部材である。芯金12fは、例えばフェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)やオーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは、防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)から構成されている。芯金12fは、鋼板をプレス成形して断面L字形の円環状に形成されている。芯金12fは、センサホルダ嵌合部12aの内部に一体にモールドされ、センサホルダ嵌合部12aを補強している。芯金12fは、センサホルダ嵌合部12aの径方向の剛性を向上させて径方向の変形を抑制する。
密閉部材であるアウター側シール部材14は、主に外輪2とハブ輪3との隙間を塞ぐシール部材である。アウター側シール部材14は、外輪2のアウター側嵌合部2bに円筒部分が嵌合され、ハブ輪3のリップ摺動面3dに複数のシールリップが油膜を介して接触または近接することでハブ輪3に対して摺動可能に構成されている。
磁気センサ15は、ハブ輪3と一体的に回転して交互に検出面を通過するエンコーダリング9の各磁性の通過時間を検出する。これにより、車輪用軸受装置1は、エンコーダリング9と磁気センサ15とからなる回転速度検出装置を備えている。なお、本実施形態において、回転速度検出装置は、磁気エンコーダ11以外の他の被検知部を用いる以外の構成であってもよい。
以下に、図4を用いて、車輪用軸受装置1における外輪2とセンサホルダ12との嵌合状態について詳細に説明する。センサホルダ12のセンサホルダ嵌合部12aは、全周に亘って所定範囲の締め代を有する状態で外輪2のインナー側嵌合部2aに圧入嵌合されている。インナー側嵌合部2aには、センサホルダ12から径方向に膨張させる力が加わる。一方、センサホルダ嵌合部12aには、外輪2から径方向に圧縮させる力が加わる。
図4に示すように、外輪2には、車体取り付けフランジ2eによって剛性が高くなっているX軸方向に、補強部であるリブ12eによって剛性が高くなっている部分が一致するようにセンサホルダ12が嵌合されている。つまり、車輪用軸受装置1は、外輪2のX軸方向の剛性(大きい黒塗矢印)に対するセンサホルダ12のX軸方向の剛性(大きい白塗矢印)の割合と、外輪2のY軸方向の剛性(小さい黒塗矢印)に対するセンサホルダ12のY軸方向の剛性(小さい白塗矢印)の割合とが略同一になるようにセンサホルダ12が嵌合されている。
圧入嵌合による外輪2のインナー側嵌合部2aの膨張量とセンサホルダ嵌合部12aの圧縮量は、圧入嵌合における締め代が外輪2とセンサホルダ12との径方向の剛性の割合に基づいて分配された値となる。従って、車輪用軸受装置1は、リブ12eが形成されてX軸方向の剛性が高められたセンサホルダ12によって、外輪2のX軸方向の膨張量が増大するとともにセンサホルダ12のX軸方向の圧縮量が減少する。この結果、車輪用軸受装置1は、外輪2のインナー側嵌合部2aのX軸方向の膨張量とY軸方向の膨張量とが略均一になる。このように構成することで、車輪用軸受装置1は、センサホルダ12が圧入嵌合された状態における外輪2の外径寸法を全周で許容範囲内に収めることができる。
次に、図5を用いて、本発明に係る車輪用軸受装置1の第二実施形態におけるセンサホルダ12の芯金12fと補強部材である板材12g、およびそれらの嵌め合いについて説明する。なお、以下の各実施形態に係る車輪用軸受装置1は、図1に示す車輪用軸受装置1において、車輪用軸受装置1に替えて適用されるものとして、その説明で用いた名称、図番、符号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
図5に示すように、芯金12fの内周面には、二つの板材12g(薄墨部分)が設けられている。板材12gは、芯金12fと同等の材料から構成されている。板材12gは、所定の長さの帯状部材が芯金12fの内周面に沿うように湾曲されている。板材12gは、芯金12fに溶接等によってX軸方向に対向する位置に固定されている。これにより、センサホルダ嵌合部12aは、板材12gによって芯金12fのX軸方向の部分が二重になるので、X軸方向の剛性が向上する。つまり、板材12gは、センサホルダ嵌合部12aのX軸方向の弾性変形を抑制するとともに、底面12bの軸方向への弾性変形を抑制する。この際、板材12gは、センサホルダ12のX軸方向の剛性(大きい白塗矢印)とY軸方向の剛性(小さい白塗矢印)の割合が、外輪2のX軸方向の剛性(図2の大きい黒塗矢印)とY軸方向の剛性(図2の大きい黒塗矢印)の割合に略等しくなるように形成されている。
外輪2には、車体取り付けフランジ2eによって剛性が高くなっているX軸方向に、板材12gによって剛性が高くなっている部分が一致するようにセンサホルダ12が嵌合されている。つまり、センサホルダ12は、外輪2とセンサホルダ12との径方向の剛性の割合がX軸方向とY軸方向において略同一になるように嵌合されている。この結果、車輪用軸受装置1は、外輪2のインナー側嵌合部2aのX軸方向の膨張量とY軸方向の膨張量とが略均一になる。このように構成することで、車輪用軸受装置1は、センサホルダ12が圧入嵌合後の外輪2の外径を全周で許容範囲内に収めることができる。
なお、本実施形態において、芯金12fには、帯状部材である板材12gが溶接等によって固定されることで二重構造を構成しているが、芯金12fの一部を折り曲げてX軸方向に対向する位置に二重構造を構成してもよい。また、センサホルダ12は、板材12gによる芯金12fの補強に加えて、底面12bにリブ12eを設けてもよい。このように構成することで、センサホルダ12の剛性をバランスよく向上させることができる。
本願における車輪用軸受装置1は、内方部材として一つの内輪4が嵌合されたハブ輪3を備え、外方部材である外輪2と内方部材である内輪4とハブ輪3の嵌合体で構成された内輪回転仕様の第3世代構造としているが、外方部材である外輪2と内方部材である一対の内輪4とで構成され、この一対の内輪4がハブ輪3の外周に嵌合される内輪回転仕様の第2世代構造であってもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 車輪用軸受装置
2 外輪
2a インナー側嵌合部
2e 車体取り付けフランジ
2j・2k・2m・2n ボルト孔
3 ハブ輪
4 内輪
12 センサホルダ
12e リブ
P ピッチ円
B 基準線

Claims (2)

  1. 車体に取り付けるためのボルトが挿通されるボルト孔を含む車体取り付けフランジを有し、内周に複列の外側軌道面が形成された外方部材と、
    外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、および前記ハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪を有し、前記ハブ輪と前記内輪との外周面に、前記複列の外側軌道面に対向する複列の内側軌道面が形成された内方部材と、
    前記外方部材と前記内方部材との両軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    磁性が周方向に等間隔で交互に変化する磁気エンコーダが設けられ、前記内方部材のインナー側の端部に圧入嵌合されたエンコーダリングと、
    前記外方部材に嵌合された有底円筒状のセンサホルダと、を有する車輪用軸受装置であって、
    前記車体取り付けフランジは、前記外方部材の中心軸を中心とするピッチ円上に前記中心軸に直交する基準線を挟んで隣り合う四つの前記ボルト孔を含み、
    前記基準線を挟んで隣り合う一方のボルト孔の中心と前記ピッチ円の中心とを通る直線と、他方のボルト孔の中心と前記ピッチ円の中心とを通る直線とが成す角度が鋭角になりように配置され、
    前記センサホルダは、軸方向視で前記基準線を挟んで隣り合うボルト孔の間に補強部を有し、
    前記センサホルダの円筒部には円筒状の芯金が設けられ、
    前記補強部が、前記芯金の前記基準線と重複する位置に設けられている板材である車輪用軸受装置。
  2. 前記補強部が、前記センサホルダの底部に前記基準線に沿って設けられているリブである請求項1に記載の車輪用軸受装置。
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