JP2020051601A - 車輪用軸受装置 - Google Patents

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知輝 覚幸
Tomoki Kakuko
知輝 覚幸
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Abstract

【課題】内方部材である内輪と、当該内輪の外周面に圧入嵌合されたスリンガとの間の隙間をより確実に塞ぐことができ、内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのを効果的に防止することが可能な車輪用軸受装置を提供する。【解決手段】インナー側シール部材40は、内輪(内方部材)22に嵌合された円筒部42Aと円筒部42Aから径方向外側に延びる立板部42Bとを含むスリンガ42とを有し、立板部42Bには、磁気エンコーダ43が設けられ、磁気エンコーダ43は、弾性材料に磁性粉体が混錬された第1弾性素材からなり、円周方向に沿ってS極とN極とが交互に着磁された磁性部43Aと、弾性材料のみからなる第2弾性素材からなり、磁性部43Aの内径側に設けられ、内輪(内方部材)22と密接するリップ部43Bとを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、車輪用軸受装置に関する。
従来から、車輪の回転速度を検出するための磁気エンコーダを有するシール部材を備えた車輪用軸受装置が知られている。前記シール部材は、例えば、内方部材である内輪の外周面に圧入嵌合されたスリンガによって、内輪と同軸上に磁気エンコーダを支持している。
ここで、泥水や砂塵等の異物によっては、スリンガと内輪との嵌合面における微細な隙間を介して、当該異物が車輪用軸受装置の内部に侵入してしまう可能性がある。このような、スリンガと内輪との間の微細な隙間を介した異物の侵入を防止するための技術として、例えば、特許文献1においては、磁気エンコーダを内輪側に突出させ、当該突出させた部位を内輪に接触させて支持部材と内輪との間の微細な隙間を塞ぐことにより、異物の侵入を防止する技術が開示されている。
特開2013−61052号公報
しかしながら、前記特許文献1におけるパックシールにおいて、磁気エンコーダは一般的に、磁性粉体が混錬された硬度の高い弾性素材によって形成されているため、磁気エンコーダのうち内輪側に突出させた部位を、内輪に対して十分に密着させることは困難である。従って、スリンガと内輪との間の微細な隙間を十分に塞ぐことは難しく、微細な隙間を介して、車輪用軸受装置の内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのを、確実に防止することが困難であった。
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、内方部材である内輪と、当該内輪の外周面に圧入嵌合されたスリンガとの間の隙間をより確実に塞ぐことができ、内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのを効果的に防止することが可能な車輪用軸受装置を提供することを課題とする。
即ち、第1の発明に係る車輪用軸受装置は、内周に複列の外側軌道面が設けられた外方部材と、外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、及び前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪を有し、外周に前記複列の外側軌道面と対向する複列の内側軌道面が設けられた内方部材と、前記外方部材と前記内方部材とのそれぞれの軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、前記外方部材と前記内方部材との間をシールするシール部材と、を備えた車輪用軸受装置において、前記シール部材は、前記内輪に嵌合された円筒部と前記円筒部から径方向外側に延びる立板部とを含むスリンガとを有し、前記立板部には、磁気エンコーダが設けられ、前記磁気エンコーダは、弾性材料に磁性粉体が混錬された第1弾性素材からなり、円周方向に沿ってS極とN極とが交互に着磁された磁性部と、弾性材料のみからなる第2弾性素材からなり、前記磁性部の内径側に設けられ、前記内輪と密接するリップ部とを有することを特徴とする。
また、第2の発明に係る車輪用軸受装置は、前記磁気エンコーダにおける前記リップ部の内径側端部と、前記内輪の外周面との間を塞ぐ液状ガスケットをさらに備えることを特徴とする。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、第1の発明に係る車輪用軸受装置によれば、従来のような磁性粉体が混錬された硬度の高い弾性素材と異なり、磁性粉体が混錬されていない硬度の低い(即ち、弾性性能に優れた)第2弾性素材のみからなるリップ部を、内方部材である内輪に密接させるため、従来に比べて内輪との密着性が高く、リップ部によって、内輪と、当該内輪の外周面に圧入嵌合されたスリンガとの間の微細な隙間をより確実に塞ぐことができる。その結果、内輪とスリンガとの間の微細な隙間を介して、車輪用軸受装置の内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのを効果的に防止することができ、当該車輪用軸受装置の回転性能をより長期間維持することができる。
また、第2の発明に係る車輪用軸受装置によれば、液状ガスケットによって、内方部材である内輪と、当該内輪の外周面に圧入嵌合されたスリンガとの間の隙間をより確実に塞ぐことができ、車輪用軸受装置の内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのをさらに効果的に防止して、当該車輪用軸受装置の回転性能をより長期間維持することができる。
本発明の第1実施形態に係る車輪用受部材の全体的な構成を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車輪用軸受装置において、エンコーダリングの近傍を示した拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係る車輪用軸受装置において、エンコーダリングの近傍を示した拡大断面図である。
次に、本発明に係る車輪用軸受装置を具現化する実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。なお、本明細書においては便宜上、図1乃至図3の図中に示した矢印の方向によって規定された、アウター側及びインナー側に基づき記述する。ここで、「アウター側」とは、自動車等の車体に取り付けられた状態における車輪用軸受装置1(101)に対して、当該車輪用軸受装置1によって回動自在に支持された車輪側の方向を意味する。また、「インナー側」とは、自動車等の車体に取り付けられた状態における車輪用軸受装置1(101)に対して、前記アウター側との反対側、即ち当該車体の内側の方向を意味する。また、本明細書においては、車輪用軸受装置1(101)の回転軸G(図1参照)と平行な方向を「軸方向」、車輪用軸受装置1の回転軸Gと直交する方向を「径方向」、車輪用軸受装置1の回転軸Gを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」と規定して記述する。
[第1実施形態における車輪用軸受装置1の全体構成]
先ず、第1実施形態における車輪用軸受装置1の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態における車輪用軸受装置1は、図1に示すように、主に外方部材の一例である外輪10、内方部材の一例であるハブ輪21と内輪22、複列(2列)の転動列(より具体的には、インナー側転動列30A、及びアウター側転動列30B)を構成する複数の転動体31、及びシール部材の一例であるインナー側シール部材40とアウター側シール部材50などを備える。
外輪10は、例えば中空円筒形状の部材により構成され、回転軸Gと同軸上に配置される。外輪10の外周面には、車体側に設けられるナックルに取り付けるための車体取付用フランジ部10aが形成されている。
外輪10の内周(本実施形態においては、内周面)には、複列(2列)の円環状の外側軌道面(より具体的には、インナー側外側軌道面10b、及びアウター側外側軌道面10c)が、各々同軸上に設けられている。また、外輪10の内周面において、そのインナー側の端部、及びアウター側の端部には、インナー側シール部材40が嵌合可能なインナー側開口部10d、及びアウター側シール部材50が嵌合可能なアウター側開口部10eが、各々同軸上に形成されている。
ハブ輪21は、例えば中実略丸棒形状の部材により構成され、外輪10の内周部(内周面によって囲まれた空間部)において、回転軸Gと同軸上に配置される。ハブ輪21の外周(本実施形態においては、外周面)において、そのインナー側の端部には、アウター側の端部に比べて縮径された、軸方向に延びる小径段部21aが形成されている。小径段部21aには、内輪22が嵌合されている。また、ハブ輪21のアウター側端部には、車輪を取り付けるための車輪取付用フランジ部21bが形成されている。車輪取付用フランジ部21bは、複数のハブボルト23を用いて車輪に取り付けられる。ハブ輪21の外周面において、そのアウター側の端部には、外輪10のアウター側外側軌道面10cと対向する、円環状のアウター側内側軌道面21cが形成されている。
内輪22は、インナー側転動列30Aとアウター側転動列30Bに予圧を与えるものである。内輪22の外周面には、周方向に環状の内側軌道面22aが形成されている。内輪22は、かしめによりハブ輪21のインナー側端部に固定されている。つまり、ハブ輪21のインナー側には、内輪22によって内側軌道面22aが構成されている。内輪22は、その内側軌道面22aが外輪10のインナー側外側軌道面10bに対向するように配置されている。
転動列であるインナー側転動列30A及びアウター側転動列30Bは、保持器32によって円環状に保持された複数の転動体31により、各々構成されている。そして、インナー側転動列30Aは、外輪10のインナー側外側軌道面10bと、内輪22のインナー側内側軌道面22aとの間において、複数の転動体31が各々転動自在な状態によって収容されている。また、アウター側転動列30Bは、外輪10のアウター側外側軌道面10cと、ハブ輪21のアウター側内側軌道面21cとの間において、複数の転動体31が各々転動自在な状態によって収容されている。
このように、本実施形態における車輪用軸受装置1は、外輪10、ハブ輪21、内輪22、インナー側転動列30A、及びアウター側転動列30Bからなる複列アンギュラ玉軸受として構成されている。なお、車輪用軸受装置1の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、複列円錐ころ軸受の構成であってもよい。
インナー側シール部材40は、外輪10のインナー側開口部10dと、内輪22の外周面との間の隙間をシールする(塞ぐ)密閉機構であって、例えば2枚のシールリップを接触または近接させる2サイドリップタイプの、エンコーダ付パックシールによって構成される。インナー側シール部材40は、円環状のシール板41、及びスリンガ42を有する。なお、スリンガ42の詳細な構成については、後述する。
シール板41は、図2に示すように、芯金41A、及びシールリップ41Bにより構成される。芯金41Aは金属製の部材からなり、例えば、フェライト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS430系等)、オーステナイト系ステンレス鋼板(JIS規格のSUS304系等)、あるいは防錆処理された冷間圧延鋼板(JIS規格のSPCC系等)などの素材によって構成される。また、芯金41Aは、軸方向との直交方向に見た断面視で略L字状に形成されている。
そして、シール板41は、芯金41Aを介して、外輪10のインナー側開口部10d内に嵌合され、当該外輪10と同軸上に固定される。
シールリップ41Bは、芯金41Aのインナー側(図2中の紙面右側)の側面に設けられるアキシアルリップ41B1及び中間リップ41B2、並びに芯金41Aの下部に設けられるグリスリップ41B3により構成され、例えば芯金41Aに加硫接着されている。シールリップ41Bは、例えば、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)等の合成ゴムなどの素材によって構成される。
そして、外輪10のインナー側開口部10d内にシール板41が固定された状態において、シールリップ41B(アキシアルリップ41B1、中間リップ41B2)は、スリンガ42と、油膜を介して接触している。これにより、シール板41は、スリンガ42とともに、外輪10のインナー側開口部10dと、内輪22の外周面との間の隙間を密閉可能な構成となっている。
図1において、アウター側シール部材50は、外輪10のアウター側開口部10eとハブ輪21との隙間を塞ぐものである。アウター側シール部材50は、例えばNBR等の合成ゴムからなる複数のシールリップを有している。
[スリンガ42の構成]
次に、スリンガ42の構成について、図2を用いて説明する。
スリンガ42は、上述したように、シール板41とともに、インナー側シール部材40を構成する。また、スリンガ42は、回転側の部材である内方部材を構成するハブ輪21(図1参照)及び内輪22の回転速度を検出するための磁気エンコーダ43を有する。即ち、スリンガ42は、シール板41のシールリップ41Bとともに、外輪10のインナー側開口部10dと、内輪22の外周面との間の隙間を密閉するとともに、磁気エンコーダ43を内輪22に固定するためのものである。
スリンガ42は、防錆性の向上、及び検出精度の安定性の向上等を図るべく、強磁性体の鋼板、例えばフェライト系のステンレス鋼鈑(JIS規格のSUS430系等)や、防錆処理された冷間圧延鋼鈑(JIS規格のSPCC系等)等からなる部材によって形成される。
スリンガ42は、円環状の鋼板の外縁部と内縁部とがプレス加工によって屈曲され、軸方向との直交方向に見た断面視にて、略L字状に形成される。
具体的には、スリンガ42は、円筒部42Aと、該円筒部42Aのインナー側端部から径方向外側に延びる立板部42Bとを有する、円環状の部材として構成される。
そして、スリンガ42は、内輪22の外周面において、円筒部42Aを介して、当該内輪22と同軸上に圧入嵌合され、シール板41のインナー側にシールリップ41Bと隣接して配置される。スリンガ42は、シール板41と軸方向に対向して配置されている。また、シール板41のグリスリップ41B3が、スリンガ42の円筒部42Aと、油膜を介して接触している。これにより、シール板41のシールリップ41B(より具体的には、アキシアルリップ41B1、中間リップ42B2、及びグリスリップ41B3)、及びスリンガ42によって、外輪10のインナー側開口部10dと、内輪22の外周面との間の隙間が密閉されることとなり、スリンガ42は、パックシールとして機能する。
スリンガ42には、磁気エンコーダ43が設けられ、当該スリンガ42は、磁気エンコーダ43を支持する支持部材としての機能を有する。なお、本実施形態における車輪用軸受装置1においては、スリンガ42の立板部42Bと対峙するようにして、磁気センサ44(図1参照)が設けられており、磁気エンコーダ43が発する磁気信号が検出される構成となっている。
磁気エンコーダ43は、円環状に形成された磁性部43A、及び当該磁性部43Aの内径側に設けられたリップ部43Bにより一体的に構成されている。即ち、磁性部43A及びリップ43Bは、単一の部材の部分である。磁性部43Aは、弾性材料の一例である第1ゴム材料にフェライト等の磁性粉体を混練させた第1弾性素材である磁性ゴムによって形成され、円周方向に沿ってS極とN極とが交互に着磁するように構成されている。また、リップ部43Bは、弾性材料の一例である第2ゴム材料のみからなる第2弾性素材から形成され、磁性部43Aの内径に沿って円環状に形成されている。そして、磁気エンコーダ43は、例えば加硫接着によって、スリンガ42の立板部42Bにおけるインナー側の側面を覆うようにして固定される。これにより、磁気エンコーダ43は、スリンガ42の軸心を中心として所定の径方向幅を有する円環状に構成されるとともに、ハブ輪21(図1参照)と同軸上に支持され、当該スリンガ42が圧入嵌合されている内輪22を介して、ハブ輪21と一体的に回転するように配置される。
リップ部43Bは、磁性部43Aと略同等の厚み寸法(軸方向の寸法)を有する円環状の基部43B1と、該基部43B1の内径部に沿って径方向内側に突出する舌端部43B2とにより構成される。舌端部43B2は、基部43B1に比べて厚み寸法が薄く形成されており、基端部(基部43B側の端部)を支点として基部43B1に対してインナー側及びアウター側に屈曲可能に形成されている。
リップ部43Bにおける基部43B1の外径側の縁部は、スリンガ42の円筒部42Aに対して径方向外側に位置している。また、リップ部43Bにおける舌端部43B2の内径側の縁部は、スリンガ42の円筒部42Aに対して径方向内側に位置している。つまり、リップ部43Bの内径は、内輪22の外径に比べてやや小さく設定されている。
そして、内輪22の外周面に磁気エンコーダ43が配置された状態において、リップ部43Bの舌端部43B2は、インナー側に屈曲されるとともに、当該内輪22の外周面に接触した状態となる。これにより、リップ部43Bは、内径側の縁部である舌端部43B2を介して、当該内輪22の外周面と密接した状態となり、内輪22と、当該内輪22の外周面に圧入嵌合されたスリンガ42との間の微細な隙間が、リップ部43Bによって密閉された状態となる。
このように、本実施形態における車輪用軸受装置1においては、磁性粉体が混錬された硬度の高い磁性ゴムと異なり、磁性粉体が混錬されていない硬度の低い(即ち、弾性性能に優れた)第2ゴム材料のみからなるリップ部43Bを、内輪22の外周面に密接させる構成を有することから、内輪22との密着性が高く、リップ部43Bによって、スリンガ42の円筒部42Aの内周面と、内輪22の外周面との間の微細な隙間を、より確実に塞ぐことができる。その結果、スリンガ42の円筒部42Aの内周面と、内輪22の外周面との間の微細な隙間を介して、車輪用軸受装置1の内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのを効果的に防止することができ、当該車輪用軸受装置1の回転性能をより長期間維持することができる。
ところで、磁性部43Aを形成する第1ゴム材料、及びリップ部43Bを形成する第2ゴム材料については、ともにNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、耐熱性に優れたHNBR(水素化アクリロニトリル・ブタジエンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、耐熱性や耐薬品性に優れたACM(ポリアクリルゴム)、FKM(フッ素ゴム)、あるいはシリコンゴム等の合成ゴムなどを用いることができる。
ここで、第1ゴム材料と第2ゴム材料とは、互いに素材の種類が相違していてもよいが、双方ともに同種類の素材であることが好ましい。即ち、本実施形態における車輪用軸受装置1は、磁気エンコーダ43において、磁性部43Aとリップ部43Bとが一体的に形成され、第1弾性素材を構成する第1ゴム部材と、第2弾性素材を構成する第2ゴム部材とが、同一の弾性材料であるゴム部材から構成されている。
このような構成を有することにより、より強固な接続状態を確保しつつ、磁性部43Aとリップ部43Bとを一体的に形成し、磁気エンコーダ43を構築することができる。従って、例えば不意に磁性部43Aとリップ部43Bとの間に亀裂が入って両者が分離され、これらの磁性部43Aとリップ部43Bとの隙間を通じて、スリンガ42の円筒部42Aの内周面と、内輪22の外周面との間の微細な隙間に泥水や砂塵等の異物が流れ込み、車輪用軸受装置1の内部に前記異物が侵入するのを効果的に防止することができ、当該車輪用軸受装置1の回転性能をより長期間維持することができる。
なお、本実施形態においては、磁気エンコーダ43を構成する磁性部43A、及びリップ部43Bが、一体的に形成されているが、これに限定されることはない。即ち、リップ部43Bによって、スリンガ42の円筒部42Aの内周面と、内輪22の外周面との間の隙間を塞ぐことが可能な構成である限り、これらの磁性部43A、及びリップ部43Bが互いに分離されていてもよい。
また、リップ部43Bの形状については、本実施形態に限定されるものではない。即ち、リップ部43Bは、例えば磁性部43Aと略同等の厚み寸法(軸方向の寸法)を有し、径方向内側に突出する円環状に形成されていてもよい。この場合、内輪22の外周面のインナー側端部に円環状の小径段部を予め形成しておくことにより、内輪22の外周面に磁気エンコーダ43が配置された状態において、リップ部43Bの内径部には、前記小径段部が圧入されるとともに当該内輪22の外周端部に接触した状態となり、内輪22と、当該内輪22の外周(外周面)に圧入嵌合されたスリンガ42との間の微細な隙間を、リップ部43Bによって密閉することができる。
[第2実施形態における車輪用軸受装置101の構成]
次に、第2実施形態における車輪用軸受装置101の構成について、図3を用いて説明する。第2実施形態における車輪用軸受装置101は、前述した車輪用軸受装置1と略同等な構成を有する一方、内輪122と磁気エンコーダ143との間に、さらに液状ガスケット144を設けている点について、車輪用軸受装置1と相違する。よって、以下の説明においては、主に前述した車輪用軸受装置1との相違点について記載し、当該車輪用軸受装置1と同等な構成についての記載は省略する。
第2実施形態における車輪用軸受装置101において、磁気エンコーダ143におけるリップ部143Bの内径側端部と、内輪122の外周面との間には、液状ガスケット144が当該内輪122の外周面に沿って円環状に充填されている。より具体的には、液状ガスケット144は、少なくともリップ部143Bの舌端部143B2を、インナー側から覆うようにして、リップ部143Bの内径側端部と、内輪122の外周面との間に充填される。これにより、屈曲可能な舌端部143B2は、液状ガスケット144によって完全に固定されるとともに、磁気エンコーダ143と内輪122との間の隙間は、当該液状ガスケット144によって塞がれ、密閉された状態となる。
ここで、液状ガスケット144は、流動性を有する物質であって、磁気エンコーダ143と内輪122との間の隙間に塗布すると、一定時間後に硬化し、弾性または粘着性の膜を形成するものである。液状ガスケット144は、変性アルキッド性、繊維素エステル系、合成ゴム系などの有機溶剤タイプ、フェノール系、変性エステル系、シリコーン系、アクリル系などの無溶剤タイプ、水性アクリル系などの水性タイプなどを含み、耐熱性が高いためシリコーン系であることが好ましい。
このような、第2実施形態における車輪用軸受装置101のように、磁気エンコーダ143と内輪122との間において、液状ガスケット144をさらに充填させた構成を有することにより、液状ガスケット144によって、スリンガ142の円筒部142Aの内周面と、内輪122の外周面との間の微細な隙間をより確実に塞ぐことができ、車輪用軸受装置101の内部に泥水や砂塵等の異物が侵入するのをさらに効果的に防止して、当該車輪用軸受装置の回転性能をより長期間維持することができる。
以上のように、本願における車輪用軸受装置1(101)は、内方部材として一つの内輪22(122)が嵌合されたハブ輪21を備え、外方部材である外輪10と内方部材である内輪22(122)とハブ輪21の嵌合体で構成された、内輪22(122)回転仕様の第3世代構造としているが、外方部材である外輪10と内方部材である一対の内輪22(122)で構成された第1世代構造や、外方部材である外輪10と内方部材である一対の内輪22(122)とで構成され、この一対の内輪22(122)がハブ輪21の外周に嵌合される、内輪22(122)回転仕様の第2世代構造であってもよい。
なお、本発明の実施の形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 車輪用軸受装置
10 外輪(外方部材)
10b インナー側外側軌道面(外側軌道面)
10c アウター側外側軌道面(外側軌道面)
21 ハブ輪21(内方部材)
21a 小径段部
22 内輪(内方部材)
22a インナー側内側軌道面(内側軌道面)
21c アウター側内側軌道面(内側軌道面)
31 転動体
40 インナー側シール部材(シール部材)
42 スリンガ
42A 円筒部
42B 立板部
43 磁気エンコーダ
43A 磁性部
43B リップ部
101 車輪用軸受装置
122 内輪(内方部材)
142 スリンガ
142A 円筒部
143 磁気エンコーダ
143B リップ部
144 液状ガスケット144

Claims (2)

  1. 内周に複列の外側軌道面が設けられた外方部材と、
    外周に軸方向に延びる小径段部が形成されたハブ輪、及び前記小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪を有し、外周に前記複列の外側軌道面と対向する複列の内側軌道面が設けられた内方部材と、
    前記外方部材と前記内方部材とのそれぞれの軌道面間に転動自在に収容された複列の転動体と、
    前記外方部材と前記内方部材との間をシールするシール部材と、
    を備えた車輪用軸受装置において、
    前記シール部材は、前記内輪に嵌合された円筒部と前記円筒部から径方向外側に延びる立板部とを含むスリンガとを有し、
    前記立板部には、磁気エンコーダが設けられ、
    前記磁気エンコーダは、
    弾性材料に磁性粉体が混錬された第1弾性素材からなり、円周方向に沿ってS極とN極とが交互に着磁された磁性部と、
    弾性材料のみからなる第2弾性素材からなり、前記磁性部の内径側に設けられ、前記内輪と密接するリップ部とを有する、
    ことを特徴とする車輪用軸受装置。
  2. 前記リップ部の内径側端部と、前記内輪との間に液状ガスケットをさらに備える、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の車輪用軸受装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2021251232A1 (ja) * 2020-06-12 2021-12-16 Nok株式会社 密封装置

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