JP3687199B2 - 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット - Google Patents

回転速度検出装置付転がり軸受ユニット Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム(ABS)、或はトラクションコントロールシステム(TCS)を制御する為には、この車輪の回転速度を検出する必要がある。この為に従来から、各種構造の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが知られている。図5は、特開昭63−166601号公報に記載された回転速度検出装置付転がり軸受ユニットを示している。
【0003】
回転輪は、ハブ1と内輪2とから構成されている。このうちのハブ1の外端部(外とは、自動車に装着した場合に幅方向外側になる側を言う。本明細書全体で同じ。各図の左側。)には、車輪固定用のフランジ部3を設け、中間部外周面には、内輪軌道4aを形成している。又、上記内輪2は、外周面に内輪軌道4bを有し、上記ハブ1の中間部外周面に外嵌している。上記ハブ1の内端部(内とは、自動車に装着した場合に幅方向中央側になる側を言う。各図の右側。)外周面に形成した雄ねじ部5には、ナット6を螺合している。このナット6は、この雄ねじ部5への螺合に伴って、上記内輪2の内端面を押圧し、この内輪2をハブ1の外周面の所定位置に固定する。
【0004】
又、固定輪である外輪7の外周面には、図示しない懸架装置に支持する為の外向フランジ状の取付部8を、同じく内周面には複列の外輪軌道9a、9bを、それぞれ形成している。この外輪軌道9a、9bと上記内輪軌道4a、4bとの間には、それぞれ複数個ずつの転動体10、10を設けて、上記取付部8によって懸架装置に支持された外輪7の内側に、ハブ1を回転自在に支持している。尚、転動体10、10としては、図示の様な玉を使用する他、重量の嵩む自動車用の場合には、テーパころを使用する場合もある。
【0005】
上記ナット6には円輪状のロータ部11を設けると共に、このロータ部11の内側面に凹凸部12を形成している。この凹凸部12によりこのナット6が、ハブ1の回転に伴って次述するセンサ14にパルス的な出力を発生させる、トーンホイールとして機能する。又、外輪7の内端開口部に嵌合固定したカバー13にはセンサ14を固定し、このセンサ14の外端面を上記凹凸部12に対向させている。
【0006】
上述した様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合、ハブ1の外端部に設けられたフランジ部3に固定された車輪を、外輪7を支持した懸架装置に対し、回転自在に支持できる。又、車輪の回転に伴ってハブ1の内端部に螺合した、ナット6と一体のロータ部11が回転すると、このロータ部11内側面の凹凸部12と対向したセンサ14の出力が変化する。このセンサ14の出力が変化する周波数は、車輪の回転速度に比例する為、センサ14の出力信号を図示しない制御器に入力すれば、上記車輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適切に制御できる。
【0007】
上述の様に構成され作用する従来の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットでは、外輪7に対しセンサ14を支持しているカバー13の外端開口部は、外輪7の内端開口部に対し、きつく嵌合している。これは、車両の走行等に伴って発生する振動により、上記カバー13が上記外輪7から不用意に脱落する事を防止する為である。
【0008】
ところが、上述の様に外輪7とカバー13とをきつく嵌合させた事により、両部材7、13を分離させる事が難しくなる。そして、ドライバー等の工具によってこじる事により、上記両部材7、13を無理に分離すると、上記カバー13が変形して、再使用できなくなる。この為、車両への取付後、(長期間に亙る使用等に伴って)転がり軸受部分とセンサ14との何れかに故障等の不具合が発生した場合には、故障していない部分も含めて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニット全体を交換せざるを得なかった。この様な事は、修理費の高騰を招くだけでなく、資源節約の面からも好ましくない。
【0009】
この様な事情に鑑みて、外輪7からカバー13を取り外す作業の容易化を図る構造として、実開平5−14634号公報には、図6に示す様な回転速度検出装置付転がり軸受ユニットが記載されている。次述する内輪2と共に回転輪を構成するハブ1の外端部外周面には、車輪を固定する為のフランジ部3を、中間部外周面には、内輪軌道4a及び段部15を、それぞれ形成している。又、このハブ1の外周面には、その外周面に同じく内輪軌道4bを形成した内輪2を、その外端面を上記段部15に突き当てた状態で、外嵌支持している。
【0010】
又、ハブ1の内端寄り部分の外周面には雄ねじ部5を形成し、この雄ねじ部5に螺合したナット6を緊締する事により、上記内輪2をハブ1の外周面の所定部分に固定している。上記ナット6の外周面には凹凸部16を形成する事により、このナット6を回転速度検出用のトーンホイールとして機能させている。外輪7の外周面には、この外輪7を懸架装置に固定する為の取付部8を設けている。又、この外輪7の内周面には、それぞれが上記内輪軌道4a、4bに対向する、外輪軌道9a、9bを形成している。そして、1対の内輪軌道4a、4bと1対の外輪軌道9a、9bとの間に、それぞれ複数個ずつの転動体10、10を設けて、外輪7の内側でのハブ1の回転を自在としている。又、上記外輪7の内外両端部内周面と、ハブ1並びに内輪2の外周面との間には、シール環17、17を装着して、外輪7の内周面と上記ハブ1並びに内輪2の外周面との間に存在し、上記複数の転動体10、10を設けた空間の内外両端開口部を塞いでいる。
【0011】
一方、上記外輪7の内端(図6の右端)開口部の一部は、カバー18により塞いでいる。金属板をプレス成形する事により全体を円環状に形成した、このカバー18は、直径方向内側に等速ジョイントの一部を挿通自在とする為、円輪状に形成された基板部19の外周縁部を外方(図6の左方)に向け直角に折り曲げる事により、円筒状の立壁20としている。更に、この立壁20の外端(図6の左端)開口部外周縁には、上記外輪7の内端面7aに突き合わせ自在な、円輪状の段部21を形成している。
【0012】
又、この段部21の外周縁を外方に向け直角に折り曲げる事により、上記外輪7の内端部に外嵌自在な、嵌合筒部22を形成している。更に、この嵌合筒部22の外端開口部を直径方向外方に180度折り返す事により、直径方向に亙る寸法の大きな係合部23としている。このカバー18は、上記嵌合筒部22を上記外輪7の内端部に外嵌すると共に、上記段部21を外輪7の内端面7aに突き合わせる事により、この外輪7に対し固定している。上記嵌合筒部22と外輪7の内端部との嵌合強度は、車両の走行に伴う振動等によって上記外輪7とカバー18とが分離しない様に、十分に大きくしている。上記カバー18内には、例えば電磁式のセンサ14を保持し、導線24により、このセンサ14の出力を図示しない制御器に送っている。
【0013】
上述の様に構成される回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、懸架装置に対して車輪を回転自在に支持すると共に、ハブ1のフランジ部3に固定された車輪の回転速度を検出する際の作用自体は、前述の図5に示した回転速度検出装置付転がり軸受ユニットとほぼ同様である。特に、図6に示した構造では、修理等の為に外輪7とカバー18とを分離する必要が生じた場合、図6に鎖線で示す様に、カバー18の外端開口部外周縁に形成した係合部23の端縁に、ハンドプレス、或はプーリ抜き等の、割れ構造の係合部を有する工具25の内周縁を係止する。そして、この工具25を取付部8から引き離す方向(図6の右方向)に変位させる事により、上記カバー18を外輪7から引き離し、上記カバー18を外輪7から抜き取る。
【0014】
図6に示した従来構造の場合には、カバー18を金属板に塑性加工を施す事により構成している。これに対して、カバーを合成樹脂により構成し、このカバーを射出成形する際に、このカバーの一部にセンサを包埋支持する様に構成すれば、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの製作費の低廉化を図れる。この様に合成樹脂製のカバーの一部にセンサを包埋支持した構造として従来から知られているものに、欧州特許公開EP 0 557 931 A1に記載されたものがある。この構造は、図7に示す様に、外輪7の内端開口部を塞ぐ合成樹脂製のカバー18a内に、センサ14aを包埋している。上記カバー18aの開口端部外周面には、鋼板等、十分な剛性を有する金属板により、断面L字形で全体を円環状に造られたスリーブ26を固定している。上述の様なカバー18aは、上記スリーブ26を外輪7の内端開口部に内嵌する事により、この外輪7に固定する。この様な合成樹脂製のカバー18aを組み込んだ構造の場合には、金属板製のカバーを組み込んだ構造に比べて構成部材の組み合わせ作業を簡略化できて、回転速度検出装置付転がり軸受ユニットのコスト低減を図れる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示した様な、合成樹脂製のカバー18aを組み込んだ回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、初期コスト低減を図れる反面、修理・交換時に、カバー18aを外輪7から取り外し易くする事を考慮していない。図7に示す様な構造で、上記外輪7からカバー18aを強引に取り外した場合、スリーブ26の外周面と上記外輪7の内周面との間に作用する大きな摩擦力に基づき、このカバー18aの先端部27が破損する可能性がある。上記スリーブ26及びカバー18aの一部を、上記外輪7の端部外周面よりも直径方向外方に突出させれば、このカバー18aを傷める事なく、上記外輪7から取り外せる様にはなる。但し、この様な方法でカバー18aの取り外しを可能にすると、このカバー18aの外径寸法が大きくなる分、他の部品と干渉し易くなる為、自動車の設計の自由度が損なわれる。
本発明の回転速度検出装置付転がり軸上ユニットは、この様な事情に鑑みて、カバーを合成樹脂製とした場合に、このカバーの外径寸法を特に大きくしなくても、このカバーを外輪7等の固定輪から容易に取り外せる様にすべく、発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、前述した欧州特許公開EP 0 557 931 A1に記載された回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様に、固定側周面に固定側軌道を有し、使用時に回転しない固定輪と、上記固定側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転輪と、上記固定側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、上記回転輪に固定され、円周方向に亙る特性を交互に且つ等間隔に変化させた円環状のトーンホイールと、上記固定輪の端部開口の少なくとも一部を塞ぐ塞ぎ板部及びこの塞ぎ板部の片面に設けた嵌合筒部を有する合成樹脂製のカバーと、このカバーの一部に包埋された状態で上記トーンホイールと対向するセンサとを備える。そして、上記カバーは、上記嵌合筒部を上記固定輪の端部周面に嵌合する事により、この固定輪に対し固定している。
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いては、上記カバーは、円筒部とこの円筒部の端縁から直径方向に折れ曲がったフランジ状の鍔部とを有する金属板製のスリーブを、この鍔部を上記塞ぎ板部の側に位置させて上記嵌合筒部に包埋したもので、このスリーブの円筒部を上記固定輪の端部周面に嵌合する事によりこの固定輪に固定されるものである。又、上記カバーの周縁部で上記嵌合筒部の周面よりも直径方向に突出するフランジ状部分に、それぞれ複数ずつの突き当て部と欠肉部とを、円周方向に亙り交互に設けている。このうちの突き当て部は、上記固定輪の軸方向端面に突き当たる事により、この固定輪に対する上記カバーの位置決めを図る。又、上記欠肉部は、この固定輪の端面と上記スリーブの鍔部との間に、上記嵌合筒部を固定輪から引き抜く為の工具の先端部を挿入するのに必要な隙間を介在させる。
【0017】
【作用】
上述の様に構成される本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットにより、車輪を回転自在に支持すると共に、この車輪の回転速度を検出する際の作用自体は、前述した従来の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットと同様である。
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、カバーを合成樹脂製とする事によりコストの低減を図れ、しかも、このカバーの外径寸法を特に大きくしなくても、このカバーを固定輪から容易に取り外せる。又、カバー及びこのカバーに包埋支持されたセンサの固定輪に対する位置決めも、確実に図れる。
即ち、上記カバーを固定輪から取り外す場合には、複数の欠肉部に工具の先端部を係止した状態で、上記カバーの嵌合筒部を固定輪から引き抜く。この際、この工具の先端部から上記カバーに加えられる引き抜き方向の力は、金属板製のスリーブを構成する鍔部が支承する。従って、上記カバーを構成する合成樹脂の一部に大きな応力が加わる事がなく、上記カバーと固定輪との分離作業に伴って、このカバーを傷める事がない。一方、上記各欠肉部から円周方向に外れた位置に設けた突き当て部が、上記固定輪の端面に突き当たる事により、カバー及びこのカバーに包埋支持されたセンサの固定輪に対する位置決めを図る。
しかも、カバーの位置決めを上記各突き当て部により図り、工具の先端部を係止する為の欠肉部を、円周方向に亙り間欠的に形成しているので、上記カバーの外径寸法を大きくする事なく、上記工具の先端部を挿入するのに必要な隙間のラジアル方向に亙る寸法を大きくすべく、上記欠肉部のラジアル方向に亙る寸法を大きくできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1〜3は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの特徴は、回転速度検出装置を構成するセンサ14bを支持するカバー18bを外輪7の内端開口部に嵌合固定する部分の構造にある。転がり軸受ユニット部分の構造に就いては、前述の図5に示した従来構造の第1例とほぼ同様である。この為、転がり軸受ユニット部分に就いては、同等部分に同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0019】
固定輪である外輪7の内端開口部には合成樹脂製のカバー18bを被着して、この外輪7の内端開口部を塞いでいる。このカバー18bは、上記外輪7の内端開口全体を塞ぐ、円板状の塞ぎ板部28と、この塞ぎ板部28の外側面外周寄り部分に設けた嵌合筒部29とを有する。本例の場合には、この嵌合筒部29の基端部(図1〜3の右端部)から上記塞ぎ板部28の外周端部に亙って、金属板製のスリーブ30を包埋している。このスリーブ30は、ステンレス鋼板等の錆びにくい金属板、或は軟鋼板の表面にクロムメッキ等の防錆処理層を形成した金属板を、断面L字形で全体を円環状に形成して成る。即ち、このスリーブ30は、円筒部31と、この円筒部31の内端縁から直径方向外方に折れ曲がった、外向フランジ状の鍔部32とを有する。このうちの円筒部31の先端部(図1〜3の左端部)外周面は、上記嵌合筒部29の基端部外周面に露出している。一方、上記鍔部32は、上記カバー18bの外周縁部で上記嵌合筒部29よりも直径方向外方に存在する部分の厚さ方向中央部に包埋している。尚、この鍔部32の外周縁は、上記カバー18bの外周縁にまでは達せず、このカバー18bの内部に包埋されている。
【0020】
但し、上記カバー18bの外周縁部で上記嵌合筒部29よりも直径方向外方に存在する部分の外側面側には、複数の欠肉部33を、円周方向に亙り間欠的に設けている。上記円筒部31の外周面及び鍔部32の外側面で、これら各欠肉部33に対応する部分は、上記カバー18bを構成する合成樹脂により覆われず、これら各欠肉部33内に露出している。一方、上記カバー18bの塞ぎ板部28の外周縁部で上記嵌合筒部29よりも直径方向外方に存在する部分の外側面側に位置し、上記各欠肉部33から外れた部分は、突き当て部34としている。そして、この突き当て部34の先端面(=外側面=図1〜3の左端面)を、前記外輪7の内端面7aに突き当て自在としている。上記カバー18bにより上記外輪7の内端開口を塞ぐべく、上記嵌合筒部29をこの外輪7の内端部に内嵌固定し、上記各突き当て部34の先端面を上記外輪7の内端面7aに突き当てた状態で、後述するセンサ14bと、内輪2の内端部に外嵌固定したトーンホイール35との位置関係が所定通りに規制される。尚、このトーンホイール35は、軟鋼板等の磁性金属板を図1〜2に示す様な断面形状に折り曲げる事により、全体を円環状に形成している。
【0021】
又、上記嵌合筒部29の先端部外周面で、上記スリーブ30の円筒部31により覆われていない部分には、係止凹溝36を、この嵌合筒部29の全周に亙り形成している。そして、この係止凹溝36の内側に装着したOリング37の外周縁を、上記外輪7の端部内周面に全周に亙って弾接させ、上記嵌合筒部29の外周面と外輪7の内周面との間をシールしている。尚、上記円筒部31の自由状態での外径寸法は、上記外輪7の内端部の内径寸法よりも僅かに大きくして、上記スリーブ30を外輪7の内端部に、締まり嵌めにより内嵌固定自在としている。又、上記Oリング37を上記係止凹溝36に装着し、未だ上記外輪7の内端部に内嵌する以前の状態では、このOリング37の外周縁部が、上記円筒部31よりも直径方向外方に突出する様にしている。
【0022】
更に、上記カバー18bを構成する塞ぎ板部28の外側面側で、上記嵌合筒部29よりも少し直径方向内側に寄った部分には、上記センサ14bを、このセンサ14bの内端部を包埋する事により支持している。このセンサ14bは、全体を円環状に形成している。そして、このセンサ14bの外半部は、上記カバー18bを構成する塞ぎ板部28の外側面から外方に突出しており、検知部となる外周面が、上記カバー18bを構成する合成樹脂から露出している。又、上記塞ぎ板部28の内側面には、上記センサ14bの検出信号を取り出す為のコネクタ38を、このカバー18bと一体に形成している。
【0023】
尚、図示の実施例の場合には、センサ14bとトーンホイール35との対向面同士の相対速度を大きくすると共に、これら両部材14b、35同士の間の磁気抵抗を2個所で同時に変化させる事により、このセンサ14bの出力変化を大きくしている。このセンサ14bは、軸方向(図1〜2の左右方向)に着磁した円環状の永久磁石39を含んで構成する。この永久磁石39の軸方向外端面(図1〜2の左端面)には第一のステータ40の基端部を当接させ、この第一のステータ40の先端部外周面を、上記トーンホイール35を構成する大径部41の中間部内周面に、微小隙間を介して対向させている。又、上記永久磁石39の軸方向内端面(図1〜2の右端面)に、第二のステータ42の基端部を当接させ、この第二のステータ42の先端部外周面を上記大径部41の軸方向内端部内周面に、やはり微小隙間を介して対向させている。
【0024】
上記大径部41の内半部には切り欠き43、43を形成する事により、上記第一のステータ40及び第二のステータ42の先端部にはそれぞれ切り欠き44、44を形成する事により、それぞれの部分を櫛歯状に形成している。勿論、これら各切り欠き43、44のピッチ(中心角ピッチ)は互いに等しい。又、第一、第二のステータ40、42に形成した切り欠き44、44の位相は互いに等しい。この様に、上記両ステータ40、42に形成した切り欠き44、44同士の位相を互いに一致させる為に、上記第一、第二のステータ40、42にそれぞれ形成した通孔45、45と、次述するコイル46を構成する導線を巻回する為のボビン47に形成した凸部48、48とを係合させている。上記永久磁石39と第一のステータ40と第二のステータ42とにより囲まれる部分にはコイル46を設けている。そして、上記トーンホイール35の回転に伴う、これら各部材39、40、42を流れる磁束の密度変化により上記コイル46に、上記トーンホイール35を固定したハブ1の回転速度に比例した周波数で変化する電圧を惹起させる様にしている。
【0025】
上述の様に構成される為、上記トーンホイール35の回転に伴って磁束の流れに対する抵抗が、上記第一のステータ40の先端部と上記大径部41との対向部分だけでなく、上記第二のステータ42の先端部と上記大径部41との対向部分でも同時に変化する。従って、上記トーンホイール35の回転に伴う磁束密度の変化が大きくなり、前記センサ14bの出力を大きくできる。更に、図示の実施例では、このセンサ14bをトーンホイール35を構成する大径部41の内径側に配置し、この大径部41の内周面と上記センサ14bの外周面とを対向させている為、これら両周面同士の相対速度が、前述した従来構造の場合に比べて速くなる。この様に、上記両周面同士の相対速度が速くなる事によっても、上記センサ14bの出力が大きくなる。尚、この様な回転速度検出装置部分の構造に就いては、本発明の要旨ではない。本発明を実施する場合に、回転速度検出装置の構造自体は、図7〜9に示した従来構造を含み、種々の構造を採用できる。
【0026】
上述の様に構成される本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記カバー18bを合成樹脂製とする事によりコストの低減を図れ、しかも、このカバー18bの外径寸法を特に大きくしなくても、このカバー18bを固定輪である外輪7から容易に取り外せる。又、上記カバー18b及びこのカバー18bに包埋支持したセンサ14bの上記外輪7に対する位置決めも、確実に図れる。
【0027】
即ち、上記カバー18bを外輪7から取り外す場合には、前記塞ぎ板部28の外周縁部外側面側に形成した複数の欠肉部33に、適宜の工具の先端部を係止する。上記各欠肉部33は、前記スリーブ30を構成する円筒部31の外周面にまで達しているので、上記塞ぎ板部28の直径R28(図2参照)を特に大きくしなくても、これら各欠肉部33の深さ寸法D33(図2〜3参照)を十分に大きくして、上記工具の先端部と上記各欠肉部33との係合代を十分に確保できる。そこで、上記各欠肉部33に工具の先端部を十分に挿入した状態で、この工具に上記外輪7から離れる方向の力を付与すれば、上記カバー18bの嵌合筒部29を外輪7から引き抜き、上記センサ14bを支持したカバー18bと外輪7とを分離する事ができる。この際、上記工具の先端部からカバー18bに加えられる引き抜き方向の力は、上記スリーブ30を構成する鍔部32が支承する。従って、このカバー18bを構成する合成樹脂の一部に大きな応力が加わる事がなく、上記カバー18bと外輪7との分離作業に伴って、このカバー18bを傷める事がない。
【0028】
一方、上記カバー18bを外輪7の内端開口部に嵌着した状態では、前述した様に、上記各欠肉部33から円周方向に外れた位置に設けた複数の突き当て部34が、上記外輪7の内端面7aに突き当たる事により、上記カバー18b及びこのカバー18bに包埋支持したセンサ14bの外輪7に対する位置決めを図る。尚、上記カバー18bを外輪7の内端開口部に嵌着すべく、前記嵌合筒部29を上記外輪7の内端開口部に押し込む際には、前記塞ぎ板部28の内側面外周寄り部分で、上記各突き当て部34に整合する部分に形成した押圧面49に、適宜の押し込み軸の先端面を突き当てる。
【0029】
特に、本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットの場合には、上記カバー18bの位置決めを図る上記各突き当て部34と、工具の先端部を係止する為の欠肉部33とを、円周方向に亙り交互に間欠的に形成している。この様に上記突き当て部34と欠肉部33とを円周方向に亙り交互に形成しているので、上記カバー18bの外径寸法を大きくする事なく、上記工具の先端部を挿入するのに必要な隙間のラジアル方向に亙る寸法(=欠肉部33の深さ寸法D33)を大きくできる。この結果、上記カバー18bと他の物品との干渉防止を図りつつ、上記カバー18bを外輪7から分離する作業を、このカバー18bを傷める事なく、容易に行なえる様にできる。
【0030】
これに対して、図4に示す様に、工具の先端部を係止する為の欠肉部33aを、カバー18bの全周に亙って設け、この欠肉部33aの内径側に、外輪7の内端面7aに突き当てる為の突き当て部34aを、やはり上記カバー18bの全周に亙って設けた場合には、上記本発明により得られる作用・効果を得る事ができない。即ち、この図4に示す様な構造を採用した場合には、工具の先端部の係り代を確保すべく、上記欠肉部33aの深さ寸法D33a を大きくした場合には、上記カバー18bの外径寸法が大きくなって、このカバー18bと他の物品とが干渉し易くなる。この様な状態が、自動車を設計する際の自由度を阻害し、好ましくない事は、前述した通りである。
【0031】
【0032】
【0033】
【発明の効果】
本発明の回転速度検出装置付転がり軸受ユニットは、以上に述べた通り構成され作用するので、小型で周囲の部品と干渉しにくく、自動車の設計の自由度を損なわない構造を安価に得られる。又、材料の使用量を少なく抑える事により、軽量化並びにコスト低減も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】 図1の右端部拡大図。
【図3】 一部を省略して示す、図2の上部拡大図。
【図4】 好ましくない構造を示す、図3と同様の図。
【図5】 従来構造の第1例を示す断面図。
【図6】 同第2例を示す断面図。
【図7】 同第3例を示す断面図。
【符号の説明】
1 ハブ
2 内輪
3 フランジ部
4a、4b 内輪軌道
5 雄ねじ部
6 ナット
7 外輪
7a 内端面
8 取付部
9a、9b 外輪軌道
10 転動体
11 ロータ部
12 凹凸部
13 カバー
14、14a、14b センサ
15 段部
16 凹凸部
17 シール環
18、18a、18b カバー
19 基板部
20 立壁
21 段部
22 嵌合筒部
23 係合部
24 導線
25 工具
26 スリーブ
27 先端部
28 塞ぎ板部
29 嵌合筒部
30 スリーブ
31 円筒部
32 鍔部
33、33a 欠肉部
34、34a 突き当て部
35 トーンホイール
36 係止凹溝
37 Oリング
38 コネクタ
39 永久磁石
40 第一のステータ
41 大径部
42 第二のステータ
43、44 切り欠き
45 通孔
46 コイル
47 ボビン
48 凸部
49 押圧面

Claims (1)

  1. 固定側周面に固定側軌道を有し、使用時に回転しない固定輪と、上記固定側周面と対向する回転側周面に回転側軌道を有し、使用時に回転する回転輪と、上記固定側軌道と回転側軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、上記回転輪に固定され、円周方向に亙る特性を交互に且つ等間隔に変化させた円環状のトーンホイールと、上記固定輪の端部開口の少なくとも一部を塞ぐ塞ぎ板部及びこの塞ぎ板部の片面に設けた嵌合筒部を有する合成樹脂製のカバーと、このカバーの一部に包埋された状態で上記トーンホイールと対向するセンサとを備え、上記カバーは上記嵌合筒部を上記固定輪の端部周面に嵌合する事により、この固定輪に対し固定している回転速度検出装置付転がり軸受ユニットに於いて、上記カバーは、円筒部とこの円筒部の端縁から直径方向に折れ曲がったフランジ状の鍔部とを有する金属板製のスリーブを、この鍔部を上記塞ぎ板部の側に位置させて上記嵌合筒部に包埋したもので、このスリーブの円筒部を上記固定輪の端部周面に嵌合する事によりこの固定輪に固定されるものであり、上記カバーの周縁部で上記嵌合筒部の周面よりも直径方向に突出するフランジ状部分に、上記固定輪の軸方向端面に突き当たる事により、この固定輪に対する上記カバーの位置決めを図る突き当て部と、この固定輪の端面と上記スリーブの鍔部との間に隙間を介在させる欠肉部とを、円周方向に亙り交互に、それぞれ複数ずつ設けた事を特徴とする回転速度検出装置付転がり軸受ユニット。
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