JPH09163926A - 山芋の包装体 - Google Patents

山芋の包装体

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JPH09163926A
JPH09163926A JP32550495A JP32550495A JPH09163926A JP H09163926 A JPH09163926 A JP H09163926A JP 32550495 A JP32550495 A JP 32550495A JP 32550495 A JP32550495 A JP 32550495A JP H09163926 A JPH09163926 A JP H09163926A
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JP
Japan
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yam
bag
oxygen
packaging
discoloration
Prior art date
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Pending
Application number
JP32550495A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Tanaka
田中  敦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)
  • Packages (AREA)
  • Storage Of Fruits Or Vegetables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 20〜35℃で保管された場合でも、山芋の
根と芽の成長を抑え、変色を防ぐことのできる包装体を
提供すること。 【解決手段】 山芋1kgあたりの酸素透過量が150
〜600cc/24h・atmである袋に山芋を包装し、20〜
35℃で保存した際、1〜15日後の包装体内の酸素濃
度が1〜9%、二酸化炭素濃度が20%以下にする山芋
の包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、山芋の鮮度保持を
目的とする包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、山芋は輸送中の衝撃による折れ、
水分の損失、変色防止等のために、段ボール箱にポリエ
チレン等のフィルムを敷き、そこにおがくずと共に詰め
て輸送されている。しかし、おがくずの確保が難しくな
ってきていることや、その保管場所の確保、使用後の処
分、山芋と同程度の重量のおがくずを詰めるため重量が
約2倍になる等問題は多い。さらにこの包装形態では、
輸送中や市場などでコールドチェーンが切れ山芋が常温
にさらされた場合、出根、発芽を全く抑えることができ
ないため、市場で数日放置されただけで芽が伸び、おが
くずに根を張り、商品性が失われている状態が見受けら
れる。店頭での販売では、変色防止のため真空パックさ
れている。この場合例え冷蔵ケースに陳列されていたと
しても、山芋の呼吸を完全に止めることはできず、酸素
不足のため山芋は無気呼吸を行いアルコール、アセトア
ルデヒドを生成し、劣化が早まることになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、鮮度
保持用の有孔合成樹脂フィルムからなる袋を使用して、
おがくず無しでも、産地から出荷後の山芋の鮮度を、夏
場の常温、例えば30℃以上の高温で保管された場合、
また冷蔵室内の様に低温で保管された場合でも、通常の
おがくず詰で包装された山芋以上の品質を保持できる包
装体、つまり根と芽の成長を抑え、変色を防ぐことので
きる包装体を提供する点にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、山芋1kgあ
たりの酸素透過量が150〜600cc/24h・atmである
袋に山芋を包装し、20〜35℃以上で保存した際、1
〜15日後の包装体内の酸素濃度が1〜9%、二酸化炭
素濃度が20%以下にすることを特徴とする山芋の包装
体である。
【0005】本発明は、山芋の包装に適度な酸素透過性
を有する合成樹脂フィルムよりなり、山芋の呼吸によっ
て排出される二酸化炭素を利用して袋内のガス濃度を低
酸素、高二酸化炭素状態にすることによって山芋の呼吸
を抑え、鮮度を保持する、いわゆるMA(Modified Ato
mosphere)効果を有する袋を用いることを特徴とする包
装体である。本発明に用いる包装袋はMA効果を得るた
めに、袋を密封する必要があるが、その方法はヒートシ
ール、結束帯、輪ゴム、かしめ等どんな方法でもなんら
差し支えない。
【0006】本発明に用いる包装袋の材質としては、青
果物の包装に用いることのできるものであればどのよう
なものであってもなんら差し支えないが、一般には無延
伸ポリプロピレン、延伸ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル等が用いられるが、これ以外のポリ
アミド、ポリエステル、ポリカーボネイト等のフィル
ム、さらにはこれらの複合フィルムであってもよく、さ
らには、これらのフィルム表面にシーラント層を設けた
ものでも、防曇処理したフィルムであってもなんら差し
支えない。また、これらのフィルムの厚さは通常20μ
m〜60μmのものが用いられる。さらに、これらのフ
ィルムは透明であっても良く、また表面に印刷を付した
ものであってもなんら差し支えない。
【0007】また本発明に用いる包装袋の材質として
は、低密度ポリエチレン等の単層のフィルムでも十分な
酸素透過量が得られるので適正なMA状態にすることが
できるが、自動包装化したときの機械特性、山芋を包装
したときの袋の強度などを考えると、ポリエチレンテレ
フタレートやナイロン等の様にガスバリアー性の高いフ
ィルムとのラミネートフィルムを用いる必要も出てく
る。この場合はフィルムに平均孔径10〜150μmの
の微孔を開けることにより、山芋の保存に必要な酸素透
過量に調整することもできる。上記微孔に関しては、そ
の平均孔径が10μm未満であると加工が困難であり、
平均孔径が150μmを越えると1パックあたりの孔数
が少なくなるために、袋内のガス組成の調節が難しくな
り、バランス的に10〜100μmが好ましい。
【0008】山芋の品質は表皮の変色、出根、発芽が進
むにつれて低下し、葉物野菜(ほうれん草、キャベツ
等)の様に水濡れによる腐敗が発生するということは普
通起こらない。このため山芋は変色の原因となる水分の
損失を防ぐためと、MA包装によって出根、発芽を抑え
るために合成樹脂フィルムを用いることが非常に有効で
あるといえる。劣化した山芋については発芽した部分は
切り捨てる等して販売可能な限りは価格を下げて取引が
行われている。つまり色が白い状態で保たれ、出根と発
芽が抑えられるほど商品価値が高いということである。
【0009】山芋1kgあたりの酸素透過量を150cc未
満にすると30℃のような高温にさらされた場合に山芋
は酸素不足によって無気呼吸を行いアルコールを発生し
てしまう。逆に山芋1kgあたりの酸素透過量が600cc
を越えると、山芋の呼吸を抑えることができず、山芋の
出根、発芽は全く抑えられない。このため山芋の保存に
は包装体の酸素透過量を山芋1kgあたり150〜600
cc/24h・atmに調節しなくてはならない。
【0010】山芋の品質の劣化は特に20℃以上の環境
におかれた場合に著しい。そこで本発明では20℃以上
の高温での山芋の鮮度保持に主眼をおき、しかも20℃
未満でも現状のおがくず詰めの山芋と同等以上の品質を
保つことが可能な包装体を開発した。山芋を20℃以上
で保存したときの袋内の酸素濃度が9%越えると、山芋
の呼吸は抑制されず出根、発芽も抑えられない。逆に袋
内の酸素濃度が1%未満になると、無気呼吸によって異
臭が発生する。このため山芋の保存には袋内の酸素濃度
を1〜9%に調整しなくてはならない。炭酸ガスに関し
ては、炭酸ガス障害が起こらないようにするために袋内
の濃度を20%以下にする必要がある。本発明に用いる
包装体には、山芋の水分損失とそれに伴う表皮の変色を
防ぐために水蒸気透過率が40g/24h・m2・0.1mm(JIS
Z 0208,40℃,90% RH)以下の合成樹脂フィルム、更
に好ましくは20g/24h・m2・0.1mm(JIS Z 0208,40
℃,90% RH)を用いることが望ましい。
【0011】一般に産地で行われているように5℃程度
の冷蔵室に保存されれば山芋は変色、出根、発芽等が抑
えられるが、一般に常温で輸送されるため、既にこの段
階で出根や発芽が起こっていることがある。そこで山芋
を産地で保冷庫に入れる前あるいは出荷直前に、本発明
の包装体では効果的に防ぐことができる。同様に市場で
常温に放置されるような場合でも、本発明の包装袋によ
って山芋の劣化を防ぐことができる。本発明の包装体で
山芋をあらかじめ出荷用に包装し、出荷まで低温で保存
しても何等差し支えない。さらに、本発明の酸素透過量
の袋で包装した山芋を10℃、5℃以下のような低温に
保存した場合も、山芋の変色、出根、発芽は抑えられる
ため、実際の流通温度を考えると非常に実用的であると
いえる。つまり、山芋が冷蔵設備の無いトラックで輸送
されたり、冷蔵トラックで輸送された場合でも、市場で
コールドチェーンが切れて常温にさらされた後に冷蔵庫
に保存されるような場合でも、山芋を十分な品質で保持
できる。従来行われているようにおがくずと共に芋を詰
めた場合、小売り用の包装をするときに芋に着いたおが
くずを除くために洗浄が必要になるが、本発明の包装体
ではその作業を省略することができる。小売り用の個包
装についても、本発明の包装体と低温により、異臭も発
生しない高品質の山芋を販売できる。
【0012】
【実施例】
《実施例1》サイズ、縦800mm、横400mmで140
0cc/袋・24h・atmの酸素透過量の厚さ50μmのポリ
エチレンテレフタレートとポリエチレンのラミネートフ
ィルム製の袋に山芋5kgを詰めて密封し30℃で2週間
保存した。そのときの保存期間1週間及び2週間の山芋
の品質評価の結果を表1に示す。 《実施例2》袋の酸素透過量が800cc/袋・24h・atm
である以外は実施例1と同様に、山芋を2週間保存し
た。そのときの山芋の品質評価の結果を表1に示す。 《実施例3》袋の酸素透過量が2800cc/袋・24h・a
tmである以外は実施例1と同様に、山芋を2週間保存し
た。そのときの山芋の品質評価の結果を表1に示す。
【0013】《比較例1》段ボール箱内にPE製の袋を
セットし、その中に山芋5kgをおがくずで埋めるように
いれた。袋の口は折り畳み、段ボール箱の蓋を閉じ、3
0℃で2週間保存した。そのときの山芋の品質評価の結
果を表1に示す。 《比較例2》使用した袋の酸素透過量が500cc/袋・
24h・atmである以外は、実施例1と同様に山芋を2週間
保存した。そのときの山芋の品質評価の結果を表1に示
す。 《比較例3》使用した袋の酸素透過量が3500cc/袋
・24h・atmである以外は、実施例1と同様に山芋を2週
間保存した。そのときの山芋の品質評価の結果を表1に
示す。
【0014】 表 1 実 施 例 比 較 例 1 2 3 1 2 3 変 色 ○ ○ ○ △ ○ ○ ○ ○ ○ △ ○ ○ 出根・発芽 ○ ○ ○ × ○ × ○ ○ ○ × ○ × 臭 気 ○ ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ ○ × ○ 袋内酸素濃度 3.3 1.3 8.7 19.2 0.24 15.5 (%) 2.9 1.1 6.5 19.2 0.19 13.5 袋内二酸化炭素濃度 17.0 17.8 12.2 1.0 26.0 2.1 (%) 18.1 18.5 14.3 1.1 32.4 3.6 註:上段は保存期間1週間目、下段は保存期間2週間目の評価・測定値 変色; ○は変色なし、 △はやや変色、 ×は著しい変色 出根・発芽及び臭気; ○はなし、×はあり
【0015】
【発明の効果】以上説明に示すとおり、本発明の山芋の
鮮度保持用包装体を用いて包装した山芋は、現状のおが
くず詰めの包装形態の山芋よりも、変色、出根、発芽等
が抑えられる等、山芋が高品質で保たれる。さらに、お
がくずが不必要となるため、その入手、保管場所の確
保、廃棄の必要が無くなる。同じ理由から包装体の重量
が約半分となるため取り扱いが容易となる。さらには、
流通時にはトラックの積載重量の制限の関係で、スペー
ス的には余裕があるまま輸送されているのを、本発明の
包材を用いることにより、より多くの芋を一度に積載で
きるようになるため、輸送コストの節約にもなる。おが
くず詰めで出荷された山芋は、小売り段階で店頭に並ぶ
際は、店のバックヤードでおがくずを落とすために改め
て芋を洗浄しなくてはならないが、本発明の包装体を用
いれば、この行程も不要となる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 山芋1kgあたりの酸素透過量が150
    〜600cc/24h・atmである袋に山芋を包装し、20〜
    35℃で保存した際、1〜15日後の包装体内の酸素濃
    度が1〜9%、二酸化炭素濃度が20%以下にすること
    を特徴とする山芋の包装体。
JP32550495A 1995-12-14 1995-12-14 山芋の包装体 Pending JPH09163926A (ja)

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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040629