JPH0915883A - 電子写真感光体 - Google Patents
電子写真感光体Info
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- JPH0915883A JPH0915883A JP16106195A JP16106195A JPH0915883A JP H0915883 A JPH0915883 A JP H0915883A JP 16106195 A JP16106195 A JP 16106195A JP 16106195 A JP16106195 A JP 16106195A JP H0915883 A JPH0915883 A JP H0915883A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 TiOPcを含む電荷発生層の特性を改善す
ることにより、電荷保持能力等を向上させるとともに、
広範囲の感度調整を可能にする。 【構成】 本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持
体上に、TiOPcを含む電荷発生層が設けられ、この
電荷発生層上に電荷輸送層が設けられてなるものを改良
したものである。すなわち、前記電荷発生層が、以下の
構造式1に示すペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料を含むことを
特徴とするものである。 【化1】
ることにより、電荷保持能力等を向上させるとともに、
広範囲の感度調整を可能にする。 【構成】 本発明に係る電子写真感光体は、導電性支持
体上に、TiOPcを含む電荷発生層が設けられ、この
電荷発生層上に電荷輸送層が設けられてなるものを改良
したものである。すなわち、前記電荷発生層が、以下の
構造式1に示すペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料を含むことを
特徴とするものである。 【化1】
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機,プリンタ,フ
ァクシミリ等の電子写真装置に用いられる電子写真感光
体(以下、単に「感光体」という。)に関する。
ァクシミリ等の電子写真装置に用いられる電子写真感光
体(以下、単に「感光体」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真プロセスは、光導電性を有する
感光体の表面にコロナ放電などで電荷を帯電させた後、
画像露光を行い静電潜像を形成させ、トナーによる現像
で可視化することにより画像形成を行うプロセスであ
る。このプロセスに用いる感光体は、暗所で優れた帯電
能力を有するとともに、帯電した電荷を光照射によって
速やかに消失する能力を有することが必要である。
感光体の表面にコロナ放電などで電荷を帯電させた後、
画像露光を行い静電潜像を形成させ、トナーによる現像
で可視化することにより画像形成を行うプロセスであ
る。このプロセスに用いる感光体は、暗所で優れた帯電
能力を有するとともに、帯電した電荷を光照射によって
速やかに消失する能力を有することが必要である。
【0003】従来より感光体は、Se、CdS、ZnO
などの無機光導電性化合物を主成分としてきたが、生産
性や有害性などの問題があった。これらの問題点を克服
するために有機光導電性物質を主成分とした感光体の開
発が盛んに行われ、実用化されている。また、有機光導
電性物質は、分子構造や結晶形を変えることにより、無
機感光体では困難であった近赤外波長域の感度を付与で
きる。そのため、有機光導電性物質を用いた感光体は、
近赤外波長域に発振波長を有する半導体レーザーを光源
としたデジタル方式の電子写真プロセス用としても、非
常に重要である。
などの無機光導電性化合物を主成分としてきたが、生産
性や有害性などの問題があった。これらの問題点を克服
するために有機光導電性物質を主成分とした感光体の開
発が盛んに行われ、実用化されている。また、有機光導
電性物質は、分子構造や結晶形を変えることにより、無
機感光体では困難であった近赤外波長域の感度を付与で
きる。そのため、有機光導電性物質を用いた感光体は、
近赤外波長域に発振波長を有する半導体レーザーを光源
としたデジタル方式の電子写真プロセス用としても、非
常に重要である。
【0004】有機光導電性物質を用いた感光体は、アル
ミニウム支持体上に、電荷発生材料を含む塗料及び電荷
輸送材料を含む塗料を順次塗布し乾燥して電荷発生層及
び電荷輸送層を形成した機能分離型の積層型感光体とし
て広く用いられている。
ミニウム支持体上に、電荷発生材料を含む塗料及び電荷
輸送材料を含む塗料を順次塗布し乾燥して電荷発生層及
び電荷輸送層を形成した機能分離型の積層型感光体とし
て広く用いられている。
【0005】特に近年、近赤外波長域に非常に優れた感
度を有するオキソチタニウムフタロシアニン(以下、
「TiOPc」という。)が注目され、感光体の電荷発
生材料として実用化されている。TiOPcを電荷発生
層に用いた感光体の大部分は、正孔輸送層と組み合わせ
た負帯電積層型感光体である。
度を有するオキソチタニウムフタロシアニン(以下、
「TiOPc」という。)が注目され、感光体の電荷発
生材料として実用化されている。TiOPcを電荷発生
層に用いた感光体の大部分は、正孔輸送層と組み合わせ
た負帯電積層型感光体である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したTiOPcを
用いた感光体は、TiOPcのイオン化ポテンシャルが
小さい(5.24eV:理研計器製表面分析装置AC−
1による測定結果)ためアルミニウム支持体からの正孔
の注入が起きやすく、感光体の電荷保持能力が低くなり
やすい。そこで、アルミニウム支持体からの正孔注入を
制御する方法として、アルミニウム支持体と電荷発生層
との間に中間層を設けることが多い。
用いた感光体は、TiOPcのイオン化ポテンシャルが
小さい(5.24eV:理研計器製表面分析装置AC−
1による測定結果)ためアルミニウム支持体からの正孔
の注入が起きやすく、感光体の電荷保持能力が低くなり
やすい。そこで、アルミニウム支持体からの正孔注入を
制御する方法として、アルミニウム支持体と電荷発生層
との間に中間層を設けることが多い。
【0007】上記の中間層としては、ポリアミド樹脂、
アクリレート樹脂、ポリウレタンなどで形成される下引
き層や、アルミニウム支持体の表面を陽極酸化して形成
される酸化皮膜が、単層又は積層として用いられてい
る。しかし、下引き層は、温湿度変化に伴う抵抗値の変
化が大きいという欠点を有する。酸化皮膜は、膜厚が薄
いと正孔注入の制御が不十分となり、膜厚が厚いと感光
体の残留電位が高くなるという欠点を有する。
アクリレート樹脂、ポリウレタンなどで形成される下引
き層や、アルミニウム支持体の表面を陽極酸化して形成
される酸化皮膜が、単層又は積層として用いられてい
る。しかし、下引き層は、温湿度変化に伴う抵抗値の変
化が大きいという欠点を有する。酸化皮膜は、膜厚が薄
いと正孔注入の制御が不十分となり、膜厚が厚いと感光
体の残留電位が高くなるという欠点を有する。
【0008】そこで、本発明の第一の目的は、中間層の
特性に頼らずに、TiOPcを含む電荷発生層の特性を
改善することにより、電荷保持能力等を向上させた感光
体を提供することにある。
特性に頼らずに、TiOPcを含む電荷発生層の特性を
改善することにより、電荷保持能力等を向上させた感光
体を提供することにある。
【0009】ところで、現在の電子写真プロセスは、高
速化又は高解像度化に関する進歩が著しい。デジタル方
式の電子写真プロセスでは、高速化又は高解像度化に伴
い1ドットの露光時間が短くなる。すなわち、同じ光源
を用いて電子写真装置を高速化又は高解像度化した場
合、必然的に1ドットあたりの露光量が少なくなるた
め、感光体の高感度化が求められる。TiOPcは、実
用化されている多くの電荷発生材料と比較して、非常に
高感度であるため、高速かつ高解像度の電子写真装置の
感光体として非常に適している。
速化又は高解像度化に関する進歩が著しい。デジタル方
式の電子写真プロセスでは、高速化又は高解像度化に伴
い1ドットの露光時間が短くなる。すなわち、同じ光源
を用いて電子写真装置を高速化又は高解像度化した場
合、必然的に1ドットあたりの露光量が少なくなるた
め、感光体の高感度化が求められる。TiOPcは、実
用化されている多くの電荷発生材料と比較して、非常に
高感度であるため、高速かつ高解像度の電子写真装置の
感光体として非常に適している。
【0010】しかしながら、TiOPcの有する高感度
という性質は、照射光量の高い半導体レーザーを光源と
し、かつ印字速度の遅い電子写真装置では、画像がつぶ
れやすいという問題を引き起こす。すなわち、TiOP
cを用いた感光体をこのような電子写真装置で使用する
ためには、その感光体の感度をある程度調整する必要が
ある。
という性質は、照射光量の高い半導体レーザーを光源と
し、かつ印字速度の遅い電子写真装置では、画像がつぶ
れやすいという問題を引き起こす。すなわち、TiOP
cを用いた感光体をこのような電子写真装置で使用する
ためには、その感光体の感度をある程度調整する必要が
ある。
【0011】一般的に、積層型感光体の感度調整は電荷
発生層の膜厚の制御によって行われる。これは単純に電
荷発生材料の量を制御することであり、電荷発生層の膜
厚が、薄いと低感度に、厚いと高感度になる。しかしな
がら、このような方法で感度調整できる範囲は比較的狭
い。なぜならば、極端に薄い膜厚は、均一に塗布するこ
とが困難であため、電荷発生材料の無い部分が生じるこ
とがあるからである。。また、電荷発生層を極端に厚く
しても、照射光が電荷発生層の表面近傍で吸収されるた
め高感度化にはならないからである。なおかつ電荷発生
層を厚くすること、すなわち、電荷発生材料の量を増や
すことは、電荷発生材料の熱励起による発生電荷量を増
やすことにつながり、感光体の電荷保持率が低下するか
らである。
発生層の膜厚の制御によって行われる。これは単純に電
荷発生材料の量を制御することであり、電荷発生層の膜
厚が、薄いと低感度に、厚いと高感度になる。しかしな
がら、このような方法で感度調整できる範囲は比較的狭
い。なぜならば、極端に薄い膜厚は、均一に塗布するこ
とが困難であため、電荷発生材料の無い部分が生じるこ
とがあるからである。。また、電荷発生層を極端に厚く
しても、照射光が電荷発生層の表面近傍で吸収されるた
め高感度化にはならないからである。なおかつ電荷発生
層を厚くすること、すなわち、電荷発生材料の量を増や
すことは、電荷発生材料の熱励起による発生電荷量を増
やすことにつながり、感光体の電荷保持率が低下するか
らである。
【0012】そこで、本発明の第二の目的は、TiOP
cを含む電荷発生層の広範囲の感度調整を可能にするこ
とにより、さまざまな電子写真装置で良好な画像が得ら
れる感光体を提供することにある。
cを含む電荷発生層の広範囲の感度調整を可能にするこ
とにより、さまざまな電子写真装置で良好な画像が得ら
れる感光体を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性支持体
上に、TiOPcを含む電荷発生層が設けられ、この電
荷発生層上に電荷輸送層が設けられてなる感光体を改良
したものである。すなわち、前記電荷発生層が、以下の
構造式1に示すペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料を含むことを
特徴とするものである。
上に、TiOPcを含む電荷発生層が設けられ、この電
荷発生層上に電荷輸送層が設けられてなる感光体を改良
したものである。すなわち、前記電荷発生層が、以下の
構造式1に示すペリレン−3,4,9,10−テトラカ
ルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料を含むことを
特徴とするものである。
【化2】
【0014】導電性支持体としては、例えばアルミニウ
ム(アルミニウム合金を含む)支持体が適当である。そ
して、アルミニウム支持体上に、例えば、TiOPcと
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス
(フェネチルイミド)顔料とを混合してバインダー樹脂
中に分散した電荷発生層を形成することにより、感光体
に高い電荷保持能力を付与できる。
ム(アルミニウム合金を含む)支持体が適当である。そ
して、アルミニウム支持体上に、例えば、TiOPcと
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス
(フェネチルイミド)顔料とを混合してバインダー樹脂
中に分散した電荷発生層を形成することにより、感光体
に高い電荷保持能力を付与できる。
【0015】このとき用いるバインダー樹脂としては、
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホマール、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、フェノール樹脂
等があり、これらを単独又は2種以上組み合わせて用い
ることができる。
ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルホマール、ポリエステル、ポリウレタ
ン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、フェノール樹脂
等があり、これらを単独又は2種以上組み合わせて用い
ることができる。
【0016】電荷発生層は、ペリレン−3,4,9,1
0−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔
料、TiOPc及びバインダー樹脂を、トルエン、キシ
レン、モノクロルベンゼン、メチルアルコール、エチル
アルコール、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロ
フラン、シクロヘキサン等の溶媒に溶解又は分散して塗
料を作成し、この塗料をアルミニウム支持体上又はアル
ミニウム支持体上に形成された中間層上に塗布すること
により形成する。このとき用いる溶媒は、トルエン、キ
シレン、モノクロルベンゼン、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒド
ロフラン、シクロヘキサン等が用いられ、これらの溶媒
は単独又は混合して用いられる。これらの塗布方法は、
スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、
バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等
公知の手法が用いられる。電荷発生層の膜厚は好ましく
は0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜2μm程
度が適当である。
0−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔
料、TiOPc及びバインダー樹脂を、トルエン、キシ
レン、モノクロルベンゼン、メチルアルコール、エチル
アルコール、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒドロ
フラン、シクロヘキサン等の溶媒に溶解又は分散して塗
料を作成し、この塗料をアルミニウム支持体上又はアル
ミニウム支持体上に形成された中間層上に塗布すること
により形成する。このとき用いる溶媒は、トルエン、キ
シレン、モノクロルベンゼン、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、酢酸エチル、塩化メチレン、テトラヒド
ロフラン、シクロヘキサン等が用いられ、これらの溶媒
は単独又は混合して用いられる。これらの塗布方法は、
スピンコーター、アプリケーター、スプレーコーター、
バーコーター、ディップコーター、ドクターブレード等
公知の手法が用いられる。電荷発生層の膜厚は好ましく
は0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜2μm程
度が適当である。
【0017】ペリレン−3,4,9,10−テトラカル
ボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料はイオン化ポテ
ンシャルが適当に高く(5.50eV:理研計器製表面
分析装置AC−1による測定結果)、この顔料を電荷発
生層に含むことにより、アルミニウム支持体からの正孔
注入量を低減することができ、結果として感光体の電荷
保持能力が向上する。
ボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料はイオン化ポテ
ンシャルが適当に高く(5.50eV:理研計器製表面
分析装置AC−1による測定結果)、この顔料を電荷発
生層に含むことにより、アルミニウム支持体からの正孔
注入量を低減することができ、結果として感光体の電荷
保持能力が向上する。
【0018】また、ペリレン−3,4,9,10−テト
ラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料は、Ti
OPcと比較して近赤外波長領域にほとんど感度を持た
ないため、電荷発生層中のペリレン−3,4,9,10
−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料と
TiOPcとの混合比を変えることにより、広範囲にわ
たって感度調整が行える。
ラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料は、Ti
OPcと比較して近赤外波長領域にほとんど感度を持た
ないため、電荷発生層中のペリレン−3,4,9,10
−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料と
TiOPcとの混合比を変えることにより、広範囲にわ
たって感度調整が行える。
【0019】電荷発生層の上に形成される電荷輸送層
は、電荷輸送材料とこれらを分散固定するためのバイン
ダー樹脂とを溶媒中に溶解又は分散して構成される電荷
輸送層用塗料を塗工することにより形成される。電荷輸
送層用塗料には、酸化防止剤、表面潤滑剤、紫外線吸収
剤等の添加剤を用いることができる。電荷輸送材料は、
ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ピレン
−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリシラン
及びその誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミ
ン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導
体、ベンジジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン
誘導体、ブタジエン誘導体等公知の材料が挙げられる。
電荷輸送材料は1種又は2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。電荷輸送材料を分散固定するためのバイン
ダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホマール、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、フェノール樹脂等が用いられる。これらの樹脂は1
種又は2種以上組み合わせて用いることができる。溶媒
は、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、メチル
アルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、塩化メチ
レン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン等が用いら
れる。これらの溶媒も単独又は混合して用いられる。電
荷輸送層の膜厚は5〜40μm好ましくは15〜25μ
m程度が適当である。電荷輸送層の塗工方法は、スピン
コーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコ
ーター、ディップコーター、ドクターブレード等公知の
手法が用いられる。
は、電荷輸送材料とこれらを分散固定するためのバイン
ダー樹脂とを溶媒中に溶解又は分散して構成される電荷
輸送層用塗料を塗工することにより形成される。電荷輸
送層用塗料には、酸化防止剤、表面潤滑剤、紫外線吸収
剤等の添加剤を用いることができる。電荷輸送材料は、
ポリ−N−ビニルカルバゾール及びその誘導体、ピレン
−ホルムアルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリシラン
及びその誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾー
ル誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミ
ン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導
体、ベンジジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ヒドラゾン
誘導体、ブタジエン誘導体等公知の材料が挙げられる。
電荷輸送材料は1種又は2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。電荷輸送材料を分散固定するためのバイン
ダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホマール、ポリエス
テル、ポリウレタン、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、フェノール樹脂等が用いられる。これらの樹脂は1
種又は2種以上組み合わせて用いることができる。溶媒
は、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、メチル
アルコール、エチルアルコール、酢酸エチル、塩化メチ
レン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン等が用いら
れる。これらの溶媒も単独又は混合して用いられる。電
荷輸送層の膜厚は5〜40μm好ましくは15〜25μ
m程度が適当である。電荷輸送層の塗工方法は、スピン
コーター、アプリケーター、スプレーコーター、バーコ
ーター、ディップコーター、ドクターブレード等公知の
手法が用いられる。
【0020】
【実施例】図1は、本発明に係る感光体の一実施例を示
す部分断面図である。図1において、感光体10は、ア
ルミニウム支持体11と、アルミニウム支持体11の上
に塗布された中間層12と、中間層12の上に塗布され
た電荷発生層13と、電荷発生層13の上に塗布された
電荷輸送層14とから構成されている。
す部分断面図である。図1において、感光体10は、ア
ルミニウム支持体11と、アルミニウム支持体11の上
に塗布された中間層12と、中間層12の上に塗布され
た電荷発生層13と、電荷発生層13の上に塗布された
電荷輸送層14とから構成されている。
【0021】〔実施例1〕図2に示した赤外吸収スペク
トルを持つオキソチタニウムフタロシアニン1重量部、
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス
(フェネチルイミド)顔料1重量部及びポリビニルブチ
ラール2重量部を、テトラヒドロフラン96重量部とと
もにボールミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を
作成した。
トルを持つオキソチタニウムフタロシアニン1重量部、
ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス
(フェネチルイミド)顔料1重量部及びポリビニルブチ
ラール2重量部を、テトラヒドロフラン96重量部とと
もにボールミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を
作成した。
【0022】以下の構造式2に示す電荷輸送材料20重
量部及びポリカーボネイト(Z−200,三菱瓦斯化
学)20重量部を、塩化メチレン60重量部に溶解して
電荷輸送層用塗料を作成した。
量部及びポリカーボネイト(Z−200,三菱瓦斯化
学)20重量部を、塩化メチレン60重量部に溶解して
電荷輸送層用塗料を作成した。
【化3】 アルミニウム支持体表面を陽極酸化することにより中間
層として機能する酸化皮膜(7μm)を形成したアルミ
ニウム支持体上に、電荷発生層用塗料及び電荷輸送層用
塗料を順次浸漬塗工し、電荷発生層(0.2μm)及び
電荷輸送層(20μm)を形成し積層型感光体を製作し
た。
層として機能する酸化皮膜(7μm)を形成したアルミ
ニウム支持体上に、電荷発生層用塗料及び電荷輸送層用
塗料を順次浸漬塗工し、電荷発生層(0.2μm)及び
電荷輸送層(20μm)を形成し積層型感光体を製作し
た。
【0023】この感光体について、半減露光感度、帯電
から5秒後の電荷保持率及び残留電位を静電帯電試験装
置(川口電機製EPA8200)によって評価した。
から5秒後の電荷保持率及び残留電位を静電帯電試験装
置(川口電機製EPA8200)によって評価した。
【0024】〔実施例2〕
【0025】図2に示した赤外吸収スペクトルを持つオ
キソチタニウムフタロシアニン0.5重量部、プリレン
−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネ
チルイミド)顔料1.5重量部及びポリビニルブチラー
ル2重量部を、テトラヒドロフラン96重量部とともに
ボールミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を作成
した。これ以外は、実施例1と同様に積層型感光体を製
作し、実施例1と同様の評価を行った。
キソチタニウムフタロシアニン0.5重量部、プリレン
−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネ
チルイミド)顔料1.5重量部及びポリビニルブチラー
ル2重量部を、テトラヒドロフラン96重量部とともに
ボールミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を作成
した。これ以外は、実施例1と同様に積層型感光体を製
作し、実施例1と同様の評価を行った。
【0026】〔実施例3〕
【0027】図2に示した赤外吸収スペクトルを持つオ
キソチタニウムフタロシアニン1.5重量部、ペリレン
−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネ
チルイミド)顔料0.5重量部及びポリビニルブチラー
ル2重量部を、テトラヒドロフラン96重量部とともに
ボールミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を作成
した。これ以外は、実施例1と同様に積層型感光体を製
作し、実施例1と同様の評価を行った。
キソチタニウムフタロシアニン1.5重量部、ペリレン
−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネ
チルイミド)顔料0.5重量部及びポリビニルブチラー
ル2重量部を、テトラヒドロフラン96重量部とともに
ボールミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を作成
した。これ以外は、実施例1と同様に積層型感光体を製
作し、実施例1と同様の評価を行った。
【0028】〔実施例4〕
【0029】構造式2の電荷輸送材料に変えて、以下に
示す構造式3の電荷輸送材料を用いた。これ以外は、実
施例1と同様に積層型感光体を製作し、実施例1と同様
の評価を行った。
示す構造式3の電荷輸送材料を用いた。これ以外は、実
施例1と同様に積層型感光体を製作し、実施例1と同様
の評価を行った。
【化4】
【0030】〔比較例1〕
【0031】ペリレン−3,4,9,10−テトラカル
ボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料を用いずに、図
2に示した赤外吸収スペクトルを持つオキソチタニウム
フタロシアニン2重量部及びポリビニルブチラール2重
量部を、テトラヒドロフラン96重量部とともにボール
ミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を作成した。
これ以外は、実施例1と同様に積層型感光体を製作し、
実施例1と同様の評価を行った。
ボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料を用いずに、図
2に示した赤外吸収スペクトルを持つオキソチタニウム
フタロシアニン2重量部及びポリビニルブチラール2重
量部を、テトラヒドロフラン96重量部とともにボール
ミルで24時間分散して電荷発生層用塗料を作成した。
これ以外は、実施例1と同様に積層型感光体を製作し、
実施例1と同様の評価を行った。
【0032】〔比較例2〕
【0033】電荷発生層の膜厚を0.1μmとした以外
は比較例1と同様に積層型感光体を製作し、実施例1と
同様の評価を行った。
は比較例1と同様に積層型感光体を製作し、実施例1と
同様の評価を行った。
【0034】実施例1〜4及び比較例1,2における評
価結果を図3に示す。実施例1〜4の感光体は、ペリレ
ン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェ
ネチルイミド)顔料を含まない比較例1,2の感光体と
比較して、電荷保持率が大きく改善されている。また、
実施例1〜3の感光体の評価結果は、電荷発生層中のペ
リレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス
(フェネチルイミド)顔料とTiOPcとの混合比を変
えることにより、広範囲にわたって感度を調整できるこ
とを示している。
価結果を図3に示す。実施例1〜4の感光体は、ペリレ
ン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェ
ネチルイミド)顔料を含まない比較例1,2の感光体と
比較して、電荷保持率が大きく改善されている。また、
実施例1〜3の感光体の評価結果は、電荷発生層中のペ
リレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス
(フェネチルイミド)顔料とTiOPcとの混合比を変
えることにより、広範囲にわたって感度を調整できるこ
とを示している。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る感光
体は、TiOPcを含む電荷発生層にペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイ
ミド)顔料を含ませたことにより、導電性支持体からの
正孔注入を十分に制御できるので、電荷保持能力を向上
できる。しかも、電荷発生層中のペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミ
ド)顔料とTiOPcとの混合比を変えることにより、
広範囲にわたって感度を調整できるので、さまざまな電
子写真装置で良好な画像が得ることができる。
体は、TiOPcを含む電荷発生層にペリレン−3,
4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイ
ミド)顔料を含ませたことにより、導電性支持体からの
正孔注入を十分に制御できるので、電荷保持能力を向上
できる。しかも、電荷発生層中のペリレン−3,4,
9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミ
ド)顔料とTiOPcとの混合比を変えることにより、
広範囲にわたって感度を調整できるので、さまざまな電
子写真装置で良好な画像が得ることができる。
【図1】本発明に係る感光体の一実施例を示す部分断面
図である。
図である。
【図2】実施例1〜4及び比較例1,2で用いたオキソ
チタニウムフタロシアニンの赤外吸収スペクトルを示す
グラフである。
チタニウムフタロシアニンの赤外吸収スペクトルを示す
グラフである。
【図3】実施例1〜4及び比較例1,2の感光体につい
ての評価結果示す図表である。
ての評価結果示す図表である。
10 感光体 11 アルミニウム支持体(導電性支持体) 12 中間層 13 電荷発生層 14 電荷輸送層
Claims (4)
- 【請求項1】 導電性支持体上に、オキソチタニウムフ
タロシアニンを含む電荷発生層が設けられ、この電荷発
生層上に電荷輸送層が設けられてなる電子写真感光体に
おいて、 前記電荷発生層が、以下の構造式1に示すペリレン−
3,4,9,10−テトラカルボン酸−ビス(フェネチ
ルイミド)顔料を含むことを特徴とする電子写真感光
体。 【化1】 - 【請求項2】 前記電荷発生層が、前記オキソチタニウ
ムフタロシアニン及び前記ペリレン−3,4,9,10
−テトラカルボン酸−ビス(フェネチルイミド)顔料
を、バインダー樹脂中に分散させたものであることを特
徴とする請求項1記載の電子写真感光体。 - 【請求項3】 前記電荷発生層が、0.05〜5μmの
膜厚を有することを特徴とする請求項2記載の電子写真
感光体。 - 【請求項4】 前記バインダー樹脂が、ポリビニルブチ
ラールであることを特徴とする請求項2記載の電子写真
感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7161061A JP2746209B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 電子写真感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7161061A JP2746209B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 電子写真感光体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0915883A true JPH0915883A (ja) | 1997-01-17 |
JP2746209B2 JP2746209B2 (ja) | 1998-05-06 |
Family
ID=15727874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7161061A Expired - Fee Related JP2746209B2 (ja) | 1995-06-27 | 1995-06-27 | 電子写真感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2746209B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0713355A (ja) * | 1993-06-21 | 1995-01-17 | Ricoh Co Ltd | 積層型電子写真感光体及びその製造方法 |
-
1995
- 1995-06-27 JP JP7161061A patent/JP2746209B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0713355A (ja) * | 1993-06-21 | 1995-01-17 | Ricoh Co Ltd | 積層型電子写真感光体及びその製造方法 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2746209B2 (ja) | 1998-05-06 |
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