JP2003066640A - 感光体および画像形成装置 - Google Patents
感光体および画像形成装置Info
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Abstract
ツキがなくなった高耐久性、高性能、高信頼性の感光体
を提供する。 【解決手段】導電性支持体2上に有機感光層3と表面保
護層4とを順次積層した感光体1であって、有機感光層
3の表面保護層4との接触面がX線光電子分光分析法に
よる結合エネルギ−291.0eVのピ−ク強度Aと結
合エネルギ−284.8eVのピ−ク強度Bにて0.0
3≦A/B≦0.3である
Description
層上に無機質材からなる表面保護層を形成してなる感光
体ならびに画像形成装置に関するものである。
した、いわゆるOPC感光体(有機感光体)は高い帯電
性が得られ、暗減衰が小さく、さらに長波長に対し優れ
た光感度が得られるという点で幅広く使用されている。
しかも、OPC感光体を使用するに当って、それを加熱
するヒーターを使用しないという利点もある。
は、その表面の硬度が小さく、耐久性に劣るという課題
がある。
に炭素又は炭素を主成分とする高い硬度の耐磨耗性の被
膜を積層する技術が提示されている(特公平7−272
68号、特公平7−122757号、特開平1−861
58号、特開平1−227161号、特許第28188
81号、特許第2818882号および特許第2979
070号参照)。
表面保護層を被覆するに当たっては、下記のような特性
が求められる。
射光量が充分に確保できる)。 表面に傷を受けない
程度の高硬度を有する。 有機感光層との接着性に優
れ、複写機内での実使用において、機械的接触あるいは
温湿度の変化等により剥離しない。 無害である。
有機感光層との電気的整合性に優れ、残留電位、メモ
リー現象、さらには不整合界面での電荷の横流れ(画像
流れ)が発生しない。 高温高湿の条件下において、画像品位が劣化せず、所
謂、画像流れが発生しない。 有機感光層は、耐熱性
に乏しい化合物からなることで、その上の被膜を常温及
至100℃にておこない、有機感光層を熱劣化させな
い。
な技術開発がおこなわれている。たとえば、酸素原子を
含有する炭化水素化合物を用いることで、そのプラズマ
有機重合膜が得られることから、それでもって有機感光
層上に表面保護層として積層し、これによって接着性、
電気的整合性ならびに耐環境性を高める技術が提案され
ている(特公平7−27268号参照)。
代わりにハロゲン原子を含有させても同等の効果が得ら
れることが提案されている(特公平7−122757号
参照)。
ゲン原子と酸素原子とを含有してなる非晶質炭化水素膜
でもって構成し、これにより、耐湿性を改善した技術が
提示されている(特開平1−86158号参照)。同公
報によれば、非晶質炭化水素膜中に含有されるハロゲン
原子の量は、全構成原子に対して0.01原子%〜50原子
%、酸素原子の量は、0.01〜20原子%である。また、硬
度については有機感光層が5B〜B、非晶質炭化水素膜
が4H程度である。
素と2原子%以上の弗素を含有するアモルファス構造の
ダイヤモンド状炭素からなる表面保護層を積層し、撥水
性を高める技術や(特許第2979070号参照)、表
面の酸素濃度が1原子%以下である有機感光層の上に、
水素を30原子%以下含有する炭素又は炭素を主成分とす
る表面保護層を積層し、これら保護層と有機系感光層と
の接着性を高める技術が提案されている(特許第281
8882号参照)。
硬度が100〜2500kg/mm2の範囲にあり、かつ有機感光層
とのビッカース硬度の差が2500 kg/mm2以下である技術
が提案されている(特許第3037165号参照)。
たような炭素を含んだ有機感光層上に表面保護層を積層
した感光体を実際使用してみると、当初予定していた感
光体特性は得られず、長期間にわたって使用すると帯電
の低下が発生し、かぶりと呼ばれる画像不良が発生して
いた。
めたところ、有機感光層上に表面保護層を積層し、有機
感光層の表面(表面保護層側)は、X線光電子分光分析
法(XPS)によって得られる結合エネルギ−291.
0eVのピ−ク強度Aと結合エネルギ−284.8eV
のピ−ク強度Bの関係が0.03≦A/B≦0.3にす
ることで電位特性の悪化の無い高耐久な感光体が得られ
ることを見出した。
あり、その目的は優れた耐刷性が得られ、さらに電位特
性のバラツキがなくなった高耐久性、高性能ならびに高
信頼性の感光体および画像形成装置を提供することにあ
る。
性支持体上に有機感光層と無機質材からなる表面保護層
とを順次積層した構成において、有機感光層の表面保護
層との接触面がX線光電子分光分析法による下記ピ−ク
強度Aとピ−ク強度Bにて0.03≦A/B≦0.3で
あることを特徴とする。
0eV(−O−CO−O−) ピ−ク強度B---結合エネルギ−284.8eV(C−
C、C−H、C=C) 本発明の画像形成装置は、本発明の感光体と、この感光
体の表面に電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領
域に対して光照射する露光手段と、これら帯電手段と露
光手段とにより感光体表面に形成された静電潜像に対し
てトナー像を感光体の表面に形成する現像手段と、上記
トナー像を被転写材に転写する転写手段と、転写後に感
光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段とを
配設したことを特徴とする。
る。図1は本発明の感光体の断面図である。同図の電子
写真感光体1において、2は導電性基板、3は有機感光
層、4は表面保護層である。
銅、黄銅、SUS、Al、Niなどの金属導電体、ある
いはガラス、セラミックなどの絶縁体の表面に導電性薄
膜を被覆したものなどがある。この導電性基板2はシー
ト状、ベルト状もしくはウェブ状可とう性導電シートで
もよく、このようなシートにはSUS、Al、Niなど
の金属シート、あるいはポリエステル、ナイロン、ポリ
イミドなどの高分子樹脂フィルムの上にAl、Niなど
の金属もしくは酸化スズ、インジウム・スズ・オキサイ
ド(ITO)などの透明導電性材料や有機導電性材料を
蒸着などにより被覆して導電処理したものを用いる。
には、電荷輸送剤を電荷発生剤とともに同一の感光層中
に分散させた単層型感光層と、電荷発生剤を含有する電
荷発生層と電荷輸送剤を含有する電荷輸送層とを積層し
た積層型感光層とがあるが、本発明はこのいずれにも適
用できる。
剤および結着樹脂を適当な有機溶媒に溶解または分散し
た塗工液を、塗布などの手段によって導電性基体上に塗
布し、乾燥させることで形成される。かかる単層型の感
光層は、層構成が簡単で生産性に優れている。
孔輸送剤のうちのいずれか一方または両方が使用でき、
とくに上記両輸送剤を併用した単層型の感光層は、単独
の構成で正負いずれの帯電にも対応できるという利点が
ある。
れぞれ電荷発生剤とのマッチングがよく、電荷発生剤で
発生した電子または正孔を引き抜いて、効率よく輸送で
きるものが望ましい。
る系では、両者が電荷移動錯体を形成して、感光層全体
での電荷輸送能の低下を引き起こし、感光体の感度が低
下するのを防止すべく、両輸送剤の組合せについても配
慮する必要がある。つまり、両輸送剤を、正孔輸送およ
び電子輸送が効率よく起こる高濃度で同一層中に含有さ
せても、層中で電荷移動錯体が形成されず、正孔輸送剤
は正孔を、電子輸送剤は電子を、それぞれ効率よく輸送
できる、電子輸送材と正孔輸送剤との組合せを選択する
のが望ましい。
上に、蒸着または塗布などの手段によって、電荷発生剤
を含有する電荷発生層を形成し、ついでこの電荷発生層
上に、電荷輸送剤と結着樹脂とを含む塗工液を、塗布な
どの手段によって塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成
することで構成される。また、上記とは逆に、導電性基
体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷発生層を形成
してもよい。
て膜厚がごく薄いため、その保護のためには、導電性基
体上に電荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成
するのが好ましい。
送層の形成順序と、電荷輸送層に使用する電荷輸送剤の
種類によって、正負いずれかの帯電型となるかが選択さ
れる。
荷発生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成した層構
成において、電荷輸送層の電荷輸送剤として正孔輸送剤
を使用した場合には、感光層は負帯電型となる。この場
合、電荷発生層には電子輸送剤を含有させてもよい。電
荷発生層に含有させる電子輸送剤としては、電荷発生剤
とのマッチングがよく、電荷発生剤で発生した電子を引
き抜いて、効率よく輸送できるものが望ましい。
の電荷輸送剤として電子輸送剤を使用した場合には、感
光層は正帯電型となる。この場合、電荷発生層には正孔
輸送剤を含有させてもよい。
輸送剤と電荷発生剤と結着樹脂とを含有する単一の層で
あり、正負いずれの帯電にも対応できるが、負極性コロ
ナ放電を用いる必要のない正帯電型で使用するのが好ま
しい。この単層型は、層構成が簡単で生産性に優れてい
ること、感光層の被膜欠陥が発生するのを抑制できるこ
と、層間の界面が少ないので光学的特性を向上できるこ
と等の利点を有する。
有させた単層型の感光層3においては、電子輸送性能を
より一層向上することができ、より高感度の感光体を得
ることができる。
着樹脂100重量部に対して、5〜100重量部の範囲
にて、好適には10〜80重量部にて含有するのがよ
い。電子輸送剤が10重量部未満の場合、残留電位が高
くなり、感度が不十分になる虞があり、500重量部を
越える場合は結晶化の可能性があり、感光体としての性
能が十分発揮されない。
生剤を含有する電荷発生層と、電荷輸送剤を含有する電
荷輸送層とをこの順で、あるいは逆の順で積層したもの
である。
く薄いため、その保護のためには導電性基体上に電荷発
生層を形成し、その上に電荷輸送層を形成するのが好ま
しい。
層との形成順序と、電荷輸送層中で使用する電荷輸送剤
の種類とによって、正負いずれの帯電型となるかが選択
される。たとえば、導電性基板の上に電荷発生層を形成
し、その上に電荷輸送層を形成した層構成において、電
荷輸送層中に電子輸送剤としてキノン誘導体のような電
子輸送剤を使用したときは、正帯電型の感光体になる。
この場合、電荷発生層には正孔輸送剤や電子輸送剤を含
有させてもよい。ここで、前記電荷輸送層に電子受容体
を含有させた場合は、電子輸送性が向上するため、より
高感度の積層型の感光体が得られる。
中の電荷輸送剤として正孔輸送剤を使用したときは負帯
電型の感光体になる。この場合、電荷発生層には電子輸
送剤や電子受容体を含有させてもよい。
結着樹脂を含む電荷発生層と、電子輸送剤を含む電荷輸
送層から構成される。積層型における電子輸送剤の配合
割合は、単層型の場合と同様の理由で、結着樹脂100
重量部に対して10〜500重量部、好適には25〜1
00重量部がよい。
積層型のいずれにも適用できるが、とくに正負いずれの
帯電型にも使用できること、構造が簡単で製造が容易で
あること、層を形成する際の皮膜欠陥を抑制できるこ
と、層間の界面が少なく、光学的特性を向上できること
等の観点から、単層型が好ましい。
いて説明する。 《電荷発生剤》種々のフタロシアニン顔料、多環キノン
顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナク
リドン顔料、アズレニウム塩顔料、スクアリリウム顔
料、シアニン顔料、ピリリウム染料、チオピリリウム染
料、キサンテン染料、キノンイムン色素、トリフェニル
メタン色素、スチリル色素、アンサンスロン系顔料、ピ
リリウム塩、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔
料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料等の有機光導
電材料、セレン、テルル、アモルファスシリコン、硫化
カドミウム等の無機光導電材料があげられ、単独または
2種類以上を混合して使用できる。
々の化合物、たとえば、2,5−ジ(4−メチルアミノ
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジ
アゾール系の化合物、9−(4−ジエチルアミノスチリ
ル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカ
ルバゾール等のカルバゾール系化合物、有機ポリシラン
化合物、1−フェニル−3(p−ジメチルアミノフェニ
ル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、ヒドラゾン系
化合物、トリフェニルアミン系化合物、インドール系化
合物、オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合
物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イ
ミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾー
ル系化合物、スチルベン系化合物等の含窒素環式化合
物、縮合多環式化合物等があげられる。
以上を混合して用いてもよい。また、ポリビニルカルバ
ゾール等の成膜性を有する正孔輸送剤を用いる場合に
は、結着樹脂は必ずしも必要でない。
電子輸送能を有する種々の化合物、たとえば、ナフトキ
ノン系化合物、ピラゾリン系化合物、ベンゾキノン系化
合物、ジフェノキノン系化合物、マロノニトリル、チオ
ピラン系化合物、テトラシアノエチレンシアノエチレ
ン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、ジニトロ
ベンゼン、ジニトロアントラセン、ジニトロアクリジ
ン、ニトロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、
無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロモ無水マレイン
酸等があげられる。
周知の樹脂を使用することができる。たとえば、スチレ
ン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトニト
リル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、アクリ
ル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、アイオノマー、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、アル
キド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレー
ト、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエー
テル樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂;シリ
コーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹
脂、メラミン樹脂、その他架橋性の熱硬化性樹脂;エポ
キシアクリレート、ウレタン−アクリレート等の光硬化
型樹脂等の樹脂が使用可能である。
電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、従来公知の種
々の添加剤、たとえば酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、一
重項クエンチャー、紫外線吸収剤等の劣化防止剤、軟化
剤、可塑剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定
剤、ワックス、アクセプター、ドナー等を配合すること
ができる。また、感光層の感度を向上させるために、た
とえばテルフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチ
レン等の公知の増感剤を電荷発生剤と併用してもよい。
結着樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好
ましくは0.5〜30重量部の割合で配合すればよい。
電荷輸送剤として、電子輸送剤を含有させる場合は、結
着樹脂100重量部に対して5〜100重量部、好まし
くは10〜80重量部の割合で配合すればよい。また、
正孔輸送剤を含有させる場合、正孔輸送剤の割合を結着
樹脂の100重量部に対して5〜500重量部、好まし
くは25〜200重量部とすればよい。さらにまた、単
層型感光層の厚さは5〜100μm、好ましくは10〜
50μmである。
層を構成する電荷発生剤と結着樹脂とは、種々の割合で
使用することができるが、結着樹脂100重量部に対し
て電荷発生剤を5〜1000重量部、好ましくは30〜
500重量部の割合で配合するとよい。電荷発生層に正
孔輸送剤あるいは電子輸送剤を含有させる場合は、それ
らの割合を結着樹脂100重量部に対して0.1〜10
0重量部、好ましくは0.5〜80重量部とするとよ
い。
脂とは、電荷の輸送を阻害しない範囲および結晶化しな
い範囲で種々の割合で使用することができるが、光照射
により電荷発生層で生じた電荷が容易に輸送できるよう
に、結着樹脂100重量部に対して、電荷輸送剤を10
〜500重量部、好ましくは25〜100重量部の割合
で配合するとよい。電荷輸送層に正孔輸送剤を含有させ
る場合は、正孔輸送剤の割合を結着樹脂100重量部に
対して5〜200重量部、好ましくは10〜80重量部
とすればよい。
の間に、また積層型においては、導電性基板と電荷発生
層との間、導電性基板2と電荷輸送層との間または電荷
発生層と電荷輸送層との間に、感光体の特性を阻害しな
い範囲でバリア層を形成してもよい。
光層の形成方法を述べると、前記例示の電荷発生剤、電
荷輸送剤、結着樹脂を適当な溶剤とともに、公知の方
法、たとえばロールミル、ボールミル、アトライタ、ペ
イントシェーカー、超音波分散機等を用いて分散混合し
て分散液を調整し、これを公知の手段により塗布して乾
燥させればよい。
有機溶剤が使用可能であり、たとえばメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール
類;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族系炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化
炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテ
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル
類;ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド等があげられる。これらの溶
剤は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
性、感光層表面の平滑性をよくするために界面活性剤、
レベリング剤等を使用してもよい。
いては、アモルファスのSiC、SiN、C、BC、C
N、CF、Si、SiO、SiF、CO、BN等の材料
で構成されている。
する際に、有機感光層表面が劣化する傾向にあるが、光
電子分光分析法(XPS)によって得られるピ−ク強度
Aとピ−ク強度Bの関係A/Bが0.03未満になると
感光体特性の劣化を招いている。
0eV(−O−CO−O−) ピ−ク強度B---結合エネルギ−284.8eV(C−
C、C−H、C=C) この点を詳しく説明すると、表面保護層を形成時に発生
するプラズマ等により有機感光層表面が劣化し、XPS
のC1sピ−クの291.0eVのピークが現れなくな
り、カ−ボネ−ト結合(−O−CO−O−)が切断され
たことにより、特性劣化(本件では電位低下)が発生す
る。
いる電子の起動もしくはエネルギー準位のうち最も原子
核に近い軌道を示す。
線光電子分光分析法(XPS)にて評価をおこなう。こ
のXPSはPhysical Electronics社製(ESCA5400MC)
を使用してC1sのナロ−スペクトルにて表す。
クはC−C、C−H、C=C結合に帰属され、291e
Vの小ピ−クはカ−ボネ−ト結合(−O−CO−O−)
に帰属される。これら二つのピ−クより表面状態を評価
している。
により成膜形成するが、その成膜条件は、たとえば真空
度0.35torr(46、662Pa)、基板温度50
℃、高周波電力30Wという条件でもってプラズマ化
し、有機感光層上に積層を行う。
は、水素化珪素ガス、炭化水素ガスおよび酸素化合物ガ
ス、弗素化合物ガス等が用いられ、キャリアガスとして
は一般に常用される水素ガスあるいはアルゴンガス等が
用いられる。
ラン等、炭化水素ガスには飽和炭化水素として、たとえ
ばメタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、イソペンタ
ン、ネオペンタン、イソヘキサン、ネオヘキサン、ジメ
チルブタン、メチルヘキサン、エチルペンタン、ジメチ
ルペンタン、トリプタン、メチルヘプタン、ジメチルヘ
キサン、トリメチルペンタン、イソナノン等がある。
が好適である。膜厚が0.1μmより薄いと、膜削れに
よる耐久性が確保できなくなり、また、下地の影響を受
ける。一方、膜厚が2.5μmを超えると、光透過率が
悪化し、残留電位が発生する。
形成装置5であり、1は感光体であり、この感光体1の
周面にコロナ帯電器6と、その帯電後に光照射する露光
器7(LEDヘッド)と、トナー像を感光体1の表面に
形成するためのトナー8を備えた現像機9、そのトナー
像を被転写材10に転写する転写器11と、その転写後
に感光体表面の残留トナーを除去するクリーニング手段
12と、その転写後に残余静電潜像を除去する除電手段
13とを配設した構成である。また、14は被転写材1
0に転写されたトナー像を熱もしくは圧力により固着す
るための定着器である。
の各プロセスを繰り返し経る。 (1)感光体1の周面をコロナ帯電器6により帯電す
る。 (2)露光器7により画像を露光することにより、感光
体1の表面上に電位コントラストとしての静電潜像を形
成する。 (3)この静電潜像を現像機9により現像する。この現
像により黒色のトナーが静電潜像との静電引力により感
光体表面に付着し、可視化する。 (4)感光体表面のトナー像を紙などの被転写材10の
裏面よりトナーと逆極性の電界を加えて、静電転写し、
これにより、画像を被転写材10の上に得る。 (5)感光体表面の残留トナーをクリーニング手段12
により機械的に除去する。 (6)感光体表面を強い光で全面露光し、除電手段13
により残余の静電潜像を除去する。
であるが、露光器7に代えて原稿からの反射光を通すレ
ンズやミラーなどの光学系を用いれば、複写機の構成の
画像形成装置となる。
現像を用いているが、その他、湿式現像に使用される液
体現像剤にも適用される。
状の基板(外径30mm、長さ254mm)の上に感光
層3を塗布形成し、正帯電のレーザープリンタ用にす
る。この感光層3は下記の通りにて成膜した。
ン5重量部および結着樹脂としてポリカーボネイト10
0重量部、溶媒としてテトラヒドロフラン800重量
部、正孔輸送剤として化1のジエチルアミノベンズアル
デヒドジフェニルヒドラゾン100重量部をボールミル
にて50時間混合、分散させて単層感光体用の塗布液を
作製した。
にディップコート法にて塗布し、100℃で1時間乾燥
させて、膜厚25μmの感光層3を形成させ、単層型と
した。
解法でもって表1に示す成膜条件により5000Åの厚
みでシリコンカーバイド(SiC)からなるアモルファ
ス層を成膜形成した。
間の帯電電位変化および感度・残留電位をQEA PD
T1000装置にて評価を行った。さらに図2に示す画
像形成装置5(京セラ株式会社製エコシスLS−170
0改造機、湿式現像:トナー平均粒径2.5μm)に搭
載し、30万枚のランニングテストをおこない、画質を
測定したところ、かぶりやスジ等がなく、実用上支障の
ない良好な結果が得られた。
製するに当り、感光層3をまったく同一の構成にして、
さらに表面保護層4については、その初期の成膜におい
て、高周波電力を変え、その他の成膜条件を(例1)の
感光体と同じにて設定し、各種感光体を作製した。すな
わち、表面保護層4を成膜形成するに際し、高周波電力
を増減させることにより、ピ−ク強度比A/Bを0〜
0.35にまで幾通りにも変えた各種感光体を作製し
た。そして、これら感光体の90秒後の電位低下量、画
質(かぶりと印字カスレ)および残留電位を測定したと
ころ、表2に示すような結果が得られた。
りに区分し、〇印はかぶりの全くない正常な画像である
場合、△印は一部分のみかぶりが発生している画像であ
る場合、×印は全面にかぶりが発生している画像である
場合を示す。
3通りに区分し、〇印は印字カスレの全くない正常な画
像である場合、△印は一部分のみ印字カスレが発生して
いる画像である場合、×印は全面に印字カスレが発生し
ている画像である場合を示す。
することでXPSピ−ク比であるA/B値は小さくなる
ことがわかる。これは、有機感光層表面のカ−ボネ−ト
結合(291eV)がプラズマにより切断されているこ
とが原因である。このカ−ボネ−ト結合が切断されるこ
とで電荷のトラップが増加され、徐々に帯電を低下させ
る要因となっている。
位低下が大きくなり、画像にかぶりが発生する。一方、
カ−ボネ−ト結合が多すぎると残留電位が高くなり(こ
の場合はA/Bが0.3を超えるが)、印字カスレが発
生する。
0Wにした場合に、それぞれのXPS分析(感光層と表
面保護層との界面を測定するが、そのために、Arガス
に圧力:0.05Pa、加速電圧:800V、加速電
流:19mAにてエッチングする。)を測定したとこ
ろ、図3に示すようなC1sのスペクトルが得られた。
V)であり、縦軸は標準化(規格化)した強度であり、
光電子の強度cps/cm(cps=counts p
ersecond)を示す。
ピ−クはC−C、C−H、C=C結合に帰属され、29
1eVの小ピ−クはカ−ボネ−ト結合(−O−CO−C
−)及び/又はπ−π*遷移(芳香環が存在するときに
現れる)に帰属され、そして、高周波電力が200W時
には291eVの小ピークが現れないことから、カ−ボ
ネ−ト結合(−O−CO−O−)が切断されたと考え
る。さらに芳香環も切断された可能性が高いと考える。
持体上に有機感光層と無機質材からなる表面保護層とを
順次積層した感光体構成において、有機感光層の表面保
護層との接触面がX線光電子分光分析法による結合エネ
ルギ−291.0eVのピ−ク強度Aと結合エネルギ−
284.8eVのピ−ク強度Bにて0.03≦A/B≦
0.3にしたことで、優れた耐刷性が得られ、さらに電
位特性のバラツキがなくなった高耐久性、高性能、高信
頼性の感光体ならびに画像形成装置が提供できた。
電子分光分析法(XPS)によるピ−ク強度Aとピ−ク
強度Bの測定データを示す線図である。
Claims (2)
- 【請求項1】導電性支持体上に有機感光層と無機質材か
らなる表面保護層とを順次積層した感光体であって、前
記有機感光層の表面保護層との接触面がX線光電子分光
分析法による結合エネルギ−291.0eVのピ−ク強
度Aと結合エネルギ−284.8eVのピ−ク強度Bに
て0.03≦A/B≦0.3であることを特徴とする感
光体。 - 【請求項2】請求項1の感光体と、この感光体の表面に
電荷を付与する帯電手段と、感光体の帯電領域に対して
光照射する露光手段と、これら帯電手段と露光手段とに
より感光体表面に形成された静電潜像に対してトナー像
を感光体の表面に形成する現像手段と、上記トナー像を
被転写材に転写する転写手段と、転写後に感光体表面の
残留トナーを除去するクリーニング手段とを配設した画
像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001260533A JP3860731B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 感光体および画像形成装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001260533A JP3860731B2 (ja) | 2001-08-30 | 2001-08-30 | 感光体および画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2003066640A true JP2003066640A (ja) | 2003-03-05 |
JP3860731B2 JP3860731B2 (ja) | 2006-12-20 |
Family
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Country | Link |
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JP (1) | JP3860731B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102011017609A1 (de) | 2010-04-28 | 2012-05-16 | Hoya Corporation | Eigenschaftsbewertungsverfahren mit Röntgenstrahlung und Verwendung desselben |
JP2013098442A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、及び圧電素子 |
JP2013098441A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Seiko Epson Corp | 液体噴射ヘッド、液体噴射装置、及び圧電素子 |
-
2001
- 2001-08-30 JP JP2001260533A patent/JP3860731B2/ja not_active Expired - Lifetime
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