JPH09157413A - 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法

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JPH09157413A
JPH09157413A JP7318908A JP31890895A JPH09157413A JP H09157413 A JPH09157413 A JP H09157413A JP 7318908 A JP7318908 A JP 7318908A JP 31890895 A JP31890895 A JP 31890895A JP H09157413 A JPH09157413 A JP H09157413A
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JP
Japan
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decorative
sheet
molding
thermosetting
resin
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Application number
JP7318908A
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English (en)
Inventor
Masuhisa Ootani
益央 大谷
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication of JPH09157413A publication Critical patent/JPH09157413A/ja
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  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】所望の模様、色等を備えた優れた意匠を有する
加飾成形品を製造するのに使用される加飾成形用シート
及びそれを用いた加飾成形品の製造方法を提供する。 【解決手段】熱硬化性樹脂と、ジアミン化合物、トリア
ミン化合物、チタンキシレート化合物、エポキシ化合
物、ポリカルボジイミドの中から選択される少なくとも
一種の化合物とからなる熱硬化性樹脂組成物を基材11
に含浸させ、その熱硬化性樹脂組成物12を増粘させて
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加飾成形用シート
及びそれを用いた加飾成形品の製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂(以下、FRPとい
う)の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット等の
生産においては、ハンドレアップ成形法やスプレーアッ
プ成形法といわれる成形法が広く用いられてきたが、こ
れらの成形法においては、一個の製品を生産するのに時
間と工数を多く必要とするため、生産性を格段に改良す
るものとして、シート・モールディング・コンパウンド
(以下、SMCという)又はバルク・モールディング・
コンパウンド(以下、BMCという)等の熱硬化性成形
材料が開発され、これを用いたプレス成形法が広く採用
されている。
【0003】しかし、この様なSMCやBMCを用いて
プレス成形法により得られた成形品は、成形品全体の色
が単一色のものに限定され、例えば、赤色なら成形品全
体が赤色のものしか生産することができず、デザインの
自由度が非常に狭いという欠点を有する。
【0004】勿論、印刷、塗装等の後加工を行うことに
より、適宜意匠を付加することは可能であるが、この場
合には、煩雑な後加工の工程を要し、生産性が劣るもの
となる。
【0005】そこで、FRP製品に加飾を施す方法とし
て、加飾成形用シートをインサートする成形方法が提案
されている。例えば、特開平2─279313号公報に
は、表面用シートの表面に塗布した、あらかじめ混合し
てある表面模様形成用粒状物と表面模様部形成用樹脂の
混合物と、この混合物上に重ね合わせた含浸用シートと
からなる成形品用模様シートを製造し、このシートの表
面シート側を成形型側にして成形型に設置するととも
に、このシート上上にSMCを積層して成形し、模様付
成形品を得る方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この様
な方法では、成形用模様シートに含浸されている樹脂が
架橋されていないため、シートが柔らかく、SMCと重
ねて成形した際に、含浸された混合物が流れ出したり、
SMCが成形用模様シート中に滲み出したりするという
問題点がある。
【0007】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
することを目的としてなされたものであって、所望の模
様、色等を備えた優れた意匠を有する加飾成形品を製造
するのに使用される加飾成形用シート及びそれを用いた
加飾成形品の製造方法を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の加飾成形用シー
トは、熱硬化性樹脂と、ジアミン化合物、トリアミン化
合物、チタンキシレート化合物、エポキシ化合物、ポリ
カルボジイミドの中から選択される少なくとも一種の化
合物とからなる熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸させ、
その熱硬化性樹脂組成物を増粘させてなるものである。
【0009】本発明の加飾成形品の製造方法は、本発明
の加飾成形用シートを、金型と、熱硬化性形成材料との
間に介在させた状態で、加熱加圧成形する方法である。
【0010】本発明において、熱硬化性樹脂組成物とし
ては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート
樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、アアリルフタレート
樹脂等の各種の熱硬化性樹脂をベース樹脂する組成物が
使用される。
【0011】不飽和ポリエステル樹脂としては、公知の
方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポリ
カルボン酸と、必要に応じて脂肪族飽和ポリカルボン酸
及び/又は芳香族ポリカルボン酸等から製造されたもの
が用いられる。
【0012】エポキシアクリレート(ビニルエステル)
樹脂としては、公知の方法により、通常、エポキシ樹脂
及び(メタ)アクリル酸等の反応性二重結合をもつモノ
カルボン酸とから製造されるものが用いられる。
【0013】ウレタンアクリレート樹脂としては、ジア
リルフタレートモノマーを過酸化ベンゾイルの様な過酸
化物触媒の存在下で加熱、重合させてプレポリマー化さ
せることによって得られたものが用いられる。
【0014】熱硬化性樹脂組成物中には、必要に応じ
て、炭酸カルシウム等の充填材、有機過酸化物等の開始
剤、パラベンゾキノン等の禁止剤、ステアリン酸亜鉛等
の離型剤等を適量配合できる。
【0015】本発明において、熱硬化性樹脂組成物中に
含有されるジアミン化合物やトリアミン化合物は、カル
ボキシル基を有する化合物と反応する。このため、例え
ば、不飽和ポリエステル樹脂を含む熱硬化性樹脂組成物
に、ジアミン化合物やトリアミンを添加すると架橋反応
が起こり、熱硬化性樹脂組成物を増粘させることができ
る。
【0016】ジアミン化合物やトリアミン化合物は、従
来公知のものでよいが、これらアミン化合物が脂肪族の
場合は、分子量が小さいと、反応が極めて短時間で進行
し、基材への含浸時に増粘が進行しており、含浸性が悪
くなり、熱硬化性樹脂との架橋反応が十分でなく、最終
反応物の粘度が高くならないので、100以上、好まし
くは150以上である。環脂肪族、芳香族ジアミン、ト
リアミン化合物の場合には、特に分子量の不都合の範囲
はない。
【0017】ジアミン化合物やトリアミン化合物として
は、例えば、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、1,7─ジアミノヘプタン、1,8─ジアミ
ノオクタン、1,9─ジアミノノナン、1,10─ジア
ミノデカン、イソフォロンジアミン、3,3′─ジメチ
ル─4,4′─ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,
4′─ジアミノジシクロヘキシルメタン、o−フェニレ
ンジアミン、m─フェニレンジアミン、p─フェニレン
ジアミン、2,4,6─トリアミノフェノール、1,
2,3─トリアミノベンゼン、1,2,4─トリアミノ
ベンゼン、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これら
は単独で用いてもよいし、又、複数種を組み合わせて用
いてもよい。
【0018】ジアミン化合物やトリアミン化合物の添加
量としては、加飾成形用シートに含浸される熱硬化性樹
脂組成物の全樹脂分(熱硬化性樹脂、共重合体モノマ
ー、熱可塑性樹脂の総量)のうちの0.5〜15重量%
が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。用
いる量が少なすぎる場合には、架橋反応、増粘が完了す
るまでに著しく時間がかかり、又反応が終了しても、加
飾成形用シート表面がべとつき、加熱加圧成形時に加飾
成形用シート中の樹脂が流れ出したり、熱硬化性成形材
料が加飾成形用シート中に滲み出したりする。逆に多す
ぎる場合には、架橋反応によって加飾成形用シートが硬
くなりすぎ、加熱加圧成形時に加飾成形用シートが破れ
たり、熱硬化性成形材料との密着性が悪くなり、又不経
済である。
【0019】本発明において、熱硬化性樹脂組成物中に
含有されるチタンキレート化合物は、熱硬化性樹脂中の
ヒドロキシル基やカルボキシル基と反応し、熱硬化性樹
脂が架橋、増粘することを利用したものである。
【0020】チタンキレート化合物としては、例えば、
ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネー
ト)、ジイソプロポキシチタニウムビス(メチルアセト
アセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチ
ルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビ
ス(ジエチルマロネート)、ジヒドロキシチタニウムビ
ス(ラクテート)等が増粘時間、キレートの安定性から
優れており、好適である。これらは、単独で用いてもよ
く、複数種を組み合わせて用いてもよい。
【0021】チタンキレート化合物の添加量としては、
基材に含浸させる熱硬化性樹脂組成物の全樹脂分(熱硬
化性樹脂、共重合性モノマー、熱可塑性樹脂の総量)の
うちの0.1〜20重量%が好ましく、より好ましく
は、0.5〜10重量%である。
【0022】添加量が少なすぎる場合には、架橋反応、
増粘が完了するまでに著しく時間がかかり、又反応が終
了しても、加飾成形用シートの表面がべとつき、加熱加
圧成形時に加飾成形用シート中の樹脂が流れ出したり、
熱硬化性成形材料が加飾成形用シート中に滲み出したり
する。逆に添加量が多すぎる場合には、架橋反応によっ
て加飾成形用シートが硬くなりすぎ、成形時に加飾成形
用シートが破れたり、SMC等との密着性が悪くなる。
【0023】本発明において、熱硬化性樹脂組成物中に
含有されるエポキシ化合物としては、多価アルコールグ
リシジルエーテル及びポリエポキシ化合物が用いられ、
例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン
ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエー
テル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等
が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、複数種
を組み合わせて用いてもよい。
【0024】エポキシ化合物の添加量としては、基材に
含浸させる熱硬化性樹脂組成物の全樹脂分(熱硬化性樹
脂、共重合性モノマー、熱可塑性樹脂の総量)のうちの
0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは、0.
5〜10重量%である。
【0025】添加量が少なすぎる場合には、架橋反応、
増粘が完了するまでに著しく時間がかかり、又反応が終
了しても、加飾成形用シートの表面がべとつき、加熱加
圧成形時に加飾成形用シート中の樹脂が流れ出したり、
熱硬化性成形材料が加飾成形用シート中に滲み出したり
する。逆に添加量が多すぎる場合には、架橋反応によっ
て加飾成形用シートが硬くなりすぎ、成形時に加飾成形
用シートが破れたり、SMC等との密着性が悪くなる。
【0026】本発明において、熱硬化性樹脂組成物中に
含有されるポリカルボジイミドとしては、ジイソシアネ
ートの脱炭酸縮合反応により合成される(式1)。 nOCN−R−NCO→ ─〔R−N=C=N〕n ─+nCO2 …式1 このポリカルボイミドは公知の脂肪族、脂環族、芳香族
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、4,4′ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、2,4′ジフェニルメタンジイソ
シアネート、2,2′ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、2,4トリレンジイソシアネート、トリジンイソシ
アネート、又はこれらの変性体、誘導体等が挙げられ
る。これらは、単独で用いてもよく、複数種を組み合わ
せて用いてもよい。
【0027】ポリカルボジイミドの分子量としては、2
00〜20000が好適であり、より好ましくは200
〜10000である。分子量が小さすぎる場合は、ポリ
カルボジイミドが熱に不安定で熱分解が起こり易く、大
きすぎる場合は、熱硬化性樹脂との反応性が悪く、架橋
反応が起こりにくく、増粘しにくい。
【0028】ポリカルボジイミドの添加量としては、基
材に含浸させる熱硬化性樹脂組成物の全樹脂分(熱硬化
性樹脂、共重合性モノマー、熱可塑性樹脂の総量)のう
ちの0.1〜30重量%が好適であり、より好適には、
0.5〜10重量%である。
【0029】添加量が少なすぎる場合には、架橋反応、
増粘が完了するまでに著しく時間がかかり、又反応が終
了しても、加飾成形用シートの表面がべとつき、加熱加
圧成形時に加飾成形用シート中の樹脂が流れ出したり、
熱硬化性成形材料が加飾成形用シート中に滲み出したり
する。逆に添加量が多すぎる場合には、架橋反応によっ
て加飾成形用シートが硬くなりすぎ、成形時に加飾成形
用シートが破れたり、SMC等との密着性が悪くなる。
【0030】本発明において、加飾成形用シートに用い
られる基材としては、紙、布、不織布、ガラスマット、
ガラスクロス等が使用可能であり、これらは印刷又は着
色されたものも用いられる。基材は単層で用いてもよい
し、複層で用いてもよい。
【0031】不織布、ガラスマット等の目付け量として
は、50〜500g/m2 が好ましい。目付け量が少な
すぎる場合には、加熱加圧成形時に加飾成形用シートの
破れ、伸びが生じ、目付け量が多すぎるとコストが高く
なり、不経済である。
【0032】紙としては、従来公知の各種のものが用い
られ、例えば、薄様紙、チタン紙、新聞巻き取り紙、上
質紙、中質紙、更紙、グラビア用紙、アート紙、コート
紙、筆記用紙、図画用紙等が挙げられる。
【0033】布としては、従来公知の各種のものが用い
られ、例えば、絹、麻、木綿等の天然繊維、レーヨン等
の再生繊維、ポリエステル、ポリアミド、アクリル等の
合成繊維等を織成してなるものが使用可能である。
【0034】不織布としては、従来公知の各種のものが
用いられ、例えば、絹、麻、木綿、羊毛等の天然繊維、
レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ポリアミド、ア
クタル等の合成繊維等を化学的、熱的に、接着あるいは
繊維投資の溶着等を利用して布状としたものが挙げられ
る。
【0035】ガラスクロスとしては、ガラス繊維を織成
してなる従来公知のものが使用される。ガラスマットと
しては、ガラス繊維に接着剤(バインダー)を用いて化
学的に接着させて布状としたものが使用される。
【0036】基布の印刷方法としては、従来公知の各種
方法が可能であり、例えば、グラビア印刷方式、グラビ
ア・オフセット印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、
凸版印刷方式等が挙げられる。又、基布の着色方法とし
ては、従来公知の各種方法が可能であり、例えば、抄造
時に顔料等を混ぜ込む方法、抄造後にインク等を染み込
ませる方法、絵の具や塗料を塗布する方法等が挙げられ
る。
【0037】印刷又は着色の態様としては、複数色を用
いて模様等の図柄を形成させてもよいし、又、単一色に
着色してもよく、目的に応じて、自在に所望の意匠を適
用することが可能である。
【0038】加飾成形用シートの模様付け方法として
は、既に述べたように基材に印刷又は着色する方法以外
に、含浸樹脂に、柄材、顔料、染料等を混入して用いる
方法がある。柄材としては、不飽和ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂硬化物
を粉砕した樹脂チップや、天然雲母、着色雲母、寒水
石、貝殻、金属粉等が使用できる。顔料、染料として
は、公知のものでよく、例えば、酸化チタン、酸化鉄、
チタンイエロー、アゾ染料、インジゴ系染料等が挙げら
れる。
【0039】本発明において、基材への熱硬化性樹脂組
成物の含有量としては、基材が、紙、布、不織布等の有
機系のものを用いた場合には、おおよそ、含浸した加飾
成形用シート全体の重量に対して30〜80重量%とな
るように配合させることが好ましく、より好ましくは4
0〜70重量%である。基材として、ガラスクロス、ガ
ラスマット等の無機系のものを用いた場合には、おおよ
そ、含浸した加飾成形用シートの全体の重量に対して1
0〜50重量%となるように配合させることが好まし
く、より好適には20〜40重量%である。
【0040】本発明の加飾成形用シートを製造する方法
としては、例えば、基材がガラスマットの場合、熱硬化
性樹脂、ポリカルボジイミド、有機過酸化物、充填材、
共重合性モノマー、必要に応じて、各種添加剤、柄材を
配合後、ミキサーでよく混合し、基材に含浸させる。そ
の後必要に応じ、加熱し熱硬化性樹脂とポリカルボンイ
ミドを反応させ、予備硬化しいわゆる半硬化状態にす
る。
【0041】基材への熱硬化性樹脂組成物の含浸は、従
来公知の方法により行うことができる。例えば、熱硬化
性樹脂組成物の入った槽に基材を浸漬して含浸し、ロー
ルでしごいて余分な樹脂を落とす方法、あるいは、ベル
トの上で基材を流していく上に樹脂を乗せ、ロール又は
ブレード等でしごいていく方法、離型用フィルムを乗
せ、基材を重ねローマ又はブレード等でしごいていく方
法等が挙げられる。
【0042】本発明の加飾成形品の製造方法において、
熱硬化性成形材料としては、SMCやBMC等が使用可
能である。即ち、熱硬化性成形材料としては、ベース樹
脂である不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレー
ト樹脂、ウレタンアクリレート樹脂中に、必要に応じて
各種充填材、補強材、添加剤等が添加されて、SMCや
BMC等の形態とされたものが使用可能である。
【0043】より具体的には、例えば、不飽和ポリエス
テル樹脂液(スチレン濃度約30〜60%)70〜10
0重量部に、スチレン樹脂等のスチレン溶液(スチレン
濃度約30〜60%)0〜30重量部を加えたもの10
0重量部に対して、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、ガラス粉末等の充填材100〜300重量部、ター
シャリブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物
0.5〜3重量部、酸価マグネシウム等の増粘剤0.5
〜3重量部、ステアリン酸亜鉛等の離型剤0.5〜5重
量部を混練したものを、ガラス繊維等の補強材10〜1
00重量部に含浸して、SMCやBMC等の形態とされ
たものが好適に用いられる。
【0044】ここで、不飽和ポリエステル樹脂に用いら
れる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオール、
テトロール又はこれらの混合物が挙げられるが、主とし
て脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けられ
る。
【0045】脂肪族ポリオールの代表的なものとして
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブ
ロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリットジアリルエーテ
ル、水素化ビスフェノールA又はビフフェノールS或い
はこれらにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもし
くはブチレンオキシドのような脂肪族オキシシラン化合
物を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得
られるポリオキシアルキレンビスフェノールA又はポリ
オキシアルキレンビスフェノールS等が挙げられる。
【0046】不飽和ポリエステル樹脂に用いられる脂肪
族不飽和カルボン酸としては、(無水)マレイン酸、フ
マル酸、(無水)イタコン酸等が用いられる。不飽和ポ
リエステル樹脂に用いられる脂肪族飽和カルボン酸とし
ては、例えば、セバチン酸、アジピン酸、(無水)コハ
ク酸等が用いられる。
【0047】不飽和ポリエステル樹脂に用いられる芳香
族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、エンドメチレンテトラ無水フタル酸等が用いられ
る。
【0048】エポキシアクリレート(ビニルエステル)
樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公
知慣用の方法により、エピクロルヒドリン及びビスフェ
ノールAから製造されるビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エピクロルヒドリン及び臭素化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック又はオルトクレゾ
ールノボラックをグリシジルエーテル化して製造される
ノボラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒ
ドリンを反応させて得られるグリシジルアミン型エポキ
シ樹脂(テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テト
ラグリシジル─1,3─ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリ
グリシジル─p−アミノフェノール、トリグリシジル─
m─アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリ
シジルオルトトルイジン等)が用いられる。
【0049】ウレタンアクリレート樹脂に用いられるポ
リオールとしては、アルキレンジオールとして、例え
ば、エチレングリコール、ジイソプレングリコール、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブ
タンジオール等、ポリエーテルポリオール、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等、ポリエス
テルポリオールとしてアルキレンジオール等の有機ポリ
オール及びポリカルボン酸の縮合化合物等が汎用的に用
いられる。
【0050】ウレタンアクリレート樹脂に用いられるヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、通
常、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシジブチル
(メタ)アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル基
は、通常、アルキル基のベータ位の炭素に結合してい
る。アルキル基は、通常、8個までの炭素原子を含むこ
とができる。
【0051】熱硬化性成形材料中には、低収縮剤とし
て、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレン、エチレン─酢酸ビニル共重合体、酢
酸ビニル─スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポ
リエステル類、飽和ポリエーテル類のような熱可塑樹脂
を、必要に応じて、適当量加えることができる。
【0052】熱可塑性樹脂の添加量は、樹脂分のうち、
0.1〜30重量%であるのが好適であり、より好適に
は、0.3〜20重量%である。添加量が多すぎると、
熱硬化性成形材料の粘度が高くなるため、成形時に充分
な流動性が得られず、少なすぎると、充分な収縮効果が
得られない。
【0053】ここに、樹脂分とは、熱硬化性樹脂、熱可
塑性樹脂の他、共重合性単量体等のように化学反応して
樹脂となり得る成分の総量を意味する。
【0054】共重合性単量体の添加量は、樹脂分の1〜
70重量%が好ましく、より好ましくは、3〜50重量
%である。添加量が少なすぎると、熱硬化性成形材料の
粘度が高くなるため、成形時に充分な流動性が得られ
ず、少なすぎると、充分な収縮改良効果が得られにく
い。
【0055】又、熱硬化性成形材料中には、必要に応じ
て、ラジカル反応開始剤としての有機過酸化物を加える
ことができる。有機過酸化物としては、例えば、メチル
エチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド
類、イソブチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサ
イド、類、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロ
パーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアル
キルパーオキサイド類、ターシャリーブチルパーオキシ
─2─エチルヘキサノエート等のアルキルパーエステル
類、1,1─ジブチルパーオキシシクロヘキサン等のパ
オキシケタール類等があり、汎用的には、ターシャリー
ブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリーブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート等が使用可能であ
る。
【0056】有機過酸化物の添加量としては、反応性不
飽和結合を持つ熱硬化性樹脂及び共重合性単量体の総量
100重量部に対して、0.3〜5重量部が好ましく、
よりこのましくは0.5〜3重量部である。添加量が少
なすぎると、熱硬化性成形材料の硬化速度が遅くなり易
く、多すぎると、熱硬化性成形材料が硬化時に黄変し易
くなる。
【0057】熱硬化性成形材料中には、目的及び用途に
応じて、適当量の無機充填材を添加することができる。
使用可能な無機充填材としては、例えば、グラファイ
ト、ダイヤモンド等の元素鉱物、岩塩、カリ岩塩等のハ
ロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の炭酸塩鉱物、藍鉄鉱
等のリン酸塩鉱物、カルノー石等のバナジン酸塩鉱物、
重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウム)等の
硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チタン石等の
チタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉ろう石、カ
オリン、石英、長石等の珪酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉
(酸化(アルミニウム)、水酸化アルミニウム等の金属
(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス製品等を中
心とした天然又は人工の鉱物又はそれを処理、精製或い
は加工したもの、及びこれらの混合物が用いられる。
【0058】熱硬化性成形材料中には、必要に応じて、
着色顔料を適当量添加することができる。着色顔料とし
ては、従来公知のものが用いられ、例えば、酸化チタ
ン、ベンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタ
ンイエロー、ハンザイエロー、モリブデンオレンジ、黄
鉛、ジスアゾイエロー、ベンジルオレンジ、キナクリド
ンレッド、キナクリドンマゼンタ、ナフトールバイオレ
ット、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、アル
カリブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、
酸化鉄(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブラッ
ク、カーボンブラック、鉄黒、アルミフレーク、ニッケ
ル粉、金粉、銀粉等各種のものが用いられる。
【0059】無機充填材の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、より
好ましくは0〜250重量部である。着色顔料の添加量
としては、樹脂分100重量部に対して、1〜100重
量部が好ましく、より好ましくは3〜50重量部であ
る。
【0060】又、無機充填材と着色顔料との総量として
は、樹脂分100重量部に対して、30〜320重量部
が好ましく、より好ましくは40〜200重量部でる。
無機充填材、着色顔料の添加量が少なすぎると、充分な
隠蔽性が得られず、多すぎると、熱硬化性成形材料の粘
度が高くなるため、成形時に型内において充分な流動性
が得られない。
【0061】熱硬化性成形材料中には、補強材として、
ガラス繊維や炭素繊維等の各種補強繊維を適当量添加す
ることができる。補強材の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、より
好ましくは3〜90重量部である。添加量が少なすぎる
と、充分な補強硬化が得られず、多すぎると、熱硬化性
成形材料の粘度が高くなるため、成形時の型内における
充分な流動性が得られない。
【0062】熱硬化性成形材料中には、必要に応じて、
ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、アゾ系染料
やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等
の染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシ
チン等の離型剤等を、用途、目的に応じて適当量加える
ことができる。
【0063】本発明の加飾成形品の製造方法に用いる成
形機としては、従来公知のプレス成形機が使用可能であ
り、型としては、従来公知の、金型、鋳物型等が使用可
能である。型の形式としては、一般的には上下型が好ま
しい。この場合、通常は、上型を可動型、下型を固定型
として用いる。
【0064】本発明の加飾成形品の製造方法のプロセス
は、例えば、以下のようになる。まず、成形機に、型を
取り付け、80〜180℃に加熱した後、型内に、加飾
成形用シートをその目的の位置に載置する。次に、その
上に熱硬化性成形材料を積層し、型を締め、10〜12
0kg/cm2 の圧力で30秒〜15分間加熱加圧成形
し、硬化させた後、型を開き、製品を脱型して、加飾成
形品を得る。
【0065】ここで、加飾成形用シートの大きさとして
は、成形品表面の全面を加飾する大きさのものであって
もよいし、成形品表面の一部のみを加飾する大きさであ
っても構わない。即ち、求める意匠に応じて、任意の大
きさ、形のものを用いることができる。
【0066】
【作用】本発明の加飾成形用シートは、熱硬化性樹脂
と、ジアミン化合物、トリアミン化合物、チタンキシレ
ート化合物、エポキシ化合物、ポリカルボジイミドの中
から選択される少なくとも一種の化合物とからなる熱硬
化性樹脂組成物を基材に含浸させ、その熱硬化性樹脂組
成物を増粘させてなることにより、基材に含浸された熱
硬化性樹脂組成物が適度に増粘されているので、熱硬化
性成形材料を重ね合わせて加熱加圧成形する際に、熱硬
化性生成シート中の樹脂が流れ出したり、熱硬化性成形
材料が加飾成形用シート中に滲み出したりすることがな
く、又、基材に含浸された熱硬化性樹脂組成物は完全硬
化状態でないため、シートに柔軟性があり、成形時にシ
ートが破れることがない、加飾成形品を製造する加飾成
形用材料として好適に使用することができる。
【0067】本発明の加飾成形品の製造方法は、本発明
の加飾成形用シートを、金型と、熱硬化性形成材料との
間に介在させた状態で、加熱加圧成形することにより、
熱硬化性樹脂組成物が加飾されていない熱硬化性成形材
料中に流れ出したり、熱硬化性成形材料が加飾成形用シ
ート中に滲み出したりすることがなく、又、基材に含浸
された熱硬化性樹脂組成物は完全硬化状態でないため、
シートに柔軟性があり、成形時にシートが破れることが
ない。
【0068】
【発明の実施の形態】成形機及び金型の準備 成形機としては、川崎油工社製、300トンプレス成形
機を用いた。金型としては、30cm×30cmの正方
形板を成形する上下型であって、上型、下型共に電気ヒ
ーター及び冷却水配管が埋め込まれた金型を準備した。
この金型をプレス成形機に取り付けた。上型を可動型と
し、下型を固定型とした。
【0069】熱硬化性成形材料(SMC)の調製 熱硬化性成形材料としては、以下のものを用いた。 不飽和ポリエステル樹脂液〔数平均分子量約2,0
00のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチ
レンに溶解したもの(スチレン濃度40重量%)〕70
重量部 ポリスチレン樹脂液〔重量平均分子量約95,00
0のポリスチレン樹脂を、スチレンに溶解したもの(ス
チレン濃度65重量%)〕30重量部 硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエー
ト)1重量部 炭酸カルシウム粉末〔日東粉化社製、商品名「NS
−100」〕120重量部
【0070】 着色顔料〔酸化チタン粉末(堺化学工
業社製、商品名「SR−1」)6重量部 増粘剤〔酸化マグネシウム粉末(協和化学工業社
製、商品名「キョーワマグ150」)1重量部 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 ガラス繊維〔旭ファイバーグラス社製のロービング
(商品名「ER4630LBD166W)を長さ25m
mに切断したもの、以下、GFと略す〕70重量部
【0071】上記配合材料のうち、〜の配合材料を
混合し、充分に混合を行ったものを、SMC製造装置に
て、のガラス繊維に含浸させ、40℃にて24時間熟
成して、厚み約2mmの白色着色SMCを得た。
【0072】実施例1 不飽和ポリエステル樹脂液(日本ユピカ社製、品番:#
7682)100重量部と、t─ブチルパーオキシベン
ゾエート1重量部と、4,4′─ジアミノジシクロヘキ
シルメタン5重量部と、粒径約2mmの着色マイカ
(黒)(伊藤産業社製)1重量部と、粒径約2mmの着
色マイカ(白)(伊藤産業社製)1重量部とからなる熱
硬化性樹脂組成物をミキサーで混練し、これを厚み12
5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィル
ムに800g/m2 塗布し、これにチョップドストラン
ドガラスマット(目付け量350g/m2 、日東紡績社
製)を重ね、ロールでしごいて熱硬化性樹脂組成物を含
浸させた。これを40℃の加熱炉で10時間加熱し、熱
硬化性樹脂組成物の一部を架橋反応させて、図1に示す
ように、基材11に含浸された熱硬化性樹脂組成物12
が適度に増粘されている加飾成形用シート1を得た。
【0073】図2に示すように、200mm×200m
mの大きさに切断した、PETフィルムを剥がした加飾
成形用シート1を、上型31を135℃、下型32を1
45℃に加熱した金型3の下型32上に載置し、その上
に、上記SMC2を250mm×250mmに切断した
ものを2枚積層した。この状態で型締めを行い、100
kg/cm2 の圧力で、5分間加熱加圧成形した後、型
開きし、脱型して、図3に示すような、加飾表面層42
と基材層41が一体化した加飾成形品4を得た。
【0074】得られた加飾成形品4は、加飾成形用シー
ト中の樹脂の流れ出しや、熱硬化性成形材料の加飾成形
用シートへの滲み出しや、加飾成形用シートの破れがな
く、外観が美しい、両層の密着性の良好なものであっ
た。
【0075】実施例2 不飽和ポリエステル樹脂液(日本ユピカ社製、品番:#
7682)100重量部と、t─ブチルパーベンゾエー
ト1重量部と、1,10─ジアミノデカン7重量部とか
らなる樹脂組成物をミキサーで混練し、これを御影石柄
に印刷したポリエステル不織布(目付量136g/
2 、デュポンジャパン社製、商品名「ソンタラ#81
00」)に270g/m2 塗布し、PETフィルムを重
ね、その上からロールでしごいて樹脂組成物を含浸させ
た。これを30℃で24時間熟成し、架橋反応、増粘さ
せて加飾成形用シートを得た。
【0076】この加飾成形用シートを用いて、実施例1
と同様にして、加飾成形品を得た。得られた加飾成形品
は、加飾表面層と基材層が一体化し、加飾成形用シート
中の樹脂の流れ出しや、熱硬化性成形材料の加飾成形用
シートへの滲み出しや、加飾成形用シートの破れがなく
外観が美しい、両層の密着性の良好なものであった。
【0077】比較例1 特開平2─279313号公報に方法に準じて加飾成形
用シートを作成した。具体的には、不飽和ポリエステル
樹脂液(日本ユピカ社製、品番:#7682)100重
量部と、t−ブチルパーベンゾエート(化薬アクゾ社
製)1重量部と、破石(伊藤産業社製)8重量部と、酸
化鉄(黒)(伊藤産業社製)0.1重量部と、酸化チタ
ン(白)(伊藤産業社製)1重量部とを混合し、これを
PETフィルム上に270g/m2 塗布し、その上にポ
リエステル製不織布(目付量136g/cm2 、デュポ
ンジャパン社製、商品名「ソンタラ#8100」)を重
ね合わせ、加飾成形用シートを作成した。
【0078】この加飾成形用シートを用いて、実施例1
と同様にして、加飾成形品を得た。得られた加飾成形品
は、加飾成形用シートの樹脂が流れ出し、又、熱成形性
成形材料が加飾成形用シート表面に滲み出していた。
【0079】比較例2 4,4′─ジアミノジシクロヘキシルメタンの代わりに
テトラメチレンジアミンを用いたこと以外は、実施例1
と同じ樹脂組成物を、20℃で10分間混練し、これを
厚み125μmのPETフィルムに800g/m2 塗布
し、これにチョップドストランドガラスマット(目付け
量350g/m2 、日東紡績社製)を重ね、ロールでし
ごいた。
【0080】しかし、樹脂組成物は、チョップドストラ
ンドガラスマットを重ね合わせるときには既に増粘して
おり、ロールでしごいても、ガラスマット中の空気が充
分抜けきらず、空気を巻き込んだ状態であった。このシ
ートを40℃で24時間加熱し、加飾成形用シートを得
た。
【0081】この加飾成形用シートを用いて、実施例1
と同様にして加飾成形品を得た。得られた加飾成形品
は、加飾成形用シートの樹脂が流れ出し、熱硬化性成形
材料と部分的に混ざり合っており、鮮明な柄付けができ
なかった。又、加飾成形品は、内部に気泡を巻き込んで
おり、表面に膨れが多数発生していた。
【0082】この加飾成形用シートを用いて、実施例1
と同様にして加飾成形品を得た。得られた加飾成形品
は、加飾成形用シートが破れていた。又、加飾成形用シ
ートは熱成形性成形材料に密着していなかった。
【0083】実施例3 4,4′─ジアミノジシクロヘキシルメタンの代わり
に、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセト
ネート)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、
加飾成形品を得た。得られた加飾成形品は、加飾表面層
と基材層が一体化し、加飾成形用シート中の樹脂の流れ
出しや、熱硬化性成形材料の加飾成形用シートへの滲み
出しや、加飾成形用シートの破れがなく外観が美しい、
両層の密着性の良好なものであった。
【0084】実施例4 1,10─ジアミノデカンの代わりに、ジイソプロポキ
シチタニウムビス(ジエチルマロネート)を用いたこと
以外は実施例2と同様にして、加飾成形品を得た。得ら
れた加飾成形品は、加飾表面層と基材層が一体化し、加
飾成形用シート中の樹脂の流れ出しや、熱成形性成形材
料の加飾成形用シートへの滲み出しや、加飾成形用シー
トの破れがなく外観が美しい、両層の密着性の良好なも
のであった。
【0085】実施例5 4,4′─ジアミノジシクロヘキシルメタンの代わり
に、グリセリンジグリシジルエーテルを用いたこと以外
は、実施例1と同様にして、加飾成形品を得た。得られ
た加飾成形品は、加飾表面層と基材層が一体化し、加飾
成形用シート中の樹脂の流れ出しや、熱成形性成形材料
の加飾成形用シートへの滲み出しや、加飾成形用シート
の破れがなく外観が美しい、両層の密着性の良好なもの
であった。
【0086】実施例6 1,10─ジアミノデカンの代わりに、エチレングリコ
ールジグリシジルエーテルを用いたこと以外は実施例2
と同様にして、加飾成形品を得た。得られた加飾成形品
は、加飾表面層と基材層が一体化し、加飾成形用シート
中の樹脂の流れ出しや、熱成形性成形材料の加飾成形用
シートへの滲み出しや、加飾成形用シートの破れがな
く、外観が美しい、両層の密着性の良好なものであっ
た。
【0087】実施例7 4,4′─ジアミノジシクロヘキシルメタンの代わり
に、4,4′─ジフェニルメタンジイソシアネートの縮
合反応生成物である分子量2,300のポリカルボジイ
ミドを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、加飾
成形品を得た。得られた加飾成形品は、加飾表面層と基
材層が一体化し、加飾材料用シート中の樹脂の流れ出し
や、熱硬化性成形材料の加飾材料用シートへの滲み出し
や、加飾成形用シートの破れがなく外観が美しい、両層
の密着性の良好なものであった。
【0088】実施例8 1,10─ジアミノデカンの代わりに、2,4─トリレ
ンジシアネートの縮合反応生成物である分子量3,00
0のポリカルボジイミドを用いたこと以外は実施例2と
同様にして、加飾成形品を得た。得られた加飾成形品
は、加飾表面層と基材層が一体化し、加飾材料用シート
の流れ出しや、熱成形性材料の加飾成形用シートへの滲
み出しや、加飾成形用シートの破れがなく外観が美し
い、両層の密着性の良好なものであった。
【0089】
【発明の効果】本発明の加飾成形用シートは、上記の如
き構成とされているので、熱硬化性成形材料を重ね合わ
せて加熱加圧成形する際に、熱硬化性生成シート中の樹
脂が流れ出したり、熱硬化性成形材料が加飾成形用シー
ト中に滲み出したりすることがなく、破れることがな
い、加飾成形品を製造する加飾成形用材料として好適に
使用することができる。
【0090】本発明の加飾成形品の製造方法は、上記の
如き構成とされているので、熱硬化性生成シート中の樹
脂が流れ出したり、熱硬化性成形材料が加飾成形用シー
ト中に滲み出したりすることがなく、破れることがな
く、所望の模様、色等の優れた意匠を有する加飾成形品
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加飾成形用シートの一例を示す断面図
である。
【図2】本発明の加飾成形品の製造方法の一例の工程を
説明する断面図である。
【図3】本発明の加飾成形品の製造方法により得られた
加飾成形品の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 加飾成形用シート 2 熱硬化性成形材料 3 金型 11 基材 12 熱硬化性樹脂組成物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/04 7148−4F B32B 31/20 31/20 7310−4F B29C 67/14 L // B29K 101:10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂と、ジアミン化合物、トリ
    アミン化合物、チタンキシレート化合物、エポキシ化合
    物、ポリカルボジイミドの中から選択される少なくとも
    一種の化合物とからなる熱硬化性樹脂組成物を基材に含
    浸させ、その熱硬化性樹脂組成物を増粘させてなること
    を特徴とする加飾成形用シート。
  2. 【請求項2】 基材に加飾模様が施されていることを特
    徴とする請求項1に記載の加飾成形用シート。
  3. 【請求項3】 基材に含浸させた熱硬化性樹脂組成物に
    柄材が混入されていることを特徴とする請求項1に記載
    の加飾成形用シート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の加
    飾成形用シートを、金型と、熱硬化性形成材料との間に
    介在させた状態で、加熱加圧成形することを特徴とする
    加飾成形品の製造方法。
JP7318908A 1995-12-07 1995-12-07 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法 Pending JPH09157413A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012037773A (ja) * 2010-08-09 2012-02-23 Casio Electronics Co Ltd バイオプラスチックを用いた電子写真用トナーおよびその製造方法

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