JPH08127036A - 加飾成形品の製造方法及び加飾成形品用シート - Google Patents

加飾成形品の製造方法及び加飾成形品用シート

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JPH08127036A
JPH08127036A JP6266757A JP26675794A JPH08127036A JP H08127036 A JPH08127036 A JP H08127036A JP 6266757 A JP6266757 A JP 6266757A JP 26675794 A JP26675794 A JP 26675794A JP H08127036 A JPH08127036 A JP H08127036A
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JP
Japan
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paper
resin
woven fabric
molding
sheet
Prior art date
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Pending
Application number
JP6266757A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6266757A priority Critical patent/JPH08127036A/ja
Publication of JPH08127036A publication Critical patent/JPH08127036A/ja
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自在な模様、色等の意匠を有する成形品を成
形するに際し、加飾シートの伸びによる外形又は図柄の
歪み、或いは基材樹脂の加飾シート上への流れ込みによ
る端部周辺の外観不良が起こらない、意匠的欠陥の少な
い加飾成形品の製造方法を提供する。また、上記方法に
用いる加飾成形品シートを提供する。 【構成】 熱硬化性成形材料の少なくとも一部の面上
に、紙と着色又は印刷された不織布とをこの順に積層
し、加熱加圧成形する。好ましくは、紙と着色又は印刷
された不織布とが予め積層一体化された加飾成形品用シ
ートを紙と熱硬化性成形材料料とが接するように積層
し、加熱加圧成形する。および、着色又は印刷された不
織布と紙とを積層一体化させた加飾成形品用シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において熱硬
化性成形材料を加熱加圧成形して成形品を製造する際
に、成形品に加飾シートを積層して各種意匠を発現でき
る加飾成形品の製造方法及びそれに用いることのできる
加飾成形用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】歴史的に、FRP(繊維強化プラスチッ
ク)の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット等の
生産においては、ハンドレイアップ成形法、或いはスプ
レーアップ成形法と言われる方式が広く用いられてきた
が、これらの方法においては1個の製品を生産するのに
時間と工数を多く必要とするため、これらの生産性を格
段に改良するものとして、シート・モールディング・コ
ンパウンド(以下、SMCと略す)又はバルク・モール
ディング・コンパウンド(以下、BMCと略す)等の熱
硬化性成形材料が開発され、これらを用いたプレス成形
法が非常に広く用いられている。
【0003】しかしながら、この様なSMC或いはBM
Cのプレス成形方法により得られた成形品は、成形品全
体の色が単一色に限られ、例えば赤なら成形品全体が赤
色のものしか生産できず、デザインの自由度が非常に狭
いという欠点を有する。勿論、印刷、塗装等の後加工を
行えば、適宜意匠を付加する事は可能であるが、この場
合には非常に複雑な後加工の工程を要し、非常に生産性
の劣るものとなる。
【0004】そこで、これらのFRP製品に加飾する方
法として、古くは、印刷した布をインサート成形する方
法が行われていた、しかし、この場合には、布の織り目
がどうしても成形品表面に見えてしまうため意匠として
本物感が得られないという欠点があった。この欠点を改
良する方法として、印刷した不織布、或いは紙をインサ
ート成形する方法が提案されている。例えば、特開平4
−341809号公報には、印刷した不織布に熱硬化性
樹脂を含浸させたものをSMCに積層して成形し、加飾
成形品を得る方法が開示されており、又、印刷したチタ
ン紙をSMCに積層して成形し、加飾成形品を得る方法
も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、不織布
を用いる方法においては、成形時において、加飾シート
として用いる不織布が、成形圧により伸ばされてしま
い、その加飾シートの外形及び図柄が歪んでしまうとい
う欠点を有する。また、紙を用いる方法においては、紙
の硬さのため、成形時に紙が十分に成形型に密着せず、
成形型と紙の間に僅かな隙間ができ、そこに成形材料の
樹脂が流れ込んで、即ち、端部から加飾シート上に基材
樹脂が流れ込んで、端部付近の意匠がきれいに発現でき
ないという欠点を有する。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を改
良し、自在な模様、色等の意匠を有する成形品を成形す
るに際し、加飾シートの伸びによる外形又は図柄の歪
み、或いは基材樹脂の加飾シート上への流れ込みによる
端部周辺の外観不良が起こらない、意匠的欠陥の少ない
加飾成形品の製造方法を提供することにある。
【0007】また、本発明の目的は、上記加飾成形品の
製造方法に用いる加飾成形品シートを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の加飾成形品の製
造方法は、熱硬化性成形材料の少なくとも一部の面上
に、紙と着色又は印刷された不織布とをこの順に積層す
るか、あるいは紙と着色又は印刷された不織布とが予め
積層一体化された加飾成形品用シートを紙と熱硬化性成
形材料とが接するように積層して、これらを加熱加圧成
形することを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の加飾成形品シートは、上記
の加飾成形品の製造方法に用いるシートであって、着色
又は印刷された不織布と紙とが積層一体化されてなるこ
とを特徴とするものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて不織布としては、従来公知の各種のものが用いら
れる。具体的には、絹、麻、木綿、羊毛等の天然繊維、
レーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アク
リル、ポリプロピレン等の合成繊維等を、化学的な接着
或いは繊維同士の熱的溶着等を利用して布状としたもの
が使用可能である。
【0011】また、その印刷方法としても従来公知の各
種方法が可能であり、具体的には、グラビア印刷方式、
グラビア・オフセット印刷方式、シルクスクリーン印刷
方式、凸版印刷方式、オフセット印刷方式等がある。ま
た、着色方法としても従来公知の各種方法が可能であ
り、具体的には繊維を染料にて着色したものを用いる方
法、不織布形態とした後に絵の具や塗料を塗布する方法
等がある。
【0012】本発明における不織布の厚みとしては、1
0μm〜3mmが好適であり、より好適には15μm〜
2mmである。厚みが10μmよりも薄すぎる場合に
は、不織布が破れやすくなりやすいという欠点を有し、
逆に3mmよりも厚すぎる場合には、金型の微細な形状
を、製品表面の形状として正確に転写しにくく、また、
厚みに比例してコストが高くなるという欠点を有する。
また、不織布の重さとしては、10〜200g/m2
好適であり、より好適には20〜150g/m2であ
る。10g/m2 よりも軽すぎる場合には、必然的に薄
くなるため、不織布が破れやすくなりやすいという欠点
を、逆に200g/m2 よりも重すぎる場合には、必然
的に厚くなるため、金型の微細な形状を、製品表面の形
状として正確に転写しにくく、また、コストが高くなる
という欠点を有する。
【0013】ここで、不織布の着色又は印刷の態様とし
ては、単一色に彩色しても構わないし、複数色を用いて
模様等図柄を形成させても構わない。即ち、目的に応じ
て、自在な意匠を適用することが可能である。
【0014】本発明において紙としては、従来公知の各
種のものが用いられる。具体的には、薄様紙、チタン
紙、新聞巻き取り紙、上質紙、中質紙、更紙、グラビア
用紙、アート紙、コート紙、筆記用紙、図画用紙等が使
用可能である。
【0015】本発明における紙の厚みとしては、10〜
200μmが好適であり、より好適には25〜150μ
mである。厚みが10μmよりも薄すぎる場合には、紙
が破れやすくなりやすいという欠点を有し、逆に200
μmよりも厚すぎる場合には金型の微細な形状を、製品
表面の形状として正確に転写しにくく、また、コストが
高くなるという欠点を有する。また、紙の重さとして
は、8〜160g/m2が好適であり、より好適には2
0〜120g/m2 である。8g/m2 よりも軽すぎる
ものは、必然的に薄くなるため、紙が破れやすくなりや
すいという欠点を、逆に160g/m2 よりも重すぎる
場合には、必然的に厚くなるため、金型の微細な形状
を、製品表面の形状として正確に転写しにくく、また、
コストが高くなるという欠点を有する。
【0016】また、紙には、必要に応じて、着色或いは
印刷を施しても構わない。例えば、不織布として透明性
のあるものを用い、かつ紙に着色或いは印刷を施したも
のを用いた場合には、紙の図柄が、表面の不織布を透か
して見えるという効果があるため、紙の色、図柄と表面
の不織布の色、図柄が立体的に重なった高意匠外観の成
形品が得られる。
【0017】ここで、紙の印刷方法としても従来公知の
各種方法が可能であり、具体的には、グラビア印刷方
式、グラビア・オフセット印刷方式、シルクスクリーン
印刷方式、凸版印刷方式、オフセット印刷方式等があ
る。また、着色方法としても従来公知の各種方法が可能
であり、具体的には抄造時に顔料等を混ぜ込む方法、抄
造後にインク等を染み込ませる方法、絵の具や塗料を塗
布する方法等がある。
【0018】本発明において、不織布、或いは紙は、そ
のまま用いても勿論構わないが、どちらか一方、或いは
両者に、熱硬化性樹脂を含浸させて、樹脂含浸シートと
して用いるのが好ましい。
【0019】不織布、或いは紙に熱硬化性樹脂を含浸さ
せる場合に用いる含浸用熱硬化性樹脂としては、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタ
ンアクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂等の各種熱硬化性樹脂が使用可
能である。
【0020】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸および/又は芳香族ポリカルボン酸等から製造
される。
【0021】他方上記エポキシアクリレート樹脂は、こ
れもまた公知慣用の方法により、通常、エポキシ樹脂お
よび(メタ)アクリル酸等の反応性二重結合を持つモノ
カルボン酸とから製造されるものである。
【0022】また上記ウレタンアクリレート樹脂は、通
常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ール又はポリエステルポリオール等の有機ポリオールに
有機ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートを反応させて製造される
ものである。
【0023】上記ジアリルフタレート樹脂とは、ジアリ
ルフタレートモノマーを過酸化ベンゾイルの様な過酸化
物触媒の存在下で加熱、重合させてプレポリマー化させ
することによって得られる。
【0024】上記メラミン樹脂とは、メラミンとホルム
アルデヒド樹脂を縮合させることによって得られる。
【0025】上記フェノール樹脂とは、フェノールアル
コール類と、ホルマリンを反応させて得られる。フェノ
ールに対してホルムアルデヒドを過剰にして、アルカリ
触媒で反応させたレゾールタイプ、及び、ホルムアルデ
ヒドを過剰にして、酸触媒にて反応させたノボラックタ
イプの2種類が汎用的である。
【0026】ここで、上記各種熱硬化性樹脂には、必要
に応じて、溶剤、或いはモノマー等が添加される。例え
ば、粘度の高い樹脂においては含浸性を改良するために
溶剤等を加えて粘度を低下させる。また、反応性の低い
樹脂においては、モノマー等を添加して反応性を改良す
ることができる。なお、粘度を低下させるために溶剤を
用いる場合には、これが残存する場合には成形時に気泡
等の不良の原因となりやすいので、樹脂含浸後に、溶剤
を揮発乾燥させる工程が必要になる。
【0027】また、上記各種熱硬化性樹脂には、必要に
応じて、各種充填材、添加剤等を添加しても良い。具体
的には、炭酸カルシウム等の充填剤、有機過酸化物等の
開始剤、パラベンゾキノン等の禁止剤、ステアリン酸亜
鉛等の防かび剤、防腐剤等を適当量添加できる。
【0028】ここで、不織布に樹脂を含浸させて用いる
場合には、樹脂の含浸量としては、おおよそ、含浸した
シートの乾燥後の全体の重量に対して、不織布が、10
〜70wt%となるように配合されることが好ましく、よ
り好適には20〜60wt%である。
【0029】また、紙に樹脂を含浸させて用いる場合に
は、樹脂の含浸量としては、おおよそ、含浸したシート
の乾燥後の全体の重量に対して、紙が、30〜70wt%
となるように配合されることが好ましく、より好適には
40〜60wt%である。
【0030】不織布或いは紙への樹脂含浸は、従来公知
の方法により行うことができる。例えば、樹脂の入った
槽に不織布或いは紙を浸漬して含浸し、ロール等でしご
いて余分な樹脂を落とし、必要に応じて乾燥炉において
乾燥する方法、或いは、ベルトの上で不織布或いは紙を
流していく上に樹脂を乗せ、ロール又はブレード等でし
ごいて行く方法等がある。
【0031】また、本発明の加飾成形品の製造方法にお
いて、熱硬化性成形材料面上に、紙と着色又は印刷され
た不織布とをこの順に積層することもできるが、あるい
は好適には、紙と着色又は印刷された不織布とが予め積
層一体化された請求項2の加飾成形品用シートを紙と熱
硬化性成形材料料とが接するように積層して行うことも
できる。すなわち、本発明の方法において、着色又は印
刷された不織布と紙とを積層一体化させた加飾成形品用
シートを用いることもできる。
【0032】ここで、不織布と紙とを積層一体化させる
方法としては、以下のような各種の方法が用いられる。
例えば、不織布及び紙の両者を、樹脂を含浸しないもの
を用いる場合には、粘着剤或いは接着剤等を適当量用い
ても積層一体化される。また例えば、不織布或いは紙の
どちらかに樹脂を含浸したものを用いる場合には、不織
布(或いは紙)の樹脂含浸後、乾燥前に、もう一方の紙
(或いは不織布)を積層し、ロールの様なものでラミネ
ートすれば、容易に不織布及び紙は密着した状態とな
り、取扱い性の良好なものとなる。また例えば、乾燥し
た後の不織布(或いは紙)であっても、その一部に溶剤
を滴下し、樹脂を半溶解状態にしてそこにもう一方の紙
(或いは不織布)を積層すればこの方法においても両者
が密着した加飾シートが得られる。また、樹脂が柔らか
くなり、かつ、硬化反応が始まらない程度の温度におい
て、両者をラミネートしても良い。また、粘着剤或いは
接着剤等を適当量用いても勿論構わない。また、不織布
及び紙が共に、樹脂を含浸したものを用いるのであれ
ば、上述した方法の他に、両者が共に含浸直後のウェッ
トな状態であるときにラミネートする等の方法があり、
これらの方法により、両者は容易に積層一体化された、
取扱い性の良好な加飾シートとなる。
【0033】ところで、請求項2記載の加飾シートは、
請求項1記載の製造方法に好適に用いることのできるも
のであり、逆に、請求項1記載の製造方法においては、
勿論、請求項2記載の加飾シートを用いることが生産性
等の点で好ましいのであるが、必ずしも、請求項2記載
の加飾シートを用いなければできないというものではな
い。即ち、何らかの事情により請求項2記載の加飾シー
トを用いることができない様な場合には、熱硬化性樹脂
が含浸された着色又は印刷された不織布及び紙を、或い
は着色又は印刷された不織布及び熱硬化性樹脂が含浸さ
れた紙を、それぞれ別々に用意し、成形時に型内に順次
これらを積層するという方法によって、作業工数の増加
という不利益はあるものの、請求項2記載の加飾シート
を用いることなく請求項1記載の発明を実施することも
可能である。
【0034】本発明において、熱硬化性成形材料として
用いる材料としては、SMC、BMC等の各種熱硬化性
成形材料が使用可能である。具体的には例えば、熱硬化
性樹脂として不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリ
レート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノール樹
脂等が用いられ、必要に応じて各種充填材、補強材、添
加剤等を加えることができ、従来公知の方法により、S
MC或はBMC等の形態を持つ熱硬化性樹脂組成物とし
て用いることができる。
【0035】ここで、上記不飽和ポリエステル樹脂に用
いられる有機ポリオールとしてはジオール、トリオー
ル、テトロールおよびそれらの混合物が挙げられるが、
主として脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分類
される。このうち脂肪族ポリオールとして代表的なもの
には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネ
オペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリ
セリン、ペンタエリスリットジアリルエーテル、水素化
ビスフェノールA等があり、また芳香族ポリオールとし
て代表的なものとしては、ビスフェノールA又はビスフ
ェノールS或はこれらのビスフェノールA又はビスフェ
ノールSにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもし
くはブチレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物
を、一分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得ら
れるポリオキシアルキレンビスフェノールA又はポリオ
キシアルキレンビスフェノールS等がある。
【0036】また、上記不飽和ポリエステル樹脂に用い
られる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、(無水)
マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等が挙げら
れる。
【0037】また、上記不飽和ポリエステル樹脂に用い
られる脂肪族飽和ポリカルボン酸としては、セバチン
酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が挙げられる。
【0038】また、上記不飽和ポリエステル樹脂に用い
られる芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ
無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸等が挙げられる。
【0039】また、上記エポキシアクリレート(ビニル
エステル)樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、こ
れもまた公知慣用の方法によりエピクロルヒドリンおよ
びビスフェノールAから製造されるビスフェノールA型
エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンおよび臭素化ビスフ
ェノールAから製造される臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック又はオルトクレゾー
ルノボラックをグリシジルエーテル化して製造されるノ
ボラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒド
リンを反応させて得られるグリシジルアミン型エポキシ
樹脂(テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラ
グリシジル- 1, 3- ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリ
グリシジル- p- アミノフェノール、トリグリシジル-
m- アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリ
シジルオルトトルイジン等)等が挙げられる。
【0040】また、上記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て、例えばエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ブタンジオール等; ポリエーテルポリオールとし
ては、ポリオキシメチレン、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイド等; ポリエステルポリオー
ルとしてはアルキレンジオール等の有機ポリオールおよ
びポリカルボン酸の縮合化合物等が汎用的に用いられ
る。
【0041】また、上記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0042】また、上記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート等が挙げられ、ヒドロキシル
基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合している。
アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むことができ
る。
【0043】ここで、上記フェノール樹脂に用いられる
フェノールアルコール類としては、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシン、オルトメチロールフ
ェノール、パラメチロールフェノール、2,4−ジメチ
ロールフェノール等が挙げられる。
【0044】また、成形材料には、低収縮剤として、ポ
リ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−
スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポリエステル
類、飽和ポリエーテル類等のような熱可塑性樹脂を、必
要に応じて適当量加えることができる。このような熱可
塑性樹脂を用いる場合には、その量としては、樹脂分の
うち0.1〜30重量%であることが好適であり、より
好適には0.3〜20重量%である。用いる量が30重
量%よりも多すぎる場合には、成形材料の粘度が高くな
るため、成形時に充分な流動性が得られにくいという欠
点を有し、また逆に、0.1重量%よりも少なすぎる場
合には、充分な収縮改良効果が得られにくいという欠点
を有する。なお、ここで、上記樹脂分とは、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂の他に、共重合性モノマー等の様に化
学反応して樹脂となり得る成分の総量を意味する。
【0045】またさらに成形材料には、必要に応じて、
スチレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルトルエン、ジアリルフタレート、各種アクリ
レートモノマー、各種メタクリレートモノマー等の重合
性単量体を適当量加えることができる。これらのうち、
スチレン及びメチルメタクリレートが、価格及び各種性
能の点で優れるため好適に用いられる。
【0046】このような各種共重合性単量体を用いる場
合には、その量としては、樹脂分のうち1〜70重量%
であることが好適であり、より好適には3〜50重量%
である。用いる量が1重量%よりも少なすぎる場合に
は、成形材料の粘度が高くなるため、成形時に充分な流
動性が得られないという欠点を有する。また逆に70重
量%よりも多すぎる場合には、密着性が低下しやすいと
いう欠点を有する。
【0047】また、成形材料には、必要に応じて、ラジ
カル反応開始剤としての有機過酸化物を用いることがで
きる。具体的には例えば、メチルエチルケトンパーオキ
サイド等のケトンパーオキサイド類、イソブチリルパー
オキサイド等のジアシルパーオキサイド類、クメンハイ
ドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、ジ
クミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド
類、ターシャリーブチルパーオキシ- 2- エチルヘキサ
ノエート等のアルキルパーエステル類、ターシャリーブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカー
ボネート類、1,1- ジブチルパーオキシシクロヘキサ
ン等のパーオキシケタール類等があり、汎用的には、タ
ーシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリ
ーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が使用
可能である。
【0048】このような有機過酸化物を用いる場合に
は、その量としては、反応性不飽和結合を持つ熱硬化性
樹脂及び共重合性モノマーの和100重量部に対し、
0.3〜5重量部が好適であり、より好適には0.5〜
3重量部である。用いる量が0.3重量部よりも少ない
場合には、成形材料の硬化速度が遅くなり易く、また逆
に5重量部よりも多すぎる場合には、成形材料が硬化時
に黄変しやすくなるという欠点を有する。
【0049】さらに成形材料には、目的及び用途に応じ
て、適当量の無機充填材を加えることができる。使用可
能な無機充填材としては、以下のようなものがある。す
なわち、グラファイト、ダイヤモンド等の元素鉱物、岩
塩、カリ岩塩等のハロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の
炭酸塩鉱物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等の
バナジン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫
酸カルシウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱
物、灰チタン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑
石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱
物、酸化チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化ア
ルミニウム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等
のガラス製品、等を中心とした天然又は人工の鉱物又は
それを処理、精製或は加工したもの、およびそれらの混
合物が用いられる。
【0050】また、成形材料には必要に応じて、着色顔
料を適当量用いることができる。この着色顔料として
は、従来公知のものが用いられる。例えば、酸化チタ
ン、ベンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタ
ンイエロー、ハンザイエロー、モリブデートオレンジ、
黄鉛、ジスアゾイエロー、ベンジンオレンジ、キナクリ
ドンレッド、、キナクリドンマゼンダ、ナフトールバイ
オレット、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、
アルカリブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブル
ー、酸化鉄(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブ
ラック、カーボンブラック、鉄黒、アルミフレーク、ニ
ッケル粉、金粉、銀粉等各種公知慣用のものが用いられ
る。これらのうち、酸化チタン、チタンイエロー、キナ
クリドンレッド、キナクリドンマゼンダ、フタロシアニ
ンブルー、酸化鉄(ベンガラ)、カーボンブラック、鉄
黒、アルミフレーク等が、成形材料の硬化性等への影響
が少ないないため、好適に用いられる。
【0051】ここで、成形材料に用いる着色顔料の添加
量としては樹脂分100重量部に対して、1〜100重
量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜50重
量部である。また、無機充填材の添加量としては、樹脂
分100重量部に対して、0〜300重量部とすること
が好ましく、より好ましくは0〜250重量部である。
また、着色顔料、無機充填材の総量として、30〜32
0重量部添加されるのが好ましく、より好ましくは40
〜200重量部となる様に調節される。無機充填材、着
色顔料の添加量が、少なすぎる場合には充分な隠ぺい性
が得られにくいという欠点を有し、逆に多すぎる場合に
は、組成物の粘度が高くなるため、成形時に型内におけ
る充分な流動性が得られにくいという欠点を有する。
【0052】また、成形材料はSMCやBMCに限られ
ず、補強材として、各種補強繊維、すなわちガラス繊
維、炭素繊維等を必要に応じて適当量加えることができ
る。ここで、成形材料に補強繊維を用いる場合には、そ
の使用量としては樹脂分に対して、1〜100重量部と
することが好ましく、より好ましくは3〜90重量部で
ある。含有量が1重量部よりも少なすぎる場合には充分
な補強効果が得られにくいという欠点を有し、逆に10
0重量部よりも多すぎる場合には、組成物の粘度が高く
なるため、成形時に型内における充分な流動性が得られ
にくいという欠点を有する。
【0053】またさらに成形材料には、必要に応じて、
ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、アゾ系染料
やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等
の染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシ
チン等の離型剤等を用途、目的に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0054】ここで、熱硬化性成形材料として具体的に
は例えば、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂のスチレン溶液
(スチレン濃度40〜70重量%)60〜100重量
部、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル等の熱可塑性樹脂のスチレン溶液(スチレン濃
度40〜70重量%)0〜40重量部を加えて100重
量部とし、これに、ターシャリーブチルパーオキシベン
ゾエート等の有機過酸化物0.7〜2.5重量部、酸化
マグネシウム等の増粘剤0.5〜3重量部、ステアリン
酸亜鉛等の離型剤0.5〜5重量部、酸化チタン、酸化
鉄、カーボンブラック、チタンイエロー等の着色顔料5
〜20重量部、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等
の充填材粉末60〜160重量部からなる無機成分合計
70〜180重量部を加えたものを混練してコンパウン
ドとし、ガラス繊維等の補強材5〜80重量部に含浸さ
せてSMC或いはBMCの形態にしたものが、好適に用
いられる。
【0055】本発明の製造方法は、上記の様な材料を用
いて行われるが、そのプロセスとしては、以下の様にな
る。
【0056】本発明に用いる成形機としては、従来公知
のプレス成形機が使用可能である。また、成形型として
は、従来公知の金型、鋳物型等が使用可能である。
【0057】また、成形型の形式としては、一般的には
上下型が好ましく用いられる。この場合、通常は上型を
可動型、下型を固定型として用いる。
【0058】上記の成形機に、上記型を取り付け、80
〜180℃に加熱した後、型上に、請求項2記載の加飾
シートを、着色又は印刷された不織布が型の側を向くよ
うにして載置する。
【0059】又は、型上に、着色又は印刷された不織布
をまず載置し、さらにその上に紙を載置する。
【0060】そして、成形材料を積層し、型を締め、1
0〜120kg/cm2 の圧力で30秒〜15分間加圧
成形し、硬化させた後、型を開け、製品を脱型すれば、
積層された加飾成形品が得られる。
【0061】ここで、加飾シートの大きさとしては、成
形品表面全面をこれにて加飾する大きいものであっても
構わないし(図2参照)、成形品表面のうち一部のみを
加飾する小さいものであっても構わない(図3参照)。
即ち、求める意匠に応じて、任意の大きさ、形が用いら
れる。
【0062】また、印刷された不織布の用い方として
は、印刷面を表面側として用いるのが普通であるが、必
要に応じて、印刷面を裏側、即ち紙の側を向けて、透か
した向こう側に印刷が見えるような意匠とすることもで
きる。
【0063】
【作用】本発明の製造方法においては、表面層に柔軟性
に優れる不織布が用いられていることにより表面層が型
表面と良好に密着して、型表面とシート表面との間に隙
間ができず、これにより成形時における基材樹脂のシー
ト上への流れ込みが生じず、そのため、シート端部周辺
は流れ込みによる外観不良が改良される。また、不織布
と成形材料との間に、紙が用いられていることにより、
成形材料の流動により不飾布が成形時に伸ばされること
がなく、成形時の不織布の伸びによる外観不良が著しく
改良される。
【0064】また、上記製造方法に用いる本発明の加飾
成形品用シートにおいては、不織布及び紙が積層一体化
されていることにより、不織布及び紙の成形前の取扱い
及び型上への載置作業を一度に行うことができ、このた
め、作業工数、成形サイクルが著しく改良される。
【0065】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。以
下、特に断らない限り、部とは重量部を意味する。
【0066】1.成形機及び金型の準備 成形機としては、川崎油工社製、300トンプレス成形
機を用いた。金型としては30cm×30cmの正方形
平板を成形する金型を準備し、上型、下型共に電気ヒー
ター及び冷却水配管を埋め込んだ。この金型を上記プレ
ス成形機に取り付けた。上型を可動型とし、下型を固定
型とした。
【0067】2.不織布及び紙の調整 不織布及び紙としては、以下のものを用いた。 1)含浸用樹脂液の調整 (1)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂、数平均分子量約2000、をス
チレンに溶解したもの、スチレン濃度40重量%)10
0重量部 (2)硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ
ート)1部 上記(1)、(2)を混合、撹拌し、含浸用樹脂液とし
た。
【0068】2)不織布の調整 シート1:不織布(ポリエステル製、厚さ0.36m
m、40.7g/m2 、ソンタラ#8000:東レ・デ
ュポン社製)に石目柄を印刷したものを20cm×20
cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を含
浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて含浸シート
を得た。得られた加飾シートの基材(不織布)含有率
は、30wt%であった。 シート2:不織布(レーヨン70%/ポリエステル30
%、厚さ0.66mm、78g/m2 、ソンタラ#84
23:東レ・デュポン社製)に石目柄を印刷したものを
20cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸
漬して樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしご
いて含浸シートを得た。得られた加飾シートの基材(不
織布)含有率は、35wt%であった。 シート3:不織布(アクリル製、厚さ0.15mm、2
5g/m2 、OL−21E:日本バイリーン社製)に石
目柄を印刷したものを20cm×20cmの大きさに切
り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた後、ロー
ルで余分な樹脂をしごいて含浸シートを得た。得られた
加飾シートの基材(不織布)含有率は、40wt%であっ
た。
【0069】3)紙の調整 紙1:白上質紙(厚さ0.07mm、70g/m2 の中
性紙:王子製紙社製)を20cm×20cmの大きさに
切り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた後、ロ
ールで余分な樹脂をしごいて含浸シートを得た。得られ
た加飾シートの基材(紙)含有率は、50wt%であっ
た。 紙2:チタン紙(厚さ0.14mm、110g/m2
酸化チタン含有量22wt%:興人社製)を20cm×2
0cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を
含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて含浸シー
トを得た。得られた加飾シートの基材(紙)含有率は、
50wt%であった。 紙3:薄様紙(厚さ0.05mm、40g/m2 :王子
製紙社製)を20cm×20cmの大きさに切り、上記
樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた後、ロールで余分
な樹脂をしごいて含浸シートを得た。得られた加飾シー
トの基材(紙)含有率は、50wt%であった。 紙4:白上質紙(厚さ0.07mm、70g/m2 の中
性紙:王子製紙社製)に石目柄を印刷したものを20c
m×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬して
樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて含
浸シートを得た。得られた加飾シートの基材(紙)含有
率は、50wt%であった。 紙5:チタン紙(厚さ0.14mm、110g/m2
酸化チタン含有量22wt%:興人社製)に石目柄を印刷
したものを20cm×20cmの大きさに切り、上記樹
脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた後、ロールで余分な
樹脂をしごいて含浸シートを得た。得られた加飾シート
の基材(紙)含有率は、50wt%であった。 紙6:薄様紙(厚さ0.05mm、40g/m2 :王子
製紙社製)に石目柄を印刷したものを20cm×20c
mの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸
させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて含浸シートを
得た。得られた加飾シートの基材(紙)含有率は、50
wt%であった。
【0070】3.加飾シートの調整 加飾シート1:上記不織布2の4隅に酢酸エチルを1滴
ずつ滴下し、含浸樹脂が膨潤した状態で上記紙1を重ね
合わせ、両者が良好に密着した積層体を得た。 加飾シート2:上記不織布1の4隅に酢酸エチルを1滴
ずつ滴下し、含浸樹脂が膨潤した状態で上記紙2を重ね
合わせ、両者が良好に密着した積層体を得た。 加飾シート3:上記不織布3の4隅に酢酸エチルを1滴
ずつ滴下し、含浸樹脂が膨潤した状態で上記紙3を重ね
合わせ、両者が良好に密着した積層体を得た。 4.成形材料の調整 成形材料としては以下のものを用いた。 (1)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂、数平均分子量約2000、をス
チレンに溶解したもの、スチレン濃度40重量%)70
重量部 (2)ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9500
0のポリスチレン樹脂を、スチレンに溶解したもの、ス
チレン濃度65重量%)30部 (3)硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ
ート)1部 (4)炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120部 (5)着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工
業社製)6部 (6)増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ1
50:協和化学工業社製)1部 (7)内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社
製)3部 (8)ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断し
たもの、以下、GFと略す)70部 上記配合材料のうち(1)〜(7)の配合材料を混合、
充分に混練を行った後、SMC製造装置により(8)の
ガラス繊維に含浸させ、40℃にて24時間熟成して、
厚み約2mmの着色(白色)SMCを得た。
【0071】5.成形方法 この様にして得られた不織布、紙及びSMCを、以下の
ように成形した。各実施例、比較例ではそれぞれ、繰り
返し10ショットづつ成形を行った。
【0072】(実施例1)上型を140℃、下型を15
0℃に加熱した後、上記不織布1を下型に載せた。更
に、紙1を載せ、さらにその上に上記SMCを30cm
×30cmの大きさに切ったものを2枚チャージし、型
を締めて100kg/cm2 の圧力で240秒間加圧成
形した。その後型を開いて脱型し、加飾成形品を得た。
【0073】(実施例2)不織布として上記紙2を用
い、紙として紙3を用いた以外は、実施例1と同様に成
形を行った。
【0074】(実施例3)不織布として上記紙3を用
い、紙として紙2を用いた以外は、実施例1と同様に成
形を行った。
【0075】(実施例4)上型を140℃、下型を15
0℃に加熱した後、上記加飾シート1を下型に載せた。
さらにその上に上記SMCを30cm×30cmの大き
さに切ったものを2枚チャージし、型を締めて100k
g/cm2 の圧力で240秒間加圧成形した。その後型
を開いて脱型し、加飾成形品を得た。
【0076】(実施例5)加飾シートとして上記加飾シ
ート2を用いた以外は、実施例3と同様に成形を行っ
た。
【0077】(実施例6)加飾シートとして上記加飾シ
ート3を用いた以外は、実施例3と同様に成形を行っ
た。
【0078】(比較例1)紙を用いなかった以外は、実
施例1と同様に成形を行った。
【0079】(比較例2)紙を用いなかった以外は、実
施例2と同様に成形を行った。
【0080】(比較例3)紙を用いなかった以外は、実
施例3と同様に成形を行った。
【0081】(比較例4)不織布を用いず、紙として紙
4を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行った。
【0082】(比較例5)不織布を用いず、紙として紙
5を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行った。
【0083】(比較例6)不織布を用いず、紙として紙
6を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行った。
【0084】6.成形品の評価 上記各実施例1〜6、比較例1〜6において、まず、作
業性として、加飾シート位置決め作業時間を測定した。
即ち、不織布(又は積層した加飾シート)が最初に金型
に触れてから紙(又は積層した加飾シート)載置終了ま
での時間をストップウォッチにより測定した。また、得
られた成形品について、目視にてシートの伸び、及びシ
ート上へのSMCの流れ込みによる外観の不良の有無を
評価した。以上の結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】表1のように、実施例1〜6においては、
破れ、SMC流れ込み等の不良のないものであり、とり
わけ実施例4〜6においては、紙と不織布とが予め積層
一体化された加飾シートを用いているので、他の実施例
1〜3に比べて作業時間が短いものであった。一方、比
較例においては、破れ、隠蔽不良等の不良の多いもので
あった。
【0087】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、破れ、SM
Cの流れ込み等の不良がなく、かつ、隠蔽性に優れた加
飾成形品を得ることができる。さらに、紙と不織布とが
予め積層一体化された加飾シートは、本発明の製造方法
において、その作業性を著しく改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加飾成形品用シート構成を示す断面模
式図である。
【図2】本発明により得られる加飾成形品例の断面模式
図である。
【図3】本発明により得られる加飾成形品例の断面模式
図である。
【符号の説明】
(1) …加飾成形品用シート (2) …紙 (3) …不織布 (4) …成形材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 29/02 9349−4F 31/20 9349−4F 33/00 9349−4F // B29K 105:08 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性成形材料の少なくとも一部の面
    上に、紙と着色又は印刷された不織布とをこの順に積層
    するか、あるいは紙と着色又は印刷された不織布とが予
    め積層一体化された加飾成形品用シートを紙と熱硬化性
    成形材料とが接するように積層して、これらを加熱加圧
    成形することを特徴とする、加飾成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加飾成形品の製造方法に
    用いるシートであって、着色又は印刷された不織布と紙
    とが積層一体化されてなることを特徴とする加飾成形品
    用シート。
JP6266757A 1994-10-31 1994-10-31 加飾成形品の製造方法及び加飾成形品用シート Pending JPH08127036A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019004952A1 (en) * 2017-06-29 2019-01-03 Karapinar Coskun PRODUCTION OF DECORATIVE AND CUSTOM PRODUCTS USING COMPOSITE MATERIALS

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