JPH10202680A - 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法

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JPH10202680A
JPH10202680A JP9007398A JP739897A JPH10202680A JP H10202680 A JPH10202680 A JP H10202680A JP 9007398 A JP9007398 A JP 9007398A JP 739897 A JP739897 A JP 739897A JP H10202680 A JPH10202680 A JP H10202680A
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weight
decorative
molding
molecular weight
resin
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JP9007398A
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English (en)
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Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】自在な模様、色等の意匠を有し、成形時の作業
工数を省力化できる加飾成形用シート及び加飾成形品の
製造方法を提供する。 【解決手段】熱硬化性成形材料に積層し加熱加圧成形し
て加飾成形品を得るための加飾成形用シートである。基
材シートに熱硬化性樹脂組成物が含浸されたものからな
り、分子量30〜95の有機溶剤が0.5〜4重量%含
有されているか、又は、分子量100〜180の有機溶
剤が0.7〜8重量%含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加飾成形用シート
及び加飾成形品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維強化樹脂(以下、FRPとい
う)の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット等の
生産においては、ハンドレアップ成形法やスプレーアッ
プ成形法といわれる成形法が広く用いられてきたが、こ
れらの成形法においては、一個の製品を生産するのに時
間と工数を多く必要とするため、生産性を格段に改良す
るものとして、シート・モールディング・コンパウンド
(以下、SMCという)又はバルク・モールディング・
コンパウンド(以下、BMCという)等の熱硬化性成形
材料が開発され、これを用いたプレス成形法が広く採用
されている。
【0003】しかし、この様なSMCやBMCを用いて
プレス成形法により得られた成形品は、成形品全体の色
が単一色のものに限定され、例えば、赤色なら成形品全
体が赤色のものしか生産することができず、デザインの
自由度が非常に狭いという欠点を有する。
【0004】勿論、印刷、塗装等の後加工を行うことに
より、適宜意匠を付加することは可能であるが、この場
合には、煩雑な後加工の工程を要し、生産性が劣るもの
となる。
【0005】そこで、FRP製品に加飾を施す方法とし
て、加飾成形用シートをインサートする成形方法が提案
されている。例えば、特開平5─285973号公報に
記載されているように、印刷したチタン紙に熱硬化性樹
脂を含浸させたものをSMCに積層して成形し、加飾成
形品を得る方法が開示されている。
【0006】ここで、その加飾材料である含浸紙として
は、従来の、建材において壁紙や化粧板等に用いられて
いた含浸紙の技術がそのまま導入された。即ち、ジアリ
ルフタレート又は不飽和ポリエステル等の樹脂を大量の
アセトン等の溶剤に溶かした後、印刷チタン紙等に含浸
させ、乾燥ゾーン等で乾燥させて含浸紙としたものが転
用されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法に用いられる加飾成形用シートは、生産性の
観点から、高速なライン速度で乾燥しているため、残存
溶剤量が極めて多く、このため、貯蔵時に加飾成形用シ
ートである含浸紙同士がブロッキングし易いという問題
点がある。
【0008】これを防ぐために、例えば、ポリエチレン
フィルム等を合い紙として含浸紙と含浸紙の間に挟むこ
とが行われていたが、成形時に合い紙を外す作業を行わ
ねばならず、作業工数が大きいという問題点がある。特
に、省力化のために、加飾成形用シートを、人手ではな
く、機械により金型にセットするラインにおいては、そ
の機械として、単に加飾成形用シートを取り出して金型
にセットするのみならず、合い紙を1枚毎に取り外しな
がら加飾成形用シートのみを選択して取り出して金型に
セットするという非常に複雑な設備が必要となってしま
う。
【0009】本発明は、上記のような従来の問題点を解
消し、自在な模様、色等の意匠を有し、成形時の作業工
数を省力化できる加飾成形用シート及び加飾成形品の製
造方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
(以下、この発明のみを指す場合には本発明1という)
は、熱硬化性成形材料に積層し加熱加圧成形して加飾成
形品を得るための加飾成形用シートであって、基材シー
トに熱硬化性樹脂組成物が含浸されたものからなり、分
子量30〜95の有機溶剤が0.5〜4重量%含有され
ているか、又は、分子量100〜180の有機溶剤が
0.7〜8重量%含有されている加飾成形用シートであ
る。
【0011】請求項2に記載の本発明(以下、この発明
のみを指す場合には本発明2という)は、本発明1に記
載の加飾成形用シートを、金型と熱硬化性形成材料との
間に介在させた状態で、加熱加圧成形する加飾成形用シ
ートの製造方法である。
【0012】本発明において、加飾成形用シートは、熱
硬化性樹脂組成物を加飾した基材シートに含浸させたも
のが用いられる。基材シートとしては、例えば、紙、織
布、不織布等が用いられる。
【0013】紙としては、従来公知の各種のものが用い
られる。具体的には、オーバーレー紙、チタン紙、新聞
巻取紙、上質紙、中質紙、更紙、グラビア用紙、アート
紙、コート紙、コート紙、筆記用紙、図画用紙等が挙げ
られる。中でもオーバーレー紙、チタン紙等がコスト、
印刷性、強度の点で好適に用いられる。
【0014】又、その印刷方法としては、従来公知の各
種方法が可能であり、具体的には、グラビア印刷方式、
グラビア・オフセット印刷方式、シルクスクリーン印刷
方式、凸版印刷方式、オフセット印刷方式等が挙げられ
る。又、着色方法としても従来公知の各種方法が可能で
あり、具体的には抄造時に顔料等を混ぜ込む方法、抄造
時にインク等を染み込ませる方法、絵の具や塗料塗布す
る方法等が挙げられる。
【0015】織布としては、従来公知のものが用いら
れ、具体的には、絹、麻、木綿等の天然繊維、レーヨン
等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の
合成繊維などを織成したものが使用可能である。又、そ
の印刷方法、着色方法と上記の紙の場合と同様の方法が
可能である。
【0016】不織布としては、従来公知のものが用いら
れ、具体的には、絹、麻、木綿、羊毛等の天然繊維、レ
ーヨン等の再生繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリ
ル等の合成繊維などを化学的、熱的に、接着或いは繊維
同士の融着等を利用して布状としたものが使用可能であ
る。又、その印刷方法、着色方法は上記の紙の場合と同
様の方法が可能である。
【0017】ここで、着色又は印刷の態様としては、単
一色に彩色しても構わないし、複数色を用いて模様等図
柄を形成させても構わない。即ち、目的に応じて自在な
意匠を適用することが可能である。
【0018】本発明において、基材シートに含浸させる
熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては、例え
ば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹
脂、ウレタンアクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0019】不飽和ポリエステル樹脂としては、公知慣
用の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和
ポリカルボン酸と、更に必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸及び/又は芳香族ポリカルボン酸等から製造さ
れたものが用いられる。
【0020】エポキシアクリレート樹脂としては、公知
慣用の方法により、通常、エポキシ樹脂及び(メタ)ア
クリル酸等の反応性二重結合を有するモノカルボン酸な
どから製造されたものが用いられる。
【0021】ウレタンアクリレート樹脂としては、通
常、アルキレンジオール、アルキレンジオールエステ
ル、アルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオ
ール又はポリエステルポリオール等の有機ポリオールに
有機ポリイソシアネートを反応させて製造されたものが
用いられる。
【0022】ジアリルフタレート樹脂としては、通常、
ジアリルフタレートモノマーを過酸化ベンゾイルのよう
な過酸化物触媒の存在下で加熱、重合させてプレポリマ
ー化させることによって製造されたものが用いられる。
【0023】メラミン樹脂とは、メラミンとホルムアル
デヒドを縮合させることによって得られるもので、必要
に応じて、メタノール又はブタノールで変性させて用い
られる。中でも、メタノールで変性されたものが、紙へ
の含浸性が良好であるので好適に用いられる。
【0024】又、熱硬化性樹脂組成物中には、必要に応
じて、炭酸カルシウム等の充填材、有機過酸化物等の開
始剤、パラベンゾキノン等の禁止剤、ステアリン酸亜鉛
等の離型剤等を適量添加できる。
【0025】熱硬化性樹脂組成物中には、硬化剤とし
て、ラジカル反応開始剤としての有機過酸化物を添加す
ることができる。その具体例としては、例えば、メチル
エチルパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、イ
ソブチリルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド
類、クメンハイドロパーオキサンド等のハイドロパーオ
キサイド類、ジクミパーオキサイド等のジアルキルパー
オキサイド類、t─ブチルパーオキシ─2─エチルヘキ
サノエート等のアルキルパーエステル類、t─ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネー
ト類、1,1─ジブチルパーオキシシクロヘキサン、
1,1─ビス─t─ヘキシルパーオキシ─3,3,5─
トリメチルシクロヘキサン、1,1─t─ブチルパーオ
キシ─3,3,5─トリメチルシクロヘキサン等のパー
オキシケタール類などが挙げられ、中でも、t─ブチル
パーオキシベンゾエート、1,1─ビス─t─ヘキシル
パーオキシ─3,3,5─トリメチルシクロヘキサン、
1,1─t─ブチルパーオキシ─3,3,5─トリメチ
ルシクロヘキサン等が、安全性、反応性、硬化性、取扱
い性、コスト等の点で有利であるので好適に用いられ
る。
【0026】有機過酸化物の添加量としては、熱硬化性
樹脂と共重合性モノマーの合計100重量部に対して、
0.1〜8重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜
6重量部であり、更に好ましくは0.5〜5重量部であ
る。添加量が少なすぎると成形時に加飾成形用シートが
完全硬化に至りにくく、多すぎると成形時に加飾成形用
シートが黄変し易くなる。
【0027】本発明において、加飾成形用シート中に
は、分子量30〜95の有機溶剤が0.5〜4重量%含
有されているか、又は、分子量100〜180の有機溶
剤が0.7〜8重量%含有されている必要があり、分子
量40〜95の有機溶剤が0.8〜3.5重量%含有さ
れているか、又は、分子量100〜150の有機溶剤が
1〜6.5重量%含有されているのが好ましく、分子量
50〜90の有機溶剤が1〜3重量%含有されている
か、又は、分子量105〜140の有機溶剤が1.5〜
4.5重量%含有されているのがより好ましい。
【0028】有機溶剤の分子量が大きすぎると硬化反応
時の立体障害が大きくなりすぎて、完全硬化に至りにく
く、小さくなりすぎると、揮発性が高くなりすぎて貯蔵
安定性が低下し易くなり、又、有機溶剤の含有率が多す
ぎると、加飾成形用シートがべとついて取扱い性が悪く
なり易く、又、成形時に発泡し易く、少なすぎると、硬
化性が低下し、短時間で完全硬化させることが難しくな
ることを見い出し、本発明においては、上記のような加
飾成形用シート中に含有される有機溶剤の分子量と含有
率が特定された。
【0029】尚、有機溶剤は、沸点が40〜300℃で
あるのが好ましく、より好ましくは50〜250℃であ
る。沸点が高すぎると必然的に分子量が大きいか又は極
性が大きいものとなるため、硬化反応時の立体障害が大
きくなりすぎて、完全硬化に至りにくく、低すぎると、
揮発性が高くなりすぎて貯蔵安定性が低下し易い。
【0030】具体的には、分子量30〜95の有機溶剤
としては、例えば、アセトン(分子量58、沸点56
℃)、トルエン(分子量92、沸点110℃)、酢酸エ
チル(分子量88、沸点77℃)、メチルエチルケトン
(分子量72、沸点79℃)、イソプロピルアルコール
(分子量60、沸点79℃等が挙げられる。中でも、ア
セトン、酢酸エチルが価格及び各種性能の点で優れるた
め、好適に用いらる。
【0031】分子量100〜180の有機溶剤として
は、例えば、n─デカン(分子量142、沸点174
℃)、塩化ベンゾイル(分子量140、沸点197
℃)、o─キシレン(分子量106℃、沸点144
℃)、m─キシレン(分子量106℃、沸点139
℃)、p─キシレン(分子量106℃、沸点138
℃)、クメン(分子量120℃、沸点153℃)、クロ
ロベンゼン(分子量113℃、沸点132℃)、クロロ
ホルム(分子量119、沸点60℃)、o─ジクロロベ
ンゼン(分子量147℃、沸点180℃)、m─ジクロ
ロベンゼン(分子量147℃、沸点173℃)、p─ジ
クロロベンゼン(分子量147℃、沸点174℃)等が
挙げられる。
【0032】基材シートに熱硬化性樹脂組成物を含浸さ
せる方法としては、従来公知の方法を採用することがで
きる。例えば、熱硬化性樹脂組成物の入った槽に基材シ
ートを浸漬して含浸させた後、ロール等でしごいて余分
な熱硬化性樹脂組成物を落とし、必要に応じて乾燥炉に
て乾燥する方法、或いは、移動ベルト上に基材シートを
乗せて移動させつつ、その上に熱硬化性樹脂組成別を供
給し、ロール又はブレード等でしごいていく方法等が挙
げられる。
【0033】本発明2において、熱硬化性成形材料とし
ては、SMCやBMC等の材料が使用可能である。即
ち、熱硬化性成形材料としては、ベース樹脂である不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレ
タンアクリレート樹脂中に、必要に応じて各種充填材、
補強材、添加剤等が添加されて、SMCやBMC等の形
態とされたものが使用可能である。
【0034】ここで、不飽和ポリエステル樹脂に用いら
れる有機ポリオールとしては、ジオール、トリオール、
テトロール又はこれらの混合物が挙げられるが、主とし
て脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けられ
る。
【0035】脂肪族ポリオールの代表的なものとして
は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブ
ロムネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、水素化ビスフェノールA等が挙げられる。
【0036】芳香族ポリオールの代表的なものとして
は、ビスフェノールA又はビスフェノールS、或いはこ
れらにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくは
ブチレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物を、
一分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得られる
ポリオキシアルキレンビスフェノールA又はポリオキシ
アルキレンビスフェノールS等が挙げられる。
【0037】不飽和ポリエステル樹脂に用いられる脂肪
族不飽和カルボン酸としては、(無水)マレイン酸、フ
マル酸、(無水)イタコン酸等が用いられる。不飽和ポ
リエステル樹脂に用いられる脂肪族飽和カルボン酸とし
ては、例えば、セバチン酸、アジピン酸、(無水)コハ
ク酸等が用いられる。
【0038】不飽和ポリエステル樹脂に用いられる芳香
族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル酸、イソフ
タル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル
酸、エンドメチレンテトラ無水フタル酸等が用いられ
る。
【0039】エポキシアクリレート(ビニルエステル)
樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、これもまた公
知慣用の方法により、エピクロルヒドリン及びビスフェ
ノールAから製造されるビスフェノールA型エポキシ樹
脂、エピクロルヒドリン及び臭素化ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、フェノールノボラック又はオルトクレゾ
ールノボラックをグリシジルエーテル化して製造される
ノボラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒ
ドリンを反応させて得られるグリシジルアミン型エポキ
シ樹脂(テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テト
ラグリシジル─1,3─ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリ
グリシジル─p−アミノフェノール、トリグリシジル─
m─アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリ
シジルオルトトルイジン等)が用いられる。
【0040】ウレタンアクリレート樹脂に用いられるポ
リオールとしては、アルキレンジオールとして、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジイソプロピルグリコール、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタン
ジオール等、ポリエーテルポリオールとしては、ポリオ
キシメチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレ
ンオキサイド等、ポリエステルポリオールとしてアルキ
レンジオール等の有機ポリオール及びポリカルボン酸の
縮合化合物等が汎用的に用いられる。
【0041】ウレタンアクリレート樹脂に用いられるポ
リイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレン
ポリフェニルジイソシアネート、ポリメチレンポリフェ
ニルジイソシアネート等が用いられる。
【0042】ウレタンアクリレート樹脂に用いられるヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、通
常、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシジブチル
(メタ)アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル基
は、通常、アルキル基のベータ位の炭素に結合してい
る。アルキル基は、通常、8個までの炭素原子を含むこ
とができる。
【0043】熱硬化性成形材料中には、低収縮剤とし
て、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレン、エチレン─酢酸ビニル共重合体、酢
酸ビニル─スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポ
リエステル類、飽和ポリエーテル類のような熱可塑樹脂
を、必要に応じて、適当量添加することができる。
【0044】熱可塑性樹脂の添加量は、樹脂分のうち、
0.1〜30重量%であるのが好適であり、より好適に
は、0.3〜20重量%である。添加量が多すぎると、
熱硬化性成形材料の粘度が高くなるため、成形時に充分
な流動性が得られず、少なすぎると、充分な収縮効果が
得られない。
【0045】ここに、樹脂分とは、熱硬化性樹脂、熱可
塑性樹脂の他、スチレン、α─メチルスチレン、ジビニ
ルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリルフタレート、各
種アクリレートモノマー、各種メタクリレートモノマー
等の共重合性単量体等のように化学反応して樹脂となり
得る成分の総量を意味する。
【0046】共重合性単量体の添加量は、樹脂分の1〜
70重量%が好ましく、より好ましくは、3〜50重量
%である。添加量が少なすぎると、熱硬化性成形材料の
粘度が高くなるため、成形時に充分な流動性が得られ
ず、少なすぎると、充分な収縮改良効果が得られにく
い。
【0047】又、熱硬化性成形材料中には、必要に応じ
て、ラジカル反応開始剤としての有機過酸化物を加える
ことができる。有機過酸化物としては、例えば、メチル
エチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド
類、イソブチルパーオキサイド等のジアシルパーオキサ
イド、類、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロ
パーオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアル
キルパーオキサイド類、t─ブチルパーオキシ─2─エ
チルヘキサノエート等のアルキルパーエステル類、1,
1─ジブチルパーオキシシクロヘキサン等のパーオキシ
ケタール類等があり、汎用的には、t─ブチルパーオキ
シベンゾエート、t─ブチルパーオキシイソプロピルカ
ーボネート等が使用可能である。
【0048】有機過酸化物の添加量としては、反応性不
飽和結合を持つ熱硬化性樹脂及び共重合性単量体の総量
100重量部に対して、0.3〜5重量部が好ましく、
より好ましくは0.5〜3重量部である。添加量が少な
すぎると、熱硬化性成形材料の硬化速度が遅くなり易
く、多すぎると、熱硬化性成形材料が硬化時に黄変し易
くなる。
【0049】熱硬化性成形材料中には、目的及び用途に
応じて、適当量の無機充填材を添加することができる。
使用可能な無機充填材としては、例えば、グラファイ
ト、ダイヤモンド等の元素鉱物、岩塩、カリ岩塩等のハ
ロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の炭酸塩鉱物、藍鉄鉱
等のリン酸塩鉱物、カルノー石等のバナジン酸塩鉱物、
重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウム)等の
硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チタン石等の
チタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉ろう石、カ
オリン、石英、長石等の珪酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉
(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウム等の金属
(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス製品等を中
心とした天然又は人工の鉱物又はそれを処理、精製或い
は加工したもの、及びこれらの混合物が用いられる。
【0050】熱硬化性成形材料中には、必要に応じて、
着色顔料を適当量添加することができる。着色顔料とし
ては、従来公知のものが用いられ、例えば、酸化チタ
ン、ベンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタ
ンイエロー、ハンザイエロー、モリブデンオレンジ、黄
鉛、ジスアゾイエロー、ベンジルオレンジ、キナクリド
ンレッド、キナクリドンマゼンタ、ナフトールバイオレ
ット、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、アル
カリブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、
酸化鉄(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブラッ
ク、カーボンブラック、鉄黒、アルミフレーク、ニッケ
ル粉、金粉、銀粉等各種のものが用いられる。
【0051】中でも、酸化チタン、チタンイエロー、キ
ナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、フタロシア
ニンブルー、酸化鉄(ベンガラ)、カーボンブラック、
鉄黒、アルミフレーク等が成形材料の硬化性等への影響
が少ないため好適に用いられる。
【0052】無機充填材の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、より
好ましくは0〜250重量部である。着色顔料の添加量
としては、樹脂分100重量部に対して、1〜100重
量部が好ましく、より好ましくは3〜50重量部であ
る。
【0053】又、無機充填材と着色顔料との総量として
は、樹脂分100重量部に対して、30〜320重量部
が好ましく、より好ましくは40〜200重量部であ
る。無機充填材、着色顔料の添加量が少なすぎると、充
分な隠蔽性が得られず、多すぎると、熱硬化性成形材料
の粘度が高くなるため、成形時に型内において充分な流
動性が得られない。
【0054】熱硬化性成形材料中には、補強材として、
ガラス繊維や炭素繊維等の各種補強繊維を適当量添加す
ることができる。補強材の添加量としては、樹脂分10
0重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、より
好ましくは3〜90重量部である。添加量が少なすぎる
と、充分な補強硬化が得られず、多すぎると、熱硬化性
成形材料の粘度が高くなるため、成形時の型内における
充分な流動性が得られない。
【0055】熱硬化性成形材料中には、必要に応じて、
ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、アゾ系染料
やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等
の染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシ
チン等の離型剤等を、用途、目的に応じて適当量加える
ことができる。
【0056】熱硬化性成形材料としては、より具体的に
は、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリ
レート樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリ酢酸ビニル等の熱硬化性樹脂のスチレン溶液
(スチレン濃度約40〜70重量%)60〜100重量
部に、スチレン樹脂等のスチレン溶液(スチレン濃度約
40〜70重量%)0〜40重量部を加えたもの100
重量部に対して、t─ブチルパーオキシベンゾエート等
の有機過酸化物0.7〜2.5重量部と、炭酸カルシウ
ム、水酸化アルミニウム等の充填材粉末60〜160重
量部からなる無機成分合成70〜180重量部とを加え
たものを混練してコンパウンドとし、これをガラス繊維
等の補強材5〜80重量部に含浸させてSMCやBMC
等の形態とされたものが好適に用いられる。
【0057】本発明の加飾成形品の製造方法に用いる成
形機としては、従来公知のプレス成形機が使用可能であ
り、型としては、従来公知の、金型、鋳物型等が使用可
能である。型の形式としては、一般的には上下型が好ま
しい。この場合、通常は、上型を可動型、下型を固定型
として用いる。
【0058】本発明の加飾成形品の製造方法のプロセス
は、例えば、以下のようになる。まず、成形機に、型を
取り付け、加熱した後、型内に、加飾成形用シートをそ
の目的の位置に載置する。型温度は、120〜170℃
が好ましく、より好ましくは130〜155℃であり、
更に好ましくは135〜150℃でる。型温度が低すぎ
ると完全に硬化させるのに時間がかかり、高すぎると表
面性の不良が発生し易い。
【0059】次に、その上に熱硬化性成形材料を積層す
る。熱硬化性成形材料の積層は、自動化された機械設備
にて行うのが所要時間が少なくて好ましいが、人手によ
って行っても構わない。積層作業は通常のFRPプレス
成形作業と同様に行えばよく、あわてて行う必要はない
が、スムーズに行うのが好ましい。即ち、加飾成形用シ
ートを載置した後、2分以内に完了するのが好ましく、
より好ましくは1分30秒以内であり、更に好ましくは
1分以内である。遅すぎると、得られる無機質硬化体の
表面性の不良が発生し易くなる。
【0060】その後、型を締め、10〜120kg/c
2 の圧力で加圧成形し、硬化させた後、型を開き、製
品を脱型して、加飾成形品を得る。加圧時間は、40秒
〜7分間が好ましく、より好ましくは1分30秒〜6分
間であり、更に好ましくは2分〜5分間である。加圧時
間が短すぎると、硬化不良のため得られる無機質硬化体
の強度が不十分となり易く、長すぎると成形効率が低下
するためコストが高くなる。
【0061】ここで、加飾成形用シートを載置する向き
としては、金型側即ち製品面側を印刷あるいは着色した
面とするのが普通であるが、必要に応じて、熱成形性成
形材料側を印刷或いは着色した面としても構わない。加
飾成形用シートの大きさとしては、図1に示すように成
形材料層2の表面の全面に加飾シート層1が設けられた
加飾成形品を得るように、成形品表面の全面を加飾する
大きさのものであってもよいし、図2又は図3に示すよ
うに成形材料層2の表面の一部に加飾シート層1が設け
られた加飾成形品を得るように、成形品表面の一部のみ
を加飾する大きさであっても構わない。即ち、求める意
匠に応じて、任意の大きさ形のものを用いることができ
る。
【0062】
【作用】本発明1の加飾成形用シートは、基材シートに
熱硬化性樹脂組成物が含浸されたものからなり、分子量
30〜95の有機溶剤が0.5〜4重量%含有されてい
るか、又は、分子量100〜180の有機溶剤が0.7
〜8重量%含有されていることにより、熱硬化性樹脂の
間に適度な分子量の溶剤が適量入って立体障害が緩和さ
れた状態にて硬化反応が行われるので、反応が極めてス
ムーズに進み、短時間で完全硬化に到り、成形サイクル
を速くすることができるともに、べたつくことがないの
で取り扱い性に優れていて作業性が良い。
【0063】本発明2の加飾成形品の製造方法は、本発
明1記載の加飾成形用シートを、金型と熱硬化性形成材
料との間に介在させた状態で、加熱加圧成形することに
より、加飾成形用シートの取扱い性に優れ、又、成形サ
イクルを速くすることができるので、意匠性に優れた加
飾成形品を生産性よく製造することができる。
【0064】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 1.成形機及び金型の準備 成形機としては、川崎油工社製、800トンプレス成形
機を用いた。金型としては、100cm×100cmの
正方形板を成形する上下型であって、上型、下型共に電
気ヒーター及び冷却水配管が埋め込まれた金型を準備し
た。この金型をプレス成形機に取り付けた。上型を可動
型とし、下型を固定型とした。
【0065】2.加飾成形用シートの調製 加飾成形用シートとしては以下のものを用いた。 (1)基材シート 基材シートとしては、以下のものを用いた。 基材シート1:チタン紙(厚さ0.1mm、坪量80g
/m2 、興人社製、商品名「PM11P」)に石目柄を
印刷したもの。 基材シート2:オーバーレー紙(厚さ0.12mm、坪
量85g/m2 、興人社製)に石目柄を印刷したもの。
【0066】基材シート3:布(ナイロン製、厚さ0.
1mm、坪量90g/m2 、東洋紡績社製)に石目柄を
印刷したもの。 基材シート4:不織布(ポリエステル製、厚さ0.36
mm、坪量40.7g/m2 、東レ社製、商品名「ソン
タラ#8000」)に石目柄を印刷したもの。
【0067】(2)含浸用樹脂液(熱硬化性樹脂組成
物) 含浸用樹脂液としては以下のものを用いた。尚、「アセ
トン」とは分子量58、沸点56℃のものであり、「酢
酸エチル」とは分子量88、沸点77℃のものであり、
「o─キシレン」とは分子量106、沸点144℃のも
のであり、「クロロベンゼン」とは分子量113℃、沸
点132℃のものであり、n─テトラデカン」とは分子
量198℃、沸点253℃のものである。
【0068】樹脂液1:不飽和ポリエステル樹脂液〔イ
ソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量
2000)をアセトンに溶解したもの(アセトン濃度4
0重量%)〕50重量部と、ジアリルフタレート〔ジア
リルフタレート樹脂(数平均分子量700)をアセトン
に溶解したもの(アセトン濃度45重量%)〕50重量
部と、t─ブチルパーオキシベンゾエート(1時間半減
期温度124.7℃)1.5重量部とを混合、攪拌した
もの。
【0069】樹脂液2:ジアリルフタレート〔ジアリル
フタレート樹脂(数平均分子量700)を酢酸エチルに
溶解したもの(酢酸エチル濃度45重量%)〕100重
量部と、t─ブチルパーオキシベンゾエート(1時間半
減期温度124.7℃)1.5重量部とを混合、攪拌し
たもの。
【0070】樹脂液3:不飽和ポリエステル樹脂液〔イ
ソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量
2000)をo─キシレンに溶解したもの(キシレン濃
度40重量%)〕50重量部と、ジアリルフタレート
〔ジアリルフタレート樹脂(数平均分子量700)をo
−キシレンに溶解したもの(キシレン濃度45重量
%)〕50重量部と、t─ブチルパーオキシベンゾエー
ト(1時間半減期温度124.7℃)1.5重量部とを
混合、攪拌したもの。
【0071】樹脂液4:ジアリルフタレート〔ジアリル
フタレート樹脂(数平均分子量700)をクロロベンゼ
ンに溶解したもの(クロロベンゼン濃度45重量%)〕
100重量部と、t─ブチルパーオキシベンゾエート
(1時間半減期温度124.7℃)1.5重量部とを混
合、攪拌したもの。
【0072】樹脂液5:不飽和ポリエステル樹脂液〔イ
ソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量
2000)をn─テトラデカンに溶解したもの(n─テ
トラデカン濃度40重量%)〕50重量部と、ジアリル
フタレート〔ジアリルフタレート樹脂(数平均分子量7
00)をn─テトラデカンに溶解したもの(n─テトラ
デカン濃度45重量%)〕50重量部と、t─ブチルパ
ーオキシベンゾエート(1時間半減期温度124.7
℃)1.5重量部とを混合、攪拌したもの。
【0073】(3)含浸 加飾成形用シート1:上記基材シート1を縦80cm×
横80cmの大きさに切り、上記樹脂液1中に浸漬して
樹脂液1を含浸させ、一対のロールで余分な樹脂液1を
しごいて除去した後、70℃のオーブンにて乾燥させ
て、加飾成形用シート1を得た。同様の作業を繰り返
し、110枚の加飾成形用シートを得た。得られた加飾
成形用シート中の樹脂液の含浸量(基材シート100重
量部に対して含浸された樹脂液の重量部)、各溶剤含有
率を表1に示す。
【0074】加飾成形用シート2〜25:表1に示す基
材シート、樹脂液を用いたこと以外は加飾成形用シート
1と同様にして作成した。得られた加飾成形用シート中
の樹脂液の含浸量(基材100重量部に対して含浸され
た樹脂液の重量部)、各溶剤の含有率を表1に示す。
【0075】熱硬化性成形材料(SMC)の調製 熱硬化性成形材料としては、以下のものを用いた。 不飽和ポリエステル樹脂液〔イソフタル酸系の不飽
和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2,000)をス
チレンに溶解したもの(スチレン濃度40重量%)〕7
0重量部 ポリスチレン樹脂液〔重量平均分子量約95,00
0のポリスチレン樹脂を、スチレンに溶解したもの(ス
チレン濃度65重量%)〕30重量部 硬化剤(t─ブチルパーオキシベンゾエート)1重
量部 炭酸カルシウム粉末〔日東粉化社製、商品名「NS
−100」〕120重量部
【0076】 着色顔料〔酸化チタン粉末(堺化学工
業社製、商品名「SR−1」)6重量部 増粘剤〔酸化マグネシウム粉末(協和化学工業社
製、商品名「キョーワマグ150」)1重量部 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 ガラス繊維〔旭ファイバーグラス社製のロービング
(商品名「ER4630LBD166W)を長さ25m
mに切断したもの、以下、GFと略す〕70重量部
【0077】上記配合材料のうち、〜の配合材料を
混合し、充分に混合を行ったものを、SMC製造装置に
て、のガラス繊維に含浸させ、40℃にて24時間熟
成して、厚み約2mmの白色着色SMCを得た。
【0078】4.成形方法 上記加飾成形用シート及び熱硬化性成形材料を用いて、
下記のようにして加飾成形品の製造を行った。実施例1 (300秒硬化品の成形)上型を140℃、下型を1
50℃に加熱した後、人手により、下型上に加飾成形用
シート1を乗せ、更にその上に、人手により、上記成形
材料を縦50cm×横50cmの大きさに切ったものを
4枚載せた。加飾成形用シートのセットから成形材料載
置までの時間は50秒であった。その後、型を閉めて1
00kg/cm2 の圧力で300秒加圧成形した。その
後、型を開いて脱型し、厚み2mmの加飾成形品を得
た。
【0079】(180秒硬化品の成形)型を閉めた後
加圧する時間を180秒としたこと以外はと同様にし
て、加飾成形品を得た。 (150秒硬化品の成形)型を閉めた後加圧する時間
を150秒としたこと以外はと同様にして、加飾成形
品を得た。 (120秒硬化品の成形)型を閉めた後加圧する時間
を120秒としたこと以外はと同様にして、加飾成形
品を得た。
【0080】実施例2〜7、比較例1〜5 加飾成形用シートを表中に示すものとしたこと以外は実
施例1と同様にして加飾成形品を得た。
【0081】実施例8〜14、比較例6〜8 加飾成形用シートを表中に示すものとしたこと、加圧時
間を300秒、150秒、120秒、90秒の4段階に
したこと以外は実施例1と同様にして加飾成形品を得
た。
【0082】5.評価方法 (1)加飾成形用シートの貯蔵時ブロッキング性の評価 得られた加飾成形用シート1〜7、15〜19を、それ
ぞれ、100枚積み重ね、30℃の恒温室内に水平に置
き、2週間後及び4週間後に取り出し、上から99枚目
を持ち上げた際に、100枚面が一緒に持ち上がるか否
か評価した。又、得られた加飾成形用シート8〜14、
20〜22については、1月後、2月後、3月後に取り
出したこと以外が上記と同様にして評価した。
【0083】(2)耐摩耗性の評価 得られた加飾成形品について、光沢及び表面硬度を測定
した。光沢は、加飾成形品の加飾部について、光沢計
(堀場製作所社製、商品名「グロスチェッカIG10
0」)により測定した。表面硬度は、JIS K 54
00に準じて鉛筆硬度の測定を行った。
【0084】これらの結果を表1〜4に示す。表中、ブ
ロッキング性の欄において、○印はブロッキング全くな
し、△印は99枚目と100枚目の間にタックがあるが
100枚目は持ち上がらない、×印は99枚目と一緒に
100枚目が持ち上がったことを示す。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】表1〜4から明らかなように、実施例1〜
14の場合には、いずれも、加飾成形用シートの耐ブロ
ッキング性が優れており、得られた加飾成形品は、成形
工程において、短時間しか加圧しなかったものでも光
沢、表面硬度が良好であるのに対して、比較例1,4,
6〜8においては、加飾成形用シートの耐ブロッキング
性が不良であり、又、比較例2,3,5,6〜8におい
ては、短時間の加圧時間では十分に硬化することができ
ず、光沢及び表面硬度の悪いものしか得ることができな
かった。
【発明の効果】本発明1の加飾成形用シートは、上記の
ようにされているので、べとつくことがないので取扱い
性が優れており、又、成形サイクルを速くすることがで
きる。
【0090】本発明2の加飾成形品の製造方法は、上記
のようにされているので、意匠に優れた加飾成形品を生
産性よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られる加飾成形品の一例を示す
断面図である。
【図2】本発明により得られる加飾成形品の別の例を示
す断面図である。
【図3】本発明により得られる加飾成形品の更に別の例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 加飾シート層 2 成形材料層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性成形材料に積層し加熱加圧成形
    して加飾成形品を得るための加飾成形用シートであっ
    て、基材シートに熱硬化性樹脂組成物が含浸されたもの
    からなり、分子量30〜95の有機溶剤が0.5〜4重
    量%含有されているか、又は、分子量100〜180の
    有機溶剤が0.7〜8重量%含有されていることを特徴
    とする加飾成形用シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の加飾成形用シートを、金
    型と熱硬化性形成材料との間に介在させた状態で、加熱
    加圧成形することを特徴とする加飾成形品の製造方法。
JP9007398A 1997-01-20 1997-01-20 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法 Pending JPH10202680A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019004952A1 (en) * 2017-06-29 2019-01-03 Karapinar Coskun PRODUCTION OF DECORATIVE AND CUSTOM PRODUCTS USING COMPOSITE MATERIALS

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