JPH0939103A - 加飾積層用シートおよび加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾積層用シートおよび加飾成形品の製造方法

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JPH0939103A
JPH0939103A JP7194642A JP19464295A JPH0939103A JP H0939103 A JPH0939103 A JP H0939103A JP 7194642 A JP7194642 A JP 7194642A JP 19464295 A JP19464295 A JP 19464295A JP H0939103 A JPH0939103 A JP H0939103A
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JP
Japan
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weight
decorative
coupling agent
molding material
resin
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Application number
JP7194642A
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English (en)
Inventor
Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加飾積層用シートの成形品への密着性に優
れ、かつ耐熱水性にも優れた加飾成形品を得る。 【解決手段】無機充填材とカップリング剤を含む熱硬化
性樹脂組成物が加飾基材に含浸されているか、または、
カップリング剤によって表面処理した無機充填材を含む
熱硬化性樹脂組成物が加飾基材に含浸されている加飾積
層用シートである。この構成の加飾積層用シートを用い
て加熱圧縮成形を行う加飾成形品の製造方法である。ま
た、熱硬化性成形材料として、カップリング剤を含有す
る熱硬化性樹脂組成物を用いるか、または、熱硬化性成
形材料として、カップリング剤を含有する熱硬化性樹脂
組成物を用い、かつ、加飾積層用シートとして、カップ
リング剤を含む熱硬化性樹脂組成物を加飾基材に含浸さ
せてなるものを用いる加飾成形品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形型内に加飾積
層用シートと熱硬化性成形材料とを重ねて配し、加熱圧
縮成形を行うことによって、加飾積層用シートと成形材
料を一体化させて、加飾積層用シートによって所望の模
様、色彩等の意匠性を発現した加飾成形品を製造する方
法に関し、また、このような加飾成形品を得るのに用い
られる加飾積層用シートに関する。
【0002】こうして得られた加飾成形品は、浴槽、浴
槽用壁材、防水パン、カウンター等、表面に模様ないし
は色彩を有する製品に好適に使用される。
【0003】
【従来の技術】従来、FRP(繊維強化プラスチック)
の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット床等の生
産においては、ハンドレイアップ成形法あるいはスプレ
ーアップ成形法と言われる方式が広く採用されて来た
が、これらの方法は一個の製品を生産するのに長い時間
と多くの工数を必要とした。そこで、これらの生産性を
格段に改良するものとして、シート・モールディング・
コンパウンド(以下、SMCと略す)またはバルク・モ
ールディング・コンパウンド(以下、BMCと略す)等
の熱硬化性成形材料が開発され、これを用いた加熱圧縮
成形法が現在広く採用されている。
【0004】しかしながら、熱硬化性成形材料だけを用
いたSMCあるいはBMCの加熱圧縮成形では、得られ
た成形品は、成形品全体の色が単一色に限られたものと
なり、例えば赤なら成形品全体が赤色のものしか生産で
きず、模様および色彩の自由度が狭められるという難点
がある。勿論、成型品に印刷、塗装等の後加工を施せ
ば、適宜模様ないしは色彩を付加することは可能である
が、この場合には複雑な後加工の工程を付け加える必要
があり、生産性がいっそう低下する。
【0005】そこで、これらのFRP製品を加飾する方
法として、成型品に所望の模様を発現するための加飾積
層用シートを用いる方法が提案されている。例えば、特
開平5−285973号公報には、所望の模様柄を印刷
したチタン紙に熱硬化性樹脂を含浸させてなる加飾積層
用シートの上にSMCを重ねて加熱圧縮成形を行い、加
飾成形品を得る方法が開示されている。
【0006】そして、このような加飾積層用シートに用
いられる熱硬化性樹脂組成物には、製品の耐摩耗性など
を改善する目的で、または光沢の調整等の目的で、アル
ミナ粉末、シリカ粉末のような無機充填材が添加された
ものが、耐磨耗性の要求される用途等においては用いら
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような加熱圧縮成形方法によって得られた成形品は、加
飾積層用シートが成形品の表面に積層されているだけの
ものであるので、加飾積層用シートの成形品への密着性
が悪く、たとえば、これが熱水に長時間晒された場合に
は加飾積層用シート部分が成形品から剥がれやすいとい
う難点がある。
【0008】また、無機充填材を含有する加飾積層用シ
ートを用いた場合に、上記方法で得られた成形品は、耐
熱水性にも劣り、これが熱水に長時間晒された場合には
加飾積層用シート表面が真っ白に変色してしまうという
問題がある。
【0009】本発明は上記欠点を解消すべくなされたも
のであり、自在な模様、色等のデザインを有する、加飾
積層用シート積層成形品を成形するに際し、加飾積層用
シートの成形品への密着性に優れ、かつ耐熱水性にも優
れた加飾成形品の製造方法、およびこのような良好な加
飾成形品を得るのに用いられる加飾積層用シートを提供
することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点を改良
するものであり、請求項1記載の発明は、無機充填材と
カップリング剤を含む熱硬化性樹脂組成物が加飾基材に
含浸されていることを特徴とする加飾積層用シートであ
る。
【0011】また、請求項2記載の発明は、カップリン
グ剤によって表面処理した無機充填材を含む熱硬化性樹
脂組成物が加飾基材に含浸されていることを特徴とする
加飾積層用シートである。
【0012】請求項3記載の発明は、加飾積層用シート
を熱硬化性成形材料に積層状に配して該成形材料の加熱
圧縮成形を行うに当たり、加飾積層用シートとして請求
項1または2記載のものを用いることを特徴とする加飾
成形品の製造方法である。
【0013】請求項4記載の発明は、加飾積層用シート
を熱硬化性成形材料に積層状に配して該成形材料の加熱
圧縮成形を行うに当たり、熱硬化性成形材料として、カ
ップリング剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を用いるこ
とを特徴とする加飾成形品の製造方法である。
【0014】また、請求項5記載の発明は、加飾積層用
シートを熱硬化性成形材料に積層状に配して該成形材料
の加熱圧縮成形を行うに当たり、熱硬化性成形材料とし
て、カップリング剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を用
い、かつ、加飾積層用シートとして、カップリング剤を
含む熱硬化性樹脂組成物を加飾基材に含浸させてなるも
のを用いることを特徴とする加飾成形品の製造方法であ
る。
【0015】まず、請求項1記載の発明について詳しく
説明する。
【0016】本明細書において、「加飾基材」とは、印
刷や着色などで加飾された基材をいう。
【0017】上記基材、すなわち未加飾状態の基材とし
ては、紙、布、不織布、ガラスマット、ガラスクロス等
の繊維集合体や、多孔質合成樹脂シートなどが例示され
る。
【0018】上記紙としては、従来公知の各種のものが
用いられる。具体的には、薄様紙、チタン紙、新聞巻き
取り紙、上質紙、中質紙、更紙、グラビア用紙、アート
紙、コート紙、筆記用紙、図画用紙等が使用可能であ
る。また、その印刷方法としても従来公知の各種方法が
適用可能であり、具体的には、グラビア印刷方式、グラ
ビア・オフセット印刷方式、シルクスクリーン印刷方
式、凸版印刷方式、オフセット印刷方式等がある。ま
た、着色方法としても従来公知の各種方法が適用可能で
あり、具体的には抄造時に顔料等を混ぜ込む方法、抄造
時にインクを染み込ませる方法、絵の具や塗料を塗布す
る方法等がある。
【0019】上記布としては、従来公知の各種のものが
用いられる。具体的には、絹、麻、木綿等の天然繊維、
レーヨン繊維等の再生繊維、ポリエステル繊維、ナイロ
ン繊維、アクリル繊維等の合成繊維等を織成してなるも
のが使用可能である。また、その印刷方法としても従来
公知の各種方法が適用可能であり、具体的には、グラビ
ア印刷方式、グラビア・オフセット印刷方式、シルクス
クリーン印刷方式、凸版印刷方式、オフセット印刷方式
等がある。また、着色方法としても従来公知の各種方法
が適用可能であり、具体的には繊維を染料にて着色した
ものを用いて織成する方法、織成後に布にインク等を染
み込ませる方法、絵の具や塗料を布に塗布する方法等が
ある。
【0020】上記不織布としては、従来公知の各種のも
のが用いられる。具体的には、絹、麻、木綿、羊毛等の
天然繊維、レーヨン繊維等の再生繊維、ポリエステル繊
維、ナイロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維等を化学
的、熱的に、接着あるいは繊維同士の溶着等を利用して
布状としたものが使用可能である。また、その印刷方法
としても従来公知の各種方法が適用可能であり、具体的
には、グラビア印刷方式、グラビア・オフセット印刷方
式、シルクスクリーン印刷方式、凸版印刷方式、オフセ
ット印刷方式等がある。また、着色方法としても従来公
知の各種方法が適用可能であり、具体的には繊維を染料
にて着色したものを用いて布状にする方法、繊維を布状
とした後にインクを染み込ませる方法、絵の具や塗料を
不織布に塗布する方法等がある。
【0021】上記ガラスクロスとしては、ガラス繊維を
織成してなる従来公知のものが使用可能である。また、
その印刷方法としても従来公知の各種方法が適用可能で
あり、具体的には、グラビア印刷方式が、グラビア・オ
フセット印刷方式、シルクスクリーン印刷方式、凸版印
刷方式、オフセット印刷方式等がある。また、着色方法
としても従来公知の各種方法が適用可能であり、具体的
には繊維を染料にて着色したものを用いて織成する方
法、織成後にガラスクロスにインク等を染み込ませる方
法、絵の具や塗料をガラスクロスに塗布する方法等があ
る。
【0022】上記ガラスマットとしては、ガラス繊維に
接着剤(バインダー)を用いて化学的に接着させてマッ
ト状としたものが使用可能である。また、その印刷方法
としても従来公知の各種方法が適用可能であり、具体的
には、グラビア印刷方式、グラビア・オフセット印刷方
式、シルクスクリーン印刷方式、凸版印刷方式、オフセ
ット印刷方式等がある。また、着色方法としても従来公
知の各種方法が適用可能であり、具体的には繊維を染料
にて着色したものを用いてマット状にする方法、織成後
にインク等をガラスマットに染み込ませる方法、絵の具
や塗料をガラスマットに塗布する方法等がある。
【0023】ここで、着色または印刷の態様としては、
単一色に彩色しても構わないし、複数色を用いて模様等
図柄を形成させても構わない。即ち、目的に応じて、自
在な模様ないしは色彩を適用することが可能である。
【0024】加飾基材に含浸させる熱硬化性樹脂組成物
は、熱硬化性樹脂を主成分とし、かつ無機充填材とカッ
プリング剤を含むものである。
【0025】熱硬化性樹脂組成物の主構成成分である熱
硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキ
シアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ジア
リルフタレート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等
の各種熱硬化性樹脂が使用可能である。
【0026】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと、脂肪族不飽和
ポリカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリ
カルボン酸および/または芳香族ポリカルボン酸等とか
ら製造される。
【0027】上記不飽和ポリエステル樹脂の製造に用い
られる有機ポリオールの例としてはジオール、トリオー
ル、テトラオールおよびそれらの混合物が挙げられる。
有機ポリオールは主として脂肪族ポリオールと芳香族ポ
リオールとに分けられ、このうち脂肪族ポリオールの代
表的なものには、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオペンチルグ
リコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロール
プロパン、水素化ビスフェノールA等があり、また芳香
族ポリオールの代表的なものとしては、ビスフェノール
AまたはビスフェノールSあるいはこれらのビスフェノ
ールAまたはビスフェノールSにエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシドもしくはブチレンオキシドのような脂
肪族オキシラン化合物を、一分子中に平均1〜20個の
範囲で付加させて得られるポリオキシアルキレンビスフ
ェノールAまたはポリオキシアルキレンビスフェノール
S等がある。
【0028】また、上記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては(無
水)マレイン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等が例
示される。
【0029】また、前記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる脂肪族不飽和ポリカルボン酸としてはセバ
チン酸、アジピン酸、(無水)コハク酸等が例示され
る。
【0030】また、前記不飽和ポリエステル樹脂の製造
に用いられる芳香族ポリカルボン酸としては(無水)フ
タル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒ
ドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フ
タル酸等が例示される。
【0031】上記エポキシアクリレート(ビニルエステ
ル)樹脂は、これもまた公知慣用の方法により、通常、
エポキシ樹脂と、(メタ)アクリル酸等の反応性二重結
合を持つモノカルボン酸とから製造される。
【0032】また、前記エポキシアクリレート(ビニル
エステル)樹脂の製造に用いられるエポキシ樹脂として
は、これもまた公知慣用の方法によりエピクロルヒドリ
ンおよびビスフェノールAから製造されるビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンおよび臭素化
ビスフェノールAから製造される臭素化ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、フェノールノボラックまたはオルト
クレゾールノボラックをグリシジルエーテル化して製造
されるノボラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピク
ロルヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン型
エポキシ樹脂(テトラグリシジルメタキシレンジアミ
ン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシク
ロヘキサン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、トリグリ
シジル−m−アミノフェノール、ジグリシジルアニリ
ン、ジグリシジルオルトトルイジン等)等が例示され
る。
【0033】上記ウレタンアクリレート樹脂は、通常、
アルキレンジオール、アルキレンジオールエステル、ア
ルキレンジオールエーテル、ポリエーテルポリオールま
たはポリエステルポリオール等の有機ポリオールに有機
ポリイソシアネートを反応させ、さらにヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートを反応させて製造される。
【0034】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるポリオールとしては、アルキレンジオー
ルとして例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール、ブタンジオール等が、ポリエーテルポリオールと
してはポリオキシメチレン、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイド等が、ポリエステルポリオー
ルとしてはアルキレンジオール等の有機ポリオールおよ
びポリカルボン酸の縮合化合物等がそれぞれ例示され
る。
【0035】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるポリイソシアネートとしてはトリレンジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメ
チレンポリフェニルジイソシアネート等が例示される。
【0036】また、前記ウレタンアクリレート樹脂の製
造に用いられるヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレ
ートとしては通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート等が例示され、ヒドロ
キシル基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合して
いる。アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むこと
ができる。
【0037】上記ジアリルフタレート樹脂とは、ジアリ
ルフタレートモノマーを過酸化ベンゾイルの様な過酸化
物触媒の存在下で加熱、重合させてプレポリマー化させ
ることによって得られる。
【0038】上記メラミン樹脂は、メラミンとホルムア
ルデヒド樹脂を縮合させることによって得られる。
【0039】上記フェノール樹脂は、フェノールアルコ
ール類とホルマリンを反応させて得られる。フェノール
に対してホルムアルデヒドを過剰にして、アルカリ触媒
で反応させたレゾールタイプ、および、ホルムアルデヒ
ドを過剰にして、酸触媒にて反応させたノボラックタイ
プの2種類が汎用的である。
【0040】上記熱硬化性樹脂には、通常、スチレン、
α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエ
ン、ジアリルフタレート、各種アクリレートモノマー、
各種メタクリレートモノマー等の重合性単量体が適当量
加えられている。
【0041】中でも、スチレンおよびメチルメタクリレ
ートが価格および各種性能の点で優れるため、好適に用
いられる。
【0042】また、上記熱硬化性樹脂には、必要に応じ
て、ラジカル反応開始剤としての有機過酸化物を用いる
ことができる。具体的には例えば、メチルエチルケトン
パーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、イソブチ
リルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ク
メンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイ
ド類、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキ
サイド類、ターシャリーブチルパーオキシ−2−エチル
ヘキサノエート等のアルキルパーエステル類、ターシャ
リーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のカ
ーボネート類、1,1−ジブチルパーオキシシクロヘキ
サン等のパーオキシケタール類等があり、汎用的には、
ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャ
リーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が使
用可能である。
【0043】加飾基材に含浸される熱硬化性樹脂組成物
の他の構成成分である無機充填材としては、以下のよう
なものが例示される。すなわち、岩塩、カリ岩塩等のハ
ロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の炭酸塩鉱物、藍鉄鉱
等のりん酸塩鉱物、カルノー石等バナジン酸塩鉱物、重
晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫酸カルシウム)等の硫
酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱物、灰チタン石等のチ
タン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑石)、葉ろう石、カオ
リン、石英、長石等のけい酸塩鉱物、酸化チタン、鋼玉
(酸化アルミニウム)、水酸化アルミニウム等の金属
(水)酸化物、(中空)ガラス球等のガラス製品、等を
中心とした天然または人工の鉱物またはこれらを処理、
精製あるいは加工したもの、およびそれらの混合物が用
いられる。
【0044】上記無機充填材の主な用い方としては、以
下のようなものがある。例えば、製品表面の耐磨耗性を
向上させるために無機充填材を減磨材として配合する場
合があり、このような場合にはシリカ、アルミナ、(中
空)ガラス球等が好適に用いられる。また、製品表面の
光沢を調整するために無機充填材を配合する場合があ
り、このような場合には炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム等が好適に
用いられる。
【0045】上記無機充填材の添加量としては、好適に
は樹脂分100重量部に対して0.5〜60重量部であ
り、より好適には1〜40重量部である。添加量が少な
すぎる場合には、耐磨耗性の向上或いは光沢の調整につ
いて充分な無機充填材の添加効果が得られにくく、逆に
多すぎる場合には熱硬化性樹脂組成物の粘度が高くなり
すぎるため、基材にこれを含浸する事が困難となり、い
ずれの場合も好ましくない。
【0046】本明細書において、「樹脂分」とは、不飽
和ポリエステル等の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の他
に、共重合性モノマー等のように化学反応して樹脂とな
り得る成分の総量を意味する。
【0047】また、上記無機充填材の平均粒径は、好適
には0.1〜30μmであり、より好適には0.3〜1
0μmである。粒径が大きすぎる場合には、粒子の分散
作業が困難になりやすく、逆に小さすぎる場合には熱硬
化性樹脂に混合した組成物の粘度が高くなりすぎるた
め、基材にこれを含浸する事が困難とな、いずれの場合
も好ましくない。
【0048】加飾基材に含浸される熱硬化性樹脂組成物
のいま1つの構成成分であるカップリング剤しては、た
とえばシランカップリング剤、チタネート系カップリン
グ剤、アルミニウム系カップリング剤を用いることがで
きる。
【0049】上記シランカップリング剤としては、公知
慣用のものが用いられる。具体的には、トリアルコキシ
ルシラン化合物として、γ−(−2−アミノエチル)ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチル
トリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシ
シラン、N−(−3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプ
ロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタ
クリロキシプロペニルトリメトキシシラン、2−メタク
リロキシエチルジメチル[3−トリメトキシシリルプロ
ピル]アンモニウムクロライド、3−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン等があり、ジアルコキシ
シラン化合物として、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジエト
キシシラン等があり、モノアルコキシシラン化合物とし
て、3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシラ
ン、ビニルジメチルエトキシシラン等がある。
【0050】上記チタネート系カップリング剤として
は、例えばイソプロピルトリオクタノイルチタネート、
イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、
テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)
ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプ
ロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピル
トリ−(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネー
ト、イソプロピルトリオクタノイルチタネート等が用い
られる。
【0051】上記アルミニウム系カップリング剤として
は、エチルアセトアルミニウムジイソプロピレート、ア
ルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト等が用いられる。
【0052】上記3種類のカップリング剤のうち、シラ
ンカップリング剤が価格および性能の点で優れるため良
好に用いられ、中でも、トリアルコキシルシラン化合物
が密着性改良効果に優れるため好適に用いられる。
【0053】用いるカップリング剤の添加量としては、
熱硬化性樹脂組成物の樹脂分100重量部に対し0.1
〜20重量部が好適であり、より好適には0.5〜7重
量部である。この添加量が少なすぎる場合には充分な耐
熱性改良効果が得にくく、逆に多すぎる場合には組成物
の粘度が低くなりすぎるため、加飾成形用シートがべと
ついて取り扱いにくくなり、いずれの場合も好ましくな
い。
【0054】上記熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じ
て、溶剤、モノマー等が添加される。例えば、粘度の高
い樹脂においては含浸性を改良するために溶剤等を加え
て粘度を低下させる。また、反応性の低い樹脂において
は、モノマー等を添加して反応性を改良することができ
る。なお、粘度を低下させるために溶剤を用いる場合に
は、これが残存していると成形時に気泡等の不良の原因
となりやすいので、樹脂含浸後に、溶剤を揮発乾燥させ
る工程が必要になる。
【0055】また、上記各種熱硬化性樹脂組成物には、
必要に応じて、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、ステ
アリン酸亜鉛等の内部離型剤、防かび剤、防腐剤等が適
当量添加できる。
【0056】ここで、加飾基材への熱硬化性樹脂組成物
の含浸量としては、基材として、紙、布、不織布等有機
系のものを用いた場合には、おおよそ、含浸したシート
の乾燥後の全体の重量に対して20〜70重量%となる
ように配合されることが好ましく、より好適には30〜
60重量%である。
【0057】またここで、基材として、ガラスクロス、
ガラスマット等無機系のものを用いた場合には、おおよ
そ、含浸したシートの乾燥後の全体の重量に対して10
〜50重量%となるように配合されることが好ましく、
より好適には20〜40重量%である。
【0058】基材への樹脂含浸は、従来公知の方法によ
り行うことができる。即ち、例えば、含浸槽内の樹脂中
に基材を浸漬して樹脂を含浸し、ロール等で基材を押圧
して余分な樹脂を落とし、必要に応じて乾燥炉において
乾燥する方法、あるいは、ベルトの上で基材を流して行
き、その上に樹脂を載置し、ロールまたはブレード等で
基材を押圧して行く方法等がある。
【0059】つぎに、熱硬化性成形材料について説明す
る。本発明において、熱硬化性成形材料としては、従来
よりSMC、BMC等の各種熱硬化性成形材料として使
用されているものを用いることができる。
【0060】熱硬化性成形材料の調製例は、つぎのとお
りである。すなわち、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエ
ステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂等が用いられ、必要に応じて無機充填材、
補強材、添加剤等が加えられ、従来公知の方法により、
SMCあるいはBMC等の形態を持つ熱硬化性樹脂組成
物が調製される。
【0061】熱硬化性成形材料の調製に用いる熱硬化性
樹脂は、加飾積層用シートの調製に用いるものと同じで
あってよい。熱硬化性樹脂については、加飾積層用シー
トの説明で詳述した通りである。
【0062】成形材料にも、加飾積層用シート用の熱硬
化性樹脂と同様に、通常、スチレン、α−メチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、ジアリルフタ
レート、各種アクリレートモノマー、各種メタクリレー
トモノマー等の重合性単量体が適当量加えられている。
【0063】中でも、スチレンおよびメチルメタクリレ
ートが価格および各種性能の点で優れるため、好適に用
いられる。
【0064】また、成形材料には、低収縮剤として、ポ
リ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル
−スチレン共重合体、ポリブタジエン、飽和ポリエステ
ル類、飽和ポリエーテル類等のような熱可塑性樹脂を必
要に応じて適当量添加することできる。
【0065】また、上記熱可塑性樹脂を用いる場合に
は、その量としては、樹脂分のうち0.1〜30重量%
であることが好適であり、より好適には0.3〜20重
量%である。この使用量が多すぎる場合には、成形材料
の粘度が高くなるため、成形時に充分な流動性が得られ
にくく、逆に少なすぎる場合には充分な収縮改良効果が
得られにくく、いずれの場合も好ましくない。
【0066】また、成形材料にも、必要に応じて、ラジ
カル反応開始剤としての有機過酸化物を用いることがで
きる。有機過酸化物の具体例は、加飾積層用シート用熱
硬化性樹脂組成物の説明で挙げたものと同じである。
【0067】また、上記各種共重合性単量体を用いる場
合には、その量としては、樹脂分のうち1〜70重量%
であることが好適であり、より好適には3〜50重量%
である。この使用量が少なすぎる場合には、成形材料の
粘度が高くなるため、成形時に充分な流動性が得らず、
逆に多すぎる場合には、密着性が低下しやすく、いずれ
の場合も好ましくない。
【0068】また、上記有機過酸化物を用いる場合に
は、その量としては、反応性不飽和結合を持つ熱硬化性
樹脂および共重合性モノマーの和100重量部に対し
0.3〜5重量部が好適であり、より好適には0.5〜
3重量部である。この使用量が少ない場合には、成形材
料の硬化速度が遅くなり易く、また逆に多すぎる場合に
は、成形材料が硬化時に黄変しやすくなり、いずれの場
合も好ましくない。
【0069】さらに成形材料には、目的および用途に応
じて、適当量の無機充填材を加えることができる。使用
可能な無機充填材としては、加飾基材に含浸される熱硬
化性樹脂組成物を構成する無機充填材として先に例示し
たもののほかに、グラファイト、ダイヤモンド等の元素
鉱物等がある。
【0070】また、成形材料には、必要に応じて着色顔
料を適当量用いることができる。この着色顔料として
は、従来公知のものが用いられる。例えば、酸化チタ
ン、ベンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタ
ンイエロー、ハンザイエロー、モリブデートオレンジ、
黄鉛、ジスアゾイエロー、ベンジンオレンジ、キナクリ
ドンレッド、キナクリドンマゼンダ、ナフトールバイオ
レット、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、ア
ルカリブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブル
ー、酸化鉄(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブ
ラック、カーボンブラック、鉄黒、アルミニウムフレー
ク、ニッケル粉、金粉、銀粉等各種公知慣用のものが用
いられる。
【0071】中でも、酸化チタン、チタンイエロー、キ
ナクリドンレッド、キナクリドンマゼンダ、フタロシア
ニンブルー、酸化鉄(ベンガラ)、カーボンブラック、
鉄黒、アルミニウムフレーク等が、成形材料の硬化性等
への影響が少ないため、好適に用いられる。
【0072】ここで、成形材料に用いる着色顔料の添加
量としては樹脂分100重量部に対して、1〜100重
量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜50重
量部である。また、無機充填材の添加量としては、樹脂
分100重量部に対して、0〜300重量部とすること
が好ましく、より好ましくは0〜250重量部である。
また、着色顔料と無機充填材の総量は、30〜320重
量部添加されるのが好ましく、より好ましくは40〜2
00重量部となるように調節される。無機充填材、着色
顔料の添加量が、少なすぎる場合には充分な隠蔽性が得
られにくく、逆に多すぎる場合には、組成物の粘度が高
くなるため、成形時に型内における充分な流動性が得ら
れにくく、いずれの場合も好ましくない。
【0073】また、成形材料には、補強材として、各種
補強繊維、すなわちガラス繊維、炭素繊維等を必要に応
じて適当量加えることができる。
【0074】ここで、成形材料に補強繊維を用いる場合
には、その使用量としては樹脂分に対して、1〜100
重量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜90
重部である。この使用量が少なすぎる場合には、充分な
補強効果が得られにくく、逆に多すぎる場合には、組成
物の粘度が高くなるため、成形時に型内における充分な
流動性が得られにくく、いずれの場合も好ましくない。
【0075】またさらに成形材料には、必要に応じて、
ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、アゾ系染料
やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等
の染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシ
チン等の離型剤等を用途、目的に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0076】本発明の好適な実施態様はつぎのとおりで
ある。本発明に用いる成形材料としては、より具体的に
は例えば、不飽和ポリエステル樹脂液(スチレン濃度4
0〜70重量%)60〜100重量部にポリスチレン樹
脂等のスチレン溶液(スチレン濃度40〜70重量%)
0〜40重量部を加えて100重量部とし、これに、炭
酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ガラス粉末等の無
機充填材60〜160重量部、酸化チタン、酸化鉄、カ
ーボンブラック、チタンイエロー等の着色顔料5〜20
重量部、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等
の有機過酸化物0.7〜2.5重量部、酸化マグネシウ
ム等の増粘剤0.5〜3重量部からなる無機成分合計7
0〜180重量部を加えたものを混練してコンパウンド
とし、これをガラス繊維等の補強材5〜18重量部に含
浸してSMCあるいはBMCの形態としたものが好適に
用いられる。
【0077】つぎに請求項2記載の発明について説明す
る。
【0078】請求項2記載の発明においては、加飾基材
に含浸される熱硬化性樹脂組成物は、カップリング剤に
より表面処理した無機充填材を含む。無機充填材をカッ
プリング剤により表面処理する方法としては、以下のよ
うな方法がある。例えば、純粋なカップリング剤液或い
はカップリング剤の水溶液或いはアルコール溶液を調製
し、これに無機充填剤を浸漬し、その後これを引き上げ
て室温或いは高温にて乾燥する方法が簡易である。
【0079】請求項2記載の発明において、用いる無機
充填材およびカップリング剤の添加量は、請求項1記載
の発明について記述した値と同じである。
【0080】請求項2記載の発明のその他の構成は請求
項1記載の発明について記述したものと同じである。
【0081】つぎに請求項3記載の発明について説明す
る。
【0082】請求項3記載の発明による加飾成形品の製
造方法は、請求項1または2記載の加飾積層用シートを
用いて行われるが、その具体的操作は、以下のとおりで
ある。
【0083】本発明に用いる成形機としては、従来公知
のプレス成形機が使用可能である。また、成形型として
は、従来公知の金型、鋳物型等が使用可能である。
【0084】また、型の形式としては、一般的には上下
型が好ましく用いられる。この場合、通常は上型を可動
型、下型を固定型として用いる。
【0085】上記の成形機に、上記成形型を取り付け、
80〜180℃に加熱した後、型を開いた状態で、型内
に被圧縮材料である加飾積層用シートと成形材料を所要
の位置に重ねて配する。
【0086】こうしておいて型を締め切った後、10〜
120kg/cm2 の圧力で30秒〜15分間加圧成形
を行い、被成形物を硬化させた後、型を開け、製品を脱
型すれば、積層された加飾成形品が得られる。
【0087】成形型内における加飾積層用シートの加飾
面の向きとしては、得られた成形品の表面に加飾面が来
るように、加飾面を成形型側に向けるのが普通である
が、必要に応じて、加飾面を成形材料側に向けても構わ
ない。
【0088】ここで、加飾積層用シートの大きさとして
は、成形品表面全面をこれによって加飾する大きいもの
であっても構わないし、成形品表面のうち一部のみを加
飾する小さいものであっても構わない。すなわち、求め
る意匠に応じて、任意の大きさ、形を有する加飾積層用
シートが用いられる。
【0089】また、必要に応じて、加飾積層用シートと
成形材料との間には、ガラスマット、ガラスクロス、
布、不織布等或いはそれらに樹脂を含浸させたものを中
間層として積層しても構わない。
【0090】つぎに、請求項4および5記載の発明につ
いて説明する。
【0091】請求項4記載の発明は、熱硬化性成形材料
として、カップリング剤を含有する熱硬化性樹脂組成物
を用いることを特徴とする加飾成形品の製造方法であ
り、また、請求項5記載の発明は、熱硬化性成形材料と
して、カップリング剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を
用い、かつ、加飾積層用シートとして、カップリング剤
を含む熱硬化性樹脂組成物を加飾基材に含浸させてなる
ものを用いることを特徴とする加飾成形品の製造方法で
ある。
【0092】請求項4および5記載の加飾成形品の製造
方法において、成形材料として用いる熱硬化性樹脂組成
物に含ませられるカップリング剤、および、5記載の加
飾成形品の製造方法において、加飾基材に含浸される熱
硬化性樹脂組成物に含ませられるカップリング剤は、請
求項1記載の発明の項で説明したものである。
【0093】請求項4および5において、加飾積層用シ
ートとしては請求項1および2の加飾積層用シートを用
いることができるが、請求項1および2で用いられてい
る無機充填材は必ずしも必須成分ではない。また、請求
項4における加飾積層用シートに対しては、カップリン
グ剤も必須ではない。
【0094】請求項4および5記載の加飾成形品の製造
方法において、成形材料として用いる熱硬化性樹脂組成
物に含ませられるカップリング剤の量としては、熱硬化
性樹脂組成物の樹脂分100重量部に対し0.1〜60
重量部が好適であり、より好適には0.3〜25重量部
である。この添加量が少なすぎる場合には充分な密着性
改良効果が得にくく、逆に多すぎる場合には成形品の強
度が低下しがちであり、いずれの場合も好ましくない。
【0095】5記載の加飾成形品の製造方法において、
加飾基材に含浸される熱硬化性樹脂組成物に含ませられ
るカップリング剤の量としては、熱硬化性樹脂組成物の
樹脂分100重量部に対し0.1〜70重量部が好適で
あり、より好適には0.5〜30重量部である。この添
加量が少なすぎる場合には充分な密着性改良効果が得に
くく、逆に多すぎる場合には組成物の粘度が低くなりす
ぎるため、加飾成形用シートがべとついて取り扱いにく
くなり、いずれの場合も好ましくない。
【0096】請求項4記載の発明と、請求項5記載の発
明の相違について説明する。これらの発明の相違は、加
飾積層用シートがカップリング剤を含むか否かという点
である。勿論、加飾積層用シートがカップリング剤を含
む方が、加飾積層用シートの成形品への密着性は顕著に
改良されるため、この点では、請求項5記載の発明を実
施した方が好ましい。しかしながら、カップリング剤は
高価な材料であり、これを用いることにより材料コスト
の上昇は避けられないため、製品の使用環境としてあま
り厳しい耐久性が要求されない製品については、カップ
リング剤を用いず、請求項4記載の発明の実施にとどめ
ることが好ましい。この場合においても、勿論、従来に
比べれば大幅な密着性の改良効果が得られるので、実際
には、製品の使用環境としてどの程度の厳しさが要求さ
れるかということとコストとのバランスにより、請求項
4記載の発明を実施すべきか或いは請求項5記載の発明
を実施するべきかが選択される。
【0097】本発明は以上の通り構成されているので、
次のような作用が発揮される。請求項1記載の発明にお
いては、加飾積層用シートが無機充填材とカップリング
剤を含み、請求項2記載の発明では、加飾積層用シート
が、カップリング剤によって表面処理した無機充填材を
含むので、このような加飾積層用シートを用いて圧縮成
形を行うと、上記カップリング剤の加水分解性基が無機
充填材表面と化学結合を形成し、また、疎水性基が成形
材料の熱硬化性樹脂組成物と親和し或いは化学結合を形
成する。そのため、カップリング剤を介して無機充填材
と成形材料との接着力が改良され、そのことにより、製
品が熱水に晒された際にも、表面から充填材粉末が脱離
して白化現象を来たすということがなく、耐熱水性が顕
著に改善される。
【0098】また、請求項4記載の発明の製造方法にお
いては、成形材料がカップリング剤を含むので、成形材
料中の熱硬化性樹脂組成物の極性基密度が増大し、その
ため、加飾用シートとの水素結合が多く生成し、そのこ
とにより、加飾積層用シートと成形材料の密着性が改良
される。
【0099】請求項5記載の発明の製造方法において
は、加飾積層用シートおよび成形材料の両者がカップリ
ング剤を含むことにより、加飾積層用シート中のカップ
リング剤と成形材料中のカップリング剤とが界面におい
て化学反応を起こし、化学結合が多く生成し、そのこと
により、加飾積層用シートと成形材料の密着性が著しく
改良される。
【0100】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。 1.成形機および金型の準備 成形機としては、川崎油工社製の300トンプレス成形
機を用いた。
【0101】金型としては30cm×30cmの正方形
平板を成形する金型を準備した。
【0102】上型、下型は共に電気ヒーターおよび冷却
水配管を埋め込んだものである。この金型を上記プレス
成形機に取り付けた。上型を可動型とし、下型を固定型
とした。
【0103】2.加飾積層用シートの調製 加飾積層用シートは、以下のようにして調製した。 1)含浸用樹脂液の調製 含浸用樹脂液1 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン)1重量部 (4) アルミナ粉末(平均粒径約5μm)15重量部 上記(1) 〜(4) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液1とした。
【0104】含浸用樹脂液2 (1) ジアリルフタレート樹脂(数平均分子量約700の
ジアリルフタレート樹脂をジアリルフタレートモノマー
に溶解したもの、ジアリルフタレートモノマー濃度45
重量%)100重量部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン)7重量部 (4) シリカ粉末(平均粒径約2μm)10重量部 上記(1) 〜(4) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液2とした。
【0105】含浸用樹脂液3 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) チタネート系カップリング剤(イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート)3重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(平均粒径約1μm)10重量
部 上記(1) 〜(4) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液3とした。
【0106】含浸用樹脂液4 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) アルミニウム系カップリング剤(エチルアセトアセ
テートアルミニウムジイソプロピレート)5重量部 (4) アルミナ粉末(平均粒径約0.5μm)1重量部 上記(1) 〜(4) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液4とした。
【0107】含浸用樹脂液5 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) シランカップリング剤で表面処理したアルミナ粉末
(平均粒径約5μmのアルミナ粉末をシランカップリン
グ剤(γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
の10重量%アルコール溶液中に浸漬した後80℃にて
2時間乾燥したもの)15重量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液5とした。
【0108】含浸用樹脂液6 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) チタン系カップリング剤で表面処理した炭酸カルシ
ウム粉末(平均粒径約1μmの炭酸カルシウム粉末をチ
タネート系カップリング剤(イソプロピルトリオクタノ
イルチタネート)の10重量%アルコール溶液中に浸漬
した後80℃にて2時間乾燥したもの)10重量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液6とした。
【0109】含浸用樹脂液7 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) アルミニウム系カップリング剤で表面処理したシリ
カ粉末(平均粒径約0.5μmのシリカ粉末をアルミニ
ウム系カップリング剤(エチルアセトアセテートアルミ
ニウムジイソプロピレート)の10重量%アルコール溶
液中に浸漬した後80℃にて2時間乾燥したもの)2重
量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液7とした。
【0110】含浸用樹脂液8 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) 炭酸カルシウム粉末(平均粒径約1μm)10重量
部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液8とした。
【0111】含浸用樹脂液9 (1) ジアリルフタレート樹脂(数平均分子量約700の
ジアリルフタレート樹脂をジアリルフタレートモノマー
に溶解したもの、ジアリルフタレートモノマー濃度45
重量%)100重量部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 上記(1) 〜(2) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液9とした。
【0112】含浸用樹脂液10 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン)1重量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液10とした。
【0113】含浸用樹脂液11 (1) ジアリルフタレート樹脂(数平均分子量約700の
ジアリルフタレート樹脂をジアリルフタレートモノマー
に溶解したもの、ジアリルフタレートモノマー濃度45
重量%)100重量部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) シランカップリング剤(γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン)7重量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液11とした。
【0114】含浸用樹脂液12 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) チタネート系カップリング剤(イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート)3重量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液12とした。
【0115】含浸用樹脂液13 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (3) アルミニウム系カップリング剤(エチルアセトアセ
テートアルミニウムジイソプロピレート)5重量部 上記(1) 〜(3) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液13とした。
【0116】含浸用樹脂液14 (1) 不飽和ポリエステル樹脂(数平均分子量約2000
のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレン
に溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100重量
部 (2) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 上記(1) 〜(2) の成分を混合し、充分に攪拌し、含浸用
樹脂液14とした。
【0117】2)加飾基材の調製 加飾基材1 チタン紙(厚さ0.1mm、坪量80g/m2 、PM1
1P:興人社製)に黒御影石調の石目柄を印刷したもの 加飾基材2 ナイロン製布(厚さ0.1mm、坪量90g/m2 、東
洋紡績社製)に黒御影石調の石目柄を印刷したもの 加飾基材3 ポリエステル製不織布(厚さ0.36mm、坪量40.
7g/m2 、ソンタラ#8000:東レ・デュポン社
製)に黒御影石調の石目柄を印刷したもの 加飾基材4 ガラスクロス(厚さ0.25mm、坪量200g/
2 、平織り、WF230100BS6:日東紡績社
製)に黒御影石調の石目柄を印刷したもの 加飾基材5 ガラスマット(厚さ0.41mm、坪量60g/m2
SM3603E:旭ファイバーグラス社製)に黒御影石
調の石目柄を印刷したもの 3)加飾積層用シートの調製 加飾積層用シート1 加飾基材1を20cm×20cmの大きさに切り、この
切断片を上記含浸用樹脂液1中に浸漬して樹脂を含浸さ
せた後、切断片をロールで押圧して余分な樹脂を落し、
加飾積層用シート1を得た。この加飾積層用シート中の
基材(チタン紙)の重量割合は、45重量%であった。
【0118】加飾積層用シート2〜32 下記表1〜7に示す組合わせで加飾基材および含浸用樹
脂を用いた以外は加飾積層用シート1と同様にして加飾
積層用シート2〜32を得た。これら加飾積層用シート
2〜32中の基材の重量割合を表1〜7に示す。
【0119】3.成形材料の調製 成形材料として、以下の着色成形材料を用いた。 成形材料1 (1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約200
0のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレ
ンに溶解してもの、スチレン濃度40重量%)70重量
部 (2) ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千の
ポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチレン
濃度65重量%)30重量部 (3) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120重量部 (5) 着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工業
社製)6重量部 (6) 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、平均粒径約3μ
m、キョーワマグ150:協和化学工業社製)1重量部 (7) 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 (8) ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)70重量部
【0120】上記配合材料のうち(1) 〜(7) の配合材料
を混合し、充分に混練を行った後、得られた混練物をS
MC製造装置により(8) のガラス繊維に含浸させ、40
℃にて24時間熟成して、厚み約2mmの着色(白色)
成形材料1を得た。
【0121】成形材料2 (1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約200
0のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレ
ンに溶解してもの、スチレン濃度40重量%)70重量
部 (2) ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千の
ポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチレン
濃度65重量%)30重量部 (3) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120重量部 (5) 着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工業
社製)6重量部 (6) 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、平均粒径約3μ
m、キョーワマグ150:協和化学工業社製)1重量部 (7) 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 (8) シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン)5重量部 (9) ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)70重量部
【0122】上記配合材料のうち(1) 〜(8) の配合材料
を混合し、充分に混練を行った後、得られた混練物をS
MC製造装置により(9) のガラス繊維に含浸させ、40
℃にて24時間熟成して、厚み約2mmの着色(白色)
成形材料2を得た。
【0123】成形材料3 (1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約200
0のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレ
ンに溶解してもの、スチレン濃度40重量%)70重量
部 (2) ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千の
ポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチレン
濃度65重量%)30重量部 (3) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120重量部 (5) 着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工業
社製)6重量部 (6) 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、平均粒径約3μ
m、キョーワマグ150:協和化学工業社製)1重量部 (7) 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 (8) チタネート系カップリング剤(イソプロピルトリオ
クタノイルチタネート)3重量部 (9) ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)70重量部
【0124】上記配合材料のうち(1) 〜(8) の配合材料
を混合し、充分に混練を行った後、得られた混練物をS
MC製造装置により(9) のガラス繊維に含浸させ、40
℃にて24時間熟成して、厚み約2mmの着色(白色)
成形材料3を得た。
【0125】成形材料4 (1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約200
0のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレ
ンに溶解してもの、スチレン濃度40重量%)70重量
部 (2) ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千の
ポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチレン
濃度65重量%)30重量部 (3) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120重量部 (5) 着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工業
社製)6重量部 (6) 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、平均粒径約3μ
m、キョーワマグ150:協和化学工業社製)1重量部 (7) 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 (8) アルミニウム系カップリング剤(エチルアセトアセ
テートアルミニウムジイソプロピレート)1重量部 (9) ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)70重量部
【0126】上記配合材料のうち(1) 〜(8) の配合材料
を混合し、充分に混練を行った後、得られた混練物をS
MC製造装置により(9) のガラス繊維に含浸させ、40
℃にて24時間熟成して、厚み約2mmの着色(白色)
成形材料4を得た。
【0127】成形材料5 (1) 不飽和ポリエステル樹脂液(数平均分子量約200
0のイソフタル酸系の不飽和ポリエステル樹脂をスチレ
ンに溶解してもの、スチレン濃度40重量%)70重量
部 (2) ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9万5千の
ポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチレン
濃度65重量%)30重量部 (3) 重合開始剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾ
エート)1重量部 (4) 炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120重量部 (5) 着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工業
社製)6重量部 (6) 増粘剤(酸化マグネシウム粉末、平均粒径約3μ
m、キョーワマグ150:協和化学工業社製)1重量部 (7) 内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社製)
3重量部 (8) シランカップリング剤(γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン)2重量部 (9) ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断
したもの)70重量部
【0128】上記配合材料のうち(1) 〜(8) の配合材料
を混合し、充分に混練を行った後、得られた混練物をS
MC製造装置により(9) のガラス繊維に含浸させ、40
℃にて24時間熟成して、厚み約2mmの着色(白色)
成形材料5を得た。
【0129】4.成形方法 このようにして得られた加飾積層用シートおよび成形材
料から以下のように加飾成形品を成形した。
【0130】実施例1 上型を140℃、下型を150℃に加熱した後、加飾積
層用シートとして加飾積層用シート1を下型に載せた。
その上に成形材料1を20cm×20cmの大きさに切
ったものを2枚チャージした。金型を締め切った後10
0kg/cm2の圧力で240秒間加圧成形を行った。
その後、型を開いて脱型し、加飾成形品を得た。添付図
1〜3に示すように、加飾積層用シート(11)と着色成形
材料からなる成形層(12)の大きさにより、所望の形態の
成形品を得ることができる。
【0131】実施例2〜42、比較例1〜15 表1および表7に示す加飾積層用シートおよび成形材料
を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行った。
【0132】5.評価方法 上記各実施例および比較例において得られた成形品につ
いて、下記の項目の評価試験を行った。
【0133】1)熱水処理後の外観 実施例1〜12、および比較例1〜6で得られた成形品
から10cm×10cmの試験片を切り出し、これらを
80℃の熱水に24時間浸漬した後、表面の水分を拭き
取り、2時間放置後、表面の色調変化を観察した。
【0134】上記試験の結果を表1〜3に記す。これら
の表から明らかなように、実施例により得られた製品は
色調変化の少ない良好なものであったが、比較例におい
て得られた製品はいずれも白化が著しく、もとの色調と
全く異なるものであった。
【0135】2)初期密着性試験 実施例13〜42、および比較例7〜15で得られた成
形品について、まず、初期の密着力を測定した。すなわ
ち、成形品の表面、すなわち加飾面にカッターナイフを
用いて2mm間隔で11本の直線を素地に達するように
引き、さらにこれらの直線に直交する11本の直線を引
き、得られた碁盤目状の部分に粘着テープ(積水化学社
製のセロテープ)を貼り付けた後、これを引き剥し、碁
盤目の残存数を調べた(碁盤目密着試験、初期密着性評
価)。
【0136】3)熱水処理後の密着性試験1 実施例13〜42、および比較例7〜15で得られた成
形品から10cm×10cmの試験片を切り出し、これ
らを60℃の熱水に24時間浸漬した後、表面の水分を
拭き取り、2時間放置後、上記と同様の密着性試験を行
った(2次密着性評価)。
【0137】4)熱水処理後の密着性試験2 さらに、実施例13〜42、および比較例7〜15で得
られた成形品から10cm×10cmの試験片を切り出
し、これらを90℃の熱水に24時間浸漬した後、表面
の水分を拭き取り、2時間放置後、上記と同様の密着性
試験を行った(2次密着性評価)。
【0138】上記試験1)〜3)の結果を表4〜7に記
す。これらの表から明らかなように、実施例により得ら
れた製品は密着性において良好なものであったが、比較
例において得られた製品は密着性に劣るものであった。
【0139】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0140】
【発明の効果】請求項1記載の発明においては、加飾積
層用シートが無機充填材とカップリング剤を含み、請求
項2記載の発明では、加飾積層用シートが、カップリン
グ剤によって表面処理した無機充填材を含むので、この
ような加飾積層用シートを用いて圧縮成形を行うと、上
記カップリング剤の加水分解性基が無機充填材表面と化
学結合を形成し、また、疎水性基が成形材料の熱硬化性
樹脂組成物と親和し或いは化学結合を形成する。そのた
め、カップリング剤を介して無機充填材と成形材料との
接着力が改良され、そのことにより、製品が熱水に晒さ
れた際にも、表面から充填材粉末が脱離して白化現象を
来たすということがなく、耐熱水性が顕著に改善され
る。
【0141】また、請求項4記載の発明の製造方法にお
いては、成形材料がカップリング剤を含むので、成形材
料中の熱硬化性樹脂組成物の極性基密度が増大し、その
ため、加飾用シートとの水素結合が多く生成し、そのこ
とにより、加飾積層用シートと成形材料の密着性が改良
される。
【0142】請求項5記載の発明の製造方法において
は、加飾積層用シートおよび成形材料の両者がカップリ
ング剤を含むことにより、加飾積層用シート中のカップ
リング剤と成形材料中のカップリング剤とが界面におい
て化学反応を起こし、化学結合が多く生成し、そのこと
により、加飾積層用シートと成形材料の密着性が著しく
改良される。
【0143】以上の次第で、本発明によれば、自在な模
様、色等のデザインを有する、加飾積層用シート積層成
形品を成形するに際し、加飾積層用シートの成形品への
密着性に優れ、かつ耐熱水性にも優れた加飾成形品の製
造方法、およびこのような良好な加飾成形品を得るのに
用いられる加飾積層用シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により得られた成形品の一例を示す垂直
断面図である。
【図2】本発明により得られた成形品の他の例を示す垂
直断面図である。
【図3】本発明により得られた成形品の更に他の例を示
す垂直断面図である。
【符号の説明】
(11):加飾積層用シート (12):成形材料

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機充填材とカップリング剤を含む熱硬
    化性樹脂組成物が加飾基材に含浸されていることを特徴
    とする加飾積層用シート。
  2. 【請求項2】 カップリング剤によって表面処理した無
    機充填材を含む熱硬化性樹脂組成物が加飾基材に含浸さ
    れていることを特徴とする加飾積層用シート。
  3. 【請求項3】 加飾積層用シートを熱硬化性成形材料に
    積層状に配して該成形材料の加熱圧縮成形を行うに当た
    り、加飾積層用シートとして請求項1または2記載のも
    のを用いることを特徴とする加飾成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 加飾積層用シートを熱硬化性成形材料に
    積層状に配して該成形材料の加熱圧縮成形を行うに当た
    り、熱硬化性成形材料として、カップリング剤を含有す
    る熱硬化性樹脂組成物を用いることを特徴とする加飾成
    形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 加飾積層用シートを熱硬化性成形材料に
    積層状に配して該成形材料の加熱圧縮成形を行うに当た
    り、熱硬化性成形材料として、カップリング剤を含有す
    る熱硬化性樹脂組成物を用い、かつ、加飾積層用シート
    として、カップリング剤を含む熱硬化性樹脂組成物を加
    飾基材に含浸させてなるものを用いることを特徴とする
    加飾成形品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015183025A (ja) * 2014-03-20 2015-10-22 Dic株式会社 加熱圧縮成形用成形材料およびその成形品
CN113619169A (zh) * 2021-06-30 2021-11-09 广州高古科技有限公司 一种塑料收纳鞋盒及其制造方法

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