JPH08174771A - 加飾成形品、加飾成形品用シート及び加飾成形品の製造方法 - Google Patents

加飾成形品、加飾成形品用シート及び加飾成形品の製造方法

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JPH08174771A
JPH08174771A JP32217494A JP32217494A JPH08174771A JP H08174771 A JPH08174771 A JP H08174771A JP 32217494 A JP32217494 A JP 32217494A JP 32217494 A JP32217494 A JP 32217494A JP H08174771 A JPH08174771 A JP H08174771A
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decorative
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JP32217494A
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English (en)
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Natsuki Morishita
夏樹 森下
Toshimitsu Tsuji
敏充 辻
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 自在な模様、色等の意匠を有する、加飾成形
品用シートが積層された成形品を成形するに際し、加飾
成形品用シートの成形時破れがなく、かつ、隠蔽力をも
有する加飾成形品の製造方法、及び加飾成形品を提供す
る。 【構成】 成形品は、酸化チタン含有量が10重量%以
下である表面層用加飾紙3と、酸化チタン含有量が15
〜50重量%である隠蔽層用紙2と、熱硬化性成形材料
層4とが、この順に積層一体化されてなる。製造方法
は、酸化チタン含有量が10重量%以下である表面層用
加飾紙及び酸化チタン含有量が15〜50重量%である
隠蔽層用紙2を、前記表面層用紙3が金型側に、前記隠
蔽層用紙2が熱硬化性成形材料4側になるように、金型
と熱硬化性成形材料4との間に配設した状態でこれらを
加熱加圧成形して積層一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形型内において熱硬
化性成形材料を加熱加圧成形して成形品を製造する方
法、詳しくは、成形品に加飾紙を積層して各種意匠を発
現できる加飾成形品の製造方法、それに用いることので
きる加飾成形品用シート、及び加飾成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】歴史的に、FRP(繊維強化プラスチッ
ク)の分野、特にFRP製バスタブ、バスユニット等の
生産においては、ハンドレイアップ成形法、或いはスプ
レーアップ成形法と言われる方式が広く用いられてきた
が、これらの方法においては1個の製品を生産するのに
時間と工数を多く必要とするため、これらの生産性を格
段に改良するものとして、シート・モールディング・コ
ンパウンド(以下、SMCと略す)又はバルク・モール
ディング・コンパウンド(以下、BMCと略す)等の熱
硬化性成形材料が開発され、これを用いたプレス成形法
が非常に広く用いられている。
【0003】しかしながら、この様なSMC或いはBM
Cのプレス成形方法により得られた成形品は、成形品全
体の色が単一色に限られ、例えば赤なら成形品全体が赤
色のものしか生産できず、デザインの自由度が非常に狭
いという欠点を有する。勿論、印刷、塗装等の後加工を
行えば、適宜意匠を付加する事は可能であるが、この場
合には非常に複雑な後加工の工程を要し、非常に生産性
の劣るものとなる。
【0004】そこで、これらのFRP製品に加飾する方
法として、加飾成形用シートをインサート成形する方法
が提案されている。例えば、特開平5−285973号
公報には、印刷したチタン紙に熱硬化性樹脂を含浸させ
たものをSMCに積層して成形し、加飾成形品を得る方
法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法において加飾成形用シートとして用いるチタン紙は、
成形時に破れやすいという欠点を有する。また、チタン
紙以外の、酸化チタンを含有しない紙においては、隠蔽
力が弱く、その下のSMCが透けて見えてしまいやすい
という欠点を有する。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の欠点を改
良し、自在な模様、色等の意匠を有する、加飾成形品用
シートが積層された成形品を成形するに際し、加飾成形
品用シートの成形時破れがなく、かつ、隠蔽力をも有す
る加飾成形品の製造方法、及び加飾成形品を提供するこ
とにある。また、本発明の目的は、上記加飾成形品の製
造方法に用いることのできる加飾成形品用シート提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の加飾成形品は、
酸化チタン含有量が10重量%以下である表面層用加飾
紙と、酸化チタン含有量が15〜50重量%である隠蔽
層用紙と、熱硬化性成形材料層とが、この順に積層一体
化されてなることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明の加飾成形品用シートは、酸
化チタン含有量が10重量%以下である表面層用加飾紙
と、酸化チタン含有量が15〜50重量%である隠蔽層
用紙とが積層されてなることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明の加飾成形品の製造方法は、
酸化チタン含有量が10重量%以下である表面層用加飾
紙及び酸化チタン含有量が15〜50重量%である隠蔽
層用紙を、前記表面層用紙が金型側に、前記隠蔽層用紙
が熱硬化性成形材料側になるように、金型と熱硬化性成
形材料との間に配設した状態でこれらを加熱加圧成形し
て積層一体化することを特徴とするものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。表面層用
加飾紙は、従来公知の各種の紙に着色又は印刷により加
飾したものが用いられる。加飾に用いられる紙としては
具体的には、薄様紙、新聞巻き取り紙、上質紙、中質
紙、更紙、グラビア用紙、アート紙、コート紙、筆記用
紙、図画用紙、等が挙げられる。また、表面層用紙の印
刷方法としては従来公知の各種方法で可能であり、具体
的には、グラビア印刷方式、グラビア・オフセット印刷
方式、シルクスクリーン印刷方式、凸版印刷方式、オフ
セット印刷方式等がある。
【0011】また、着色方法としても従来公知の各種方
法が可能であり、具体的には抄造時に顔料等を混ぜ込む
方法、抄造後にインク等を染み込ませる方法、絵の具や
塗料を塗布する方法等がある。また、着色又は印刷の態
様としては、単一色に彩色しても構わないし、複数色を
用いて模様等図柄を形成させても構わない。即ち、目的
に応じて、自在な意匠を適用することが可能である。
【0012】上記表面層用の紙は、場合によっては少量
の酸化チタンを含有しているものであっても良い。その
含有量は10重量%以下であること(勿論0%でもよ
い)が必要であり、より好ましくは8重量%以下であ
り、さらに好ましくは7重量%以下である。酸化チタン
量が10重量%よりも多すぎる場合には、表面層用紙が
破れ易くなるという欠点を有する。
【0013】隠蔽層用の紙としては、いわゆるチタン紙
と呼ばれる、酸化チタンを充填材として含有する紙が用
いられる。その酸化チタン含有量としては15〜50重
量%であることが必要であり、好ましくは18〜45重
量%であり、より好ましくは20〜35重量%である。
酸化チタン量が50重量%よりも少なすぎる場合には充
分な隠蔽性が得られにくいという欠点を有する。多すぎ
る場合は成形性が悪くなる一方、紙の製造そのものが困
難となる。
【0014】また、隠蔽層用紙には、必要に応じて、着
色又は印刷を施すこともできる。即ち、隠蔽層用紙に着
色又は印刷を施した場合には、それが、表面層用紙を透
かして見えるという効果があるため、隠蔽層用紙の色、
図柄と表面用紙の色、図柄が立体的に重なった高意匠外
観の成形品が得られる。
【0015】本発明において、表面層用紙又は隠蔽層用
紙には、必要に応じて各種熱硬化性樹脂を含浸させるこ
とができる。含浸させる熱硬化性樹脂としては、具体的
には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート
樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の各種熱硬化性
成形材料が挙げられる。
【0016】上記不飽和ポリエステル樹脂は、公知慣用
の方法により、通常、有機ポリオールと脂肪族不飽和ポ
リカルボン酸と、さらに必要に応じて脂肪族飽和ポリカ
ルボン酸および/又は芳香族ポリカルボン酸等から製造
される。上記エポキシアクリレート(ビニルエステル)
樹脂は、これもまた公知慣用の方法により、通常、エポ
キシ樹脂および(メタ)アクリル酸等の反応性二重結合
を持つモノカルボン酸とから製造される。上記ウレタン
アクリレート樹脂は、通常、アルキレンジオール、アル
キレンジオールエステル、アルキレンジオールエーテ
ル、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオー
ル等の有機ポリオールに有機ポリイソシアネートを反応
させ、さらにヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
を反応させて製造される。上記ジアリルフタレート樹脂
は、ジアリルフタレートモノマーを過酸化ベンゾイルの
様な過酸化物触媒の存在下で加熱、重合させてプレポリ
マー化させすることによって得られる。上記メラミン樹
脂は、メラミンとホルムアルデヒド樹脂を縮合させるこ
とによって得られる。上記フェノール樹脂は、フェノー
ルアルコール類と、ホルマリンを反応させて得られる。
フェノールに対してホルムアルデヒドを過剰にして、ア
ルカリ触媒で反応させたレゾールタイプ、及び、ホルム
アルデヒドを過剰にして、酸触媒にて反応させたノボラ
ックタイプの2種類が汎用的である。
【0017】ここで、上記各種熱硬化性樹脂には、必要
に応じて、溶剤、或いはモノマー等が添加される。例え
ば、粘度の高い樹脂においては含浸性を改良するために
溶剤等を加えて粘度を低下させる。また、反応性の低い
樹脂においては、モノマー等を添加して反応性を改良す
ることができる。なお、粘度を低下させるために溶剤を
用いる場合には、これが残存する場合には成形時に気泡
等の不良の原因となりやすいので、樹脂含浸後に、溶剤
を揮発乾燥させる工程が必要になる。
【0018】また、上記各種熱硬化性樹脂には、必要に
応じて、各種充填材、添加剤等を加えても良い。具体的
には、炭酸カルシウム等の充填剤、有機過酸化物等の開
始剤、パラベンゾキノン等の禁止剤、ステアリン酸亜鉛
等の内部離型剤、防かび剤、防腐剤等が適当量添加でき
る。
【0019】本発明において、表面層用紙又は隠蔽層用
紙への熱硬化性樹脂の含浸量としては、おおよそ、含浸
したシートの乾燥後の全体の重量に対して30〜70重
量%となるように配合されることが好ましく、より好適
には40〜60重量%である。
【0020】表面層用紙又は隠蔽層用紙への樹脂含浸
は、従来公知の方法により行うことができる。即ち、例
えば、樹脂の入った槽に紙を浸漬して含浸し、ロール等
でしごいて余分な樹脂を落とし、必要に応じて乾燥炉に
おいて乾燥する方法、或いは、ベルトの上で紙を流して
いく上に樹脂を乗せ、ロール又はブレード等でしごいて
行く方法等がある。
【0021】表面層用紙の厚みとしては、15〜150
μmが好ましく、より好ましくは20〜120μmであ
る。厚みが15μmよりも薄すぎる場合には、表面層用
紙が破れやすいという欠点を有し、逆に150μmより
も厚すぎる場合には、金型の微細な形状を、製品表面の
形状として正確に転写しにくく、また、コストが高くな
るという欠点を有する。また、隠蔽層用紙の厚みとして
は、50〜200μmが好ましく、より好ましくは70
〜150μmである。厚みが50μmよりも薄すぎる場
合には、充分な隠蔽性が得られにくいという欠点を有
し、逆に200μmよりも厚すぎる場合には、金型の微
細な形状を、製品表面の形状として正確に転写しにく
く、また、コストが高くなるという欠点を有する。表面
層用紙及び隠蔽層用紙の厚みの和としては、70〜22
0μmが好適であり、より好適には80〜150μmで
ある。厚みが70μmよりも薄すぎる場合には、充分な
隠蔽性が得られにくくなりやすいという欠点を有し、逆
に220μmよりも厚すぎる場合には、上記と同様に、
金型の微細な形状を、製品表面の形状として正確に転写
しにくく、また、コストが高くなるという欠点を有す
る。
【0022】本発明における加飾成形品用シートを得る
には、表面層用紙と隠蔽層用紙とを積層一体化させなけ
ればならないが、その方法としては、以下のような各種
の方法が用いられる。例えば、表面層用紙と隠蔽層用紙
の両者を共に、樹脂を含浸しないで用いる場合には、そ
の両者を接着剤、粘着剤等を用いて接着する。また、ど
ちらか一方が樹脂を含浸したものであるときは、その紙
の樹脂含浸後に紙を乾燥する前に、もう一方の紙を積層
し、ロールの様なものでラミネートすれば、容易に表面
層用紙及び隠蔽層用紙は密着した状態となり、取扱い性
の良好なものとなる。また例えば、乾燥した後の紙であ
っても、その一部に溶剤を滴下し、樹脂を半溶解状態に
してそこにもう一方の紙を積層すればこの方法において
も両者が密着した加飾成形品用シートが得られる。ま
た、樹脂が柔らかくなり、かつ、硬化反応が始まらない
程度の温度において、両者をラミネートしても良い。ま
た、粘着剤或いは接着剤等を適当量用いても勿論構わな
い。さらに、表面層用紙及び隠蔽層用紙の両者共に、樹
脂を含浸したものを用いるのであれば、上述した方法の
他に、両者が共に含浸直後のウェットな状態であるとき
にラミネートする等の方法があり、これらの方法によ
り、両者は容易に積層一体化された、取扱い性の良好な
加飾成形品用シートとなる。
【0023】ところで、請求項2記載の加飾成形品用シ
ートは、請求項3記載の製造方法に好適に用いることの
できるものであるが、逆に、請求項3記載の製造方法に
おいては、勿論、請求項2の加飾成形品用シートを用い
ることが生産性等の点で好ましいのであるが、必ずし
も、請求項2記載の加飾成形品用シートを用いなければ
できないというものではない。即ち、何らかの事情によ
り請求項2記載の加飾成形品用シートを用いることがで
きない様な場合には、表面層用紙及び隠蔽層用紙をそれ
ぞれ別々に用意し、成形時に型内に順次これらを積層す
るという方法によって、作業工数の増加という不利益は
あるものの、請求項2の加飾成形品用シートを用いるこ
となく、請求項1記載の加飾成形品を得ることもでき
る。
【0024】本発明における熱硬化性成形材料として
は、SMC、BMC等の各種熱硬化性成形材料が使用可
能である。具体的には例えば、熱硬化性樹脂として、不
飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウ
レタンアクリレート樹脂等が用いられ、必要に応じて各
種充填材、補強材、添加剤等を加えることができ、従来
公知の方法により、SMC或はBMC等の形態を持つ熱
硬化性樹脂組成物として、用いることができる。
【0025】上記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる
有機ポリオールとしては、ジオール、トリオール、テト
ラオール、およびそれらの混合物が挙げられるが、主と
して脂肪族ポリオールと芳香族ポリオールとに分けられ
る。このうち脂肪族ポリオールとして代表的なものに
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ジブロムネオ
ペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、トリ
メチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリットジアリルエーテル、水素化ビ
スフェノールA等があり、また芳香族ポリオールとして
代表的なものとしてはビスフェノールA又はビスフェノ
ールS或はこれらのビスフェノールA又はビスフェノー
ルSにエチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくは
ブチレンオキシドのような脂肪族オキシラン化合物を、
一分子中に平均1〜20個の範囲で付加させて得られる
ポリオキシアルキレンビスフェノールA又はポリオキシ
アルキレンビスフェノールS等がある。
【0026】前記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる
脂肪族不飽和ポリカルボン酸としては、(無水)マレイ
ン酸、フマル酸、(無水)イタコン酸等が挙げられる。
【0027】前記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる
脂肪族飽和ポリカルボン酸としては、セバチン酸、アジ
ピン酸、(無水)コハク酸等が挙げられる。
【0028】前記不飽和ポリエステル樹脂に用いられる
芳香族ポリカルボン酸としては、(無水)フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が
挙げられる。
【0029】また、前記エポキシアクリレート(ビニル
エステル)樹脂に用いられるエポキシ樹脂としては、こ
れもまた公知慣用の方法によりエピクロルヒドリンおよ
びビスフェノールAから製造されるビスフェノールA型
エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンおよび臭素化ビスフ
ェノールAから製造される臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、フェノールノボラック又はオルトクレゾー
ルノボラックをグリシジルエーテル化して製造されるノ
ボラック型エポキシ樹脂、各種アミンとエピクロルヒド
リンを反応させて得られるグリシジルアミン型エポキシ
樹脂(テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラ
グリシジル- 1, 3- ビスアミノメチルシクロヘキサ
ン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリ
グリシジル- p- アミノフェノール、トリグリシジル-
m- アミノフェノール、ジグリシジルアニリン、ジグリ
シジルオルトトルイジン等)等が挙げられる。
【0030】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリオールとしては、アルキレンジオールとし
て例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ジイソプロピレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ブタンジオール等、ポリエーテルポリオールとしてはポ
リオキシメチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロ
ピレンオキサイド等、ポリエステルポリオールとしては
アルキレンジオール等の有機ポリオールおよびポリカル
ボン酸の縮合化合物等が汎用的に用いられる。
【0031】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソ
シアネート、イソホロンジイソシアネート、ポリメチレ
ンポリフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0032】また、前記ウレタンアクリレート樹脂に用
いられるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとし
ては、通常ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート等が用いられ、ヒドロキシル
基は通常アルキル基のベータ位の炭素に結合している。
アルキル基は通常8個までの炭素原子を含むことができ
る。
【0033】さらに、上記フェノール樹脂に用いられる
フェノールアルコール類としては、フェノール、クレゾ
ール、キシレノール、レゾルシン、オルトメチロールフ
ェノール、パラメチロールフェノール、2,4−ジメチ
ロールフェノール等が挙げられる。
【0034】また、本発明において成形材料には、低収
縮剤として、ポリ酢酸ビニル、ポリメチル(メタ)アク
リレート、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合
体、酢酸ビニルースチレン共重合体、ポリブタジエン、
飽和ポリエステル類、飽和ポリエーテル類等のような熱
可塑性樹脂を必要に応じて適当量添加することができ
る。
【0035】また、上記熱可塑性樹脂を用いる場合に
は、その量としては、樹脂分のうち0.1〜30重量%
であることが好適であり、より好適には0.3〜20重
量%である。用いる量が30重量%よりも多すぎる場合
には、成形材料の粘度が高くなるため、成形時に充分な
流動性が得られにくいという欠点を有し、また逆に0.
1重量%よりも少なすぎる場合には、充分な収縮改良効
果が得られにくいという欠点を有する。
【0036】ここで、上記樹脂分とは、熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂の他に、共重合性モノマー等の様に化学反
応して樹脂となり得る成分の総量を意味する。
【0037】またさらに成形材料には、必要に応じて、
スチレン、アルファメチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、ビニルトルエン、ジアリルフタレート、各種アクリ
レートモノマー、各種メタクリレートモノマー等の重合
性単量体を適当量加えることができる。これらのうち、
スチレン及びメチルメタクリレートが、価格及び各種性
能の点で優れるため好適に用いられる。
【0038】また、上記各種共重合性単量体を用いる場
合には、その量としては、樹脂分のうち1〜70重量%
であることが好適であり、より好適には3〜50重量%
である。用いる量が1重量%よりも少なすぎる場合に
は、成形材料の粘度が高くなるため、成形時に充分な流
動性が得られないという欠点を有する。また逆に70重
量%よりも多すぎる場合には、密着性が低下しやすいと
いう欠点を有する。
【0039】また、成形材料には、必要に応じて、ラジ
カル反応開始剤としての有機過酸化物を添加することが
できる。具体的には例えば、メチルエチルケトンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド類、イソブチリルパ
ーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、クメンハ
イドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、
ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド
類、ターシャリーブチルパーオキシ- 2- エチルヘキサ
ノエート等のアルキルパーエステル類、ターシャリーブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカー
ボネート類、1, 1- ジブチルパーオキシシクロヘキサ
ン等のパーオキシケタール類等があり、汎用的には、タ
ーシャリーブチルパーオキシベンゾエート、ターシャリ
ーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が使用
可能である。 上記有機過酸化物を用いる場合には、そ
の量としては、反応性不飽和結合を持つ熱硬化性樹脂及
び共重合性モノマーの和100重量部に対し0.3〜5
重量部が好適であり、より好適には0.5〜3重量部で
ある。用いる量が0.3重量部よりも少ない場合には、
成形材料の硬化速度が遅くなり易く、また逆に5重量部
よりも多すぎる場合には、成形材料が硬化時に黄変しや
すくなるという欠点を有する。
【0040】さらに成形材料には、目的及び用途に応じ
て、適当量の無機充填材を加えることができる。使用可
能な無機充填材としては、以下のようなものがある。す
なわち、グラファイト、ダイヤモンド等の元素鉱物、岩
塩、カリ岩塩等のハロゲン化鉱物、炭酸カルシウム等の
炭酸塩鉱物、藍鉄鉱等のりん酸塩鉱物、カルノー石等の
バナジン酸塩鉱物、重晶石(硫酸バリウム)、石膏(硫
酸カルシウム)等の硫酸塩鉱物、ほう砂等のほう酸塩鉱
物、灰チタン石等のチタン酸塩鉱物、雲母、タルク(滑
石)、葉ろう石、カオリン、石英、長石等のけい酸塩鉱
物、酸化チタン、鋼玉(酸化アルミニウム)、水酸化ア
ルミニウム等の金属(水)酸化物、(中空)ガラス球等
のガラス製品、等を中心とした天然又は人工の鉱物又は
それを処理、精製或は加工したもの、およびそれらの混
合物が用いられる。
【0041】また、成形材料には必要に応じて着色顔料
を適当量用いることができる。この着色顔料としては、
従来公知のものが用いられる。例えば、酸化チタン、ベ
ンジンイエロー、アンスラキノンイエロー、チタンイエ
ロー、ハンザイエロー、モリブデートオレンジ、黄鉛、
ジスアゾイエロー、ベンジンオレンジ、キナクリドンレ
ッド、、キナクリドンマゼンダ、ナフトールバイオレッ
ト、クロムグリーン、フタロシアニングリーン、アルカ
リブルー、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、酸
化鉄(ベンガラ)、銅アゾブラウン、アニリンブラッ
ク、カーボンブラック、鉄黒、アルミフレーク、ニッケ
ル粉、金粉、銀粉等各種公知慣用のものが用いられる。
これらのうち、酸化チタン、チタンイエロー、キナクリ
ドンレッド、キナクリドンマゼンダ、フタロシアニンブ
ルー、酸化鉄(ベンガラ)、カーボンブラック、鉄黒、
アルミフレーク等が、成形材料の硬化性等への影響が少
ないないため好適に用いられる。
【0042】ここで、成形材料に用いる着色顔料の添加
量としては樹脂分100重量部に対して、1〜100重
量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜50重
量部である。また、無機充填材の添加量としては、樹脂
分100重量部に対して、0〜300重量部とすること
が好ましく、より好ましくは0〜250重量部である。
また、着色顔料、無機充填材の総量として、30〜32
0重量部添加されるのが好ましく、より好ましくは40
〜200重量部となる様に調節される。無機充填材、着
色顔料の添加量が、少なすぎる場合には充分な隠蔽性が
得られにくいという欠点を有し、逆に多すぎる場合に
は、組成物の粘度が高くなるため、成形時に型内におけ
る充分な流動性が得られにくいという欠点を有する。
【0043】また、成形材料には、補強材として、各種
補強繊維、すなわちガラス繊維、炭素繊維等を必要に応
じて適当量加えることができる。ここで、成形材料に補
強繊維を用いる場合には、その使用量としては樹脂分に
対して、1〜100重量部とすることが好ましく、より
好ましくは3〜90重量部である。含有量が1重量部よ
りも少なすぎる場合には充分な補強効果が得られにくい
という欠点を有し、逆に100重量部よりも多すぎる場
合には、組成物の粘度が高くなるため、成形時に型内に
おける充分な流動性が得られにくいという欠点を有す
る。
【0044】またさらに成形材料には、必要に応じて、
ジメチルアニリン、ナフテン酸コバルト等の公知の硬化
促進剤、パラベンゾキノン等の重合禁止剤、アゾ系染料
やアントラキノン系、インジゴイド系、スチルベン系等
の染料、カーボンブラック等の導電性付与剤、乳化剤、
ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸類、脂肪族燐酸塩、レシ
チン等の離型剤等を用途、目的に応じて適当量加えるこ
とができる。
【0045】ここで、熱硬化性成形材料として具体的に
は例えば、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂のスチレン溶液
(スチレン濃度40〜70重量%)60〜100重量
部、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル等の熱可塑性樹脂のスチレン溶液(スチレン濃
度40〜70重量%)0〜40重量部を加えて100重
量部とし、これに、ターシャリーブチルパーオキシベン
ゾエート等の有機過酸化物0.7〜2.5重量部、酸化
マグネシウム等の増粘剤0.5〜3重量部、ステアリン
酸亜鉛等の離型剤0.5〜5重量部、酸化チタン、酸化
鉄、カーボンブラック、チタンイエロー等の着色顔料5
〜20重量部、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等
の充填材粉末60〜160重量部からなる無機成分合計
70〜180重量部を加えたものを混練してコンパウン
ドとし、ガラス繊維等の補強材5〜80重量部に含浸さ
せてSMC或いはBMCの形態にしたものが、好適に用
いられる。
【0046】本発明の製造方法は、上記の様な材料を用
いて行われるが、そのプロセスとしては、以下の様にな
る。
【0047】本発明に用いる成形機としては、従来公知
のプレス成形機が使用可能である。また、型としては、
従来公知の金型、鋳物型等が使用可能である。
【0048】また、成形型の形式としては、一般的には
上下型が好ましく用いられる。この場合、通常は上型を
可動型、下型を固定型として用いる。
【0049】上記の成形機に、上記型を取り付け、80
〜180℃に加熱した後、例えば下型上に、表面層用加
飾紙をまず載置し、さらにその上に隠蔽層用紙を載置す
る。又は請求項2記載の加飾成形品用シートを、表面層
用加飾紙が型の側を向くようにして、載置する。
【0050】このようにして各紙又は加飾シートを載置
した後、成形材料を載置し、型を締め、10〜120k
g/cm2 の圧力で30秒〜15分間加圧成形し、硬化
させた後、型を開け、製品を脱型すれば、積層された加
飾成形品が得られる。
【0051】或いは、下型上に先ず熱硬化性成形材料を
載置し、その上に隠蔽層用紙と表面層用加飾紙とを載置
(又は加飾成形品用シートを載置)して成形しても構わ
ないが、この場合は各紙もしくは加飾シートが成形時に
ずれることがあるので注意を要する。
【0052】ここで、表面層用加飾紙(3) 及び隠蔽層用
紙(2) (あるいは加飾成形品用シート(1) )の大きさと
しては、成形品(4) 表面全面をこれにて加飾する大きい
ものであっても構わないし(図2参照)、成形品(4) 表
面のうち一部のみを加飾する小さいものであっても構わ
ない(図3参照)。即ち、求める意匠に応じて、任意の
大きさ、形が用いられる。
【0053】また、印刷した加飾成形品用シートの用い
方としては、印刷面を表面側として用いるのが普通であ
るが、必要に応じて、印刷面を裏側、即ち紙の側を向け
て、透かした向こう側に印刷が見えるような意匠とする
こともできる。
【0054】又、本発明においては、必要に応じて隠蔽
層用紙と熱硬化性成形材料との間にガラスクロス、ガラ
スマット等の中間シートを挟み込んで補強又は樹脂流動
制御に供しても構わない。
【0055】
【作用】本発明の成形品においては、表面層用紙として
酸化チタン量が少ないもしくは含まれない紙が用いられ
ているので、表面層用紙にその成形時に生じる破れがな
く、隠蔽層用紙として酸化チタン量の多いチタン紙が用
いられているので、良好な隠蔽性を有する。
【0056】本発明の製造方法においては、表面層用紙
として酸化チタン量が少ないもしくは含まれない紙が用
いられているので、表面層用紙が成形時に破れることが
なく、製造工程が著しく安定化されるとともに、隠蔽層
用紙により得られる成形品は隠蔽性に優れるものであ
る。
【0057】また、上記製造方法に用いる本発明の加飾
成形品用シートにおいては、表面層用紙及び隠蔽層用紙
が積層されているので、表面層用紙及び隠蔽層用紙の成
形前の取扱い及び型上への載置作業が一度に行うことが
でき、作業工数、成形サイクルがこれにより著しく改良
される。
【0058】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。以
下、特に断らない限り、部とは重量部を意味する。
【0059】1.成形機及び金型の準備 成形機としては、川崎油工社製、300トンプレス成形
機を用いた。金型としては30cm×30cmの正方形
平板を成形する金型を準備し、上型、下型共に電気ヒー
ター及び冷却水配管を埋め込んだ。この金型を上記プレ
ス成形機に取り付けた。上型を可動型とし、下型を固定
型とした。
【0060】2.表面層用紙及び隠蔽層用紙の調製 表面用紙及び隠蔽用紙としては、以下のものを用いた。 1)含浸用樹脂液の調製 (1)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフタル酸系の不
飽和ポリエステル樹脂、数平均分子量約2000をスチ
レンに溶解したもの、スチレン濃度40重量%)100
重量部 (2)硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ
ート)1部 上記(1)、(2)を混合、撹拌し、含浸用樹脂液とし
た。
【0061】2)表面層用加飾紙の調製 表面層用加飾紙1〜3としては酸化チタンを含まない紙
を用いた。 表面層用加飾紙1:薄様紙(厚さ0.08mm、62g
/m2 、酸化チタン含有量0重量%:興人社製)に石目
柄をグラビア印刷したものを20cm×20cmの大き
さに切り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸させた
後、ロールで余分な樹脂をしごいて含浸シートを得た。
得られた表面層用加飾紙1の基材(紙)含有率は、45
重量%であった。 表面層用加飾紙2:薄様紙(厚さ0.02mm、15g
/m2 :興人社製)に石目柄をグラビア印刷したものを
20cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸
漬して樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしご
いて含浸シートを得た。得られた表面層用加飾紙2の基
材(紙)含有率は、55重量%であった。 表面層用加飾紙3:薄様紙(厚さ0.05mm、40g
/m2 :興人社製)に石目柄をグラビア印刷したものを
20cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸
漬して樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしご
いて含浸シートを得た。得られた表面層用加飾紙3の基
材(紙)含有率は、50重量%であった。 表面層用加飾紙4:チタン紙(厚さ0.08mm、62
g/m2 、酸化チタン含有量30重量%:興人社製)に
石目柄をグラビア印刷したものを20cm×20cmの
大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬して樹脂を含浸させ
た後、ロールで余分な樹脂をしごいて含浸シートを得
た。得られた表面層用加飾紙4の基材(紙)含有率は、
50重量%であった。 表面層用加飾紙5:チタン紙(厚さ0.09mm、70
g/m2 、酸化チタン含有率5重量%:興人社製)に石
目柄をグラビア印刷したものを他紙と同じ大きさに切
り、同様にして樹脂含浸シートを得た。得られた表面層
用加飾紙5の基材(紙)含有率は、45重量%であっ
た。
【0062】3)隠蔽層用紙の調製 隠蔽層用紙1:チタン紙(厚さ0.08mm、64g/
2 、酸化チタン含有量25重量%:興人社製)を20
cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬し
て樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて
含浸シートを得た。得られた隠蔽層用紙1の基材(紙)
含有率は、50重量%であった。 隠蔽層用紙2:チタン紙(厚さ0.11mm、90g/
2 、酸化チタン含有量33重量%:興人社製)を20
cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬し
て樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて
含浸シートを得た。得られた隠蔽層用紙2の基材(紙)
含有率は、50重量%であった。 隠蔽層用紙3:チタン紙(厚さ0.14mm、110g
/m2 、酸化チタン含有量22重量%:興人社製)を2
0cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬
して樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごい
て含浸シートを得た。得られた隠蔽層用紙3の基材
(紙)含有率は、50重量%であった。 隠蔽層用紙4:チタン紙(厚さ0.08mm、64g/
2 、酸化チタン含有量10重量%:興人社製)を20
cm×20cmの大きさに切り、上記樹脂液中に浸漬し
て樹脂を含浸させた後、ロールで余分な樹脂をしごいて
含浸シートを得た。得られた隠蔽層用紙4の基材(紙)
含有率は、50重量%であった。
【0063】3.加飾成形品用シートの調製 加飾シート1:上記表面層用紙1の4隅に酢酸エチルを
1滴ずつ滴下し、含浸樹脂が膨潤した状態で上記隠蔽層
用紙1を重ね合わせ、両者が良好に密着した積層体を得
た。 加飾シート2:上記表面層用紙3の4隅に酢酸エチルを
1滴ずつ滴下し、含浸樹脂が膨潤した状態で上記隠蔽層
用紙3を重ね合わせ、両者が良好に密着した積層体を得
た。
【0064】4.成形材料の調製 成形材料としては以下のものを用いた。
【0065】(1)不飽和ポリエステル樹脂液(イソフ
タル酸系の不飽和ポリエステル樹脂、数平均分子量約2
000をスチレンに溶解したもの、スチレン濃度40重
量%)70重量部 (2)ポリスチレン樹脂液(重量平均分子量約9500
0のポリスチレン樹脂をスチレンに溶解したもの、スチ
レン濃度65重量%)30部 (3)硬化剤(ターシャリーブチルパーオキシベンゾエ
ート)1部 (4)炭酸カルシウム粉末(NS−100:日東粉化社
製)120部 (5)着色顔料(酸化チタン粉末、SR−1:堺化学工
業社製)6部 (6)増粘剤(酸化マグネシウム粉末、キョーワマグ1
50:協和化学工業社製)1部 (7)内部離型剤(ステアリン酸亜鉛:堺化学工業社
製)3部 (8)ガラス繊維(旭ファイバーグラス社製のロービン
グ:ER4630LBD166Wを長さ25mmに切断し
たもの)70部 上記配合材料のうち(1)〜(7)の配合材料を混合、
充分に混練を行った後、SMC製造装置により(8)の
ガラス繊維に含浸させ、40℃にて24時間熟成して、
厚み約2mmの白色SMCを得た。
【0066】5.成形方法 この様にして得られた表面層用紙、隠蔽層用紙及びSM
Cを、以下のように成形した。各実施例、比較例はそれ
ぞれ、繰り返し10ショットづつ成形を行った。
【0067】(実施例1)上型を140℃、下型を15
0℃に加熱した後、上記表面層用加飾紙1を下型に乗せ
た。更に、隠蔽層用紙1を乗せ、さらにその上に上記S
MCを30cm×30cmの大きさに切ったものを2枚
チャージし、型を締めて100kg/cm 2 の圧力で2
40秒間加圧成形した。その後型を開いて脱型し、加飾
成形品を得た。
【0068】(実施例2)表面層用加飾紙として上記表
面層用加飾紙2を用い、隠蔽層用紙として上記隠蔽層用
紙2を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行い、加
飾成形品を得た。
【0069】(実施例3)上型を140℃、下型を15
0℃に加熱した後、上記加飾シート1を下型に乗せた。
さらにその上に上記SMCを30cm×30cmの大き
さに切ったものを2枚チャージし、型を締めて100k
g/cm2 の圧力で240秒間加圧成形した。その後型
を開いて脱型し、加飾成形品を得た。
【0070】(実施例4)加飾シートとして上記加飾シ
ート2を用いた以外は、実施例3と同様に成形を行い、
加飾成形品を得た。
【0071】(実施例5)表面層用加飾紙として上記5
のものを用いた以外は、実施例1と同様に成形を行い、
加飾成形品を得た。
【0072】(比較例1)表面層用加飾紙として上記表
面層用加飾紙4を用い、隠蔽層用紙を用いなかった以外
は、実施例1と同様に成形を行い、加飾成形品を得た。
【0073】(比較例2)表面層用加飾紙として上記表
面層用加飾紙1を用い、隠蔽層用紙を用いなかった以外
は、実施例1と同様に成形を行い、加飾成形品を得た。
【0074】(比較例3)隠蔽層用紙として上記隠蔽層
用紙4を用いた以外は、実施例1と同様に成形を行い、
加飾成形品を得た。
【0075】6.成形品の評価 上記各実施例1〜5、比較例1〜3において、まず、作
業性として、加飾シート位置決め作業時間を測定した。
即ち、表面層用加飾紙(又は積層した加飾シート)が最
初に金型に触れてから隠蔽層用紙(又は積層した加飾シ
ート)載置終了までの時間をストップウォッチにより測
定した。また、得られた成形品について、目視にてシー
トの破れ、及び柄模様の隠蔽層性の不良の有無を評価し
た。以上の結果を表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】表1のように、実施例1〜5においては、
成形品の破れ、隠蔽性不足等の不良のないものであっ
た。とりわけ実施例3〜4においては、表面層用加飾紙
と隠蔽層用紙とが予め積層一体化された加飾成形品用シ
ートを用いているので、他の実施例1〜2及び5に比べ
て作業時間が短いものであった。一方、比較例1では、
表面層用加飾紙の酸化チタン含有量が多く、用紙が硬か
ったため、破れが発生した。比較例2では、隠蔽層用紙
を用いていないので、成形品の隠蔽性が不十分である。
また、比較例3では、酸化チタン量の少ない隠蔽層用紙
を用いたため、成形品の隠蔽性が不十分である。
【0078】
【発明の効果】本発明の加飾成形品は、表面層用加飾紙
の破れ等の不良がなく、かつ隠蔽性に優れるものであ
る。
【0079】本発明の製造方法によれば、表面層用加飾
紙が成形時に破れることがなく、製造工程が著しく安定
化されるとともに、隠蔽性に優れた加飾成形品が得られ
る。
【0080】さらに、本発明の加飾成形品用シートを用
いることにより、上記製造方法において、その作業性を
著しく改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加飾成形品用シート構成を示す断面模
式図である。
【図2】本発明により得られる加飾成形品例の断面模式
図である。
【図3】本発明により得られる加飾成形品例の断面模式
図である。
【符号の説明】
(1) …加飾成形品用シート (2) …隠蔽層用紙 (3) …表面層用加飾紙 (4) …熱硬化性成形材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 711:12 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化チタン含有量が10重量%以下であ
    る表面層用加飾紙と、酸化チタン含有量が15〜50重
    量%である隠蔽層用紙と、熱硬化性成形材料層とが、こ
    の順に積層一体化されてなることを特徴とする、加飾成
    形品。
  2. 【請求項2】 酸化チタン含有量が10重量%以下であ
    る表面層用加飾紙と、酸化チタン含有量が15〜50重
    量%である隠蔽層用紙とが積層されてなることを特徴と
    する、加飾成形品用シート。
  3. 【請求項3】 酸化チタン含有量が10重量%以下であ
    る表面層用加飾紙及び酸化チタン含有量が15〜50重
    量%である隠蔽層用紙を、前記表面層用紙が金型側に、
    前記隠蔽層用紙が熱硬化性成形材料側になるように、金
    型と熱硬化性成形材料との間に配設した状態でこれらを
    加熱加圧成形して積層一体化することを特徴とする、加
    飾成形品の製造方法。
JP32217494A 1994-12-26 1994-12-26 加飾成形品、加飾成形品用シート及び加飾成形品の製造方法 Pending JPH08174771A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017057631A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 板状建材

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JP2017057631A (ja) * 2015-09-17 2017-03-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 板状建材

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