JPH09157108A - 田面水中での農薬有効成分の溶出が良好な農薬粒剤 - Google Patents
田面水中での農薬有効成分の溶出が良好な農薬粒剤Info
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- JPH09157108A JPH09157108A JP7318184A JP31818495A JPH09157108A JP H09157108 A JPH09157108 A JP H09157108A JP 7318184 A JP7318184 A JP 7318184A JP 31818495 A JP31818495 A JP 31818495A JP H09157108 A JPH09157108 A JP H09157108A
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Abstract
崩壊拡展、崩壊分散させる農薬製剤を提供すること。 【解決手段】農薬有効成分、分子量が400以下の糖
類、並びにポリカルボン酸系の界面活性剤及び/又はポ
リオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系の界面活
性剤を含有する農薬除草粒剤。
Description
優れている農薬粒剤に関する。
剤、ジャンボ剤、田植え時同時処理剤等を初めとする各
種の水田省力施用除草剤の開発がなされてきている。そ
の中で、1キロ粒剤は、水田10a当たり製剤として1
kg処理する省力水田施用剤であり、従来の水田10a
当たり製剤として3kg処理する3キロ粒剤に替わるも
のである。1キロ粒剤の場合には、散布機による散布性
の面から、粒径が3キロ粒剤に比べて大きくなる傾向に
ある。そのような粒径の違い等から、1キロ粒剤の場
合、1粒あたりカバーしなければならない面積が3キロ
粒剤の約3〜11倍(1オーダーも広くなる)になり、
生物効力・薬害を考慮に入れた製剤設計がますます重要
となってくる。すなわち、1キロ粒剤では、粒剤の水中
崩壊拡展性又は水中崩壊分散性をさらに良好にする必要
がある。
を良好にする方法としては、粒剤中に拡展剤又は分散剤
を含有する方法(特開平5−246803号公報、特開
平6−298602号公報、特公平6−39363号公
報等)及び農薬有効成分を細かく粉砕する方法等が提案
されている。3キロ粒剤の場合には、1粒あたりカバー
しなければならない面積がせまいため、拡展剤、分散剤
を必ずしも添加する必要がなく、もし添加するにしても
拡展剤、分散剤の種類をそれほど吟味する必要もなかっ
た。また、1キロ粒剤であっても、実質的に田面水中に
可溶性の農薬有効成分のみを含有する粒剤(実質的に田
面水中に不溶性の農薬有効成分を含有しない粒剤)の場
合には、水中崩壊拡展性又は水中崩壊分散性を良好にす
るための拡展剤又は分散剤の選択はそれほど難しいこと
ではなく、農薬有効成分によってはそうした界面活性剤
を必要としない場合もある。
に田面水中に不溶性の農薬有効成分(以下、特に断らな
い限り、不溶性有効成分とする)を含有する1キロ粒剤
の場合には、水中崩壊拡展性又は水中崩壊分散性をさら
に良好にしないと、粒剤を田面に処理した時、主剤(有
効成分)の水中溶出速度が遅くなり、結果的に効力が十
分に得られなかったり、まれに薬害が生じるという問題
があった。この際、ポリカルボン酸系界面活性剤及び/
又はポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系界
面活性剤を用いると、確かに水中での崩壊拡展性又は崩
壊分散性が良好になり、主剤の田面水中溶出速度が改善
されはするが、不溶性有効成分を含む粒剤の場合には、
こうした界面活性剤のみでは不溶性有効成分の水中での
溶出を十分に早めることはできない。
有効成分(以下、特に断らない限り、液状有効成分とす
る)の両方を含有する粒剤の場合には、田面水中での粒
剤の崩壊拡展性又は崩壊分散性を改善するために、不溶
性有効成分の粒度を細かくすると、経時的に粒子成長等
によって粒剤の水中崩壊性が著しく悪くなるという問題
があった。
イソブチレン又はジイソブチレンとマレイン酸又は無水
マレイン酸との共重合体の水溶性塩のポリカルボン酸系
界面活性剤だけでなく、さらに、(b)サルフェート
系、スルホネート系又はホスフェート系陰イオン性界面
活性剤を重量比でa/b=9/1〜3/7の割合で含有
することにより農薬有効成分の水中拡展性を良好にする
ことができるという内容の記載がある。しかしながら、
この公報によると、a/b>9/1になると、農薬粒剤
の水中拡展性の改善について顕著な効果が得られない。
本発明では、a/b>9/1であっても、さらに分子量
400以下の糖類を用いることによって、実質的に田面
水中に不溶性の農薬有効成分を含有する粒剤について、
水中での崩壊拡展性又は崩壊分散性が優れ、実質的に田
面水中に不溶性の農薬有効成分の田面水中溶出速度を良
好にするものである。
に種々の界面活性剤、補助剤並びに添加剤を検討した結
果、不溶性有効成分を含有する粒剤に、分子量が400
以下の糖類並びにポリカルボン酸系界面活性剤及び/又
はポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系界面
活性剤を加えて造粒した農薬粒剤が、課題を解決できる
ことを見い出し、本発明を完成した。
以下の糖類、並びにポリカルボン酸系の界面活性剤及び
/又はポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系
の界面活性剤を含有することを特徴とする農薬粒剤を提
供する。
性であっても可溶性であっても、本発明に使用すること
ができるが、実質的に田面水中に不溶性の農薬有効成分
の方が必要性及び実用性の点から好ましい。同様に、本
発明の農薬粒剤は、水田10a当たり製剤として1.5
kg以下の量を処理するように処方されていることが、
必要性及び実用性の点から好ましい。
類とは、分子量が400以下で糖構造を有するものであ
れば特に限定はないが、好ましくは、例えば、グルコー
ス、ガラクトース、マンノース、フルクトース、マルト
ース、ソルビット、ラクトース、シュークロース、マニ
トールのような、2糖類、単糖類及び単糖類の誘導体で
あり、更に好ましくは、グルコース、ソルビット、ラク
トース、シュークロース、マルトースである。これらの
糖類は、一種のみであっても二種以上を組み合わせても
本発明に使用できる。
されている少糖類のデキストリン等のような分子量が4
00以上の糖類を、ポリカルボン酸系界面活性剤及び/
又はポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系界
面活性剤と配合しても、不溶性有効成分の溶出速度は顕
著には良好にならない。
に限定はないが、農薬製剤全体に対して通常約1〜15
%重量部、好ましくは、2〜10%程度である。
活性剤は、カルボン酸部分構造を複数有する界面活性剤
であれば特に限定はないが、好ましくは、例えば、マレ
イン酸とスチレンスルホン酸の共重合物又はその塩、イ
ソブチレン又はジイソブチレンとマレイン酸の共重合物
又はその塩、マレイン酸とアクリル酸の共重合物又はそ
の塩、アクリル酸の重合物又はその塩等が挙げられる。
具体的な商品としては、例えば、S−SMA3000、
S−SMA1000、S−SMA1440H(以上AR
CO CHEMICAL製)、ポリスターOMP、ポリ
スターOMA、ポリスターSMX、ポリスターSM−1
015、ポリスターA−1060(以上、日本油脂
製)、ソカランCP−5、ソカランCP−7、ソカラン
CP−9、ソカランCP−10(以上、BASF製)、
GEROPON T/36、GEROPON TA/7
2、GEROPON SC/213(以上、ローヌプー
ラン製)、デモールEP(花王製)、トキサノンGR−
31A(三洋化成製)等が挙げられる。更に好ましく
は、イソブチレン又はジイソブチレンとマレイン酸の共
重合物又はその塩であるGEROPON SC/21
3、デモールEPである。
に限定されないが、農薬製剤全体に対して、通常約0.
5〜10%重量部、好ましくは、1〜7%程度である。
チリルフェニルエーテル系界面活性剤は、特に限定はな
いが、好ましくは、例えば、ポリオキシエチレンジスチ
リルフェニルエーテルのノニオン、ポリオキシエチレン
トリスチリルフェニルエーテルのノニオン、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレントリスチリルフェニルエ
ーテルのノニオン、ポリオキシエチレントリスチリルフ
ェニルエーテルのリン酸アミン塩又はリン酸カリウム
塩、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル
硫酸、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル
硫酸等が挙げられる。具体的な商品としては、NE−2
607、NE−2609、NE−2611、NE−26
14、NE−2616、NE−2618(以上、日本乳
化剤製)、SOPROPHOR FL、SOPROPH
OR FLK/70、SOPROPHOR SD/40
−P、SOPROPHOR AMC、SOPROPHO
RCY/8、SOPROPHOR BSU、SOPRO
PHOR S/25、SOPROPHOR 3D33、
SOPROPHOR DSS/11、SOPROPHO
R DSS/15、SOPROPHOR 796/P
(以上ローヌプーラン製)等が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。更に好ましくは、ポリオキシエ
チレントリスチリルフェニルエーテルのリン酸カリウム
塩であるSOPROPHOR FLK/70である。
チリルフェニルエーテル系界面活性剤の使用量は、農薬
製剤全体に対して通常約0.3〜10%重量部、好まし
くは、0.5〜5%程度である。
テル系界面活性剤と上記のポリカルボン酸系界面活性剤
を混合して用いてもよい。これらの使用量は特に限定さ
れないが両者あわせて農薬製剤全体に対して通常約0.
3〜10%重量部、好ましくは、0.5〜7%程度であ
る。
溶性の農薬有効成分」及び「不溶性有効成分」とは、農
薬有効成分の水溶解度(S(mg/L))と水田10a
当たりの農薬有効成分の処理量(M(g))及び水深
(h(cm))の間に、r=S/(M/10h)<10
の条件を満足する農薬有効成分であるが、通常、水深は
3cm程度と考えられるので、r=S/(M/30)<
10の条件を満足する農薬有効成分ということもでき
る。その種類に特に限定はないが、例えば、ピラゾレー
ト、エトベンザニド、ピリブチカルブ、ベンゾフェナッ
プ、3−(2’−フルオロ−4’−クロロ−5’−シク
ロペンチルオキシ)−5−イソプロピリデン−1,3−
オキサゾリジン−2,4−ジオン(特開昭62−167
713号公報に記載の化合物)、ナプロアニリド、シハ
ロホップブチル、クロメプロップ、ダイムロン、クミル
ロン、ビフェノックス等が挙げられ、好適にはピラゾレ
ートを挙げることができる。上記rが10未満の農薬有
効成分の中でも、rが1未満の物は、本発明による更に
高い効果を得ることができるので、好適である。
か不溶性かの指標となる上記の数値rをS/(M/3
0)として求めると、例えば、ピラゾレートの場合、r
=0.0125と10よりはるかに小さくなり、実質的
に田面水に対する不溶性の程度が大きい。一方、対照的
に、ベンスルフロンメチルやプレチラクロールのrはそ
れぞれr=70.5(pH=6において)、33.3で
あり、10より大きく、実質的に田面水中に可溶性の農
薬有効成分である。
を単独で用いてもよいし又二種以上混合して用いてもよ
い。また、不溶性有効成分一種又は二種以上と、実質的
に田面水中に可溶性の農薬有効成分一種又は二種以上と
を混合して用いてもよい。それら有効成分は、水田に使
用できるものであれば特に限定はなく、除草活性、殺菌
活性、殺虫活性、植物生長調節活性その他の農薬用活性
を有するものをすべて含有するものであり、異なる活性
を有する成分を二種以上混合して用いることもできる。
くとも一つは除草活性を有する成分が含まれていること
が好ましい。
を含有させることができる。
成分」及び「液状有効成分」とは、通常の状態において
液体のものであれば特に限定はないが、好ましくは、例
えば、プレチラクロール、ジメタメトリン、ベンフレセ
ート、チオベンカルブ等を挙げることができ、さらに好
ましくは、プレチラクロール、ジメタメトリンを挙げる
ことができる。
剤として、粒剤の水中崩壊性への影響が少ないパーライ
トやアルカリ性のホワイトカーボンを配合することが望
ましい。具体的な商品としては、パーライトには、例え
ば、ロカヘルプB−409(三井金属鉱山製)が、ま
た、アルカリ性のホワイトカーボンには、カープレック
ス#100、カープレックス#1190(以上塩野義製
薬製)、ニップシールNA(日本シリカ製)等がある。
不溶性有効成分及び液状有効成分を配合する農薬粒剤の
場合には、こうした吸油性助剤のうち、特に、パーライ
トであるロカヘルプB−409を使用すると造粒性が良
好で田面水中での粒剤の崩壊性に対して影響を及ぼさ
ず、好ましい。
合する農薬粒剤の場合には、不溶性有効成分の粒度を細
かくし過ぎると、経時的に粒剤の水中での崩壊拡展性又
は崩壊分散性が悪くなる。従って、粒剤の水中での崩壊
拡展性又は崩壊分散性の経時的劣化を防ぐためには、不
溶性有効成分の平均粒径は2μm以上が望ましい。粒度
分布測定はレーザー回折法にて行う(堀場製作所製のL
A700使用。)。
は、特に限定はないが、農薬粒剤全体に対して、0.1
〜50%重量部が望ましい。
に、通常粒剤に使用される添加剤、例えば造粒性改良助
剤、粒剤の崩壊性改良助剤、結合剤、増量剤等を添加す
ることができる。造粒性改良助剤としては、例えば、ジ
アルキルスルホコハク酸塩等、粒剤の造粒性改良助剤と
しては、例えば、ポリアクリル酸塩、トリポリリン酸塩
等、結合剤としては、例えば、デンプン、デキストリ
ン、CMC、ポリビニルアルコール等、増量剤として
は、例えば、ベントナイト、炭酸カルシウム、クレー、
タルク、ケイソウ土等が挙げられる。
方法によって容易に製造される。例えば、液状有効成分
を含まない場合には、農薬有効成分、ポリカルボン酸系
界面活性剤及び/又はポリオキシエチレンスチリルフェ
ニルエーテル系界面活性剤、分子量400以下の糖類、
造粒性改良助剤(ジアルキルスルホコハク酸塩等)、水
中崩壊性助剤、結合剤及び増量剤を、水とともに混合
し、押し出し造粒し、乾燥することによって製造され
る。液状の農薬有効成分を含む場合には、押し出し造粒
し乾燥した上記粒剤に、液状の農薬有効成分を吸収させ
ることによって製造される。
明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
3.7%)1494.2g、粒状炭酸カルシウムK3
(三共精粉製)200g及びロカヘルプB−409(三
井金属鉱山製)305.8gを混合し、J−O−マイザ
ー0101型(セイシン企業製)を用いて乾式粉砕し、
平均粒径が3.1μmのピラゾレートプレミックス(有
効成分量70%)を得た。
3.7%)1668.5g、NE−292PG(日本乳
化剤、ジアルキルスルホサクシネート塩)21.25g
及び水道水810.25gを混合し、アトライター1S
型(三井金属鉱山製)にて湿式粉砕し、平均粒径が、
2.1μmのピラゾレートスラリーI(有効成分量6
2.54%)を得た。
3.7%)10672g、NE−292PG600g及
び水道水8728gを混合し、アトライター1S型にて
湿式粉砕し、平均粒径が、1.76μm及び0.85μ
mのピラゾレートスラリー(有効成分量50.0%)を
得た(それぞれピラゾレートスラリーII及びピラゾレ
ートスラリーIIIとする)。
(純度99%)101g及び炭酸カルシウム899gを
混合し、サンプルミル(不二パウダル製)を用いて粉砕
し、ベンスルフロンメチルプレミックス(有効成分量1
0%)を得た。
g、調製例1で得たピラゾレートプレミックス377.
2g、調製例4で得たベンスルフロンメチルプレミック
ス112.2g、トリポリリン酸ナトリウム60g、ア
ミコールNo.1(日澱化学製)100g、SOPRO
PHOR FLK/70 60g、グルコース100
g、ロカヘルプB−409 200gを小型ニーダーに
順次投入し、10分間混合した後、NE−292PGを
4g含んだ水道水300mlを添加して10分間練合し
た。練合物を押し出し造粒機(スクリーンの目開き0.
8mmφ)で造粒し、流動層乾燥機で乾燥後、整粒(フ
ルイ目開き0.5〜1mm)して、粒剤を約1600g
得た。この粒剤1600gに対し、プレチラクロール原
体(純度96.3%)を86.7g吸収させ、目的のサ
ンプルを試製した。
を得た。ただし、ジメタメトリン原体(純度97.6
%)とプレチラクロール原体配合の粒剤(実施例10、
11及び比較例11、12の粒剤)については、液状原
体をのぞく原料で押し出し造粒して試製した粒剤にジメ
タメトリン原体とプレチラクロール原体の混合液を吸収
させた。
を使用して、下記方法にて溶出試験を行った。
ットに、水田土壌を約3kg入れ、代かきを行った。翌
日、水深を3cmに保ち、静水条件下で上記粒剤を90
mg処理した。その後、経時的にサンプリングを行い、
4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチ
ル−5−ヒドロキシピラゾール(以下、DTPと略す。
ピラゾレートの加水分解物で、除草活性本体である。D
TPの田面水中での溶出速度が生物効果に影響を及ぼ
す。)の田面水中濃度をHPLC法で分析した。なお、
溶出期間中は毎日散水し水深を3cmに保った。
的推移を示す。
0も含まない比較例1の粒剤の場合、田面水中での粒剤
からのDTP溶出速度はきわめて遅い。比較例1の粒剤
にさらにグルコースを配合した比較例2の粒剤の場合で
も同様である。比較例1の粒剤にさらにSPOROPH
OR FLK/70を配合すると(比較例3の粒剤)、
田面水中での粒剤からのDTPの溶出速度は良好になる
が、比較例1の粒剤にさらにグルコースとSPOROP
HOR FLK/70を配合すると(実施例1の粒
剤)、これらの相乗効果により、田面水中での粒剤から
のDTPの溶出速度が驚くべきほど良好になることがわ
かる。
2及び比較例4で得たサンプルを使用して田面水中溶出
試験を行い、DTP、ベンスルフロンメチル、プレチラ
クロールの田面水中溶出濃度をHPLC法で分析した。
その結果を表2に示す。表2より、田面水中に実質的に
可溶性のベンスルフロンメチルやプレチラクロールの場
合には、GEROPON SC/213とグルコースの
相乗効果はないが、実質的に田面水中に不溶性のピラゾ
レートの場合には、ベンスルフロンメチルやプレチラク
ロールと同一粒剤中に配合されているにもかかわらず、
GEROPON SC/213だけでなくグルコースを
配合させることにより、田面水中での粒剤からのDTP
の溶出速度が驚くべきほど良好になることがわかる。
較例4〜6で得たサンプルを使用して田面水中溶出試験
を行い、DTPの田面水中溶出濃度をHPLC法で分析
した。その結果を表3に示す。表3より、グルコースだ
けでなく、シュークロースやソルビトール、ラクトース
などの分子量が400以下の糖類にも、ポリカルボン酸
系界面活性剤又はポリオキシエチレンスチリルフェニル
エーテル系界面活性剤との相乗効果により、田面水中で
の粒剤からのDTPの溶出速度を目覚ましく良好にする
働きがあるが、分子量が400以上のアミコールNo.
1のようなデキスリン(少糖類)の場合には顕著な効果
は得られないことがわかる。
剤を50℃、2週間(50℃×2W)虐待経時した。直
径が約9cmのシャーレ中に10度硬水を入れ、粒剤を
5粒投下し、粒剤がその原形をとどめなくなるまでの時
間、粒剤の水中崩壊性、粒剤の水中崩壊の型を試製直後
品と比較観察した。その結果を表4、5、6に示す(表
4〜6において崩壊性は目視判定にて、◎非常に良好、
○良好、△やや不良、×不良の4段階で判断した。)。
表4〜6より、液状の農薬有効成分を配合する場合に
は、ピラゾレート原体の平均粒径は2μm以上にするこ
とが望ましいことがわかる。
例13で得た粒剤を使用して田面水中溶出試験を行い、
DTPの田面水中溶出濃度をHPLC法で分析した。た
だし、粒剤の処理量は、水田10a当たり製剤として5
00g処理になるように900cm2 のプラスチック製
バットに45mg処理した。その結果を表7に示す。表
7より、本発明で得られた粒剤は水田10a当たり製剤
として500g処理する製剤であっても、田面水中での
粒剤からのDTPの溶出をきわめて良好にすることがで
きることがわかる。
中で容易に崩壊拡展もしくは崩壊分散し、実質的に田面
水中に不溶性の農薬有効成分の粒剤からの溶出速度をき
わめて良好にする。
Claims (10)
- 【請求項1】 農薬有効成分、分子量が400以下の糖
類、並びにポリカルボン酸系の界面活性剤及び/又はポ
リオキシエチレンスチリルフェニルエーテル系の界面活
性剤を含有することを特徴とする農薬粒剤。 - 【請求項2】 農薬有効成分が実質的に田面水中に不溶
性の農薬有効成分である、請求項1に記載の農薬粒剤。 - 【請求項3】 農薬有効成分が除草活性成分である、請
求項1又は2に記載の農薬粒剤。 - 【請求項4】 農薬有効成分がピラゾレートである、請
求項1に記載の農薬粒剤。 - 【請求項5】 分子量が400以下の糖類が、グルコー
ス、ソルビット、ラクトース、シュークロース、マルト
ースの中から選ばれる少なくとも1種以上の糖類であ
る、請求項1乃至4に記載の農薬粒剤。 - 【請求項6】 水田10a当たり製剤として1.5kg
以下の量を処理するように処方された、請求項1乃至5
に記載の農薬粒剤。 - 【請求項7】 請求項1乃至6に記載の農薬粒剤に、さ
らに常温で液状の農薬有効成分を含有することを特徴と
する農薬粒剤。 - 【請求項8】 請求項1乃至6に記載の農薬粒剤に、さ
らに常温で液状の農薬有効成分及びパーライトを含有す
ることを特徴とする農薬粒剤。 - 【請求項9】 常温で液状の農薬有効成分が、プレチラ
クロール又はジメタメトリンである請求項7又は8に記
載の農薬粒剤。 - 【請求項10】 農薬有効成分の平均粒径が2μm以上
である、請求項7乃至9に記載の農薬粒剤。
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JP31818495A JP3866787B2 (ja) | 1995-12-06 | 1995-12-06 | 田面水中での農薬有効成分の溶出が良好な農薬粒剤 |
Applications Claiming Priority (1)
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JPH09157108A true JPH09157108A (ja) | 1997-06-17 |
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