JPH09154271A - ステッピングモータ - Google Patents

ステッピングモータ

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JPH09154271A
JPH09154271A JP27407596A JP27407596A JPH09154271A JP H09154271 A JPH09154271 A JP H09154271A JP 27407596 A JP27407596 A JP 27407596A JP 27407596 A JP27407596 A JP 27407596A JP H09154271 A JPH09154271 A JP H09154271A
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stepping motor
guide plate
motor
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俊夫 上野
Fujio Iwashita
富士男 岩下
Toshio Yamamoto
登子雄 山本
Shigeru Ozawa
滋 小澤
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Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ回転軸の摺動ロスやモータ回転軸に起
因するカタカタ音の発生を確実に防止する。 【解決手段】 このステッピングモータ1では、ステー
タ部2から突出されたモータ回転軸3にリードスクリュ
ー部4が形成され、モータ回転軸3の両端を2つのスラ
スト軸受5,6で支持すると共に、モータ回転軸3をス
ラスト方向にバネ付勢している。そして、2つのスラス
ト軸受5,6の一方のスラスト軸受は、モータ回転軸3
との当接面が曲面形状となされた軸受体7を有してお
り、外軸受体7の軸方向の移動を許容すると共に、その
移動のガイドをするガイド部8aを備えたガイド板8に
保持されると共に、軸受体7を軸方向にバネ付勢する付
勢板9を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ回転軸にリ
ードスクリュー部が形成されたステッピングモータに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来は、図19に示すように、モータ回
転軸41にリードスクリュー部42が形成されたステッ
ピングモータ40は、そのモータ回転軸41の両端を2
つのスラスト軸受43,44でそれぞれ支持される構造
となっている。そして、スラスト軸受44側は、さら
に、メタル軸受45によりラジアル方向の支持をする構
成となっている。なお、モータ回転軸41には、ステー
タ部46とわずかな隙間をもって対向するようにロータ
マグネット47が固着されている。また、この軸受44
は、板バネ48とボール49とで構成され、モータ回転
軸41のスラスト荷重をこの板バネ48のバネ圧で移動
可能に受け止めている。
【0003】また、モータ回転軸を軸受けするに際し、
実開平6−21383に示されるように中央のメタル軸
受を省略し、2つのスラスト軸受のみで、モータ回転軸
を軸受けするように構成されるステッピングモータもあ
る。このステッピングモータ50は、図20のような概
略構成となっている。すなわち、そのモータ回転軸51
の両端を先端側の軸受(図示省略)とステータ部側の軸
受52で支持し、かつステータ部側の軸受52を図21
に示すような予圧板バネ53と複数のボール54からな
る球軸受としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな図19に示す構造のステッピングモータ40におい
ては、リードスクリュー部42に係合する被送り体の反
力により、モータ回転軸41がメタル軸受45に当た
り、カタカタ音が発生する場合が生じている。これは、
この構成のステッピングモータ40では、被送り体の送
り方向が異なるため、リードスクリュー部42の受ける
反力も回転方向によって異なる結果、その変動によって
カタカタ音が生じやすいものとなっているためである。
【0005】一方、このカタカタ音の発生は、メタル軸
受45の部分で摺動ロスが発生することにもつながって
いる。また、このメタル軸受45の存在そのものが、そ
の摺動支持機能によってモータ回転軸41の回転力を減
少させる原因となっている。
【0006】一方、実開平6−21383に示されるス
テッピングモータ50は、図19に示すようなメタル軸
受45がないので、モータ回転軸51の支持部での摩擦
が減少する効果を有する。しかし、このステッピングモ
ータ50では、ステータとロータの同軸度を出すため、
図19の板バネ48に相当する予圧板バネ53を図21
に示すように複数の螺旋形状の腕部を形成した複雑な形
状としている。
【0007】しかも、この予圧板バネ53は、モータ回
転軸51のスラスト移動ばかりでなく、ラジアル方向の
移動も軸受けするものであるので、バネ定数の設定が難
しくなっている。すなわち、ラジアル移動を押さえるた
めにバネを強くすると、モータ回転軸51に対しての負
荷が大きくなり、回転ロスが生ずる。一方、スラスト負
荷を押さえるためバネ力を小さくすると、ラジアル方向
のたわみも大きくなり、モータ回転軸51が軸受52か
ら外れたり、モータ回転軸51が貫通する孔55の周辺
角部56に当たったりする。
【0008】本発明は、モータ回転軸の摺動ロスやモー
タ回転軸に帰因するカタカタ音の発生を確実に防止でき
るステッピングモータを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、請求項1記載の発明では、ステータ部から突出され
たモータ回転軸にリードスクリュー部が形成され、モー
タ回転軸の両端を2つのスラスト軸受で支持すると共
に、モータ回転軸をスラスト方向にバネ付勢してなるス
テッピングモータにおいて、2つのスラスト軸受の一方
のスラスト軸受は、モータ回転軸との当接面が曲面形状
となされた軸受体を有しており、該軸受体の軸方向の移
動を許容すると共に、その移動のガイドをするガイド部
を備えたガイド板に保持されると共に、軸受体を軸方向
にバネ付勢する付勢部を備えている。
【0010】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載のステッピングモータにおいて、付勢部は、軸受体
の周方向において等間隔配置される複数のバネ部材で形
成されている。さらに請求項3記載の発明では、請求項
1又は2記載のステッピングモータにおいて、付勢部
は、軸受体に当接して該軸受体を軸方向にバネ付勢する
付勢板で構成されている。さらにまた、請求項4記載の
発明では、請求項3記載のステッピングモータにおい
て、軸受体に、径方向にバネ付勢する付勢手段を設けて
いる。
【0011】さらに、請求項5記載の発明は、請求項1
または2記載のステッピングモータにおいて、付勢部
は、軸受体自体に設けられていると共に、ガイド板に当
接し軸受体を軸方向に加え径方向にも付勢している。ま
た、請求項6記載の発明は、請求項5記載のステッピン
グモータにおいて、付勢部は、ガイド部に対してバネ付
勢しながら当接する舌片状部材で構成されている。
【0012】また、請求項7記載の発明は、請求項1,
2,3,4,5または6記載のステッピングモータにお
いて、軸受体は、1個のボールと該ボールを収納したボ
ール保持体とからなり、ガイド板はステータ部に取り付
けられている。さらに、請求項8記載の発明は、請求項
1,2,3,4,5,6または7記載のステッピングモ
ータにおいて、ガイド板はモールド成型品より構成され
ている。またさらに、請求項9記載の発明は、請求項
1,2,3,4,5,6または7記載のステッピングモ
ータにおいて、ガイド板は薄板より構成され、ガイド板
のガイド部は薄板を折曲して形成してなっている。さら
に、請求項10記載の発明は、請求項1,2,3,4,
5,6,7,8または9記載のステッピングモータにお
いて、ガイド板には、ステータ部に対する位置決め用の
突起部または切欠き部が備えられている。
【0013】本発明のステッピングモータは、モータに
よってモータ回転軸が回転駆動されると、ステータ部か
ら突出した部分に形成されたリードスクリュー部も回転
する。すると、このリードスクリュー部と係合する被送
り体が左右の一方に送られる。この折、モータ回転軸
は、2つのスラスト軸受でその両端がそれぞれ支持され
る。
【0014】この支持に当たり、一方のスラスト軸受
に、1個のボールとそのボールを収納したボール保持体
とからなる等の構成を設け、モータ回転軸との当接面が
曲面形状となるようにしており、その摩擦抵抗は小さい
ものとなっている。
【0015】しかも、この軸受体の軸方向の摺動は、ガ
イド板のガイド部でガイドされるので、軸受体はラジア
ル方向(半径方向)にはほとんど動くことがない。加え
て、付勢部によって軸受体を軸方向にバネ付勢している
ので、正確な予圧をモータ回転軸に付与することが可能
となる。また、付勢部を軸受体自体に設けるようにする
と、軸受体を軸方向だけでなく径方向にも付勢するよう
に構成できるので、ガイド部をそれほど厳密な寸法に構
成しなくても軸受体がラジアル方向に動かない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1から図8に基づき説明する。
【0017】ステッピングモータ1は、ステータ部2か
ら突出されたモータ回転軸3を有している。そして、こ
のモータ回転軸3には、リードスクリュー部4が形成さ
れている。また、モータ回転軸3の両端は2つのスラス
ト軸受5,6でそれぞれ支持されている。ここで、ステ
ータ部2からモータ回転軸3が突出した側のスラスト軸
受5は、図19に示す従来の軸受と同様な構成となって
おり、詳細な説明は省略する。一方、スラスト軸受6
は、軸受体7と、この軸受体7の軸方向の移動を許容す
ると共にその移動のガイドをするガイド板8と、このガ
イド板8に保持されると共に軸受体7を軸方向にバネ付
勢する付勢板9とから構成されている。
【0018】ステータ部2は、ケースを兼ねる第1ステ
ータ10と、この第1ステータ10の極歯10aと交互
に入り組む極歯11aを有する第2ステータ11と、こ
の第2ステータ11と背中合わせに固定される第3ステ
ータ12と、この第3ステータ12の極歯12aと交互
に入り組む極歯13aを有する第4ステータ13と第1
ステータ10と第2ステータ11との間に挿入されるド
ーナッツ状のコイルボビン付きのコイル14と、第3ス
テータ12と第4ステータ13との間に挿入されるドー
ナッツ状のコイルボビン付きのコイル15とで構成され
る。なお、この構成は、従来公知のステッピングモータ
のステータ部と同様である。
【0019】また、このステータ部2には、各種機器へ
取り付けるための取り付け板16が、モータ回転軸3の
ステータ部2から突出する側に固着されている。そし
て、この取り付け板16の中央には、軸貫通孔16aが
設けられ、モータ回転軸3が貫通している。この貫通し
たモータ回転軸3の外周と軸貫通孔16aを形成する取
り付け板16の内周面16bとの隙間Lは、スラスト軸
受6とモータ回転軸3の同軸度誤差以上としている。ま
た、軸貫通孔16aの直径Mは、後述するロータマグネ
ット17の直径以下となるように構成されている。
【0020】モータ回転軸3には、円筒状のロータマグ
ネット17が固着されると共に、その先端には後述する
ボール19を受けるように円錐状の円錐凹部3aが形成
されている。また、ロータマグネット17の両端のモー
タ回転軸3に接する側は、テーパ状に切り欠かれた凹部
18,18が形成されている。この凹部18,18のう
ち、軸貫通孔16aの側の凹部18には、隙間Lを通過
してステータ部2の内部に入ってくるゴミが蓄えられる
ため、ロータマグネット17とステータ部2とが対向す
る磁気ギャップ部分にゴミが入らない効果を有してい
る。
【0021】モータ回転軸3に形成されるリードスクリ
ュー部4は、従来公知のリードスクリューと同様であ
り、このリードスクリュー部4に係合する被送り体(図
示省略)をモータ回転軸3の回転に伴い、軸方向(スラ
スト方向)へ移動させる機能を有している。なお、モー
タ回転軸3の回転方向を切り替えることによって、被送
り体の移動方向を制御している。
【0022】そして、スラスト軸受6を構成する軸受体
7は、モータ回転軸3の円錐凹部3aが当接する1個の
ボール19と、このボール19を収納するボール保持体
20とからなる。ここで、円錐凹部3aとボール19と
は、当接面が曲面形状となる形で当接している。また、
ボール保持体20は、図1および図2に示すように、ボ
ール19を収納するための円柱状の円形孔20aと、こ
のボール保持体20が回転するのを防止するためラジア
ル方向に突出し等間隔に配置される3個の回転阻止突起
部20bとその回転阻止突起部20bをつなぐ3個の円
弧部20cとを有している。
【0023】また、スラスト軸受6を構成するガイド板
8は、図1および図3に示すように、円形状の板体とな
っており、その中央には軸受体7の軸方向移動を許容す
ると共にその移動のガイドをするガイド部8aが形成さ
れている。このガイド部8aは、ボール保持体20の回
転阻止突起部20bと対向する3ヶ所の等間隔に配置さ
れる傾斜部8bと、その傾斜部8b間に配置され、軸方
向長さが大きくなっている3ヶ所の等間隔配置の主ガイ
ド部8cとから形成されている。そして、主ガイド部8
cのステータ部2とは反対側には、わずかに突出する3
つの円弧状突出部8dが設けられている。なお、ガイド
板8は、モールド成型品とされている。また、この例で
は、主ガイド部8cがボール保持体20と当接しガイド
機能を果たしている。一方、傾斜部8bは、後述する付
勢部としての付勢板9の板バネ部9aがボール保持体2
0に圧接できるよう傾斜面となっている。
【0024】この傾斜部8bと主ガイド部8cは、ステ
ータ部2に面する側において、図4に示すように5角形
状の突出部8eを形成している。そして、この突出部8
eのラジアル方向に伸びる5つの等間隔に配置された突
起部8fが、第4ステータ13の極歯13aの間に図5
のような形で入り込み、ガイド板8のステータ部2に対
する位置決めを行っている。これによって、ガイド板8
は、ステータ部2に対して取り付けられるものとなって
いる。
【0025】ガイド板8には、さらに、モータの取付位
置を調整するための2つの孔8gと付勢板9との係合を
確実にするための3つの突起8hとがそれぞれ等間隔に
配置形成されている。
【0026】付勢板9は、ガイド板8の外側に置かれる
と共にガイド板8に保持されてステータ部2に取り付け
られていると共に、軸受体7を軸方向にバネ付勢する付
勢部となっている。この付勢板9には、常時軸受体7に
当接しこの軸受体7を軸方向にバネ付勢している3つの
板バネ部9aが軸受体7の周方向において等間隔配置さ
れている。また、付勢板9には、ガイド板8の孔8gと
一致しモータの取付位置を調整するための2つの孔9b
と、ガイド板8の突起8hに圧接し、ガイド板8をステ
ータ部2に対して押さえる3ヶ所の等間隔配置の押え部
9cと、ケースを兼ねる第1ステータ10の爪(図示省
略)にそのフック部9eを引っかけて、この付勢板9を
ステータ部2に止める180度対称配置の2つの係止部
9dとが設けられている。そして、付勢板9の中央に
は、三角状に外方に若干膨らんだ膨らみ部9fが形成さ
れ、主ガイド部8cの円弧状突出部8dを包み込んでい
る。この付勢板9が組み付けられるときは、その孔9b
を孔8gに合わせ、かつフック部9eを第1ステータ1
0の爪に引っかける。この組み付けにより、板バネ部9
aは、傾斜部8bと上下に重なる位置にきて、板バネ部
9aがバネ性を発揮できるようになっている。
【0027】以上のようにステッピングモータ1が構成
されると、モータの組立時においてスラストガタがあっ
たとしても、そのスラストガタは、軸受体7のボール保
持体20がガイド板8のガイド部8aにガイドされなが
ら軸方向に移動する(図8参照)ことにより吸収され
る。このとき、軸受体7は、ガイド板8のガイド部8a
にガイドされているので、ラジアル方向に移動すること
はない。
【0028】このように構成されるステッピングモータ
1の動作は、次のとおりである。
【0029】ステータ部2のコイル14,15に電流が
流れると、ステータ部2とロータマグネット17との間
の磁気相互作用により、ロータマグネット17と一体の
モータ回転軸3が回転する。すると、リードスクリュー
部4が回転し、被送り体(図示省略)を軸方向に移動さ
せる。
【0030】このような被送り体の移動の際、図19の
従来のステッピングモータ40では、2つのスラスト軸
受間のメタル軸受45によって、カタカタ音が発生した
り、回転ロスが生じていたが、本発明のステッピングモ
ータ1では、そのようなメタル軸受がなく、しかもモー
タ回転軸3の外周と取付け板16の内周面16bとの隙
間Lをスラスト軸受6とモータ回転軸3の同軸度誤差以
上とし、しかもガイド部8aで軸受体7をガイドする構
成としているので、モータ回転軸3が取付け板16に当
たることはない。このため、カタカタ音の発生は生ぜ
ず、しかも両スラスト軸受5,6以外での摺動ロスが生
ずることはない。
【0031】また、この第1の実施の形態では、ガイド
板8の突起部8fが第4ステータ13の極歯13aの間
に入り込み、ステータ部2に対して、ガイド板8が位置
決めされるので、スラスト軸受6のステータ部2とに対
する同軸度精度を良くできる。このため、モータ回転軸
3とステータ部2との同軸精度が上がり、結果として、
ロータマグネット17とステータ部2とのギャップ精度
が上がることになる。
【0032】加えて、この第1の実施の形態では、ガイ
ド部8aの軸方向の長さを大きくしているので、軸受体
7の軸方向の移動のガイドを精度良くかつ確実に行うこ
とができる。また、ガイド板8と付勢板9のステータ部
2に対する取り付けを、付勢板9のフック部9eの利用
によりワンタッチ的に行えるので、組み立てが極めて容
易となる。
【0033】次に、本発明の第2の実施の形態を図9か
ら図13に基づき説明する。
【0034】このステッピングモータ21は、第1の実
施の形態のステッピングモータ1と異なる点はスラスト
軸受6の部分で、それ以外は同様な構成となっており、
同一部分の説明は省略する。なお、ステッピングモータ
1と同様な部品は同一符号で示すこととする。
【0035】このステッピングモータ21のスラスト軸
受6は、軸受体22と、この軸受体22の軸方向の移動
を許容すると共にその移動のガイドをするガイド板23
と、軸受体22を軸方向にバネ付勢する付勢部としての
付勢板24とから構成されている。
【0036】軸受体22は、モータ回転軸3の円錐凹部
3aが当接する1個のボール19と、このボール19を
収納するボール保持体25とから構成されている。そし
て、ボール保持体25は、図9および図10に示すよう
に、ボール19を収納するための円柱状の円形孔25a
と、このボール保持体25が回転するのを防止するため
付勢板24の一部が係合する3ヶ所の係合凹部25b
と、その係合凹部25bの間に設けられ、ガイド板23
が当接する被ガイド部25cとを有している。
【0037】また、ガイド板23は、図9および図11
に示すように、円形状の薄板となっており、その中央に
は、軸受体22の軸方向移動を許容すると共にその移動
をガイドするガイド部23aが形成されている。このガ
イド部23aは、ボール保持体25の被ガイド部25c
と当接するように、この薄板を折曲して形成されてい
る。一方、このガイド板23の外周部には、ステータ部
2の一部に入り込み、このガイド板23を位置決めする
ための切り欠き部23bが180度対称的な2ヶ所に設
けられている。なお、ガイド部23aは、薄板から切り
起こされて形成されるため、図11の一部拡大図に示さ
れるように、根元が幅広で先端が幅狭となる形状となっ
ている。なお、この折曲された各ガイド部23aの間に
は、ボール保持体25の外周とわずかな隙間をもって対
向するガイド補助部23cが設けられている。
【0038】付勢部としての付勢板24は、図12に示
すように、薄板から構成され、その中央には、ガイド板
23のガイド部23aやボール保持体25が入り込む孔
24aが形成されている。また、付勢板24の外周部分
側からこの孔24aに向かって伸びるバネ腕部24bが
3ヶ所軸受体22の周方向において等間隔で形成されて
いる。このバネ腕部24bの各先端は幅広の係合部24
cとなっており、ボール保持体25の係合凹部25bに
嵌合し、軸受体22を軸方向にバネ付勢可能にすると共
に、軸受体22の回転を防いでいる。この付勢板24に
も、ステータ部2の一部に入り込み、この付勢板24を
位置決めするための切り欠き部24dが180度対称的
に2ヶ所設けられている。
【0039】このように構成されるステッピングモータ
21の作用は、先の第1の実施の形態の場合と同様であ
るのでその説明を省略する。なお、バネ腕部24bがた
わみバネ性を効かしている状態の図9に対して、バネ腕
部24bがたわんでいない状態を参考として図13に示
す。図13に見られるように、バネ腕部24bがバネ性
を発揮しない状態でかつモータ回転軸3がスラスト軸受
6側にあるとき、ロータマグネット17と取り付け板1
6との間にはほんのわずかなギャップgが発生してい
る。なお、このような状態は第1の実施の形態の図8で
も同様である。
【0040】以上のような第2の実施の形態では、第1
の実施の形態と同様に、カタカタ音の発生や摺動ロスが
生じないことに加え、ガイド板23が一枚の薄板から構
成されているので、製造を効率的に行え、かつ低価格な
ものとすることができる。
【0041】次に、本発明の第3の実施の形態を図14
から図17に基づき説明する。
【0042】このステッピングモータ26は、第1およ
び第2の実施の形態のステッピングモータ1,21と異
なる点はスラスト軸受6の部分で、それ以外は同様な構
成となっており、同一部分の説明は省略する。なお、ス
テッピングモータ1,21と同様な部品は同一符号で示
すこととする。
【0043】このステッピングモータ26のスラスト軸
受6は、軸受体27と、この軸受体27の軸方向の移動
を許容すると共にその移動のガイドをするガイド板28
と、軸受体27自体に設けられガイド板28と当接して
いる付勢部としての付勢係止部29とから構成されてい
る。なお、この付勢係止部29により、軸受体27は、
軸受体27自体を軸方向に加え径方向にもガイド板28
のガイド部28aに対して付勢していることとなってい
る。
【0044】また、ガイド板28の外側、すなわちガイ
ド板28のステータ部2と対向する側とは反対側には、
スラスト軸受6を押さえてステータ部2に固定させるた
めのエンドキャップ30が設けられている。このエンド
キャップ30は、ガイド板28および軸受体27を覆う
ようなキャップ形状のバネ性を有する部材で形成されて
いる。そして、エンドキャップ30の端部には、円周状
に全周にエンドキャップ30の内側に突出する係合凸部
30aが形成されており、ケースを兼ねる第1ステータ
10の外側に設けた係合凹部10bに係合されている。
これによって、エンドキャップ30がガイド板28をス
テータ部2方向に押すようにして、ガイド板28をステ
ータ部2に固定している。なお、エンドキャップ30
は、ガイド板28と一体的に形成しても良いし、係合凸
部30aおよび係合凹部10bをそれぞれ所定の位置に
数ヶ所設けて係合させ、エンドキャップ30およびガイ
ド板28をステータ部2に対して位置決めするように形
成しても良い。
【0045】軸受体27は、モータ回転軸3の円錐凹部
3aが当接する1個のボール19と、このボール19を
収納するボール保持体31とから構成されている。そし
て、ボール保持体31は、図14および図15に示すよ
うに、ボール19を収納するための円柱状の円形孔31
aと、この円形孔31aの外側でガイド板28に当接す
る外周部31bと、この外周部31bに複数、具体的に
は周方向において等間隔に3箇所に形成されたバネ部材
としての付勢係止部29とを有している。
【0046】この付勢係止部29は、外周部31bの一
部を切り欠き、この切りかかれた空間内を、この外周部
31bよりさらに外側に、傾斜させながらガイド板28
側に突出させた舌片状部材で形成されている。なお、ボ
ール保持体31は、付勢係止部29を内側に撓ませなが
らステータ部2側よりガイド部28a内に押し込まれ
る。これによって、付勢係止部29は、常にガイド部2
8bに対してバネ付勢しながら当接しており、軸受体2
7は軸方向に加え径方向にも付勢されていることとな
る。そして、この構成により、軸受体27は、軸方向に
は移動を許容されていると共に、径方向には動けないよ
うになっている。
【0047】第3の実施の形態におけるステッピングモ
ータ26は、上述したように構成したので、軸受体27
はガイド部31bによってスムーズに軸方向に移動可能
な状態であると共に、ガイド部28bとボール保持体3
1とのクリアランスαが多少ある場合でも、径方向には
動くことがなく、ガイド部28aとボール保持体31と
のクリアランスαに起因するカタカタ音の発生を防止す
ることができる。また、逆にそのクリアランスαを大き
くしても問題が発生しないので、部品製造および組立が
し易くなる。
【0048】また、この第3の実施の形態におけるステ
ッピングモータ26では、ボール19付近に軸受の潤滑
油としてのグリス32が充填されているが、このグリス
32が、図16(A)に示すように時間の経過と共に劣
化し、スラスト軸受6の摺動性が低下する。それに伴う
ように、図16(B)に示すように、ボール保持体30
の付勢係止部29の付勢力も、時間の経過と共にクリー
プ現象により劣化する。すなわち、この第3の実施の形
態では、ステッピングモータ26が、新しいときには、
付勢係止部29の付勢力が強くても、グリス32の潤滑
性が高く摺動ロスを上昇させない。一方、古くなってき
た場合は、グリス32の潤滑性が低くなった分、付勢係
止部29がクリープ現象によってその付勢力が弱まり摺
動ロスを上昇させないという効果を有している。
【0049】このように構成されるステッピングモータ
26の作用は、上述したもの以外は、先の第1および第
2の実施の形態の場合と同様であるのでその説明を省略
する。
【0050】次にこの第3の実施の形態のステッピング
モータ26をわずかに変更した第4の実施の形態のステ
ッピングモータ34について図17に基づき説明する。
このステッピングモータ34は、第3の実施の形態の付
勢係止部29を長くし、ステータ2側に突出させ弾性力
を高めると共に、その付勢係止部29のたわみ動作をし
易くするためにロータマグネット17の端面を切り欠い
て凹部17aを設けたものとなっている。この凹部17
aには、モータ回転軸3とロータマグネット17を接着
する接着剤も入れられる。なお、付勢係止部29がバネ
性を効かしてモータ回転軸3を他方の軸受側へ押し付け
ている状態の図14に対して、この図17では、付勢係
止部29が窄まって軸方向のバネ性が少なくなっている
状態を示している。図17に見られるように、付勢係止
部29がその軸方向のバネ性を十分発揮しない状態にあ
るとき、ロータマグネット17と取り付け板16との間
には大きなギャップGが発生している。なお、このよう
な状態は第1の実施の形態の図8および第2実施の形態
の図9でも同様である。
【0051】なお、上述の各実施の形態は、本発明の好
適な実施の形態の例であるが、これに限定されるもので
はなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々
変形実施可能である。例えば、ボール19を収納するボ
ール保持体20,25,31の円形孔20a,25a,
31aは、円筒形ではなく、半球形状やすり鉢形状等他
の形状とすることができる。また、第1および第2の実
施の形態のボール保持体20,25に設けられる軸受体
6の回転防止構造は、第3の実施の形態では省略してい
るように必ずしも設ける必要はない。さらに、軸受体6
をバネ付勢する板バネ部9aやバネ腕部24bや付勢係
止部29は、軸受体6のスムーズな移動のためには2個
以上でかつ等間隔に配置するのが好ましいが、1個とし
ても差し支えない。
【0052】また、スラスト軸受6としては、ボール1
9をなくし、代わりに、図18(A)のようにモータ回
転軸3の先端を半球形状としたり、図18(B)のよう
に軸受部33のモータ回転軸3が当接する部分を半球形
状部33aとしても良い。このように、スラスト軸受6
を2つ以上の球を有するころがり軸受ではなく、1つの
ボール19を使用したり、図18(A)、(B)のよう
な形状とした当接面が曲面となるすべり軸受とすること
によって、スラスト軸受6の安定性等が高まり好ましい
が、ころがり軸受等他の軸受構造のものも採用すること
ができる。
【0053】またさらに、上述した各実施の形態は、各
々単体で、それぞれに効果を有しているが、各実施の形
態を組み合わせて用いても良い。例えば、第1の実施の
形態の付勢板9で軸受体7を軸方向に付勢させると共
に、この軸受体7に第3の実施の形態の付勢係止部29
を設けて、該付勢係止部29をガイド部8aに当接させ
ることにより、軸受体7を軸方向に加えて径方向にも付
勢させるようにしても良い。また、第3の実施の形態の
ガイド板8を、第2の実施の形態のガイド板23のよう
に薄板で構成しても良い。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のス
テッピングモータでは、従来存在していたメタル軸受が
なく、しかも、軸受体をガイドする構成となっているた
め、モータ回転軸の摺動ロスやモータ回転軸の動きに帰
因するカタカタ音の発生を確実に防止する可能性を有し
ている。
【0055】また、請求項2記載の発明では、付勢部は
周方向に等間隔配置されたバネ部材で形成されているの
で、軸受体を安定した力で付勢し、軸受体を安定的に軸
方向に移動可能とすることとなる。加えて、請求項3記
載の発明では、付勢部が軸受体を軸方向にバネ付勢する
付勢板で形成されているので、付勢部の組立および製造
が容易となり製品としてのモータを量産に関して有利と
なる。さらに、請求項4記載の発明では、軸受体が径方
向にもバネ付勢されるので、径方向の動きがさらに防止
され、摺動ロス及び騒音等をより確実に防止することが
できる。
【0056】また、請求項5記載の発明では、付勢部が
軸受体自体に設けられ、かつ軸受体を軸方向および径方
向に付勢しているので、軸受体の径方向への完全に動き
を防止し、モータ回転軸の摺動ロスやモータ回転軸の動
きに起因するカタカタ音の発生をより防止することがで
きる。また、請求項6記載の発明では、軸受体に形成さ
れた付勢部がガイド部に対してバネ付勢しながら当接す
る舌片状部材で構成されているので、付勢部を撓ませな
がら軸受体をガイド部に組み込むだけの簡単な組立方法
によって良好な軸受を構成することができる。
【0057】また、請求項7記載の発明では、スラスト
軸受として1つのボールを使用した軸受を採用している
ので、軸受とモータ回転軸との摩擦抵抗が小さく軸受ロ
スを低減することが可能となっている。また、請求項8
記載の発明では、ガイド板をモールド成型品としている
ので、製造効率の面で有利となる。さらに、請求項9記
載の発明では、ガイド板やガイド部が一枚の薄板で形成
されるので、製造効率が良くなり、しかも低価格で小型
の製品とすることができる。
【0058】またさらに、請求項10記載の発明では、
ステータ部に対する位置決め用の突起部または切欠き部
をガイド板に形成しているので、突起部や切欠き部を利
用してガイド板の位置決めを行うことにより、軸受体と
モータ回転軸の同軸度精度、ステータ部とモータ回転軸
との同軸度精度が共に良くなり、ステッピングモータと
して性能の良いモータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の要部破断平面図で
ある。
【図2】第1の実施の形態に使用されるボール保持体の
平面図である。
【図3】第1の実施の形態に使用されるガイド板の平面
図である。
【図4】図3のガイド板の底面図である。
【図5】第1の実施の形態におけるステータ部とガイド
板の突起部との関係を説明するための要部概略図であ
る。
【図6】第1の実施の形態に使用される付勢板の平面図
である。
【図7】図6の付勢板のVII-VIIによる単面図である。
【図8】第1の実施の形態のモータ回転軸の移動による
状態変化を説明するための要部断面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の要部断面図であ
る。
【図10】第2の実施の形態に使用されるボール保持体
の平面図である。
【図11】第2の実施の形態に使用されるガイド板の平
面図とガイド部の側面図である。
【図12】第2の実施の形態に使用される付勢板の平面
図である。
【図13】第2の実施の形態のモータ回転軸の移動によ
る状態変化を説明するための要部断面図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態の要部断面図であ
る。
【図15】第3の実施の形態に使用されるボール保持体
の平面図である。
【図16】第3の実施の形態におけるグリスと付勢係止
部の経時変化を示す図で、(A)は、第3の実施の形態
に使用されるグリスの摺動性の経時変化を示したグラフ
で、(B)は、第3の実施の形態に使用される付勢係止
部の余圧の経時変化を示したグラフである。
【図17】本発明の第4の実施の形態の要部断面図であ
る。
【図18】スラスト軸受の他の例を説明するための図で
ある。
【図19】従来の一般に使用されているステッピングモ
ータを示す図である。
【図20】従来の他のステッピングモータの概略構成図
である。
【図21】図20のステッピングモータに使用される予
圧板バネを示す図である。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ 2 ステータ部 3 モータ回転軸 4 リードスクリュー部 5,6 スラスト軸受 7 軸受体 8 ガイド板 8a ガイド部 9 付勢板(付勢部) 19 ボール 20 ボール保持体 29 付勢係止部(付勢部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 滋 長野県飯田市毛賀1020番地 株式会社三協 精機製作所飯田工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステータ部から突出されたモータ回転軸
    にリードスクリュー部が形成され、上記モータ回転軸の
    両端を2つのスラスト軸受で支持すると共に、上記モー
    タ回転軸をスラスト方向にバネ付勢してなるステッピン
    グモータにおいて、上記2つのスラスト軸受の一方のス
    ラスト軸受は、上記モータ回転軸との当接面が曲面形状
    となされた軸受体を有しており、該軸受体の軸方向の移
    動を許容すると共に、その移動のガイドをするガイド部
    を備えたガイド板に保持されると共に、上記軸受体を軸
    方向にバネ付勢する付勢部を備えたことを特徴とするス
    テッピングモータ。
  2. 【請求項2】 前記付勢部は、前記軸受体の周方向にお
    いて等間隔配置される複数のバネ部材で形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ。
  3. 【請求項3】 前記付勢部は、前記軸受体に当接して該
    軸受体を軸方向にバネ付勢する付勢板で構成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のステッピング
    モータ。
  4. 【請求項4】 前記軸受体に、径方向にバネ付勢する付
    勢手段を設けたことを特徴とする請求項3記載のステッ
    ピングモータ。
  5. 【請求項5】 前記付勢部は、前記軸受体自体に設けら
    れていると共に、前記ガイド板に当接し前記軸受体を軸
    方向に加え径方向にも付勢していることを特徴とする請
    求項1または2記載のステッピングモータ。
  6. 【請求項6】 前記付勢部は、前記ガイド部に対してバ
    ネ付勢しながら当接する舌片状部材で構成されているこ
    とを特徴とする請求項5記載のステッピングモータ。
  7. 【請求項7】 前記軸受体は、1個のボールと該ボール
    を収納したボール保持体とからなり、前記ガイド板は前
    記ステータ部に取り付けられることを特徴とする請求項
    1,2,3,4,5または6記載のステッピングモー
    タ。
  8. 【請求項8】 前記ガイド板はモールド成型品より構成
    されていることを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5,6または7記載のステッピングモータ。
  9. 【請求項9】 前記ガイド板は薄板より構成され、前記
    ガイド板のガイド部は薄板を折曲して形成してなること
    を特徴とする請求項1,2,3,4,5,6または7記
    載のステッピングモータ。
  10. 【請求項10】 前記ガイド板には、前記ステータ部に
    対する位置決め用の突起部または切欠き部が備えられて
    いることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,
    7,8または9記載のステッピングモータ。
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