JP3827135B2 - 小型モータの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車電装品、電動工具等の駆動用に使用される小型モータの軸受固定装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の小型モータは、例えば図6に例示されるような全体構成を有している(特開平3−234915号公報参照)。金属製の有底中空円筒状のモータケース1の内周面に固定子磁極となる永久磁石15(通常2極)を固定すると共に、該モータケース1の底部中央には軸受4(すべり軸受)を収容するための円筒状突部を設けている。このモータケース1の開口部にはケース蓋8が嵌合される。このケース蓋8には、またその中央部に軸受12(すべり軸受)を収容するための突部が設けられている。そして、このケース蓋8には、ブラシ11とそれに接続されるターミナル9が取り付けられている。また、モータ軸5上には、コア13及び巻線14と、コミテータ10を取り付けることにより、ロータ16が構成される。
【0003】
このような小型モータの組立は、モータケース1の底部中央に圧入固定されている軸受4に、ロータのモータ軸5を挿通させた後、ケース蓋8に固定されている軸受12にモータ軸5の他方を挿入させると共に、ブラシ11及びターミナル9を取り付けたケース蓋8をモータケース1の開口部に嵌合させることにより行う。このとき、モータ軸5に固定されているブッシュ17が、ロータ16をスラスト方向(軸方向)に位置決めする。
【0004】
このような小型モータには、モータ軸と軸受とのクリアランスに起因する機械的な振動発生の問題が生じることがある。この振動発生問題解決の手段を、本出願人は、前述した特開平3−234915号公報の中で提案した。これについて、図7を参照して説明する。
【0005】
図7の(A)は、軸受4が軸受支持部2内に圧入固定された状態を示している。この状態で、モータ軸5の軸受4に対するクリアランスは、機械加工上の制約により比較的に大きいものとなっている。このクリアランスは、図7の(B)に示すように、加圧治具6を用いて、モータケース1と一体の軸受支持部2の外周面を全周に亘って押圧することにより、強制的に縮小させることができる。押圧したとき、軸受4の内周面は、モータ軸5に接触するが、加圧治具6を取り外すと、軸受4に復元力が作用して、モータ軸回転のために必要な微少なクリアランスが形成されることになる。
【0006】
このような手段により、モータ軸と軸受との半径方向のクリアランスに起因する問題を解決することができる。しかし、これによっては、後述するような、軸受4及びブッシュ17の直角度がモータ軸に対し狂いを生じた場合の問題、或いはモータ軸両端の2つの軸受のアライメントに狂いが生じた場合の問題を解決することはできず、また、軸受とブッシュのクリアランスを小さくすることも、また、エンドプレーを小さくすることも容易にはできない。
【0007】
図8は、図6に例示したような通常の小型モータの軸受4として用いることのできる構成の一例であり、モータ軸5の中心で切断した断面の下半分を示している。図中、2は、軸受4を支持するために金属製モータケース1と一体にその底面中央部に成形される円筒形の軸受支持部を示している。この軸受4は、軸受支持部2の内部に圧入固定されているため、軸受4の外周面と軸受支持部2の内周面との間に隙間はなく、これによって、軸受4は軸受支持部2に対してスラスト方向にも移動することはできない。モータ軸5のスラスト方向の移動は、モータ軸5に固定されているブッシュ17により規制されている。
【0008】
軸受4及びブッシュ17は、図9に示すように、その接触面のモータ軸に対する直角度が、部品精度及び組立精度を原因として、若干の狂いを生じることがある。図9の(A)に示した位置から、ロータが180度回転した状態を(B)に示している。このように、軸受4の端面に接触するブッシュ17の端面が、モータ軸に対して直角度を維持できない場合、ロータが跳ね上がり、ノイズが発生するという問題が生じていた。
【0009】
従来、この問題に対して、波形状にしたワッシャー等でモータ軸のスラスト方向の動きを吸収するか、或いはエンドプレー(モータ軸のスラスト方向の移動余裕度、ギャップ)を小さくすることにより対処していた。しかし、波形状にしたワッシャーを用いることは、部品が追加になり、コストアップの要因となる。また、エンドプレーを小さくするためには、各部品の公差を極端に小さくする必要があり、公差を極端に小さく定めてしまうと公差外の部品が発生し易くなりコストアップの要因となる。或いは2つの軸受のいずれか或いは両方で調整ワッシャーを用いて、そのワッシャーの厚さを選択することにより、或いは枚数を調整することによりエンドプレーを小さくすることができる。しかし、この方法は、工数が多くなり、効率的ではない。
【0010】
また、モータ軸両端の2つの軸受のアライメントに狂いが生じた場合は、モータ軸と軸受内径のクリアランスを広げるか、軸受内径をテーパ状に逃がす必要があった。しかし、このようにすると、アライメント狂いが少ない場合に、モータラジアル方向にモータ軸が軸受を叩く音が発生するという問題が生じる。
【0011】
以上説明したように、軸受として「すべり軸受」を例にして従来技術の問題点を説明したが、「玉軸受」を用いる場合にも同様な問題が生じる。図15は、従来の玉軸受を用いる小型モータを、回転子及びケース蓋を取り除いて示す部分断面図であり、また、図16は、その小型モータを内部から軸受け部方向に見た図である。玉軸受3は通常外径部に若干のクリアランスを持たせるが、モータのエンドプレーによるガタ防止として軸受取付具30を使用していた。
【0012】
しかし、この軸受取付具30による玉軸受3の固定を、軸受取付具30と一体に形成したかしめ部31により行っていたために、軸受取付具自体の体積をある程度大きく構成する必要があり、また、形状が複雑になり、コストアップの要因となっていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解決し、軸受及びブッシュのモータ軸に対する直角度に若干の狂いが生じても、ロータが跳ね上がったり、ノイズが発生することのない小型モータの軸受固定装置及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0014】
また、本発明は、軸受とブッシュのクリアランスを容易に小さくすることができ、また、容易にエンドプレーを小さくすることができ、これによって、波形状等の特殊なワッシャー或いは調整ワッシャーを用いる必要がなく、或いは、各部品の公差を極端に小さくする必要もなく、コストダウンを図ることを目的としている。
【0015】
また、本発明は、モータ軸両端の2つの軸受のアライメントに狂いが生じた場合にも、モータラジアル方向にモータ軸が軸受を叩く音が発生するという問題を生じさせないことを目的としている。
【0016】
また、本発明は、軸受として玉軸受を用いる際に、金属製の軸受取付具のような高価な部品を使用することなく、精度のよい軸受の取付を達成することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の小型モータは、金属製のモータケース1の端面に円筒状に突起させて形成された軸受支持部2を有している。この軸受支持部2の内部には、軸受4が収容されている。この軸受4は、中央にモータ軸5を挿通するための貫通孔を有する略円筒形状を有し、かつ、軸受支持部2の内径よりも小さな外径を有して、その間にすき間を設けている。軸受4のスラスト方向の略中央部において、モータ軸を中心にした円周ラインに沿って連続的又は非連続的に、軸受支持部2の内周面に突部19を、そしてそれに対応して軸受4の外周面に凹部20が形成される。これによって、軸受4は、軸受支持部2の内部でスラスト方向の移動が規制されると共に、突部19を中心としてわずかに傾斜可能となっている。
【0018】
また、本発明の小型モータの製造方法は、中央にモータ軸5を挿通するための貫通孔を有する略円筒形状を有し、かつ、前記軸受支持部の内径よりも小さな外径を有する軸受4を、軸受支持部2の内部に、その間にすき間を設けて収容し、該軸受4を収容したモータケース1を含む個々の部品を小型モータとして一体に組み立てた後、小型モータのスラスト方向外側から軸受4に一定の力を加えつつ、該軸受4のスラスト方向の略中央部において、モータ軸5を中心にした円周ラインに沿って半径方向外側から押圧治具21(図4)により連続的に、又は押圧治具22(図5)により非連続的に、軸受支持部2の外周面を押圧して、軸受支持部2の内周面に突部19を、そしてそれに対応して軸受の外周面に凹部20を同時に形成する。これによって、軸受4とブッシュ17の間のクリアランスを、また、エンドプレーを容易に小さくすることができる。
【0019】
さらに、本発明の小型モータの製造方法は、金属製のモータケース1の材質として、軸受4の材質よりも大きなスプリングバックのものを選択することにより、軸受4と軸受支持部2との間に、軸受4を傾斜可能にするわずかなクリアランスを設けることができる。
【0020】
さらに、本発明は、軸受として玉軸受3を用いる小型モータ及びその製造方法に適用することができる。その際、軸受支持部2の内側に玉軸受3保持のためのスペーサ6を備え、このスペーサ6の内側に玉軸受3を保持し、スペーサ6のスラスト方向の略中央部において、モータ軸を中心にした円周ラインに沿って連続的又は非連続的に、軸受支持部内周面に突部19を、そしてそれに対応してスペーサ外周面に凹部20を形成することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用する小型モータの概略縦断面図であり、軸受4の構成を除いて通常の構成のものである。軸受4は、A部詳細を図2に示すように、すべり軸受を例にして以下説明する。図中、1は、金属製の有底中空円筒状のモータケースであり、その内周面に固定子磁極となる永久磁石15(2極として図示)を固定すると共に、該モータケース1の底部中央には軸受4を収容するための円筒状の突出部、即ち軸受支持部、を一体に設けている。このモータケース1の開口部には、また金属製のケース蓋8が嵌合される。このケース蓋8には、その中央部に、通常に圧入固定される軸受12を収容するための円筒状の支持部が設けられている。そして、このケース蓋8には、ブラシ11とそれに接続されるターミナル9が樹脂製のホルダーを介して取り付けられている。また、モータ軸5上には、コア13及び巻線(図示せず)と、コミテータ10を取り付けることにより、ロータ16が構成される。図中、17は、ロータ16を軸方向に位置決めしている樹脂製或いは金属製のブッシュである。
【0022】
本発明の特徴とする軸受4の構成は、図1に示したA部の詳細を示す図2,及び図3を参照して説明する。図2において、金属製のモータケース1と一体に、その底面中央部に形成される円筒状の軸受支持部2の中に焼結合金製の軸受4が収容されている。17は、軸受4によりスラスト方向に支持されるブッシュの一部を示している。ブッシュ17は、それ自体は通常のものであって、モータ軸5に固定されている。或いは、図中の17は、スラストワッシャーであると想定することができる。いずれにしても、これによって、軸受4は、モータ軸5をスラスト方向に支持している。従来技術は、軸受4又は軸受12或いはその両方にスラスト方向に接触してエンドプレーを最小にするための調整ワッシャーを備えるが、本発明は、このようなエンドプレーを調整することを目的としたワッシャーは必要としない。しかし、焼結合金製の軸受の気孔部に充填されたオイルが流れてくるのを防ぐことを目的とした油止めワッシャー、或いはブッシュと軸受が直接接触することを防ぐことを目的としたスラストワッシャーを用いることはできる。ただ、これらワッシャーは、厚さを調整することも、枚数を調整する必要もないので、調整ワッシャー程にはコストアップの要因とならない。
【0023】
図8を参照して前述した従来の軸受4が、軸受支持部2内に圧入固定されるのに対して、図2に例示した軸受4は、その外周面と軸受支持部2の内周面との間にすき間をあけた状態で挿入される。即ち、この軸受4は、中央にモータ軸5を挿通するための貫通孔を有する略円筒形状を有し、かつ、軸受支持部2の内径よりも小さな外径を有している。軸受4を挿入後、軸受支持部2の内周面に突部19を、そしてそれに対応する凹部20を軸受4の外周面に、円周上ラインに沿って、連続的或いは非連続的に形成することにより、軸受4は軸受支持部2の内部に固定される。
【0024】
図3は、図2と同様な図であるが、このような軸受支持の作用を説明するための図である。このような軸受4は、突部19及び対応する凹部20により、軸受4のスラスト方向の移動は規制されているが、軸受支持部2内で隙間をあけて収容されるために、この突部19を中心としてわずかに傾斜可能となっている。図3は、図中右側では、軸受4の外周面と軸受支持部2の内周面との隙間が大きくなったのに対して、図中左側では、両者が接触して隙間がほとんどなくなる方向に揺動した状態を例示している。
【0025】
これによって、図9を参照して説明したように、軸受4及びブッシュ17の直角度がモータ軸に対し若干の狂いが生じるということがあっても、それに対応して、軸受4が突部19を中心として傾斜することにより、常に、ブッシュ17の端面と軸受4の端面が面と面で接触するから(自動調心機能)、ロータが跳ね上がり、ノイズが発生するという問題が生じることはない。
【0026】
また、突部19及び対応する凹部20の形成は、小型モータとしての全ての構成が一体に組み立てられた後に行われる。小型モータの組立は、モータケース1の底部中央の軸受支持部2の内部にすき間をあけて挿入されている軸受4に、ロータのモータ軸5を挿通させた後、ケース蓋8に固定されている軸受12にモータ軸5の他方を挿入させると共に、ブラシ11及びターミナル9を取り付けたケース蓋8をモータケース1の開口部に嵌合させることにより行う。その後、図示しないバネ等を用いて、軸受4に対してモータのスラスト方向外側から、即ち、図1の左側から、軸受4に一定の力を加えた状態で、突部19及び対応する凹部20は同時に形成される。このバネ等により加える力は、モータ運転中、モータ軸5のスラスト方向の摩擦が大きくなりすぎる程に強いものであってはならず(1000gf以下の力)、また、モータ軸5のスラスト方向の移動余裕度(即ち、エンドプレー)が大きくなりすぎる程に弱いものであってはならない。このように、適正な力を加えつつ突部19と対応する凹部20を形成することにより、エンドプレーを極小にして適正なものにすることができる。
【0027】
図4及び図5は、この突部19と対応する凹部20を形成する方法を例示している。前述したように、モータのスラスト方向外側から、軸受4に対して一定の力を加えた状態で、図示の押圧治具21を用いて、軸受支持部2の半径方向外側から、モータ軸4を中心とする円周ラインに沿って押圧する。また、その押圧位置は、前述したように、軸受4を傾斜可能にするためには、軸受4のスラスト方向の中央部が望ましい。
【0028】
押圧時に、図示していないが、押圧治具21による押圧方向とは反対側から、軸受支持部2を支持するため、軸方向所定長さを有するローラを用いることができる。図4に例示した押圧治具21は、円形形状を有する一方、その幅方向には、図2に例示したような軸受支持部2の外周面に形成された凹部の形状に対応した先端形状を有している。この先端形状は、形成される突部19と凹部20の組み合わせにより、スラスト方向には移動を規制する一方、軸受をわずかに傾斜させることのできる形状であれば、逆U字形状、或いは台形状等の任意の形状にすることができる。このような押圧治具21により、円周上連続的な突部19と対応する凹部20を形成することができる。この際、軸受の材質は、焼結合金であるため、気孔部が潰れて塑性変形するが、例えば鉄等の金属製のモータケース(軸受支持部2)は、0.01〜0.02mmのスプリングバックがあるため、軸受4の外周と軸受支持部2の内周との間に、押圧治具21による押圧後も、軸受4を傾斜可能にするわずかなクリアランスを維持することができる。このようなクリアランスは、突部19と凹部20の接触部においても形成されるため、その形状が台形状であっても、軸受は傾斜することができる。
【0029】
また、図5に例示したように、円周上に複数の突起(三角形状のものを図示)を有する押圧治具22を用いることができる。このような押圧治具22により円周上非連続的な突部19と凹部20を形成することができる。モータ運転中、軸受4自体が、軸受支持部2内で回転すると、軸受としての機能は低下する。通常は、軸受4の、モータ軸5に接する内周面と、軸受支持部2に接する外周面との間には、大きな半径差、それ故、大きな接触面積差があるため、軸受4と軸受支持部2との間にすき間があるからといって、直ちに軸受4自体が回転するということはない。しかし、油切れ、焼き付け等でモータ軸5と軸受4の摩擦係数が大きくなった場合に、軸受4が同時に回り、軸受の機能低下となることが起こりうる。突部19と凹部20を円周上非連続的なものにすることにより、軸受支持部2内での軸受4の静止を確実なものにすることができる。
【0030】
図10は、本発明を適用する小型モータの第2の例を示す概略縦断面図であり、図11は、その軸受け部を詳細に示す拡大図であり、また、図12は、そこに示されたスペーサのみを取り出して詳細に示す拡大図である。モータケース1の底部中央に設けられた軸受け部の構成を除いて、図1を参照して前述した小型モータと同じであるので、その全体構成の詳細な説明は省略する。
【0031】
玉軸受3は、その詳細を図11に示すように、金属製のモータケース1の底部中央に一体に形成された円筒状軸受支持部2の内側に、スペーサ6を介して取り付けられる。スペーサ6は、図12に示すように、好ましくは、断面L字状の円筒形状にされ、かつ塑性変形性を有する焼結合金、銅合金、或いは合成樹脂などの材質から構成することができる。また、スペーサと軸受支持部との間にクリアランスを設けるために、スプリングバックが、スペーサの材質よりも、軸受支持部の材質、それ故金属製モータケースの材質の方が大きくなるように選択される。
【0032】
スペーサ6の内部には、略円筒形の全体形状を有する玉軸受3をモータ内部方向から挿入して保持すると共に、玉軸受3を保持したスペーサ自体が軸受支持部2の内部に収容される。スペーサ6は、軸受支持部2の内径より小さな外径を有して、軸受支持部2内にすき間を設けて収容された後、軸受支持部2に設けた突部19及びスペーサ6に形成した凹部を利用して固定される。
【0033】
突部19は、スペーサのスラスト方向の略中央部において、モータ軸を中心にした円周ラインに沿って連続的又は非連続的に、軸受支持部内周面に形成される。凹部20は、この突部19に対応して、連続的又は非連続的にスペーサ6外周面に形成される。
【0034】
この突部19及び対応する凹部20の形成は、小型モータとして全ての構成が一体に組み立てられた後に行われる。図13及び図14は、それぞれ連続的又は非連続的に突部19と対応する凹部20を形成する方法を例示している。前述の図4及び図5を参照して説明した方法と基本的には同じであるので、詳細には説明しない。
【0035】
小型モータ組立後、図示しないバネ等を用いて、軸受4に対してモータのスラスト方向外側から、スペーサ6に一定の力を加えた状態で、図示の押圧治具21を用いて、軸受支持部2の半径方向外側から、モータ軸5を中心とする円周ラインに沿って押圧することによって、適正な力を加えつつ突部19及び対応する凹部20は同時に形成される。これによって、図示した構成は、自動調芯機能を有し、エンドプレーを極小にして適正なものにすることができるので、それを目的としたワッシャを必要としない。
【0036】
【発明の効果】
本発明は、軸受が、軸受支持部の内径よりも小さな外径を有して、その間にすき間を設けて収容されると共に、軸受支持部内周面に設けた突部と、それに対応して形成した軸受外周面に凹部とにより、軸受のスラスト方向の移動は規制される一方、傾斜可能であるため、軸受及びブッシュのモータ軸に対する直角度に若干の狂いが生じても、ロータが跳ね上がったり、ノイズが発生することがない。また、モータ軸両端の2つの軸受のアライメントに狂いが生じた場合にも、モータラジアル方向にモータ軸が軸受を叩く音が発生するということはなくなる。
【0037】
さらに、このような突部及び凹部は、小型モータのスラスト方向外側から前記軸受に一定の力を加えつつ形成可能であるので、軸受とブッシュのクリアランスを容易に小さくすることができ、また、容易にエンドプレーを小さくすることができ、これによって、波形状等の特殊なワッシャー或いは調整ワッシャーを用いる必要がなく、或いは、各部品の公差を極端に小さくする必要もなく、コストダウンを図ることができる。そして、エンドプレーが小さくなるために、モータ軸のモータ外部への突出寸法も、エンドプレーの影響を受けないために安定した寸法となる効果がある。
【0038】
また、本発明を、玉軸受を有する小型モータに適用した場合、モータケースと別体の軸受取付具30のような高価な部品を使用する必要がない。通常、軸受支持部は、顧客の装置に取り付けるのに適した大きさに構成される。仮に、顧客の装置がモデルチェンジすると、高価な軸受取付具を交換する必要があり、高コストとなる。これに対して、本発明は、玉軸受の大きさを変えることもなく、安価なスペーサの交換のみで対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する小型モータの概略縦断面図である。
【図2】図1に示した軸受のA部詳細を示す図である。
【図3】図2と同様な図であるが、軸受支持の作用を説明するための図である。
【図4】軸受支持部内周面に突部を、かつ軸受外周面にそれに対応する凹部を連続的に形成する方法を例示する図である。
【図5】図4と同様な突部及び凹部を非連続的に形成する方法を例示する図である。
【図6】従来よりの通常の小型モータの全体構成を示す図である。
【図7】従来の軸受の構成を示す図である。
【図8】図7とは別の従来の軸受の構成を示す図である。
【図9】ブッシュ接触面のモータ軸に対する直角度が、若干の狂いを生じた場合の作用を説明するための図である。
【図10】本発明を適用する小型モータの第2の例を示す概略縦断面図である。
【図11】図10に示された軸受け部を詳細に示す拡大図である。
【図12】図11に示されたスペーサのみを取り出して詳細に示す拡大図である。
【図13】図11に示された軸受支持部内周面に突部を、かつ軸受外周面にそれに対応する凹部を連続的に形成する方法を例示する図である。
【図14】図13と同様な突部及び凹部を、非連続的に形成する方法を例示する図である。
【図15】従来の小型モータを、回転子及びケース蓋を取り除いて示す部分断面図である。
【図16】図15に示された小型モータを内部から軸受け部方向に見た図である。
【符号の説明】
1 モータケース
2 軸受支持部
3 玉軸受
4 軸受
5 モータ軸
6 スペーサ
8 ケース蓋
9 ターミナル
10 コミテータ
11 ブラシ
12 軸受
13 コア
14 巻線
16 ロータ
17 ブッシュ
19 突部
20 凹部
21 押圧治具
22 押圧治具
30 軸受取付具
31 かしめ部

Claims (3)

  1. 金属製の有底中空円筒状のモータケースの底部中央に備えた第1の軸受と、該モータケースの開口部に嵌合したケース蓋の中央部に備えた第2の軸受によってロータが回転可能に支持される小型モータの製造方法において、
    前記第2の軸受は、ケース蓋の中央部に設けた支持部に圧入固定することにより収容し、
    前記第1の軸受は、中央にモータ軸を挿通するための貫通孔を有する略円筒形状を有し、かつ、モータケースの端面に円筒状に突起させて形成された軸受支持部の内径よりも小さな外径を有する軸受を、前記軸受支持部内にその間にすき間を設けて収容し、
    該軸受を収容したモータケースを含む個々の部品を小型モータとして一体に組み立てた後、小型モータのスラスト方向外側から前記軸受に一定の力を加えつつ、該軸受のスラスト方向の略中央部において、モータ軸を中心にした円周ラインに沿ってその全周に亘って半径方向外側から押圧治具により連続的又は非連続的に前記軸受支持部外周面を押圧して、前記軸受支持部内周面に突部を、そしてそれに対応して前記軸受外周面に凹部を同時に形成した、
    ことを特徴とする小型モータの製造方法。
  2. 前記金属製のモータケースの材質は、前記軸受の材質よりも大きなスプリングバックのものを選択することにより、前記軸受と前記軸受支持部との間にクリアランスを設けた請求項1に記載の小型モータの製造方法。
  3. 金属製の有底中空円筒状のモータケースの底部中央に備えた第1の軸受と、該モータケースの開口部に嵌合したケース蓋の中央部に備えた第2の軸受によってロータが回転可能に支持される小型モータの製造方法において、
    前記第2の軸受は、ケース蓋の中央部に設けた支持部に圧入固定することにより収容し、
    前記第1の軸受は、内側に玉軸受を保持しかつモータケースの端面に円筒状に突起させて形成された軸受支持部の内径より小さな外径を有するスペーサを、該軸受支持部内にすき間を設けて収容し、
    該スペーサを収容したモータケースを含む個々の部品を小型モータとして一体に組み立てた後、小型モータのスラスト方向外側から前記スペーサに一定の力を加えつつ、該スペーサのスラスト方向の略中央部において、モータ軸を中心にした円周ラインに沿ってその全周に亘って半径方向外側から押圧治具により連続的又は非連続的に前記軸受支持部外周面を押圧して、前記軸受支持部内周面に突部を、そしてそれに対応して前記スペーサ外周面に凹部を同時に形成した、
    ことを特徴とする小型モータの製造方法。
JP2000005375A 1999-03-30 2000-01-14 小型モータの製造方法 Expired - Lifetime JP3827135B2 (ja)

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