JPH09148733A - プリント配線板用積層板 - Google Patents

プリント配線板用積層板

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JPH09148733A
JPH09148733A JP30903795A JP30903795A JPH09148733A JP H09148733 A JPH09148733 A JP H09148733A JP 30903795 A JP30903795 A JP 30903795A JP 30903795 A JP30903795 A JP 30903795A JP H09148733 A JPH09148733 A JP H09148733A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】誘電特性に優れたSPS 樹脂を用いて、銅箔層と
絶縁性基材との接着強度の高いプリント配線板用積層板
を提供することにある。 【解決手段】本発明のプリント配線板用積層板は、主と
してシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合
体を含む樹脂組成物と、繊維状充填剤とからなる絶縁性
基材の少なくとも一方の面に銅箔層1を設けてなるプリ
ント配線板用積層板であって、銅箔層1はその絶縁性基
材と接する側の面に複数の銅粒子2が絶縁性基材中に突
出してなり、これら銅粒子の径は 0.1〜5μmであっ
て、その50%以上が互いに1μm以下の間隔で設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気・電子分野に
用いられるプリント配線板用積層板、特には高周波特性
に優れ、表面に設けられた銅箔層の接着強度が改善され
たプリント配線板用積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子分野における各種機器
において、プリント配線板用積層板が使用されている
が、これを構成する絶縁性基材とその表面に設けられた
配線用導体としての銅箔層との接着強度が弱く、剥離し
やすい問題があり、そのため様々な工夫がこれに対して
なされてきた。例えば、銅箔の、絶縁性基材に接着され
る側の面に、メッキ法により銅粒子を析出させる粗面化
処理を施し、この銅粒子を積層時に絶縁性基材に食い込
ませ、銅箔層と絶縁性基材との接着強度を高める試みが
なされた。
【0003】一般には、基板材料としてエポキシ樹脂が
用いられ、銅箔の表面を粗面化処理し、表面に析出させ
た銅粒子を絶縁性基材に食い込ませて、絶縁性基材と銅
箔層との接着強度を上げていた。一方、主としてシンジ
オタクティック構造を有するスチレン系重合体を含む樹
脂組成物(以下SPS 樹脂と称する)は、誘電率及び誘電
正接が低い、高耐熱性である、他の高周波用基板樹脂材
料と比較して安価である、などの点で優れていることか
ら、高速演算処理用、衛星放送受信用、小型通信機器用
など優れた高周波特性が要求されるプリント配線板用積
層板の絶縁性基材として有用なものとされている。この
ため耐熱性と誘電特性に優れたSPS 樹脂をプリント配線
板用積層板の絶縁性基材として用いる試みがなされ、上
記と同様に、銅箔の表面に銅粒子を析出させる粗面化処
理を行い、銅粒子を絶縁性基材に食い込ませ、銅箔層と
絶縁性基材との接着強度を高める試みがなされた。従
来、この接着強度を高めるために、析出させる銅粒子を
大きくして絶縁性基材に深く食い込ませていた。この銅
粒子の大きさは5〜20μm程度で、隣り合う銅粒子の間
隔は3〜10μm程度であった。しかしながら、SPS 樹脂
はそれ自体の強度が弱く脆いため、剥離する際には、図
3に示すように、個々の粒子の周囲のSPS 樹脂が、矢印
で示す箇所で破壊されていた。なお、図において1は銅
箔層、2は銅粒子、3はSPS 樹脂である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のプリント配線板用積層板は、前述のようにSPS 樹脂自
体の強度が弱く、脆いため、上記した従来の銅箔層表面
の銅粒子がSPS 樹脂に食い込んでも、SPS 樹脂自体が破
壊され、銅箔層との接着強度が 0.5〜0.6kgf/cm程度と
弱く、長期的な信頼性に欠けるという欠点があった。よ
って、本発明の目的は、誘電特性に優れたSPS 樹脂を用
いて、銅箔層と絶縁性基材との接着強度の高いプリント
配線板用積層板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
の欠点を解決したプリント配線板用積層板に係り、主と
してシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合
体を含む樹脂組成物と、繊維状充填剤とからなる絶縁性
基材の少なくとも一方の面に銅箔層を設けてなるプリン
ト配線板用積層板であって、銅箔層はその絶縁性基材と
接する側の面に複数の銅粒子が絶縁性基材中に突出して
なり、これら銅粒子の径は 0.1〜5μmであって、その
50%以上が互いに1μm以下の間隔で設けられているこ
とを特徴とする。
【0006】すなわち、本発明者らはプリント配線板用
積層板の絶縁性基材として誘電特性の優れたSPS 樹脂を
使用し、その性能を損なうことなく銅箔層の接着性を改
善するためには、銅箔の表面に銅粒子を形成し、この銅
粒子のアンカー効果によって接着性を改善すればよいこ
とに着眼し、その構成について種々検討を重ねた結果、
銅箔の表面に設ける銅粒子の径を従来より小さい上記範
囲とし、隣り合う銅粒子の間隔を、剥離力に対して、各
銅粒子が剥離に抗する力を相互に及ぼしあうことのでき
る上記範囲の距離に設定することによって、SPS 樹脂を
用いてなる絶縁性基材と銅箔層との接着強度が高く、か
つ誘電特性に優れたプリント配線板用積層板が得られる
ことを確認して本発明を完成させた。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のプリント配線板用積層板
を図1にもとづき説明する。図において、銅箔層1の表
面に、粒径が上記範囲にある銅粒子2が設けられ、これ
ら銅粒子2が所定の間隔で隣り合っている。そして銅箔
層1の表面から突出した銅粒子2は、絶縁性基材である
SPS 樹脂3中に埋設された状態、即ちアンカー状態にあ
る。このSPS 樹脂3中に埋設された銅粒子2のアンカー
効果によって、絶縁性基材と銅箔層1は互いに強固に接
着された状態で保持される。これに加えて、銅粒子2の
径と隣り合う銅粒子2間の距離を上記範囲に設定したこ
とによって、銅粒子2相互間の耐剥離力を効率よく利用
することができ、銅箔層1の接着強度の強いプリント配
線板用積層板の提供を可能にしたものである。
【0008】以上のように本発明においては、絶縁性基
材としてSPS 樹脂を用いることにより、耐熱性、誘電特
性に優れ、銅箔の、絶縁性基材に接着される側の面に、
例えばメッキ法により銅粒子を析出させることにより粗
面化処理が施されている。絶縁性基材と接する側の銅箔
の表面に設ける銅粒子の径と間隔を上記範囲内におさめ
ることによって、SPS 樹脂のクラック限界以下の間隔と
なり、相互に強固に接着する。剥離する際には、図2に
示すように、隣接する銅粒子の間のSPS 樹脂も、矢印の
箇所で銅箔層側にむしり取られる状態で剥離するため、
銅箔層と絶縁性基材との接着強度の強いプリント配線板
用積層板が得られる。
【0009】本発明に用いられる銅箔は、絶縁性基材に
接着される側の面に、例えばメッキ法によって銅粒子を
析出させることにより粗面化処理が施されており、隣り
合う銅粒子の間隔を、全体の50%以上が1μm以下であ
ることを必須としている。隣り合う銅粒子の間隔が1μ
mよりも大きいと、剥離する際に、個々の粒子の周囲の
SPS 樹脂のみが破壊され、先に従来技術で説明した図3
に示された状態と同じように、隣接する銅粒子間の相互
作用が得られず、剥離強度が弱くなり、矢印の箇所で破
壊される。また、隣り合う銅粒子の間隔が小さすぎると
積層時に銅粒子間に樹脂が浸透し難くなり、浸透に長時
間を要したり、あるいはアンカー効果が得られなくなる
ため、平均で 0.1μm以上の間隔とすることが好まし
い。さらに隣り合う銅粒子の間隔が1μm以下である割
合が、全体の50%よりも小さいと、十分な剥離強度を得
ることができない。
【0010】さらに、本発明のプリント配線板用積層板
は、絶縁性基材と接する側の銅箔の表面に設ける銅粒子
の径が 0.1〜5μmの範囲にあることを必須としてい
る。銅粒子の径が 0.1μmよりも小さいと、粒子の食い
込み量が少ないためにアンカー効果を得ることが困難で
あり、一方、銅粒子の径が5μmよりも大きいと、粒子
間に樹脂が入り難く、気泡を生じ易くなり、隣り合う銅
粒子の間隔が前記1μm以下であっても、剥離する際、
銅粒子相互間の力を利用することができず、銅粒子の周
囲で剥離され、接着強度の弱いものとなる。
【0011】このような銅箔は、通常の銅箔の粗面化処
理を施す面がマット面、つまり、銅箔を電解方式で製造
する際の電解液側の面であるのに対し、シャイニー面、
つまり、電極ロール側の面に粗面化処理を施すことによ
って得ることができる。これは、通常の銅箔の場合、銅
箔が生成される際に結晶が成長し、マット面では5〜10
μm間隔の突起が形成され、ここに粗面化処理を施す
と、メッキ時の避雷針効果によって突起の頂点に銅粒子
が集中するのに対し、本発明に用いられる銅箔では、銅
箔が生成される際の結晶が、まだ1〜2μm程度の小さ
い段階のシャイニー面側に粗面化処理を施すため、銅粒
子は均一に形成されることによるものである。絶縁性基
材上への銅箔層の形成は、上述した銅箔を絶縁性基材に
重ねあわせ、加熱・加圧することにより達成される。
【0012】この際、絶縁性基材が溶融することにより
接着性が発現するので、SPS 樹脂の融点以上に加熱する
必要があるが、温度が高すぎると樹脂が流れ過ぎて所望
の厚さにならない等の不具合を生じる恐れがあるため、
融点乃至融点+100℃の範囲とすることが良く、具体的に
は 270〜370 ℃、より好ましくは 270〜320 ℃とし、加
圧力は5kgf/cm2 未満では接着不良となり、80kgf/cm2
より高くすると流動しすぎるため、5〜80kgf/cm2 の範
囲とすることがよい。また、加圧接着後、冷却する際
に、急冷すると樹脂の結晶性が乏しいものとなるため、
より効率良くシンジオタクティック構造をとらせるに
は、一度 130〜170 ℃で1分以上保持した後に室温に冷
却することが望ましい。
【0013】本発明に用いられる絶縁性基材としてのSP
S 樹脂は、立体化学構造がシンジオタクティック構造、
すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して、
側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方
向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクテ
ィシティーは同位体炭素による核磁気共鳴(13C-NMR
法)により定量される。13C-NMR 法により測定されるタ
クティシティーは連続する複数個の構成単位の存在割
合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリ
アッド、5個の場合はペンタッドによって示すことがで
きるが、本発明におけるシンジオタクティック構造を有
するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッドで
75%以上、好ましくは85%以上、もしくはラセミペンダ
ッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクテ
ィシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチ
レン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(アルコキ
シスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これ
らの水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれ
らを主成分とする共重合体を指称する。
【0014】なお、ここでポリ(アルキルスチレン)と
しては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレ
ン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャ
リーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポ
リ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)など
があり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ
(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ
(フルオロスチレン)などがある。ポリ(ハロゲン化ア
ルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレ
ン)など、また、ポリ(アルコキシスチレン)として
は、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレ
ン)などがある。さらに、これらの構造単位を含む共重
合体のコモノマー成分としては、上記スチレン系重合体
のモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘ
キセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエ
ン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモ
ノマー、環状ジエンモノマー、メタクリル酸メチル、無
水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマ
ーが挙げられる。なお、これらのうち特に好ましいスチ
レン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(アルキル
スチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、水素化ポリ
スチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が挙げら
れる。
【0015】このようなシンジオタクティック構造を有
するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中
または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリア
ルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレ
ン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)
を重合することにより製造することができる(特開昭62
-187708 号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルス
チレン)については特開平1-46912 号公報、これらの水
素化重合体は特開平1-178505号公報記載の方法などによ
り得ることができる。このスチレン系重合体は、分子量
について特に制限はないが、重量平均分子量が 2,000以
上、好ましくは10,000以上、とりわけ50,000以上のもの
が最適である。しかしながら、分子量が大きすぎると加
工性に劣るため、重量平均分子量で 2,000,000以下とす
ることが良い。さらに、分子量分布についてもその広狭
は制約がなく、様々なものを充当することが可能であ
る。
【0016】また、これらの樹脂成分には必要に応じ
て、軟化剤、加工助剤等の各種添加剤を添加することが
できるが、これらの量はSPS 樹脂100 重量部に対し15重
量部の範囲を超えないものとすることが、SPS 樹脂の持
つ誘電特性に優れた利点を損なわないことから望まし
い。
【0017】また、本発明のプリント配線板用積層板
は、電子部品を搭載したり、他の基板との接続を行う際
に、ハンダを用いるので耐熱性、難燃性が要求されるた
め、難燃剤及び難燃助剤を添加することが望ましい。
【0018】本発明に使用される繊維状充填材として
は、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素、シリカ、炭化ケイ
素等のウィスカー、アルミナ繊維、セラミックス繊維
(例えば、セッコウ繊維、チタン酸カリ繊維、硫酸マグ
ネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維等)、有機合成繊
維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、
ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等)等が例示され、特
にガラス繊維、フッ素樹脂繊維が好ましい。これらの形
状に特に制限はないが、例えば、チョップドストラン
ド、チョップドファイバー、連続長繊維等の不織布、織
物、スワール状に積層したもの及びスワール状に積層し
たものをニードルパンチしたもの、パウダー、ミルドフ
ァイバー等が挙げられる。なお、これらの繊維状充填材
は単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0019】本発明において、SPS 樹脂に対する繊維状
充填材の配合割合は、SPS 樹脂100重量部に対し、繊維
状充填材20〜400 重量部、好ましくは50〜100 重量部と
するのがよい。これは、この範囲より少ないと十分な強
度が得られず、また、この範囲を超えると繊維状充填材
をSPS 樹脂が十分に被覆することができないため、繊維
状充填材の周囲に空隙を生じ、この結果、曲げ強度が測
定不可能なほど弱くなり、特にスルーホール加工性に著
しく劣るという問題点を招来する。
【0020】また本発明には、力学的物性、特には耐衝
撃性を向上させるために、SPS 樹脂と相溶性の熱可塑性
樹脂、例えばアタクティック構造のスチレン系重合体、
アイソタクティック構造のスチレン系重合体、ポリフェ
ニレンエーテル、スチレン−ブタジエン−スチレン共重
合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン
共重合体(SEBS)等を添加することができる。
【0021】これらを用いて絶縁性基材を成形する方法
としては、従来知られている方法を適用することがで
き、射出成形、熱プレス成形、押出成形等が例示され
る。さらに、本発明のプリント配線板用積層板の実施の
態様を実施例にもとづき説明する。
【0022】
【実施例】次に本発明の実施例、比較例を挙げる。 [実施例]先ず、SPS 樹脂組成物「出光XAREC P-51」
(出光石油化学製、商品名)を2軸押し出し機からTダ
イを経て、厚さ0.18mmのシートを成形した。このシート
1枚とガラスクロス「#5150」(旭シュエーベル製、商
品名)1枚とを重ね合わせ、温度290 ℃、圧力30kgf/cm
2 の条件のもとで5分間プレスした後、室温で10分間冷
却して厚さ 0.2mmのプリプレグを得た。
【0023】次に、厚さ18μmの銅箔のシャイニー面側
に粗面化処理を施し、数枚の銅粒子の径と間隔の異なる
銅箔を作製した。いずれも銅粒子のほぼ90%が1μm以
下である。先のプリプレグ4枚を重ね合わせて積層板と
し、その上下面に作製した電解銅箔を重ね合わせ、温度
290℃、圧力30kgf/cm2 で5分間プレスした後、加圧状
態を維持して、 140℃で30分間冷却し、その後、室温で
10分間冷却して本発明のプリント配線板用積層板を得た
(実施例:No.1〜4)。
【0024】[比較例]上記した実施例で使用したもの
と同じ銅箔を使用し、そのマット面側に粗面化処理を施
し、銅粒子の平均径が8μmで、隣り合う銅粒子の平均
間隔が5μmであり、間隔が1μm以下であるものが1
%以下、とした他は上記実施例と同様にして、プリント
配線板用積層板を作製した(比較例:No.5) 。さら
に、実施例No.1と比較例No.5の銅箔を使用し、プリ
プレグとしてガラスエポキシプリプレグ「ES- 3350」
(利昌工業製、商品名)を4枚重ねて積層板とし、その
両面に銅箔を重ね合わせ、温度 170℃、圧力40kgf/cm2
で50分間プレスしてプリント配線板用積層板を作製した
(比較例:No.6、No.7)。
【0025】[評価]上記実施例と比較例で得られたプ
リント配線板用積層板の銅箔層の初期剥離強度と誘電特
性を測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】その結果、SPS 樹脂を絶縁性基材に用いた
実施例No.1〜4のいずれも初期剥離強度は 1.0〜 1.3
kgf/cmであり、極めて強い剥離強度を有していた。さら
に比誘電率、誘電正接にも優れていた。比較例No.5の
初期剥離強度は 0.6kgf/cmと本実施例の約半分である。
ガラスエポキシ樹脂(GE樹脂)を絶縁性基材に用いた比
較例No.6、No.7は、初期剥離強度については本実施
例の値と同程度であるが、比誘電率、誘電正接のいずれ
も本実施例より大きく劣っていた。さらに、プリント配
線板用積層板に導体幅が0.04mm、ピッチ0.06mmのパター
ンをエッチング処理により作製し、これを 260℃の半田
浴に浮かべた際の異常の有無を確認した。この 260℃で
の半田浴では、本実施例と同じSPS 樹脂を絶縁性基材に
用いた比較例No.5は、30秒でパターンが脱落したのに
対し、実施例No.1〜4は3分間の経過後においても異
常は認められなかった。比較例No.6、7は3分間の経
過後においても異常は認められなかった。
【0028】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
のプリント配線板用積層板は、絶縁性基材としてSPS 樹
脂を用い、SPS 樹脂それ自体が有する脆さに起因する銅
箔層との接着強度の弱さを解消したことによって、耐熱
性、誘電特性に優れ、高速演算用、小型通信機用等の優
れた高周波特性が要求される機器に使用した場合、発熱
が少ない、ノイズが少ない等の利点が得られる。また、
銅箔表面に設ける銅粒子の径を 0.1〜5μmとし、隣り
合う銅粒子の間隔を、全体の50%以上が1μm以下とな
るようにすることによって、銅箔層のアンカー効果によ
る接着性が改善され、銅箔層の接着強度が強く、長期的
な信頼性の高いものとなる。さらに従来のPTFE基板(ポ
リテトラフルオロエチレン基板)やPPO 基板(ポリフェ
ニレンオキサイド基板)にくらべ低価格であるので、本
発明のプリント配線板用積層板を用いることで製品コス
トを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線板用積層板を示す縦断面
図である。
【図2】本発明のプリント配線板用積層板の銅箔層の剥
離状態を示す模式図である。
【図3】従来のプリント配線板用積層板の銅箔層の剥離
状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・・・・銅箔層、 2・・・・・・銅粒子、 3・・・・・・SPS 樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 B32B 27/30 B H05K 1/03 610 7511−4E H05K 1/03 610H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクティック構造を有
    するスチレン系重合体を含む樹脂組成物と、繊維状充填
    剤とからなる絶縁性基材の少なくとも一方の面に銅箔層
    を設けてなるプリント配線板用積層板であって、銅箔層
    はその絶縁性基材と接する側の面に複数の銅粒子が絶縁
    性基材中に突出してなり、これら銅粒子の径は 0.1〜5
    μmであって、その50%以上が互いに1μm以下の間隔
    で設けられていることを特徴とするプリント配線板用積
    層板。
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