JPH11307884A - 一体型プリント配線基板成形体 - Google Patents

一体型プリント配線基板成形体

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JPH11307884A
JPH11307884A JP10111767A JP11176798A JPH11307884A JP H11307884 A JPH11307884 A JP H11307884A JP 10111767 A JP10111767 A JP 10111767A JP 11176798 A JP11176798 A JP 11176798A JP H11307884 A JPH11307884 A JP H11307884A
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wiring board
printed wiring
resin
sps
base sheet
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Satoshi Odajima
智 小田嶋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材フィルムへの接着剤層の形成工程を不要
とし、かつプリント配線基板と樹脂成形体との接着強度
および密着性に優れた一体型プリント配線基板成形体を
提供することにある。 【解決手段】 主としてシンジオタクチック構造を有す
るポリスチレン系樹脂組成物と繊維補強材とからなる基
材シートの少なくとも一方の面に配線パターンを有する
プリント配線基板と、主としてシンジオタクチック構造
を有するポリスチレン系樹脂組成物からなる樹脂成形体
とが一体的に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線基板
を、接着剤を使用することなく樹脂成形体の立体面に密
着一体化した一体型プリント配線基板成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オーディオ機器、コンピュータ
ー、8ミリビデオ、携帯用電話器等の電気製品の高性能
化はとどまることを知らず、これとともに小型化、軽量
化、薄型化に対するニーズが高まっている。そこで、プ
リント配線基板をこれを収納するための電子機器のケー
シングの内側面に密着させることにより一体型としたプ
リント配線基板成形体が提案されている。
【0003】例えば、特開平2−7592号公報には、
プラスチック製フィルムの表面に、金属蒸着層と0.5
〜35μmの金属メッキ層を設けるとともに、所定の配
線パターンを形成したプリント配線基板を、樹脂ととも
に所定形状に成形一体化したプリント配線基板成形品が
開示されている。このような一体化方法は、通常、プラ
スチック製フィルムからなる基材シートの一方の面に所
定の配線パターンを形成し、他方の面に接着剤層を設け
たプリント配線基板を、射出成形機用金型の雄型の面に
吸引孔や留めピン等で固定し、雌型に被せ、形成された
キャビティ内に溶融樹脂を射出ゲートよりプリント配線
基板の接着剤層面に向けて射出し、プリント配線基板成
形体としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法においては、基材フィルムに接着剤層を形成す
る工程が必要となる。さらに、一体化成形時に、キャビ
ティ内に注入された溶融樹脂流がプリント配線基板の接
着剤層面に衝突し、このとき比較的軟化点の低い接着剤
層が溶融し、基材フィルム面またはシールド層面からこ
の面に沿って流されて接着剤層の厚さが不均一となり、
樹脂成形体とプリント配線基板との接着強度および密着
性が損なわれるという問題がある。
【0005】従って、本発明の目的は、基材フィルムへ
の接着剤層の形成工程を不要とし、かつプリント配線基
板と樹脂成形体との接着強度および密着性に優れた一体
型プリント配線基板成形体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、プリント配
線基板と樹脂成形体とを一体化するにともない、一体型
プリント配線基板としての十分な性能を備え、かつ接着
剤を使用せずとも樹脂成形体との密着性の強い基材シー
ト材料、その構成、樹脂成形体としての材料、一体化方
法等について種々検討を重ねた結果、一体型プリント配
線基板の基材シートとして、主としてシンジオタクチッ
ク構造を有するポリスチレン系樹脂組成物(以下、各種
添加物を添加したものをSPS樹脂組成物、添加してい
ないものをSPS樹脂と称する)と繊維補強材とからな
る基材シートを使用し、かつ、成形体を構成する樹脂と
して、SPS樹脂組成物を使用することによって、基材
シートに接着剤層を設けることなく密着性に優れた一体
型プリント配線基板成形体が得られることを見出し、本
発明を完成させたものである。
【0007】すなわち、上記従来の欠点を解決した本発
明の一体型プリント配線基板成形体は、SPS樹脂組成
物と繊維補強材とからなる基材シートの少なくとも一方
の面に配線パターンを有するプリント配線基板と、SP
S樹脂組成物からなる樹脂成形体とが一体的に形成され
ている。また、本発明の一体型プリント配線基板成形体
は、予め賦形された主としてシンジオタクチック構造を
有するポリスチレン系樹脂組成物からなる樹脂成形体
と、前記プリント配線基板とで一体的に形成することも
できる。さらに、樹脂成形体には、樹脂組成物中に繊維
フィラーを含むものを用いることもできる。
【0008】
【発明の実施の形態】プリント配線基板の基材シートと
樹脂成形体に用いられるSPS樹脂は、立体化学構造が
シンジオタクチック構造、すなわち炭素−炭素結合から
なる主鎖に対して、側鎖であるフェニル基や置換フェニ
ル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するもの
であり、そのタクチシティーは、同位体炭素による核磁
気共鳴(13C−NMR法)により定量される。13C−N
MR法により測定されるタクチシティーは、連続する複
数個の構成単位の存在割合が、例えば2個の場合はダイ
アッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタ
ッドとして示すことができるが、本発明におけるSPS
樹脂すなわちシンジオタクチック構造を有するポリスチ
レン系樹脂とは、通常はラセミダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、もしくはラセミペンタッド
で30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクチ
シティーを有するポリスチレン、ポリアルキルスチレ
ン、ポリハロゲン化スチレン、ポリアルコキシスチレ
ン、ポリビニル安息香酸エステル、これらの水素化重合
体およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とす
る共重合体を指称する。
【0009】なお、ここでポリアルキルスチレンとして
は、ポリメチルスチレン、ポリエチルスチレン、ポリイ
ソプロピルスチレン、ポリターシャリーブチルスチレン
などがあり、ポリハロゲン化スチレンとしては、ポリク
ロロスチレン、ポリブロモスチレン、ポリフルオロスチ
レンなどがある。ポリハロゲン化アルキルスチレンとし
ては、ポリクロロメチルスチレンなど、また、ポリアル
コキシスチレンとしては、ポリメトキシスチレン、ポリ
エトキシスチレンなどが挙げられる。また、その他のポ
リスチレン系樹脂としてポリフェニルスチレン、ポリビ
ニルナフタレン、ポリビニルスチレンなどが挙げられ
る。
【0010】さらに、これらの構造単位を含む共重合体
のコモノマー成分としては、上記スチレン系重合体のモ
ノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセ
ン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イ
ソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマ
ー、環状ジエンモノマー、メタクリル酸メチル、無水マ
レイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマーが
挙げられる。なお、これらのうち特に好ましいポリスチ
レン系樹脂としては、ポリスチレン、ポリアルキルスチ
レン、ポリハロゲン化スチレン、水素化ポリスチレンお
よびこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
【0011】これらのSPS樹脂は、例えば、不活性炭
化水素溶媒中(または溶媒の不存在下)に、チタン化合
物および水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を
触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体
に対応する単量体)を重合することにより製造すること
ができる(特開昭62−187708号公報)。また、
ポリハロゲン化アルキルスチレンについては特開平1−
46912号公報記載の方法により、これらの水素化重
合体は特開平1−178505号公報記載の方法などに
より得ることができる。
【0012】このスチレン系重合体の分子量は、重量平
均分子量が2,000以上、好ましくは10,000以
上、とりわけ50,000以上のものが最適である。分
子量分布についてはその広狭は制約がなく、様々なもの
を充当することができる。
【0013】また、これらの樹脂成分には必要に応じ
て、軟化剤、加工助剤等の各種添加剤を添加することが
できる。これらは、SPS樹脂100重量部に対し15
重量部を超えない範囲とすることが、SPS樹脂の優れ
た誘電特性を損なわないためには望ましい。さらに、力
学的物性、特には耐衝撃性を向上させるために、SPS
樹脂と相溶性の熱可塑性樹脂、例えばアタクチック構造
のスチレン系重合体、アイソタクチック構造のスチレン
系重合体、ポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタジ
エン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等を添加
することができる。
【0014】さらに、一体型プリント配線基板の基材シ
ートとしては、上記した樹脂材料のみでは機械的強度が
不十分であったり、導電性金属層との熱膨張率の整合性
がとれずに温度変化により生じる変形や剥離を防止する
ため、上記SPS樹脂組成物と繊維補強材とを複合化し
て絶縁性基材シートとすることが好ましい。この繊維補
強材としての繊維には、ガラス繊維、炭素繊維、有機合
成繊維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊
維、ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等)等が例示さ
れ、なかでも価格、強度の点からガラス繊維が好まし
い。これらの繊維は単独でも、また2種以上を組み合わ
せて使用することもできる。
【0015】繊維の形態は、長さ0.05〜10mm程
度のフィラーとしてSPS樹脂組成物中に分散させて複
合化したり、不織布としてから複合化したり、あるいは
繊維を何本かまとめて撚り糸とし、この撚り糸を平織
り、綾織り等適宜の方法で織って織布としてから複合化
することもできる。
【0016】繊維補強材は、溶融樹脂との濡れを良くす
るために、シランカップリング剤、チタネートカップリ
ング剤等の各種カップリング剤で処理したり、あるいは
SPS樹脂、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン
共重合体(SEBS)、ポリフェニレンエーテル(PP
E)、エポキシ樹脂およびこれらの変性物等のSPS樹
脂組成物と相溶性を有し、かつ溶剤に可溶な樹脂組成物
で繊維の表面をコーティング処理することが望ましい。
【0017】SPS樹脂組成物と繊維補強材とを複合化
して絶縁性基材シートとする方法には、繊維を上述した
ようなフィラーとし、溶融したSPS樹脂組成物と混
合、複合化する方法や、繊維を不織布あるいは織布とし
て、予めシート状に成形したSPS樹脂組成物と重ね合
わせ、熱プレスにより含浸、複合化する方法が例示され
る。熱プレスにより複合化する場合、プレス機の温度を
SPS樹脂組成物の融点以上の温度、すなわち270℃
以上に加熱する必要があり、ワークの温度上昇に要する
時間を考慮すると、好ましくは280℃以上、より好ま
しくは290℃以上に加熱することが望まれる。しかし
ながら、温度が高すぎると、SPS樹脂や添加剤成分が
分解されやすくなるため、350℃以下とするのが良
い。
【0018】この基材シート面上に配線パターンを形成
するには、銅、ニッケル、アルミニウム、錫、金、銀、
亜鉛等の金属を用いて、粗面化処理を施した金属箔を熱
プレスして基材シートと張り合せる方法や、メッキによ
る方法、真空蒸着、スパッタリングによる方法等が例示
され、これらは全面に金属層を形成した後、エッチング
等により配線パターンを形成しても、また、必要な配線
パターンのみを形成してもよい。金属箔を熱プレスして
基材シートに張り合わせる場合、上述した樹脂を繊維補
強材に含浸させる工程と同時に行うことができる。この
方法によれば、樹脂含浸工程でセパレータを使用する必
要が無くなるとともに、一つの工程で樹脂の含浸、金属
箔の張り合わせ作業が済ませられるため、効率よく配線
基板を製造することができる。
【0019】プリント配線基板の厚さは、一体化成形時
に、金型に沿わせた状態で固定する必要があるため、可
撓性を有する程度の厚さ、具体的には、25μm〜50
0μmが望ましい。なお、基材シートの裏面にも配線パ
ターンを設ける場合は、基材シートに予めスルーホール
(貫通孔)を設け、スルーホールを通じて両面の配線パ
ターンが連通するようにしておくことで、多層配線化す
ることも可能であり、また、成形体全体の電磁波シール
ド層としたり、アース電極として用いることもできる。
【0020】なお、プリント配線基板には、配線パター
ン形成用マーク、金型セット用マークおよび部品マウン
ト用マーク等を適宜設けることができる。上記種々のマ
ークは、それぞれ別々のものとしても、一種類で複数種
のマークを兼ねるいずれであってもよいが、マークの形
成は、それぞれ配線パターンの形成前、同時、あるいは
配線パターン(または絶縁性樹脂層)を形成した後、印
刷して設ければよい。この様なマークを設けることで、
画像識別装置を用いて配線パターンの印刷、金型上への
プリント配線基板のセット、電子部品の実装等を誤りな
く行うことができる。これは樹脂成形体、例えば、ハウ
ジング成形体の内面に付着させたプリント配線基板が、
平坦となっていないとき、実装部品の位置決めを正確に
行うために有効である。特に、金型セット用マークは、
使用する樹脂や射出圧等に応じて、樹脂の射出によるプ
リント配線基板のズレ等を補正するようにプリント配線
基板を金型にセットすることができるので好ましい。
【0021】プリント配線基板の、成形用樹脂が密着一
体化される面において、基材シートが露出している部分
は、基材シートを構成するSPS樹脂組成物が成形用樹
脂と後述するメカニズムで強固に接着されるが、銅箔等
の金属層が設けられた部分は、通常、このままでは接着
性に乏しいため、黒化処理等の粗面化処理を行い、接着
性が発現されるようにしておくことが望ましい。
【0022】上記プリント配線基板との一体化成形に使
用される射出成形用の樹脂として、SPS樹脂を主成分
とする樹脂を用いることにより、ハンダに対する耐熱性
を有し、上記プリント配線基板との密着性が良好な一体
型成形体を得ることができる。また、樹脂成形体を構成
するSPS樹脂には、射出成形時に流動性を損なわない
程度に補強用フィラーを含むものを使用することができ
る。例えば、直径9μm、平均長さ500μm程度のガ
ラス繊維フィラーを用いる場合、この配合量を組成物中
1〜40重量%とすることで、流動性を損なわず、補強
効果を有する成形体用樹脂組成物とすることができる。
【0023】本発明の一体型プリント配線基板成形体の
製造方法は、プリント配線基板をプリント配線が露出す
る側の面で、射出成形機用金型の雄型の面に固定し、雄
型と雌型を組み合わせ、雌型に設けられた射出ゲートか
ら溶融樹脂を射出して、プリント配線基板を所定形状の
樹脂成形体と一体的に形成する。なお、射出成形用金型
は、雄型と雌型からなり、金型を閉じることでキャビテ
ィが形成され、フランジ部のプリント配線基板が露出す
る箇所で、雄型と雌型がピッタリと合わさるようになっ
ている。また、雄型の表面には、一体型プリント配線基
板成形体の内壁面に対応する立体的な面が形成されてい
るため、表面に滑りのよい加工(例えば、テフロックス
(信越化学工業社製、商品名)加工等)を施しておくの
が好ましい。雄型には、プリント配線基板を吸引固定す
る吸引孔を設けてもよく、さらに、雄型の先端平坦部
に、プリント配線基板を固定する留めピンを設けてもよ
い。なお、射出ゲートは、雌型の中心部に設けるのが好
ましい。
【0024】上記雄型の所定位置にプリント配線基板を
固定し、金型を閉鎖して射出ゲートから溶融樹脂を射出
すると、ゲートから射出された溶融樹脂はプリント配線
基板の面に沿って拡がり、キャビティ内全体に充填され
る。充填後金型を適当な温度まで冷却した後、金型を開
き、取り出すことで所望の一体型プリント配線基板成形
体が得られる。なお、雄型上へのプリント配線基板の固
定は、上述した金型セット用マークを使用し、光学的位
置決め装置等を用いて行えば、正確に行うことができ
る。
【0025】このとき基材シートの、樹脂と密着一体化
される側の面は、溶融樹脂によって加熱され、基材シー
トに含浸されているSPS樹脂が溶融または軟化して、
このSPS樹脂と注入された溶融樹脂とが互いに相溶
し、プリント配線基板と樹脂成形体とが一体化される。
基材シートを形成するSPS樹脂組成物は、繊維に含浸
された状態にあるため、含浸された樹脂が溶融あるいは
軟化しても注入された溶融樹脂とともに流されることは
ない。従って、密着性に優れた一体型プリント基板成形
体が得られる。
【0026】なお、プリント配線基板の曲げ半径が5m
m以下の箇所は、樹脂成形体の厚さを、プリント配線基
板の基材シートの厚さの10倍以上とすることで、一体
化成形時、基材シートを形成するSPS樹脂組成物の温
度が内部にわたって一時的に軟化温度(250℃)に達
し、塑性変形するので、残留応力の少ない一体化プリン
ト配線基板成形体を得ることができる。
【0027】本発明の一体型プリント配線基板成形体
は、上記したように、プリント配線基板の配線パターン
が露出する側の面で、射出成形機用金型の雄型の面に固
定し、金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出してプリン
ト配線基板と樹脂成形体とを一体化してもよく、あるい
は、予め所望の形状に賦形しておいた樹脂成形体とプリ
ント配線基板とを270〜350℃で加熱プレスして一
体化することもできる。加熱プレスにより、樹脂成形体
とプリント配線基板のSBS樹脂とが相溶して両者は密
着するので、プリント配線基板に接着剤層を設ける必要
はない。
【0028】なお、プリント配線基板を樹脂成形体と一
体化成形後に、配線パターン上にIC等の電子部品を実
装する場合、先ず、配線パターン面全体にポリエステ
ル、ポリアクリル、ポリウレタン等の樹脂絶縁層をシル
クスクリーン印刷法等により形成し、次に、この絶縁層
の所定の位置にフォトレジスト法で開口部を設けて配線
パターンを露出させ、予めあるいは部品をマウントする
前に開口部にはんだを付着させておき、この部分に電子
部品をはんだづけすればよい。
【0029】
【実施例】次に、本発明の一体化プリント配線基板成形
体を一例としての実施例にもとづきさらに説明する。 (実施例1)メルカプトシラン系カップリング剤「KB
M803」(信越化学工業社製、商品名)で処理したガ
ラス繊維クロス「#7628」(旭シュエーベル社製、
商品名)1枚を、予めSPS樹脂組成物「XAREC
S−100」(出光石油化学社製、商品名)をTダイ押
し出し成形機を用いて、厚さ0.06mmにシーティン
グして得たシート2枚で挟み、さらにこの上下面に、厚
さ18μmのジャパンエナジー社製の両面粗面化電解銅
箔を重ね合わせ、300℃、40kgf/cm2 の条件
で5分間プレスして、ガラス繊維クロスにSPS樹脂組
成物を含浸させるとともに銅箔を密着一体化した後、冷
却し、さらにエッチングすることで銅箔の不要部分を除
去して配線パターンを形成し、この配線パターンの上か
らレジストスクリーン印刷を行ない、銅端子部にはんだ
メッキを行なってプリント配線基板を得た。
【0030】得られたプリント配線基板を、射出成形用
金型の雄型の所定位置に正確に位置決めして固定し、型
締めした後、SPS樹脂組成物「ザレック S−13
0」(出光石油化学社製、商品名)をシリンダー温度3
00〜310℃で溶融し、射出成形して冷却し、本発明
の一体型プリント配線基板成形体を得た。リフロー条件
を230℃、20秒として部品実装を行なったが、基板
の剥離や部分的膨張等の問題はなかった。また、基板シ
ートと射出成形樹脂とは完全に溶融一体化しており、剥
離による強度測定はできなかった。
【0031】
【発明の効果】上述したように本発明の一体型プリント
配線基板成形体は、プリント配線基板の基材シートと成
形体を形成する樹脂に、耐熱性に優れたSPS樹脂組成
物を用い、さらに、基材シートを繊維補強材にSPS樹
脂組成物を含浸させる構成としたことで、プリント配線
基板として十分な耐熱性と強度を備え、かつ、接着層を
形成しなくてもプリント配線基板と樹脂成形体とは密着
一体化され、剥離することはない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主としてシンジオタクチック構造を有す
    るポリスチレン系樹脂組成物と繊維補強材とからなる基
    材シートの少なくとも一方の面に配線パターンを有する
    プリント配線基板と、主としてシンジオタクチック構造
    を有するポリスチレン系樹脂組成物からなる樹脂成形体
    とが一体的に形成されてなることを特徴とする一体型プ
    リント配線基板成形体。
  2. 【請求項2】 予め賦形された主としてシンジオタクチ
    ック構造を有するポリスチレン系樹脂組成物からなる樹
    脂成形体と、前記プリント配線基板とが一体的に形成さ
    れてなる請求項1に記載の一体型プリント配線基板成形
    体。
  3. 【請求項3】 樹脂成形体が、樹脂組成物中に繊維フィ
    ラーを含んでなる請求項1又は2に記載の一体型プリン
    ト配線基板成形体。
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