JP3664533B2 - プリント配線板用積層板 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気・電子分野に用いられるプリント配線板用積層板、特には高周波特性に優れ、表面に設けられた銅箔層の接着強度が改善されたプリント配線板用積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気・電子分野における各種機器において、プリント配線板用積層板が使用されているが、これを構成する絶縁性基材とその表面に設けられた配線用導体としての銅箔層との接着強度が弱く、剥離しやすい問題があり、そのため様々な工夫がこれに対してなされてきた。
例えば、銅箔の、絶縁性基材に接着される側の面に、メッキ法により銅粒子を析出させる粗面化処理を施し、この銅粒子を積層時に絶縁性基材に食い込ませ、銅箔層と絶縁性基材との接着強度を高める試みがなされた。
【0003】
一般には、基板材料としてエポキシ樹脂が用いられ、銅箔の表面を粗面化処理し、表面に析出させた銅粒子を絶縁性基材に食い込ませて、絶縁性基材と銅箔層との接着強度を上げていた。
一方、主としてシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組成物(以下SPS 樹脂と称する)は、誘電率及び誘電正接が低い、高耐熱性である、他の高周波用基板樹脂材料と比較して安価である、などの点で優れていることから、高速演算処理用、衛星放送受信用、小型通信機器用など優れた高周波特性が要求されるプリント配線板用積層板の絶縁性基材として有用なものとされている。
このため耐熱性と誘電特性に優れたSPS 樹脂をプリント配線板用積層板の絶縁性基材として用いる試みがなされ、上記と同様に、銅箔の表面に銅粒子を析出させる粗面化処理を行い、銅粒子を絶縁性基材に食い込ませ、銅箔層と絶縁性基材との接着強度を高める試みがなされた。
従来、この接着強度を高めるために、析出させる銅粒子を大きくして絶縁性基材に深く食い込ませていた。この銅粒子の大きさは5〜20μm程度で、隣り合う銅粒子の間隔は3〜10μm程度であった。
しかしながら、SPS 樹脂はそれ自体の強度が弱く脆いため、剥離する際には、図3に示すように、個々の粒子の周囲のSPS 樹脂が、矢印で示す箇所で破壊されていた。なお、図において1は銅箔層、2は銅粒子、3はSPS 樹脂である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来のプリント配線板用積層板は、前述のようにSPS 樹脂自体の強度が弱く、脆いため、上記した従来の銅箔層表面の銅粒子がSPS 樹脂に食い込んでも、SPS 樹脂自体が破壊され、銅箔層との接着強度が 0.5〜0.6kgf/cm程度と弱く、長期的な信頼性に欠けるという欠点があった。
よって、本発明の目的は、誘電特性に優れたSPS 樹脂を用いて、銅箔層と絶縁性基材との接着強度の高いプリント配線板用積層板を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した従来の欠点を解決したプリント配線板用積層板に係り、主としてシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組成物と、繊維状充填剤とからなる絶縁性基材の少なくとも一方の面に銅箔層を設けてなるプリント配線板用積層板であって、銅箔層はその絶縁性基材と接する側の面に複数の銅粒子が絶縁性基材中に突出してなり、これら銅粒子の径は 0.1〜5μmであって、その50%以上が互いに1μm以下の間隔で設けられていることを特徴とする。
【0006】
すなわち、本発明者らはプリント配線板用積層板の絶縁性基材として誘電特性の優れたSPS 樹脂を使用し、その性能を損なうことなく銅箔層の接着性を改善するためには、銅箔の表面に銅粒子を形成し、この銅粒子のアンカー効果によって接着性を改善すればよいことに着眼し、その構成について種々検討を重ねた結果、銅箔の表面に設ける銅粒子の径を従来より小さい上記範囲とし、隣り合う銅粒子の間隔を、剥離力に対して、各銅粒子が剥離に抗する力を相互に及ぼしあうことのできる上記範囲の距離に設定することによって、SPS 樹脂を用いてなる絶縁性基材と銅箔層との接着強度が高く、かつ誘電特性に優れたプリント配線板用積層板が得られることを確認して本発明を完成させた。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のプリント配線板用積層板を図1にもとづき説明する。
図において、銅箔層1の表面に、粒径が上記範囲にある銅粒子2が設けられ、これら銅粒子2が所定の間隔で隣り合っている。そして銅箔層1の表面から突出した銅粒子2は、絶縁性基材であるSPS 樹脂3中に埋設された状態、即ちアンカー状態にある。このSPS 樹脂3中に埋設された銅粒子2のアンカー効果によって、絶縁性基材と銅箔層1は互いに強固に接着された状態で保持される。これに加えて、銅粒子2の径と隣り合う銅粒子2間の距離を上記範囲に設定したことによって、銅粒子2相互間の耐剥離力を効率よく利用することができ、銅箔層1の接着強度の強いプリント配線板用積層板の提供を可能にしたものである。
【0008】
以上のように本発明においては、絶縁性基材としてSPS 樹脂を用いることにより、耐熱性、誘電特性に優れ、銅箔の、絶縁性基材に接着される側の面に、例えばメッキ法により銅粒子を析出させることにより粗面化処理が施されている。絶縁性基材と接する側の銅箔の表面に設ける銅粒子の径と間隔を上記範囲内におさめることによって、SPS 樹脂のクラック限界以下の間隔となり、相互に強固に接着する。剥離する際には、図2に示すように、隣接する銅粒子の間のSPS 樹脂も、矢印の箇所で銅箔層側にむしり取られる状態で剥離するため、銅箔層と絶縁性基材との接着強度の強いプリント配線板用積層板が得られる。
【0009】
本発明に用いられる銅箔は、絶縁性基材に接着される側の面に、例えばメッキ法によって銅粒子を析出させることにより粗面化処理が施されており、隣り合う銅粒子の間隔を、全体の50%以上が1μm以下であることを必須としている。
隣り合う銅粒子の間隔が1μmよりも大きいと、剥離する際に、個々の粒子の周囲のSPS 樹脂のみが破壊され、先に従来技術で説明した図3に示された状態と同じように、隣接する銅粒子間の相互作用が得られず、剥離強度が弱くなり、矢印の箇所で破壊される。また、隣り合う銅粒子の間隔が小さすぎると積層時に銅粒子間に樹脂が浸透し難くなり、浸透に長時間を要したり、あるいはアンカー効果が得られなくなるため、平均で 0.1μm以上の間隔とすることが好ましい。さらに隣り合う銅粒子の間隔が1μm以下である割合が、全体の50%よりも小さいと、十分な剥離強度を得ることができない。
【0010】
さらに、本発明のプリント配線板用積層板は、絶縁性基材と接する側の銅箔の表面に設ける銅粒子の径が 0.1〜5μmの範囲にあることを必須としている。
銅粒子の径が 0.1μmよりも小さいと、粒子の食い込み量が少ないためにアンカー効果を得ることが困難であり、一方、銅粒子の径が5μmよりも大きいと、粒子間に樹脂が入り難く、気泡を生じ易くなり、隣り合う銅粒子の間隔が前記1μm以下であっても、剥離する際、銅粒子相互間の力を利用することができず、銅粒子の周囲で剥離され、接着強度の弱いものとなる。
【0011】
このような銅箔は、通常の銅箔の粗面化処理を施す面がマット面、つまり、銅箔を電解方式で製造する際の電解液側の面であるのに対し、シャイニー面、つまり、電極ロール側の面に粗面化処理を施すことによって得ることができる。これは、通常の銅箔の場合、銅箔が生成される際に結晶が成長し、マット面では5〜10μm間隔の突起が形成され、ここに粗面化処理を施すと、メッキ時の避雷針効果によって突起の頂点に銅粒子が集中するのに対し、本発明に用いられる銅箔では、銅箔が生成される際の結晶が、まだ1〜2μm程度の小さい段階のシャイニー面側に粗面化処理を施すため、銅粒子は均一に形成されることによるものである。
絶縁性基材上への銅箔層の形成は、上述した銅箔を絶縁性基材に重ねあわせ、加熱・加圧することにより達成される。
【0012】
この際、絶縁性基材が溶融することにより接着性が発現するので、SPS 樹脂の融点以上に加熱する必要があるが、温度が高すぎると樹脂が流れ過ぎて所望の厚さにならない等の不具合を生じる恐れがあるため、融点乃至融点+100℃の範囲とすることが良く、具体的には 270〜370 ℃、より好ましくは 270〜320 ℃とし、加圧力は5kgf/cm2 未満では接着不良となり、80kgf/cm2 より高くすると流動しすぎるため、5〜80kgf/cm2 の範囲とすることがよい。
また、加圧接着後、冷却する際に、急冷すると樹脂の結晶性が乏しいものとなるため、より効率良くシンジオタクティック構造をとらせるには、一度 130〜170 ℃で1分以上保持した後に室温に冷却することが望ましい。
【0013】
本発明に用いられる絶縁性基材としてのSPS 樹脂は、立体化学構造がシンジオタクティック構造、すなわち炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して、側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そのタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴(13C-NMR 法)により定量される。13C-NMR 法により測定されるタクティシティーは連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができるが、本発明におけるシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体とは、通常はラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、もしくはラセミペンダッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、ポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体およびこれらの混合物、あるいはこれらを主成分とする共重合体を指称する。
【0014】
なお、ここでポリ(アルキルスチレン)としては、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソプロピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)などがあり、ポリ(ハロゲン化スチレン)としては、ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)などがある。ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)としては、ポリ(クロロメチルスチレン)など、また、ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)などがある。
さらに、これらの構造単位を含む共重合体のコモノマー成分としては、上記スチレン系重合体のモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状オレフィンモノマー、環状ジエンモノマー、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマーが挙げられる。
なお、これらのうち特に好ましいスチレン系重合体としては、ポリスチレン、ポリ(アルキルスチレン)、ポリ(ハロゲン化スチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体が挙げられる。
【0015】
このようなシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体は、例えば不活性炭化水素溶媒中または溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる(特開昭62-187708 号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については特開平1-46912 号公報、これらの水素化重合体は特開平1-178505号公報記載の方法などにより得ることができる。
このスチレン系重合体は、分子量について特に制限はないが、重量平均分子量が 2,000以上、好ましくは10,000以上、とりわけ50,000以上のものが最適である。しかしながら、分子量が大きすぎると加工性に劣るため、重量平均分子量で 2,000,000以下とすることが良い。
さらに、分子量分布についてもその広狭は制約がなく、様々なものを充当することが可能である。
【0016】
また、これらの樹脂成分には必要に応じて、軟化剤、加工助剤等の各種添加剤を添加することができるが、これらの量はSPS 樹脂100 重量部に対し15重量部の範囲を超えないものとすることが、SPS 樹脂の持つ誘電特性に優れた利点を損なわないことから望ましい。
【0017】
また、本発明のプリント配線板用積層板は、電子部品を搭載したり、他の基板との接続を行う際に、ハンダを用いるので耐熱性、難燃性が要求されるため、難燃剤及び難燃助剤を添加することが望ましい。
【0018】
本発明に使用される繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素、シリカ、炭化ケイ素等のウィスカー、アルミナ繊維、セラミックス繊維(例えば、セッコウ繊維、チタン酸カリ繊維、硫酸マグネシウム繊維、酸化マグネシウム繊維等)、有機合成繊維(例えば、全芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、フッ素樹脂繊維等)等が例示され、特にガラス繊維、フッ素樹脂繊維が好ましい。これらの形状に特に制限はないが、例えば、チョップドストランド、チョップドファイバー、連続長繊維等の不織布、織物、スワール状に積層したもの及びスワール状に積層したものをニードルパンチしたもの、パウダー、ミルドファイバー等が挙げられる。なお、これらの繊維状充填材は単独でも、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
本発明において、SPS 樹脂に対する繊維状充填材の配合割合は、SPS 樹脂100 重量部に対し、繊維状充填材20〜400 重量部、好ましくは50〜100 重量部とするのがよい。これは、この範囲より少ないと十分な強度が得られず、また、この範囲を超えると繊維状充填材をSPS 樹脂が十分に被覆することができないため、繊維状充填材の周囲に空隙を生じ、この結果、曲げ強度が測定不可能なほど弱くなり、特にスルーホール加工性に著しく劣るという問題点を招来する。
【0020】
また本発明には、力学的物性、特には耐衝撃性を向上させるために、SPS 樹脂と相溶性の熱可塑性樹脂、例えばアタクティック構造のスチレン系重合体、アイソタクティック構造のスチレン系重合体、ポリフェニレンエーテル、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)等を添加することができる。
【0021】
これらを用いて絶縁性基材を成形する方法としては、従来知られている方法を適用することができ、射出成形、熱プレス成形、押出成形等が例示される。さらに、本発明のプリント配線板用積層板の実施の態様を実施例にもとづき説明する。
【0022】
【実施例】
次に本発明の実施例、比較例を挙げる。
[実施例]
先ず、SPS 樹脂組成物「出光XAREC P-51」(出光石油化学製、商品名)を2軸押し出し機からTダイを経て、厚さ0.18mmのシートを成形した。このシート1枚とガラスクロス「#5150」(旭シュエーベル製、商品名)1枚とを重ね合わせ、温度290 ℃、圧力30kgf/cm2 の条件のもとで5分間プレスした後、室温で10分間冷却して厚さ 0.2mmのプリプレグを得た。
【0023】
次に、厚さ18μmの銅箔のシャイニー面側に粗面化処理を施し、数枚の銅粒子の径と間隔の異なる銅箔を作製した。いずれも銅粒子のほぼ90%が1μm以下である。
先のプリプレグ4枚を重ね合わせて積層板とし、その上下面に作製した電解銅箔を重ね合わせ、温度 290℃、圧力30kgf/cm2 で5分間プレスした後、加圧状態を維持して、 140℃で30分間冷却し、その後、室温で10分間冷却して本発明のプリント配線板用積層板を得た(実施例:No.1〜4)。
【0024】
[比較例]
上記した実施例で使用したものと同じ銅箔を使用し、そのマット面側に粗面化処理を施し、銅粒子の平均径が8μmで、隣り合う銅粒子の平均間隔が5μmであり、間隔が1μm以下であるものが1%以下、とした他は上記実施例と同様にして、プリント配線板用積層板を作製した(比較例:No.5) 。
さらに、実施例No.1と比較例No.5の銅箔を使用し、プリプレグとしてガラスエポキシプリプレグ「ES- 3350」(利昌工業製、商品名)を4枚重ねて積層板とし、その両面に銅箔を重ね合わせ、温度 170℃、圧力40kgf/cm2 で50分間プレスしてプリント配線板用積層板を作製した(比較例:No.6、No.7)。
【0025】
[評価]
上記実施例と比較例で得られたプリント配線板用積層板の銅箔層の初期剥離強度と誘電特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
Figure 0003664533
【0027】
その結果、SPS 樹脂を絶縁性基材に用いた実施例No.1〜4のいずれも初期剥離強度は 1.0〜 1.3kgf/cmであり、極めて強い剥離強度を有していた。さらに比誘電率、誘電正接にも優れていた。比較例No.5の初期剥離強度は 0.6kgf/cmと本実施例の約半分である。ガラスエポキシ樹脂(GE樹脂)を絶縁性基材に用いた比較例No.6、No.7は、初期剥離強度については本実施例の値と同程度であるが、比誘電率、誘電正接のいずれも本実施例より大きく劣っていた。
さらに、プリント配線板用積層板に導体幅が0.04mm、ピッチ0.06mmのパターンをエッチング処理により作製し、これを 260℃の半田浴に浮かべた際の異常の有無を確認した。
この 260℃での半田浴では、本実施例と同じSPS 樹脂を絶縁性基材に用いた比較例No.5は、30秒でパターンが脱落したのに対し、実施例No.1〜4は3分間の経過後においても異常は認められなかった。比較例No.6、7は3分間の経過後においても異常は認められなかった。
【0028】
【発明の効果】
以上の結果から明らかなように、本発明のプリント配線板用積層板は、絶縁性基材としてSPS 樹脂を用い、SPS 樹脂それ自体が有する脆さに起因する銅箔層との接着強度の弱さを解消したことによって、耐熱性、誘電特性に優れ、高速演算用、小型通信機用等の優れた高周波特性が要求される機器に使用した場合、発熱が少ない、ノイズが少ない等の利点が得られる。
また、銅箔表面に設ける銅粒子の径を 0.1〜5μmとし、隣り合う銅粒子の間隔を、全体の50%以上が1μm以下となるようにすることによって、銅箔層のアンカー効果による接着性が改善され、銅箔層の接着強度が強く、長期的な信頼性の高いものとなる。
さらに従来のPTFE基板(ポリテトラフルオロエチレン基板)やPPO 基板(ポリフェニレンオキサイド基板)にくらべ低価格であるので、本発明のプリント配線板用積層板を用いることで製品コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリント配線板用積層板を示す縦断面図である。
【図2】本発明のプリント配線板用積層板の銅箔層の剥離状態を示す模式図である。
【図3】従来のプリント配線板用積層板の銅箔層の剥離状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1・・・・・・銅箔層、
2・・・・・・銅粒子、
3・・・・・・SPS 樹脂。

Claims (1)

  1. 主としてシンジオタクティック構造を有するスチレン系重合体を含む樹脂組成物と、繊維状充填剤とからなる絶縁性基材の少なくとも一方の面に銅箔層を設けてなるプリント配線板用積層板であって、銅箔層はその絶縁性基材と接する側の面に複数の銅粒子が絶縁性基材中に突出してなり、これら銅粒子の径は 0.1〜5μmであって、その50%以上が互いに1μm以下の間隔で設けられていることを特徴とするプリント配線板用積層板。
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