JP4214573B2 - 積層板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の製造に用いられる積層板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気・電子部品等に使用されている多層プリント配線板を作製するにあたっては例えば下記のような方法を用いていた。
【0003】
銅張積層板等の金属箔張積層板を用意する。一方ガラスクロス等の基材にエポキシ樹脂組成物等の熱硬化性樹脂組成物を含浸させた後、加熱乾燥して樹脂成分を半硬化させてプリプレグを作製する。金属箔張積層板の表面にエッチング処理を施して内層回路の形成を行い、内層基板を作製する。この内層基板の内層回路表面に、必要に応じて接着強度を高めるための表面処理を行い、次いでその内層回路表面にプリプレグを所要枚数重ね、更にその外側に外層回路用の金属箔を積層し、加熱加圧して一体成形する。このようにして、内層回路と外層回路用の金属箔との間に、基材及び熱硬化性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁層が形成された多層の積層板が製造される。次いで、この多層の積層板にスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、この穴の壁面に内層回路と外層回路用の金属箔とを導通させるめっき金属皮膜を形成し、更に外層回路用の金属箔にエッチング処理を施して外層回路を形成し、プリント配線板が製造される。
【0004】
しかし、近年のプリント配線板の高密度化や生産性向上の要求に伴い、内層回路と外層回路用の金属箔との間に基材を用いない熱硬化性樹脂組成物単独の絶縁層を形成した、ビルドアップ基板と呼ばれる多層の積層板の使用が検討されている。このビルドアップ基板は、内層基板の内層回路の表面に熱硬化性樹脂組成物単独の絶縁層と導体層とを交互に積み上げながら製造した積層板である。このようなビルドアップ基板は、絶縁層の厚みが基材の厚みに制限されないため、絶縁層の厚みを薄くすることができるものであり、また基材を用いていないため絶縁層にレーザー処理にて穴あけ加工を施すことが可能となり、穴あけ効率が向上するといる特長があるため、近年増加しつつある。
【0005】
このようなビルドアップ基板を製造するにあたり、絶縁層を形成する方法としては、液状の熱硬化性樹脂組成物を内層回路の表面に塗布した後、硬化させて形成する方法が一般に行われていが、このような絶縁層の形成方法の場合、熱硬化性樹脂組成物が液状のため流動し、絶縁層の厚みにバラツキが生じやすいという問題や、絶縁層中に気泡が生じやすという問題があった。そのため、絶縁層を形成する方法として、熱硬化性樹脂組成物をシート状に成形して接着シートを作製し、この接着シートを内層回路の表面に重ねた後、圧着して絶縁層を形成する方法が検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようなビルドアップ基板の絶縁層は、従来のプリプレグを用いて形成される絶縁層とは異なりガラスクロス等の基材を用いていないため、誘電率は小さくなるものの、逆に誘電正接が大きくなる。そのため高周波特性が要求される分野においては、更なる低誘電率、低誘電正接の、絶縁層を形成した積層板が求められている。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、内層回路表面に積層した際の回路埋め込み性が良好で気泡が形成されることがなく、かつ低誘電率、低誘電正接の接着シートにて絶縁層が形成され、誘電特性が優れた積層板を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の積層板の製造方法は、数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテルと、エラストマーと、トリアリルイソシアヌレートとを含有し、数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテルとエラストマーとの合計量と、トリアリルイソシアヌレートとの配合重量比を、65/35〜35/65として成る接着シート用組成物をキャリアフィルムの表面にシート状に成形して接着シートを形成し、この接着シートを導体回路を有する内層基板の表面に重ねて加熱及び加圧した後、キャリアフィルムを剥離して前記内層基板の導体回路の外側に絶縁層を形成することを特徴とするものである。
【0009】
また本発明の請求項2に記載の積層板の製造方法は、エラストマーとしてスチレンブタジエンコポリマーを用いて成ることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0014】
本発明の接着シート用組成物に含有させるポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂としては、数平均分子量が、10000〜30000のものを用いるものである。
【0015】
また本発明の接着シート用組成物に含有させるエラストマーとしては、反応性のものでも、非反応性のものでも良いが、特に下記一般式(A)に示すようなスチレンブタジエンコポリマーを用いると、スチレンブタジエンコポリマーのスチレン部分とポリフェニレンエーテルとの相溶性が高いため、エラストマー成分の添加量が少量である場合でもシート成形性を高いものとすることができるものである。ここでこのエラストマーの配合量は、PPE樹脂の配合量に対して5〜20重量%とすることが好ましいものであり、PPE樹脂の配合量に対して5重量%未満であると、組成物を柔構造とする効果が小さく、接着シートを形成することが困難となり、また20重量%を超えると、この組成物にて得られる接着シートの耐熱性が低下し、この接着シートにて絶縁層が形成された積層板の耐熱性が低下するおそれがある。
【0016】
【化1】
Figure 0004214573
また本発明の接着シート用組成物に含有させるトリアリルイソシアヌレート(TAIC)は、そのままの状態で配合しても良く、あらかじめ一部又は全部をプレポリマー化したものを配合しても良い。
【0017】
以上の原材料の配合割合は、PPE樹脂とエラストマーとの合計量と、TAICとの重量比を、65/35〜35/65の範囲内とするものである。TAICのPPE樹脂とエラストマーとの合計量に対する配合量が小さすぎると、この組成物にて接着シートを成形した場合にシートの流動性が損なわれて、この接着シートを内層基板の内層回路上に積層する際の回路埋め込み性が確保できなくなって接着シートからなる絶縁層に気泡が発生するおそれがあり、TAICの配合量が大きすぎると、シート状に成形することが困難となって、実用上使用することが困難となる。
【0018】
また本発明の組成物には、シート形成の際のTAICによる架橋反応を促進するためにジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等のラジカル開始剤を添加することが好ましい。
【0019】
また本発明の組成物には、必要に応じて溶媒を配合することができる。用いることができる溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系の溶媒を挙げることができる。
【0020】
上記のような原料を配合して得られる接着シート用組成物をシート状に成形して、接着シート用組成物の硬化物からなる接着シートを得るものである。このときの成形方法は、キャリアフィルムに接着シート用組成物をシート状に成形するものであれば、特に限定するものではないが、例えばポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム等の接着シート用組成物に溶解しないキャリアフィルムに、接着シート用組成物を、好ましくは5〜100μmの厚みに塗布した後、100〜150℃の温度で乾燥してシート状に成形する一般にキャスティング法と呼ばれる方法で成形することができる。このとき接着シート用組成物を塗布するシートには、あらかじめ離型剤にて表面処理を施しておくと、成形された接着シートを容易に剥離することができ、生産性を向上することができて好ましい。ここで接着シートの厚みは5〜80μmに形成することが好ましい。
【0021】
また接着シート用組成物を金属箔の一方の面に塗布した後、100〜150℃の温度で乾燥することにより、金属箔の一面に接着シート用組成物の硬化物からなる接着シートを形成した金属箔付き接着シートを形成することもできる。ここで接着シートは、その厚みを5〜80μmに形成することが好ましく、また金属箔としては、厚みが0.012〜0.070mmの銅箔又はアルミニウム箔を用いることができる。このようにして金属箔付き接着シートを作製すると、金属箔と絶縁層の間に気泡が介在することを防ぐことができる。
【0022】
上記のようにして接着シートや金属箔付き接着シートを作製すると、誘電率及び誘電正接が低減され、かつ上記のような好適条件にて形成された場合は未反応部分が多く含まれた良好な流動性を有する接着シートを得ることができるものであり、このようにして形成される接着シート及び金属箔付き接着シートは、積層板の絶縁層を形成するために好適なものである。
【0023】
本発明は上記のような接着シートを用いて積層板を製造するものである。その場合、表面に導体回路が形成された内層基板の、導体回路表面に、接着シートを接着する。この接着シートの接着方法としては、接着シート用組成物のみからなる接着シートをキャリアフィルムの表面に形成し、キャリアフィルムに貼着された接着シートを、内層基板の導体回路表面に重ね、例えば150〜200℃、30〜50kg/cm2の条件で60〜180分間加熱・加圧した後、キャリアフィルムを剥離して、内層基板の導体回路の外側に接着シートにて絶縁層を形成することにより、積層板を製造するものである。このとき接着シートは、内層基板の導体回路の形状に追随して変形し、接着シートにて形成される絶縁層と、内層基板の導体回路との間に気泡が発生することがないものである。そしてこのように製造される積層板に、必要に応じて絶縁層にレーザー加工等によりスルーホールやバイアホール用の穴あけ加工を施した後、この穴の壁面にめっき金属皮膜を形成してスルーホールやバイアホールを形成し、そしてアディティブ法にて絶縁層の表面に導体回路を形成することにより、プリント配線板を製造することができる。またこのようにして製造されたプリント配線板の導体回路表面に更に同様にして絶縁層の形成、ホール加工、及び導体回路の形成を行い、これを繰り返し行うことにより、多層のプリント配線板を製造することができる。
【0024】
また金属箔付き接着シートを用いて積層板を製造する場合は、金属箔付き接着シートの接着シート側を、内層基板の導体回路表面に重ね、例えば150〜200℃、30〜50kg/cm2の条件で60〜80分間加熱・加圧し、内層基板の導体回路の外側に接着シートにて絶縁層を形成すると共に、絶縁層の外側に導体回路用の金属箔を形成して、積層板を製造するものである。このとき接着シートは、内層基板の導体回路の形状に追随して変形し、接着シートにて形成される絶縁層と、内層基板の導体回路との間に気泡が発生することがないものである。特に接着シートを、上記のように未反応部分の多い半硬化状態として形成すると、加熱加圧時に流動して内層基板の導体回路の埋め込み性が向上するものである。またこのようにして製造される積層板においては、上記のように金属箔付き接着シートの金属箔と接着シートとの間には気泡が介在しないため、絶縁層に気泡が発生することを防ぐことができ、内層基材の導体回路と、外層の導体回路用の金属箔との間の絶縁信頼性を確保することができるものである。そしてこのように製造される積層板の表面の金属箔にエッチング処理を施すことにより、導体回路を形成し、更に必要に応じて絶縁層にスルーホール又はバイアホールを形成し、プリント配線板用を製造することができる。またこのようにして製造された積層板の導体回路表面に更に同様にして絶縁層の形成、ホール加工、及び導体回路の形成を行い、これを繰り返し行うことにより、多層のプリント配線板を製造することができる。
【0025】
ここで、上記の積層板を製造するための内層基板としては、特に限定するものではないが、例えばエポキシ樹脂系、フェノール樹脂系、ポリイミド樹脂系、不飽和ポリエステル樹脂系等の熱硬化性樹脂や、これらの熱硬化性樹脂に無機充填材等を配合した樹脂組成物にて形成される絶縁板や、ガラス繊維等の無機質繊維やポリエステル、ポリアミド、木綿等の有機質繊維のクロス、ペーパー等の基材を、複数枚積層して上記熱硬化性樹脂で接着して形成される絶縁板を用い、これらの絶縁板の片面又は両面に銅箔等の金属箔を貼着し、この表面の金属箔にエッチング処理等を施して導体回路を形成したもの、あるいは絶縁板の表面にめっき処理を施して導体回路を形成したもの等を使用することができる。
【0026】
上記のようにして製造される積層板は、絶縁層を、誘電率及び誘電正接が低減された接着シートにて形成するため、高周波特性が要求される分野における誘電特性に優れた積層板を得ることができるものである。また接着シートを内層基板の導体回路に接着する際に、接着シートが導体回路の形状に追随して変形し、接着シートにて形成される絶縁層と、内層基板の導体回路との間に気泡が発生することがないものである。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。〔実施例1〕 日本GEプラスチック製の数平均分子量(Mn)20000のポリフェニレンエーテル(PPE)60gと、エラストマー成分として上記一般式(A)で示され、式中のmの値が200、nの値が120であるスチレンブタジエンコポリマー(旭化成工業(株)製、商品名「タフプレンA」)5gと、TAIC(日本化成(株)製)35gと、トルエン200gとを配合して、90℃で60分間攪拌後、反応開始剤としてパーブチルP(商品名、日本油脂(株)製)を1.5g加えた後、30℃まで冷却し接着シート用組成物を調製した。
【0028】
次いで、得られた接着シート用組成物を、離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターを用いて塗布した後、130℃で5分間処理し、樹脂塗布厚み60μmの接着シートを得た。
【0029】
次いで、銅張積層板(松下電工(株)製、商品名「R−1766」)の表面の銅箔(厚み0.018mm)にエッチング処理を施して両面に導体回路を形成した内層基板を得た。そしてその内層基板の表裏に接着シートをそれぞれ1枚ずつ重ね、温度180℃、圧力30kg/cm2の条件で100分加熱・加圧した後、PETフィルムを剥離して両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
〔実施例2〕
接着シート用組成物中のPPEの配合量を45g、TAICの配合量を50g、トルエンの配合量を150gとした以外は、実施例1と同様にして接着シートを作製し、この接着シートを用いて、実施例1と同様にして両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
〔実施例3〕
接着シート用組成物中のPPEの配合量を30g、TAICの配合量を65g、トルエンの配合量を100gとした以外は、実施例1と同様にして接着シートを作製し、この接着シートを用いて、実施例1と同様にして両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
参考例1
実施例1と同様の組成の接着シート用組成物を厚み0.018mmの金属箔の片面に塗布した後、130℃で5分間処理し、樹脂塗布厚み60μmの接着シートを有する金属箔付き接着シートを得た。そして実施例1と同一の内層基板の表裏に、金属箔付き接着シートをそれぞれ1枚ずつ、接着シート側が内層基板の導体回路と密着するように重ね、温度180℃、圧力30kg/cm2の条件で100分加熱・加圧して、両面に絶縁層が形成され、更にその外側に金属箔の層が形成された積層板を得た。
参考例2
実施例2と同様の組成の接着シート用組成物を用いて、参考例1と同様にして金属箔付き接着シートを作製し、この金属箔付き接着シートを用いて参考例1と同様にして、両面に絶縁層が形成され、更にその外側に金属箔の層が形成された積層板を得た。
参考例3
実施例3と同様の組成の接着シート用組成物を用いて、参考例1と同様にして金属箔付き接着シートを作製し、この金属箔付き接着シートを用いて参考例1と同様にして、両面に絶縁層が形成され、更にその外側に金属箔の層が形成された積層板を得た。
〔比較例1〕
接着シート用組成物中のPPEの配合量を65g、TAICの配合量を30g、トルエンの配合量を250gとした以外は、実施例1と同様にして接着シートを作製し、この接着シートを用いて、実施例1と同様にして両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
〔比較例2〕
接着シート用組成物中のPPEの配合量を25g、TAICの配合量を70g、トルエンの配合量を80gとした以外は、実施例1と同様にして接着シートを作製しようと試みたが、シート状に形成することができなかった。
〔比較例3〕
接着シートの代わりにFR−4タイプのガラス基材エポキシ樹脂プリプレグ(松下電工株式会社製、品番「R1661」)を用いた以外は、実施例1と同様にして両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
〔比較例4〕
ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂90重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂10重量部、末端カルボキシル基変性ブタジエン−アクリロニトリル((株)宇部興産製、商品名:HYCARCTBN)、12重量部、ジシアンジアミド2重量部、2−エチル−4メチルイミダゾール(2E4MZ)0.08重量部の組成のエポキシ樹脂組成物を接着シート用組成物として用い、この接着シート用組成物にて、実施例1と同様にして接着シートを作製し、この接着シートを用いて、実施例1と同様にして両面に絶縁層が形成された積層板を得た。
(評価試験)
〔回路埋め込み性〕
各実施例、各参考例、並びに比較例1、3、4で得られた積層板における、内層基板の導体回路への絶縁層の埋め込み性を、積層板の表面より50倍のマイクロスコープにて観察することにより確認し、絶縁層と内層基板の導体回路との間に気泡が認められなかったものを「○」、絶縁層と内層基板の導体回路との間に気泡が発生したものを「×」として評価した。
〔誘電特性〕
各実施例、各参考例、並びに比較例1、4で用いた接着シート用組成物を、離型剤で表面処理したポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコーターを用いて塗布した後、130℃で5分間処理し、樹脂塗布厚み60μmの接着シートを得た。このような接着シートをポリエチレンテレフタレートフィルムを付けたまま、接着シート側が重なるように2枚積層し、温度180℃、圧力30kg/cm2の条件で100分加熱熱・加圧した後、PETフィルムを剥離して、接着シートの硬化物からなる樹脂硬化物を作製し、この樹脂硬化物の誘電率及び誘電正接を、MIL法に準じて測定した。また比較例3で用いたプリプレグを2枚積層し、温度180℃、圧力30kg/cm2の条件で100分加熱・加圧した後、PETフィルムを剥離して樹脂硬化物を作製し、この樹脂硬化物の誘電率及び誘電正接を、MIL法に準じて測定した。
【0030】
以上の結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
Figure 0004214573
表1から明らかなように、実施例1乃至における絶縁層は、比較例3のエポキシ樹脂を用いたプリプレグからなる絶縁層や、比較例4のエポキシ樹脂組成物からなる絶縁層と比べて、誘電率及び誘電正接が低減し、誘電特性が向上したことが確認できた。また接着シート用組成物中のTAICの配合量が小さすぎる比較例1では、回路埋め込み性が悪化し、TAICの配合量が大きすぎる比較例2では、接着シートを成形するこができないことが確認できた。
【0032】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に記載の積層板の製造方法は、数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテルと、エラストマーと、トリアリルイソシアヌレートとを含有し、数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテルとエラストマーとの合計量と、トリアリルイソシアヌレートとの配合重量比を、65/35〜35/65として成る接着シート用組成物をキャリアフィルムの表面にシート状に成形して接着シートを形成し、この接着シートを導体回路を有する内層基板の表面に重ねて加熱及び加圧した後、キャリアフィルムを剥離して前記内層基板の導体回路の外側に絶縁層を形成するため、シート状に成形する際の接着シート組成物の成形性が良好であり、かつこの接着シート用組成物を硬化させることにより、良好な柔軟性を有すると共に、誘電率及び誘電正接が低減された硬化物を成形することができるものである。その際、接着シートを、表面に導体回路を有する基板のその表面の導体回路と接着するため、導体回路の外側に、誘電率及び誘電正接が低く、誘電特性が向上した接着シートにて形成された絶縁層が配置された積層板を得ることができるものであり、高周波特性が要求される分野における誘電特性に優れた積層板を得ることができるものである。また接着シートを内層基板の導体回路に接着する際に、接着シートが導体回路の形状に追随して変形し、接着シートにて形成される絶縁層と、内層基板の導体回路との間に気泡が発生することがないものである。
【0033】
また本発明の請求項2に記載の接着シート用組成物は、エラストマーとしてスチレンブタジエンコポリマーを用いるため、エラストマーの添加量を少量にしても、接着シート組成物のシート成形性を高くすることができるものである。

Claims (2)

  1. 数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテルと、エラストマーと、トリアリルイソシアヌレートとを含有し、数平均分子量が10000〜30000のポリフェニレンエーテルとエラストマーとの合計量と、トリアリルイソシアヌレートとの配合重量比を、65/35〜35/65として成る接着シート用組成物をキャリアフィルムの表面にシート状に成形して接着シートを形成し、この接着シートを導体回路を有する内層基板の表面に重ねて加熱及び加圧した後、キャリアフィルムを剥離して前記内層基板の導体回路の外側に絶縁層を形成することを特徴とする積層板の製造方法。
  2. エラストマーとしてスチレンブタジエンコポリマーを用いることを特徴とする請求項1に記載の積層板の製造方法
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