JPH09144297A - 吊り上げ収納装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 見栄えが良く、かつ、簡素な構造の吊り上げ
収納装置を提供する。 【解決手段】 家屋の収納場所に荷を吊り下げた状態で
収納する吊り上げ収納装置であって、荷を垂下した状態
で支持する昇降フレーム１と、この昇降フレーム１の四
箇所を吊り上げる４本のベルト２と、これらの４本のベ
ルト２を等速度で上方へ巻上げる巻上機構３と、下方に
垂れ下がり、引っ張ることで前記巻上機構３を操作する
操作ロープ４と、前記昇降フレーム１に加わわる下方へ
の負荷によって前記ベルト２が巻き出されるのを防止す
ると共に、前記操作ロープ４の操作によるベルト２の巻
上げ巻出しを許容するワンウェイ装置５とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、屋根裏などの家屋
の収納場所に荷を吊り下げた状態で収納する吊り上げ収
納装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種の吊り上げ収納装置と
して、特開平５−２５６０１８号公報などに開示された
ものが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この先行技術
では、ガイドレールを設けているので、家屋の一部にガ
イドレールが見えるから、見栄えが悪くなる。また、従
来はモータを用いているので、装置が大がかりになる。

【０００４】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たもので、その目的は、見栄えが良く、かつ、簡素な構
造の吊り上げ収納装置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、荷を垂下した状態で支持する昇降フレー
ムと、この昇降フレームの四ヶ所を吊り上げる４本のベ
ルトと、これらの４本のベルトを等速度で上方へ巻上げ
る巻上機構と、下方に垂れ下がり、引っ張ることで前記
巻上機構を操作する操作ロープと、前記昇降フレームに
加わる下方への荷重によって前記ベルトが巻き出される
のを防止すると共に、前記操作ロープの操作によるベル
トの巻上げ巻出しを許容するワンウェイ装置とを備えて
いる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
にしたがって説明する。図１において、吊り上げ収納装
置は、四角い枠状の昇降フレーム１、４本のベルト２、
巻上機構３、操作ロープ４およびワンウェイ装置５など
で構成されている。

【０００７】昇降フレーム１は、４本のパイプ１０を枠
状に組立ててなるもので、その四隅にはフック１１が掛
けてある。これらのフック１１には、たとえば、図３お
よび図４の二点鎖線で示すワーク支持台車１２が吊り下
げられる。なお、ワーク支持台車１２には、たとえば樹
脂容器１３を載せる。ベルト２は、パイプ１０の四隅を
吊り上げるもので、たとえば樹脂ベルトで構成されてい
る。

【０００８】図１の巻上機構３は、４本のベルト２を等
速度で上方へ巻き上げ、かつ、等速度で下方へ巻き出す
ものである。巻上機構３は回転軸３０に固定された一対
の巻取ローラ３１と、支持軸３２に回転自在に取り付け
たフリーローラ３３とを備えている。前記巻取ローラ３
１は、回転軸３０に同軸上に設けられ、図２に示すよう
に、２本のベルト２を上下から２条にして巻き取ると共
に、巻取ローラ３１（図１）の中心Ｏを中心として点対
称に巻き取る。したがって、２本のベルト２におけるベ
ルト２が巻き取られる点Ｐから中心Ｏまでの距離は、互
いに等しいので、ベルト２の巻取巻出速度は同一にな
る。なお、回転軸３０は、図５に示すように、減速機３
４を介して、駆動軸５０に連結されている。

【０００９】操作ロープ４は、ゴム等の丸ゴムの両端部
の端面を互いに接着ないし溶着したエンドレスのロープ
で構成されており、巻上機構３を操作するためのもので
ある。この操作ロープ４は、図５のワンウェイ装置５の
プーリ５１に巻き付けられていると共に下方に垂れ下っ
ている（図１）。

【００１０】ワンウェイ装置５は、昇降フレーム１（図
１）に加わる下方への負荷によってベルト２が巻き出さ
れるのを防止すると共に、操作ロープ４の操作によるベ
ルト２の巻上げ巻出しを許容するものである。このワン
ウェイ装置５は、たとえば、以下に説明するような周知
のネジ式ブレーキを採用することができ、ボックス５２
内に収容されている。駆動軸５０には、雄ネジ５３ａを
備えた雄ネジ部材５３が固定されており、この雄ネジ部
材５３にプーリ５１が緩くねじ込んである。雄ネジ部材
５３とプーリ５１との間には、摩擦板５４および爪歯車
５５が設けてある。爪歯車５５には、図６のように、爪
歯車５５がＲ１方向に回転するのを阻止すると共に、爪
歯車５５がＲ２方向へ回転するのを許容する爪５６が係
合している。今、図５のプーリ５１を操作ロープ４によ
って雄ネジ５３ａと同一方向（Ｒ１）へ回転すると、雄
ネジ５３ａが緩み、摩擦板５４と爪歯車５５との摩擦力
が小さくなるのに伴い、荷物の自重によって駆動軸５０
が回転する。一方、プーリ５１をＲ２方向へ回転する
と、図６の爪歯車５５が爪５６を蹴りながら、駆動軸５
０が回転する。また、ベルト２に加わる負荷によって、
駆動軸５０がＲ１方向へ回転しようとすると、爪歯車５
５が爪５６に係合すると共に図５の雄ネジ５３ａがねじ
込まれて、摩擦板５４の摩擦力により爪歯車５５が雄ネ
ジ部材５３およびプーリ５１と一体になり、そのため、
駆動軸５０は回転しない。

【００１１】図３の回転軸３０等は、屋根裏に形成した
枠状の本体フレーム６に支持されている。本体フレーム
６の下部には樹脂容器１３を本体フレーム６内に収納し
た後に、ワーク支持台車１２等が下方へ落下するのを防
止する安全バー６１が設けられている。安全バー６１
は、本体フレーム６の下部に斜めに架設し得ると共に、
本体フレーム６に沿って、ワーク支持台車１２の昇降の
邪魔にならない位置に収納できるようになっている。ま
た、天井８の開口部８０を閉塞する蓋８１には、操作ロ
ープ４を引っ掛けるフック８２が設けてある。

【００１２】つぎに、樹脂容器１３の収納方法について
説明する。樹脂容器１３を収納する際には、まず、蓋８
１を開き、操作ロープ４をフック８２から外して、安全
バー６１を本体フレーム６に沿って収納し、操作ロープ
４を引っ張り操作して、昇降フレーム１と共にワーク支
持台車１２を下降させる。ついで、ワーク支持台車１２
に樹脂容器１３を積み込む。この積み込み後、操作ロー
プ４を引っ張り操作して、ワーク支持台車１２を昇降フ
レーム１と共に天井８上の本体フレーム６内に持ち上げ
る。この後、安全バー６１を本体フレーム６の下部に架
設し、操作ロープ４をフック８２に引っ掛けて蓋８１で
開口部８０を閉じる。

【００１３】前記構成においては、操作ロープ４を操作
することにより、図１の回転軸３０が回転し、４本のベ
ルト２が等速度で巻き上げられ、かつ、巻出される。し
たがって、片荷状態でも昇降フレーム１を水平な状態に
保つことができ、また、ガイドレールがないので、吊り
上げ収納装置の見栄えが良くなる。また、操作する部材
をチェーンではなくロープとしたので、図３のフック８
２に引掛けて簡単に操作ロープ４を収納できるから、見
栄えがよくなる。また、図５のワンウェイ装置５を設け
たので、モータを用いなくてもブレーキが作動するか
ら、簡素な構成となり、コストダウンを図り得る。

【００１４】ところで、本発明では、操作ロープ４をエ
ンドレス（無端状）にするのが好ましいが、繊維ロープ
などでは、ロープをエンドレスにするのが難しい。これ
に対し、本実施形態では、操作ロープ４をゴム製とした
から、たとえば丸ゴムの両端部を互いに接着することに
より、操作ロープ４を容易にエンドレスにすることがで
きる。

【００１５】ところで、巻取ローラ３１を２個ではなく
４個設け、４本のベルト２を４つの巻取ローラ３１で巻
き取ると、ベルト２の位置が回転軸３０に対して非対称
になってバランスが悪くなる上、巻取ローラ３１が４つ
必要になるので、コストアップなどを招く。これに対
し、本実施形態では、２つの巻取ローラ３１で４本のベ
ルト２を巻き取るので、かかる問題が生じない。

【００１６】なお、本発明は、屋根裏だけでなく、階段
の踊り場の上や屋外など空いている場所に適用すること
ができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
４本のベルトで昇降フレームの４ヶ所を吊り上げるの
で、重量バランスの悪い荷物でもバランス良く吊り上げ
ることができると共に、ガイドレールを必要としないか
ら見栄えが良くなる。また、ワンウェイ装置を設けてい
るので、モータを用いなくてもブレーキが作動するか
ら、簡単な構造となって、コストダウンを図り得る。さ
らに、操作部材がチェーンと異なり、操作ロープなの
で、家屋の内外に設置しても違和感がなく、更に、操作
ロープなので、ロープ自体も収納し易い。

【００１８】また、請求項２のように、操作ロープをゴ
ム製とすれば、容易にエンドレス（無端状）とすること
ができる。

【００１９】さらに請求項３の発明では、４本のベルト
を２本の巻取ローラで巻き取ることができるから、コス
トダウンを図り得るなどの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の吊り上げ収納装置の一実施形態を示す
斜視図である。

【図２】ベルトの巻取構造を示す模式図である。

【図３】吊り上げ収納装置の側面図である。

【図４】同正面図である。

【図５】ワンウェイ装置の概略断面図である。

【図６】爪および爪歯車の一部を示す正面図である。

【符号の説明】

１：昇降フレーム ２：ベルト ３：巻上機構 ４：操作ロープ ５：ワンウェイ装置 ３１：巻取ローラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 家屋の収納場所に荷を吊り下げた状態で
   収納する吊り上げ収納装置であって、 荷を垂下した状態で支持する昇降フレームと、 この昇降フレームの四ヶ所を吊り上げる４本のベルト
   と、 これらの４本のベルトを等速度で上方へ巻上げる巻上機
   構と、 下方に垂れ下がり、引っ張ることで前記巻上機構を操作
   する操作ロープと、 前記昇降フレームに加わる下方への荷重によって前記ベ
   ルトが巻き出されるのを防止すると共に、前記操作ロー
   プの操作によるベルトの巻上げ巻出しを許容するワンウ
   ェイ装置とを備えた吊り上げ収納装置。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記操作ロープがゴムで無端状に形成されている吊り上
   げ収納装置。
3. 【請求項３】 請求項１もしくは２において、 前記巻上機構は、２本のベルトを巻き取る巻取ローラが
   同軸上に一対設けられ、各巻取ローラが２本のベルトを
   ２条にして巻き取ると共に、巻取ローラの中心を中心と
   して点対称に巻き取る吊り上げ収納装置。