JP3010837U - ウインチにおけるたるみ防止用繰出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ウインチによるワイヤ−繰出し操
作の際のワイヤ−のたるみを防止する繰出装置を提供す
ることを目的とするものである。 【構成】 本考案は、ウインチ２を繰出操作すると繰出
ロ−ラ−９、９がワイヤ−４を挟持し、同時に繰出ロ−
ラ−９、９がウインチ２の速度に応じて駆動回転し、ワ
イヤ−４にたるみが発生しないよう作動する構成とな
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は転錨船等のアンカ−吊用ウインチのワイヤ−繰り出しの際のワイヤ− のたるみを防止する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より例えば転錨船上に設置される大型アンカ−吊用ウインチは、図３に示 すように、台船ａ上にウインチｂと懸架フレ−ムｃが設置され、懸架フレ−ムｃ 上端に設けられるガイドロ−ラ−ｄを介してワイヤ−ｅが懸架され、その先端に フックｆが装着された構成とするものである。 そしてウインチｂのワイヤ−ｅの繰り出しによりフックｆを下降させアンカ− を引っ掛けて、ワイヤ−ｅの巻き上げにより作業を行うものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらウインチｂと懸架フレ−ムｃのガイドロ−ラ−ｄとの間の距離の ワイヤ−重量Ａと、プ−リ−ｄとフックｆとの間の距離のワ−ヤ−とフックとの 合計重量Ｂが、Ａ＞Ｂの場合には、ワイヤ−ｅを繰り出す際に、図中想像線で示 すようにワ−ヤ−ｅにたるみを生ずることとなる。

【０００４】 そこでたるみを生じる際には、人力によってフックｆを引っ張り降ろさなけれ ばならず、非常な手間を生じ、非効率的な作業となっている。 又ワ−ヤ−ｅのたるみを防止するためには、フックｆの重量を大きくするしか なく、その為にフックの大型化となり、アンカ−側にフックを掛ける作業が困難 で危険性を伴うこととなる。 そこで本考案では上記問題点を解消するために、ウインチとは別個の、取り付 け容易なたるみ防止用としての繰出装置を提供することを目的とするものである 。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記目的は次の如き装置によって達成できる。即ちその要旨はウイン チに巻回されるワイヤ−が懸架フレ−ムの上端に枢支されるガイドロ−ラ−に懸 架され、その先端にフックが連結されるウインチシステムにおいて、上記懸架フ レ−ムに吊下される分割状の繰出ロ−ラ−支持部に、対峙状に繰出ロ−ラ−を所 要数配設せしめ、更に上記ワイヤ−を繰出ロ−ラ−によって自在に挟持、あるい は離脱可能とし、かつ上記ウインチの速度に応じてワイヤ−にたるみが発生しな い回転速度で上記繰出ロ−ラ−を駆動回転せしめた如き構成としたことを特徴と するウインチにおけるたるみ防止用繰出装置である。

【０００６】

【作用】

本考案のたるみ防止用繰出装置は、ウインチを繰出し操作すると繰出ロ−ラ− がワイヤ−を挟持し、同時に繰出ロ−ラ−がウインチの速度に応じて駆動回転し 、ワイヤ−にたるみが発生しないように作動するものである。 そしてウインチを停止および巻込みに操作すると繰出ロ−ラ−はワイヤ−から 自動的に離脱し、ワイヤ−の巻込み作業に支障を来すことがない構成となるもの である。

【０００７】

【実施例】

以下本考案に係る昇降用ウインチにおけるたるみ防止用繰出装置を、その実施 例を示す図面を参酌し乍ら詳述する。 図１に示すように、１はウインチ２と懸架フレ−ム３とから構成されるウイン チシステムである。 このウインチシステム１は、上記ウインチ２に巻回されるワイヤ−４が懸架フ レ−ム３の上端に枢支されるガイドロ−ラ−５にワイヤ−４が懸架され、その先 端にフック６が連結されるものである。 そして上記ウインチ２による繰出し、又は巻込み操作によって上記フック６の 上下操作を行うものである。

【０００８】 そこで上記懸架フレ−ム３の上方位置にたるみ防止用繰出装置７を吊下するも のであり、このたるみ防止用繰出装置７は図２に示すように、分割状とされる繰 出ロ−ラ−支持部８、８に対峙状に各繰出ロ−ラ−９、９を設けるものである。 そして上記繰出ロ−ラ−支持部８、８に装着される着脱シリンダ−１０によって 上記ワイヤ−４を各繰出ロ−ラ−９、９によって挟持する構成とするものである 。 なお上記繰出ロ−ラ−９、９を駆動モ−タ−１１によってウインチ２の繰出し 速度と同期速度、あるいはそれ以上の回転速度となるように駆動回転させる機構 とするものである。

【０００９】

【考案の効果】

以上述べて来た如く本考案によれば、ワイヤ−の繰出しがスム−ズに行え、か つ従来に比べ、吊り荷フック部のウェイトを軽くすることができる為に、フック の掛け替え作業が一人でも容易に行うことができ、作業効率が非常に良くなる。 又既存のウインチシステムに容易に取り付けることが可能であり、非常に経済 的となる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の概要を示す全体説明図である。

【図２】本考案のたるみ防止用繰出装置を示す説明図で
ある。

【図３】従来のウインチシステムの概要を示す全体説明
図である。

【符号の説明】

１ ウインチシステム ２ ウインチ ３ 懸架フレ−ム ４ ワイヤ− ５ ガイドロ−ラ− ６ フック ７ たるみ防止用繰出装置 ８ 繰出ロ−ラ−支持部 ９ 繰出ロ−ラ− １０ 着脱シリンダ− １１ 駆動モ−タ−

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ウインチに巻回されるワイヤ−が懸架フ
   レ−ムの上端に枢支されるガイドロ−ラ−に懸架され、
   その先端にフックが連結されるウインチシステムにおい
   て、上記懸架フレ−ムに吊下される分割状の繰出ロ−ラ
   −支持部に、対峙状に繰出ロ−ラ−を所要数配設せし
   め、更に上記ワイヤ−を繰出ロ−ラ−によって自在に挟
   持、あるいは離脱可能とし、かつ上記ウインチの速度に
   応じてワイヤ−にたるみが発生しない回転速度で上記繰
   出ロ−ラ−を駆動回転せしめた如き構成としたことを特
   徴とするウインチにおけるたるみ防止用繰出装置。