JPH09315760A - 寄付き天秤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレーンフックの最大寄付き位置の外での機
器を揚重し、据え付ける場合でも、揚重物の形状に関係
なく、簡単な装置で水平に揚重物を揚重し、据え付ける
ことができる寄付き天秤を提供する。 【解決手段】 クレ−ンのワイヤロープ１２の先端に設
けたフック１３に寄付き天秤１４を吊持する。本体１４
ａの両端側には固定滑車１５ａ、１５ｂを取り付け、本
体１４ａの中心線Ｍで示す中央部にはシャックル１６に
ワイヤロープ１７が垂下し、その先端にはバランスウエ
イト１９が吊持されている。シャックル１８にはワイヤ
ソケット２０を介してワイヤロープ２１の一端が取り付
けられ、ワイヤロープ２１は固定滑車１５ａを巻き回
り、本体１４ａを走り、固定滑車１５ｂを巻き回り、垂
下し、他端にはワイヤソケット２２を取り付け、ワイヤ
ソケット２２を介して補助ワイヤロープ２３により揚重
物２４が吊持されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は特に原子力発電所の
ポーラクレーン等に使用する寄付き天秤に関する。

【０００２】

【従来の技術】原子力発電所のポーラクレーン等ではク
レーン作業において、クレーンフックの最大寄付位置の
外で機器の据付け等を行う場合が多く、そのための専用
の揚重設備が設置されている。

【０００３】しかし、専用の揚重設備を設置する場合は
煩雑になり易く、また設備費、運転費が増大する等の問
題がある．そのために、ポーラクレーン等に寄付き天秤
を使用して、簡単な設備で対処することが試みられてい
る。寄付き天秤はクレーンフックの最大寄付位置の外で
機器の据付け等を行うことのできる吊り天秤を云う。

【０００４】寄付き天秤を使用した場合は、揚重物の吊
り上げ時に水平に揚重することが重要である。そのた
め、一般には寄付き天秤にバランスウェートを使用して
揚重物を揚重している（先行技術１）。

【０００５】図４はその一例を示すもので、寄付き天秤
２の本体２ａの一端にバランスウェート３を取り付け、
他端にフック４を介して揚重物５を吊持している。揚重
物５は寄付き天秤２により吊持され、クレーン１のフッ
ク６を巻き上げて所定の位置まで運搬され、そこで据え
付けされる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術１では以下の問題がある。バランスウェート３は寄付
き天秤２の本体２ａの揚重物５側と反対側の端部に固定
されているので、揚重物５の如何によっては吊り上げ時
（地切り時とも云う）にバランスを崩しやすい。また、
仮置き時に同様にバランスを崩しやすい。揚重物５の吊
り上げ時にバランスウェート３とのバランスを崩した場
合は、特に狭い場所での作業ではバランスを立て直すの
に困難であり、また危険を伴う。そのために、揚重物の
吊持作業に必要以上に時間を要する。

【０００７】本発明は上記のような問題点の解決を図っ
たものであり、クレーンフックの最大寄付き位置の外で
の機器を揚重し、据え付ける場合でも、揚重物の形状に
関係なく、簡単な装置で水平に揚重物を揚重し、据え付
けることのできる寄付き天秤を提供することを目的とす
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明はク
レーンの寄付き天秤であって、前記天秤の本体は両端部
に滑車を取り付け、中央部にワイヤロープを垂下して、
該ワイヤロープの先端に取付け金具を介してバランスウ
エートを吊持し、該取付け金具に一端を固定したワイヤ
ロープを前記滑車に巻き回して垂下させ、他端に取付け
金具を介して揚重物を取付けるようにしたことを特徴と
する寄付き天秤である。

【０００９】請求項２に係る発明は請求項１に係る発明
において、前記滑車に対応した動滑車を設けて、動滑車
の支持部材に金具を介して揚重物を取付けるようにした
寄付き天秤である。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１は本発明の寄付き天秤の一つ
の実施の形態を示す側面図である。クレ−ンのワイヤロ
ープ１２の先端に設けたフック１３に寄付き天秤１４が
吊持されている。寄付き天秤１４の本体１４ａの両端側
に固定滑車１５ａ、１５ｂが取り付けられている。寄付
き天秤１４の本体１４ａの中心線Ｍで示す中央部にはシ
ャックル１６にワイヤロープ１７が垂下されており、ワ
イヤロープ１７の先端にはシャックル１８が取り付けら
れ、バランスウエイト１９が吊持されている。

【００１１】シャックル１８にはワイヤソケット２０を
介してワイヤロープ２１の一端が取り付けられている。
ワイヤロープ２１は固定滑車１５ａを巻き回り、本体１
４ａを走り、固定滑車１５ｂを巻き回り、垂下してい
る。ワイヤロープ２１の他端にはワイヤソケット２２が
取り付けられており、ワイヤソケット２２を介して補助
ワイヤロープ２３により揚重物２４が吊持されている。

【００１２】揚重物２４が基盤３６上にある場合は、バ
ランスウエイト１９は本体１４ａの中央部に垂下して静
止している。クレ−ンのワイヤロープ１２を巻き上げ
て、寄付き天秤１４を吊り上げ、揚重物２４を基盤２５
から揚重するとバランスウエイト１９は揚重物２４の重
量に応じて、ワイヤロープ２１が揚重物２４の重さに引
っ張られて、中央部の下方位置から太矢印に示すように
右側に移動して、所定位置でバランスされて静止する。

【００１３】バランスされた状態でクレ−ンを移動させ
て、所定の場所に揚重物２４を搬送する。そこで揚重物
２４を垂下して、所定場所に設置させるとバランスウエ
イト１９は本体１４ａの中央部の下方に移動して静止す
る。揚重物２４は所定場所に据え付けられる。

【００１４】図２は本発明の寄付き天秤に用いる滑車に
複数列の滑車を組み合わせた場合の斜視図である。揚重
物が重量物の場合に、固定滑車群２５、動滑車群２６を
支持具２７、２８に軸２９、３０を介して取り付けてい
る。揚重物は動滑車群２５の支持具２８に吊り下げる。

【００１５】固定滑車群２５は固定滑車２５ａ、２５
ｂ、２５ｃ、２５ｄ、２５ｅが一本の軸２９に付いてい
るが、それぞれ自由に回転するようになっている。同様
に動滑車群２６は動滑車２６ａ、２６ｂ、２６ｃ、２６
ｄ、２６ｅが一本の軸３０に付いているが、それぞれ自
由に回転するようになっている。動滑車群２６は支持具
２８に取り付けたフック３７に揚重物を吊り下げるよう
にしている。

【００１６】図１に示すようなバランスウエイトと一端
側が係合しているワイヤロープ２１はガイド滑車３１を
巻き回り、固定滑車２５ａ、動滑車２６ａ、固定滑車２
５ｂ、動滑車２６ｂ、固定滑車２５ｃ、動滑車２６ｃ、
固定滑車２５ｄ、動滑車２６ｄ、固定滑車２５ｅ、動滑
車２６ｅを巻き廻って固定滑車群２５の支持具２７に先
端を固定している。

【００１７】ここではワイヤロープ２１を引くと動滑車
群２６は吊り上がる。複数列の滑車が出す力の倍率は使
われている滑車の数に等しい。ここでは揚重物は１０個
の滑車で引き上げられるので、その作動力は１０倍に拡
大し、重量物も容易に吊持することができる。

【００１８】図３は動滑車を取り付けた寄付き天秤によ
る揚重物の吊持の状態を示す側面図である。クレ−ン１
のワイヤロープ１２の先端に設けたフック１３に寄付き
天秤１４が吊持されている。寄付き天秤１４の本体１４
ａの両端側に固定滑車群３２ａ、３２ｂが取り付けられ
ている。固定滑車群３２ａ、３２ｂに対応して動滑車群
３３ａ、３３ｂが取り付けられている。

【００１９】寄付き天秤１４には本体１４ａの中央部か
らシャックル１６に取り付けられたワイヤロープ１７が
シャックル１８に取り付けられ、シャックル１８にはバ
ランスウエイト１９が吊持されている。シャックル１８
には動滑車群３３ａが係合されており、固定滑車群３２
ａに一端を固定したワイヤロープ２１が動滑車群３３ａ
と固定滑車群３２ａの各滑車を巻き回り、本体１４ａを
走って、固定滑車群３２ｂと動滑車群３３ｂを巻き回っ
て、固定滑車群３２ｂの支持具に一端が固定されてい
る。

【００２０】動滑車群３３ｂにはフック３４により圧力
容器の蓋３５が吊持されている。圧力容器の蓋３５のよ
うな形状の揚重物であっても、クレ−ン１のワイヤロー
プ１２を巻き上げて、寄付き天秤１４を基盤３６から吊
り上げた場合に、バランスウエイト１９は蓋３５の重量
に対応して、寄付き天秤１４の右側端部の方に移動し
て、バランスする。バランスさせた状態でクレ−ン１を
移動させて、所定の場所に搬送する。そこで蓋３５を垂
下して、所定場所に設置させるとバランスウエイト１９
は本体１４ａの中央部の下方に移動して静止する。蓋３
５は所定場所に据え付けられる。

【００２１】本発明による寄付き天秤では対象とする揚
重物の形状、大きさ、重量等に応じて、バランスウエイ
トの重量、バランスウエイトを吊持するワイヤロープ、
滑車数等が計算プログラムにより効率的に算出できる。

【００２２】上記した実施の態様に示すように、本発明
によれぱ以下のような効果がある。 （１）専用の揚重設備が不要となる。 （２）玉掛け作業が安全にできる。 （３）作業がスムーズにできる。 （４） 工期短縮ができる。 （５）仮置及び作業スペースが大きく取れる。 （６）滑車数によって大容量の揚重物も吊持できる。

【００２３】本発明の寄付き天秤は原子力発電所ポーラ
クレーン、Ａ／Ｂクレーンで使用できるとともに、火力
発電所タービン建屋天秤クレーン等でも使用できる。ま
た、移動式クレーン、橋形クレーン等でも使用できる。

【００２４】

【発明の効果】以上のように、本発明はクレーンフック
の最大寄付き位置の外での機器を揚重し、据え付ける場
合でも、揚重物の形状に関係なく、簡単な装置で水平に
揚重物を揚重し、据え付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の寄付き天秤の一つの実施の形態を示す
側面図である。

【図２】本発明の寄付き天秤に用いる滑車に複数列の滑
車を組み合わせた場合の斜視図である。

【図３】本発明の寄付き天秤に動滑車を用いた場合の揚
重物の吊持の状態を示す側面図である。

【図４】従来のバランスウエイトを用いた寄付き天秤の
一例を示す側面図である。

【符号の説明】

図４はその一例を示すもので、寄付き天秤２の本体２ａ
の一端にバランスウェート３を取り付け、他端にフック
４を介して揚重物５を吊持している。揚重物５は寄付き
天秤２により吊持され、クレーン１のフック６を １ クレーン ２ 寄付き天秤 ２ａ 本体 ３ バランスウェート ４ フック ５ 揚重物 ６ フック １２、１７、２１ ワイヤロープ １３、３４ フック １４ 寄付き天秤 １４ａ 寄付き天秤の本体 １５ａ、１５ｂ 固定滑車 １６、１８ シャックル １９ バランスウエイト ２０、２２ ワイヤーソケット ２３ 補助ワイヤロープ ２４ 揚重物 ２５ 固定滑車群 ２５ａ、２５ｂ、２５ｃ、２５ｄ、２５ｅ 固定滑車 ２６ 動滑車群 ２６ａ、２６ｂ、２６ｃ、２６ｄ、２６ｅ 動滑車 ２７、２８ 支持具 ２９、３０ 軸 ３１ ガイド滑車 ３２ａ、３２ｂ 固定滑車群 ３３ａ、３３ｂ 動滑車群 ３４ フック ３５ 圧力容器の蓋 ３６ 基盤

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クレーンの寄付き天秤であって、前記天
   秤の本体は両端部に滑車を取り付け、中央部にワイヤロ
   ープを垂下して、該ワイヤロープの先端に取付け金具を
   介してバランスウエートを吊持し、該取付け金具に一端
   を固定したワイヤロープを前記滑車に巻き回して垂下さ
   せ、他端に取付け金具を介して揚重物を取付けるように
   したことを特徴とする寄付き天秤。
2. 【請求項２】 前記滑車に対応した動滑車を設けて、動
   滑車の支持部材に金具を介して揚重物を取付けるように
   したことを特徴とする請求項１記載の寄付き天秤。