JPH09111280A - リチウムコンプレックスグリース組成物 - Google Patents

リチウムコンプレックスグリース組成物

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JPH09111280A
JPH09111280A JP27100995A JP27100995A JPH09111280A JP H09111280 A JPH09111280 A JP H09111280A JP 27100995 A JP27100995 A JP 27100995A JP 27100995 A JP27100995 A JP 27100995A JP H09111280 A JPH09111280 A JP H09111280A
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隆志 岡庭
Hisayuki Osawa
久幸 大澤
Ken Adachi
謙 安達
Hiroshi Komiya
廣志 小宮
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Kyodo Yushi Co Ltd
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KYODO YUSHI KK
Kyodo Yushi Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時の軸受回転トルクを低減させ長い潤滑
寿命を有するリチウムコンプレックスグリース組成物を
提供すること。 【構成】 (a) 鉱油と100℃における動粘度が1.5〜
30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を
含むエステル化合物を含有する潤滑基油、(b) 少なくと
も1個のヒドロキシル基を含む炭素原子数12〜24の
脂肪族モノカルボン酸のリチウム塩、(c) 炭素原子数2
〜12の脂肪族ジカルボン酸の二リチウム塩、および
(d) ポリメタクリレートを含有し、成分(b) と成分(c)
の合計量が組成物の全重量に対して3〜30重量%であ
り、成分(b) 対成分(c) の重量比が1:2〜6:1であ
ることを特徴とするリチウムコンプレックスグリース組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムコンプレッ
クスグリース組成物に関する。より詳しくは、転がり軸
受の潤滑剤として使用される潤滑グリース組成物であっ
て、特に低温時の軸受回転トルクを低減させ長い潤滑寿
命を有するリチウムコンプレックスグリース組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】転がり軸受の潤滑剤として使用される潤
滑グリースは、増ちょう剤、基油、添加剤の三つから構
成されている。グリースの特性の大部分は増ちょう剤の
種類、あるいは基油の種類によって決まってしまう場合
が多いが、それだけでは補いきれない特性を付加するた
めに若干の添加剤を添加している。増ちょう剤は、グリ
ースの寿命を維持するために重要である。従来、リチウ
ム石けん(高級脂肪酸のリチウム塩)を増ちょう剤とし
て含むいわゆるリチウムグリースが広範囲に使用されて
いる。しかしこのリチウムグリースは、温度条件が高い
場合には十分な潤滑性能を発揮できないことがある。そ
こで、耐熱グリースとして尿素化合物を含むウレアグリ
ースが使用されてきている。しかし、ウレアグリースの
製造にはコストがかかるという問題がある。また、欧米
では、高級脂肪酸のリチウム塩と脂肪族二塩基酸のリチ
ウム塩との複合塩を増ちょう剤に用いたリチウムコンプ
レックスグリースの使用が盛んになっている。このリチ
ウムコンプレックスグリースは、従来のリチウムグリー
スより耐熱性がすぐれている。一方、基油は、潤滑グリ
ース組成物の低温特性及び長寿命を維持するために重要
である。低温特性及び長寿命を維持するために、従来、
基油として、鉱油に替えて合成油の使用がなされてい
た。しかし、近年、機械部品のコストメリットが重要な
因子となっており、そこに使用されるグリースは廉価で
かつ低温特性及び長寿命を有することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、低温時の軸受回転トルクを低減させ、長い潤滑寿命
を有するリチウムコンプレックスグリース組成物を提供
することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の化合物
を配合することにより、低温時の軸受回転トルクを低減
させ、長い潤滑寿命を有するリチウムコンプレックスグ
リース組成物が得られることを見出し、本発明に到達し
たものである。すなわち、本発明は、(a) 鉱油と、10
0℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少な
くとも2個のエステル結合を含むエステル化合物を含有
する潤滑基油、(b) 少なくとも1個のヒドロキシル基を
含む炭素原子数12〜24の脂肪族モノカルボン酸のリ
チウム塩、(c) 炭素原子数2〜12の脂肪族ジカルボン
酸の二リチウム塩、および(d) ポリメタクリレートを含
有し、成分(b) と成分(c)の合計量が組成物の全重量に
対して3〜30重量%であり、成分(b) 対成分(c) の重
量比が1:2〜6:1であることを特徴とするリチウム
コンプレックスグリース組成物を提供する。
【0005】本発明に使用する成分(a) の基油は、鉱油
及び100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子
中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合
物を必須成分として含有する。該エステル化合物として
は、炭素原子数2〜12の脂肪族カルボン酸、芳香族カ
ルボン酸、例えば、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、グ
ルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸等と、
炭素原子数1〜10の脂肪族アルコール、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアル
コール、オクチルアルコール、エチルヘキシルアルコー
ル、デシルアルコール、イソデシルアルコール、ネオペ
ンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール等とのエステル
が挙げられる。更に具体的には、炭素原子数5〜12の
モノカルボン酸とネオペンチルグリコール、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトール等のポリオール類およびポリオールエステル類
とのエステル;ジカルボン酸又はトリカルボン酸とアル
コールとのエステル、例えば、フタル酸ジ−n−オクチ
ル(100℃における動粘度(以下同じ):3.6mm2/
s)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(3.4mm2/s)、
アジピン酸ジブチル(1.5mm2/s)、アジピン酸ジ−2
−エチルヘキシル(2.4mm2/s)、アジピン酸ジイソデ
シル(3.7mm2/s)、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキ
シル(3.0mm2/s)、セバシン酸−2−エチルヘキシル
(3.3mm2/s)、トリメリット酸トリオクチル(9.4
mm 2/s)等が挙げられる。特に好ましいものはアジピン酸
ジ2−エチルヘキシルである。なお、100℃の動粘度
が1.5mm2/s 未満では蒸発量が多くなり、また30mm2/
s を越えると低温特性が悪くなる。
【0006】本発明に使用する成分(b) の少なくとも1
個のヒドロキシル基を含む炭素原子数12〜24の脂肪
族モノカルボン酸として好ましいものは、ヒドロキシル
基を1個もしくは2個有する脂肪族モノカルボン酸であ
る。その具体例として、ヒドロキシステアリン酸、例え
ば9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステ
アリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、及び、9
−、10−位置に二重結合をもつリシノレイン酸が挙げ
られるが、好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸で
ある。本発明に使用する成分(c) の炭素原子数2〜12
の脂肪族ジカルボン酸(以下「脂肪族ジカルボン酸」と
いう)の二リチウム塩の原料として用いられる脂肪族ジ
カルボン酸としては、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられる
が、好ましくはアゼライン酸である。
【0007】本発明に使用する成分(a) の鉱油と100
℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なく
とも2個のエステル結合を含むエステル化合物は、0.5
0〜0.95:0.50〜0.05の重量比で配合することが
好ましい。鉱油の割合が0.50未満になるとコストメリ
ットが期待できず、またエステル化合物の割合が0.05
未満になるとその添加効果が期待できない。本発明に使
用する成分(b) と成分(c) の合計添加量は組成物の全重
量に対して3〜30重量%であり、好ましくは5〜20
重量%である。3重量%未満では組成物は液体に近くな
る。一方、30重量%を越えると組成物が固くなり過ぎ
る。また、成分(b) と成分(c) の重量比は1:2〜6:
1好ましくは1:1〜4:1である。本発明に使用する
成分(d) のポリメタクリレートは、潤滑剤の流動点降下
剤として市販されているものであり、具体的にはテキサ
コケミカル社製のTLAシリーズや三洋化成工業株式会
社製のアクルーブシリーズが挙げられる。特に好ましい
ものは、下記の繰り返し単位を有する、重量平均分子量
が2万〜150万のものである。 −CH2 −C(CH3 )(CO−OR)− (式中、Rは炭素原子数1〜18の炭化水素基を表
す。) 市販品としては、テキサコ・ケミカル・カンパニー製の
TLA−227等が挙げられる。
【0008】本発明に使用する成分(d) の添加量は組成
物の全重量に対して0.5〜20重量%であり、好ましく
は1〜10重量%の範囲である。0.5重量%未満になる
とその効果はほとんど期待できず、20重量%を越える
場合は顕著な効果の向上は見られない。更に、本発明に
おけるグリース組成物には成分(a) 、(b) 、(c) 、(d)
のほかにも酸化防止剤、錆止め剤、金属不活性剤、耐荷
重添加剤等の各種添加剤も併用できる。
【0009】
【作用】本発明のグリース組成物は、低温時の軸受回転
トルクを低減させ長い潤滑寿命を有することを可能にす
る。この理由については確たる証拠はないが概ね以下の
ように考えている。本発明に使用している100℃にお
ける動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2
個のエステル結合を含むエステル化合物は合成油の中で
古くから検討されており、鉱油と比較してすぐれた粘度
特性を有している。そこで、鉱油と混合することによ
り、鉱油そのものより低温時の粘度を低下させ、低温特
性を向上させる事ができる。また、ポリメタクリレート
は、粘度指数向上剤又は流動点降下剤として一般的に知
られている添加剤であり、ポリメタクリレートを前述の
混合比率で添加する事により基油の粘度指数が高くな
り、低温では油膜が薄く低温特性に優れ、又高温では油
膜が厚く潤滑寿命に優れると考えられる。さらに100
℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なく
とも2個のエステル結合を含むエステル化合物とポリメ
タクリレートを併用する事によりポリメタクリレートの
溶解、分散性が向上し、ポリメタクリレートがより効果
的に働いていると推察される。又、本発明におけるグリ
ース組成物の潤滑寿命の延長は増ちょう剤の耐熱性にも
依ると考えられる。本発明で使用されているリチウムコ
ンプレックスを増ちょう剤とするグリース組成物は、グ
リースの耐熱性の目安となる滴点が260℃以上であ
り、リチウム石けんを増ちょう剤としたグリースの滴点
が約200℃であるのと比較すると非常に高い。このた
め、高温においても安定していて、基油を保持する能力
に優れており、軸受潤滑寿命を延長することが可能とな
った。従って、本発明のグリース組成物は、低温時の軸
受回転トルクを低減させ、長い潤滑寿命を有することを
可能にした。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。尚、本発明で使用した鉱油Aは、動粘度
が40°Cで97.7mm2/s、100℃で10.9mm2/sで
あり、粘度指数が95のパラフィン系鉱油である。ポリ
メタクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル
・カンパニー製)は、粘度が40℃で12600mm 2/
s、100℃で929mm2/sである。実施例1〜3、比
較例1〜2のグリース組成物は下記の通り調製した。比
較例3は市販品を使用した。
【0011】実施例1 鉱油A(375.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸
(66.3g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度
(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(47
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.4g)を
添加して激しく撹拌し、けん化反応及び脱水を行った。
次にアゼライン酸(20.9g)を加えて均一な状態にな
るまで撹拌を継続した。これに予め水道水(47g)に
加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.4g)を添加
し、激しく撹拌しながらアゼライン酸のけん化を行っ
た。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱
した。200℃になった時点で鉱油A(312.7g)と
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(172.8g)を添
加し80℃まで冷却した。その後、ポリメタクリレート
(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニー
製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで冷却し、
アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー
製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡
後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0012】実施例2 鉱油A(385.6g)に12−ヒドロキシステアリン酸
(67.6g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度
(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(48
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.55g)
を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行っ
た。次にアゼライン酸(21.3g)を加えて均一な状態
になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(48
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.55g)
を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を
行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に
加熱した。200℃になった時点で鉱油A(342.1
g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(129.3
g)を添加し、80℃まで冷却した。その後、ポリメタ
クリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カ
ンパニー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで
冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガ
イギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通し
て脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得
た。
【0013】実施例3 鉱油A(389.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸
(68.2g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度
(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(48
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.65g)
を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行っ
た。次にアゼライン酸(21.5g)を加えて均一な状態
になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(48
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.65g)
を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を
行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に
加熱した。200℃になった時点で鉱油A(380.6
g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(86.1g)
を添加し80℃まで冷却した。その後、ポリメタクリレ
ート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニ
ー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで冷却
し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギ
ー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱
泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0014】比較例1 鉱油A(392.8g)に12−ヒドロキシステアリン酸
(68.8g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度
(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(49
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.75g)
を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行っ
た。次にアゼライン酸(21.7g)を加えて均一な状態
になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(49
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.75g)
を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を
行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に
加熱した。200℃になった時点で鉱油A(358.7
g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(133.5
g)を添加し、80℃まで冷却した。そのまま室温まで
冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガ
イギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通し
て脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得
た。
【0015】比較例2 鉱油A(425.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸
(74.5g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度
(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(53
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55
g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行
った。次にアゼライン酸(23.4g)を加えて均一な状
態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(53
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55
g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん
化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐
々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(420.
7g)を添加し、80℃まで冷却した。その後、ポリメ
タクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・
カンパニー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温ま
で冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・
ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通
して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を
得た。
【0016】比較例3 鉱油A(425.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸
(74.5g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度
(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(53
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55
g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行
った。次にアゼライン酸(23.4g)を加えて均一な状
態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(53
g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55
g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん
化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐
々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(450.
7g)を添加し、80℃まで冷却した。その後、室温まで
冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガ
イギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通し
て脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得
た。
【0017】尚、各実施例及び比較例で製造したグリー
スの物性及び性能は、以下に示す方法で評価した。結果
を表1に示す。混和ちょう度はJIS K 2220
5.3による。滴点はJIS K 2220 5.4によ
る。軸受潤滑寿命はASTM D 1741による。低
温軸受回転試験は次の条件で軸受を回転し、軸受のトル
クを測定した。 軸受 608−2RU グリース封入量 0.12〜0.17g 回転数 200rpm 荷重 Fa=19.6N 測定時間 5分間
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のグリース組成物は、特定配合のリチウムコンプレック
スを増ちょう剤とし、鉱油と特定のエステル化合物の2
成分を必須成分とした基油を用い、添加剤にポリメタク
リレートを加えた組成であるため、低温時の軸受回転ト
ルクを低減させ長い潤滑寿命を可能にする。
【0019】
【表1】 表 ────────────────────────────────── 項 目 実施例 実施例 実施例 1 2 3 <増ちょう剤> 12−ヒドロキシステアリン酸 (g) 66.3 67.6 68.2 アゼライン酸 (g) 20.9 21.3 21.5 水酸化リチウム1水塩 (g) 18.8 19.1 19.3 <基油> 鉱油A (g) 686.2 727.7 769.9 (重量比) (80) (85) (90) アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル (g) 172.8 129.3 86.1 (重量比) (20) (15) (10) <添加剤> ポリメタクリレート (g) 30.0 30.0 30.0 アミン系酸化防止剤 (g) 5.0 5.0 5.0 <性状> 混和ちょう度 60W 280 285 286 滴点 (℃) 260< 260< 260< <試験結果> 低温回転トルク−20℃ (N cm) 0.80 0.96 1.28 軸受潤滑寿命 (h) 1140 1080 1100
【0020】
【表2】 表1(続き) ────────────────────────────────── 項 目 比較例 比較例 比較例 比較例 1 2 3 4 <増ちょう剤> 12−ヒドロキシステアリン酸 (g) 68.8 74.5 74.5 リチウム アゼライン酸 (g) 21.7 23.4 23.4 石けん 水酸化リチウム1水塩 (g) 19.5 21.1 21.1 グリース <基油> 鉱油A (g) 751.5 846.0 876.0 (重量比) (85) (100) (100) アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル (g) 133.5 ─── ─── (重量比) (15) (−) (−) <添加剤> ポリメタクリレート (g) ─── 30.0 ─── アミン系酸化防止剤 (g) 5.0 5.0 5.0 <性状> 混和ちょう度 60W 279 285 280 283 滴点 (℃) 260< 260< 260< 186 <試験結果> 低温回転トルク−20℃ (N cm) 1.91 1.72 2.00< 1.96 軸受潤滑寿命 (h) 650 740 620 440 *:抽出物による。
【0021】本発明の実施例1〜3のグリース組成物は
成分(a) 、(b) 、(c) および(d) を所定の割合で含有す
るので低温回転トルクが、0.80〜1.28(N cm)と低
く、且つ軸受潤滑寿命が、1140〜1080時間と長
い。これに対して、比較例1のグリース組成物はポリメ
タクリレートを含有していないため、低温回転トルク
が、1.91(N cm)と高く、且つ軸受潤滑寿命が、650
時間と短い。また比較例2のグリース組成物はアジピン
酸ジ−2−エチルヘキシルを含有していないため、低温
回転トルクが、1.72(N cm)と高く、且つ軸受潤滑寿命
が、740時間と短い。さらに、比較例3のグリース組
成物はアジピン酸ジ−2−エチルヘキシルを含有してい
ないため、低温回転トルクが、2.00(N cm)と高く、且
つ軸受潤滑寿命が、620時間と短い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 117:06 145:14) C10N 10:02 20:02 30:02 40:02 50:10 (72)発明者 安達 謙 大阪市中央区南船場3丁目5番8号 光洋 精工株式会社内 (72)発明者 小宮 廣志 大阪市中央区南船場3丁目5番8号 光洋 精工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 鉱油と、100℃における動粘度が
    1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル
    結合を含むエステル化合物を含有する潤滑基油、(b) 少
    なくとも1個のヒドロキシル基を含む炭素原子数12〜
    24の脂肪族モノカルボン酸のリチウム塩、(c) 炭素原
    子数2〜12の脂肪族ジカルボン酸の二リチウム塩、お
    よび(d) ポリメタクリレートを含有し、 成分(b) と成分(c) の合計量が組成物の全重量に対して
    3〜30重量%であり、成分(b) 対成分(c) の重量比が
    1:2〜6:1であることを特徴とするリチウムコンプ
    レックスグリース組成物。
  2. 【請求項2】 鉱油とエステル化合物の重量比が、0.5
    0〜0.95:0.50〜0.05である請求項1記載のリチ
    ウムコンプレックスグリース組成物。
  3. 【請求項3】 ポリメタクリレートの含有量が、組成物
    の全重量に対して0.5〜20重量%である請求項1記載
    のリチウムコンプレックスグリース組成物。
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