JP4761658B2 - グリース組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車、産業用機械等の潤滑箇所へ適用できる耐水性に優れたグリース組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、トラック、産業用機械等は、あらゆる環境下で使用される。例えば、自動車やトラックは、雨水や、海辺を走行する際には海水(塩水)にさらされる。また、産業用機械においても、設備工程上、冷却水を用いる部分では、この水が入り込んでくる可能性がある。このような環境下で使用されると、グリースに水が混入し易いという問題点がある。
したがって、このような箇所で使用するグリースにおいては、水が混入してもグリースが軟化を抑制する性能、いわゆる耐水性のより一層の向上が図られると共に、グリース本来の極圧性等の性能を充分に発揮できることが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた耐水性、極圧性、及び防錆性を有するグリース組成物を提供することを目的とする。さらに、優れた耐水性、極圧性、及び防錆性と共に、優れ付着性を有するグリース組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、基油に特定の増ちょう剤及び平均粒径0.01〜0.5μmの超微粒子炭酸カルシウムをそれぞれ特定量配合亜鉛ジチオフォスフェートと、亜鉛ナフテネート、チアジアゾール及びオキシエチレンアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種の防錆剤又はさらに特定のポリイソブチレンを特定量配合することにより、上記課題を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油から選ばれる少なくとも1種の基油、カルシウム又はリチウム石けん系増ちょう剤、これらの複合体石けん系増ちょう剤及びウレア系増ちょう剤から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤を0.1〜40質量%、亜鉛ジチオフォスフェートを0.1〜3質量%、亜鉛ナフテネート、チアジアゾール及びオキシエチレンアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種の防錆剤を0.05〜10質量%、及び平均粒径0.01〜0.5μmの超微粒子炭酸カルシウムを0.1〜30質量%含有することを特徴とするグリース組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記グリース組成物において、増ちょう剤が、カルシウム又はリチウム石けん系増ちょう剤及び複合体リチウム石けん系増ちょう剤から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤であるグリース組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記グリース組成物において、数平均分子量1000〜70000のポリイソブチレンを1〜20質量%含有するグリース組成物を提供するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のグリース組成物において使用される基油としては、通常グリースに使用される鉱油系潤滑油基油、合成系潤滑油基油又はこれらの混合系のものなどの種々の潤滑油基油が用いられるが、40℃における動粘度の値が、1〜1000mm/sが好ましく、特に好ましくは1〜500mm/sである。
鉱油系潤滑油基油としては、例えば原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製など適宜組み合わせて精製したものが挙げられる。
【0007】
合成系潤滑油基油としては、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンの重合体であるα−オレフィンオリゴマー、2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルセバケートを始めとするセバケート、アゼレート、アジペートなどの炭素数4〜12のジアルキルジエステル類、1−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールと炭素数3〜12の一塩基酸から得られるエステルを始めとするポリオール類、炭素数9〜40のアルキル基を有するアルキルベンゼン類、ブチルアルコールをプロピレンオキシドと縮合させることにより得られるポリグリコールなどのポリグリコール類、約2〜5個のエーテル連鎖及び約3〜6個のフェニル基を有するポリフェニルエーテルなどのフェニルエーテル類などが挙げられる。
上記鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油は1種単独であるいは2種以上を混合して使用することができる。
基油の量は、要求特性に応じて適宜選定することができるが、基油と増ちょう剤から成るグリースに対して通常60〜95質量%の範囲であり、好ましくは80〜90質量%の範囲である。
【0008】
本発明のグリース組成物において使用される増ちょう剤は、カルシウム又はリチウム石けん系増ちょう剤、これらの複合体石けん系増ちょう剤及びウレア系増ちょう剤から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤である。
カルシウム石けん系増ちょう剤としては、カルシウム−12−ヒドロキシステアレート等の水酸基を有する脂肪族カルボン酸カルシウム塩などが挙げられる。
リチウム石けん系増ちょう剤としては、リチウム−12−ヒドロキシステアレート等の水酸基を有する脂肪族カルボン酸リチウム塩、リチウム−ステアレート等の脂肪族カルボン酸リチウム塩またはそれらの混合物などが挙げられる。
複合体リチウム石けん系増ちょう剤としては、上記脂肪族カルボン酸リチウム塩と二塩基酸リチウム塩とのコンプレックス等が挙げられる。ここで、好適な二塩基酸としては、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。特に好適なものはアゼライン酸、セバシン酸である。
ウレア系増ちょう剤としては、ジイソシアネートとアミンの反応生成物等が挙げられる。ジイソシアネートとしては、ジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネートが好ましい。アミンとしては、脂環式アミン、芳香族アミン、脂肪族アミンが挙げられる。脂環式アミンとしては、シクロヘキシルアミン等、芳香族アミンとしては、パラトルイジン、ベンジルアミン等、脂肪族アミンとしては、オクチルアミン、ラウリルアミン等が挙げられる。
これらの増ちょう剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
増ちょう剤の含有割合は、グリース組成物に対して0.1〜40質量%であり、好ましくは1〜30質量%であり、特に好ましくは2〜20質量%である。
【0009】
本発明のグリース組成物において使用される超微粒子炭酸カルシウムは、その平均粒径が0.01〜0.5μmであり、より好ましくは0.01〜0.3μm、さらに好ましくは0.01〜0.2μm、特に好ましくは0.01〜0.17μmである。平均粒径が大きすぎると、所定のちょう度が得られず、耐水性が不足する。
超微粒子炭酸カルシウムの含有量は、グリース組成物に対して〜30質量%であり、好ましくは、〜20質量%、より好ましくは、〜15質量%、特に好ましくは、2〜12質量%である。超微粒子炭酸カルシウムが少なすぎると、耐水性が不足し、すなわち、軟化防止性が不足し、多すぎると、逆にグリースが硬くなりすぎる。
【0010】
本発明のグリース組成物においては、亜鉛ジチオフォスフェートを含有させる
亜鉛ジチオフォスフェートは、例えば、一般式(1)で表されるものが挙げられる。
【化1】
Figure 0004761658
一般式(1)中、R、R、R及びRは、アルキル基であり、炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。これらは、同一であってもよいし、異なってもよい。アルキル基は、1級アルキル基、2級アルキル基が好ましく、1級アルキル基が特に好ましい。アルキル基の炭素数は、2〜14が好ましく、3〜10が特に好ましい。好ましいアルキル基としては、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
上記亜鉛ジチオフォスフェートは、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
亜鉛ジチオフォスフェートの含有量は、好ましくは0.1〜3質量%であり、より好ましくは0.1〜2質量%であり、更に好ましくは0.2〜1.5質量%であり、特に好ましくは0.5〜1.2質量%である。亜鉛ジチオフォスフェートの含有量が少な過ぎると、防錆性が悪くなり、一方、多過ぎても防錆性が悪くなる。
【0011】
また、本発明のグリース組成物においては、亜鉛ナフテネート、チアジアゾール及びオキシエチレンアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種の防錆剤を含有する
亜鉛ナフテネートは、下記式(2)で表されるものである。
【0012】
【化2】
Figure 0004761658
(式中、R、Rは炭素数1〜16のアルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよく、j、kは1〜16であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記式中、R、Rのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、またその炭素数は、好ましくは1〜16、より好ましくは3〜16、特に好ましくは8〜16である。該アルキル基の具体例としては、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、ラウリル基などが挙げられる。
j、kは、それぞれ好ましくは1〜16であり、特に好ましくは1〜9である。
亜鉛ナフテネートは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
亜鉛ナフテネートの含有割合は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.1〜7質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%、特に好ましくは0.5〜4質量%である。亜鉛ナフテネートの含有量が少なすぎると、防錆性が悪くなる。一方、多すぎても、効果が飽和する。
チアジアゾールは、下記式(3)で表されるものである。
【0013】
【化3】
Figure 0004761658
(式中、R、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、それぞれ同一でも異なっていてもよい。)
上記式中、R、Rのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、またその炭素数は、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜8である。該アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基などが挙げられる。
チアジアゾールの好適な具体例としては、例えば、2,5−ビス(第3オクチルジチオ)1,3,4−チアジアゾールなどが挙げられる。チアジアゾールは、例えばUSP2719125、2719126号明細書などに開示された製造法により得ることができる。
チアジアゾールは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
チアジアゾールの含有割合は、好ましくは0.05〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%、さらに好ましくは0.3〜2.0質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。チアジアゾール及びその誘導体の含有量が少なすぎると、所定の防錆性が得られない。一方、多すぎても効果が飽和する。
オキシエチレンアミンは、下記式(4)で表されるものである。
【0014】
【化4】
Figure 0004761658
(式中、Rは炭化水素基であり、x、yは整数である。)
上記式中、Rである炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、またその炭素数は、8〜18が好ましく、8〜16がより好ましく、8〜12が特に好ましい。該炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、芳香族基、脂環族基、またはこれらの組合せなどが挙げられるが、アルキル基、アルケニル基が好ましく、アルキル基が特に好ましい。炭化水素基の具体例としては、例えば、2−エチルヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、フェニル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。xは、好ましくは0〜5であり、より好ましくは0〜3であり、特に好ましくは0〜2である。yは、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは1〜2である。
オキシエチレンアミンは、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
オキシエチレンアミンの含有割合は、好ましくは0.05〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%、さらに好ましくは0.3〜2.0質量%、特に好ましくは0.5〜1.5質量%である。オキシエチレンアルキルアミンの含有量が少なすぎても、多すぎても防錆性が悪くなる。
【0015】
本発明のグリース組成物においては、数平均分子量が1000〜70000のポリイソブチレン(以下、PIBともいう。)を含有させることが好ましい。
ポリイソブチレンの数平均分子量は、より好ましくは1000〜55000であり、特に好ましくは1000〜35000である。数平均分子量が小さ過ぎると、グリースの付着性が悪くなることがあり、逆に数平均分子量が大き過ぎると、外部からの異物をかみ込易くなることがある。
ポリイソブチレンの含有割合は、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは、2〜20質量%、更に好ましくは3〜18質量%、特に好ましくは3〜15質量%である。ポリイソブチレンの含有割合が少な過ぎると、グリースの付着性が悪くなる傾向があり、ポリイソブチレンの含有割合が多過ぎても効果が飽和する。
本発明のグリース組成物は、上記各成分を混合することにより調整することができる。
【0016】
各成分の混合順序は、特に制限されるものではなく、適宜添加すればよいが、基油と増ちょう剤からなるグリースを予めグリース釜で調整しておき、これに他の各成分を添加して混合することが好ましい。なお、グリースの調整は、基油と増ちょう剤を単に混合する方法により行ってもよいが、増ちょう剤の前駆体を基油中に混合分散させた後、前駆体を反応させて増ちょう剤を生成させ、基油中に増ちょう剤を分散する方法によることが好ましい。
本発明のグリース組成物には、酸化防止剤を含有させることもできる。
また、本発明のグリース組成物には、本発明の目的を損なわない範囲内で、他の添加剤を配合させることができる。
本発明のグリース組成物は、ベアリング、転がり軸受、滑り軸受、滑り面、歯車などの潤滑箇所を始め、グリースが適用できるあらゆる潤滑箇所に使用することができる。 本発明のグリース組成物は、雨水、海水等の混入する恐れのある部位に最適である。たとえば、自動車、トラック、産業用機械等に使用できる。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。ただし、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例における評価は、次の方法により行った。
<評価方法>
(1)耐水性
シェルロール試験(ASTM D 1831)により行った。試験条件は、グリース50g、イオン交換水50gを試験容器に入れ、試験温度80℃、回転数165rpm、試験時間5hで行った。評価は、試験前後のちょう度変化率で行い、±10%以内を合格とした。
(2)極圧性
シェル四球試験(ASTM D 2596に準拠)により行った。試験は、グリースに、イオン交換水25質量%を混入させ、これを用いて、回転数1800rpm、油温;成りゆき、時間:10秒、荷重;ステップ荷重で行った。評価は、融着荷重で行い、2450N以上を合格とした。
(3)防錆性(錆止め試験)
JIS K2246の湿潤試験片(#240研磨仕上げ)を4枚用意し、両面にグリースを塗り、真ん中に挟む2枚の湿潤試験片の片面のグリース塗布面及び下端に配置する湿潤試験片のグリース塗布面に、水平状態で塩水(塩化ナトリウム5質量%)を間隔を置いて3滴を滴下し、その状態で4枚の湿潤試験片を重ねて積層し、50℃で24時間放置後、目視により錆の有無を観察し、下記の基準により評価した。
○;試験片に錆が全くない。(合格)
×;試験片に錆がある。(不合格)
(4)付着性(付着性試験)
JIS K2246の湿潤試験片(#240研磨仕上げ)を2枚用意し、2枚の湿潤試験片の間にシール材試験(JIS K6301)の長方形試験片と同体積のグリースを塗布し、水平に積層した。次に上側の湿潤試験片の上に1kgのおもりをのせ、室温で3時間放置し、上部をばねばかりで引っ張る。このときの荷重を粘着荷重とした。
○;粘着荷重が50kg以上である。(合格)
×;粘着荷重が50kg未満である。(不合格)
【0018】
グリースの調製
本発明の実施例及び比較例において使用するグリースは、次の製造例により調製した。
(製造例1)
耐熱容器に基油として水素化精製鉱油(100℃の動粘度:6mm/s)を用い、増ちょう剤として12−ヒドロキシステアレートを投入し、加熱する。次に水酸化リチウム水溶液を約70℃付近で添加し、けん化反応によりリチウム−12−ヒドロキシステアレートを生成させる。さらにこれを加熱し、溶解させ、基油で急冷を行うことによりリチウム−12−ヒドロキシステアレートの結晶を最適なものとし、リチウム−12−ヒドロキシステアレートを基油中に均一に混合分散させたリチウムグリースを調製した。
(製造例2)
耐熱容器に基油としてのAと、増ちょう剤として12−ヒドロキシステアレートを投入し、加熱する。次に水酸化リチウム水溶液を約80℃付近で添加し、けん化反応によりリチウム−12−ヒドロキシステアレートを生成させる。さらに約90℃付近で水酸化リチウムとアゼライン酸を加え約2時間反応させ、リチウムコンプレックス石けんを生成させる。その後、これを加熱し、半溶融させた後急冷を行うことによって、リチウムコンプレックス石けんの結晶を最適なものとし、リチウム−12−ヒドロキシステアレート/アゼライン酸リチウム塩のリチウムコンプレックス石けんを基油中に均一に混合分散させたリチウムグリースを調製した。
【0019】
(実施例1〜及び比較例1〜4)
実施例1〜及び比較例1〜3は、製造例1で調製したリチウムグリースに表1表3に示された各種添加剤を添加し、60〜85℃で約2時間、加熱撹拌し、分散させた後、脱泡して、ちょう度がNo.2グレード(JIS K 2220)のグリース組成物を得た。また、実施例では、増ちょう剤として、カルシウム−12−ヒドロキシステアレートを使用しており、上記グリースの調製において水酸化リチウムの代わりに水酸化カルシウムを使用した。また、実施例では、上記グリースの調製において、基油にシクロヘキシルアミン8.0質量%およびジフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート10.0質量%を混合し、撹拌しながら110℃に加熱し、下記式(5)で表されるジウレアを合成し、グリースとした。また、実施例では、製造例1で調製したリチウムグリースの代わりに製造例2で調製したリチウムグリースを用いた。
【化5】
Figure 0004761658
表1表3に示された各種添加剤の量の単位は、質量部である。
表1実施例1〜の調製したグリースの成分組成とその性能評価を行った結果を示し、表3に比較例1〜4の調製したグリースの成分組成とその性能評価を行った結果を示す。
【0020】
【表1】
Figure 0004761658
【0022】
【表3】
Figure 0004761658
【0023】
表1中、Aは水素精製油57.5質量部及び合成油(PAO)(100℃の動粘度:6mm/s)17.0質量部の混合物である。
また、表1〜表3中において、添字は以下に示すものである。
*1.平均粒径0.04μmの炭酸カルシウム
*2.平均粒径0.15μmの炭酸カルシウム
*3.亜鉛ジチオフォスフェート(アルキル基C=8のプライマリ−タイプ)
*4.亜鉛ナフテネート
式(2)のR、Rが、炭素数8〜16のアルキル基の混合物である亜鉛ナフテネート
*5.オキシエチレンドデシルアミン
式(4)Rが、炭素数12であり、xが0であり、yが1であるオキシエチレンドデシルアミン
*6.チアジアゾール
式(3)のR、Rが、炭素数8のアルキル基であるチアジアゾ−ル
*7.平均粒径2.00μmの炭酸カルシウム
*8.酸化カルシウム
*9.ソルビタンモノオレート
*10.オレイルザルコシン
*11.アミノアルコール(ジブチルエタノールアミン)
*12.酸化ワックス(酸化ワックスの部分エステルBa塩)
石油留分の精製時に得られるパラフィンワックス、マイクロリスタリンワックス、ペトロラタム等を酸化することによりカルボキシル基を導入したもの
*13.Caスルホネート
塩基価300mgKOH/gのカルシウムスルフォネートを使用した。
塩基価は、JIS−K−2501−6により測定した値である。
*14.Baスルホネート
塩基価20mgKOH/gのバリウムスルフォネートを使用した。
塩基価は、JIS−K−2501−6により測定した値である。
*15.アルケニルコハク酸イミド
ビスタイプのポリアルケニルコハク酸イミドでブテニル基の分子量が約2000程度のものを使用した。
【0024】
上記表1表3の記載から、特定の増ちょう剤、特定の超微粒子炭酸カルシウムを配合し、さらに、特定の防錆剤を配合したグリース組成物は耐水性極圧性及び防錆性に優れており、さらに、そのグリース組成物に、特定ポリイソブチレンとを組合せたグリース組成物は、耐水性、極圧性及び防錆性と共に付着性が優れていることが分かる。
【0025】
【発明の効果】
本発明のグリース組成物は、耐水性、極圧性、及び防錆性に優れている。従って、本発明のグリース組成物は、実用上極めて有用である。

Claims (3)

  1. 鉱油系潤滑油基油及び合成系潤滑油基油から選ばれる少なくとも1種の基油、カルシウム又はリチウム石けん系増ちょう剤、複合体リチウム石けん系増ちょう剤及びウレア系増ちょう剤から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤を0.1〜40質量%、亜鉛ジチオフォスフェートを0.1〜3質量%、亜鉛ナフテネート、チアジアゾール及びオキシエチレンアルキルアミンから選ばれる少なくとも1種の防錆剤を0.05〜10質量%、及び平均粒径0.01〜0.5μmの超微粒子炭酸カルシウムを〜30質量%(ただし、2質量%を除く。)含有することを特徴とするグリース組成物。
  2. 増ちょう剤が、カルシウム又はリチウム石けん系増ちょう剤及び複合体リチウム石けん系増ちょう剤から選ばれる少なくとも1種の増ちょう剤である請求項1記載のグリース組成物。
  3. さらに、数平均分子量1000〜70000のポリイソブチレンを1〜20質量%含有する請求項1又は2記載のグリース組成物。
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