JP4829539B2 - ハブベアリング - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の車輪を回転自在に支持するためのハブベアリング用グリースおよびハブベアリングに関する。
1970年代までの自動車用ハブベアリングは、ISO規格に適合する標準軸受を2個配列する設計が主流であった。1980年代になり、組込み性の向上を目的に第一世代ハブベアリング(GEN1)と呼ばれる、背面合わせ軸受の外輪を一体化した複列アンギュラ玉軸受、または複列円すいころ軸受が、自動車メーカで採用されるようになった。外輪を一体化することで、軸受組立て時に初期アキシャルすきまが適正値に設定されているため、自動車への組付け時に予圧調整が不要となった。次に、外輪にフランジ部を設けた第二世代ハブベアリング(GEN2)と呼ばれる複列軸受が開発された。これは標準軸受のみでは軽量化やサイズダウンに限界があり、軸受の周辺部品である軸(ハブ輪)やハウジング(ナックル)とユニット化することで、部品点数の削減と軽量化を図った結果である。ナックルへの固定を圧入からボルト締結に変えることで、車体への組付けも容易となった。さらに、第三世代ハブベアリング(GEN3)では、軸(ハブ輪)と軸受内輪を一体化し、余肉を削減するとともに、ラインの組立て性をさらに向上させている。最近では、ハブベアリングと等速ジョイントを一体化した第四世代ハブジョイント(GEN4)も開発されている。
前述のように組付けの作業性が大幅に向上すること、圧入が不要となったためバネ下重量軽減による走行安定性の改善や燃費向上に有効な軽合金製ナックルの採用が可能となることから、最近ではGEN2およびGEN3の採用が増加している。
軸受材質に着目すると、GEN1までは通常の軸受鋼(例えばSUJ2)が用いられていたが、外輪にフランジが設けられるGEN2およびGEN3では、鍛造性が良く安価なS53Cなどの機械構造用炭素鋼が用いられるようになった。機械構造用炭素鋼は軌道部に高周波熱処理を施すことで、軸受部の転がり疲労強度を確保しているが、合金成分が少ないため表面強度が弱く、軸受鋼に比べ表面起点剥離への耐性が劣る。そのため、GEN1と同じ潤滑仕様では使用条件が厳しい場合に耐久性が劣ることがあった。
ハブベアリング用グリースの改良については、低粘度基油の採用による回転トルクの低減(特許文献1参照)や、静電気除去のための導電性の付与(特許文献2参照)が知られているが、GEN2以降のハブベアリングの耐表面起点剥離の向上に関する改良はなされていない。低燃費や操縦安定性の向上を目的とした部品の軽量化により、ハブベアリングもサイズダウンを余儀なくされており、面圧上昇により潤滑条件が過酷化している。
特開2003−239999号公報 特開2004−169862号公報
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、機械構造用炭素鋼を用いたハブベアリングの耐表面起点型剥離性を向上させ、過酷な潤滑条件下でも長寿命を示すハブベアリングを提供することを目的とする。
本発明のハブベアリング用グリースは、自動車の車輪を回転支持するハブベアリングに封入するハブベアリング用グリースであって、該グリースは、基油と、増ちょう剤と、ジチオリン酸亜鉛(以下、ZnDTPと記す。)とを必須成分とすることを特徴とする。
上記基油が鉱油、または、鉱油と合成炭化水素油との混合油であることを特徴とする。
上記増ちょう剤は、下記式(1)で表されるウレア系化合物であり、かつグリース全体に対して 1〜40 質量%含有することを特徴とする。
Figure 0004829539
(式中、R2 は、炭素原子数 6〜15 の芳香族炭化水素基を、R1 およびR3 は、脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一つの炭化水素基をそれぞれ示す。)
本発明のハブベアリングは、機械構造用炭素鋼からなる摺接部位を有するハブベアリングであって、該ハブベアリングに上記記載のハブベアリング用グリースを封入したことを特徴とする。
ここで、摺接部位とは、例えば後述の図1に示すようなハブベアリングにおいてハブ輪および内輪を有する内方部材と、外輪である外方部材と、両部材間に介在する複列の転動体との転がり接触部をいう。また、グリースはハブベアリングにおいて、内方部材と、外方部材と、両部材間を密封し複列の転動体を軸方向に挟む形で取付けられた2個のシール部材とに囲まれた環状空間に封入される。
本発明のハブベアリング用グリースは、自動車の車輪を回転支持するハブベアリングに封入するハブベアリング用グリースであって、該グリースは、基油と、増ちょう剤と、ZnDTPとを必須成分とするので、自動車用ハブベアリングにおける表面起点型剥離を抑えることができ、軌道輪に機械構造用炭素鋼を用いた軸受において、潤滑条件が過酷になっても長寿命を得ることができる。
また、本発明のハブベアリングは、基油と、増ちょう剤と、ZnDTPとを必須成分とするグリースを封入しているので、軌道輪に機械構造用炭素鋼を用いても、表面起点型剥離を抑えることができ、潤滑条件が過酷になっても長寿命を得ることができる。
本発明のハブベアリングは、機械構造用炭素鋼であり、かつ高周波熱処理を施された材料で一部が構成され、該材料を転動体との摺接部位に有するハブベアリングであって、該ハブベアリングの転がり接触部を、グリースにより潤滑する。
このようなハブベアリングの耐久性について検討した結果、ZnDTPを必須成分とするグリースを封入したハブベアリングは、転がり接触部の潤滑性能が向上することを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
本発明に使用できるZnDTPは、ジンクジチオフォスフェートとも称され、下記式(2)で示される。
Figure 0004829539
式中、R4 は 1 級または 2 級の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。ZnDTPの市販品としては、R4 が 1 級脂肪族炭化水素基のものとしてルブリゾール1360(ルブリゾール社製)、2 級脂肪族炭化水素基のものとしてルブリゾール667A(ルブリゾール社製)、芳香族炭化水素基のものとしてTLA−252(テキサコ・ケミカル社製)などを挙げることができる。
本発明に使用できるZnDTPの配合割合は、グリース全体に対して 0.1〜20 質量%、好ましくは 1〜10 質量%である。0.1 質量%未満の場合には所期の効果を十分に得ることが困難になり、また、20 質量%をこえる場合には効果は頭打ちになりグリース特性を低下させる。
本発明のハブベアリング用グリースに使用できる基油としては、例えば、鉱油、ポリ−α−オレフィン(以下、PAOと記す。)油、エステル油、フェニルエーテル油、フッ素油、さらに、フィッシャートロプシュ反応で合成される合成炭化水素油(GTL基油)などが挙げられる。また、これらの混合物を使用できる。
鉱油としては、例えば、ナフテン系鉱油、パラフィン系鉱油、流動パラフィン、水素化脱ろう油などの通常潤滑油やグリースの分野で使用されているものをいずれも使用することができる。
PAO油としては、α−オレフィンの重合体、α−オレフィンとオレフィンとの共重合体、またはポリブテンなどが挙げられる。これらは、α−オレフィンの低重合体であるオリゴマーとし、その末端二重結合に水素を添加した構造である。また、α−オレフィンの一種であるポリブテンも使用でき、これはイソブチレンを主体とする出発原料から塩化アルミニウムなどの触媒を用いて重合して製造できる。ポリブテンは、そのまま用いても、水素添加して用いてもよい。
α−オレフィンのその他の具体例としては、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン等を挙げることができ、通常はこれらの混合物が使用される。
また、潤滑性能や価格を考慮すると、これらの基油の中でも、鉱油、または、鉱油と合成炭化水素油との混合油を使用することが好ましい。
本発明に使用できる基油は、室温で液状を示し、40℃における動粘度が 30〜200 mm2/sec である。好ましくは、40〜120 mm2/sec である。30 mm2/sec 未満の場合は、短時間で基油が劣化し、生成した劣化物が基油全体の劣化を促進するため、軸受の耐久性を低下させ短寿命となる。また、200 mm2/sec をこえると回転トルクの増加による軸受の温度上昇が大きくなるので好ましくない。
本発明に使用する基油の配合割合は、グリース全体に対して好ましくは 65〜98 質量%、さらに好ましくは 70〜95 質量%である。
基油の配合割合が、65 質量%未満では、グリースが硬く低温時の潤滑性が悪い。また 98 質量%をこえると軟質で洩れ易くなる。
本発明のハブベアリング用グリースに使用できる増ちょう剤としては、アルミニウム、リチウム、ナトリウム、バリウム、カルシウム、複合アルミニウム、複合リチウム、複合ナトリウム、複合バリウム、複合カルシウムなどの金属石けん類、およびジウレア化合物、ポリウレア化合物などのウレア系化合物が挙げられる。耐久性、耐フレッティング性などを考慮するとウレア系化合物が好ましい。ウレア系化合物は、例えば下記式(1)で表わされる。
Figure 0004829539
(R2 は、炭素原子数 6〜15 の芳香族炭化水素基を、R1 およびR3 は、脂環族炭化水素基および芳香族炭化水素基から選ばれた少なくとも一つの炭化水素基をそれぞれ示す。)
ウレア系化合物は、イソシアネート化合物とアミン化合物を反応させることにより得られる。反応性のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物のイソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量となるように配合することが好ましい。
反応は、例えばモノアミン酸とジイソシアネート類を、70〜110℃程度の基油中で十分に反応させた後、温度を上昇させ 120〜180℃で 1〜2 時間程度保持し、その後冷却し、ホモジナイザー、3 本ロールミル等を使用して均一化処理することによりなされ、各種配合剤を配合するためのベースグリースが得られる。
式(1)で表されるジウレア化合物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジン、シクロヘキシルアミン等が挙げられる。
本発明においては、芳香族ジイソシアネートと、脂環族モノアミンおよび芳香族モノアミン、または芳香族モノアミン単体との反応で得られる脂環族−芳香族ウレア系化合物または芳香族ウレア系化合物が好ましい。
本発明に使用する増ちょう剤の配合割合は、グリース全体に対して好ましくは 1〜40 質量%、さらに好ましくは 3〜25 質量%である。増ちょう剤の配合量が 1 質量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリース化が困難となり、40 質量%をこえるとグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られにくくなる。
本発明のハブベアリング用グリースには、機能を損なわない範囲で、必要に応じて公知の添加剤を添加できる。添加剤としては、例えばアミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗抑制剤、金属スルホネート、多価アルコールエステルなどの防錆剤、金属スルホネート、金属フォスフェートなどの清浄分散剤などが挙げられる。これらは単独または2種類以上組み合せて添加することができる。
本発明のハブベアリングの一例(従動輪用第三世代ハブベアリング)を図1に示す。図1は、ハブベアリングの断面図である。ハブベアリング6は、ハブ輪1および内輪2を有する内方部材5と、外輪である外方部材3と、複列の転動体4、4とを備えている。ハブ輪1はその一端部に車輪(図示せず)を取付けるための車輪取付けフランジ1dを一体に有し、外周に内側転走面1aと、この内側転送面1aから軸方向に延びる小径段部1bとが形成されている。
本明細書においては、軸方向に関して「外」とは、車両への組付け状態で幅方向外側をいい、「内」とは、幅方向中央側をいう。
ハブ輪1の小径段部1bには、外周に内側転走面2aが形成された内輪2が圧入されている。そして、ハブ輪1の小径段部1bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部1cにより、ハブ輪1に対して内輪2が軸方向へ抜けるのを防止している。
外方部材3は、外周に車体取付けフランジ3bを一体に有し、内周に外側転走面3a、3aと、これら複列の外側転走面3a、3aに対向する内側転走面1a、2aとの間には複列の転動体4、4が転動自在に収容されている。
本発明のハブベアリング用グリースはシール部材7と、外方部材3と、シール部材8と、内方部材5と、ハブ輪1とに囲まれた空間に封入され、外方部材3と、内方部材5とに挟まれた複列の転動体4、4の周囲を被覆し、転動体4、4の転動面と、内側転走面1a、2aおよび外側転走面3a、3aとの転がり接触部の潤滑に供される。
本発明のハブベアリング用グリースは、ハブベアリング以外の高負荷がかかる軸受にも使用することができる。
本発明のハブベアリングに使用できる材質は、軸受鋼、浸炭鋼、または機械構造用炭素鋼を挙げることができる。これらの中で鍛造性が良く安価なS53Cなどの機械構造用炭素鋼を用いることが好ましい。該炭素鋼は一般に高周波熱処理を施すことで、軸受部の転がり疲労強度を確保した上で用いられる。しかし、機械構造用炭素鋼は高周波熱処理を施しても、合金成分が少ないため表面強度が弱く、軸受鋼に比べ摺接部位での表面起点型剥離への耐性が劣る。この表面起点型剥離の問題に対し、本発明のハブベアリング用グリースは摺接部位における潤滑性能を向上させることによって、ハブベアリングに用いられる機械構造用炭素鋼の表面起点型剥離を防止することができる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、これらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜実施例5および比較例1〜比較例3
鉱油(新日本石油社製スーパーオイルC、40℃での動粘度:100 mm2/sec )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 193.5 g と、p−トルイジン 82.8 g と、シクロヘキシルアミン 76.6 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させて鉱油/ウレア系ベースグリース(JISちょう度No.2グレード、ちょう度:265〜295)を得た。このベースグリースに、表1に示す配合で添加剤を配合してハブベアリング用グリースを得た。
さらに、上記ハブベアリング用グリース 100 重量部に対して、防錆添加剤であるソルビタントリオレエート 1 重量部、カルシウムスルホネート 1 重量部および酸化防止剤であるアルキルジフェニルアミン 2 重量部を添加した。
得られたハブベアリング用グリースにつき、以下に記す2円筒試験に供し、耐表面起点型剥離性を評価した。結果を表1に併記した。
実施例6
鉱油(新日本石油社製スーパーオイルC、40℃での動粘度:100 mm2/sec )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 149.5 g と、p−トルイジン 64.0 g と、シクロヘキシルアミン 59.2 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させて鉱油/ウレア系ベースグリース(JISちょう度No.2グレード、ちょう度:265〜295)を得た。このベースグリースに、表1に示す配合で添加剤を配合してハブベアリング用グリースを得た。
さらに、上記ハブベアリング用グリース 100 重量部に対して、防錆添加剤であるソルビタントリオレエート 1 重量部、カルシウムスルホネート 1 重量部および酸化防止剤であるアルキルジフェニルアミン 2 重量部を添加した。
得られたハブベアリング用グリースにつき、実施例1と同様に評価した。結果を表1に併記した。
実施例7
鉱油(新日本石油社製スーパーオイルC、 40℃での動粘度:100 mm2/sec )2000 g 中で、ジフェニルメタン−4、4'−ジイソシアネー卜 309.2 g と、p−トルイジン 132.4 g と、シクロヘキシルアミン 122.5 g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一に分散させて鉱油/ウレア系ベースグリース(JISちょう度No.2グレード、ちょう度:265〜295)を得た。このベースグリースに、表1に示す配合で添加剤を配合してハブベアリング用グリースを得た。
さらに、上記ハブベアリング用グリース 100 重量部に対して、防錆添加剤であるソルビタントリオレエート 1 重量部、カルシウムスルホネート 1 重量部および酸化防止剤であるアルキルジフェニルアミン 2 重量部を添加した。
得られたハブベアリング用グリースにつき、実施例1と同様に評価した。結果を表1に併記した。
Figure 0004829539
2円筒試験:
2円筒試験機を用いて耐表面起点型剥離性を評価した。図2は2円筒試験機の概略図である。図2において駆動側円筒9aと、従動側円筒9bはそれぞれの回転軸の片端に取付けられる。2円筒試験条件を表2にまとめた。駆動側円筒9a側の軸をモータで駆動し、従動側円筒9bは、駆動側円筒に従動させる自由転がりにした。駆動側円筒9aにSUJ2標準熱処理品、従動側円筒9bにS53C高周波熱処理品を用いた。いずれの試験片も表面硬度をロックウェル硬度HRC 60〜63 とした。
評価は任意の視野における剥離部の面積率(%、剥離部面積合計×100/視野総面積)により実施した。供試グリースについて各 3 点の視野で従動側円筒表面の剥離部面積率を測定しその平均値を表1に併記した。
また、供試グリースの優劣については剥離部面積率の大小で評価し、剥離部面積率が 15%以下であるグリースは耐表面起点型剥離性に優れていると評価して「○」を、それ以外を「×」として表1に併記した。
Figure 0004829539
表1においてZnDTPを添加した実施例1〜実施例7はすべて剥離部面積が小さいのに対し、比較例1〜比較例3は剥離部面積が大きい。
本発明のハブベアリング用グリースは、基油と、増ちょう剤と、ZnDTPとを必須成分とするので、自動車用ハブベアリングにおける表面起点型剥離を抑えることができ、軌道輪に構造用鋼を用いた軸受においても、潤滑条件が過酷になっても長寿命を得ることができる。そのため、耐摩耗性とともに、長期間耐久性の要求される鉄道車両、建設機械、自動車電装補機などに好適に利用することができる。
ハブベアリングの断面図である。 2円筒試験機の概略図である。
符号の説明
1 ハブ輪
1a 内側転走面
1b 小径段部
1c 加締部
1d 車輪取付けフランジ
2 内輪
2a 内側転走面
3 外方部材
3a 外側転走面
3b 車体取付けフランジ
4 転動体
5 内方部材
6 ハブベアリング
7 シール部材
8 シール部材
9a 駆動側円筒
9b 従動側円筒
10a 駆動側タコメータ
10b 従動側タコメータ
11a 駆動側スリップリング
11b 従動側スリップリング

Claims (4)

  1. 自動車の車輪を回転支持し、機械構造用炭素鋼からなる摺接部位を有するハブベアリングであって、
    前記摺接部位を潤滑するグリースが封入されてなり、該グリースは、基油と、増ちょう剤と、ジチオリン酸亜鉛とを必須成分とし、
    前記基油が、鉱油、または、鉱油と合成炭化水素油との混合油であり、
    前記増ちょう剤が、芳香族ジイソシアネートと、脂環族モノアミンおよび芳香族モノアミンとの反応で得られる脂環族−芳香族ウレア系化合物であり、
    前記ジチオリン酸亜鉛が、グリース全体に対して 0.1〜20 質量%含有されることを特徴とするハブベアリング。
  2. 前記ジチオリン酸亜鉛が、下記式(2)で示されるものであることを特徴とする請求項1記載のハブベアリング。
    Figure 0004829539
    (式中、R 4 は 1 級または 2 級の脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基である。)
  3. 前記増ちょう剤が、グリース全体に対して 1〜40 質量%含有されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のハブベアリング。
  4. 前記ジチオリン酸亜鉛が、グリース全体に対して 0.5〜3 質量%含有されることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載のハブベアリング。
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