JP6899788B2 - グリース組成物 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態のグリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、水溶性ポリマーとを含む。グリース組成物は、水の含有量が10質量%以下である。増ちょう剤は、ウレア系化合物、リチウム石けん、または、リチウムコンプレックス石けんを含む。水溶性ポリマーは、ポリアルキレングリコールを含む。また、水溶性ポリマーは、増ちょう剤がウレア系化合物を含む場合には0.6質量%以上含まれ、リチウム石けんを含む場合には0.3質量%以上含まれ、リチウムコンプレックス石けんを含む場合には1.6質量%以上含まれる。以下、それぞれについて説明する。
基油は、グリース組成物に使用される通常の基油であれば特に限定されない。一例を挙げると、基油は、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等の処理を、適宜組み合わせて原油から精製した鉱物油;天然ガス等からフィッシャートロプシュ法により合成されたガス液化油(GTL油);ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチルアセチルシノレート等のジエステル系合成油;トリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル系合成油;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル系合成油;多価アルコールと二塩基酸および一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等のエステル系合成油;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール系合成油;モノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル系合成油;ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンとのコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等の合成炭化水素油;ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン等のシリコーン系合成油;パーフルオロポリエーテル等のフッ素系合成油等である。基油は、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
増ちょう剤は、ウレア系化合物、リチウム石けん、または、リチウムコンプレックス石けんを含み、これらのうちいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの増ちょう剤が含まれることにより、得られるグリース組成物は、優れた難燃性(自己消火性・非延焼性)を示し、かつ、潤滑特性が優れる。
水溶性ポリマーは、ポリアルキレングリコールを含む。ポリアルキレングリコールは特に限定されない。一例を挙げると、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド−プロピレンオキサイド(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体)、ポリ(メチル−エチレン)グリコール、ポリブチレングリコール等である。また、ポリアルキレングリコールは、2種以上の異なるアルキレンオキサイドを用いて得られるポリアルキレングリコールのランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物のいずれも使用できる。ポリアルキレングリコールは、前記例示のものからいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のグリース組成物は、たとえば防錆性能等を付与するために、スルホン酸塩が好適に配合され得る。スルホン酸塩は特に限定されない。一例を挙げると、スルホン酸塩は、スルホン酸アルカリ金属塩、スルホン酸アルカリ土類金属塩等のスルホン酸金属塩、スルホン酸アミン塩等である。スルホン酸塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアミンとスルホン酸とを反応させることにより調製し得る。スルホン酸塩を構成するアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が例示される。アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が例示される。これら中でも、金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、またはバリウム塩であることが好ましく、カルシウム塩であることがより好ましい。また、スルホン酸塩がアミン塩である場合、アミンは、モノアミン、ポリアミン、アルカノールアミン等が例示される。
本実施形態のグリース組成物は、本実施形態の効果が損なわれない範囲において、上記したスルホン酸塩以外の任意成分をさらに含有し得る。任意成分は、耐摩耗剤、酸化防止剤、極圧添加剤、防錆添加剤、ワックス、染料、色相安定剤、増粘剤、構造安定剤、金属不活性剤、酸化防止剤、粘度指数向上剤等が例示される。
増ちょう剤1:リチウム石けん(12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウムとの反応によって形成されたリチウム石けん)
増ちょう剤2:脂肪族系ジウレア化合物(オクチルアミンとステアリルアミンの2種の脂肪族アミンと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートとの反応によって形成されたジウレア化合物)
増ちょう剤3:リチウムコンプレックス石けん(アゼライン酸と12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウムとの反応によって形成されたリチウムコンプレックス石けん)
基油1:昭和シェル石油(株)製のHVI−650(パラフィン系鉱物油、動粘度(40℃):480mm2/s)
基油2:昭和シェル石油(株)製のHVI−160B(パラフィン系鉱物油、動粘度(40℃):98mm2/s)
耐摩耗剤:ジアルキルジチオリン酸亜鉛
極圧添加剤:DIC(株)製のDAILUBE GS−110(硫化油脂)
防錆添加剤:東邦化学工業(株)製のPAS−80(ソルビタン脂肪酸エステル)
スルホン酸塩:(株)MORESCO製のスルホールCa−45N(カルシウムスルホネートを45質量%、油分を54質量%、水を1質量%以下含む 塩基価:0.26mgKOH/g)
水溶性ポリマー:三洋化成工業(株)製のニューポールV−22F(50質量%の多価アルコールアルキレンオキサイド(EO/PO共重合体)付加物と、50質量%の水を含む 動粘度(40℃):2000mm2/s)
表1に記載の処方に従い、グリース組成物を調製した。得られたグリース組成物について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
るつぼ(容量:約30mL)に17gのグリース組成物を入れ、950℃に加熱した鋼球(鋼球径:19.05mm)を投入した。投入後の着火の有無、および、着火した場合に着火後から自然に消火するまでの時間を測定した。×は、消火に10分以上を要したことを示す。また、−は、未実施であることを示す。
スチール製金属容器(容量:約100mL)に80gのグリース組成物を入れ、950℃に加熱した鋼球(鋼球径:28.575mm)を投入した。投入後の着火の有無、および、着火した場合に着火後から自然に消火するまでの時間を測定した。×は、消火に10分以上を要したことを示す。また、−は、未実施であることを示す。
ASTM D2596に従い、グリース組成物の融着荷重(N)を下記の試験条件で測定した。融着荷重の値が大きいほど、耐焼付き性が優れていることを示す。
回転数:1770min-1
試験温度:室温(25℃)
試験時間:10秒
Claims (6)
- 基油(ただし、ポリアルキレングリコールを除く)と、増ちょう剤と、水溶性ポリマーと、水とを含むグリース組成物であって、
前記基油は、グリース組成物中50〜95質量%含まれ、
前記増ちょう剤は、ウレア系化合物、リチウム石けん、または、リチウムコンプレックス石けんを含み、
前記水溶性ポリマーは、
ポリアルキレングリコールを前記水溶性ポリマー中10質量%以上含み、かつ、
前記増ちょう剤がウレア系化合物を含む場合にはグリース組成物中0.6〜20質量%含まれ、リチウム石けんを含む場合には0.3〜20質量%含まれ、リチウムコンプレックス石けんを含む場合には1.6〜20質量%含まれ、
前記水は、
前記増ちょう剤がウレア系化合物を含む場合にはグリース組成物中1〜10質量%含まれ、リチウム石けんを含む場合には0.5〜10質量%含まれ、リチウムコンプレックス石けんを含む場合には2〜10質量%含まれる、グリース組成物。 - 前記ポリアルキレングリコールは、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとの共重合体である、請求項1記載のグリース組成物。
- スルホン酸塩をさらに含む、請求項1または2記載のグリース組成物。
- 水の含有量がグリース組成物中4質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 水と水溶性ポリマーの合計含有量がグリース組成物中8質量%以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のグリース組成物。
- 前記水溶性ポリマーが、ポリアルキレングリコールを前記水溶性ポリマー中50質量%以上含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のグリース組成物。
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