JP5513147B2 - グリース組成物及びグリース組成物自動給脂装置 - Google Patents

グリース組成物及びグリース組成物自動給脂装置 Download PDF

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Description

本発明は、グリース組成物及びグリース組成物自動給脂装置に関する。特に、自動給脂装置を用いて供給され、射出成形機、工作機械等のボールネジ、リニアガイド、摺動部、トグル部などを潤滑するグリース組成物、及びそのグリースを給脂する自動給脂装置に関する。
自動給脂装置を用いてグリースを供給する場合、配管や分配弁の圧力差による油分離によって、グリースからの極端な油分の減少(固体分の増加)により、配管、分配弁内に固化したグリースが溜まり、又は増ちょう剤やグリース中の固体の添加剤が目詰まりし、グリース給脂が不能になり、射出成形機、工作機械のボールネジ、リニアガイド、摺動部、トグル部などの潤滑箇所において潤滑不良が起こる場合がある。従って、自動給脂装置を用いてグリースを供給する場合のグリースは、圧力により油分離し難く、且つ増ちょう剤含有量が少なく固体の添加剤を含有しないグリースが好ましい。
また、射出成形機、工作機械は、ボールネジ、リニアガイドなどのように転がり運動を行う被潤滑部の他、摺動部、トグル部などのように滑り運動を行う被潤滑部がある。転がり運動を行う被潤滑部のはく離寿命は、金属の疲労による寿命であり、この寿命を全うするためには潤滑油膜を厚くすることが古くから唯一の手段とされている。従って、この被潤滑部の潤滑に使用されるグリースには、従来、油膜を充分に厚くすること、すなわち充分に高い粘度を有する基油を使用することのみが求められていた。
しかし、一般の金属疲労はく離では油膜が薄くなった場合、表面の微小突起が接触し、表面起点はく離が生じ易くなり寿命が短くなる。
油膜厚さは、機械部品の速度がゼロの際、限りなくゼロに近づく。この速度ゼロの状態は、射出成形機や工作機の機械部品、例えばボールネジやリニアガイドなどではスタート・ストップの繰り返しや往復揺動運動などで頻繁に見られる状態である。最近の研究では、転がり接触におけるグリースの潤滑性能は、基油のみならず増ちょう剤によっても著しく変化する。例えば転がり四球試験機による転がり疲れの実験において、基油が同じでもウレア系グリースを用いた場合の方が、リチウム系グリースを用いた場合より長寿命を示す結果が得られている。これは増ちょう剤の厚い潤滑膜の形成により長寿命に至ったと推定している(非特許文献1)
更に、低速域ではグリースの潤滑膜は速度低下にともなって厚みを増し、基油が形成する潤滑膜が二桁程度厚くなるとし、この特異な挙動には増ちょう剤の種類の影響が認められ、低速域において、ウレア系グリースのはリチウム系グリースよりも厚い潤滑膜を作ると報告されている(非特許文献2)。このように、低速域における膜厚の増大は、金属面の直接接触を防ぎ、スタート・ストップの繰り返しや往復揺動運動など行う、射出成形機や工作機の機械部品、例えばボールネジやリニアガイドなどでは効果があると考えられる。
一方、滑り運動を行う被潤滑部の潤滑は摩擦係数を下げる目的で摩擦緩和剤を添加することがその手段とされてきた。
また、射出成形機、工作機械などでは、使用量の削減を目的に油潤滑からグリース潤滑に変更する場合が多くなってきた。グリース潤滑にすることで、大幅に使用量を低減することが可能になったが、グリースの飛び散りにより周辺設備の汚染が問題となった。
また、工作機械の場合、それに使用されるクーラントが水溶性のものから、それよりも洗浄性の高いケミカル系のものに代わりつつあり、ケミカルクーラントにはゴムや樹脂等を溶かし易いという難点がある。ボールネジはねじ軸がナットから露出しており、そのねじ軸にはグリースが付着している。それゆえ、そのねじ軸は、クーラントがかからないように、蛇腹等で覆われている。しかし、ケミカルクーラントがゴムや樹脂からなる蛇腹を溶かしてしまい、結果的にはクーラントがねじ軸にかかり、ねじ軸に付着しているグリースを洗い流し、ボールねじが潤滑不良になるということがある。こうしたことを防止するには、グリースの耐水性を向上させればよく、それにはウレア系増ちょう剤を用いることが好ましいとされている(特許文献1)。
特開2005−53983号公報
董ら、トライボロジー会議予稿集(宇都宮2001-11)355 遠藤ら、トライボロジー会議予稿集(東京2008-5)181
本発明の目的は、射出成形機、工作機械のボールネジ、リニアガイドなどの転がり運動を行う被潤滑部、摺動部、トグル部などのように滑り運動を行う被潤滑部に使用されるグリース組成物及びそのグリースを給脂する自動給脂装置を提供することである。
本発明の他の目的は、転がり運動を行う被潤滑部で油膜を充分に厚くし、滑り運動を行う被潤滑部で摩擦係数を下げることができ、工作機械等で用いられるケミカルクーラントに対する耐性を有し、配管や分配弁の圧力差による油分離によって、グリースからの極端な油分の減少(固体分の増加)により、配管、分配弁内に固化したグリースが溜まり、又は増ちょう剤やグリース中の固体の添加剤が目詰まりし、グリース給脂が不能になり射出成形機、工作機械のボールネジ、リニアガイド、摺動部、トグル部などの潤滑箇所において潤滑不良が起こることなく、且つグリースが飛び散っても、周辺設備に留まることなく、汚染を防ぐことが可能なグリース組成物及びそのグリースを給脂する自動給脂装置を提供することである。
本発明は、以下のグリース組成物及びグリース組成物自動給脂装置を提供する。
(1)下記(a)〜(d)の成分を含有し、混和ちょう度が400〜500であるグリース組成物:
(a)増ちょう剤として、下記式(I)〜(III)で表されるジウレアの混合物を、組成物の全量を基準として1〜5質量%、
(I): R1-NHCONH−R2−NHCONH−R1
(II): R1-NHCONH−R2−NHCONH−R3
(III):R3-NHCONH−R2−NHCONH−R3
(式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基であり、
R1およびR3は互いに異なる基であり、それぞれ独立してシクロヘキシル基、または炭素数8〜20の直鎖または分岐アルキル基を示す。)
(b)基油の全量を基準として80質量%以上の鉱油を含有する基油、
(c)基油に溶解するジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び
(d)カルシウムスルホネート。
(2)前記式(I)〜(III)中、R1およびR3のいずれか一方が、炭素数8〜10の直鎖または分岐アルキル基であり、他方が炭素数14〜20の直鎖または分岐アルキル基であることを特徴とする(1)に記載のグリース組成物。
(3)前記(a)増ちょう剤が、
式(I)〜(III)中、R1が炭素数18の直鎖又は分岐アルキル基であり、R2が-C6H4-CH2-C6H4-であり、R3がシクロへキシル基であるジウレア化合物の混合物、であるか、又は
式(I)〜(III)中、R1が炭素数18の直鎖又は分岐アルキル基であり、R2が-C6H4-CH2-C6H4-であり、R3が炭素数8の直鎖又は分岐アルキル基であるジウレア化合物の混合物である、(1)記載のグリース組成物。
(4)組成物の全質量を基準として、(c)基油に溶解するジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの含有量が1〜5質量%であり、(d)カルシウムスルホネートの含有量が1〜5質量%である(1)〜(3)のいずれかに記載のグリース組成物。
(5)さらに、(e)チオホスフェートを含有する(1)〜(4)のいずれかに記載のグリース組成物。
(6)組成物の全質量を基準として、(e)チオホスフェートの含有量が0.1〜1質量%である(5)記載のグリース組成物。
(7)自動給脂装置を用いて潤滑部へグリースを供給し潤滑する射出成形機用又は工作機用である(1)〜(6)のいずれかに記載のグリース組成物。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載のグリース組成物を射出成形機又は工作機の潤滑部へ供給する自動給脂装置。
本発明によれば、転がり運動を行う被潤滑部で油膜を充分に厚くし、滑り運動を行う被潤滑部で摩擦係数を下げることができ、工作機械等で用いられるクーラントに対する耐性を有し、かつ配管や分配弁の圧力差による油分離による、グリースからの油分の減少を抑制でき、グリースが飛び散っても周辺設備に留まることなく、汚染を防ぐことが可能である。
〔(a)増ちょう剤〕
本発明で用いる増ちょう剤は、下記式(I)〜(III)で表される特定のジウレア化合物の混合物である。
(I): R1-NHCONH−R2−NHCONH−R1
(II): R1-NHCONH−R2−NHCONH−R3
(III):R3-NHCONH−R2−NHCONH−R3
式(I)〜(III)中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基であり、好ましくは-C6H4-CH2-C6H4-、-C6H4-、-C6H3(CH3)-であり、特に好ましくは-C6H4-CH2-C6H4-である。
R1およびR3は互いに異なる基であり、それぞれ独立してシクロヘキシル基、または炭素数8〜20の直鎖または分岐アルキル基を示す。シクロへキシル基、炭素数8〜20の直鎖アルキル基が好ましい。式(I)〜(III)中の、R1およびR3のいずれか一方が、炭素数8〜10の直鎖または分岐アルキル基であり、他方が炭素数14〜20の直鎖または分岐アルキル基であるのが好ましい。R1およびR3が同一の基では、増ちょう剤の微粒子が大きく形成されてしまい、配管や分配弁でグリース詰まりが発生してしまう。また、R1およびR3が芳香族炭化水素基では、同一のちょう度を得る為の増ちょう剤量が多く、グリース詰まりの原因となってしまう。
本発明で用いるジウレア化合物としては、特に以下のものが好ましい:
式(I)〜(III)中、R1が炭素数18の直鎖又は分岐アルキル基であり、R2が-C6H4-CH2-C6H4-であり、R3がシクロへキシル基であるジウレア化合物の混合物;及び
式(I)〜(III)中、R1が炭素数18の直鎖又は分岐アルキル基であり、R2が-C6H4-CH2-C6H4-であり、R3が炭素数8の直鎖又は分岐アルキル基であるジウレア化合物の混合物。
本発明で用いるジウレア系増ちょう剤は、オクチルアミン、ステアリルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン等のアルキルモノアミン、シクロヘキシルアミン等のモノアミンとジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネートとの反応によって得られる。
リチウム石けんやリチウムコンプレックス石けんなどの金属石けんを増ちょう剤としたグリースでは、耐水性に劣るため、工作機械等で用いられる水溶性切削油に洗い流されてしまう。
本発明の組成物中の増ちょう剤量は、1〜5質量%、好ましくは2〜4質量%である。5質量%超ではグリース詰まりが発生しやすく、1質量%未満では、付着性が劣り、潤滑部のグリース不足に至ってしまう。
〔(b)基油〕
本発明で使用する基油は、基油の全量を基準として80質量%以上の鉱油を含有する。必要に応じて合成油を混合して使用することが可能である。
合成油としては、例えば、ジエステル、ポリオールエステルに代表されるエステル系合成油、ポリαオレフィン、ポリブテンに代表される合成炭化水素油、アルキルジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールに代表されるエーテル系合成油、シリコーン油など各種合成油が使用可能であり、これらは単独でも2種以上を混合して使用してもよい。極性基を有さないポリαオレフィン、ポリブテンに代表される合成炭化水素油を単独で使用すると、添加剤の溶解性が劣り、添加剤を析出させてしまいグリース詰まりを発生させてしまう。極性基を有するジエステル、ポリオールエステルに代表されるエステル油を単独で使用すると、ゴム材、樹脂材との相性が悪く、周辺部材を劣化させてしまう恐れがある。
欠点も少なく、安価という点からも鉱油100%が好ましい。
基油の40℃における動粘度は80〜150mm2/sが好ましい。80mm2/s未満では、油膜厚さが充分でなく、潤滑部の金属表面の微小突起が接触し、表面起点はく離が生じ易くなり寿命が短くなる。150mm2/s超では、攪拌抵抗が増してしまい、機械部品のトルクの上昇を招いてしまう。
〔添加剤〕
(c)基油に溶解するジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン
本発明に使用する成分(c)基油に溶解するジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(以下、単に“油溶性MoDTC”と称する)に関し、“基油に溶解する(油溶性)”とは、0.5質量%のジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンを鉱油に加えて攪拌し、これを70℃×24時間保持後に目視で観察した結果、基油中に不溶解分が残存していないことを意味する。
(c)油溶性MoDTCとしては、次式で表されるものが好ましい。
[R4R5N-CS-S]2-Mo2OmSn
(式中、R4及びR5は、炭素数5〜24、好ましくは炭素数5〜18の直鎖又は分岐アルキル基であり、mは0〜3、nは4〜1であり、m+n=4である)。
組成物の全量を基準として、(c)油溶性MoDTCの含有量は、1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。1質量%未満では、所期の効果を十分に得ることが困難になり、一方5質量%超の場合にも添加量に見合う効果の増大はない。
(d)カルシウムスルホネート
本発明に使用する成分(d)カルシウムスルホネートとは、親油基である有機基を有するスルホン酸のカルシウム塩である。このような有機スルホン酸塩としては、潤滑油留分中の芳香族炭化水素成分のスルホン化によって得られる石油スルホン酸とジノニルナフタレンスルホン酸や重質アルキルベンゼンスルホン酸のような合成スルホン酸等が挙げられる。特に好ましくは、ジノニルナフタレンスルホン酸のカルシウム塩、アルキルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩である。とりわけ、中性のジノニルナフタレンスルホン酸のカルシウム塩、中性のアルキル基の炭素数が16〜24であるアルキルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩が好ましい。
組成物の全量を基準として、(d)カルシウムスルホネートの含有量は、1〜5質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。1質量%未満では、所期の効果を十分に得ることが困難になり、一方5質量%超の場合には添加量に見合う効果の増大はない。
〔任意成分〕
(e)チオホスフェート
本発明の組成物はさらに、(e)成分としてチオホスフェートを含有してもよい。本発明で使用するチオホスフェートとしては、次式で表されるものが好ましい。
(R6O)(R7O) P(=S)(OR8)
式中、R6は、炭素原子数1〜24のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数6〜30のアルキルアリール基、又は炭素原子数6〜30のアリールアルキル基を示す。
7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1〜24のアルキル基、炭素原子数5〜6のシクロアルキル基、炭素原子数6〜30のアルキルシクロアルキル基、1〜3環のアリール基、炭素原子数6〜30のアルキルアリール基又は炭素原子数6〜30のアリールアルキル基を示す。
特に好ましくは、R6、R7、R8が、アルキル基の炭素原子数が9又は10であるアルキルフェニル基であるトリ(アルキルフェニル)チオホスフェートである。
全組成物中、チオホスフェートの含有量は、0.1〜1質量%が好ましく、0.2〜1質量%がより好ましい。0.1質量%未満では、所期の効果を十分に得ることが困難になり、一方1質量%超の場合にも効果の増大はない。
更に本発明のグリース組成物には必要に応じて汎用の添加剤を添加しても良い。例えば、以下に示す添加剤が挙げられる。但し、固体潤滑剤や基油に溶解しない添加剤(例えば、基油に溶解しないジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン(以下、単に“非油溶性MoDTC”と称する)は、配管や分配弁でグリース詰まりが発生し、グリース給脂が不能になり射出成形機、工作機械のボールネジ、リニアガイド、摺動部、トグル部などの潤滑箇所において潤滑不良が起こってしまうため、含まないのが好ましい。
(f)酸化防止剤
アミン類;フェニルαナフチルアミン、アルキル化フェニルαナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミンなど
フェノール類;2、6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3、5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのヒンダードフェノール
キノリン系;2、2、4−トリメチル−1、2ジヒドロキノリン重合体など
(g)錆止め剤
カルボン酸およびその誘導体;アルケニルコハク酸無水物、アルケニルコハク酸エステル、アルケニルコハク酸ハーフエステル
カルボン酸塩;脂肪酸、二塩基酸、ナフテン酸、ラノリン脂肪酸、アルケニルコハク酸などの金属(Ca、Ba、Mg、Al、Zn、Naなど)又はアミン塩
スルホン酸塩;スルホン酸のBa塩、Zn塩、Na塩など
エステル;ソルビタントリオレート、ソルビタンモノオレートなど
金属腐食防止剤;ベンゾトリアゾール又はその誘導体など
(h)極圧剤
リン系化合物;トリクレジルホスフェート、トリ-2-エチルヘキシルホスフェートなど
硫黄系化合物;ジベンジルジサルファイド、各種ポリサルファイドなど
硫黄-リン系化合物;トリフェニールホスホロチオネート
有機金属系極圧剤;ジアルキルジチオリン酸のZn、Mo、Sb、Biなどの塩、ジアルキルジチオカルバミン酸のZn、Sb、Ni、Cu、Biなどの塩など
その他、無灰ジチオカーバメート、無灰ジチオフォスフェートカーバメートなど
〔混和ちょう度〕
グリースが飛び散っても、周辺設備に留まることなく、汚染を防ぐことが可能なグリース組成物の硬さは、混和ちょう度が400〜500であり、好ましくは430〜490である。400未満ではグリース詰まりの恐れがあり、500超では付着性が劣り、潤滑部のグリース不足による潤滑不良を招いてしまう。
〔自動給脂装置〕
本発明のグリース組成物を供給するための自動給脂装置としては、例えば特開2005-233240号公報の図3に記載されているような構造のものを使用することができる。
<実施例1〜3,比較例1〜12>
基油中で表1〜3に示した原料イソシアネート1モルに対し原料アミン2モルの比率で所定量を反応させ、添加剤を所定量加え、3本ロールミルで規定のちょう度になるように調整した。なお、基油の40℃における動粘度は、JIS K 2283に基づき測定した。
<比較例13>
所定量の基油中で所定量のヒドロキシステアリン酸リチウムを混合加熱溶解し、冷却した後、添加剤を所定量加え、3本ロールミルで規定のちょう度になるように調整した。
<試験方法>
1.混和ちょう度;JIS K 2220.7
2.遠心離油度:ASTM D 4425に準拠して行った。
(試験条件)試験温度;25℃,遠心力;45210G,試験時間;60分
(判定) 遠心離油度(質量%)
○;60%>: グリースの油分離が極めて少ない。自動給脂装置を用いてグリー
スを供給する場合、配管や分配弁の圧力差による油分離が極めて
少なく、グリースからの極端な油分の減少(固体分の増加)が極
めて少ない。
△;60〜75%:十分でないがグリースの油分離が少ない。自動給脂装置を用いて
グリースを供給する場合、配管や分配弁の圧力差による油分離が
少なく、グリースからの極端な油分の減少(固体分の増加)が少
ない。
×;75%<: グリースの油分離が多く、自動給脂装置を用いてグリースを供給
する場合、配管や分配弁の圧力差による油分離が多く、グリース
からの極端な油分の減少(固体分の増加)が多い。
3.グリース圧送試験:
(試験方法概要)
配管内部にグリースを充填し、グリースポンプでグリースを圧送した時の配管抵抗を測定した。
(試験条件)
・試験温度:0℃
・グリースポンプ吐出量:10ml/min
・配管:内径φ3.6のホース10m
(判定)
○;配管抵抗が3.2MPa以下
×;配管抵抗が3.2MPaより大
4.耐クーラント性:DIN51807に準拠し、下記条件にて試験した。
(試験条件)試験温度;90℃,試験時間15分
(判定) グリースの変化
○;変化無し: 耐クーラント性を十分有し、クーラントによりグリ
ースが極めて洗い流され難い。
△;グリースの一部溶解:耐クーラント性を僅かに有し、十分ではないがクー
ラントによりグリースが流され難い。
×;グリースの完全溶解:耐クーラント性が無く、クーラントによりグリース
が流され易い。
5.油膜厚さ:測定装置・・・光干渉式EHL油膜厚さ測定装置
(試験条件)試験温度;25℃,転がり速度;0.01m/s,面圧;0.55Gpa
(判定)油膜厚さ
○;100nm<:低速域における潤滑膜厚さが十分に厚く、金属面の直接接触を防ぎ
、スタート・ストップの繰り返しや往復揺動運動など行う、射出成
形機や工作機の機械部品、例えばボールネジやリニアガイドなどで
はく離寿命延長効果が大きい。
△;50〜100nm:低速域における潤滑膜厚さが僅かに厚く、金属面の直接接触を防ぎ
、スタート・ストップの繰り返しや往復揺動運動など行う、射出成
形機や工作機の機械部品、例えばボールネジやリニアガイドなどで
はく離寿命延長効果が少しある。
×;50nm> :低速域における潤滑膜厚さが薄く、金属面の直接接触を防ぎ、スタ
ート・ストップの繰り返しや往復揺動運動など行う、射出成形機や
工作機の機械部品、例えばボールネジやリニアガイドなどではく離
寿命延長効果が無い。
6.摩擦特性;TE77試験にて試験した。
(試験条件)
テストピース; ボール 直径17.5mm SUJ2
プレート SUJ2
荷重;300N,周波数30Hz,振幅13.5mm,
(判定)10秒後の摩擦係数
◎;0.04>: 摩擦係数が極めて低く、工作機の摺動部など、滑り運動を行う被潤
滑部の潤滑性が特に優れる。
○;0.04〜0.05:摩擦係数が低く、工作機の摺動部など、滑り運動を行う被潤滑部の
潤滑性が優れる。
△;0.05〜0.07:摩擦係数が僅かに低いが、工作機の摺動部など、滑り運動を行う被
潤滑部の潤滑性が優れる程ではない。
×;0.07<: 摩擦係数が高く、工作機の摺動部など、滑り運動を行う被潤滑部の
潤滑性が劣る。
7.耐ゴム性;JIS K 6258に準拠して行った。
(試験条件)試験ゴム;NBR,試験温度70℃,試験時間168h
(判定)体積変化率
○;5%>: 対ゴム性が極めて優れ、シールなどの周辺部材との適合性が極めて
優れる。
△;5〜10%:対ゴム性が優れ、シールなどの周辺部材との適合性が優れる。
×;10%<: 対ゴム性に劣り、シールなどの周辺部材を劣化させてしまう。
8.垂れ落ち性
(試験方法概要)
SPCC鋼板にグリースを3ml塗布し、鋼板を90°傾け室温で10分間静置し、グリースの垂れ落ち度合いを比較評価した。
(判定)グリースの垂れ落ち距離
○;100mm< :垂れ落ち性が極めて優れ、グリースが飛び散ってもその場に
留まることなく垂れ落ち、周辺設備の汚染防止効果に極めて
優れる。
△;10〜100mm:垂れ落ち性が極めて優れ、グリースが飛び散ってもその場に
留まることなく垂れ落ち、十分ではないが周辺設備の汚染防
止効果を有する。
×;10mm>: 垂れ落ち性が劣り、グリースが飛び散ってもその場に留まり
、周辺設備を汚染する。
Figure 0005513147
Figure 0005513147
Figure 0005513147

Claims (7)

  1. 下記(a)〜(d)の成分を含有し、混和ちょう度が400〜500であるグリース組成物:
    (a)増ちょう剤として、下記式(I)〜(III)で表されるジウレアの混合物を、組成物の全量を基準として1〜5質量%、
    (I): R1-NHCONH−R2−NHCONH−R1
    (II): R1-NHCONH−R2−NHCONH−R3
    (III):R3-NHCONH−R2−NHCONH−R3
    (式中、R2は炭素数6〜15の2価の芳香族炭化水素基であり、
    R1およびR3は互いに異なる基であり、それぞれ独立してシクロヘキシル基、または炭素数8〜20の直鎖または分岐アルキル基を示す。)
    (b)基油の全量を基準として80質量%以上の鉱油を含有する基油、
    (c)基油に溶解するジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン、及び
    (d)カルシウムスルホネート。
  2. 前記式(I)〜(III)中の、R1およびR3のいずれか一方が、炭素数8〜10の直鎖または分岐アルキル基であり、他方が炭素数14〜20の直鎖または分岐アルキル基であることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  3. 前記(a)増ちょう剤が、
    式(I)〜(III)中、R1が炭素数18の直鎖又は分岐アルキル基であり、R2が-C6H4-CH2-C6H4-であり、R3がシクロへキシル基であるジウレア化合物の混合物、であるか、又は
    式(I)〜(III)中、R1が炭素数18の直鎖又は分岐アルキル基であり、R2が-C6H4-CH2-C6H4-であり、R3が炭素数8の直鎖又は分岐アルキル基であるジウレア化合物の混合物である、請求項1記載のグリース組成物。
  4. 組成物の全質量を基準として、(c)基油に溶解するジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンの含有量が1〜5質量%であり、(d)カルシウムスルホネートの含有量が1〜5質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載のグリース組成物。
  5. さらに、(e)チオホスフェートを含有する請求項1〜4のいずれか1項記載のグリース組成物。
  6. 組成物の全質量を基準として、(e)チオホスフェートの含有量が0.1〜1質量%である請求項5記載のグリース組成物。
  7. 自動給脂装置を用いて潤滑部へグリースを供給し潤滑する射出成形機用又は工作機用である請求項1〜6のいずれか1項記載のグリース組成物。
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