JP5486246B2 - 潤滑剤組成物 - Google Patents

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本発明は、改良された潤滑剤組成物、特に耐熱性、機械的安定性、耐荷重性及び難燃性に優れたグリース構造を有する潤滑剤組成物、並びに更に防錆性に優れた潤滑剤組成物に関する。
自動車工業などにおいて、高性能化と共に、小型化・軽量化に伴い、等速ジョイント、軸受、歯車などに使用される潤滑剤に、耐熱性、機械的安定性及び潤滑性等の高品質化が強く要望されてきており、そうしたニーズを満たすために、増ちょう剤としてウレア化合物を使用したグリース組成物が開示されている(特許文献1)。
このウレア化合物を増ちょう剤として使用したグリース組成物は、滴点が高く、耐熱性に優れ、また常温から高温にいたるまでの機械的安定性および潤滑性に優れた性能を示し、現状において好ましい潤滑剤組成物の一つであると考えられている。
しかし、このウレア化合物を増ちょう剤として使用したグリース組成物では、その耐荷重性もしくは耐摩耗性が充分ではない場合があり、これを向上させるために、リン系、硫黄系に代表される極圧剤あるいは耐摩耗剤と呼ばれる添加剤を添加する必要がある。
また、化学工場、焼付け塗装工場、製鉄・製鋼工場では、製造工程、作業工程が高温下にあると共に、製造および作業工程中に火花が散ったり、高温に加熱された飛散スケールがグリースと接触して着火する危険性があり、こうした火災防止のためにできるだけ難燃性に優れた潤滑グリースが望まれている。
また、ウレア化合物よりも高温で使用可能である性能の高い潤滑剤に対する要望も大きい。
更に、錆を生じないような潤滑グリースにすると、水分の存在するように部位、多湿な環境下においても安心して使用することができるようになり、その用途を一層広げることができる。
特開昭60−231796号公報
本発明は、良好なグリース性能が得られると共に、耐高温性に優れており、機械的安定性、耐荷重性も良好な潤滑剤組成物を得ようとするものである。
また、耐水性、防錆性にも優れた潤滑剤組成物を得ようとするものである。
本発明者等は、鉱油および/または合成油の基油に第三リン酸マグネシウムを加えることにより優れた増ちょう効果を得ることができ、グリース化できることを見出し、こうしたグリース性能を有する潤滑剤組成物は、高温条件下においても十分な潤滑機能を果たし、耐荷重特性、機械的安定性にも優れた性質を有することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は鉱油および/または合成油の基油に増ちょう剤としては第三リン酸マグネシウムのみを含有させることによって、耐高温性、耐荷重性及び機械的安定性に優れた潤滑剤組成物とするものである。
上記第三リン酸マグネシウムは潤滑剤組成物の全組成物に対して約10〜60質量%使用するとよい。
また、上記した鉱油および/または合成油の基油に第三リン酸マグネシウムを含有させたものに、更にグリース安定化剤を加えると防錆性にも優れた潤滑剤組成物とすることができる。
こうしたグリース安定化剤には、ソルビタン脂肪酸エステル、二塩基酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、脂肪酸アミドなどがある。
本発明の潤滑剤組成物は、グリース性能を有しており、特に極圧剤を必要とすることなく、優良な耐荷重性能と機械的安定性を得ることが出来る。
この潤滑剤組成物は、その用途として、一般に使用される機械装置、軸受装置、直動装置、歯車装置等に使用可能であることは当然として、高温条件に置かれる部位や、より苛酷な条件下で優れた性能を発揮することができる。
例えば、自動車分野では、スターター、オルターネーター及び各種アクチュエーター部のエンジン周辺、プロペラシャフト、等速ジョイント(CVJ)、ホイールベアリング及びクラッチ等のパワートレイン、電動パワーステアリング(EPS)、制動装置、ボールジョイント、ドアヒンジ、ハンドル部、冷却ファンモーター、ブレーキのエキスパンダー等の各種部品その他の非常に高温となる部位に好適に用いることができる。
その他の用途としては、ハードディスク軸受用、プラスチック潤滑用、カートリッジグリース等が挙げられるが、これらの用途にも好適である。
また、鉄鋼産業、製紙工業、林業機械、農業機械、化学プラント、発電設備、乾燥炉、複写機、鉄道車両、シームレスパイプのネジジョイント等の各種高温部位に好適であり、さらに、発火のおそれのあるところで、有効に使用することができる。
更に、グリース安定化剤を含むものでは、使用中に水分が発生したり、水分と接触したり、高水分雰囲気で使用されるような箇所におけるグリース状の潤滑剤として、広く用いることができる。
本発明の潤滑剤組成物に用いられる基油には、通常の潤滑油に使用される鉱油、合成油、これらの混合油を適宜使用することができ、その動粘度は100℃において約2〜40mm2/s程度のものが好ましい。
特に、API(American Petroleum Institute;米国石油協会)基油カテゴリーでグループ1、グループ2、グループ3、グループ4などに属する基油を、単独または混合物として使用することができる。
グループ1基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、溶剤精製、水素化精製、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られるパラフィン系鉱油がある。
グループ2基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、水素化分解、脱ろうなどの精製手段を適宜組み合わせて適用することにより得られたパラフィン系鉱油がある。ガルフ社法などの水素化精製法により精製されたグループ2基油は、全イオウ分が10ppm未満、アロマ分が5%以下であり、本発明において好適に用いることができる。
グループ3基油およびグループ2プラス基油には、例えば、原油を常圧蒸留して得られる潤滑油留分に対して、高度水素化精製により製造されるパラフィン系鉱油や、脱ろうプロセスにて生成されるワックスをイソパラフィンに変換・脱ろうするISODEWAXプロセスにより精製された基油や、モービルWAX異性化プロセスにより精製された基油があり、これらも本発明において好適に用いることができる。
合成油としては、例えば、ポリオレフィン、セバシン酸ジオクチルの如き二塩基酸のジエステル、ポリオールエステル、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、エステル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールエステル、ポリオキシアルキレングリコールエーテル、ポリフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、含フッ素化合物(パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等)、シリコーンなどが挙げられる。
上記ポリオレフィンには、各種オレフィンの重合物、又はこれらの水素化物が含まれる。オレフィンとしては任意のものが用いられるが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、炭素数5以上のα−オレフィンなどが挙げられる。ポリオレフィンの製造にあたっては、上記オレフィンの1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いても良い。特にポリα−オレフィン(PAO)と呼ばれているポリオレフィンが好適であり、これはグループ4基油である。
天然ガスの液体燃料化技術のフィッシャートロプッシュ法により合成されたGTL(ガストゥリキッド)は、原油から精製された鉱油基油と比較して、硫黄分や芳香族分が極めて低く、パラフィン構成比率が極めて高いため、酸化安定性に優れ、蒸発損失も非常に小さいため、本発明の基油として好適に用いることができる。
本発明に使用する第三リン酸マグネシウムは、Mg(PO・8HOで示されるものを使用することができる。以下、本発明において含有量を表示する場合にはMg(PO・8HOに基づいた質量で表示するものとする。
この第三リン酸マグネシウムは、上記基油中に加えられるが、潤滑剤組成物の全組成物に対して約1〜70質量%、好ましくは約4〜65質量%、更に好ましくは約8〜60質量%、一層好ましくは約10〜50質量%を配合すると良い。第三リン酸マグネシウムの配合量が1質量%未満の場合には、潤滑剤組成物が軟化状態にある場合があり、その際には適度な半固体状の硬さを維持することができない。また、配合量が70質量%を越える場合には、潤滑剤組成物が固化して滑らかな半固体状とならないことがあり、製造も困難なことが多い。
本発明の潤滑剤組成物は、上記の如く基油に第三リン酸マグネシウムを加えてよく混合し、その後に三本ロールなどを使用してよく混捏することによって容易に得ることができ、第三リン酸マグネシウムを加える量が増えていくに従って、粘ちょう度が増すようになり所望の潤滑剤組成物を得ることができる。
上記した鉱油および/または合成油の基油に第三リン酸マグネシウムを含有させたものに、更にグリース安定化剤を加えると防錆性にも優れた潤滑剤組成物とすることができる。
こうしたグリース安定化剤には、ソルビタン脂肪酸エステル、二塩基酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、脂肪酸アミドなどを使用することができる。
上記ソルビタン脂肪酸エステルとしては、ソルビタントリステアレート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノラウレート、ステアリン酸・オレイン酸のモノ・ジソルビタンなどが挙げられる。
二塩基酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩としては、セバシン酸ナトリウム、セバシン酸カルシウム、アジピン酸ナトリウム、アジピン酸カルシウムなどを使用することができる。
また、脂肪酸アミドとしては、モノアミドあるいはジアミド等を使用することができ、モノアミドとしては、直鎖又は分岐のステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ラウリン酸アミド、ベヘニン酸アミド等を使用することができる。
本発明の潤滑剤組成物には、上記成分に加えて、その用途に応じて防錆剤防食剤、酸化防止剤、極圧剤、固体潤滑剤、分散剤、界面活性剤、付着性向上剤(ポリマーなど)、油性剤、摩擦低減剤、耐摩耗剤その他の添加剤を適宜に併用することができる。
上記防錆剤防食剤としては一般に使用されるものが挙げられる。例えば、有機酸誘導体、中でも特にコハク酸エステル誘導体、アスパラギン酸誘導体、ザルコシン酸誘導体、4-ノニルフェノキシ酢酸等が好ましい。
また、有機アミン誘導体、中でも、ジエタノールアミン、モノアルキル一級アミン、ジアミン・ジ脂肪酸塩、ジアミン等が好ましいものとして挙げられる。
その他のものとして、スルフォン酸塩(Caスルフォネート、Mgスルフォネート、Baスルフォネート等)、硫化脂肪酸等も好ましいものとして挙げられる。
他にも、ナフテン酸塩、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、イミダゾリン誘導体、チオカーバメートから選ばれるものも良く、好ましいものとして、ベンゾトリアゾール或いはそれらを併用したものも挙げられる。
また、酸化防止剤としては、アミン系、フェノール系、ホスファイト系、硫黄系、ジアルキルジチオリン酸塩等の酸化防止剤を使用することができる。
極圧剤、耐摩耗剤としては、硫化油脂、硫化オレフィン、ジチオカルバミン酸亜鉛やジチオカルバミン酸モリブデン等のジチオカルバミン酸塩等の硫黄化合物や、リン酸エステル,酸性リン酸エステル,亜リン酸エステル,酸性亜リン酸エステル,リン酸エステルのアミン塩,亜リン酸エステルのアミン塩,酸性リン酸エステルのアミン塩,酸性亜リン酸エステルのアミン塩等のリン化合物や、チオリン酸エステル,ジチオリン酸亜鉛,ジチオリン酸モリブデン等のジチオリン酸塩等の硫黄リン化合物、モリブデンアミン化合物その他のモリブデン化合物等々の使用が可能である。
固体潤滑剤としては、二硫化モリブデン、グラファイト、メラニンシアヌレート、窒化ホウ素、雲母、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などがあげられる。
上記したその他の添加剤は、勿論、市販の潤滑油または半固体状潤滑油中に、予め添加されている状態で使用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて更に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例及び比較例の作製に当り下記の試料を用意した。
(1)基油1:溶剤精製パラフィン系鉱油で100℃の動粘度が約15mm2/sのもの。
(2)基油2:PAO(ポリ−α−オレフィン);ExxonMobil製 SHF403(100℃の動粘度が約40mm2/s)。
(3)基油3:GTL(ガストゥリキッド);昭和シェル石油株式会社製のXHVI8.2(100℃の動粘度が約8.2mm2/s)。
(4)第三リン酸マグネシウム:Mg(PO・8H
(5)ソルビタントリステアレート
(6)セバシン酸ナトリウム
(7)オレイン酸アミド
また、試料として用意した各種グリースは以下のように作製されたものである。
(8)ウレアグリース( ウレア化合物で形成した潤滑剤組成物):
100℃の動粘度が約33mm/s、40℃の動粘度が約500mm/sの精製鉱油(以下精製鉱油(I)という。)900g中で、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.147モル(36.88g)にオクチルアミン0.295モル(38.12g)を反応させ、次にジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート0.04モル(10.08g)にラウリルアミン0.08モル(14.92g)を加えて反応させ、三本ロールミルで均一に分散処理して得たウレアグリース。ウレア化合物の含有量は10質量%である。
(9)リチウム石けんグリース:
上記精製鉱油(I)5400g中で12−ヒドロキシステアリン酸リチウム600gを溶解し、均一に分散処理して得たグリース。リチウム石けんの含有量は10質量%である。
(10)リチウムコンプレックスグリース:
上記精製鉱油(I)4165g中で12−ヒドロキシステアリン酸リチウム350gを水酸化リチウム50.5gと反応させた後、アゼライン酸120.65gを水酸化リチウム59.0gと反応させ、均一に分散・処理することにより得たグリース。増ちょう剤の含有量は10.4質量%である。
(11)ナトリウムテレフタラメートグリース:
上記精製鉱油(I)2700g中でN-オクタデシルテレフタラミン酸メチル294.54gを水酸化ナトリウム27.36gと反応させ、均一に分散・処理することにより得たグリース。増ちょう剤の含有量は10質量%である。
(12)アルミニウムコンプレックスグリース:
上記精製鉱油(I)4272g中に安息香酸158.22gとステアリン酸334.8gを溶解し、その後市販の環状アルミニウムオキサイドプロピレート潤滑液[商品名:川研ファインケミカル(株)製アルゴマー]293.64gを加えて反応を行い、生成した石けんを均一に分散処理して得たグリース。アルミニウム複合石けんの含有量は約11質量%である。安息香酸(BA)とステアリン酸(FA)のモル比をBA/FA=1.1および安息香酸とステアリン酸に対するアルミニウム(Al)のモル比を(BA+FA)/Al=1.9とした。
(実施例1〜3)
上記した基油に、表1に示すように第三リン酸マグネシウムを加えて室温で混練した後、三本ロールミルで処理し、均一状態に仕上げて潤滑剤組成物を得た。
(比較例1〜5)
上記したように、作製したグリースを用いた。
(実施例4〜6)
上記基油1と第三リン酸マグネシウムを含むものに、表3に示すようにグリース安定化剤を加えて、室温で混練した後、三本ロールミルで処理し、均一状態に仕上げて潤滑剤組成物を得た。
(試験)
実施例1〜3、比較例1〜5について、その性能を比較するために下記各試験を行った。
(1)ちょう度:JIS K2220(ASTM D1403)に規定するグリースの性状のちょう度について、混和ちょう度(25℃、60W)を測定した。
ちょう度は、数値の小さいものが、粘ちょう性が高いことを示している。
(2)滴点:JIS K2220(ASTM D566)に従い滴点を測定した。この滴点は数値が大きい程、耐熱性が高いことを示している。
(3)シェル式四球極圧試験:ASTM D2596に従い試験を行った。
条件:回転数は1770±60rpm、時間は10秒、温度は室温で行った。
試験項目:LNSL(最終非焼付荷重(Last Non-seizure Load),単位kgf)及び
WL(融着荷重(Weld Load),単位kgf)を求めた。
数値が大きい程、耐荷重能に優れ極圧性が高いことを示している。
実施例4〜6、実施例1については、上記(1)ちょう度、(2)滴点及び下記(4)防錆試験を行った。
(4)防錆試験:ASTM D1743−73に基づき、下記条件で軸受防錆試験を行った。
条件:温 度; 52℃、
時 間; 48時間、
相対湿度;100%
試験片の錆の発生有無を目視で評価し、錆が発生しなかった場合を合格「Pass」とし、錆が発生した場合を不合格「Fail」とした。
(試験結果)
実施例1〜3、比較例1〜5についての試験結果を表1及び表2に示す。また、実施例4〜6及び実施例1についての試験を表3に示す。
(考察)
表1、表2を比較すると、実施例1〜3のものではちょう度が245〜275を示していて、第三リン酸マグネシウムによる増ちょう作用が現われており、組成物をグリース化できることが判る。また、比較例2、3、5のグリースと比べてちょう度が低い値を示している。
各実施例のものでは、滴点がいずれも250℃以上であって、耐熱性にも優れているものである。
シェル式四球耐荷重能において、実施例1〜3のものではいずれもLNSL(最終非焼付荷重)が63kgfであり、WL(融着荷重)が200kgfと大きく、耐荷重性能において優良な結果が得られている。また、この耐荷重性能は、極圧剤を使用することなく、第三リン酸マグネシウムの使用によって得ることができる。
これに対して、比較例1,3はLNSL(最終非焼付荷重)が実施例と同等であるが、他の比較例ではその程度が低い。更に、WL(融着荷重)においては、比較例1〜5のものは全て実施例よりも値が低くなっており、耐荷重性能において実施例よりも劣っていることが判る。
表3の実施例4〜6は実施例1に各種グリース安定化剤を添加したものである。実施例1は防錆性があまりないが、グリース安定化剤を添加することによりグリースは軟化するものの防錆性が得られているのが判る。
表3を見ると、実施例4はちょう度の数値がやや大きくて比較的柔らかなグリースであり、滴点が低くて耐熱性が他の実施例に比べてやや低いけれども、防錆性に優れている。実施例5のものは、ちょう度が低く、耐熱性もあって、防錆性に優れているものである。また、実施例6では比較的柔らかなグリースであるが、耐熱性もあり、防錆性にも優れている。実施例1のものは、上記したようにちょう度が低く、耐熱性もあるが、防錆性が余りなく、水分の多い部位には使用し難いが、実施例4〜6では、適当な防錆性が得られていることが判る。
Figure 0005486246
Figure 0005486246
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Claims (8)

  1. 鉱油および/または合成油の基油と、増ちょう剤として第三リン酸マグネシウムのみを全組成物に対して10〜60質量%含んでいることを特徴とする潤滑剤組成物。
  2. グリース安定化剤を更に含むことを特徴とする請求項に記載の潤滑剤組成物。
  3. 上記グリース安定化剤がソルビタン脂肪酸エステルである請求項に記載の潤滑剤組成物。
  4. 上記グリース安定化剤が二塩基酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩である請求項に記載の潤滑剤組成物。
  5. 上記グリース安定化剤が脂肪酸アミドである請求項に記載の潤滑剤組成物。
  6. 上記基油が溶剤精製パラフィン系鉱油である請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
  7. 上記基油がポリ−α−オレフィンである請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
  8. 上記基油がGTL(ガストゥリキッド)である請求項1〜5のいずれかに記載の潤滑剤組成物。
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