JP2023146942A - グリース組成物 - Google Patents

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【課題】耐摩耗性及び極圧性に優れるグリース組成物の提供。【解決手段】基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有し、グリース組成物の全量に対して、極圧剤の含有量をX質量%とし、耐摩耗剤の含有量をY質量%としたときに、下記記の式1、式2及び式3の全てを満たす、グリース組成物。Y≧-0.5X+2.1 (式1)Y≦0.5X+0.65 (式2)X≦5.0 (式3)【選択図】なし

Description

本開示は、グリース組成物に関する。
グリース組成物は、電動工具等の工具、産業機械部品等の種々の用途に使用されている。近年では、機械及び装置の小型化と高出力化との両立に伴い、グリースがより高負荷、より高温下で使用される傾向にあり、グリースの使用環境は過酷化している。
工具等に適用されるグリース組成物には、機械寿命を向上させるため、耐摩耗性が要求され、荷重負荷が大きい部材に使用される場合には、耐摩耗性だけでなく、極圧性をも要求される。例えば、特許文献1には、ギヤードモータ等に使用しうるグリース組成物として、基油及び増ちょう剤を含み、極圧剤として、硫黄分換算で0.01質量%~1質量%(組成物全量基準)のジチオカーバメート及び亜鉛ジチオカーバメートの少なくともいずれか一方と、リン量換算で150質量ppm~4000質量ppm(組成物全量基準)のりん系極圧剤と、を含有するグリース組成物が開示されている。
特開2008-143927号公報
本開示の一実施形態は、耐摩耗性及び極圧性に優れるグリース組成物を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有するグリース組成物において、グリース組成物の全量に対して、極圧剤の含有量(X質量%)と耐摩耗剤の含有量(Y質量%)が、特定の関係を満たす場合に、耐摩耗性及び極圧性の両方が顕著に優れることを見出した。すなわち、上記課題を解決するための手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> 基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有し、
グリース組成物の全量に対して、極圧剤の含有量をX質量%とし、耐摩耗剤の含有量をY質量%としたときに、下記の式1、式2及び式3の全てを満たす、
グリース組成物。
Y≧-0.5X+2.1 (式1)
Y≦0.5X+0.65 (式2)
X≦5.0 (式3)
<2> 極圧剤が、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含む、<1>に記載のグリース組成物。
<3> 耐摩耗剤が、硫化エステルを含む、<1>又は<2>に記載のグリース組成物。
<4> 増ちょう剤が、リチウム石けんを含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載のグリース組成物。
本開示の一実施形態によれば、耐摩耗性及び極圧性に優れるグリース組成物が提供される。
図1は、式1及び式2と実施例群及び比較例群におけるX質量%及びY質量%との関係を表した図である。
以下、本開示に係るグリース組成物の具体的な実施形態について詳細に説明する。但し、本開示に係るグリース組成物は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、「質量%」と「重量%」とは同義である。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「JIS」は、日本産業規格(Japanese Industrial Standards)の略称として用いる。
[グリース組成物]
本開示に係るグリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有し、グリース組成物の全量に対して、極圧剤の含有量をX質量%とし、耐摩耗剤の含有量をY質量%としたときに、下記の式1、式2及び式3の全てを満たす。
Y≧-0.5X+2.1 (式1)
Y≦0.5X+0.65 (式2)
X≦5.0 (式3)
工具等に適用されるグリース組成物には、機械寿命を向上させるため、耐摩耗性及び極圧性を高いレベルにて両立することが要求される。一般的に、耐摩耗性の向上にはリン系添加剤が用いられ、極圧性の向上には硫黄系添加剤が用いられている。
グリース組成物へのリン系添加剤の配合は、耐摩耗性を向上させ得るが、反応温度の高い極圧領域では、硫黄系添加剤の配合が有効である。しかし、硫黄系添加剤を多量に添加すると、リン系添加剤により奏される耐摩耗性を阻害することがあり、耐摩耗性と極圧性とはトレードオフ関係となる傾向にあった。
また、特許文献1に記載の極圧型グリース組成物では、必ずしも十分な潤滑性能は発揮されず、機械及び装置の金属部品が想定よりも早期に寿命に至る場合がある。特許文献1のグリース組成物では、耐荷重下において十分な耐摩耗性が得られない可能性がある。
このような事情の下、本開示に係るグリース組成物は、基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有し、式1及び式2の両方を満たすことにより、耐摩耗性及び極圧性に優れる。
本開示に係るグリース組成物が、このような効果を発揮する理由については、明らかではないが、本発明者らは、以下のように推察している。すなわち、グリース組成物に含有される極圧剤及び耐摩耗剤による作用機構は、いずれも金属表面への吸着であるため競争吸着となり、耐摩耗性と極圧性とをトレードオフの関係にさせ得るが、式1、式2及び式3の全てが満たされることにより、極圧剤及び耐摩耗剤の協調的な作用が特異的かつ顕著に発揮されるため、本開示に係るグリース組成物は、耐摩耗性及び極圧性の両方に優れると推察される。
なお、上記の推察は、本開示のグリース組成物を限定的に解釈するものではなく、一例として説明するものである。
本開示において「極圧性」は、ASTM D2596に基づき四球式極圧試験を実施して求めた融着荷重(WP;Weld Point、単位;N)により判断するものとする。本開示において、「極圧性に優れる」ことは、グリース組成物の融着荷重(WP)が1961N以上であることにより判断される。
本開示において「耐摩耗性」は、ASTM D2596に基づき四球式極圧試験を実施して求めた最終非焼き付き荷重(LNSL;Last Non-Seizure Load、単位;N)により評価するものとする。本開示において、「耐摩耗性に優れる」ことは、グリース組成物の最終非焼き付き荷重(LNSL)が981N以上であることにより判断される。
上記の四球式極圧試験に適用する試験条件は、回転数:1770±60rpm(revolutions per minute)、時間:10秒、温度:27℃とする。
<式1、式2及び式3に関する事項>
本開示に係るグリース組成物は、グリース組成物の全量に対して、極圧剤の含有量をX質量%とし、耐摩耗剤の含有量をY質量%としたときに、下記の式1及び式2の両方を満たす。これにより、本開示に係るグリース組成物は、耐摩耗性及び極圧性の両方に優れる。
Y≧-0.5X+2.1 (式1)
Y≦0.5X+0.65 (式2)
極圧剤の含有量X(質量%)としては、熱安定性及びコストの観点から、式3:X≦5.0であり、X≦4.0が好ましく、0.5≦X≦2.5がより好ましく、1.0≦X≦2.0が特に好ましい。
耐摩耗剤の含有量Y(質量%)としては、熱安定性及びコストの観点から、式4:Y≦5.0が好ましく、Y≦4.0がより好ましく、1.5≦Y≦3.5が更に好ましく、2
以下、グリース組成物が含有する各成分について説明する。
<基油>
基油としては、特に限定されず、例えば、鉱油、合成油、又はこれらの混合油であってもよい。基油は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせてもよい。ある態様において、基油は鉱油であることが好ましい。
鉱油としては、例えば、原油の潤滑油留分を溶剤精製、水素化精製、水素化分解精製、水素化脱蝋などの精製法を適宜組合せて精製したものが挙げられる。また、鉱油としては、水素化精製油、触媒異性化油などに溶剤脱蝋又は水素化脱蝋などの処理を施して高度に精製されたパラフィン系鉱油等が挙げられる。
合成油としては、アルキルジフェニルエーテル等のエーテル系合成油;ジエステル、ポリオールエステル、コンプレックス型ポリオールエステル等のエステル系合成油;ポリアルファオレフィン等の合成炭化水素油;アルキルナフタレン系合成油などが挙げられる。
基油の40℃における動粘度の値は、10mm/s~500mm/sが好ましく、30mm/s~300mm/sがより好ましく、特に好ましくは50mm/s~200mm/sである。
本開示において、基油の40℃における動粘度とは、JIS K 2283:2000「動粘度試験方法」により測定される値を示す。
基油の含有量は、特に制限はなく、グリース組成物の全質量に対して、85質量%~95質量%の範囲で適宜調整することができる。
<増ちょう剤>
本開示に係るグリース組成物は、増ちょう剤を含有する。増ちょう剤としては、グリース組成物に適用できる増ちょう剤であれば制限されず、グリース組成物に所望される物性、グリース組成物の使用環境などを考慮して、適宜決定することができる。増ちょう剤としては、例えば、リチウム石けん、リチウム複合石けん、カルシウム石けん、カルシウム複合石けん、ジウレア化合物等が挙げられる。
これらの中でも、本開示に係るグリース組成物は、リチウム石けん及びリチウム複合石けんからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有することが好ましい。
リチウム石けんは、高級脂肪酸のリチウム塩である。リチウム複合石けんは、高級脂肪酸のリチウム塩とジカルボン酸のリチウム塩とを組み合わせた複合石けんである。
リチウム石けんとしては、耐熱性の観点から、炭素数12~24のモノカルボン酸のリチウム塩であることが好ましい。
リチウム複合石けんとしては、耐熱性の観点から、炭素数12~24のモノカルボン酸のリチウム塩と、炭素数2~12のジカルボン酸のリチウム塩と、を組み合わせた複合体(コンプレックス)であることが好ましい。
好適なモノカルボン酸としては、ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。また、好適なジカルボン酸としては、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
増ちょう剤としては、入手性及び取り扱い性の点から、リチウム石けんがより好ましい。
本開示に係るグリース組成物は、増ちょう剤を1種のみ含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
増ちょう剤の含有量は、目的とする混和ちょう度に合わせて適宜調整でき、グリース組成物の全質量に対して、5質量%~20質量%が好ましく、5質量%~15質量%がより好ましい。
<極圧剤>
本開示に係るグリース組成物は、極圧剤を含有する。グリース組成物は、極圧剤を1種のみ含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
極圧剤としては、ポリサルファイド、硫化オレフィン、硫化油脂及び硫化エステルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、硫化油脂及び硫化エステルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましく、硫化エステルがより好ましい。
ポリサルファイドとしては、例えば、ジイソブチルジサルファイド、ジオクチルポリサルファイド、ジ-tert-ブチルポリサルファイド、及びジ-tert-ベンジルポリサルファイドが挙げられる。
硫化オレフィンとしては、例えば、ポリイソブチレンやテルペン類などのオレフィン類を硫黄その他の硫化剤で硫化して得られるものが挙げられる。
硫化油脂は、油脂と硫黄との反応生成物であり、油脂としてラード、牛脂、鯨油、パーム油、ヤシ油、ナタネ油などの動植物油脂を使用し、これを硫化反応して得られるものである。この反応生成物は、単一のものではなく、種々の物質の混合物であり、化学構造そのものは明確でない。
硫化エステルは、上記油脂と各種アルコールとの反応により得られる脂肪酸エステルを硫化することにより得られ、硫化油脂と同様、化学構造そのものは明確でない。
極圧剤の含有量(X質量%)に関しては、「式1、式2及び式3に関する事項」の項に説明において既述したとおりであるため、ここでは説明を省略する。
<摩耗防止剤>
本開示に係るグリース組成物は、摩耗防止剤を含有する。グリース組成物は、摩耗防止剤を1種のみ含有してもよく、2種以上を含有してもよい。
摩耗防止剤としては、亜鉛系、リン系、硫黄系、アミン系、エステル系などの各種摩耗防止剤が挙げられ、ジアルキルジチオリン酸亜鉛がより好ましい。
ジアルキルジチオリン酸亜鉛が有するアルキル基は、第一級(プライマリー)タイプのアルキル基、第二級(セカンダリー)タイプのアルキル基、又は第一級(プライマリー)タイプのアルキル基と第二級(セカンダリー)タイプのアルキル基との両方を一分子中に有する化合物であってもよい。アルキル基の炭素数としては、特に制限はないが、摩耗防止性能がより高くなる点で、3~12であることが好ましく、3~8であることがより好ましい。
摩耗防止剤の含有量(Y質量%)に関しては、「極圧剤及び摩耗防止剤の量的関係」の項に説明において既述したとおりであるため、ここでは説明を省略する。
<その他の添加剤>
本開示に係るグリース組成物は、必要に応じて、上記した基油、増ちょう剤、極圧剤及び摩耗防止剤以外に、その他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、酸化防止剤、腐食防止剤、防錆剤等の添加剤を適宜含有することができる。その他の添加剤は、1種単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤としては、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール等のアルキルフェノール類、4,4’-メチレンビス-(2,6-ジ-t-ブチルフェノール)等のビスフェノール類、n-オクタデシル-3-(4’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ-t-ブチルフェノール)プロピオネート等のフェノール系化合物、ナフチルアミン類、ジフェニルアミン類、ジアルキルジフェニルアミン類等の芳香族アミン化合物、チオリン酸亜鉛化合物などが挙げられる。
腐食防止剤としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール等が挙げられる。
防錆剤としては、スルホン酸金属塩系化合物、ソルビタン化合物などの、各種防錆剤等が挙げられる。
<グリース組成物の性状>
・混和ちょう度
グリース組成物の混和ちょう度は、好ましくは220~430、より好ましくは265~385である。
混和ちょう度の測定は、JIS K 2220:2013に基づいて測定される値である。
<グリース組成物の調製方法>
本開示に係るグリース組成物の調製方法は、特に限定されず、従来公知の方法により調製することができる。本開示に係るグリース組成物は、例えば、基油、増ちょう剤、耐摩耗剤及び極圧剤に加えて、必要に応じて、その他の添加剤を適宜混合することにより、調製することができる。
<グリース組成物の使用対象>
本開示に係るグリース組成物は、電動工具の摺動部、歯車部、軸受部等に適用することができ、電動工具の摺動部又は歯車部に、特に好適に適用することができる。
以下、本開示に係るグリース組成物を、実施例により具体的に説明する。なお、本開示に係るグリース組成物は、これらの実施例により何ら限定されるものではない。
(グリース組成物の成分)
グリースの組成物が含有する各成分の詳細は、以下のとおりである。
<基油>
・基油:溶剤精製鉱油(40℃動粘度:110mm/s)
<増ちょう剤>
・リチウム石けん:下記の製造手順で、リチウム石けんの原料を基油に混合して、基油中で原料を反応させてリチウム石けんを合成した。
~製造手順(リチウム石けん)~
耐熱容器に基油と増ちょう剤原料として12-ヒドロキシステアリン酸とを加え、攪拌しながら、約90℃まで加熱したのち、水酸化リチウム水溶液を加えて、約60分間けん化反応させた。その後、攪拌しながら200℃に加熱し脂肪酸リチウム塩を溶解させたのち急冷し、リチウム石けんを得た。
<耐摩耗剤>
・ジアルキルジチオリン酸亜鉛(商品名:HiTEC 7197、アフトンケミカルジャパン(株)製)
<極圧剤>
・硫化エステル(商品名:DAILUBE GS-230S、DIC(株)製)
・硫化油脂(ラード)(商品名:Mayco Base1351、DOVER CHEMICAL CORPORATION製)
・モリブデンジチオカルバメート(商品名:MOLYVAN A、VanderbiltChemicals製)
<その他の添加剤>
酸化防止剤、腐食防止剤、及び防錆剤を含む添加剤
[実施例1~7及び比較例1~10]
表1の組成欄に示す組成(単位:質量%)となるように、グリース組成物を構成する各成分を混合して、実施例及び比較例の各グリース組成物を調製した。
なお、表中の組成欄において「-」は、当該成分を配合していないことを意味する。
得られた各グリース組成物について、耐摩耗性及び極圧性について評価を行った。評価結果を表1に示す。
[式1、式2及び式3に関する事項]
図1に、式1及び式2と実施例群及び比較例群における極圧剤の含有量(X質量%)及び耐摩耗剤の含有量(Y質量%)との関係を示す。図1中、「黒丸」のプロットは実施例群、「黒三角」のプロットは比較例群を示す。
各グリース組成物中の極圧剤の含有量(X質量%)及び耐摩耗剤の含有量(Y質量%)の値を式1に代入し、式1の左辺の値が右辺の値以上である場合は「S」と判定し、右辺の値未満である場合は「N」と判定した。結果を表1に示す。
各グリース組成物中の極圧剤の含有量(X:質量%)及び耐摩耗剤の含有量(Y:質量%)の値を式2に代入し、式1の左辺の値が右辺の値以下である場合は「S」と判定し、右辺の値を超える場合は「N」と判定した。結果を表1に示す。
なお、耐摩耗剤及び極圧剤のいずれか一方又は両方を含有しない比較例のグリース組成物については、式1及び式2に関する判定は行わなかった。
表1及び図1に示されるとおり、実施例群及び比較例群は、極圧剤の含有量(X質量%)が、いずれもX≦5であり、式3を満たす。
[測定及び評価]
得られた各グリース組成物について、下記の測定及び評価を行った。結果を表1に併記する。
(1)混和ちょう度
各グリース組成物について、JIS K 2220:2013のちょう度試験方法に基づき測定した。
(2)極圧性及び耐摩耗性の評価
各グリース組成物について、ASTM D2596に基づき四球式極圧試験を実施し、融着荷重(WP;Weld Point、単位;N)及び最終非焼き付き荷重(LNSL;Last Non-Seizure Load、単位;N)を求めた。
試験条件は、回転数:1770±60rpm(revolutions per minute)、時間:10秒、温度:室温(27℃)とした。
融着荷重(WP)の値が大きいほど、極圧性に優れる。融着荷重(WP)の値が、1961以上である場合に、極圧性に優れたグリース組成物であると評価した。
最終非焼き付き荷重(LNSL)の値が大きいほど、耐摩耗性に優れる。最終非焼き付き荷重(LNSL)の値が、981N以上である場合に、耐摩耗性に優れたグリース組成物であると評価した。
表1に示すように、基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有し、式1、式2及び式3の全てを満たす実施例のグリース組成物は、比較例のグリース組成物と比較して、耐摩耗性及び極圧性の両方に優れることが分かる。

Claims (4)

  1. 基油と、増ちょう剤と、極圧剤と、耐摩耗剤と、を含有し、
    グリース組成物の全量に対して、前記極圧剤の含有量をX質量%とし、前記耐摩耗剤の含有量をY質量%としたときに、下記の式1、式2及び式3の全てを満たす、
    グリース組成物。
    Y≧-0.5X+2.1 (式1)
    Y≦0.5X+0.65 (式2)
    X≦5.0 (式3)
  2. 前記耐摩耗剤が、ジアルキルジチオリン酸亜鉛を含む、請求項1に記載のグリース組成物。
  3. 前記極圧剤が、硫化エステルを含む、請求項1又は請求項2に記載のグリース組成物。
  4. 前記増ちょう剤が、リチウム石けんを含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のグリース組成物。
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