JP3752280B2 - リチウムコンプレックスグリース組成物 - Google Patents

リチウムコンプレックスグリース組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウムコンプレックスグリース組成物に関する。より詳しくは、転がり軸受の潤滑剤として使用される潤滑グリース組成物であって、特に低温時の軸受回転トルクを低減させ長い潤滑寿命を有するリチウムコンプレックスグリース組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転がり軸受の潤滑剤として使用される潤滑グリースは、増ちょう剤、基油、添加剤の三つから構成されている。グリースの特性の大部分は増ちょう剤の種類、あるいは基油の種類によって決まってしまう場合が多いが、それだけでは補いきれない特性を付加するために若干の添加剤を添加している。
増ちょう剤は、グリースの寿命を維持するために重要である。従来、リチウム石けん(高級脂肪酸のリチウム塩)を増ちょう剤として含むいわゆるリチウムグリースが広範囲に使用されている。しかしこのリチウムグリースは、温度条件が高い場合には十分な潤滑性能を発揮できないことがある。そこで、耐熱グリースとして尿素化合物を含むウレアグリースが使用されてきている。しかし、ウレアグリースの製造にはコストがかかるという問題がある。
また、欧米では、高級脂肪酸のリチウム塩と脂肪族二塩基酸のリチウム塩との複合塩を増ちょう剤に用いたリチウムコンプレックスグリースの使用が盛んになっている。このリチウムコンプレックスグリースは、従来のリチウムグリースより耐熱性がすぐれている。
一方、基油は、潤滑グリース組成物の低温特性及び長寿命を維持するために重要である。
低温特性及び長寿命を維持するために、従来、基油として、鉱油に替えて合成油の使用がなされていた。しかし、近年、機械部品のコストメリットが重要な因子となっており、そこに使用されるグリースは廉価でかつ低温特性及び長寿命を有することが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、低温時の軸受回転トルクを低減させ、長い潤滑寿命を有するリチウムコンプレックスグリース組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ある特定の化合物を配合することにより、低温時の軸受回転トルクを低減させ、長い潤滑寿命を有するリチウムコンプレックスグリース組成物が得られることを見出し、本発明に到達したものである。すなわち、本発明は、(a) 鉱油と、100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合物を含有する潤滑基油、(b) 少なくとも1個のヒドロキシル基を含む炭素原子数12〜24の脂肪族モノカルボン酸のリチウム塩、(c) 炭素原子数2〜12の脂肪族ジカルボン酸の二リチウム塩、および(d) ポリメタクリレートを含有し、成分(b) と成分(c)の合計量が組成物の全重量に対して3〜30重量%であり、成分(b) 対成分(c) の重量比が1:2〜6:1であることを特徴とするリチウムコンプレックスグリース組成物を提供する。
【0005】
本発明に使用する成分(a) の基油は、鉱油及び100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合物を必須成分として含有する。該エステル化合物としては、炭素原子数2〜12の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、例えば、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、フタル酸等と、炭素原子数1〜10の脂肪族アルコール、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、イソデシルアルコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等とのエステルが挙げられる。更に具体的には、炭素原子数5〜12のモノカルボン酸とネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等のポリオール類およびポリオールエステル類とのエステル;ジカルボン酸又はトリカルボン酸とアルコールとのエステル、例えば、フタル酸ジ−n−オクチル(100℃における動粘度(以下同じ):3.6mm2/s)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(3.4mm2/s)、アジピン酸ジブチル(1.5mm2/s)、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(2.4mm2/s)、アジピン酸ジイソデシル(3.7mm2/s)、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル(3.0mm2/s)、セバシン酸−2−エチルヘキシル(3.3mm2/s)、トリメリット酸トリオクチル(9.4mm2/s)等が挙げられる。特に好ましいものはアジピン酸ジ2−エチルヘキシルである。なお、100℃の動粘度が1.5mm2/s 未満では蒸発量が多くなり、また30mm2/s を越えると低温特性が悪くなる。
【0006】
本発明に使用する成分(b) の少なくとも1個のヒドロキシル基を含む炭素原子数12〜24の脂肪族モノカルボン酸として好ましいものは、ヒドロキシル基を1個もしくは2個有する脂肪族モノカルボン酸である。その具体例として、ヒドロキシステアリン酸、例えば9−ヒドロキシステアリン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、及び、9−、10−位置に二重結合をもつリシノレイン酸が挙げられるが、好ましくは12−ヒドロキシステアリン酸である。
本発明に使用する成分(c) の炭素原子数2〜12の脂肪族ジカルボン酸(以下「脂肪族ジカルボン酸」という)の二リチウム塩の原料として用いられる脂肪族ジカルボン酸としては、しゅう酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等が挙げられるが、好ましくはアゼライン酸である。
【0007】
本発明に使用する成分(a) の鉱油と100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合物は、0.50〜0.95:0.50〜0.05の重量比で配合することが好ましい。鉱油の割合が0.50未満になるとコストメリットが期待できず、またエステル化合物の割合が0.05未満になるとその添加効果が期待できない。
本発明に使用する成分(b) と成分(c) の合計添加量は組成物の全重量に対して3〜30重量%であり、好ましくは5〜20重量%である。3重量%未満では組成物は液体に近くなる。一方、30重量%を越えると組成物が固くなり過ぎる。また、成分(b) と成分(c) の重量比は1:2〜6:1好ましくは1:1〜4:1である。
本発明に使用する成分(d) のポリメタクリレートは、潤滑剤の流動点降下剤として市販されているものであり、具体的にはテキサコケミカル社製のTLAシリーズや三洋化成工業株式会社製のアクルーブシリーズが挙げられる。特に好ましいものは、下記の繰り返し単位を有する、重量平均分子量が2万〜150万のものである。
−CH2 −C(CH3 )(CO−OR)−
(式中、Rは炭素原子数1〜18の炭化水素基を表す。)
市販品としては、テキサコ・ケミカル・カンパニー製のTLA−227等が挙げられる。
【0008】
本発明に使用する成分(d) の添加量は組成物の全重量に対して0.5〜20重量%であり、好ましくは1〜10重量%の範囲である。0.5重量%未満になるとその効果はほとんど期待できず、20重量%を越える場合は顕著な効果の向上は見られない。
更に、本発明におけるグリース組成物には成分(a) 、(b) 、(c) 、(d) のほかにも酸化防止剤、錆止め剤、金属不活性剤、耐荷重添加剤等の各種添加剤も併用できる。
【0009】
【作用】
本発明のグリース組成物は、低温時の軸受回転トルクを低減させ長い潤滑寿命を有することを可能にする。この理由については確たる証拠はないが概ね以下のように考えている。
本発明に使用している100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合物は合成油の中で古くから検討されており、鉱油と比較してすぐれた粘度特性を有している。そこで、鉱油と混合することにより、鉱油そのものより低温時の粘度を低下させ、低温特性を向上させる事ができる。また、ポリメタクリレートは、粘度指数向上剤又は流動点降下剤として一般的に知られている添加剤であり、ポリメタクリレートを前述の混合比率で添加する事により基油の粘度指数が高くなり、低温では油膜が薄く低温特性に優れ、又高温では油膜が厚く潤滑寿命に優れると考えられる。さらに100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合物とポリメタクリレートを併用する事によりポリメタクリレートの溶解、分散性が向上し、ポリメタクリレートがより効果的に働いていると推察される。
又、本発明におけるグリース組成物の潤滑寿命の延長は増ちょう剤の耐熱性にも依ると考えられる。本発明で使用されているリチウムコンプレックスを増ちょう剤とするグリース組成物は、グリースの耐熱性の目安となる滴点が260℃以上であり、リチウム石けんを増ちょう剤としたグリースの滴点が約200℃であるのと比較すると非常に高い。このため、高温においても安定していて、基油を保持する能力に優れており、軸受潤滑寿命を延長することが可能となった。
従って、本発明のグリース組成物は、低温時の軸受回転トルクを低減させ、長い潤滑寿命を有することを可能にした。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明する。尚、本発明で使用した鉱油Aは、動粘度が40°Cで97.7mm2/s、100℃で10.9mm2/sであり、粘度指数が95のパラフィン系鉱油である。ポリメタクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニー製)は、粘度が40℃で12600mm2/s、100℃で929mm2/sである。
実施例1〜3、比較例1〜2のグリース組成物は下記の通り調製した。比較例3は市販品を使用した。
【0011】
実施例1
鉱油A(375.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸(66.3g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(47g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.4g)を添加して激しく撹拌し、けん化反応及び脱水を行った。次にアゼライン酸(20.9g)を加えて均一な状態になるまで撹拌を継続した。これに予め水道水(47g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.4g)を添加し、激しく撹拌しながらアゼライン酸のけん化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(312.7g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(172.8g)を添加し80℃まで冷却した。その後、ポリメタクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0012】
実施例2
鉱油A(385.6g)に12−ヒドロキシステアリン酸(67.6g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(48g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.55g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行った。次にアゼライン酸(21.3g)を加えて均一な状態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(48g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.55g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(342.1g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(129.3g)を添加し、80℃まで冷却した。その後、ポリメタクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0013】
実施例3
鉱油A(389.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸(68.2g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(48g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.65g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行った。次にアゼライン酸(21.5g)を加えて均一な状態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(48g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.65g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(380.6g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(86.1g)を添加し80℃まで冷却した。その後、ポリメタクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0014】
比較例1
鉱油A(392.8g)に12−ヒドロキシステアリン酸(68.8g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(49g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.75g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行った。次にアゼライン酸(21.7g)を加えて均一な状態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(49g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(9.75g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(358.7g)とアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(133.5g)を添加し、80℃まで冷却した。そのまま室温まで冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0015】
比較例2
鉱油A(425.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸(74.5g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(53g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行った。次にアゼライン酸(23.4g)を加えて均一な状態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(53g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(420.7g)を添加し、80℃まで冷却した。その後、ポリメタクリレート(TLA−227:テキサコ・ケミカル・カンパニー製)(30.0g)を添加し、そのまま室温まで冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0016】
比較例3
鉱油A(425.3g)に12−ヒドロキシステアリン酸(74.5g)を加え、完全に透明な液体状態になる温度(80〜90℃)に加熱した。これに予め水道水(53g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55g)を添加し、激しく攪拌し、けん化反応及び脱水を行った。次にアゼライン酸(23.4g)を加えて均一な状態になるまで攪拌を継続した。これに予め水道水(53g)に加熱溶解した水酸化リチウム1水塩(10.55g)を添加し、激しく攪拌しながらアゼライン酸のけん化を行った。次に内容物の温度が200℃になるまで徐々に加熱した。200℃になった時点で鉱油A(450.7g)を添加し、80℃まで冷却した。その後、室温まで冷却し、アミン系酸化防止剤(Irganox L57 :チバ・ガイギー製)(5.0g)を添加し、三段ロールを2回通して脱泡後、リチウムコンプレックスグリース組成物を得た。
【0017】
尚、各実施例及び比較例で製造したグリースの物性及び性能は、以下に示す方法で評価した。結果を表1に示す。
混和ちょう度はJIS K 2220 5.3による。
滴点はJIS K 2220 5.4による。
軸受潤滑寿命はASTM D 1741による。
低温軸受回転試験は次の条件で軸受を回転し、軸受のトルクを測定した。
軸受 608−2RU
グリース封入量 0.12〜0.17g
回転数 200rpm
荷重 Fa=19.6N
測定時間 5分間
【0018】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のグリース組成物は、特定配合のリチウムコンプレックスを増ちょう剤とし、鉱油と特定のエステル化合物の2成分を必須成分とした基油を用い、添加剤にポリメタクリレートを加えた組成であるため、低温時の軸受回転トルクを低減させ長い潤滑寿命を可能にする。
【0019】
【表1】
Figure 0003752280
【0020】
【表2】
Figure 0003752280
【0021】
本発明の実施例1〜3のグリース組成物は成分(a) 、(b) 、(c) および(d) を所定の割合で含有するので低温回転トルクが、0.80〜1.28(N cm)と低く、且つ軸受潤滑寿命が、1140〜1080時間と長い。
これに対して、比較例1のグリース組成物はポリメタクリレートを含有していないため、低温回転トルクが、1.91(N cm)と高く、且つ軸受潤滑寿命が、650時間と短い。
また比較例2のグリース組成物はアジピン酸ジ−2−エチルヘキシルを含有していないため、低温回転トルクが、1.72(N cm)と高く、且つ軸受潤滑寿命が、740時間と短い。
さらに、比較例3のグリース組成物はアジピン酸ジ−2−エチルヘキシルを含有していないため、低温回転トルクが、2.00(N cm)と高く、且つ軸受潤滑寿命が、620時間と短い。

Claims (3)

  1. (a) 鉱油と、100℃における動粘度が1.5〜30mm2/s で分子中に少なくとも2個のエステル結合を含むエステル化合物を含有する潤滑基油、
    (b) 少なくとも1個のヒドロキシル基を含む炭素原子数12〜24の脂肪族モノカルボン酸のリチウム塩、
    (c) 炭素原子数2〜12の脂肪族ジカルボン酸の二リチウム塩、および
    (d) ポリメタクリレートを含有し、
    鉱油とエステル化合物の重量比が 0. 50〜 0. 95: 0. 50〜 0. 05であり、
    成分(b) と成分(c) の合計量が組成物の全重量に対して3〜30重量%であり、
    成分(b) 対成分(c) の重量比が1:2〜6:1であることを特徴とするリチウムコンプレックスグリース組成物。
  2. エステル化合物が、フタル酸ジ−n−オクチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシル、及びトリメリット酸トリオクチルからなる群から選ばれる請求項1記載のリチウムコンプレックスグリース組成物。
  3. ポリメタクリレートの含有量が、組成物の全重量に対して0.5〜20重量%である請求項1又は2記載のリチウムコンプレックスグリース組成物。
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