JPH089185Y2 - 多層構造布巾用編地 - Google Patents
多層構造布巾用編地Info
- Publication number
- JPH089185Y2 JPH089185Y2 JP1989074236U JP7423689U JPH089185Y2 JP H089185 Y2 JPH089185 Y2 JP H089185Y2 JP 1989074236 U JP1989074236 U JP 1989074236U JP 7423689 U JP7423689 U JP 7423689U JP H089185 Y2 JPH089185 Y2 JP H089185Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- knitted fabric
- water
- yarn
- present
- yarns
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Cleaning Implements For Floors, Carpets, Furniture, Walls, And The Like (AREA)
- Knitting Of Fabric (AREA)
Description
本考案は，多層構造布巾用編地に関するものである。
さらに詳しくは，編地の表層部に単糸繊度の細い糸条を
配し，内層部を吸水性繊維糸条で構成することによっ
て，布巾に適した吸水性能を有する多層構造編地に関す
るものである。
さらに詳しくは，編地の表層部に単糸繊度の細い糸条を
配し，内層部を吸水性繊維糸条で構成することによっ
て，布巾に適した吸水性能を有する多層構造編地に関す
るものである。
吸水性能を有する編地は従来から数多く提案されてい
る。例えば，天然繊維やセルロース糸繊維等，繊維自体
が吸水性能を有している糸条を用いた編地，あるいは疎
水性合成繊維からなる編地に化学的または物理的な処理
を施して吸水性を付与したもの，さらに親水性糸条と疎
水性糸条を表裏に配した交編編地等が挙げられる。 このような従来の編地は，いずれも性能的に長短を有
しており，天然繊維やセルロース繊維の紡績糸を使用し
た編地は，吸水性は良好であるが，使用中に短繊維毛羽
が脱落し，布巾に使用したとき拭取り面に毛羽が付着し
たり，汚れが糸条内に取込まれ，その汚れは落としにく
いとい欠点がある。また，セルロース系長繊維糸条を用
いた編地は，水分吸収により繊維が膨潤し，軟弱となっ
て拭取り性が低下しやすく，しかも乾燥後，編地表面に
皺が生じたり，硬質化する等の問題を有していた。一
方，疎水性繊維からなる編地に化学的または物理的な処
理を施したものは，上記のような欠点はないものの，使
用するにしたがって，吸水性が低下していくことや力学
的性質が脆弱という理由から，長期使用に耐えられない
ものであった。
る。例えば，天然繊維やセルロース糸繊維等，繊維自体
が吸水性能を有している糸条を用いた編地，あるいは疎
水性合成繊維からなる編地に化学的または物理的な処理
を施して吸水性を付与したもの，さらに親水性糸条と疎
水性糸条を表裏に配した交編編地等が挙げられる。 このような従来の編地は，いずれも性能的に長短を有
しており，天然繊維やセルロース繊維の紡績糸を使用し
た編地は，吸水性は良好であるが，使用中に短繊維毛羽
が脱落し，布巾に使用したとき拭取り面に毛羽が付着し
たり，汚れが糸条内に取込まれ，その汚れは落としにく
いとい欠点がある。また，セルロース系長繊維糸条を用
いた編地は，水分吸収により繊維が膨潤し，軟弱となっ
て拭取り性が低下しやすく，しかも乾燥後，編地表面に
皺が生じたり，硬質化する等の問題を有していた。一
方，疎水性繊維からなる編地に化学的または物理的な処
理を施したものは，上記のような欠点はないものの，使
用するにしたがって，吸水性が低下していくことや力学
的性質が脆弱という理由から，長期使用に耐えられない
ものであった。
上述のように，従来から知られている編地には一長一
短があり，実用性の面で吸水性編地として十分に満足し
得ないものであった。 本考案は，このような現状に鑑みて行われたもので，
編地の吸水拡散速度を向上させ，同時に保水性も兼備し
た，従来の吸水性編地よりも優れた高次元の吸水性能を
有する布巾用の編地を提供することを目的とするもので
ある。
短があり，実用性の面で吸水性編地として十分に満足し
得ないものであった。 本考案は，このような現状に鑑みて行われたもので，
編地の吸水拡散速度を向上させ，同時に保水性も兼備し
た，従来の吸水性編地よりも優れた高次元の吸水性能を
有する布巾用の編地を提供することを目的とするもので
ある。
本考案者らは上記目的を達成するために鋭意研究の結
果，編地構造を多層化し，表層部に単糸繊度の細い合成
繊維マルチフイラメント糸を配し，内層部に吸水性の繊
維を適用することによって，編地構造と繊維特性の相乗
効果が現れ，従来にない優れた吸水性能を有する編地が
得られることを見出し，本考案に到達した。 すなわち，本考案は,3層以上の構造を有する編地であ
って，該編地の表層部を構成する糸条は，単糸繊度1.2
デニール以下の熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸
からなるループやタルミを形成した交絡糸条であって，
しかも各フィラメント間に位相差を有しており，編地内
層部を構成する糸条は，吸水性繊維を重量比40％以上含
んでいることを特徴とする多層構造布巾用編地を要旨と
するものである。 以下，本考案について詳細に説明する。 まず，本考案においては，編地の厚さ方向に３層以上
の多層構造を有し，この編地の表層部を構成する糸条
が，単糸繊度1.2デニール以下の合成繊維マルチフイラ
メント糸であることを必須要件としている。すなわち，
水分と接触する面である編地表層部を単糸繊度の細い合
成繊維マルチフイラメント糸で構成する理由は，毛細管
現象によって，より早く，より多くの水分を吸上げる拡
散効果（以下，導水効果という。）を狙い，さらに急速
かつ広範囲に水を拡散させ，編地内部にある他の糸条へ
の水分移行を速やかに行うことにある。かかる作用・効
果を発揮するためには，編地の表層部を構成する糸条
が，単糸繊度1.2デニール以下の合成繊維マルチフイラ
メント糸である必要があり,1.0デニール以下がより好ま
しい。該単糸繊度が1.2デニールを超えると，毛細管現
象による水分吸上げ，導水効果が十分に発揮されず，従
来技術の編地と同程度の性能となる。 しかしながら，単糸繊度が1.2デニール以下の場合で
も，フイラメント間の位相差が揃っていたり，単調であ
ると，毛細管作用が弱く，十分な効果を得ることができ
ない。そこで，本考案の編地は，上記毛細管現象による
水分の吸上げおよび拡散作用（以下，導水性という。）
を飛躍的に向上させるために，フイラメント間に位相差
が存在していることを必要とするものである。 ここで本考案におけるフィラメント間の位相差とは第
１図に示す流体攪乱処理によってループやタルミを形成
した交絡糸のように，糸条内においてループやタルミが
フィラメント間で異なった位置にずれていることを意味
する。 次に，編地表層部と接触した水分が編地内層部へ移行
することについて説明する。多層構造布巾用編地の内層
部を構成する糸条は，吸水性繊維を重量比で40％以上含
んでいる必要があり，これが50％以上であればより好ま
しい。この重量比が40％未満では，表層部における導水
作用により水分は内層部に移行するものの，内層部にお
ける保水能力が十分でないため，表層部の水分保有量が
短時間で飽和状態となり，吸水性編地としての性能を満
足し得ない。 ここでいう吸水性繊維としては，綿・絹等の天然繊
維，レーヨン・ポリノジツク・キユプラ等の再生繊維，
さらには中空多孔質合成繊維等を挙げることができる。
また，内層部を構成する糸条が長繊維糸条であれば，保
水効果を高めるために流体攪乱処理等により繊維間に空
隙層が多量に形成されている形態が好ましい。
果，編地構造を多層化し，表層部に単糸繊度の細い合成
繊維マルチフイラメント糸を配し，内層部に吸水性の繊
維を適用することによって，編地構造と繊維特性の相乗
効果が現れ，従来にない優れた吸水性能を有する編地が
得られることを見出し，本考案に到達した。 すなわち，本考案は,3層以上の構造を有する編地であ
って，該編地の表層部を構成する糸条は，単糸繊度1.2
デニール以下の熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸
からなるループやタルミを形成した交絡糸条であって，
しかも各フィラメント間に位相差を有しており，編地内
層部を構成する糸条は，吸水性繊維を重量比40％以上含
んでいることを特徴とする多層構造布巾用編地を要旨と
するものである。 以下，本考案について詳細に説明する。 まず，本考案においては，編地の厚さ方向に３層以上
の多層構造を有し，この編地の表層部を構成する糸条
が，単糸繊度1.2デニール以下の合成繊維マルチフイラ
メント糸であることを必須要件としている。すなわち，
水分と接触する面である編地表層部を単糸繊度の細い合
成繊維マルチフイラメント糸で構成する理由は，毛細管
現象によって，より早く，より多くの水分を吸上げる拡
散効果（以下，導水効果という。）を狙い，さらに急速
かつ広範囲に水を拡散させ，編地内部にある他の糸条へ
の水分移行を速やかに行うことにある。かかる作用・効
果を発揮するためには，編地の表層部を構成する糸条
が，単糸繊度1.2デニール以下の合成繊維マルチフイラ
メント糸である必要があり,1.0デニール以下がより好ま
しい。該単糸繊度が1.2デニールを超えると，毛細管現
象による水分吸上げ，導水効果が十分に発揮されず，従
来技術の編地と同程度の性能となる。 しかしながら，単糸繊度が1.2デニール以下の場合で
も，フイラメント間の位相差が揃っていたり，単調であ
ると，毛細管作用が弱く，十分な効果を得ることができ
ない。そこで，本考案の編地は，上記毛細管現象による
水分の吸上げおよび拡散作用（以下，導水性という。）
を飛躍的に向上させるために，フイラメント間に位相差
が存在していることを必要とするものである。 ここで本考案におけるフィラメント間の位相差とは第
１図に示す流体攪乱処理によってループやタルミを形成
した交絡糸のように，糸条内においてループやタルミが
フィラメント間で異なった位置にずれていることを意味
する。 次に，編地表層部と接触した水分が編地内層部へ移行
することについて説明する。多層構造布巾用編地の内層
部を構成する糸条は，吸水性繊維を重量比で40％以上含
んでいる必要があり，これが50％以上であればより好ま
しい。この重量比が40％未満では，表層部における導水
作用により水分は内層部に移行するものの，内層部にお
ける保水能力が十分でないため，表層部の水分保有量が
短時間で飽和状態となり，吸水性編地としての性能を満
足し得ない。 ここでいう吸水性繊維としては，綿・絹等の天然繊
維，レーヨン・ポリノジツク・キユプラ等の再生繊維，
さらには中空多孔質合成繊維等を挙げることができる。
また，内層部を構成する糸条が長繊維糸条であれば，保
水効果を高めるために流体攪乱処理等により繊維間に空
隙層が多量に形成されている形態が好ましい。
本考案の多層構造布巾用編地にあっては，水分と接触
する表層部に導水性を，一方，内層部に吸水・保水性を
分担させる点を主作用としている。表層部における導水
性は，単糸繊度が1.2デニール以下という細いフイラメ
ントを適用し，しかもフイラメント間に適度な空隙を設
けることによって水分の毛細管現象を生じさせ，さらに
この空隙部が編地の圧縮運動によってポンプのような作
用を起こし，より顕著な導水作用が得られる。かかる導
水性を有する表層部では，水分が内部に浸透するととも
に拡散が進行するため，内層部を構成している吸水性繊
維と接合する面積が大きくなり，その結果，水分移行作
用も著しく向上する。さらに，移行後の水分は，吸水性
繊維糸条と該糸条の繊維間の空隙により，急速かつ多量
に保水される。 本考案にあっては，水分と接触する編地表層部の構造
は，フラツトな面であっても，パイルや起伏等が存在す
る立体的なものであってもよい。 以下，本考案を図面に基づいて説明する。 第２図は，本考案の多層構造編地の一実施態様を示す
断面模式図である。編地は，表層部A,内層部Ｂからなる
３層構造を有している。 第３図は，内層部Ｂを構成する糸条の側面形態を示す
模式図であり，ポリエステルマルチフイラメント糸ロと
レーヨンマルチフイラメント糸ハが混繊交絡されてお
り，糸条には多量の空気層が形成されている。 次に，本考案の多層構造編地の製造法についてその一
例を述べる。第４図は，本考案における編地の編成組織
図である。第４図において給糸口No.（F2），（F5）及
び（F1），（F4）は，各々シリンダー針（CN）及びダイ
ヤル針（DN）によって編目が形成され，編地の表側と裏
側，すなわち，本考案の多層構造布巾用編地における表
層部の一面と他の一面を構成する。したがって，前記４
給糸口のすべてに単糸繊度1.2デニール以下のフイラメ
ントで，かつ，フィラメント間にループやタルミによる
位相差を有する糸条を供給すると，編地表層部の両面が
該糸条により形成されることになる。一方，給糸口No.
（F3），（F6）では，ダイヤル針（DN），シリンダー針
（CN）ともタツク編成されているため，この２給糸口
（F3），（F6）で形成される編目は，編地の表裏面には
現れることなく，本考案でいう内層部を構成することに
なる。したがって，（F3），（F6）に吸水性繊維を含む
糸条を供給すると，編地内層部は該糸条により形成され
ることになる。 本考案の多層構造布巾用編地における表層部を構成す
る糸条を製造する方法は，例えば，単糸繊度1.2デニー
ル以下のポリエステルマルチフイラメント糸を仮撚加工
によりクリンプを付与した後，一連でエアー処理を施
し，糸条の長手方向に収束部を設けることによりクリン
プ位相差を形成固定する方法や，ループ形成能を有する
流体攪乱処理ノズルに上記マルチフイラメント糸を過剰
供給し，糸条にループやタルミを形成すると同時にフイ
ラメント間にループ，タルミの位相差を付与する方法等
が挙げられる。ここで、前記流体攪乱処理ノズルは，例
えば，特公昭34-8969号公報や特公昭35-1673号公報等に
記載されている，いわゆるタスランノズル等を適用する
ことができる。
する表層部に導水性を，一方，内層部に吸水・保水性を
分担させる点を主作用としている。表層部における導水
性は，単糸繊度が1.2デニール以下という細いフイラメ
ントを適用し，しかもフイラメント間に適度な空隙を設
けることによって水分の毛細管現象を生じさせ，さらに
この空隙部が編地の圧縮運動によってポンプのような作
用を起こし，より顕著な導水作用が得られる。かかる導
水性を有する表層部では，水分が内部に浸透するととも
に拡散が進行するため，内層部を構成している吸水性繊
維と接合する面積が大きくなり，その結果，水分移行作
用も著しく向上する。さらに，移行後の水分は，吸水性
繊維糸条と該糸条の繊維間の空隙により，急速かつ多量
に保水される。 本考案にあっては，水分と接触する編地表層部の構造
は，フラツトな面であっても，パイルや起伏等が存在す
る立体的なものであってもよい。 以下，本考案を図面に基づいて説明する。 第２図は，本考案の多層構造編地の一実施態様を示す
断面模式図である。編地は，表層部A,内層部Ｂからなる
３層構造を有している。 第３図は，内層部Ｂを構成する糸条の側面形態を示す
模式図であり，ポリエステルマルチフイラメント糸ロと
レーヨンマルチフイラメント糸ハが混繊交絡されてお
り，糸条には多量の空気層が形成されている。 次に，本考案の多層構造編地の製造法についてその一
例を述べる。第４図は，本考案における編地の編成組織
図である。第４図において給糸口No.（F2），（F5）及
び（F1），（F4）は，各々シリンダー針（CN）及びダイ
ヤル針（DN）によって編目が形成され，編地の表側と裏
側，すなわち，本考案の多層構造布巾用編地における表
層部の一面と他の一面を構成する。したがって，前記４
給糸口のすべてに単糸繊度1.2デニール以下のフイラメ
ントで，かつ，フィラメント間にループやタルミによる
位相差を有する糸条を供給すると，編地表層部の両面が
該糸条により形成されることになる。一方，給糸口No.
（F3），（F6）では，ダイヤル針（DN），シリンダー針
（CN）ともタツク編成されているため，この２給糸口
（F3），（F6）で形成される編目は，編地の表裏面には
現れることなく，本考案でいう内層部を構成することに
なる。したがって，（F3），（F6）に吸水性繊維を含む
糸条を供給すると，編地内層部は該糸条により形成され
ることになる。 本考案の多層構造布巾用編地における表層部を構成す
る糸条を製造する方法は，例えば，単糸繊度1.2デニー
ル以下のポリエステルマルチフイラメント糸を仮撚加工
によりクリンプを付与した後，一連でエアー処理を施
し，糸条の長手方向に収束部を設けることによりクリン
プ位相差を形成固定する方法や，ループ形成能を有する
流体攪乱処理ノズルに上記マルチフイラメント糸を過剰
供給し，糸条にループやタルミを形成すると同時にフイ
ラメント間にループ，タルミの位相差を付与する方法等
が挙げられる。ここで、前記流体攪乱処理ノズルは，例
えば，特公昭34-8969号公報や特公昭35-1673号公報等に
記載されている，いわゆるタスランノズル等を適用する
ことができる。
以下，本考案を実施例に基づいて具体的に説明する。
第１表に示す糸条を，第２表に示す糸構成に用い，第６
図に示す編組織で，本考案の編地として実施例No.1と比
較用の編地として比較例No.2〜６を20ゲージの丸編機を
用いて編成した。 なお，吸水性の評価は，以下に示す方法で行った。 ［吸水速度］ 試料を皺のないように金属輪に取付ける。次に試料表
面に0.04ccの蒸留水を滴下し，水滴特有の反射が消える
までの時間（秒）を測定する。 測定回数は５回とし，平均をとり、小数点以下を四捨
五入したものを測定値とした。 ［吸水量］ 蒸留水を0.2cc/cm2含んだウールフエルト地（15cm×1
5cm）の上に,10cm×10cmの試料片を重ね,25g/cm2の圧力
を加え,1分後に除圧し，蒸留水の移行量（g/m2）を測定
する。なお，移行量は吸水前後の試料重量の差より求め
た。 実施例・比較例として得られた編地の評価結果を第３
表に示した。 第３表から明らかなように，本考案の編地すなわち実
施例No.1は，吸水速度が速く，フエルト地から吸上げた
水分量も，布巾としての性能を十分に満足するものであ
り，かつ実使用後も編地表面に皺や硬化部分のない良品
質のものであった。一方，本考案の構成要件を一部，も
しくはまったく満足しない比較用編地すなわち比較例N
o.2〜６は，吸水速度，吸水量等の点から，実用には不
適当なものであった。
第１表に示す糸条を，第２表に示す糸構成に用い，第６
図に示す編組織で，本考案の編地として実施例No.1と比
較用の編地として比較例No.2〜６を20ゲージの丸編機を
用いて編成した。 なお，吸水性の評価は，以下に示す方法で行った。 ［吸水速度］ 試料を皺のないように金属輪に取付ける。次に試料表
面に0.04ccの蒸留水を滴下し，水滴特有の反射が消える
までの時間（秒）を測定する。 測定回数は５回とし，平均をとり、小数点以下を四捨
五入したものを測定値とした。 ［吸水量］ 蒸留水を0.2cc/cm2含んだウールフエルト地（15cm×1
5cm）の上に,10cm×10cmの試料片を重ね,25g/cm2の圧力
を加え,1分後に除圧し，蒸留水の移行量（g/m2）を測定
する。なお，移行量は吸水前後の試料重量の差より求め
た。 実施例・比較例として得られた編地の評価結果を第３
表に示した。 第３表から明らかなように，本考案の編地すなわち実
施例No.1は，吸水速度が速く，フエルト地から吸上げた
水分量も，布巾としての性能を十分に満足するものであ
り，かつ実使用後も編地表面に皺や硬化部分のない良品
質のものであった。一方，本考案の構成要件を一部，も
しくはまったく満足しない比較用編地すなわち比較例N
o.2〜６は，吸水速度，吸水量等の点から，実用には不
適当なものであった。
以上のように，本考案の多層構造布巾用編地は，その
表層部が単糸繊度1.2デニール以下の熱可塑性合成繊維
マルチフイラメント糸で糸条内におけるフイラメント間
にループやタルミによる位相差を有する糸条が使用され
ているため，導水効果が顕著になり，また，内層部が吸
水性繊維を重量比で40％以上含んだ糸条であるため，水
分の吸収，保水能力を有し，表層部の導水作用との相乗
効果により，優れた吸水性能が得られる。
表層部が単糸繊度1.2デニール以下の熱可塑性合成繊維
マルチフイラメント糸で糸条内におけるフイラメント間
にループやタルミによる位相差を有する糸条が使用され
ているため，導水効果が顕著になり，また，内層部が吸
水性繊維を重量比で40％以上含んだ糸条であるため，水
分の吸収，保水能力を有し，表層部の導水作用との相乗
効果により，優れた吸水性能が得られる。
第１図は，本考案の多層構造布巾用編地の表層部を構成
するフィラメント間にループやタルミによる位相差を有
する糸条形態を示す一例である。第２図は，本考案の多
層構造布巾用編地の厚さ方向の断面を示す一例である。
第３図は，内層部を構成する糸条の一例である。第４図
は，本考案編地の製造方法例を示す編組織である。 Ａ……編地表層部 Ｂ……編地内層部 ロ……ポリエステルフィラメント ハ……レーヨンフィラメント F1〜F6……給糸口No CN……シリンダー針 DN……ダイヤル針
するフィラメント間にループやタルミによる位相差を有
する糸条形態を示す一例である。第２図は，本考案の多
層構造布巾用編地の厚さ方向の断面を示す一例である。
第３図は，内層部を構成する糸条の一例である。第４図
は，本考案編地の製造方法例を示す編組織である。 Ａ……編地表層部 Ｂ……編地内層部 ロ……ポリエステルフィラメント ハ……レーヨンフィラメント F1〜F6……給糸口No CN……シリンダー針 DN……ダイヤル針
Claims (1)
- 【請求項１】３層以上の構造を有する編地であって，該
編地の表層部を構成する糸条は，単糸繊度1.2デニール
以下の熱可塑性合成繊維マルチフィラメント糸からなる
ループやタルミを形成した交絡糸条であって，しかも各
フィラメント間に位相差を有しており，編地内層部を構
成する糸条は，吸水性繊維を重量比40％以上含んでいる
ことを特徴とする多層構造布巾用編地。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989074236U JPH089185Y2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 多層構造布巾用編地 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1989074236U JPH089185Y2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 多層構造布巾用編地 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0314187U JPH0314187U (ja) | 1991-02-13 |
| JPH089185Y2 true JPH089185Y2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=31613756
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1989074236U Expired - Lifetime JPH089185Y2 (ja) | 1989-06-23 | 1989-06-23 | 多層構造布巾用編地 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH089185Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN109310216B (zh) | 2016-07-28 | 2022-02-11 | 爱维福股份有限公司 | 寝具及寝具用罩单 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59109792U (ja) * | 1982-12-29 | 1984-07-24 | 帝人株式会社 | 三層構造編地 |
| JPS59125981U (ja) * | 1983-02-09 | 1984-08-24 | 東洋紡績株式会社 | 三層構造布帛 |
| JPS6229496U (ja) * | 1985-08-08 | 1987-02-23 |
-
1989
- 1989-06-23 JP JP1989074236U patent/JPH089185Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0314187U (ja) | 1991-02-13 |
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