JPH09316757A - 肌着用編地 - Google Patents

肌着用編地

Info

Publication number
JPH09316757A
JPH09316757A JP13840496A JP13840496A JPH09316757A JP H09316757 A JPH09316757 A JP H09316757A JP 13840496 A JP13840496 A JP 13840496A JP 13840496 A JP13840496 A JP 13840496A JP H09316757 A JPH09316757 A JP H09316757A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
range
knitted fabric
surface layer
underwear
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP13840496A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3796816B2 (ja
Inventor
Makoto Osanai
誠 小山内
Chiharu Hirata
千春 平田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP13840496A priority Critical patent/JP3796816B2/ja
Publication of JPH09316757A publication Critical patent/JPH09316757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3796816B2 publication Critical patent/JP3796816B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水・透水性と速乾性とに優れ、適度な伸縮
力を有する。 【解決手段】 多層構造編地の表外面層の拡散面積が裏
外面層に対し4〜60倍、保水率が裏外面層に対し5〜
40倍であり、裏外面層の吸水率が90〜100%、保
水率が0〜10%、吸水速度が瞬時〜1秒であり、編地
経方向の伸長率が緯方向の伸長率より高く50〜200
%、伸長回復率が80〜100%の範囲にある。表裏の
外面層の単繊維繊度に差を設け、中間層に編地の10〜
40重量%のポリウレタン系弾性糸を用い、ラッセルで
編成してもよい。必要により、中間層に合成繊維マルチ
フィラメントを併用する。一方の外面層の表面を凹凸構
造、他方の外面層の表面をフラット構造に形成すれば、
速乾性や肌触りがさらに向上する。肌に密着するショー
ツ、靴下、ボディスーツなどの素材に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性および透水
性と速乾性とに優れ、適度な伸縮性を有する肌着用編地
に関する。ショーツ、靴下、ボディスーツなど肌に密着
して着用するインナーウェアに好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、肌に密着する衣料のべたつきや蒸
れ感を解消し、程よいフィット感を持たせるために様々
な工夫がなされている。例えば、特開昭63−2649
05号公報は、親水性繊維と疎水性繊維との混合糸およ
びポリウレタン弾性糸の織編地からなる、靴下などの衣
料を開示している。また、特開昭63−249747号
公報は、合成繊維の延伸糸、捲縮糸、紡績糸などとスパ
ンデックス糸とを交編した、2層構造の合成繊維織物を
開示し、レオタードやサイクリングウェアなどに用いて
いる。さらに、特開平7−82640号公報は、疎水性
糸からなる肌側外面層と、伸縮性糸からなる他方の外面
層とを伸縮糸で一体化した、伸縮性水分処理布を開示し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の衣料や布帛は、
親水性繊維や紡績糸などを使用しているため、長時間密
着着用していると、編地が水分を蓄積してべたつき、乾
きにくく、インナーウェアなどには不向きである。ま
た、編地の表と裏との作用が干渉し合うことも、べたつ
き感の原因になると考えられる。
【0004】本発明は、吸水性および透水性を長時間安
定して保持し、速乾性に優れ、しかもインナーウェアな
どに適した伸縮性を有する、肌着用編地を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために、表外面層、中間層および裏外面層から
なる多層構造編地で形成され、表外面層の拡散面積が裏
外面層に対し4〜60倍の範囲、保水率が裏外面層に対
し5〜40倍の範囲にあり、裏外面層の吸水率が90〜
100%の範囲、保水率が0〜10%の範囲、吸水速度
が瞬時〜1秒の範囲にあり、伸長率が緯方向に比較して
経方向に高く、経方向の伸長率が50〜200%、経方
向の伸長回復率が80〜100%の範囲にある肌着用編
地を提供する。
【0006】また、本発明は、表外面層、中間層および
裏外面層からなる多層構造編地で形成され、表外面層
に、主に単繊維繊度が0.4〜1.5デニールの合成繊
維マルチフィラメント、裏外面層に、主に、単繊維繊度
が2〜5デニール、かつ、表外面層のマルチフィラメン
トの1.3〜12.5倍の単繊維繊度の合成繊維加工糸
のマルチフィラメント、中間層に、主に繊度が30〜5
60デニールのポリウレタン系弾性糸を配し、経編機を
用いて編成し、ポリウレタン系弾性糸の交編率が10〜
40重量%である肌着用編地を提供する。中間層に、繊
度が30〜560デニールのポリウレタン系弾性糸およ
び単繊維繊度が1〜5デニールの合成繊維マルチフィラ
メントを配すると、裏側から表側への透水性がさらに高
まる場合がある。
【0007】前記の肌着用編地は、表外面層の拡散面積
が裏外面層に対し4〜60倍の範囲、保水率が裏外面層
に対し5〜40倍の範囲にあり、裏外面層の吸水率が9
0〜100%の範囲、保水率が0〜10%の範囲、吸水
速度が瞬時〜1秒の範囲にあり、伸長率が緯方向に比較
して経方向に高く、経方向の伸長率が50〜200%、
経方向の伸長回復率が80〜100%の範囲にあること
が好ましい。
【0008】前記の肌着用編地の、一方の外面層の表面
を凹凸構造、他方の外面層の表面をフラット構造に形成
すれば、速乾性や肌触りが向上する。同様の理由から、
編地に用いる合成繊維マルチフィラメントは、ポリアミ
ド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる、
1または2種類以上の疎水性繊維が好適である。本発明
の肌着用編地を、裏外面層を肌側にして用いたインナー
ウェアは、常時密着着用してもさらりとした着心地を有
している。本発明において、肌着用編地の諸特性は、下
記の方法で測定する。試験片は、あらかじめ20℃、6
5%RHの雰囲気中に12時間放置しておく。
【0009】(1)拡散面積; 10cm×10cmの試験片を3枚採取する。 0.1ccインク原液((株)パイロット製)をガ
ラス水平面上におき(表面張力により直径が約1cmと
なる状態)、試験片を、表を上にして載せる。 前記の状態で、1時間放置した後、編地の表およ
び裏のそれぞれの拡散状態を紙に写しとる。 写しとった紙の面積を、デジタルプラスメータKP
−90(内田洋行製)を用いて読取り、3枚の平均値を
求め、表と裏との拡散面積とする。 前記で求めた表と裏との拡散面積から、次式によ
り表裏拡散面積比を求める。 (表裏拡散面積比)=(表拡散面積)/(裏拡散面積)
【0010】(2)保水率; 10cm×10cmの試験片を3枚および吸取紙
(ろ紙;アドバンテックNo.2,110φ、東洋ろ紙
(株)製、以下同じ)を6枚採取し、温度20℃、湿度
65%の環境下で各々重量を測定する(0.001gま
で読取る)。 1.0ccの蒸留水をガラス板上におき(表面張力
により、直径が約2cmとなる状態)、その上に表を上
側にした試験片を速やかに載せる。 1分間放置後、ただちに蒸留水を吸水した試料片の
重量を測定する(0.001gまで読取る)。 試験片を、表と裏とを吸取紙(ろ紙)ではさみ、5
00g(5g/cm2 )の荷重下で1分間放置した後、
ただちに表裏の吸取り紙の重量を0.001gまで読み
取って測定する。 次式により表と裏との保水率をそれぞれの試験片に
ついて算出し、算出した値の平均値を求める。 表の保水率(%)={(W4 −W3 )/(W2
1 )}×100 裏の保水率(%)={(W6 −W5 )/(W2
1 )}×100 表裏保水比=(表の保水率(%))/(裏の保水率
(%)) W1 ;吸水前の試験片の重量(g) W2 ;吸水後の試験片の重量(g) W3 ;試験片の表側に用いた吸取紙の吸水前の重量
(g) W4 ;試験片の表側に用いた吸取紙の吸水後の重量
(g) W5 ;試験片の裏側に用いた吸取紙の吸水前の重量
(g) W6 ;試験片の裏側に用いた吸取紙の吸水後の重量
(g)
【0011】(3)伸長率;幅5cm、長さ30cmの
試験片を用い、つかみ間隔を20cmとして、JIS
L 1096 B法(定荷重法)により測定する。
【0012】(4)伸長回復率;JIS L 1096
B−1法(定荷重法)により測定する。
【0013】(5)吸水率; 10cm×10cmの試験片を3枚および吸取紙
(ろ紙)を3枚採取し、温度20℃、湿度65%の環境
下で各々重量を測定する。 1.0ccの蒸留水をガラス板上におき(表面張力
により、直径が約2cmとなる状態)、その上に表を上
側にした試験片を載せる。 1分間放置後、ただちに蒸留水を吸水した試料片の
重量を測定する。 残留した蒸留水を、吸取紙(ろ紙)で拭きとり、重
量を測定する。 次式により吸水率をそれぞれの試験片について算出
し、3枚の平均値を求める。 吸水率(%)=(W3 −W1 )/{(W4 −W2 )+
(W3 −W1 )}×100
【0014】(6)吸水速度; 約15cm×15cmの試験片を3枚採取する。 試験片を直径10cm以上の刺繍枠あるいはビーカ
ーに、余分の張力がかからないように、試験片の表側を
下にして固定し、試験片の表面が水平となるようにお
く。 蒸留水が1滴(約0.005cc)滴下するように
調整した注射針(TERUMO26G1/2,0.45
×13mm,注射器の容量1cc)の先端が、水平に置
いた試験片の表面から5cm離れるようにホルダーに固
定する。 水滴を試験片上に1滴滴下した時から、試験片上の
水滴が特別な反射をしなくなる時までの吸水時間を測定
し、0.1秒まで読み取る(JIS L 1096の
6.27.1項;吸水速度測定法のA法(滴下法)に準
拠して測定する)。任意の3か所について同様にして吸
水時間を測定する。 3枚の試験片について前記で測定したそれぞれの吸
水時間(秒)の平均値を求める。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明に係る肌着用編地は、基本
構成として3層以上の多層構造を採用する。外部にさら
される表外面層は、肌と接する裏外面層に対し拡散面積
を4〜60倍、保水率を5〜40倍有しているので、裏
面から吸収された水分を速やかに拡散し、乾燥速度を早
めて蒸れ感やべたつき感を改善することができる。裏外
面層における吸水率は90〜100%、好ましくは95
〜100%、吸水速度は瞬時〜1秒、好ましくは瞬時で
あり、裏面の水分が速やかに吸収される。裏外面層にお
ける保水率を0〜10%、好ましくは0〜5%とするの
で、水分が肌側に残留せずさわやかな感触である。
【0016】肌着用編地の伸長率は緯方向に比較して経
方向に高く、経方向における伸長率は50〜200%、
好ましくは70〜180%であり、伸長回復率は80〜
100%、好ましくは90〜100%であって、インナ
ーウェアなどに適したフィット性を有している。伸長回
復率が80%未満では、繰り返し着用すると伸びが戻ら
なくなり、フィット性に乏しくなりやすい。
【0017】本発明に係る肌着用編地は、目的とする多
機能を安定して保持するために、多層構造の外面層を形
成する合成繊維マルチフィラメントの単繊維繊度を裏側
で大きく、表側で小さく形成するとよい。衣服内部の水
分は、外面層を構成するマルチフィラメントの表と裏と
の単繊維繊度の差により裏側から表側へ移動し、表面か
ら蒸散されやすくなる。マルチフィラメントの単繊維繊
度は、表外面層で0.4〜1.5デニール、好ましくは
0.5〜1.3デニール、裏外面層で2〜5デニール、
好ましくは2〜3デニールである。表外面層の単繊維繊
度が0.4デニールに満たないと、単糸切れやピリング
の発生により肌着用編地の機能性が低下する。表外面層
の単繊維繊度が1.5デニールを超えたり、裏外面層の
単繊維繊度が2デニール未満では、裏に対する表の拡散
面積が不十分となり、編地が乾きにくくなる。裏外面層
の単繊維繊度が5デニールを超えると、風合が硬くなり
肌触りが悪くなる。
【0018】裏外面層に仮撚加工糸を用いれば、一般
に、水分が裏外面層から表外面層に移動しやすい。生糸
では、水分が裏外面層に蓄積されたり拡散されやすく、
また、肌と編地との接触面積が大きくなり、べたつき感
が増加する。さらに、裏外面層のマルチフィラメントの
単繊維繊度は、表外面層のマルチフィラメントに対し
1.3〜12.5倍の範囲、好ましくは1.5〜12.
5倍の範囲にあると、裏側から表側への透水性が高まり
好適である。
【0019】多層構造の中間層は、繊度が30〜560
デニール、好ましくは40〜280デニールのポリウレ
タン系弾性糸を、編地の10〜40重量%、好ましくは
20〜30重量%の範囲で混入すれば、インナーウェア
に適した伸縮力と程よいフィット性とを編地に持たせる
ことができる。また、必要に応じ、前記のポリウレタン
弾性糸と単繊維繊度1〜5デニールの合成繊維マルチフ
ィラメントとを交編し、中間層を編成するとよい。合成
繊維の単繊維繊度を1〜5デニールの範囲で選択して用
いることにより、水分を拡散する表外面層および吸収す
る裏外面層のそれぞれの働きを高めることができる。
【0020】本発明の肌着用編地に用いる合成繊維は、
編地に過度の保水性を生じさせずに十分な透水性と速乾
性とを持たせるために、比較的吸湿性の低い疎水性合成
繊維フィラメントが好ましい。なかでも、ポリエステ
ル、ポリアミドおよびポリプロピレンから選ばれる、1
種または2種類以上の組み合わせが好適である。一般
に、綿、麻、毛などの天然繊維やセルロース系繊維など
は水分を蓄積しやすく、紡績糸は毛羽立ちやすいので、
好ましくない。ポリウレタン系弾性糸は、特に限定され
ないが、ベアの繊維が好ましく用いられる。
【0021】編地の編成は、経編機を使用することが好
ましい。なかでも、ラッセル編機を用いて編成した肌着
用編地は、緯方向に比較して経方向の伸縮性が高くなる
ので、ボディスーツやガードルなどの素材に適してい
る。編地組織は、特に限定されず、例えば、図1に示す
編組織を用いることができる。
【0022】また、編地の一方の外面層の表面をメッシ
ュ編、針抜き組織、タック編などの凹凸構造に、他方の
外面層の表面を平編などのフラット構造に形成すれば、
速乾性や吸水性をさらに高めることができる。例えば、
表外面層を凹凸構造に形成し、裏外面層をフラット構造
に形成して肌側に用いれば、表外面層の表面が増大し、
水分の蒸散が早くなるので、速乾性の向上を期待でき
る。逆に、表外面層をフラット構造に形成し、裏外面層
を凹凸構造に形成して肌側に用いれば、肌と接触する面
積が小さくなる凹凸面の感触がさらりとする。さらに、
肌側外面層に吸水加工を施せば、汗が吸収され、中間層
を通って表側に移動されやすくなる。吸水加工は、ポリ
エチレングリコールやその誘導体などの吸水剤を用いて
行うことができる。吸水加工に用いる加工剤の種類や濃
度は、要求される吸水性能により決定すればよい。
【0023】本発明に係る肌着用編地の裏外面層を肌側
に用いた、ショーツや靴下などのインナーウェアは、肌
に程よくフィットし、しかもさらりとした着心地で長時
間快適に着用できる。さらに、抗菌加工を施した肌着用
編地は、衛生的で肌に直接接する下着類に好適である。
抗菌加工は通常の抗菌剤を用いて行う。前記の用途に対
する抗菌性は、菌数測定法(SEK規格)により測定
し、増減値差が1.6以上が好ましい。
【0024】本発明に係る肌着用編地はラッセル編機な
どを用いて編成した後、リラックス、精練加工、吸水加
工、抗菌加工など後加工を通常の方法で行う。この肌着
用編地を用いたインナーウェアは、本発明に係る肌着用
編地を用いる以外は通常と同様にして製造することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の肌着用編地について具体例
を用いてさらに詳細に説明する。 実施例1 ラッセル機28G編機を用い、図1に示す組織図に従っ
て、表外面層を形成する筬L2に40デニール、36フ
ィラメントのナイロンマルチフィラメントを配し、裏外
面層を形成する筬L1に30デニール、10フィラメン
トのナイロンウーリーマルチ加工糸を配し、中間層を形
成する、筬L3に70デニール、36フィラメントのナ
イロンマルチフィラメントおよび筬L4に140デニー
ルのポリウレタン系弾性糸を配し、表1に示す糸使い
で、機上密度28ウェール/インチ、50コース/イン
チとして編立てを行った。得られた生機に常法によりリ
ラックス、精練加工を行った後、酸性染料で白色に染色
加工を行った。その後、TNT2(高松油脂(株)製)
2%owf溶液を用い、乾燥セットを180℃で40秒
間行って吸水加工を施し、仕上げ編地を得た。得られた
編地について、各種物性の測定を行った結果を表2に示
す。得られた編地は、吸水性に優れ、伸長率、伸長回復
率ともに良好なものであった。
【0026】実施例2 中間層を形成する筬L3に70デニール、36フィラメ
ントのナイロンウーリーマルチ加工糸を用いたほかは、
実施例1と同様に編立てを行った。得られた生機に、常
法によりリラックス、精練加工を行った後、酸性染料で
白色に染色加工を行った。その後、実施例1と同様に吸
水加工を施し、仕上げ編地を得た。得られた編地につい
て、各種物性の測定を行った結果を表2に示す。得られ
た編地は、とくに裏面保水率が少なく、吸水性に優れ、
伸長率、伸長回復率ともに良好なものだった。
【0027】比較例1 表外面層を形成する筬L2に40デニール、17フィラ
メントのナイロンマルチフィラメントを配し、裏外面層
を形成する筬L1に30デニール、24フィラメントの
ナイロンウーリーマルチ加工糸を配したほかは、実施例
1と同様にして編立てを行った。得られた生機に、常法
によりリラックス、精練加工を行った後、酸性染料で白
色に染色加工を施した。その後、実施例1と同様にして
吸水加工を行い、仕上げ編地を得た。得られた編地につ
いて各種物性の評価を行ったので、その結果を表2に示
す。得られた編地は、裏面から表面への透水性が悪く、
裏外面層の保水率が高く、べたつきやすかった。
【0028】比較例2 中間層を形成する筬L4に20デニールのポリウレタン
系弾性糸を用いた以外は、実施例1と同様に編立てを行
った。得られた生機に、常法によりリラックス、精練加
工を行った後、酸性染料で白色に染色加工を施した。そ
の後、実施例1と同様にして吸水加工を行い、仕上げ編
地を得た。得られた編地について各種物性の評価を行っ
たので、その結果を表2に示す。得られた編地は、伸長
率、伸長回復率共に低く、形態安定性の悪いものであっ
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の肌着用編地は、3層以上の多層
構造をなす各層を最適に形成し、吸水性および透水性と
速乾性とに優れ、適度な伸縮性を有しているので、人体
に程よくフィットし、蒸れ感やべたつき感が少ない。中
間層にポリウレタン系弾性糸と、必要により合成繊維マ
ルチフィラメントとを用い、ラッセル編機で編成した編
地は、表裏のそれぞれの機能を十分に発揮し、かつ、経
方向の適度な伸縮力を有し、さらりとした感触で長時間
快適に着用できる。必要に応じ、外面層の表面の構造を
フラット構造や凹凸構造にしたり、後加工することによ
り、さらに速乾性や吸水性を高めることができる。洗濯
しても乾きやすく、肌に密着して使用するショーツ、靴
下などインナーウェアの素材に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の肌着用編地を形成する編組織図の一
実施態様例。
【符号の説明】
L1 ;裏外面層を構成する糸条 L2 ;表外面層を構成する糸条 L3 ;中間層を構成する糸条 L4 ;ポリウレタン系弾性糸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表外面層、中間層および裏外面層からなる
    多層構造編地で形成され、 表外面層の拡散面積が裏外面層に対し4〜60倍の範
    囲、保水率が裏外面層に対し5〜40倍の範囲にあり、 裏外面層の吸水率が90〜100%の範囲、保水率が0
    〜10%の範囲、吸水速度が瞬時〜1秒の範囲にあり、 伸長率が緯方向に比較して経方向に高く、経方向の伸長
    率が50〜200%、経方向の伸長回復率が80〜10
    0%の範囲にある、ことを特徴とする肌着用編地。
  2. 【請求項2】表外面層、中間層および裏外面層からなる
    多層構造編地で形成され、 表外面層に、主に単繊維繊度が0.4〜1.5デニール
    の合成繊維マルチフィラメント、裏外面層に、主に、単
    繊維繊度が2〜5デニール、かつ、表外面層のマルチフ
    ィラメントの1.3〜12.5倍の単繊維繊度の合成繊
    維加工糸のマルチフィラメント、中間層に、主に繊度が
    30〜560デニールのポリウレタン系弾性糸を配し、
    経編機を用いて編成し、 ポリウレタン系弾性糸の交編率が10〜40重量%であ
    る、ことを特徴とする肌着用編地
  3. 【請求項3】中間層に、主に、繊度が30〜560デニ
    ールのポリウレタン系弾性糸および単繊維繊度が1〜5
    デニールの合成繊維マルチフィラメントを配したことを
    特徴とする、請求項2に記載の肌着用編地。
  4. 【請求項4】表外面層の拡散面積が裏外面層に対し4〜
    60倍の範囲、保水率が裏外面層に対し5〜40倍の範
    囲にあり、 裏外面層の吸水率が90〜100%の範囲、保水率が0
    〜10%の範囲、吸水速度が瞬時〜1秒の範囲にあり、 伸長率が緯方向に比較して経方向に高く、経方向の伸長
    率が50〜200%、経方向の伸長回復率が80〜10
    0%の範囲にある、ことを特徴とする、請求項2または
    3に記載の肌着用編地。
  5. 【請求項5】一方の外面層の表面を凹凸構造、他方の外
    面層の表面をフラット構造に形成したことを特徴とす
    る、請求項1ないし4のいずれかに記載の肌着用編地。
  6. 【請求項6】合成繊維マルチフィラメントが、ポリアミ
    ド、ポリエステルおよびポリプロピレンから選ばれる、
    1または2種類以上の疎水性繊維であることを特徴とす
    る、請求項2ないし5のいずれかに記載の肌着用編地。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載の肌着
    用編地を、裏外面層を肌側にして用いたことを特徴とす
    るインナーウェア。
JP13840496A 1996-05-31 1996-05-31 肌着用編地 Expired - Fee Related JP3796816B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13840496A JP3796816B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 肌着用編地

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13840496A JP3796816B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 肌着用編地

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09316757A true JPH09316757A (ja) 1997-12-09
JP3796816B2 JP3796816B2 (ja) 2006-07-12

Family

ID=15221174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13840496A Expired - Fee Related JP3796816B2 (ja) 1996-05-31 1996-05-31 肌着用編地

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3796816B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055408A1 (fr) * 1999-03-17 2000-09-21 Sumitomo Corporation Tricotage a fonction de regulation a absorption d'eau
JP2000328325A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Toray Ind Inc 球技用ユニフォーム
KR20020028051A (ko) * 2002-03-19 2002-04-15 고경찬 일방향 초고속 흡습속건성 소재의 제조방법
WO2002101134A1 (fr) * 2001-06-06 2002-12-19 Teijin Limited Tissu maille isolant
KR20040051447A (ko) * 2002-12-12 2004-06-18 벤텍스 주식회사 수분 전이층을 갖는 내구성 초발수 흡수속건성 원단
JP2006161182A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 織編物
KR100717816B1 (ko) * 2003-04-10 2007-05-11 벤텍스 주식회사 배수구를 갖는 3 층구조의 온도조절형 초속건 원단
US7670666B2 (en) 2002-06-21 2010-03-02 Asahi Kasei Fibers Corporation Cloth
JP2010163710A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 衣料用織編物
JP2011132643A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd 織編物及びそれを用いた衣類
WO2012017508A1 (ja) 2010-08-02 2012-02-09 帝人ファイバー株式会社 多層構造布帛および繊維製品
CN102373564A (zh) * 2010-08-13 2012-03-14 香港理工大学 一种排汗面料
WO2012049870A1 (ja) * 2010-10-12 2012-04-19 旭化成せんい株式会社 多層構造編地
WO2013144490A1 (fr) * 2012-03-27 2013-10-03 Thuasne Textile élastique antibactérien et/ou antifongique
CN103494350A (zh) * 2013-10-11 2014-01-08 浙江聚龙袜业有限公司 一种抗菌驱螨除臭功能袜子及其织造工艺
JP2018172808A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 セーレン株式会社 立体構造経編地

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055408A1 (fr) * 1999-03-17 2000-09-21 Sumitomo Corporation Tricotage a fonction de regulation a absorption d'eau
JP2000328325A (ja) * 1999-05-24 2000-11-28 Toray Ind Inc 球技用ユニフォーム
WO2002101134A1 (fr) * 2001-06-06 2002-12-19 Teijin Limited Tissu maille isolant
US6845638B2 (en) 2001-06-06 2005-01-25 Teijin Limited Insulated knitted fabric
KR100819397B1 (ko) * 2001-06-06 2008-04-04 데이진 가부시키가이샤 보온 편지
KR20020028051A (ko) * 2002-03-19 2002-04-15 고경찬 일방향 초고속 흡습속건성 소재의 제조방법
US7670666B2 (en) 2002-06-21 2010-03-02 Asahi Kasei Fibers Corporation Cloth
KR20040051447A (ko) * 2002-12-12 2004-06-18 벤텍스 주식회사 수분 전이층을 갖는 내구성 초발수 흡수속건성 원단
KR100717816B1 (ko) * 2003-04-10 2007-05-11 벤텍스 주식회사 배수구를 갖는 3 층구조의 온도조절형 초속건 원단
JP2006161182A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Mitsubishi Rayon Co Ltd 織編物
JP2010163710A (ja) * 2009-01-15 2010-07-29 Toyobo Specialties Trading Co Ltd 衣料用織編物
JP2011132643A (ja) * 2009-12-25 2011-07-07 Mitsubishi Rayon Textile Co Ltd 織編物及びそれを用いた衣類
WO2012017508A1 (ja) 2010-08-02 2012-02-09 帝人ファイバー株式会社 多層構造布帛および繊維製品
EP2602365A1 (en) * 2010-08-02 2013-06-12 Teijin Frontier Co., Ltd. Multilayered fabric and textile product
EP2602365A4 (en) * 2010-08-02 2014-09-24 Teijin Frontier Co Ltd MULTILAYER FABRIC AND TEXTILE PRODUCT
CN102373564A (zh) * 2010-08-13 2012-03-14 香港理工大学 一种排汗面料
WO2012049870A1 (ja) * 2010-10-12 2012-04-19 旭化成せんい株式会社 多層構造編地
CN103154344A (zh) * 2010-10-12 2013-06-12 旭化成纤维株式会社 多层结构针织坯布
KR101398699B1 (ko) * 2010-10-12 2014-05-27 아사히 가세이 셍이 가부시키가이샤 다층 구조 편지
WO2013144490A1 (fr) * 2012-03-27 2013-10-03 Thuasne Textile élastique antibactérien et/ou antifongique
FR2988586A1 (fr) * 2012-03-27 2013-10-04 Thuasne Textile elastique antibacterien et/ou antifongique
CN103494350A (zh) * 2013-10-11 2014-01-08 浙江聚龙袜业有限公司 一种抗菌驱螨除臭功能袜子及其织造工艺
JP2018172808A (ja) * 2017-03-31 2018-11-08 セーレン株式会社 立体構造経編地

Also Published As

Publication number Publication date
JP3796816B2 (ja) 2006-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3796816B2 (ja) 肌着用編地
CN108026674B (zh) 多层结构圆形针织物
JP2020505525A (ja) ストレッチ性・吸水速乾性を有する編物及びその用途
JP6833015B2 (ja) 衣料
JP3772423B2 (ja) 編地および運動用衣服
US20120252296A1 (en) WATER=pERMEABILITY STRETCH KNITTED FABRIC
KR20170120686A (ko) 흡수 속건성 니티드 페브릭 및 그 용도
JP2013104158A (ja) シングル丸編地およびワイシャツ
JP3724190B2 (ja) 合成繊維編織物
JP4390514B2 (ja) 多層構造編地
CN109423767B (zh) 一种吸水速干经编面料及其生产方法和用途
CN112105771B (zh) 一种单面针织面料
US11098442B2 (en) Water-repellent knitted fabric, method for producing water-repellent knitted fabric, clothing made of water-repellent knitted fabric, and layering including clothing
JP2005105442A (ja) 多層構造編地
JP2004036012A (ja) 吸水性編地
CN112513355B (zh) 二层结构编织物和服装
KR100614626B1 (ko) 쾌적성과 항균성이 우수한 스웨이드조 경편지
KR101069354B1 (ko) 천연섬유의 외관과 흡한속건성(洽汗速乾性)이 우수한복합가연사의 제조 방법
JPH09273007A (ja) ウエストバンド
JP3159410B2 (ja) 編 地
JP3817059B2 (ja) 長短複合構造織物
JP7120008B2 (ja) 繊維構造物
JPH09143842A (ja) 多層構造編地
JPS6236878Y2 (ja)
JP4172101B2 (ja) 長短複合構造織物

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050419

A521 Written amendment

Effective date: 20050524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20060410

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

A521 Written amendment

Effective date: 20050524

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 3

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees