JP3159410B2 - 編 地 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の利用分野】本発明は、衣料特に肌に直接着用す
る用途の衣料、例えばインナーウエア、スポーツウエア
において、汗をかいてもべとつかず乾きが早い、着心地
に優れた編地に関する。
る用途の衣料、例えばインナーウエア、スポーツウエア
において、汗をかいてもべとつかず乾きが早い、着心地
に優れた編地に関する。
【０００２】
【従来の技術】汗をかいてもべとつかず乾きが早い布の
製造方法としては、すでに種々のものが提案されている
が、そのなかで重要と考えられるのは布が汗を吸った時
に皮膚に近い側には汗を少なく含み、外側により多くの
汗を分配するような工夫である。そのための手段とし
て、布全体を吸水加工し布の裏面には部分的（柄状）に
撥水剤を付与したもの、また皮膚に近い側には疎水性の
繊維を用い外側には親水性の繊維を用いたものがある。
製造方法としては、すでに種々のものが提案されている
が、そのなかで重要と考えられるのは布が汗を吸った時
に皮膚に近い側には汗を少なく含み、外側により多くの
汗を分配するような工夫である。そのための手段とし
て、布全体を吸水加工し布の裏面には部分的（柄状）に
撥水剤を付与したもの、また皮膚に近い側には疎水性の
繊維を用い外側には親水性の繊維を用いたものがある。
【０００３】これらは発汗時のべとつきを改良すること
には一定の成果を収めている。しかし汗をより広い面積
に拡散することによって汗の乾燥を早めたり、次々に生
じる発汗にも十分対応できるまでには到っていない。そ
の理由は、汗を広い面積に拡散するためには汗を吸収、
移送する能力に優れた繊維を使用することが不可欠であ
るからに他ならない。しかしこの種の繊維の使用にあた
っては注意が必要である。すなわちこの種繊維は汗を保
持する能力にも優れているため、皮膚に接して使用され
た場合には皮膚にべとつき感を与えてしまうからであ
る。したがって、この種繊維は皮膚には接しない位置で
使用する必要があるのである。
には一定の成果を収めている。しかし汗をより広い面積
に拡散することによって汗の乾燥を早めたり、次々に生
じる発汗にも十分対応できるまでには到っていない。そ
の理由は、汗を広い面積に拡散するためには汗を吸収、
移送する能力に優れた繊維を使用することが不可欠であ
るからに他ならない。しかしこの種の繊維の使用にあた
っては注意が必要である。すなわちこの種繊維は汗を保
持する能力にも優れているため、皮膚に接して使用され
た場合には皮膚にべとつき感を与えてしまうからであ
る。したがって、この種繊維は皮膚には接しない位置で
使用する必要があるのである。
【０００４】このことは編地に限定すれば、ダブルニッ
ト組織であれば例えば中糸に使用することでかなりの程
度解決される。しかしながらダブルニットによる布は必
然的に厚みが厚くしかも重量の重いものと成りやすく、
軽量であることが要求されるインナーウエアやスポーツ
ウエアにはしばしば不向きである。
ト組織であれば例えば中糸に使用することでかなりの程
度解決される。しかしながらダブルニットによる布は必
然的に厚みが厚くしかも重量の重いものと成りやすく、
軽量であることが要求されるインナーウエアやスポーツ
ウエアにはしばしば不向きである。
【０００５】一方シングルニットの布は軽量で着心地の
良い材料と成りやすいので、もしシングルニットに前記
汗を吸収、移送する能力に優れた繊維を皮膚に接しない
ように応用できれば、優れた快適衣料としての素材とな
る。しかし、シングルニットは組織的変化に乏しく、特
にある繊維を表からも裏からも隠して使用するといった
ことは困難である。
良い材料と成りやすいので、もしシングルニットに前記
汗を吸収、移送する能力に優れた繊維を皮膚に接しない
ように応用できれば、優れた快適衣料としての素材とな
る。しかし、シングルニットは組織的変化に乏しく、特
にある繊維を表からも裏からも隠して使用するといった
ことは困難である。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、汗を
かいてもべとつかず乾きが早い衣料をシングルニットで
実現させるために、該シングルニットをいかに構成する
かにある。さらにより具体的には、シングル編地の天竺
リバーシブルの組織において、表糸と裏糸の２種類の糸
しか使えない該編地の制約下で、表糸には審美性（色、
光沢、風合い）を重視した汎用繊維を用いつつ、裏糸に
は吸水、拡散、保水機能を持つ糸と、ドライタッチをも
たらす糸とを巧みに共存させることによって、編地全体
に従来にない高吸水、高拡散、高ドライタッチの特長を
与えるために、該シングルニットを具体的にいかに構成
したらよいかを追及せんとするものである。
かいてもべとつかず乾きが早い衣料をシングルニットで
実現させるために、該シングルニットをいかに構成する
かにある。さらにより具体的には、シングル編地の天竺
リバーシブルの組織において、表糸と裏糸の２種類の糸
しか使えない該編地の制約下で、表糸には審美性（色、
光沢、風合い）を重視した汎用繊維を用いつつ、裏糸に
は吸水、拡散、保水機能を持つ糸と、ドライタッチをも
たらす糸とを巧みに共存させることによって、編地全体
に従来にない高吸水、高拡散、高ドライタッチの特長を
与えるために、該シングルニットを具体的にいかに構成
したらよいかを追及せんとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成せんがため、表糸Ａと裏糸Ｂ1、Ｂ2とからなる天竺リ
バーシブルであって、裏糸Ｂ1、Ｂ2は１コースおきに交
互に表糸Ａに対してプレーティングされており、表糸Ａ
はその３０％以上が綿（コットン）である糸からなり、
裏糸Ｂ1は単繊維の太さが２デニール以上であるポリエ
ステルマルチフィラメント糸であり、裏糸Ｂ2は単繊維
の太さが１デニール以下のポリエステルとナイロンとか
らなるマルチフィラメント糸であり表糸Ａ、裏糸Ｂ1、
Ｂ2の糸のトータル繊度をそれぞれＤA、ＤB1、ＤB2とす
るときＤA≧ＤB1≧１．５ＤB2の関係を満足する編地を
提案するものである。
成せんがため、表糸Ａと裏糸Ｂ1、Ｂ2とからなる天竺リ
バーシブルであって、裏糸Ｂ1、Ｂ2は１コースおきに交
互に表糸Ａに対してプレーティングされており、表糸Ａ
はその３０％以上が綿（コットン）である糸からなり、
裏糸Ｂ1は単繊維の太さが２デニール以上であるポリエ
ステルマルチフィラメント糸であり、裏糸Ｂ2は単繊維
の太さが１デニール以下のポリエステルとナイロンとか
らなるマルチフィラメント糸であり表糸Ａ、裏糸Ｂ1、
Ｂ2の糸のトータル繊度をそれぞれＤA、ＤB1、ＤB2とす
るときＤA≧ＤB1≧１．５ＤB2の関係を満足する編地を
提案するものである。
【０００８】本発明における糸の各々の役割について説
明する。表糸Ａは汗を吸収して且つ保水し、外気に向け
て汗を蒸発させる機能を有する。したがって糸の有する
性質としては親水性であることが必要であり、綿（コッ
トン）そのもの、あるいは綿を含む糸であることが必要
である。綿は、その含有比率が３０％以上、特に好まし
くは５０％以上であることが必要である。これ以下では
綿の吸水性、保水性が十分発揮されない恐れがある。と
くにポリエステル等の疎水性繊維と複合（混紡、交撚、
引き揃え）された場合は顕著である。
明する。表糸Ａは汗を吸収して且つ保水し、外気に向け
て汗を蒸発させる機能を有する。したがって糸の有する
性質としては親水性であることが必要であり、綿（コッ
トン）そのもの、あるいは綿を含む糸であることが必要
である。綿は、その含有比率が３０％以上、特に好まし
くは５０％以上であることが必要である。これ以下では
綿の吸水性、保水性が十分発揮されない恐れがある。と
くにポリエステル等の疎水性繊維と複合（混紡、交撚、
引き揃え）された場合は顕著である。
【０００９】綿と他の繊維とを複合する場合の該他の複
合繊維素材としては、前記のポリエステル繊維ばかりで
なく、ナイロン繊維、アクリル繊維などの合成繊維、レ
ーヨン、アセテートなどの再生繊維であってもよく、ま
た麻、羊毛などの天然繊維であってもよい。
合繊維素材としては、前記のポリエステル繊維ばかりで
なく、ナイロン繊維、アクリル繊維などの合成繊維、レ
ーヨン、アセテートなどの再生繊維であってもよく、ま
た麻、羊毛などの天然繊維であってもよい。
【００１０】表糸Ａの形態としては紡績糸、紡績糸とフ
ィラメント糸との交撚糸あるいは引き揃え、短繊維とフ
ィラメントの特殊複合糸などがある。
ィラメント糸との交撚糸あるいは引き揃え、短繊維とフ
ィラメントの特殊複合糸などがある。
【００１１】裏糸Ｂ1は相対的に最も疎水性であり、汗
をかいたときにも裏糸Ｂ1は殆ど保水をせず皮膚面にた
いしてドライでなければならない。そのためには、繊維
としては疎水性の高いポリエステルであって、しかも繊
維の集束度のあまり良くないフィラメントがよい。紡績
糸は集束性が良く疎水性と言えども比較的に水を保水し
やすいのでふさわしくない。
をかいたときにも裏糸Ｂ1は殆ど保水をせず皮膚面にた
いしてドライでなければならない。そのためには、繊維
としては疎水性の高いポリエステルであって、しかも繊
維の集束度のあまり良くないフィラメントがよい。紡績
糸は集束性が良く疎水性と言えども比較的に水を保水し
やすいのでふさわしくない。
【００１２】この裏糸Ｂ1のフィラメントの単繊維の太
さはあまり太すぎては皮膚に対しての風合いが良くな
く、また逆にあまり細すぎると、保水性が良くなるので
好ましくない。したがって、その単繊維の太さは２デニ
ール以上が必要であり、５デニール以下が好ましい。
さはあまり太すぎては皮膚に対しての風合いが良くな
く、また逆にあまり細すぎると、保水性が良くなるので
好ましくない。したがって、その単繊維の太さは２デニ
ール以上が必要であり、５デニール以下が好ましい。
【００１３】裏糸Ｂ2は、汗を吸収して拡散していく能
力を持つ糸であり、繊維としては裏糸Ｂ1に対して相対
的に親水性であって且つ毛細管現象による汗の吸収にす
ぐれ、保水性も良いことが必要である。そしてそのため
には、単繊維の太さが１デニール以下であって、ポリエ
ステルとナイロンとからなる複合糸が最も好ましいこと
がわかった。
力を持つ糸であり、繊維としては裏糸Ｂ1に対して相対
的に親水性であって且つ毛細管現象による汗の吸収にす
ぐれ、保水性も良いことが必要である。そしてそのため
には、単繊維の太さが１デニール以下であって、ポリエ
ステルとナイロンとからなる複合糸が最も好ましいこと
がわかった。
【００１４】ここで、ポリエステルとは、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレートを含み、イソフタル酸を酸
成分の２〜１５モル％を含有するポリエチレンテレフタ
レートや、金属スルホネート基含有イソフタル酸を２〜
１５モル％含有するポリエチレンテレフタレートなどが
挙げられる。 またナイロンとは、６ナイロン、６，６
ナイロン、６，１０ナイロンなどが挙げられる。
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレートを含み、イソフタル酸を酸
成分の２〜１５モル％を含有するポリエチレンテレフタ
レートや、金属スルホネート基含有イソフタル酸を２〜
１５モル％含有するポリエチレンテレフタレートなどが
挙げられる。 またナイロンとは、６ナイロン、６，６
ナイロン、６，１０ナイロンなどが挙げられる。
【００１５】ポリエステルとナイロンの各々１デニール
以下の単繊維からなる複合糸はその吸水性において単に
ポリエステル単独の１デニール以下の単繊維からなる糸
よりも優れている。この理由については本発明者らは相
対的に親水性と疎水性の繊維の混在状態において水分の
移送性（より水分率の大きい局部からより水分率の小さ
い局部へ水分が移動する現象）に有利なためと考えてい
る。
以下の単繊維からなる複合糸はその吸水性において単に
ポリエステル単独の１デニール以下の単繊維からなる糸
よりも優れている。この理由については本発明者らは相
対的に親水性と疎水性の繊維の混在状態において水分の
移送性（より水分率の大きい局部からより水分率の小さ
い局部へ水分が移動する現象）に有利なためと考えてい
る。
【００１６】この様な糸としては、ポリエステルとナイ
ロンが複合的に紡糸された後、分割処理を経て各々が１
デニール以下の所謂極細糸となるようなタイプの糸が代
表的な例として挙げられる。各々の単繊維のデニールは
出来るだけ細い方が好ましい。
ロンが複合的に紡糸された後、分割処理を経て各々が１
デニール以下の所謂極細糸となるようなタイプの糸が代
表的な例として挙げられる。各々の単繊維のデニールは
出来るだけ細い方が好ましい。
【００１７】次に裏糸Ｂ1、Ｂ2の糸の太さ（トータル繊
度）については、Ｂ1のそれが相対的に太くＢ2のそれが
細いことが不可欠である。その理由は裏糸Ｂ1は汗を含
まず、裏糸Ｂ2は汗を含んでいることから、裏糸Ｂ2が皮
膚に触れるとべとつき、濡れ感を感じて着心地がよくな
いからである。そのためには汗を含まない裏糸Ｂ1が皮
膚に接し、裏糸Ｂ2は皮膚に接しないことが必要であ
る。そのためには、裏糸Ｂ1のトータル繊度が裏糸Ｂ2の
それよりも太いことが必要である。太い糸が優先的に肌
に触り、細い糸は太い糸に隠れて肌に触らないからであ
る。その太さの違いはＤB1≧１．５ＤB2なる関係が必要
である。もしＤB1＜１．５ＤB2であれば、皮膚は糸Ｂ2
に接触するためべとつき、濡れた感じがして着心地が悪
い。
度）については、Ｂ1のそれが相対的に太くＢ2のそれが
細いことが不可欠である。その理由は裏糸Ｂ1は汗を含
まず、裏糸Ｂ2は汗を含んでいることから、裏糸Ｂ2が皮
膚に触れるとべとつき、濡れ感を感じて着心地がよくな
いからである。そのためには汗を含まない裏糸Ｂ1が皮
膚に接し、裏糸Ｂ2は皮膚に接しないことが必要であ
る。そのためには、裏糸Ｂ1のトータル繊度が裏糸Ｂ2の
それよりも太いことが必要である。太い糸が優先的に肌
に触り、細い糸は太い糸に隠れて肌に触らないからであ
る。その太さの違いはＤB1≧１．５ＤB2なる関係が必要
である。もしＤB1＜１．５ＤB2であれば、皮膚は糸Ｂ2
に接触するためべとつき、濡れた感じがして着心地が悪
い。
【００１８】表糸Ａと裏糸Ｂ1との太さの関係はＤA≧Ｄ
B1でなければならない。もしＤA＜ＤB1ならば表糸と裏
糸とのリバーシブル性が崩れ、裏糸が表にはみ出すこと
が多くなり審美性を損なう。また汗を外気に接した側へ
偏在させる方が着心地の観点から好ましく、その点から
も表糸が相対的に太い方がより望ましく、表糸の方がよ
り太いことが必要である。
B1でなければならない。もしＤA＜ＤB1ならば表糸と裏
糸とのリバーシブル性が崩れ、裏糸が表にはみ出すこと
が多くなり審美性を損なう。また汗を外気に接した側へ
偏在させる方が着心地の観点から好ましく、その点から
も表糸が相対的に太い方がより望ましく、表糸の方がよ
り太いことが必要である。
【００１９】
【作用】本発明の編地を着用したとき皮膚は主に裏糸Ｂ
1に接している。それは裏糸Ｂ1が裏糸Ｂ2に比べて十分
太いためである。これは皮膚から発汗した状態において
も同様である。ところで発汗した時、汗は相対的に親水
性であり且つ毛細管効果により汗を吸いやすい裏糸Ｂ2
の方に殆どが吸われる。その結果、裏糸Ｂ1は殆ど汗を
保持しておらず乾いた状態となっている。すなわち皮膚
は乾いた裏糸Ｂ1に接しておりべとつきを感じない。裏
糸Ｂ2に吸われた汗は裏糸Ｂ2の毛細管効果と表糸Ａの吸
水効果によって汗を遠くへ広範囲に拡散させ表糸Ａへ汗
を移送する。その結果汗は、該汗を吸収した点にいつま
でも残らず早く乾きやすい。また汗は表の広い面積に早
く拡散するので外気へ蒸発していく速度も速く編地全体
での乾燥速度も速い。
1に接している。それは裏糸Ｂ1が裏糸Ｂ2に比べて十分
太いためである。これは皮膚から発汗した状態において
も同様である。ところで発汗した時、汗は相対的に親水
性であり且つ毛細管効果により汗を吸いやすい裏糸Ｂ2
の方に殆どが吸われる。その結果、裏糸Ｂ1は殆ど汗を
保持しておらず乾いた状態となっている。すなわち皮膚
は乾いた裏糸Ｂ1に接しておりべとつきを感じない。裏
糸Ｂ2に吸われた汗は裏糸Ｂ2の毛細管効果と表糸Ａの吸
水効果によって汗を遠くへ広範囲に拡散させ表糸Ａへ汗
を移送する。その結果汗は、該汗を吸収した点にいつま
でも残らず早く乾きやすい。また汗は表の広い面積に早
く拡散するので外気へ蒸発していく速度も速く編地全体
での乾燥速度も速い。
【００２０】以下実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例によって限定される
ものではない。 実施例１： 福原精機製の２８ゲージ、シングル編み機
３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記の糸使いで製
造した。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１５０デニール
（ｄ）−４８フィラメント（ｆ）の２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ７５ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 ここに、クラレ社製ランプ糸とは、ポリエステル成分と
ナイロン成分とが、繊維の断面で見て互い違いに並んで
配置された構造の複合繊維（コンジュゲート繊維）であ
って、染色加工後にその両者の複合が解かれて分割さ
れ、それぞれが０.２から０.３デニールのポリエステル
繊維とナイロン繊維との両極細繊維となる分割型複合糸
である。この編地を常法により精練漂白した後白色に染
色した。染色に際し、吸水加工剤ＳＲ１０００（高松油
脂製）を用いて編地全体を吸水加工した。
に説明するが、本発明はこの実施例によって限定される
ものではない。 実施例１： 福原精機製の２８ゲージ、シングル編み機
３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記の糸使いで製
造した。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１５０デニール
（ｄ）−４８フィラメント（ｆ）の２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ７５ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 ここに、クラレ社製ランプ糸とは、ポリエステル成分と
ナイロン成分とが、繊維の断面で見て互い違いに並んで
配置された構造の複合繊維（コンジュゲート繊維）であ
って、染色加工後にその両者の複合が解かれて分割さ
れ、それぞれが０.２から０.３デニールのポリエステル
繊維とナイロン繊維との両極細繊維となる分割型複合糸
である。この編地を常法により精練漂白した後白色に染
色した。染色に際し、吸水加工剤ＳＲ１０００（高松油
脂製）を用いて編地全体を吸水加工した。
【００２１】実施例２： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１２０ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１２０ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２２】比較例１： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、ＤB1≧１．５ＤB2
を満足しない例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−７２
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ７５ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、ＤB1≧１．５ＤB2
を満足しない例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−７２
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ７５ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２３】比較例２： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。この例も、ＤB1≧１．５ＤB2を満
足しない場合の例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1；ポリエステルフィラメント７５ｄ−２４ｆ
の２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ７５ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。この例も、ＤB1≧１．５ＤB2を満
足しない場合の例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1；ポリエステルフィラメント７５ｄ−２４ｆ
の２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ７５ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２４】実施例３： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。 表糸：Ａ； エステル／綿 ４０／１ （綿５０％） 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。 表糸：Ａ； エステル／綿 ４０／１ （綿５０％） 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２５】比較例３： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、表糸Ａの綿の混率
が発明の範囲から外れる場合の例である。 表糸：Ａ； エステル／綿 ４０／１ （エステル７５
％、綿２５％） 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、表糸Ａの綿の混率
が発明の範囲から外れる場合の例である。 表糸：Ａ； エステル／綿 ４０／１ （エステル７５
％、綿２５％） 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２６】比較例４： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、ＤA≧ＤB1を満足
しない場合の例である。 表糸：Ａ； 綿 ６０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、ＤA≧ＤB1を満足
しない場合の例である。 表糸：Ａ； 綿 ６０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１００ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； クラレ社製ランプ糸 ５０ｄ−２４ｆの２ヒータ
ー加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２７】比較例５： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、Ｂ2が本発明で規
定する糸使いでなく、ポリエステル１００％使いの場合
の例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１２０ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； ポリエステルフィラメント７５ｄ−９６ｆの２ヒ
ーター加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、Ｂ2が本発明で規
定する糸使いでなく、ポリエステル１００％使いの場合
の例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1； ポリエステルフィラメント１２０ｄ−４８
ｆの２ヒーター加工糸 Ｂ2； ポリエステルフィラメント７５ｄ−９６ｆの２ヒ
ーター加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２８】比較例６： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、裏糸に一種類の糸
のみを用いた例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1 、Ｂ2 ； ともにポリエステルフィラメント
１２０ｄ−４８ｆの２ヒーター加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。即ちこの例は、裏糸に一種類の糸
のみを用いた例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1 、Ｂ2 ； ともにポリエステルフィラメント
１２０ｄ−４８ｆの２ヒーター加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００２９】比較例７： 福原精機製の２８ゲージ、シ
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。この例も、裏糸に一種類の糸のみ
を用いた場合の例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1 、Ｂ2 ； ともにクラレ社製ランプ糸５０ｄ
−２４ｆの２ヒーター加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
ングル編み機３ＦＡを用いて、天竺リバーシブルを下記
の糸使いで製造した。この例も、裏糸に一種類の糸のみ
を用いた場合の例である。 表糸：Ａ； 綿 ４０／１ 裏糸：Ｂ1 、Ｂ2 ； ともにクラレ社製ランプ糸５０ｄ
−２４ｆの２ヒーター加工糸 編地は実施例１に準じて加工した。
【００３０】上記各実施例及び比較例の乾燥速度、べと
つき性を以下の方法により評価した。 （１）乾燥速度：標準条件で、プラスチックフィルム上
に水滴０．２ｃｃを滴下し、その上に裏面が水滴に接触
するように布を静かに被せ、その瞬間をスタート時刻と
して水の乾燥するスピードを測定する。乾燥スピードは
滴下した水滴の半分が乾燥するに要する時間（分）［以
下「１／２乾燥時間」と仮に呼ぶこととする］で表現す
る。 （２）べとつき性（イ）：ゴムマット上に布の裏面を上
に向けて置き布面に水滴０．１ｃｃを滴下する。滴下し
て３０秒経過したとき既知重量（Ｗ1 ｇ）の濾紙を置
き、その上に円柱状の金属製文鎮（１Ｋｇ）を載せ、１
０秒放置したのち文鎮と濾紙を取り除き水を吸った濾紙
の重量（Ｗ2 ｇ）を素早く測定する。次式Ｘの値が小さ
い程べとつき性が少ないと判断する。 Ｘ＝（Ｗ2−Ｗ1）／０．１×１００ （３）べとつき性（ロ）：ゴムマット上に布の裏面を上
に向けて置き布面に水滴０．１ｃｃを滴下する。滴下し
て３０秒経過したときに人指し指の指先腹部で触り、濡
れた感じを触感で評価する。評価ランクは、べとつき
大、中、小、無しの４ランクとする。
つき性を以下の方法により評価した。 （１）乾燥速度：標準条件で、プラスチックフィルム上
に水滴０．２ｃｃを滴下し、その上に裏面が水滴に接触
するように布を静かに被せ、その瞬間をスタート時刻と
して水の乾燥するスピードを測定する。乾燥スピードは
滴下した水滴の半分が乾燥するに要する時間（分）［以
下「１／２乾燥時間」と仮に呼ぶこととする］で表現す
る。 （２）べとつき性（イ）：ゴムマット上に布の裏面を上
に向けて置き布面に水滴０．１ｃｃを滴下する。滴下し
て３０秒経過したとき既知重量（Ｗ1 ｇ）の濾紙を置
き、その上に円柱状の金属製文鎮（１Ｋｇ）を載せ、１
０秒放置したのち文鎮と濾紙を取り除き水を吸った濾紙
の重量（Ｗ2 ｇ）を素早く測定する。次式Ｘの値が小さ
い程べとつき性が少ないと判断する。 Ｘ＝（Ｗ2−Ｗ1）／０．１×１００ （３）べとつき性（ロ）：ゴムマット上に布の裏面を上
に向けて置き布面に水滴０．１ｃｃを滴下する。滴下し
て３０秒経過したときに人指し指の指先腹部で触り、濡
れた感じを触感で評価する。評価ランクは、べとつき
大、中、小、無しの４ランクとする。
【００３１】以上の評価方法による各実施例及び比較例
の評価結果を表１に示すが、比較例では全て乾燥性並び
にべとつき性において劣ることが示される。
の評価結果を表１に示すが、比較例では全て乾燥性並び
にべとつき性において劣ることが示される。
【００３２】
【表１】
【００３３】
【発明の効果】本発明によって、薄地の編地である天竺
リバーシブル組織において、着用時の発汗によってもべ
とつかず、乾燥も速い快適性に優れた布が得られる。
リバーシブル組織において、着用時の発汗によってもべ
とつかず、乾燥も速い快適性に優れた布が得られる。
Claims (1)
- 【請求項１】 表糸Ａと裏糸Ｂ1、Ｂ2とからなる天竺リ
バーシブルであって、裏糸Ｂ1、Ｂ2は１コースおきに交
互に表糸Ａに対してプレーティングされており、表糸Ａ
には３０％以上の綿を含み、裏糸Ｂ1は単繊維の太さが
２デニール以上であるポリエステルマルチフィラメント
糸であり、裏糸Ｂ2は単繊維の太さが１デニール以下の
ポリエステルとナイロンとからなるマルチフィラメント
糸であり、表糸Ａ、裏糸Ｂ1、Ｂ2の糸のトータル繊度を
それぞれＤA、ＤB1、ＤB2とするときＤA≧ＤB1≧１．５
ＤB2の関係を満足する編地。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33174992A JP3159410B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 編 地 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33174992A JP3159410B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 編 地 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06184885A JPH06184885A (ja) | 1994-07-05 |
| JP3159410B2 true JP3159410B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=18247189
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33174992A Expired - Fee Related JP3159410B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 編 地 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3159410B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102877201A (zh) * | 2012-10-25 | 2013-01-16 | 南通泰慕士服装有限公司 | 运动型针织面料的加工方法 |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3758076B2 (ja) * | 2000-08-07 | 2006-03-22 | 東洋紡績株式会社 | クーリング機能に優れる編物 |
| GB2430443A (en) * | 2005-09-23 | 2007-03-28 | Lenzing Fibers Ltd | Wicking fabric |
| CN115012102B (zh) * | 2022-07-06 | 2023-06-16 | 李宁体育科技(深圳)有限公司 | 定向导水面料的制备方法及服装 |
-
1992
- 1992-12-11 JP JP33174992A patent/JP3159410B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN102877201A (zh) * | 2012-10-25 | 2013-01-16 | 南通泰慕士服装有限公司 | 运动型针织面料的加工方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06184885A (ja) | 1994-07-05 |
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Legal Events
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